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おとひめを熱帯魚に使うには?沈む餌が向く魚種と番手の選び方・与え方のコツ

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沈む餌が向く熱帯魚と向かない熱帯魚の分け方をまとめた表紙スライド

熱帯魚におとひめは合う?沈む餌が向く魚と向かない魚を分けて考えました

THE AQUA LAB 所長(イラスト)

こんにちは。THE AQUA LAB、運営者の所長です。

メダカや金魚の世界でよく名前が挙がるおとひめですが、熱帯魚にも使えるのかな、と気になって調べに来た方が多いのではないでしょうか。成長が早くなるらしい、稚魚がよく育つらしい。そんな評判を見かけて、うちのグッピーやテトラにも試してみようかと考えている。私も同じところから始めました。

結論から言うと、熱帯魚におとひめは使えます。ただし「どの熱帯魚にも同じように使える」かというと、そこははっきり分かれるんですよ。分かれ目になるのは魚の名前ではなく、その魚が水槽のどこで、どんな口の付き方で餌を食べているか。おとひめは沈む餌なので、この一点で当たり外れが決まります。

この記事では、沈降性という性質と遊泳層の関係、口の向きから見た向き不向き、熱帯魚のサイズに合う番手、稚魚育成での強み、混泳水槽での配り方、そして高タンパクゆえの水質管理までを順に整理していきます。読み終わるころには、あなたの水槽の顔ぶれに対しておとひめを入れるべきかどうか、自分で判断できるようになっているはずですよ。

  • 沈む餌が向く魚と向かない魚を層で見分けられる
  • 熱帯魚の口に合う番手を選べるようになる
  • 混泳水槽で行き渡らせる工夫が分かる
  • 水を汚さない量と回数の決め方が身につく
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熱帯魚におとひめが向くかは泳ぐ層で決まる

熱帯魚におとひめが使えるかどうかは、魚の名前ではなく食べ方で決まります。おとひめは沈降性なので、底や中層で餌を拾う魚には自然に合い、水面で食べる上層の魚には工夫が要るという分かれ方です。

口が下や前を向いている魚は沈んでいく粒をそのまま追えますが、口が上を向いた魚は水面から落ちたものを追いかけません。ここを押さえずに「熱帯魚に使える餌かどうか」と考えても答えが出ないんですね。そもそもおとひめが選ばれる理由も3つに集約できます。粗タンパク質が50%前後と一般的な熱帯魚用フードより高いこと、AやB-1という0.36mm以下の細かさが市販のフードにはなかなかないこと、そして養殖用ゆえに1gあたりの単価が抑えめなことです。

この章では、その3つの理由から始めて、沈降性と魚の口の向きの関係、底で拾う魚に自然に合う仕組み、上層を泳ぐ魚にも届かせる落とし方、体長ごとの番手の目安、そして稚魚育成でとくに強みが出る場面までを見ていきます。

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おとひめが熱帯魚に使われる理由

おとひめは日清丸紅飼料が作っている養魚用の配合飼料です。もともとは海産の仔稚魚を育てるための飼料で、それが観賞魚の世界にも広がりました。熱帯魚を飼っている人が手を伸ばす理由は、だいたい次の3つに集約されます。

ひとつは成長の早さ。粗タンパク質が50%前後と、一般的な熱帯魚用フードより高い設計になっています。体をつくる時期の魚に対しては、この密度がそのまま成長速度に効くんですね。ブリードを狙っている方が選ぶのは、たいていこの理由です。

ふたつめは粒の細かさ。AやB-1といった番手は0.36mm以下という細かさで、市販の熱帯魚用フードではなかなかない粒度です。稚魚に人工飼料を食べさせたい場面で、この細かさは代えがききません。

三つめは価格。養殖用の飼料なので、観賞魚用に小分けされたフードと比べると1gあたりの単価は抑えめです。繁殖を回していて餌の消費が多い方には、ここも見逃せない要素になりますよ。おとひめという餌そのものの成分や保存についてはおとひめの成分と保存方法・与える量の考え方にまとめてありますので、初めて使うなら先に目を通しておくと安心です。

観賞魚用フードとは目的が違う

ここで押さえておきたいのが、おとひめは熱帯魚のために設計された餌ではないということです。海産の仔稚魚を短期間で育てるための飼料が、結果として観賞魚にも効いた、という順番なんですね。

観賞魚用フードは、飼育者が長い期間かけて魚を維持することを前提に組み立てられています。色を出す、体型を保つ、消化に配慮する、水を汚しにくくする。目的が分散しているぶん、成長速度そのものはおとひめほど押しません。どちらが優れているという話ではなく、置かれた目的が違うということです。

この違いが分かっていると、後で出てくる「専用フードとの使い分け」の話がすっと入ってくると思います。おとひめは万能の主食ではなく、成長という一点に強い道具。そう捉えておくと使い方を間違えませんよ。

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沈降性と魚の口の向きの関係

上向き・正面・下向きという口の向きごとに、主に食べる層と代表的な魚、おとひめとの相性を並べた対応表のスライド
口の向きと泳ぐ層で見る相性

ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。おとひめは沈降性、つまり沈んでいく餌なんですよ。この一点が、熱帯魚との相性をほとんど決めてしまいます。

熱帯魚は種類によって食べる場所が違います。水面に浮いた餌を吸い込む魚、中層を泳ぎながら流れてくる餌をとらえる魚、底に落ちたものを拾う魚。この違いは口の付き方に現れていて、上を向いている魚、正面を向いている魚、下を向いている魚に分かれます。

口の向き 主に食べる層 代表的な魚 おとひめとの相性
上向き 水面 グッピー、ハチェット、メダカ類 沈む前に食べきれる量ずつ与える工夫がいる
正面 中層 ネオンテトラ、カージナルテトラ、ラスボラ 沈んでいく途中で食べられるので相性はよい
下向き コリドラス、ローチ類、プレコ 底に落ちた粒を拾う食べ方に自然に合う

つまり、おとひめが「与えにくい」のは上層魚だけで、中層魚と底棲魚にはむしろ都合がいい餌なんですね。よく「グッピーにおとひめは向かない」と言われるのは、グッピーが上を向いた口で水面の餌を食べる魚だからです。魚の名前で判断せず、口の向きで見てあげてください。

口の向きを見分けるのは難しくありません。横から魚を眺めて、口が体の輪郭よりやや上に付いていれば上向き、体の先端にまっすぐ付いていれば正面、下側に付いていれば下向きです。判断に迷ったら、いま与えている餌をどこで食べているかを観察してみてください。水面で吸っているのか、沈んでいく途中で追うのか、底をつついているのか。実際の食べ方が答えそのものですよ。

ややこしいのは、同じ水槽に3種類とも混ざっている場合です。多くの混泳水槽がこの状態だと思います。その場合はどれか1種類に合わせるのではなく、後で出てくる「順に流れていく」性質を利用するほうがうまくいきます。おとひめは沈む過程で複数の層を通過するので、実は混泳向きの餌なんですよ。

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底で拾う魚に自然に合う理由

コリドラスやドジョウの仲間、クーリーローチのような底棲魚にとって、沈む餌というのは本来の食べ方そのものです。浮上性のフードだと、上層の魚に全部さらわれてしまって底まで届かない、という悩みを持っている方は多いと思います。

おとひめはその点で扱いやすい餌です。落ちるスピードは番手によって変わりますが、C帯やS帯くらいになるとしっかり沈んでいくので、底にいる魚のところまで届きます。専用の沈下性フードを別に用意しなくても済む場面がありますよ。

底棲魚がいる水槽では、おとひめは「上層の魚が食べ残したぶんを底の魚が拾う」という流れをつくりやすい餌です。上から中層、底へと順に食べる機会が回っていくので、無駄になる粒が減ります。餌が2種類必要だった水槽が1種類で回るようになると、管理はぐっと楽になりますよ。

ただし、底床が厚い水槽では注意が必要です。沈んだ粒が砂利のすき間に入り込むと、魚が食べきれずに残ることがあります。ソイルや細かい砂を敷いている水槽なら粒が表面に留まりやすいので問題は起きにくいのですが、大磯砂のように粒が粗い底床では入り込みやすくなります。給餌の場所を決めておくと回収しやすくなりますよ。

底床のタイプ別に整理すると、扱いやすい順はベアタンク、ソイル、細目の砂、大磯砂といった並びになります。ベアタンクなら沈んだ粒がそのまま見えるので、残っているかどうかが一目で分かります。コリドラス水槽でベアタンクや薄敷きが選ばれることがあるのは、この管理のしやすさも理由のひとつなんですね。

大磯砂のような粗い底床を使っている場合は、給餌のあと数分してからスポイトで底を軽く吸ってみてください。残っている粒があれば回収できますし、量が多すぎたかどうかの判断材料にもなります。毎回やる必要はありませんが、番手や量を変えた直後の数日だけでも確認しておくと安心ですよ。

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上層を泳ぐ魚に届かせる工夫

細かい番手を選ぶ・量を分けて何度も落とす・水流を活用するという上層魚向けの3つの方法を並べたスライド
上層魚に届かせる3つの工夫

では、グッピーやハチェットのような上層魚には使えないのか。そんなことはありません。工夫すれば十分に食べさせられます。

いちばん簡単なのは、細かい番手を選ぶことです。粒が小さいほど沈む速度は遅くなり、水面から中層にしばらく留まります。B-1やB-2くらいの細かさなら、上層の魚が食べる時間は十分にあるんですよ。稚魚に細かい番手が使われるのも、口の大きさだけでなくこの性質があるからです。

◆所長のワンポイントアドバイス

もうひとつの方法が、量を分けて何度も落とすやり方です。一度に多く入れると食べきれずに沈んでしまいますが、数粒ずつ落として食べきったらまた落とす、という与え方なら取りこぼしがほとんど出ません。手間はかかりますが、上層魚だけを飼っている水槽ならこれがいちばん確実ですよ。給餌の時間を魚とのやりとりだと思えば、そう苦にはならないと思います。

それでも上層魚が主役の水槽なら、無理におとひめ1本にする必要はないと私は思っています。主食は浮上性のフードにして、稚魚が生まれたときや成長を押したい時期だけおとひめを併用する。この役割分担のほうが、水も汚れにくく管理が単純になりますよ。

もう一手あるとすれば、水流を使う方法です。フィルターの排水口の近くに落とすと、粒が水流に乗って中層をしばらく漂います。上層魚も中層まではよく降りてくるので、水面で待っているだけの状態より食べる機会が増えるんですよ。ただし水流が強すぎると粒が水槽の隅へ飛ばされてしまうので、様子を見ながら加減してください。

上層魚が主役の水槽なら、通年の主食は浮上性のフードにしておくと管理が単純になります。おとひめは稚魚が生まれたときや成長を押したい時期の併用役、という組み立てですね。価格や在庫は変わることがあるので、購入前に各ショップでご確認くださいね。

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熱帯魚の口に合う番手の目安

次は粒の大きさです。おとひめは記号で番手が分かれていて、小さいほうからA、B-1、B-2、C-1、C-2、S-1、S-2と並びます。メーカーの規格に沿った粒径と、熱帯魚の体格を並べると次のようになります。

熱帯魚の状態 体長の目安 候補の番手 粒径の目安(mm)
生まれたばかりの稚魚 3〜7mm A / B-1 0.25以下 / 0.36以下
育ってきた稚魚 1cm前後 B-1 / B-2 0.36以下 / 0.36〜0.65
小型種の成魚 2〜4cm B-2 0.36〜0.65
中型種・大きめの個体 5〜8cm C-1 / C-2 0.58〜0.91 / 0.91〜1.41
大型種 10cm以上 S-1 / S-2 / EP帯 0.61〜1.80 / 1.3以上

おおまかには、魚が無理なく食べられる粒の大きさは口の幅の3分の1から4分の1くらいが目安とされ、口幅は体長のおおよそ10分の1前後に収まることが多いとされています。ただし熱帯魚は体型の幅が大きく、同じ体長でもベタのように口が大きい魚とネオンテトラのように小さい魚がいます。表は買う前の当たりをつけるためのもので、最終的には食いつきで決めてください。正確な情報は公式サイトをご確認ください。(出典:日清丸紅飼料 水産飼料 製品紹介

ひとつ知っておいてほしいのが、隣り合う番手は粒径が重なっているということ。B-2の上限0.65mmとC-1の下限0.58mmは重なりますし、C-2とS-1は帯がかなり被ります。記号の順に一直線で大きくなるわけではないので、ひとつ上げても変化を感じないことがありますよ。この重なりを図で確かめたい方はおとひめのサイズと番手の選び方をどうぞ。

番手を上げるタイミング

切り替えの合図は、体長そのものよりも食べ方に出ます。いまの番手を問題なく食べていて、与えた直後にあっという間に食べ尽くしてしまう。物足りなさそうに水槽の中を探し続けている。こういう様子が続くようなら、ひとつ上を検討する時期です。

熱帯魚の場合、混泳していると個体差が大きいのが悩ましいところ。ネオンテトラとコリドラスが同居していれば、口の大きさは倍以上違います。そういう水槽では無理に1つの番手に絞らず、2つの番手を混ぜて与えるほうが行き渡ります。小さい魚は細かい粒を、大きい魚は大きい粒を選んで食べてくれますよ。

切り替えるときは数日かけて混ぜながら移してください。餌の急な変更は消化不良のきっかけになることがあります。とくに導入したばかりの魚がいる水槽では、環境の変化と重ならないようにタイミングをずらすと安心です。

小型種の成魚や育ってきた稚魚に合わせるなら、粒径0.36〜0.65mmのB-2が幅広く使える帯です。200gの小分けなら少量から試せますよ。価格や在庫は変動しますので、購入前に各ショップでご確認ください。

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稚魚育成で強みが出る場面

おとひめが熱帯魚の世界でいちばん評価されているのは、間違いなく稚魚育成の場面です。

グッピーやプラティのように卵胎生でどんどん稚魚が生まれる魚、ベタやテトラのように孵化後の管理が難しい魚。どちらの場合も、最初の壁は人工飼料をいつから食べさせられるかという点です。ブラインシュリンプなどの生き餌は栄養面で優れていますが、毎日湧かす手間があります。ここに0.36mm以下の粒があると、選択肢がひとつ増えるんですよ。

実際の運用としては、生き餌とおとひめを併用するのが現実的です。朝はブラインシュリンプ、夕方はおとひめ、といった組み合わせにしておくと、手間を抑えながら栄養も切らさずに済みます。稚魚は消化器が未発達なので、少量を何度も与えるほうが結果は安定しますよ。グッピーの稚魚を守る環境づくりについてはグッピーの稚魚を守る隔離と水草の使い方も参考になると思います。

もうひとつ、稚魚のうちは沈降性のデメリットが出にくいという事情もあります。細かい粒は水面近くにしばらく留まりますし、稚魚は水槽の限られた範囲を泳いでいることが多いので、粒に出会う確率が高いんですね。上層魚の稚魚でも、この時期なら問題なく食べてくれますよ。

回数についても触れておきますね。稚魚は一度に食べられる量が少ないので、1日3回から4回に分けるのが理想です。とはいえ日中家を空けている方には難しいと思うので、朝と夜の2回でも育ちます。大事なのは回数より、1回あたりの量を食べきれる範囲に収めることですよ。

稚魚水槽は水量が小さいことが多いので、食べ残しの影響が成魚の水槽より強く出ます。少量を頻繁にというやり方は、結果として水質の安定にもつながります。カージナルテトラのように繁殖の難易度が高い魚では、この積み重ねが生存率を左右しますよ。詳しくはカージナルテトラの繁殖で押さえる卵と稚魚の管理にまとめてあります。

熱帯魚におとひめを使うときの注意点

おとひめの評判を調べると「水が汚れる」という声に必ず当たります。ただしこれは餌そのものの欠点というより、量が合っていないときに出る症状です。

粗タンパク質50%前後という密度は、食べ残しが出たときの水質への負荷もそれだけ大きいということ。しかも熱帯魚の水槽は24度から28度くらいで維持されていることが多く、この温度帯では残餌の分解も速く進みます。同じ量でも影響が早く出るわけですね。判断そのものは難しくありません。給餌から10分ほどして底に粒が残っているようなら、その日の量は多かったということになります。

この章では、水が汚れるという評価の中身を分解したうえで、高水温の環境で変わる量と回数の考え方、グッピーやテトラ、コリドラスのように泳ぐ層が違う魚が混ざった水槽で行き渡らせる方法、そして専用フードとの使い分けを見ていきます。切り替えた直後の1〜2週間は、いつもより水の様子を見てあげてください。

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水が汚れるという評価の中身

高タンパクによる成長促進と残餌による水質悪化リスクを天秤で示し、高水温環境での給餌量の決め方を添えたスライド
成長促進と水質悪化のつり合い

おとひめについて調べていると、「水を汚しにくい」という評価と「かなり汚れる」という評価の両方を見かけて混乱すると思います。実はどちらも間違いではなくて、条件が違うんですよ。

適量を与えているぶんには、おとひめは水を汚しにくい餌です。消化吸収がよく設計されているので、同じ栄養を摂るのに必要な量が少なく済み、糞の量も抑えられます。粒として造粒された状態で形が保たれるので、水中に散りにくいという性質もあります。

問題は与えすぎたときです。粗タンパク質50%前後という密度は、食べ残しが出たときの水質への負荷もそれだけ大きいということ。分解の過程で出るアンモニアの量は、低タンパクのフードより多くなります。「よく育つから」と量を増やすと、成長が加速するのと同じ速さで水も悪化していきます。水量の小さい水槽ほど影響が早く出るので、量は控えめから始めてください。

つまり「おとひめは水を汚す」という評価の多くは、餌そのものというより使い方の話なんですね。逆に言えば、量さえコントロールできていれば水質面で不利になることはありません。フィルターの能力と水換えの頻度に対して、投入する餌の量が釣り合っているか。この視点で見てあげてください。

切り替えた直後の1〜2週間は、いつもより水の様子を見てあげてください。にごりが出る、油膜が張る、コケの伸びが早くなる。こうした変化が出たら、量が今のろ過能力に対して多いというサインです。おとひめを減らすか、水換えの頻度を上げるかで調整できます。逆にこの期間を無事に越えれば、あとは同じペースで回して大丈夫ですよ。

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高水温の環境で変わる量と回数

熱帯魚の水槽は24度から28度くらいで維持されていることが多いと思います。この水温帯は、金魚やメダカの環境と比べると年間を通して高めです。

水温が高いと魚の代謝は上がり、消化のスピードも速くなります。つまり、同じ量の餌でも処理が早く進むということ。おとひめのような高タンパクの餌を扱ううえでは、これは有利な条件なんですよ。金魚のように「低水温期は消化不良に気をつける」という配慮が、加温された熱帯魚水槽ではあまり必要になりません。

ただし、水温が高いということは水も傷みやすいということでもあります。食べ残しが分解される速度も上がるので、残餌を放置したときの悪化は金魚の水槽より早く進みます。高水温は消化の味方であると同時に、水質悪化の味方でもあると考えておいてください。

回数については、1日1〜2回で数分以内に食べきれる量が基本です。おとひめだからといって特別な計算式はありません。ただ、成長を押したい時期には回数を増やすほうが効果的です。1回の量を減らして3回に分ける、といった調整のほうが、1回に多く入れるより水への負荷は軽くなりますよ。

食べ残しの回収も、熱帯魚水槽では金魚より意識しておきたいところです。水温が高いぶん分解が早く、気づいたときには水が動いていたということが起こります。給餌から10分ほどして底に粒が残っているようなら、その日の量は多かったということ。次から少し減らすか、スポイトで回収してください。

旅行などで数日家を空けるときは、出発前に量を増やさないでください。魚は数日食べなくても大きな問題にはなりませんが、食べ残しは確実に水を悪くします。留守中の考え方は熱帯魚が餌なしで何日大丈夫かの目安を参考にしてみてください。

最初の量をどう決めるか

他のフードから切り替えるとき、量をそのまま置き換えないでください。おとひめは密度が高いので、同じ体積を与えると栄養としては過剰になります。目安としては、いま与えている量の半分から始めて、食べきる速さと糞の状態を見ながら上げていくのがおすすめです。

数分で食べきってしまい、しばらくしても魚が探し回っているようなら少し増やす。10分たっても底に粒が残っているなら減らす。この上下を1週間ほど繰り返せば、その水槽にとっての適量が見えてきます。魚の数も水量も水槽ごとに違うので、他人の数字をそのまま持ち込むより自分で測るほうが早いんですよ。

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混泳水槽で行き渡らせる方法

複数種を混泳させている水槽では、餌が全員に行き渡るかどうかが最大の課題になります。おとひめは沈む餌なので、この点では有利に働く場面が多いんですよ。

浮上性のフードだと、動きの速い上層魚が独占してしまい、下の魚には何も届かないということが起こります。沈む餌なら、上層で食べきれなかったぶんが中層へ、そこでも残ったぶんが底へと順に流れていきます。結果として、水槽の縦方向に食べる機会が分散されるんですね。

それでもうまくいかないときは、給餌の場所を2か所に分ける方法があります。上層魚が集まっている場所とは別の位置に落とすと、底棲魚が落ち着いて食べられるようになりますよ。水流のある水槽なら、粒が流されない場所を見つけておくといいですね。

もうひとつ、餌の時間をずらすのも有効です。消灯前に底棲魚用の分を落としておけば、日中活発な上層魚に取られずに済みます。コリドラスやローチは夜のほうが活発なので、この方法は理にかなっていますよ。

実際の混泳水槽で考えてみましょう。上層にグッピー、中層にネオンテトラ、底にコリドラスという構成は珍しくないと思います。この場合、B-2くらいの細かい番手を少量ずつ落とすと、グッピーが水面付近で数粒、テトラが沈む途中で数粒、残りがコリドラスへ届く、という流れになります。1種類の餌で3層をカバーできるわけですね。

うまくいかないのは、上層魚の数が多すぎて中層より下に何も落ちていかない場合です。そういうときは、上層魚が満足したあとに2回目を落とすようにしてください。1回目で上層の食欲が落ちているので、2回目は素直に沈んでいきます。手間はかかりますが、底の魚が痩せてしまうより確実ですよ。

コリドラスやローチなど、中型サイズの底棲魚が同居しているならC-1あたりが扱いやすくなります。しっかり沈むので底まで届きますし、チャック付きの小分けなら保存もそのまま済ませられますよ。価格や在庫は変わることがあるので、購入前に各ショップでご確認くださいね。

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専用フードとの使い分け

おとひめを導入したとしても、それ1本にする必要はありません。むしろ熱帯魚の飼育では、目的別に使い分けるほうが結果が良くなることが多いと思います。

いちばん分かりやすいのが色揚げです。おとひめは成長のための飼料で、色揚げ成分を主目的に配合された製品ではありません。グッピーやベタ、テトラの発色をしっかり出したい時期には、色揚げ用のフードを組み合わせるほうが目的に合います。ベタの餌選びの考え方はベタの餌の選び方と色揚げ・消化の両立にまとめてありますが、考え方は他の熱帯魚にも通じます。

食性の違いも見てください。おとひめは魚粉を主体にした動物質寄りの飼料です。肉食性や雑食性の魚には合いますが、プレコの一部やモーリーのように植物質を多く必要とする魚には、それ用のフードを別に用意したほうがいいですね。おとひめだけで通そうとすると、栄養が偏る可能性があります。

◆使い分けの目安

成長を押したい時期はおとひめ、色や体型を維持したい時期は専用フード。目的で切り替えると迷いにくくなりますよ。切り替えるときは数日かけて混ぜながら移すと、消化への負担が小さく済みます。稚魚から親魚まで一貫した組み立てはおとひめをメダカに使うときの番手と与え方の考え方が近いので、そちらも参考にどうぞ。

おとひめと熱帯魚についてよくある質問

グッピーにおとひめは向かないのですか

向かないというより、そのままでは食べにくいという表現が正確だと思います。グッピーは上を向いた口で水面付近の餌を食べる魚なので、沈む餌とは食べ方が噛み合いません。ただ、B-1やB-2のような細かい番手なら沈む速度が遅く、水面近くにしばらく留まるので十分に食べられます。少量ずつ落として食べきったらまた落とす、という与え方にすれば取りこぼしもほとんど出ませんよ。稚魚の時期であればさらに問題は小さくなります。

おとひめだけで熱帯魚を飼えますか

肉食寄り・雑食性の魚で、なおかつ食べ方が合っているなら不可能ではありません。ただ私はおすすめしていません。色揚げ成分が入っていないので発色が物足りなくなることがありますし、植物質を必要とする魚がいる水槽では栄養が偏ります。おとひめを軸にするとしても、専用フードをもう1種類持っておくほうが安心ですよ。餌が2種類あると、片方が切れたときにも慌てずに済みます。

水草水槽で使っても大丈夫ですか

使えますが、量の管理は普通の水槽より丁寧にしてください。水草水槽は栄養バランスを保つのに気を使う環境なので、高タンパクの餌を多く入れると窒素分が過剰になり、コケが出やすくなることがあります。水草の陰に粒が入り込むと回収も難しくなりますね。給餌の場所を水草の少ない前景側にする、量を控えめにする、といった工夫があると管理しやすくなりますよ。

おとひめのEP帯は熱帯魚にも使いますか

アロワナやポリプテルスのような大型魚を飼っているなら選択肢に入ります。EP0が1.3mm、EP1が1.7mmで、そこから先は錦鯉や大型魚を想定したサイズになっていきます。ただ荷姿が10kgや20kgと大きいので、家庭の水槽で使い切るのは難しいことが多いですね。一般的な熱帯魚のサイズなら顆粒帯で足りますし、小分けの流通もそちらのほうが豊富です。

熱帯魚におとひめを使うときのまとめ

熱帯魚におとひめは使えます。粗タンパク質50%前後という密度で成長を押せること、0.36mm以下という細かい番手があること、価格が抑えめであること。この3つが、熱帯魚を飼う人にとっての価値です。

ただ、向き不向きを決めるのは魚の名前ではありませんでした。おとひめは沈む餌なので、口が下や正面を向いている魚には自然に合い、上を向いている魚には工夫がいる。コリドラスやローチには理想的で、ネオンテトラのような中層魚にも問題なく、グッピーやハチェットには細かい番手と少量ずつの給餌で対応する。この整理さえできていれば、水槽の顔ぶれを見て判断できるはずですよ。

番手は体長から選んで、あとは食いつきで微調整。稚魚ならAやB-1、小型種の成魚でB-2、中型種でC-1からC-2という並びが目安です。そして量は控えめから。おとひめが水を汚すと言われるのは餌そのものの問題ではなく、密度の高さに対して量が多すぎたときの話でした。

なお、粒径や成分といった製品仕様は改定されることがあります。購入前には正確な情報を公式サイトでご確認ください。また、魚の状態に不安があるときや病気の治療中で餌の選択に迷うときは、最終的な判断は専門家にご相談ください。あなたの水槽に合う使い方が見つかることを願っています。

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