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メダカの病気一覧|初期サインから候補を絞る見分け方と隔離・薬を選ぶ前の確認

ⓘ 広告 ▰ メダカ
水草と実験器具の並ぶ水槽の写真に、メダカの病気一覧と初期サインの見分け方、隔離の判断基準のタイトルを添えた表紙のスライド

メダカの病気一覧|初期サインの見分け方と隔離の判断基準

THE AQUA LAB 所長(イラスト)

こんにちは。THE AQUA LAB、運営者の所長です。

メダカの様子がいつもと違うと、何の病気なのか、今なにをすればいいのか、落ち着かなくなりますよね。

体に白いものが付いている、ヒレを閉じている、水面でパクパクしているなど、気づいたサインは1つでも、考えられる原因は1つとは限りません。

先に結論をお伝えすると、この記事の一覧は、サインごとに疑われる病気を複数並べた形にしています。

病名は見た目だけで決めつけず、候補として受け止めてください。

そのうえで、まず水温と水質を数字で、泳ぎ方や行動を観察で確かめます。

隔離するときは、病魚を移すことと、元の容器を手当てすることを1セットで考えます。

薬や塩は、製品表示に書かれた使える魚の種類・効能・用量を見て選びます。

この記事で扱うのは、病気の一覧と確かめる順番、隔離の判断までです。

塩や薬を使う具体的な手順は、症状ごとの記事にゆずります。

この記事で理解できることは、次の4つです。

  • サインが出る場所ごとに疑われる病気の候補
  • 異変に気づいたときに先に確かめる水温・水質・行動
  • 隔離を急ぐ場面と、元の容器の手当てが要る理由
  • 薬や塩を使う前に製品表示で確かめること
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メダカの病気一覧|サインが出る場所から候補を絞る

ここでは、メダカの体や行動に出るサインを、出る場所ごとに整理します。

土台にしたのは、観賞魚の治療薬を扱う日本動物薬品が、症状の出る場所ごとに疑われる病気を並べた対応表です(出典:日本動物薬品『観賞魚の診療所』症状から病気をさがす)。

この対応表は、金魚や錦鯉、熱帯魚も含めた観賞魚全般の目安で、メダカ専用の表ではありません。

そこで、メダカで話題になりやすい行だけを抜き出し、メダカを名指ししたジェックスの説明を本文で添えています。

表に出てくる病名のうち、この記事で先に名前を覚えておきたいのは次の3つです。

白点病は、つまり白点虫という小さな寄生虫が体に付き、白い点が出る病気です。

水カビ病は、つまり体やヒレに綿のような水カビが付く病気です。

尾ぐされ病は、つまりヒレの先が白く濁り、溶けるように傷んでいく病気です。

表の病名は、あくまで疑われる候補です。

1つの行に1つの病名しか載っていない場合も、それで決まりという意味ではありません。

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体表・ヒレ・口に出るサインと疑われる病気

体表の白い点やフサフサしたもの、充血、ヒレや口が白くなるといったサインごとに疑われる病気の候補を並べ、病名を決めるものではないと添えた表のスライド
体表・ヒレ・口のサインと疑われる病気

まずは、目で見てわかる体表・ヒレ・口のサインです。

表の中のエロモナス症とカラムナリス症は、つまりエロモナスやカラムナリス菌という細菌が原因の病気のことです。

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場所 見え方 疑われる病気(候補) 出典
体表 白っぽいものがついている 白点病、エピスティリス症、テトラヒメナ症、テロハネルス症など 日本動物薬品 対応表
体表 点状のものがついている 白点病、ウーディニウム症、テロハネルス症 日本動物薬品 対応表
体表 フサフサしたものがついている 水カビ病(スレや細菌感染症、寄生虫による傷のあとに起きる二次的な病気とされる) 日本動物薬品 対応表・魚病図鑑
体表 充血して赤くなっている エロモナス症、穴あき病、カラムナリス症、白点病、ギロダクチルス症、イカリムシ症、チョウ症 日本動物薬品 対応表
体表 何か突き出ている イカリムシ症、線虫病 日本動物薬品 対応表
ヒレ 白く濁っている 尾ぐされ病、ギロダクチルス症、水カビ病、トリコジナ症 日本動物薬品 対応表
ヒレ 溶けてボロボロになっている 尾ぐされ病(エピスティリス症も進むとよく似た症状になるとされる) 日本動物薬品 対応表・魚病図鑑
口 白くなっている 口ぐされ病(尾ぐされ病と同じカラムナリス症の仲間) 日本動物薬品 対応表・魚病図鑑

白点病は、初めは白い点がポツポツ見える程度で、重くなると全身に白点がみられると説明されています。

ジェックスは、メダカが体をクネクネさせたり、容器の横や底に体を擦りつけたりする様子を、初期の症状として挙げています。

体が白く見えるときの見分け方は、メダカの体が白くなる原因と、白点病・水カビ・色落ちの見分け方で詳しく整理しています。

水カビ病は、日本動物薬品が「このように水カビ病は二次的な病気として発生します」と説明していて、傷の元になったスレや寄生虫にも目を向けたい病気です。

尾ぐされ病と口ぐされ病は、飼育環境にふだんからいるカラムナリス菌が、免疫が落ちたときや傷口、スレから感染して起きると説明されています。

ジェックスによると、メダカの尾ぐされ病は、初期に尾が細くなり、いつもより閉じたように見えるのがサインです。

さらに「上から見るとエサもよく食べ、元気に泳いでいるメダカでも、横見をすると気づく事が多い病気です」ともあります。

◆所長のワンポイントアドバイス

屋外の容器で上からしか見ていない場合は、ときどきやさしくすくって横からも見てあげると、ヒレの変化に気づきやすくなります。

すくうときは、網で体をこすらないよう、そっと扱ってください。

体表の点状の出血や充血は、エロモナスによる赤斑病でみられるサインで、ヒレの根元や肛門が赤くなることもあります。

日本動物薬品は、赤斑病を「特に水温変化の激しい梅雨時や秋口に発生しやすい病気です」と説明しています。

体から何か突き出ているときはイカリムシ症などが候補で、イカリムシは「15℃以上で繁殖し、12℃以下になると成長を停止し、越冬します」とされています。

ウオジラミとも呼ばれるチョウ症では、体表やヒレに5mm前後の薄茶色で平たい円形の生き物が見られます。

どちらも、日本動物薬品はピンセットなどで取り除く方法を案内しています。

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エラ・目・お腹・泳ぎ方に出るサインと疑われる病気

エラ・目・お腹、鼻上げ、泳ぎ方の異変ごとに疑われる病気と、酸欠や水質など病気以外に考えたい原因を並べた表のスライド
エラ・目・お腹・行動のサインと疑われる病気

次は、エラや目、お腹の形、泳ぎ方や行動に出るサインです。

このグループには、病気以外の原因が候補に入るものが多く含まれます。

→ 横にスクロールできます

場所 サイン 疑われる病気 病気以外に考えたい原因 出典
エラ エラブタが開いたまま 鰓ぐされ病、ギロダクチルス症・ダクチロギルス症、その他原虫病 ― 日本動物薬品 対応表
目 眼球が出っ張っている エロモナス症(松かさ病に伴うこともある) ― 日本動物薬品 対応表・魚病図鑑
お腹 膨らんでいる エロモナス症、テロハネルス症など(松かさ病に伴うこともある) ― 日本動物薬品 対応表・魚病図鑑
ウロコ 逆立って松かさのように見える 立鱗病(松かさ病)、原因の細菌が関わらない場合もあるとされる ― 日本動物薬品 対応表・魚病図鑑
行動 水面近くでパクパクする(鼻上げ) エラへの寄生、エラの働きの低下 酸欠 日本動物薬品 対応表
行動 体をこすりつける、体をクネクネさせる 白点病、ギロダクチルス症など寄生虫によるもの ― 日本動物薬品 対応表、ジェックス(メダカ)
行動 底に沈んで動きがにぶい、ふらふら泳ぐ、ヒレを閉じている 多くの病気でみられる 体調を崩しているサインの1つ 日本動物薬品 対応表
泳ぎ方 激しく泳ぐ、上下に泳ぐ、クルクル回る、飛び跳ねる 病気のこともある 繁殖行動、習性、アンモニア・亜硝酸中毒、pHショック ジェックス(メダカ)

エラブタが開いたままのときは、鰓ぐされ病のほか、ギロダクチルス症・ダクチロギルス症などの寄生虫の病気も候補に入ります。

日本動物薬品によると、ギロダクチルス症・ダクチロギルス症は「外観症状を示さないことがあります」とされ、ダクチロギルスは25℃以上を好むため高水温期に流行するとされています。

ウロコが逆立って松かさのように見える立鱗病(松かさ病)は、出血や充血、お腹の膨らみ、目の出っ張りを伴うこともある病気です。

原因について、日本動物薬品は「この細菌が関与していない場合も発生することがあり、まだ解明されていないこともあります」としています。

なお、同社の図鑑で松かさ病の対応薬品として挙がっている製品は、表示上の対象魚(つまり、その薬を使ってよいと表示されている魚の種類)にメダカが入っていないため、この記事ではメダカの松かさ病に使う薬を挙げていません。

同じエロモナスの仲間でも、穴あき病は充血が鱗一枚ほどの範囲から始まり、比較的低い水温を好む細菌によるものと説明されています。

水面でパクパクする鼻上げは、エラへの寄生やエラの働きの低下のほか、酸欠のときにもみられます。

酸欠が疑われるときは、鼻上げの見分け方と、今すぐできる酸欠の応急処置を先に確かめてください。

ジェックスも、観賞魚の初期症状として、鼻上げのほかに群れから離れて泳ぐ、呼吸が早いといった様子を挙げています。

泳ぎ方の異変は病気以外の原因も多いので、このあと確かめる順番の章でくわしく見ていきます。

一覧の読み方|1つのサインに病名は1つとは限らない

ここまでの表を見ると、同じサインにいくつもの病名が並んでいることに気づくと思います。

見た目だけで病名を1つに決めるのは、それだけ難しいということです。

日本動物薬品の図鑑には、小さな寄生虫による一部の病気について「顕微鏡でなければ虫体の判別は困難です」とあります。

また「エピスティリス症は、病気が進行するに従い穴あき病や尾ぐされ病とよく似た症状になります」とも説明されています。

研究用に飼われていたメダカの抗酸菌症(つまり、抗酸菌という細菌による病気)の報告でも、ヒレ先の傷みやふらつきが症状に含まれていました。

もう1つ知っておきたいのは、薬で治せる不調には範囲があることです。

日本動物薬品は病気を、病原体によるもの、水質やエサなど飼育環境によるもの、体質や品種など遺伝によるものの3つに分け、「観賞魚治療薬で治療することができるのは、病原体による病気になります」としています。

水温の急変や水質の悪化、アンモニアや亜硝酸の中毒による不調は、薬を足すより、水を整える側で考えることになります。

ひっくり返って泳ぐ転覆病について日本動物薬品の図鑑にある説明は、リュウキンやオランダシシガシラのような丸い体型の金魚についてのものなので、メダカにそのまま当てはめないでください。

一覧は答えではなく、確かめる順番を決めるための地図として使ってください。

たとえば目が出っ張って見えるときは、出目との違いと目以外のサインの見方を確かめてから、水質の確認と水換えへ進む順番を別の記事で整理しています。

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寄生虫・細菌・真菌のどれかで効く薬が変わる

候補を絞る意味がいちばんはっきり出るのが、薬選びです。

疑われる病気の原因は、おおまかに、白点虫やイカリムシのような寄生虫、カラムナリス菌やエロモナスのような細菌、水カビのようなカビの仲間に分かれます。

キョーリンは、水カビ病を真菌による病気に分類しています。

そして魚病薬(つまり、観賞魚の病気の治療に使う薬)は、効能効果(つまり、その薬がどの病気の治療に使えると承認されているか)が製品ごとに違います。

たとえばグリーンFの効能効果は「観賞魚の白点病、尾ぐされ症状、水カビ病並びに細菌性感染症の治療」です。

名前の似たグリーンFゴールド顆粒は「観賞魚の細菌性感染症の治療」で、白点病は効能効果に入っていません。

観パラDとグリーンFゴールドリキッドの効能効果は「観賞魚:エロモナス属による穴あき病の早期治療」で、尾ぐされ病や赤斑病は書かれていません。

寄生虫のイカリムシとウオジラミには、観賞魚用ムシクリア液のように駆除を効能効果にした製品があります。

日本動物薬品は「飼育者が病状を判断し、適切な“観賞魚治療薬”を使用することが必要です」とし、キョーリンも「「病気」を確認したら症状に合わせて薬を選んで治療しよう」と案内しています。

候補を寄生虫・細菌・カビのどこまで絞れたかによって、効能の合う薬が変わるということです。

候補を絞ったら、症状に合う効能効果が製品表示にあるかを確かめて選ぶ、という順番になります。

◆所長のワンポイントアドバイス

名前が似ていても効能効果はそろっていないので、薬を手に取ったら、商品名より先に箱や説明書の効能効果の欄を読んでみてください。

初期サインに気づいたら先に確かめること

メダカの様子がおかしいと気づいたら、薬や塩を用意する前に、まず水と行動を確かめます。

ジェックスは、メダカの泳ぎ方の異変について「急激な水温変化はなかったか、水質は悪化してないか、エサの量や回数は適切か、密度は適切かを確認して原因を把握しましょう」と案内しています。

キョーリンも、食欲がない、元気がない、フラフラ泳ぐ、注水口に寄る、底でじっとしている、体を底などにこすり付けるといった行動を、病気のサインとして挙げています。

こうしたサインは、病原体だけでなく、水の変化から出ることもあります。

それでも早く動く意味は大きく、日本動物薬品は白点病について「重症化すると治療が難しくなりますので早期発見、早期治療を心掛けてください」としています。

この章では、水温と水質を数字で確かめる方法と、泳ぎ方の異変を病気と決めつけないための見方を整理します。

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水温と水質の急変を数字で確かめる

水の状態は、見た目の透明さだけでは判断できません。

スペクトラム ブランズ ジャパン(旧テトラ ジャパン)は、水がきれいに見えても「目には見えなくてもお魚にとって有害な成分が蓄積していることがあります」としています。

そのうえで「しっかりと数値化してどこに問題があるか(もしくは良い状態か)を突き止める必要があります」と続けています。

家庭でできるのは、水温計で水温を、試験紙や試薬で水質を数字にしておくことです。

同社の亜硝酸試薬の説明には「亜硝酸塩濃度を0.8mg/l以下に維持することが大切です」とあります。

ただしこれは観賞魚全般に向けた、その試薬の説明としての目安で、メダカ専用の基準ではありません。

水温については、ジェックスが観賞魚の病気の要因として「急激な5℃以上の水温変化は危険」と示しています。

屋外のメダカで特に気をつけたいのが、雨と暑さです。

日本動物薬品は「メダカの飼育でもっとも注意すべき点は水質と水温です」としています。

屋外の飼育容器は容量が少ないため、ゲリラ豪雨や猛暑で水質が急に変わり、体調を崩すことがあるという説明です。

ジェックスも、暑い日の夕立で雨水が大量に入ったときや、水換えで水温合わせを怠ったときを、メダカの白点病のきっかけとして挙げています。

白点病の病原体は白点虫で、急な水温変化は発症のきっかけと分けて考えると整理しやすくなります。

水質を数字で確かめる道具を探しているなら、テトラのテスト試験紙 6in1 のように、亜硝酸塩やpHなど複数の項目を1枚で確かめられる試験紙があります。

6in1ではアンモニアを測れないので、アンモニアも確かめたいときはアンモニア用の試験紙と組み合わせて使うのがテトラの案内です。

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泳ぎ方の異変は産卵や習性、水質の中毒のこともある

ジェックスは、メダカの泳ぎ方が変わる原因として、病気のほかにpHショック(つまり、pHの急な変化で魚がショックを起こすこと)、産卵活動、習性によるものを挙げています。

たとえば「メスの周りをオスがクルクル回っているなら、繁殖行動でラブコールを送っているだけの可能性もあります」とあります。

飛び跳ねる動きについても「この動きは本能的に備わっているものなので、特に気にする必要はありません」とあります。

一方で、水が原因の見逃したくない異変もあります。

同じページでは「上下に激しく泳ぐなら、アンモニア・亜硝酸中毒の可能性があります」とし、水換えをするか、水槽を分けて数を減らすよう案内しています。

pHショックについては、起きてしまうと回復の見込みはかなり低いとされています。

日本動物薬品の対応表でも、底に沈んで動きがにぶい、ふらふらと泳ぐ、ヒレを閉じているといった様子は「体調を崩している時にみられる症状のひとつです」とされ、多くの病気でみられるとしています。

行動だけで病名を絞るのは難しいので、泳ぎ方の変化に気づいたら、体のサインと水の数字をあわせて見てください。

メスを追うオスの動きなのか、1匹だけが苦しそうに泳いでいるのかを見比べると、繁殖行動と異変を分けやすくなります。

隔離の判断基準と、隔離だけでは足りない理由

隔離は、病魚を移すことと、元の容器を手当てすることの1セットです。

隔離を勧める理由として、ジェックスは観賞魚の初期対応で「隔離は病気の蔓延を防ぐためです」と説明しています。

キョーリンは、飼育水槽で塩水浴(つまり、薄い食塩水の中で魚を過ごさせること)や薬浴(つまり、魚病薬を溶かした水に魚を入れて治療すること)をすると、ろ過バクテリアが死んだり水草が枯れたりして水質が悪くなるおそれがあるとしています。

病原体が隠れやすく効果が弱まるおそれも挙げ、「そのためシンプルな隔離水槽での塩水浴・薬浴がオススメです」としています。

一方で日本動物薬品は、「肉眼で見えなくても飼育水中には、病原体が多数発生しています」として、「基本的には他の魚と一緒に薬を使用して下さい」と案内しています。

そのうえで「もし病魚を隔離して治療する場合は、元の水槽にも同様に薬を使用して下さい」としています。

隔離を勧める側と一緒に治療する側で案内は分かれますが、どちらも元の容器を放っておいてよいとは書いていません。

この章では、隔離を急ぐ場面と先に水を見直す場面の分け方、そして元の容器の手当てを出典ごとに見ていきます。

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隔離を急ぐサインと、先に水を見直すサイン

特定の個体に症状がある、うつる病気が候補に入るときは隔離を急ぎ、同じ容器の何匹もに同じ様子が出るときや鼻上げのときは先に水を見直すという判断の分かれ目を示したスライド
隔離を急ぐ場面と水を見直す場面

隔離を急ぎたいのは、病気のサインが特定の個体に出ていて、うつる病気が候補に入るときです。

ジェックスは観賞魚の初期対応として、何らかの初期症状が確認できた個体は隔離するよう案内しています。

同社のメダカの病気のページには、水カビ病について「この病気は他のメダカにも移りますので、隔離をして下さい」とあり、尾ぐされ病も症状が出ていないメダカとは隔離して治療すると説明されています。

日本動物薬品もテトラヒメナ症の対策として、「何よりも疑わしい魚は持ち込まないこと」と、発生したら病魚を隔離して感染を食い止めることを挙げています。

泳ぎ方の異変では、ジェックスが「まずは激しく泳ぐ個体メダカを隔離しましょう」としています。

一方、この記事で先に水を見直す側に分けているのは、同じ容器の何匹もに同じ様子が出ているときや、鼻上げが見られるとき、水温や水質の数字が悪いときです。

鼻上げは酸欠のときにもみられ、上下に激しく泳ぐ様子はアンモニア・亜硝酸中毒の可能性があるとされているので、水の側の原因が候補に入ります。

この場合、1匹だけを移しても、残ったメダカは同じ水の中にいることになります。

同じ容器のメダカが続けて死んでしまうときは、次々死ぬときに水質と水温を確かめる順番を、導入直後のストレスの振り返りまで含めて別の記事にまとめています。

水を見直すときの水換えの量は、出典と場面で分かれています。

日本動物薬品は日常の管理として「1週間に1回、1/3程度を交換するのが理想的です」とし、「過度な水換えは逆に魚にとって負担になります」とも書いています。

異変に気づいたときについては、キョーリンが水の2/3交換とろ過槽の掃除を、ジェックスが観賞魚の初期対応として1/4〜1/5程度の水換えを挙げています。

ジェックスはメダカの水換えについて、換えすぎると「粘膜が剥がれてしまい、それにより発病してしまうので、気を付けましょう」とも注意しています。

数字を1つにそろえず、読んだ出典の場面に合わせて選んでください。

隔離用の容器をどう用意するかは、100均とペットボトルで作るメダカの隔離容器の手順で目的別にまとめています。

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隔離した後も元の容器の手当てが要る

病魚を移したあとの元の容器の手当ては、メーカーによって案内が違います。

どれか1つが正解というより、出典ごとの考え方として読んでください。

→ 横にスクロールできます

出典 元の容器の手当て あわせて書かれている理由
日本動物薬品(観賞魚の診療所 よくある質問) 基本は他の魚と一緒に薬を使い、病魚を隔離して治療する場合は元の水槽にも同様に薬を使う 肉眼で見えなくても飼育水中には病原体が多く、他の魚は無症状感染の状態
キョーリン(病気の初期対応の解説) 隔離水槽での塩水浴・薬浴を勧め、元の水槽は2/3程度の水替えをする 水質が悪化している場合が多い、白点虫が潜んでいる場合がある
ジェックス(メダカの病気について) 尾ぐされ病では、病気のメダカがいた容器の水を換え、容器もきれいに洗い、症状が出ていなかったメダカの観察を続ける 症状が出ていないメダカにも、今後症状が出ることがある
キョーリン(観賞魚用ムシクリア液) イカリムシは飼育水槽での薬浴が効果的 水中に潜んでいる幼生を駆除するため

白点病で元の容器まで気にかけたいのは、白点虫がシスト(つまり、白点虫が水槽の中で数を増やすときにつくるもの)をつくり、水槽の中で増えるからです。

日本動物薬品は、体の白点が消えても「まだ目に見えない仔虫が寄生している場合があるので、油断せずに数日は様子をみてください」としています。

キョーリンによると、白点虫の成熟期間は水温で変わり、13〜15℃で約12日間、18〜20℃で約7日間、23〜24℃で約3〜6日間とされています。

イカリムシでは逆に、キョーリンが「水中に潜んでいる幼生を駆虫するため、飼育水槽での薬浴が効果的です」としています。

病魚だけを移しても、元の容器に幼生が残るという考え方です。

隔離のときにやりがちな見落としは、次の3つです。

1つ目は、病魚を移しただけで、元の容器の水や容器そのものをそのままにしてしまうことです。

2つ目は、白い点が消えたところで安心して、残ったメダカの観察をやめてしまうことです。

3つ目は、隔離容器の酸欠を見落とすことで、キョーリンは病原体がエラに寄生しやすく酸欠に注意が必要だとしています。

メダカの病気予防と、薬や塩を使う前の確認

メダカの病気への備えでいちばん大切なのは、病気を出さないことです。

キョーリンも「大前提として病気は治すよりも出さないようにすることが大切です」としています。

日本動物薬品は病気の要因として、病気の魚を持ち込む、スレ傷、悪くなったエサを与える、水質の悪化、急激な温度変化、過密飼育などを挙げています。

ジェックスもメダカについて、季節の変わり目、新しく迎えるときの水合わせ・温度合わせ、水換えのときの網の使い方、水質の悪化、エサのあげすぎを発病のきっかけに挙げています。

さらに日本動物薬品は、日常の管理をしっかり行えば、病気が出ても早く見つけられ、治療も比較的しやすくなるとしています。

そのうえで、いざ薬や塩を使うときは、製品表示を読んでから選ぶことが欠かせません。

日常管理で減らしたいのは、次の3つです。

1つ目は持ち込みで、日本動物薬品によると、白点病は「新しく魚や水草を導入した際に一緒に持ち込んでしまい発生するケースが多いです」とされています。

2つ目はスレで、ジェックスは水換えのときの網による擦れや、過密によるメダカ同士の擦れ、容器や底砂にぶつけた擦れを、水カビ病の原因に挙げています。

3つ目は急な水温変化で、新しく迎えるときや水換えのときは、水温と水質をゆっくり合わせます。

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魚病薬と塩は製品表示の対象魚・効能・用量で選ぶ

対象魚、効能効果、用法用量、併用の注意の4点を製品表示で確かめることと、薬浴に使った水の処分の注意を示したスライド
薬と塩を選ぶ前の確認事項

魚病薬は、製品ごとに対象魚・効能効果・用法用量が承認されています(出典:動物用医薬品等データベース(農林水産省 動物医薬品検査所))。

注意したいのは、同じメチレンブルーの薬でも、製品によってはメダカが表示上の対象に入っていないことです。

観賞魚用メチレンブルー液(リケンベッツファーマ製・キョーリン扱い)の効能効果は「観賞魚(金魚、錦鯉、淡水性熱帯魚)の白点病、尾ぐされ症状、水カビ病の治療」で、メダカは挙がっていません。

観賞魚用アクリフラビン液も、表示の対象は金魚・錦鯉・淡水性熱帯魚です。

観賞魚用エルバージュエースは「観賞用のコイ、フナ及びキンギョ並びに淡水産熱帯魚以外には使用しないこと」とされ、パフラジンFもコイ・フナ・キンギョと淡水熱帯魚に限られています。

一方、アダプトゲン製薬のメチレンブルー水溶液のように、対象が観賞魚とだけ書かれた製品は、観賞用に飼うメダカも含まれると読めます。

読み方に迷ったら、使う前に発売元へ問い合わせてください。

用量は、表示どおりが基本です。

各製品の表示には、他の薬品や水質安定剤との併用を避けること、他の薬剤を加えて使わないこと、週余にわたる連続投与をしないことといった注意があります。

濃くする、薄める、ほかの薬と混ぜる、期間を延ばすといった使い方はしないでください。

キョーリンも「魚病薬の添付文章を良く読み用法用量を守りご使用ください」と呼びかけています。

薬を選ぶ前に、製品表示で次の4点を確かめます。

1点目は対象魚で、メダカが対象に入っているか、観賞魚とだけ書かれているかを見ます。

2点目は効能効果で、疑っている病気の種類が書かれているかを見ます。

3点目は用法用量で、水の量に対する薬の量と、薬浴の期間を確かめます。

4点目は併用の注意で、ほかの薬や水質安定剤と一緒に使えるかどうかを確かめます。

塩も、製品と出典ごとに位置づけが違います。

ジェックスの塩で元気 ミニタブレットは、製品表示に「疾病を治療する商品ではありません」と明記されていて、病気のときは病状に合った魚病薬を使うよう案内されています。

キョーリンも、体調の崩れが軽い場合は塩水浴などで元気になるとしつつ、「しかし病気が発症している場合は、薬を使用して治療しましょう」としています。

塩水浴の濃さも、出典と対象の魚ごとに分けて読みます。

メダカを名指ししたキョーリンの案内は、カルキを抜いた水10ℓに食塩50g(大さじ3杯)で0.5%の食塩水にし、4日ごとに水を全部換える方法です。

ジェックスの1Lに3〜5gほどという目安は観賞魚全般向けで、日本動物薬品の0.3〜0.5%や0.5%は病気ごとの記述です。

塩の量と期間、元の水への戻し方は、弱ったメダカの塩浴の濃度0.5%と期間・戻し方の手順で詳しくまとめています。

水温を上げる目安も、出典ごとに違います。

日本動物薬品は白点病で26〜28℃程度を、ジェックスは28℃くらいまでを挙げ、白点病なら28〜30℃としています。

キョーリンは、メダカが元気な水温を26℃前後としつつ、「水温が約16℃以下の場合は大きな水温変化に魚が耐えられない可能性があるので、温めずに治療した方が良い場合もあります」としています。

共通しているのは、上げるなら少しずつという点で、日本動物薬品も「水温を上げる場合はヒーターを使って徐々に行ってください」としています。

薬浴に使った水は、川や側溝に流さないでください。

グリーンFクリアーの表示には、使用後の薬剤を「直接、河川・湖沼・海域等に流さないこと」とあり、ほかの製品にも同じ趣旨の注意があります。

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メダカの病気に関するよくある質問(FAQ)

治療中のメダカにエサは与えてもいいですか?

メーカーによって案内が分かれています。

日本動物薬品は、治療中でもエサは与え、量は普段より少なめにするよう案内しています。

キョーリンはメダカの塩水浴について「余らないように少しだけ給餌」とし、異変に気づいたときは2日間エサを与えずに様子を見るよう案内しています。

ジェックスは、メダカの水カビ病の治療中は給餌を止めるよう書いています。

使う薬の説明書に指示があれば、そちらを優先してください。

稚魚に薬は使えますか?

日本動物薬品は「現在市販されている観賞魚用治療薬は、稚魚に対しても安全にお使いいただけます」としています。

一方で同社は、ギロダクチルス症の説明の中で、高い濃度での短時間の塩水浴は魚への負荷が大きく稚魚などは危険なので、あまりおすすめしないとしています。

稚魚でも、製品表示の対象魚と用法用量の範囲で使い、迷ったら発売元に確かめてください。

薬浴中は容器を暗くしたほうがいいですか?

キョーリンは、メチレンブルー液で薬浴する隔離水槽について「直射日光や強い光をさけ、適度に明るい場所に設置してください」と案内しています。

同じ案内では、薬が働くときに酸素を使うため、エアレーションをするよう書かれています。

なお、この製品は、表示上の対象にメダカが入っていない点に注意してください。

真っ暗にするより、強い光を避けて空気を送ることを、使う薬の説明書とあわせて確かめてください。

使い終わった薬の水はどう捨てればいいですか?

製品表示に書かれた方法に従います。

グリーンFとグリーンFゴールド顆粒の表示では、使用後の薬液を日光の下に1日置いてから捨てるよう書かれています。

どの製品でも、川や側溝、池などにそのまま流さないでください。

雨のあと、屋外のメダカで何を見ておけばいいですか?

日本動物薬品は、屋外の飼育容器は容量が少なく、ゲリラ豪雨で水質が急に変わることがあるとしています。

ジェックスも、暑い日の夕立で雨水が大量に入ったあとを、白点病のきっかけの1つに挙げています。

雨のあとは水温と水質を測り、体をこすりつける様子や白い点が出ていないかを見ておきましょう。

まとめ|病気はサインから候補を絞り、水を確かめ、隔離は元の容器の手当てとセットで

メダカの病気は、見た目のサインだけで病名を1つに決めるのが難しいものです。

最後に、この記事の要点を振り返ります。

  • 一覧は、サインが出る場所ごとに疑われる病気を複数並べた候補として使う
  • 異変に気づいたら、まず水温・水質を数字で、泳ぎ方や行動を観察で確かめる
  • 泳ぎ方の異変には、繁殖行動や習性、アンモニア・亜硝酸中毒、pHショックも含まれる
  • 隔離は、病魚を移すことと元の容器を手当てすることの1セットで考える
  • 元の容器の手当ては、投薬・水替え・容器の洗浄と観察など、メーカーによって案内が違う
  • 薬と塩は、製品表示の対象魚・効能効果・用法用量で選び、表示どおりに使う

薬を使うときは製品表示どおりに使い、読み方に迷ったら発売元に問い合わせてください。

薬浴に使った水は、川や側溝に流さないでください。

いつもと違う様子に早く気づけるよう、ふだんから水と泳ぎを見守っていきましょう。

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