金魚の種類一覧|体型・難易度・飼いやすさを比較
金魚を飼ってみたいと思ってお店に行くと、似た姿の金魚がたくさん並んでいて、どれを選べばよいか迷ってしまいますよね。
名前も「〇〇錦」「〇〇獅子頭」などなじみのないものが多く、見た目だけで決めてよいのか不安になる方もいるでしょう。
テトラ(スペクトラム ブランズ ジャパン)は、金魚の品種は100種類以上いるといわれていると紹介しています。
ただ、数が多くても体の形で大きく分けてみると、見分け方も飼い方の考え方もぐっと整理しやすくなります。
結論から言うと、種類選びは色や模様といった見た目よりも、体型と泳ぎ方の違いを先に見るのがおすすめです。
この記事では主な品種を一覧で比べながら、見分け方と、体型ごとの泳ぎ・観賞の向き・難易度の違いを順に整理していきます。
この記事で理解できること
- 金魚の種類一覧と体型による3つの分け方
- 背びれ・体型・目・頭・鱗・尾から品種を見分ける手順
- 長もの・丸もの・背びれのない金魚の特徴と違い
- 品種ごとの飼いやすさと難易度の目安
金魚の種類一覧は体型で3つに分かれる
弥富市の金魚図鑑によると、金魚はフナから生まれたヒブナを改良してできました。
GEXは、交配による品種改良や突然変異によって誕生した品種が大切に育てられているとしています。
こうして生まれた多くの品種は、体の形によって3つのタイプに整理するのが一般的です。
1つ目は体が細長い「長もの(和金型)」、2つ目は体が丸く背びれがある「丸もの(琉金型)」、3つ目は背びれがない「らんちゅう型」です。
本記事ではこれに加えて、目や顔の形に大きな特徴がある品種もまとめて紹介します。
タイプがわかれば、どんな泳ぎをするのか、どの向きから眺めると楽しいのかも見当がつきやすくなるでしょう。
見分け方は背びれと体の丸さを見る

お店で金魚を見たとき、品種名がわからなくても心配はいりません。
次の順番で体の部位を見ていくと、候補をかなり絞り込めます。
①まず背びれがあるかないかを確かめます。
背中にひれがなければ、らんちゅう型の仲間の可能性が高いでしょう(目に特徴のある品種などには例外もあります)。
②背びれがあれば、次に体が細長いか丸いかを見てください。
フナに近い細長い形なら長もの、横から見て丸くふくらんでいれば丸ものです。
この①と②の2段階で、多くの品種は3つのタイプのどれに近いか見当がつきます。
③続いて目に注目しましょう。
左右に大きく突き出ている、上を向いている、目の下に水の入った袋があるといった特徴は、品種を見分ける大きな手がかりになります。
④次は頭と鼻の確認です。
頭にこぶのような盛り上がりがあれば「肉瘤(にくりゅう)」、つまり頭のこぶを持つ品種で、鼻先にふさふさした房があれば花房の仲間と見当がつきます。
⑤さらに鱗も見てみてください。
金属のように光る普通の鱗のほか、光沢が少なく透き通ったように見える「透明鱗」、透明鱗と普通の鱗がまじった「モザイク透明鱗」、真珠をはめ込んだような膨らみのある「パール鱗」があります。
⑥最後は尾びれの形です。
フナのように1枚の「フナ尾」、開いて3つや4つに分かれて見える「三つ尾・四つ尾」、長く伸びてたなびく「吹き流し尾」、先が反り返った「反転尾」などがあり、品種の個性がよく表れます。
下の表は、主な品種をこの見分け方の視点で並べたものです。
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| 品種 | 体型タイプ | 背びれ | 見分けるポイント | 飼いやすさの目安 |
|---|---|---|---|---|
| 和金 | 長もの | あり | 胴長で頭が小さく、ひれが短い | 丈夫で飼育しやすいとされる |
| コメット | 長もの | あり | 長く伸びた吹き流し尾 | 大きめの水槽が望ましいとされる |
| 朱文金 | 長もの | あり | 和金に似た体型(尾の説明は出典で異なる) | 丈夫で飼育しやすいとされる |
| ブリストル朱文金 | 長もの | あり | ハート型の尾びれ | 飼育は容易とされる(尾の形の維持は難しい) |
| キャリコ和金 | 長もの | あり | 赤・黒・白の柄を持つ和金 | 身体が丈夫とされる |
| 地金 | 長もの | あり | 独特な形の尾、赤い口とひれに白い体 | —(出典に記載なし) |
| 琉金 | 丸もの | あり | 丸い体と美しい尾びれ | 飼育は容易とされる・転覆に注意 |
| キャリコ琉金 | 丸もの | あり | 琉金型の体にモザイク模様 | —(出典に記載なし) |
| ショートテール琉金 | 丸もの | あり | 琉金の体型で尾が小さい | —(出典に記載なし) |
| パールスケール(ピンポンパール) | 丸もの | あり | 真珠のような膨らみのある鱗 | ピンポンパールは飼育は容易とされる・転覆に注意 |
| 浜錦 | 丸もの | あり | パール鱗の体に水泡のような2つの肉瘤 | —(出典に記載なし) |
| オランダ獅子頭 | 丸もの | あり | 琉金に似た体に大きな肉瘤 | 初心者でも飼育しやすいとされる・転覆とこぶのケガに注意 |
| 東錦 | 丸もの | あり | オランダ型の体にキャリコの体色 | —(出典に記載なし) |
| 丹頂 | 丸もの | あり | 白い体に頭だけが赤い | 初心者でも飼育しやすいとされる・転覆とこぶのケガに注意 |
| 茶金 | 丸もの | あり | 茶色の体色 | —(出典に記載なし) |
| 青文魚 | 丸もの(当サイトの分類) | —(出典に記載なし) | 黒青色の体色 | —(出典に記載なし) |
| らんちゅう | 背びれなし | なし | 筒型の体と頭の肉瘤、黒を含まない体色 | 普通に楽しむ分には他の金魚と変わらないとされる |
| 桜錦 | 背びれなし | なし | らんちゅう型で更紗中心の体色 | 比較的簡単とされる |
| 江戸錦 | 背びれなし | なし | らんちゅう型でモザイク透明鱗の体色 | —(出典に記載なし。入手は困難とされる) |
| 秋錦 | 背びれなし | なし | らんちゅう型でひれが長い | —(出典に記載なし) |
| 青ランチュウ | 背びれなし | なし | 青文魚と同じ色合いのらんちゅう型 | —(出典に記載なし) |
| 南京 | 背びれなし | なし | 肉瘤は観賞の対象にならず、白い体色が好まれる | やや困難とされる |
| 出目金 | 目に特徴 | あり | 左右に大きく突き出た目 | はじめての飼育に向くとされる・目のケガに注意 |
| 蝶尾 | 尾に特徴 | —(出典に記載なし) | 上から見ると蝶が羽を広げたような尾 | 飼育もしやすいとされる |
| 頂天眼 | 目に特徴 | —(出典に記載なし) | 上を向いた目と細長い体 | —(出典に記載なし) |
| 水泡眼 | 目に特徴 | —(出典に記載なし) | 目の下(横)に水の入った袋 | 袋が破れやすく扱いに注意 |
| 花房 | 顔に特徴 | あるものと無いものがある | 鼻先に発達した房 | 比較的飼いやすいとされる |
| 土佐錦魚 | 尾に特徴(伝統品種) | —(出典に記載なし) | 反り返った反転尾 | 非常に高度な技術と熟練を要するとされる |
(出典:弥富市「金魚図鑑」)
「飼いやすさの目安」は、弥富市・大和郡山市・GEX・テトラの説明をもとに当サイトで整理したもので、個体差や飼育環境によって変わります。
出典に飼いやすさの記述がない品種は、推測で埋めずに「出典に記載なし」としました。
寿命や育ったときの大きさの目安は、初心者向けに丈夫な金魚の種類を比べた記事にまとめています。
テトラは、珍しい品種は一般のアクアショップやホームセンターでは取り扱いが少なく、金魚専門店や養殖場で扱っていることが多いとしています。
また、品種によって特定の病気にかかりやすいといったことがあるので、購入前に調べておくと飼育の失敗を回避しやすくなるとも紹介しています。
品種の写真を見比べながら見分けの手順を確かめたいときは、手元に金魚の図鑑が1冊あると便利です。たとえば小学館の図鑑NEO POCKET『金魚』のような持ち運びやすい図鑑もあるので、収録内容や版は購入前に各ショップで確かめてくださいね。
長もの(和金型)の金魚の種類
長もの(和金型)は、フナに近い細長い体をした金魚のグループです。
体がすっきりしていて遊泳力があり、水槽の中を元気に動き回る姿を楽しめます。
テトラは和金とコメットについて、どちらも遊泳力があり水槽内を元気に泳ぎ回るタイプなので、大き目の水槽での飼育をすすめています。
和金・コメット・朱文金の違い

和金について、大和郡山市はヒブナが変異してそのまま固定された品種で、体型は胴長、頭部は小さく各ひれは短いと説明しています。
尾びれはフナ尾・三つ尾・四つ尾があり、体色は赤・紅白・白の3色とされます。
同市は和金を、金魚の元祖といわれフナに最も近く、文亀2年(1502年)に中国から渡来した日本最初の金魚としています。(出典:大和郡山市「金魚の品種(古来中国より伝来)」)
年号はあくまで出典による説明として受け止めてください。
弥富市も、和金は原種に近い品種で、江戸時代に新しく輸入された金魚と区別するために「和金」と呼ぶようになったと言われる、と紹介しています。
GEXによると、和金は金魚すくいで最も多く見られる品種で、とても丈夫で飼育しやすく活動的な金魚です。
コメットは、長く伸びた尾びれで見分けられます。
弥富市はコメットを、フナ尾を長く伸ばした吹き流し尾を持つ、アメリカで作出され輸入されたワキン型の品種としており、紅白の更紗(さらさ)、つまり赤と白のまだら模様が標準的な体色だと説明しています。
一方でGEXは、琉金と和金を交配して作り出された品種で、活動量が和金よりも多いので大きめの水槽で飼育するのが望ましいとしています。
朱文金は、体型が和金に似ている点が共通点です。
大和郡山市は三色出目金と和金との交雑種、弥富市は明治時代にキャリコ出目金とヒブナの交雑によって作られた品種と説明しており、成り立ちの書き方は出典によって少し異なります。
尾の形についても出典ごとに説明が違うため、ここでは尾には触れず、体の丈夫さに注目しましょう。
大和郡山市は非常に強い金魚といえるとし、GEXも身体が丈夫で飼育しやすいとしています。
朱文金の仲間には、英国ブリストル地方で作られたブリストル朱文金もいます。
GEXはハート型の尾びれが特徴で、飼育は容易な一方、尾びれの形を維持するのは難しいとしています。
テトラも、大きな尾ひれをひっかけて傷つけないよう気を付ける必要があると呼びかけています。
キャリコ和金は、赤・黒・白の柄を体色に持つ和金です。
GEXによると、とても身体が丈夫なうえ、10cm以上という大きめのサイズも流通しています。
地金(じきん)は、現在の愛知県を中心に江戸時代から飼育されてきた、独特な形の尾びれを持つワキン型の伝統品種。
弥富市によると、地金は口や各ひれを赤に、体を白にするために、鱗や頭部の表皮を剥ぎ落として人工的に「調色」を行います。
地金の調色は、長く受け継がれてきた専門家の技術です。
金魚の体に直接手を加える作業なので家庭で真似をするのは避け、伝統の姿として観賞を楽しむのがよいと私は考えます。
長ものを迎える予定なら、テトラやGEXが大きめの水槽を勧めているように、最初からゆとりのある水槽を用意しておくと安心です。60cm幅のフィルター付きセットとしては、GEXのグラステリアサイレント600STのような製品があります。置き場所の耐荷重やセット内容、現行品かどうかは購入前に各ショップで確認してください。
丸もの(琉金型)の金魚の種類
丸もの(琉金型)は、背びれがあり、横から見ると体が丸くふくらんでいるグループです。
長ものに比べるとゆったり泳ぐ品種が多く、ひらひらと動く尾びれや丸い体つきを横から眺める楽しさがあります。
その一方で、餌の与えすぎによる転覆病や、頭のこぶのケガに注意が必要とされる品種も少なくありません。
ここでは「体が丸い品種」と「肉瘤のある品種」の2つに分けて見ていきます。
琉金・ピンポンパールなど体が丸い品種
琉金は、丸ものを代表する品種です。
大和郡山市は、安永天明年間(1772〜1788年)に中国から琉球を経て渡来したもので、大衆魚として最も広く知られていると説明しています。
GEXは丸い体形と優雅な泳ぎを挙げ、尾びれの美しさも随一としています。
キャリコ琉金は、三色出目金と琉金を交配させて固定した品種です。
大和郡山市によると、体型は琉金と同じで、体色は青や赤を基調に黒が配されたモザイク模様です。
ショートテール琉金は、テトラの説明では琉金の体型はそのままに、尾が小さくなった金魚とされています。
ピンポンパールは、パールスケールの仲間です。
大和郡山市はパールスケールについて、鱗1枚1枚に半円の真珠をはめ込んだような白く堅い膨らみがあり、頭が小さく、体は短く腹が膨れた提灯型だと説明しています。
弥富市は、人気のあるピンポンパールもこの品種の尾が短く、体の丸みの強い金魚だとしています。
大和郡山市によれば、パールスケールは他の金魚に比べ充血しやすく、水温の変化や取り扱いに注意が必要です。
テトラは、ピンポンパールは産地によっては低温に弱いという特徴があるため、水槽用ヒーターで水温を一定に保つことをすすめています。
浜錦は、パールスケールの体に、水泡のように発達した頭部の2つの肉瘤を持つ品種です。
弥富市によると、この肉瘤が発達していないものは高頭パールと呼ばれ、浜錦は昭和53年に新品種として承認されました。
ピンポンパールを長く飼うためのポイントは、ピンポンパールの寿命を解説した記事で詳しく紹介しています。
体が丸い品種で気をつけたいのが転覆病です。
テトラは、琉金もピンポンパールも飼育は容易としながら、餌の与えすぎなどで転覆病を起こしやすい点に注意が必要だとしています。
GEXもピンポンパールについて、転覆病になりやすいので注意するよう呼びかけています。
かわいさにつられて餌をあげすぎると、うまく泳げなくなることがあるとテトラも注意しているので、量は控えめを意識しましょう。
泳ぎ方がおかしいと感じたときは、金魚の転覆病の原因と初期対応を参考にしてください。
オランダ獅子頭・東錦など肉瘤のある品種
丸ものの中でも、頭に肉瘤(頭のこぶ)が発達した品種は見分けやすいグループです。
オランダ獅子頭について、大和郡山市は琉金の変異した琉金シシガシラからさらに変異してできたものと考えられている、と説明しています。
弥富市は、200年ほど前に中国から輸入された品種で、体型は琉金に似ているものの、頭に大きな肉瘤があるのが特徴としています。
同市によると、最近では丸い体型に改良されたものが多いようです。
東錦は、オランダ型の体型とキャリコの体色をあわせ持つ品種です。
大和郡山市は、昭和6年に横浜で育成され、三色出目金とオランダシシガシラを交配して作出したもので、頭部の肉瘤がよく発達すると説明しています。
丹頂は、白い体に頭部だけが赤い姿が目印。
大和郡山市は、体色と各ひれは白色で頭部のみが赤く、まるで丹頂鶴を思わせると表現しています。
弥富市によると、オランダ型の丹頂が最もよく見られ、出目タイプで背びれのないものはガトウコウと呼ばれています。
丹頂の頭の赤い部分が黒っぽく変わってきたときは、病気か色変わりかを見分ける手順で原因を切り分けられます。
茶金は、茶色の体色を持つ品種です。
弥富市は中国から輸入されたオランダ型の品種とし、大和郡山市は琉金型とオランダシシガシラ型の2種類があるとしています。
青文魚は、黒青色の体色が特徴の中国原産の品種です。
弥富市によると、退色して白と黒になったものは羽衣、頭部の肉瘤が発達したものは高頭青文と呼ばれ、比較的大きく育つ品種とされています。
肉瘤のある品種の飼い方について、テトラはオランダと丹頂を例に、どちらも初心者でも飼育しやすい一方で、餌の食べ過ぎで転覆病を起こしやすいので量に注意が必要だとしています。
さらに、頭のこぶを水槽内でぶつけて傷口から病気になることがあるため、水槽レイアウトや混泳相手選びにも注意するよう呼びかけています。
オランダ獅子頭が弱いといわれることがある理由と対策は、オランダ獅子頭が弱いと言われる理由をまとめた記事で解説しています。
なお、東錦と名前や模様がよく似た品種に、らんちゅう体型の江戸錦がいます。
見分けの決め手になる背びれの有無は、次の章でくわしく見ていきましょう。
背びれのない金魚の種類(らんちゅう型)
背中にひれがない金魚は、らんちゅう型と呼ばれるグループにまとめられます。
見分けの手順でいえば、最初に見る「背びれの有無」で「ない」側に入る品種たちです。
大和郡山市は、らんちゅうを「和金より繰り返し淘汰され出来た品種」と説明しています。
体型は丸形で背びれが欠けており、頭部の肉瘤、つまり頭のこぶがよく発達している点が特徴とされます。
GEXは、らんちゅうのような背びれのない金魚を「上から観賞する金魚」とし、浅めの水槽での飼育をすすめています。
横から眺めるより、上からのぞき込んで背中の線や尾の広がりを楽しむ品種と考えると、イメージしやすいでしょう。
らんちゅう・桜錦・江戸錦の見分け方
らんちゅう型の代表は、もちろんらんちゅうです。
弥富市の金魚図鑑では、江戸時代末期から日本で飼育されはじめ、背びれが無く頭部の肉瘤が特長の品種として紹介され、品評会も盛んだと書かれています。
GEXは、背びれのない筒型の体型、太くて短い尾びれ、頭部の肉瘤に加えて「体色に黒が含まれない」点も特徴に挙げています。
「金魚の王様」とも呼ばれるため身構えてしまう方もいるかもしれません。
テトラ(スペクトラム ブランズ ジャパン)は、飼いにくそうに見えても「普通に楽しむ分には他の金魚と変わりません」としています。
次に、らんちゅうとよく並べられるのが桜錦と江戸錦です。
弥富市の図鑑によると、江戸錦はランチュウと東錦の交配で作られた品種で、体型はランチュウ、体色は東錦のモザイク透明鱗とされています。
モザイク透明鱗とは、つまり透明な鱗と普通の鱗が入り混じった鱗のことで、まだら模様の色合いが生まれます。
同じ図鑑では、江戸錦は珍しい品種のため、一般的には入手が困難だとも説明されています。
桜錦は、江戸錦と蘭鋳の交配で生まれた背びれのない品種で、体色は更紗(赤と白のまだら)が中心です。
意図的に浅葱色と黒を取り除いた品種とされ、平成8年に新品種として認められたと紹介されています(年は出典による説明です)。
飼育については「比較的簡単」と書かれているので、背びれのない品種の中でも手に取りやすい存在かもしれません。
3品種を並べたとき、江戸錦は体の色で見分けやすい品種です。
江戸錦は東錦ゆずりのまだらな色合い(モザイク透明鱗)が目印です。らんちゅうと桜錦は更紗系の色合いが重なるため、色だけで決めず、お店の表示や販売店に確認すると安心です。
もうひとつ迷いやすいのが、江戸錦と東錦の組み合わせです。
東錦はオランダ獅子頭と同じ体型なので背びれがあり、江戸錦はらんちゅう体型なので背びれがありません。
色合いが似ていても、背中を見れば区別がつくわけです。
背びれや色の違いを写真とあわせて確かめたい方は、東錦とらんちゅうの違いと、桜錦・江戸錦との見分け方を参考にしてください。
このほか、らんちゅう型には個性的な品種がいくつもあります。
秋錦は、背びれのないオランダ獅子頭を目指して、ランチュウとオランダ獅子頭の交雑によって作出された品種です。
一度系統が途絶えて各地で復元されたため、弥富市の図鑑では、今日ではランチュウでひれの長いものを秋錦と呼んでいると説明されています。
青ランチュウは、青文魚と同じ色合いを持つランチュウ体型の品種で、弥富生まれの新しい品種として紹介されています。
南京は島根県で古くから飼育されてきた伝統品種で、らんちゅうと同じく背びれがありません。
ただし頭部の肉瘤は鑑賞の対象にならず、白い体色が好まれる点が大きな違いです。
大阪ランチュウは、大阪を中心に江戸時代から飼育されていた品種で、らんちゅうと違って肉瘤がなく、短い尾びれで体を左右に動かして進むとされます。
太平洋戦争中に一度絶滅し、戦後に復元が試みられた品種だと伝えられています。
なお、東錦と桜錦の交雑で作出された桜東錦も弥富市の図鑑に載っており、流通量はまだ少ない品種とされています。
目や顔に特徴がある金魚の種類

体型の次に目を引くのが、目や顔のつくりが独特な品種です。
大きく突き出た目、上を向いた目、目の下にふくらんだ袋、鼻先の房など、ひと目でわかる特徴を持っています。
見分けやすい反面、その特徴的な部分が傷つきやすいと説明される品種が多い点には気を配りたいところです。
ここでは、目で見分ける品種と、扱いに注意が要る品種の2つに分けて整理します。
出目金・蝶尾・頂天眼は目で見分ける
目に特徴がある金魚として、まず思い浮かぶのは出目金でしょう。
大和郡山市によると、出目金は琉金の突然変異で生まれた赤出目金がもとで、体型は琉金に似ていて、両目が大きく突き出た形をしています。
弥富市の図鑑では、明治時代に中国から輸入された品種とされ、体色には赤・黒・更紗・キャリコがあると紹介されています。
同じ図鑑には、キャリコ琉金や東錦の独特なまだら模様は、すべてキャリコ出目金との交雑によって作られたという説明もあります。
出目金が、ほかの品種の色柄のルーツにもなっているわけです。
テトラは、三色出目金や白と黒2色のパンダ出目金などが作出されているとし、赤黒タイプは「レッサーパンダ」と呼ばれることもあると紹介しています。
飼いやすさの面では、GEXが「水温や水質に対する適応能力も高いため、金魚をはじめて飼育する方に向いています」としています。
一方で、同じGEXは出っ張った目のケガに注意するよう呼びかけています。
テトラも、突き出た目はとても傷つきやすいので、水槽のレイアウト用品で傷つけたり、混泳している別の種類に突っつかれたりしないよう注意をうながしています。
出目金とよく比べられるのが蝶尾です。
弥富市の図鑑によると、上から見たときの尾びれが、蝶が羽を広げたように見えることから蝶尾と名付けられました。
飼育もしやすく、上から鑑賞するのに適しているとされています。
つまり蝶尾を見分けるときは、真上から尾の広がり方を見るのがいちばんの近道です。
2つの品種の違いをもう少し詳しく知りたい方は、出目金と蝶尾の違いをまとめた記事もあわせてご覧ください。
頂天眼は、名前のとおり目玉が上を向いている品種です。
大和郡山市は赤出目金の突然変異のようだと説明し、体型は細長く、尾は短い形をしているとしています。
弥富市の図鑑では中国で作出された品種とされ、宮廷の深い鉢で飼育していた金魚が突然変異して現れたと伝えられています。
テトラは、池などで真上から見るように飼っても楽しいだろうと紹介しています。
見分けの手順でいえば、目が横に突き出ていれば出目金の仲間、上を向いていれば頂天眼と考えると迷いにくいはずです。
水泡眼・花房は扱いに気を配る
目や顔の特徴の中でも、とくに扱いに気を配りたいのが水泡眼です。
水泡眼は、目の下(横)に大きな袋をつけた品種で、出典によって「目の横」「目の下」と表現が少し異なります。
大和郡山市によると、袋の中にはリンパ液という体液が入っており、体は丸みを帯びて、ランチュウよりやや長い体型をしています。
弥富市の図鑑では、水泡は成長とともに大きくなるものの、破れてしまうと元に戻らないので、取り扱いは丁寧にするよう書かれています。
テトラも、袋は破れやすいので注意が必要だとしています。
網ですくうときや水槽の飾りを選ぶときは、袋に引っかかりそうなものがないかを確かめておくと安心だと私は考えます。
花房は、鼻の部分が大きな房状に発達する金魚です。
テトラは、鼻先によく発達した1対のフサフサを鼻孔摺(びこうしゅう)と呼び、見かける機会はやや少なめだと紹介しています。
弥富市の図鑑によると、もとは中国から輸入された品種で、背びれのあるものと無いものがあります。
体色や房の形にバリエーションが多く、比較的飼いやすい品種とされています。
背びれの有無だけでは体型タイプが決まりにくいので、鼻先の房が大きな手がかりになります。
もうひとつ、新しい品種として桜頂天眼も挙げておきます。
弥富市の図鑑では、令和2年に県水産試験場で開発された品種とされ、頂天眼と桜錦の交配で誕生したと紹介されています(年は出典による説明です)。
上向きの目と桜錦ゆずりの色合いを、ひとつの体で楽しめる品種といえるかもしれません。
水泡眼の袋や出目金の目のように、特徴そのものが繊細な部分になっている品種は、見た目の好みだけで選ばず、飾りや混泳相手まで含めて考えてみてください。
金魚の種類別の飼いやすさと難易度
ここまで品種を見てきて、「結局どれが自分に合うのだろう」と迷っている方もいるでしょう。
テトラは、昔ながらの原型に近いタイプもあれば、近年の品種改良で誕生した種類もあり、改良品種は病弱なこともあると説明しています。
ただ、丸い品種や背びれのない品種にも、飼いやすいとされる例はいくつもあります。
そこでこの章では、体型タイプごとに泳ぎ方や気をつけることを比べ、難易度の考え方を整理していきます。
難易度は体型と泳ぎの力で決まる

下の表は、4つのタイプの違いを、ここまで紹介した出典の説明をもとに並べたものです。
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| タイプ | 体の形と背びれ | 泳ぎ方 | 観賞の向き | 気をつけること | 混泳の考え方 |
|---|---|---|---|---|---|
| 長もの(和金型) | 胴長で細い・背びれあり | 遊泳力があり元気に泳ぎ回る | 活発に泳ぐ姿を楽しむ | 泳ぐ範囲を広めに取る | 泳ぎの速さが近い長もの同士で |
| 丸もの(琉金型) | 丸い体・背びれあり | 優雅な泳ぎ | 丸い体と尾びれの美しさ | 餌の与えすぎによる転覆病・肉瘤をぶつけるケガ | 長ものとの混泳は避ける |
| 背びれなし(らんちゅう型) | 丸形や筒型・背びれなし | 品種により異なる(大阪ランチュウは体を左右に動かして進むと紹介されている) | 上から観賞(浅めの水槽) | 品種により飼育がやや困難とされるものも | タイプの異なる金魚とは分ける |
| 目に特徴 | 品種により異なる | 品種により異なる | 目や袋の形を楽しむ(上からが向く品種も) | 目のケガ・水泡の破れ | 突っつかれない相手を選ぶ |
この表は出典の説明をもとに当サイトが整理した目安で、個体差・環境差があります。
表を見ると、難しさは「体が丸いかどうか」だけで決まるわけではないとわかります。
泳ぎの力が強い長ものには、丈夫とされる品種が多く、広く泳げる環境を用意することが大切です。
丸ものは、テトラが琉金やピンポンパールを「飼育は容易」としつつ、餌の与えすぎなどで転覆病を起こしやすい点に注意をうながしています。
つまり難易度の差は、品種ごとの弱点をどこまで先回りして防げるかの差、と言い換えられるでしょう。
一方で、明らかに上級者向けとされる品種もあります。
弥富市の図鑑によると、高知県で江戸時代より飼育されてきた土佐錦魚は、反転した尾びれを持つため泳ぎが上手でなく、飼育には非常に高度な技術と熟練を要するとされています。
同じ図鑑では、ほかの品種との混泳は避けたほうがよいとも書かれています。
島根県の伝統品種である南京も、飼育は「やや困難」と紹介されています。
愛知県を中心に江戸時代から飼育されてきた地金は、鱗や頭部の表皮を落として人工的に色を整える「調色」が行われる品種です。
調色は専門家の技術なので、家庭で真似をするのは控えましょう。
こうした珍しい品種については、テトラが言うように一般のアクアショップやホームセンターでは扱いが少なく、金魚専門店や養殖場で取り扱っていることが多いようです。
混泳については、GEXが和金系とリュウキン系のように、泳ぎのスピードや体の大きさなどタイプが異なる金魚の混泳は避けるよう呼びかけています。
金魚すくいでよく見る和金と出目金の組み合わせも、実はあまり相性が良くないとされます。
ピンポンパールのような特殊品種も混泳には向かないとされ、同じ金魚同士でも品種が異なると混泳が難しい場合がある、とGEXは説明しています。
らんちゅう型を中心に一緒に飼える組み合わせを考えたい方は、らんちゅうと一緒に飼える種類をまとめた記事が役に立つはずです。
迷ったときは「何匹をどの水槽で、どの向きから眺めたいか」を先に決めてから品種を選ぶと、体型と泳ぎの相性が見えやすくなりますよ。
品種選びは、次の順番で考えると整理しやすくなります。
1つめは、体型タイプ(長もの・丸もの・背びれなし)を決めること。
2つめは、一緒に飼う金魚と泳ぎの速さや体の大きさがそろっているかを確かめること。
3つめは、目・こぶ・水泡など、その品種の弱点になりやすい部分を購入前に調べておくことです。
テトラも、品種によって特定の病気にかかりやすいことがあるので、購入前に調べてから選ぶと飼育の失敗を回避しやすくなるとしています。
金魚の種類一覧に関するよくある質問(FAQ)
金魚の品種は全部で何種類いますか?
はっきりした総数は決まっていません。
テトラは、国内では毎年品評会が行われ、新しく作出された品種がお披露目されることもあり、金魚の品種は100種類以上いるといわれているとしています。
弥富市の金魚図鑑は28品種を掲載しており、まずはこのくらいの主な品種から覚えていくとよいでしょう。
和金と琉金を一緒に飼えますか?
おすすめしにくい組み合わせです。
GEXは、和金系とリュウキン系のように泳ぎのスピードや体の大きさが異なる金魚の混泳は避けるよう呼びかけています。
和金は遊泳力のある長もの、琉金は優雅に泳ぐ丸ものと、泳ぎ方の違いが大きい組み合わせなので、体型タイプごとに分けて飼うのが無難でしょう。
初心者が丸ものを飼うのは無理ですか?
無理ということはありません。
テトラは、琉金やピンポンパールを飼育は容易としつつ、餌の与えすぎなどで転覆病を起こしやすい点に注意をうながしています。
オランダ獅子頭や丹頂についても、初心者でも飼育しやすいが餌の量と頭のこぶのケガに注意が必要だとしているので、弱点を知ったうえで迎えれば十分に楽しめるはずです。
背びれのない金魚が泳ぎにくそうなのは病気ですか?
背びれがないこと自体は、らんちゅう型の品種としての特徴です。
弥富市の図鑑でも、大阪ランチュウは短い尾びれで体を左右に動かして進むと説明されており、長ものとは泳ぎ方が違って見える品種もあります。
ただし、体が傾く、浮く、沈むといった様子は品種の特徴とは限らないため、泳ぎ方だけで決めつけず、いつもと違うと感じたら販売店や専門家に相談してください。
東錦と江戸錦のように名前が似た品種はどう見分けますか?
まずは背びれの有無を見てください。
東錦はオランダ獅子頭と同じ体型で背びれがあり、江戸錦はランチュウ体型で背びれがありません。
そのうえで色や鱗、目、頭のこぶと順に見ていくと、名前が似た品種でも絞り込みやすくなります。
まとめ|金魚の種類は体型と泳ぎで選ぼう
金魚の品種は数が多く、名前だけを追いかけると混乱しがちです。
けれど、背びれの有無と体の丸さを見れば、どの品種もおおまかに3つのタイプへ分けられます。
最後に、この記事のポイントを振り返っておきましょう。
- 金魚の種類は、背びれの有無と体の丸さで長もの・丸もの・らんちゅう型の3タイプに分かれる
- 江戸錦はモザイク透明鱗の色合いで、東錦と江戸錦は背びれの有無で見分けやすい
- 出目金・水泡眼など目に特徴がある品種は、目や袋のケガに気を配る
- 難易度は丸さだけでなく、泳ぎの力と品種ごとの弱点への備えで変わる
- 混泳は、泳ぎの速さや体の大きさがそろったタイプ同士にとどめる
見た目の好みはもちろん大切ですが、先に体型と泳ぎ方を確かめておくと、迎えたあとの「こんなはずでは」を減らせます。
あなたの水槽の広さや眺めたい向き、一緒に飼いたい金魚を思い浮かべながら、相性の良い品種を探してみてください。
なお、この記事は公的機関やメーカーの公開情報をもとに整理した一般的な内容で、金魚の状態には個体差や飼育環境による差があります。
品種や飼育用品の正確な情報はメーカー公式や販売店で確かめ、迷ったときの最終判断は販売店や専門家に相談してください。





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