PROFILE所長プロフィール

金魚の水合わせのやり方|通販到着後の温度合わせと袋合わせ・点滴法の手順

ⓘ 広告 金魚
水草水槽で泳ぐ金魚と、環境変化の負担を減らす水合わせをテーマにしたタイトル画像

金魚の水合わせのやり方|通販で届いた後に失敗しない手順

THE AQUA LAB 所長

こんにちは。THE AQUA LAB、運営者の所長です。

通販で注文した金魚が、いよいよ手元に届いた。あるいはお店で気に入った金魚を買って帰ってきた。さあ水槽に入れよう、とその袋をそのまま水槽にザバッと。ちょっと待ってください。その一手間を飛ばすと、せっかく迎えた金魚が数日で調子を崩してしまうことがあるんです。

金魚を水槽に入れる前に必要なのが、「水合わせ」という作業です。これは、金魚が入っていた袋の水と、あなたの水槽の水の違いに、金魚を少しずつ慣らしていくもの。金魚は比較的丈夫な魚ですが、急な水温や水質の変化には弱いんですね。特に通販で長時間輸送されてきた金魚は、体力が落ちていることも多く、丁寧な水合わせが大切になります。

この記事では、通販や店頭で金魚を買ってきたあと、水槽に入れるまでの水合わせの手順を、順を追って解説します。基本の温度合わせから、簡単な袋合わせ、そして本格的な点滴法まで、状況に合わせて選べるように整理しました。金魚を迎える最初の一歩でつまずかないよう、順を追って一緒に見ていきましょう。

  • 金魚に水合わせが必要な理由と失敗したときの症状
  • 通販で届いた金魚を開封してから水槽へ入れるまでの流れ
  • 温度合わせ・袋合わせ・点滴法の具体的な手順
  • 水合わせでやってはいけない注意点

金魚の水合わせが必要な理由と基本の流れ

まずは、なぜ水合わせが必要なのか、そして水合わせをしないとどうなるのかという基本から押さえていきましょう。ここを理解しておくと、面倒に感じる作業の一つひとつに意味があることがわかって、丁寧にやろうという気持ちになれるはずです。金魚ならではの注意点や、通販ならではの事情もあわせて見ていきますね。

水合わせは水温と水質のショックを防ぐ作業

低温・低pHの袋の水と適温・中性の水槽の水を並べ、見た目は同じでも環境が異なることを示した図
袋の水と水槽の水は見た目が同じでも中身が違う

そもそも水合わせとは何かというと、金魚を新しい水の環境に少しずつ慣らしていく作業のことです。急な環境の変化から金魚を守るために行います。

金魚が入っていた袋の水と、あなたの水槽の水は、見た目は同じでも中身がかなり違います。まず水温。輸送中に冷えたり温まったりした袋の水は、水槽の水と温度差があることが多いです。次に水質。水のpH(酸性・アルカリ性の度合い)や硬度は、お店や産地によって異なります。

この違いをいきなり金魚に体験させると、金魚は大きなショックを受けます。人間でいえば、真夏の屋外から急に冷房の効きすぎた部屋に入るような、あるいは高地へ一気に登って気圧の変化に襲われるような感覚でしょうか。水合わせは、この急変をゆるやかにして、金魚が新しい環境にそっと馴染めるようにする作業なんです。

特に水質のなかでも、金魚に大きく影響するのがpHです。pHは水の酸性・アルカリ性を表す数値で、これが急に変わると、金魚は「pHショック」という深刻な状態に陥ることがあります。お店の水と自宅の水槽の水では、水道水の性質や底床の種類などによってpHが違うことが珍しくありません。見た目には同じ透明な水でも、金魚にとってはまったく別の環境なのだと考えてください。水合わせは、この目に見えない差を金魚の体に少しずつ馴染ませるための、いわば橋渡しの作業なんですね。

水合わせをしないと起こる失敗の症状

「金魚は丈夫だから大丈夫でしょ」と水合わせを省いてしまうと、どうなるのか。ここで起こりがちな症状を知っておきましょう。

水合わせをせずに金魚を入れると、まず見られるのが、水槽の底でじっと動かなくなる、体を横たえる、といった様子です。これはpHショックと呼ばれる、急な水質変化による強いストレス反応です。ひどい場合は、そのまま体調を崩して命を落とすこともあります。

また、すぐには症状が出なくても、環境の急変で体力を消耗した金魚は、数日後に白点病などの病気を発症しやすくなります。「入れたときは元気だったのに、しばらくして調子が悪くなった」というケースの裏には、水合わせ不足が隠れていることが少なくありません。

具体的にどんな様子が危険なサインなのか、覚えておくと早めに対応できます。水槽に入れた金魚が、体を左右に激しくこすりつける、ヒレをぴったりとたたんでいる、水面や底で口を大きく開けて苦しそうに呼吸している、といった様子を見せたら要注意です。これらは水質の急変によるストレス反応の可能性があります。もしこうした症状が出てしまったら、まずは金魚をそっとしておき、水質が落ち着くのを待ちます。あまりに苦しそうな場合は、水槽の水を少し新しい水(カルキ抜き済み)に換えて様子を見るなどの対応を検討してください。ただ、いちばんの対策は、こうした事態を招かないよう、最初の水合わせを丁寧に行うことに尽きます。

特に注意したいのが、水温だけを合わせて安心してしまうことです。袋を水槽に浮かべて水温を合わせるのは大事ですが、それだけでは水質の違いは埋まりません。水温合わせと水質合わせは別の作業だと理解して、両方を行うことが大切です。温度が同じでも、pHが大きく違えばショックは起こり得ます。

金魚は丈夫でも油断は禁物

金魚は、熱帯魚に比べると水温や水質の変化に強い魚です。これは事実で、だからこそ初心者にも飼いやすいと言われます。ただ、その丈夫さに甘えて水合わせを雑にすると、痛い目を見ることがあります。

丈夫といっても、それは「多少の変化に耐えられる」という意味であって、「どんな急変にも平気」という意味ではありません。特に、品評会に出るような高級な金魚や、体型が繊細な品種は、一般的な和金に比べてデリケートです。らんちゅうやオランダ獅子頭のような品種を迎えるときは、より丁寧な水合わせを心がけてください。

また、金魚の状態によっても必要な慎重さは変わります。元気な個体なら多少手早くても平気なこともありますが、輸送で弱っている個体には、時間をかけた丁寧な水合わせが命綱になります。金魚の様子を見ながら、慎重に進めるに越したことはありません。

金魚の「丈夫さ」は、「適切に扱えば」という前提つきのものだと考えてください。迎え入れの水合わせや日々の水質管理を怠れば、丈夫な金魚でも体調を崩します。丈夫さは雑に扱っていい理由ではなく、初心者でも失敗をリカバリーしやすいという意味だと捉えるのが正しいと思います。だからこそ、最初の水合わせという小さな一手間が、丈夫な金魚をさらに元気に育てる土台になるんですね。

通販で届いた金魚に特有の注意点

密閉時は二酸化炭素で酸性に保たれ、開封後は二酸化炭素が抜けてpHが上がりアンモニアの毒性が高まる仕組みを示した図
開封で二酸化炭素が抜けアンモニアの毒性が高まる

店頭で買う場合と通販で買う場合とでは、水合わせの前提が少し変わります。通販ならではの注意点を押さえておきましょう。

通販の金魚は、長時間の輸送を経て届きます。多くの場合、袋の中には酸素が詰められ、水温を保つための保温材とともに梱包されています。それでも、輸送に一日近くかかることもあるので、袋の中は、金魚の排泄物などでアンモニアが溜まりやすくなっています。ここで一つ、知っておくべき大切なことがあります。密閉された袋の中では、金魚の呼吸で出た二酸化炭素が水に溶け込んで、水が酸性寄りに傾いています。この状態だと、溜まったアンモニアは毒性の低い形で存在するため、比較的中毒が起きにくく保たれているんです。ところが袋を開けると、二酸化炭素が空気中へ抜けてpHが急に上がり、アンモニアが毒性の強い形に変わってしまうことがあります。

だからこそ、通販で届いた金魚は、開封したらもたもたせずに水合わせを進めるのが基本です。ただし「急ぐ」のと「雑にやる」のは違います。段取りをあらかじめ頭に入れておいて、開封後はスムーズに、でも丁寧に進める。この準備が大切なんですね。どこで買うか迷っている段階の方は、金魚通販の選び方をまとめた記事で死着保証や安全なショップの見分け方を解説していますので、あわせて参考にしてください。

水合わせを始める前に準備するもの

実際の作業に入る前に、必要なものを揃えておきましょう。準備が整っていると、開封後にあわてずに済みます。

基本的に必要なのは、金魚を一時的に入れておくプラケースやバケツ、そして水槽の水をすくうためのコップや計量カップです。プラケースは透明なものだと、金魚の様子を横から観察しやすいのでおすすめです。点滴法をやる場合は、エアチューブと流量を調整するコック(水合わせキットとして市販されています)があると便利です。

点滴法を試すなら、エアチューブと流量調整コックがセットになった水合わせキットが手軽です。自分で部品を揃えるより、まとまったものを使うほうが失敗が少ないですよ。

また、金魚だけをすくって移すための網も用意しておいてください。あとで説明しますが、袋の水は水槽に入れないのが基本なので、金魚だけを移すための道具が要ります。これらを手の届くところに並べてから、袋を開けるようにすると、作業がスムーズに進みますよ。金魚をどこで買うか、専門店と通販それぞれの特徴を比べたい方は、金魚はどこで買えるかを価格と保証で比較した記事も参考になります。

作業場所は、水槽のすぐそばに確保しておくのがおすすめです。金魚を入れたプラケースを水槽の近くに置ければ、水槽の水を足す作業も、最後に金魚を移す作業もやりやすくなります。床や家具が濡れることもあるので、タオルを敷いておくと安心です。ちょっとした段取りですが、これがあるとないとで作業のしやすさが大きく変わります。

金魚の水合わせのやり方と具体的な手順

準備が整ったら、いよいよ実際の水合わせに入ります。ここからは、金魚を迎える手順を具体的に見ていきます。まずは開封と状態確認、それから基本の温度合わせ、そして状況に応じた袋合わせと点滴法。最後に、水槽へ移すときの注意点まで、一つずつ丁寧に解説していきますね。金魚の水合わせで失敗しないための核心部分です。

通販の金魚を開封して状態を確認する

通販で届いた箱を開けたら、まず金魚の状態を確認します。ここは焦らず、でも手早く行いましょう。

箱から袋を取り出したら、金魚が生きているか、元気があるかを見ます。万が一、輸送中に死んでしまっていた場合(死着といいます)は、多くのショップで死着保証が用意されています。その場合は、袋のまま写真を撮るなど、ショップの定める手順に従って連絡してください。開封して金魚を移してしまうと保証が受けられないこともあるので、状態確認は開封直後に行うのが大事です。

状態確認のときは、金魚の体表もざっと見ておくといいでしょう。白い点々が付いていないか、ヒレが溶けたようになっていないか、体に傷や充血がないか。もし気になる点があれば、後述するトリートメント(隔離しての観察)を検討する材料になります。ただし、輸送直後は一時的に色が悪く見えたり、動きが鈍かったりすることもあるので、この時点で神経質になりすぎる必要はありません。あくまで、明らかな異常がないかを確認する程度で大丈夫です。

金魚が元気そうなら、次のステップへ進みます。ここで注意したいのが、袋を開けて長く放置しないこと。先ほど説明したとおり、開封して空気に触れると水質の状態が変わることがあるので、状態を確認したら、次の温度合わせにすぐ移りましょう。逆に言えば、温度合わせは袋を開けずに行う作業なので、開封は温度合わせが終わってから、というのが基本の流れになります。

基本の温度合わせのやり方

水合わせの第一歩は、温度合わせです。これはどんな金魚を迎えるときにも必ず行う、基本中の基本の作業です。

やり方はとてもシンプルで、金魚が入った袋を、開けずにそのまま水槽の水面に浮かべます。こうすると、袋の中の水温が、時間をかけて水槽の水温に近づいていきます。浮かべておく時間は、15分から30分ほどが目安です。冬場など水温差が大きいときは、もう少し長めに、45分ほどかけることもあります。

ポイントは、袋を開けずに浮かべること。この段階ではまだ水質は合わせず、温度だけを近づけます。袋がぷかぷかと安定しないときは、洗濯ばさみで水槽の縁に留めておくと楽ですよ。照明が強く当たる場合は、袋の中が暑くなりすぎないよう、少し照明を落としておくといいでしょう。

温度合わせが終わったら、袋の水温と水槽の水温がだいたい同じになっているはずです。ここまでできたら、次は水質を合わせる作業に移ります。

なぜ温度合わせを最初に、しかも時間をかけて行うのか。それは、水温の急変が金魚にとって特に負担が大きいからです。金魚は変温動物で、体温を自分で調整できません。水温がそのまま体温に近い状態になるので、急に温度が変わると体のさまざまな機能に影響が出てしまいます。袋を浮かべてゆっくり温度を近づけるのは、この負担を避けるための、シンプルですがとても効果的な方法なんですね。

簡単な袋合わせのやり方

袋合わせと点滴法について、変化のゆるやかさ・所要時間・必要な道具・向いている金魚を比べた比較表
袋合わせと点滴法の違いの比較

温度合わせのあとの水質合わせには、いくつかの方法があります。まずは、いちばん手軽な「袋合わせ」から説明しますね。丈夫な金魚であれば、この方法で十分なことが多いです。

袋合わせの手順はこうです。温度合わせが終わった袋を開けて、金魚とその水を、用意しておいたプラケースやバケツに移します。次に、そのプラケースに、水槽の水を少しずつ足していきます。ここで足すのは、日頃からカルキ抜き(塩素中和)された水槽の水です。目安としては、15分おきくらいに、元の水と同じくらいの量を数回に分けて加えていきます。

水合わせに使う水槽の水も、日々の水換えも、カルキ抜きは欠かせません。切らすと作業が止まってしまうので、常備しておくと安心です。

こうして、少しずつ水槽の水の割合を増やしていくことで、金魚が新しい水質に徐々に慣れていきます。全体で30分から1時間ほどかけて、プラケースの水の7〜8割が水槽の水になったら、水合わせは完了です。あとは金魚だけを水槽に移します。水を足すときは、金魚に直接勢いよくかからないよう、容器の縁からそっと注ぐのがコツです。金魚が落ち着いていられるよう、静かに、ゆっくりを心がけてください。

この袋合わせは、特別な道具がいらず、丈夫な金魚なら十分に対応できる実用的な方法です。和金やコメットのような一般的な品種を迎えるなら、まずはこの方法から試してみるといいと思います。

袋合わせと、このあと説明する点滴法は、どちらを選べばいいか迷うところですよね。特徴を整理しておくので、状況に合わせて選んでください。

→ 横にスクロールできます

方法 必要な道具 所要時間の目安 向いている金魚
袋合わせ プラケース・コップ 30分〜1時間 和金・コメットなど丈夫な品種、元気な個体
点滴法 プラケース・エアチューブ・コック 40〜60分 らんちゅう等の高級・繊細な品種、弱った個体

どちらも水質を段階的に合わせるという目的は同じで、違いは「どれだけゆるやかに変化させるか」です。手軽さを取るなら袋合わせ、慎重さを取るなら点滴法。迷ったときは、金魚の状態を基準に選ぶといいでしょう。輸送で長旅をしてきた通販の金魚や、明らかに動きが弱い個体には、時間をかけた点滴法のほうが安心です。

本格的な点滴法のやり方

より慎重に水合わせをしたいときや、デリケートな金魚を迎えるときには、「点滴法」という方法があります。時間はかかりますが、水質の変化をもっともゆるやかにできる方法です。

点滴法は、その名のとおり、水槽の水を点滴のように一滴ずつゆっくりと、金魚のいる容器に落としていく方法です。手順を説明しますね。まず、温度合わせを終えた金魚を水とともにプラケースへ移し、水槽より低い位置に置きます。次に、エアチューブの一方を水槽に入れ、もう一方をプラケースへ垂らします。チューブに一度水を通してサイフォンの原理で水を流し、コックを調整して、1〜2秒に1滴ほどのゆっくりとしたペースで水が落ちるようにします。

このペースで水を足し続け、袋合わせと同じく、プラケースの水の7〜8割が水槽の水に置き換わるまで続けます。容器がいっぱいになりそうなら、途中で水を半分ほど捨ててから続けると、置き換えを進めやすくなります。所要時間は40分から60分ほど。ゆっくり時間をかけるぶん、pHの変化によるショックを最小限に抑えられます。らんちゅうや高級な金魚、あるいは輸送で弱っている個体には、この点滴法が特におすすめです。

点滴法でつまずきやすいのが、サイフォンの始動と流量の調整です。チューブに水を通すには、水槽側の端を水に沈めてから、プラケース側の端を口で軽く吸うか、チューブ全体を一度水槽の水で満たしてから片端をふさいで移す、といった方法があります。飼育水を口に含むのが気になる場合は、市販の水合わせキットにポンプが付いているものもあるので、そうした道具を使うと衛生的です。流量は、コックを少しずつ絞りながら「ポタッ、ポタッ」と落ちるくらいに調整します。速すぎると点滴法にする意味が薄れ、遅すぎると時間がかかりすぎるので、1〜2秒に1滴を目安にしてください。手間に感じるかもしれませんが、この丁寧さが、デリケートな金魚を無事に迎えるための鍵になります。私も、大切に育てたい金魚を迎えるときほど、この点滴法でじっくり時間をかけるようにしています。

点滴法の細かいやり方やコツについては、点滴法の水合わせを詳しく解説した記事もありますので、より深く知りたい方はそちらもどうぞ。生き物を問わず使える汎用的な手法なので、覚えておくと役立ちますよ。

水槽へ移すときの注意点

水合わせが完了したら、いよいよ金魚を水槽に移します。この最後のステップにも、押さえておきたい注意点があります。

いちばん大事なのが、金魚だけを網ですくって移し、袋やプラケースの水は水槽に入れないことです。お店や輸送中の水には、病原菌や、金魚の排泄物から出たアンモニアなどが含まれている可能性があります。この水を水槽に持ち込むと、せっかく整えた水槽の環境を汚したり、病気を持ち込んだりするリスクがあるんですね。

金魚を網で移すときは、優しく、手早く行います。網の上で金魚が暴れて傷つかないよう、水面近くでそっとすくって、静かに水槽へ入れてあげてください。移したあとは、金魚が落ち着くまで、しばらくそっとしておきます。

◆所長のワンポイントアドバイス

水合わせが済んだ初日は、餌をあげないのが正解です。新しい環境に慣れるまで、金魚はあまり餌を食べませんし、食べ残しは水を汚す原因になります。金魚が落ち着いて泳ぎ始めるのを確認したら、翌日以降にごく少量から餌を与え始めましょう。焦らず見守るのが、迎え入れ初日の心構えです。

水合わせのあとのトリートメントという選択

水合わせのやり方とあわせて知っておきたいのが、「トリートメント」という考え方です。これは、新しく迎えた金魚を、いきなり本水槽に入れずに、別の容器で一定期間様子を見る方法です。

なぜトリートメントをするかというと、新しい金魚が病気や寄生虫を持っている可能性があるからです。それを気づかずに本水槽へ入れてしまうと、もともといた金魚にまで病気が広がってしまうことがあります。特に、すでに金魚を飼っている水槽に追加で迎える場合は、トリートメントを検討する価値が高いです。

やり方としては、水合わせを済ませた金魚を、本水槽とは別のトリートメント用の容器で最低1〜2週間ほど飼育し、異常がないかを観察します。病歴がわからない個体やデリケートな品種なら、2〜4週間と長めにみておくとより安心です。この期間に病気の兆候が出なければ、本水槽へ移します。手間はかかりますが、大切な金魚たちを守るための保険のようなものですね。初めての1匹で、ほかに金魚がいない場合は必須ではありませんが、こういう選択肢があることは知っておいて損はありません。

トリートメント用の容器は、本格的なものでなくてかまいません。プラケースやバケツに、水槽の水を入れ、エアレーションで酸素を送ってあげれば十分です。この期間は、金魚が輸送や環境変化の疲れを癒す時間でもあります。観察しながら、白い点が出ていないか、ヒレが傷んでいないか、餌をきちんと食べるかをチェックしてください。もし病気の兆候が見られたら、本水槽に入れる前に対処できるので、被害を最小限に抑えられます。逆に、この期間を元気に過ごせた金魚は、本水槽でも安心して飼い始められます。少し遠回りに感じるかもしれませんが、すでに金魚がいる水槽を持っている方には、心からおすすめしたい習慣です。

プラケースは、水合わせにもトリートメントにも使える便利な容器です。金魚のサイズに合った大きさを一つ持っておくと、迎え入れのたびに役立ちますよ。

金魚の水合わせに関するよくある質問(FAQ)

金魚の水合わせにはどのくらい時間をかければいいですか?

方法によって変わります。温度合わせに15〜30分、その後の袋合わせに30分〜1時間ほどが目安です。点滴法を使う場合は、水質合わせだけで40〜60分ほどかかります。丈夫な金魚なら袋合わせで十分ですが、デリケートな品種や弱っている個体には、時間をかけた点滴法がおすすめです。急ぐより、金魚の様子を見ながらゆっくり進めるのが失敗しないコツです。

金魚は丈夫だと聞きます。水合わせは本当に必要ですか?

必要です。金魚は水温や水質の変化に比較的強い魚ですが、それは「多少の変化に耐えられる」という意味で、「急な変化にも平気」という意味ではありません。特に通販で長時間輸送された金魚は体力が落ちていることが多く、水合わせを省くとショックで体調を崩すことがあります。丈夫さに甘えず、最低限の温度合わせと水質合わせは行ってあげてください。

袋の水を水槽に入れてはいけないのはなぜですか?

袋の水には、お店の水槽の水や、輸送中に出た金魚の排泄物、それに病原菌や寄生虫が含まれている可能性があるからです。この水を水槽に入れると、水質を悪化させたり、病気を持ち込んだりするリスクがあります。水合わせで金魚を新しい水に慣らしたら、最後は金魚だけを網ですくって移し、袋やプラケースの水は捨てるのが基本です。ひと手間ですが、水槽の環境を守るために大切な作業です。

水合わせの途中で金魚が暴れます。どうすればいいですか?

金魚が激しく暴れるときは、環境の変化に驚いている可能性があります。まず、作業をしている場所が明るすぎたり騒がしかったりしないか見直してみてください。薄暗く静かな環境のほうが金魚は落ち着きます。容器に布や蓋を軽くかぶせて暗くしてあげるのも効果的です。また、水を足すペースが速すぎると負担になるので、少しゆっくりめにするのも有効です。それでも激しく暴れて弱りそうな場合は、無理に水合わせを続けず、様子を見ながら判断してください。

水合わせが終わったらすぐ餌をあげてもいいですか?

初日は餌をあげないのがおすすめです。金魚は新しい環境に慣れるまで、数日は餌をあまり食べません。この時期に餌を与えても食べ残しになり、水を汚してしまいます。金魚が水槽内を落ち着いて泳ぐようになったのを確認してから、翌日以降にごく少量から与え始めてください。慣れてきたら、様子を見ながら通常の量に戻していきましょう。

金魚の水合わせのやり方のまとめ

金魚の水合わせは、迎えた金魚を新しい環境のショックから守る、大切な最初のステップです。改めて要点を整理しておきますね。

水合わせには、水温を合わせる作業と、水質を合わせる作業の2つがあります。まず袋を水槽に15〜30分ほど浮かべて温度を合わせ、そのあとで水質を合わせていく。水質合わせは、丈夫な金魚なら手軽な袋合わせで十分ですが、デリケートな品種や弱っている個体には、時間をかけた点滴法がおすすめです。

通販で届いた金魚は、開封したら状態を確認し、死着があれば保証手続きを。元気なら、もたつかずスムーズに、でも丁寧に水合わせを進めます。そして最後は、金魚だけを網ですくって移し、袋の水は水槽に入れない。この基本を守れば、水合わせで失敗するリスクをぐっと減らせます。すでに金魚を飼っている水槽に追加するなら、トリートメントで一定期間様子を見るという一手間も、病気の持ち込みを防ぐ有効な方法です。

金魚は丈夫な魚ですが、その丈夫さに甘えず、最初のひと手間を惜しまないこと。たった1時間ほどの手間で、その後の金魚の健康が大きく変わるのだと思えば、決して惜しい時間ではないはずです。それが、迎えた金魚と長く付き合っていくための第一歩になります。水合わせが済んで、金魚が新しい水槽で元気に泳ぎ始めたら、いよいよ金魚との暮らしのスタートです。導入後は焦らず、餌やりや水換えのペースも少しずつつかみながら、環境に慣らしていってあげてくださいね。最初の数日を無事に乗り越えられれば、金魚はぐんと落ち着いてくれるはずです。

なお、この記事で紹介した時間や手順はあくまで一般的な目安です。金魚の品種や状態、水質の違いによって最適な進め方は変わりますので、正確な情報は各ショップや製品の公式サイトをご確認いただき、金魚の状態に不安があるときは、最終的な判断は専門家やお近くのアクアリウムショップにご相談くださいね。あなたが迎えた金魚が、新しい水槽で元気に育ちますように。

← トップページへ戻る
アクアリウムに必須の持ち物完全ガイド
START HERE / COMPLETE GUIDE

アクアリウムに必須の持ち物完全ガイド

必須器具から便利グッズ、日々の水質管理やトラブル対策まで。アクアリウムを長く楽しむために必要な持ち物を、ひとつのガイドにまとめました。 完全ガイドを見る