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メダカの発泡スチロール容器の掃除|こすらずに汚れを減らす手順と道具

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白い発泡スチロール容器を上から見てメダカが泳いでいる様子と記事タイトルを重ねた表紙スライド

発泡スチロールのメダカ容器、こすって掃除していませんか?

THE AQUA LAB 所長(イラスト)

こんにちは。THE AQUA LAB、運営者の所長です。

屋外の発泡スチロール容器って、しばらく使っていると内側の壁が緑や茶色になってきますよね。白い容器なので汚れがよく目立ちます。せっかくだから掃除しようとスポンジを持ってきて、ゴシゴシ。そのとき、なんだか白い粉のようなものが水に浮かんだ経験はないでしょうか。

あれは汚れではなく、削れた発泡スチロールそのものです。発泡スチロールは掃除用のスポンジより柔らかいので、こすると汚れより先に容器のほうが削れます。しかも削れた面はざらつくので、次からもっと汚れが付きやすくなる。よかれと思ってやった掃除が、翌月の掃除を重くしていた、ということが起こります。なお、内側に黒いシートなどを貼って使っている場合は、こすることでその加工まで剥がしてしまうことがあります。容器の内側を暗くする方法をまとめた記事で扱った工夫をしているなら、掃除のときはいっそう力を入れないでください。

この記事では、発泡スチロールという素材の性質に合った掃除のやり方を整理していきます。落とすのではなく減らすという発想に切り替えると、作業も水質もかなり楽になるはずです。使ってはいけない道具、屋外ならではの青水の扱い、掃除しすぎたときに起きること、季節ごとの頻度まで見ていきます。

この記事で整理していくのは、次の5点です。

  • 発泡スチロールをこすってはいけない理由
  • 日常の掃除で本当にやるべきこと
  • 壁のコケを落とすときの道具の選び方
  • 洗剤を使わないほうがいい理由
  • 掃除しすぎたときに水で起きること

メダカの発泡スチロールを掃除する方法

まず、この素材で何をやってはいけないのかから押さえます。ここが分かると、やるべきことは自然に絞られます。

結論|こすらずに汚れを減らす

先に結論をお伝えします。発泡スチロール容器の掃除は、壁をこすって汚れを落とすのではなく、底に溜まった汚れを水と一緒に抜くのが基本です。壁の緑色は見た目こそ気になりますが、メダカにとって害があるものではありません。むしろ壁のコケは水中の栄養を吸ってくれる働きもあります。

やることを優先順位で並べると、こうなります。

優先度 やること 頻度の目安
底に溜まった沈殿物を水ごと抜く 2〜4週間に1回
枯れた水草・落ち葉・死骸を取り除く 気づいたとき
水面に浮いた油膜や泡を取る 気づいたとき
壁のコケを落とす 見た目が気になったときだけ
最低 容器を空にして全部洗う 年に1回程度か、必要なとき
ここがポイント

掃除の目的を見た目をきれいにすることではなく、水を悪くする原因を減らすことに置き換えてください。そう考えると、こすりたくなる壁より、目に入りにくい底のほうが重要だと分かってきます。

なぜこの順番になるのか、少しだけ補足しておきます。飼育容器の中で水を悪くしていくのは、餌の食べ残しやメダカの糞から出る窒素分です。これは重いので底に沈み、そこで分解されながら水中へ溶け出していきます。つまり汚れの発生源は底に集中しているわけですね。

一方、壁に付いたコケは、その溶け出した栄養を吸って育っています。言い換えると、コケが生えているということは水中に栄養が余っている証拠であって、コケ自体が原因ではありません。ここを取り違えて壁ばかり磨いていると、原因を残したまま結果だけを拭き続けることになります。

コケの量が気になるなら、削る前に「餌が多すぎないか」「日が当たりすぎていないか」「水換えの間隔が空いていないか」を見直すほうが根本的です。原因が減れば、放っておいてもコケの付き方は落ち着いてきます。

こすると削れて汚れやすくなる

ビーズが削れる、表面がざらつく、汚れが定着する、さらに強くこする、という四段階の悪循環を矢印で結んだ図のスライド
こする掃除が次の汚れを重くする四段階の悪循環

なぜこすってはいけないのか。理由は素材の硬さにあります。

発泡スチロールは、発泡させたビーズを金型の中で膨らませて融着させたものです。表面はビーズがくっついた面なので、強い力をかけるとその境目から欠けます。爪で軽く押しただけでも跡が残ることからも分かるように、掃除用のスポンジやブラシと比べて明らかに柔らかい素材です。

こすったときに起きることは2つあります。

  1. 削れたビーズが水中に出る。これがあの白い粉の正体です。細かい粒は網ですくいにくく、水換えのたびに少しずつ流れ出ることになります。
  2. 表面がざらつく。削れた面は平らではなく、細かい凹凸ができます。コケや汚れは凹凸に定着しやすいので、こすった場所ほど次から汚れが早く付くようになります

つまり、こする掃除は一時的にきれいになった代わりに、その容器の残りの寿命ずっと汚れやすさを引き受けることになるわけです。1回だけならまだしも、月に一度こすっていれば数年でボロボロになります。

自分の容器がどのくらい削れているかは、乾いた状態で手のひらを当てて滑らせてみると分かります。新品はつるっとしていますが、こすり続けた面はざらざらして、手に白い粉が付きます。これが出るようになったら、表面の融着面がかなり失われている状態です。

ここまで来ると、掃除で戻すことはできません。判断としては、粉が出る程度なら使い続けても構いませんが、指で押すとへこんだまま戻らない、縁が欠けはじめた、水位が下がるのが早いといったサインが出たら交換を検討する時期かなと思います。発泡スチロールは安価な資材なので、無理に延命するより替えたほうが結果的に手間が減ります。

メラミンスポンジを使ってはいけない

掃除の道具の中で、発泡スチロールに対していちばん相性が悪いのがメラミンスポンジです。水だけで汚れが落ちるので便利ですが、この素材には使わないでください。

理由は、メラミンスポンジが洗剤で汚れを溶かすのではなく、削り取る道具だからです。製造メーカーの解説でも、メラミンスポンジは硬い網目状の構造を持ち、研磨することで汚れを削り落とすものだと説明されています。使うたびに消しゴムのように削りカスが出て、少しずつ小さくなっていくのもそのためです。同じ解説の中で、アクリルなどの樹脂素材や塗装されたものへの使用は製品を傷つける可能性があるため避けるのが無難、とも書かれています(出典:レック株式会社 激落ちくん メラミンスポンジとは?)。

アクリルより柔らかい発泡スチロールに使えば、結果は明らかです。汚れより先に容器が削れ、削りカスが水に混ざります。生き物を飼っている容器なので、削りカスを完全に回収するのも難しい。手軽さの代償が大きすぎる道具だと考えています。

同じ理由で、金たわし、研磨剤入りのスポンジ、硬い毛のブラシ、スクレーパー(へら)も避けてください。ガラス水槽用として売られているコケ取り道具の多くは、ガラスやアクリルの硬さを前提に作られています。発泡スチロールに使う前提では設計されていないので、そのまま持ち込むと削れます。

日常の掃除は底の汚れを抜くだけでいい

発泡スチロール容器の断面図で、底に溜まった沈殿物が汚れの原因であり壁のコケはその栄養を吸った結果であることを示したスライド
壁のコケは結果で、汚れの発生源は底にあるという関係

では実際に何をするか。日常的にやることは、底に溜まった沈殿物を水ごと抜くことです。

屋外の容器の底には、食べ残しの餌、メダカの糞、枯れた水草、風で飛んできた落ち葉などが溜まります。これらが分解される過程で水中の窒素分が増えていくので、水を悪くする原因のほとんどは底にあります。壁のコケはむしろその栄養を消費している側です。

やり方はシンプルです。

  1. 底の沈殿物を巻き上げないよう、そっと道具を沈める。いきなり底を突くと汚れが舞い上がって、水全体が濁ります。
  2. 沈殿物ごと水を吸い出す。灯油ポンプやサイフォン式のクリーナーがあると楽です。バケツへ落とすだけなので、力も要りません。
  3. 抜く量は全体の3分の1程度まで。一度に全部替えると水質が急変します。
  4. 同じ温度の水を足す。屋外なら、汲み置きしてある水を同じ場所に置いておくと温度が合わせやすいです。
  • 同じ温度の水を足す。屋外なら、汲み置きしてある水を同じ場所に置いておくと温度が合わせやすいです。

ひとつ発泡スチロール特有のコツがあります。この素材の容器は、成形の都合で底と側面の境目が直角ではなく丸みを帯びていることが多いんですね。汚れはこの丸みの部分に集まりやすいので、底の中央だけを吸っても取り切れません。四隅と縁に沿ってぐるりと一周させると、同じ手間でずっと多く抜けます。

また、屋外容器は雨が入るぶん水位が勝手に上がります。水換えのつもりで足し水ばかりしていると、抜く作業が抜け落ちて汚れだけが蓄積していきます。足し水と水換えは別物だと分けて数えておくと、抜き忘れに気づきやすくなります。

底の汚れを吸い出す道具の使い方は、室内水槽向けですがプロホースの使い方と吸えないときの原因をまとめた記事が参考になります。底砂を入れている場合の掃除の勘所は水槽の底砂掃除のやり方と頻度の記事のほうに整理してあります。

底の汚れを抜く道具は、サイフォンの原理で水と一緒に吸い出すタイプが定番です。力を入れずに済むので、こすらない掃除とも相性がいいですね。発泡スチロール容器は深さがそれほどないので、大きすぎないサイズのほうが扱いやすいと思います。

壁のコケを落とすときの道具

それでも見た目が気になる、来客があるので整えたい。そういうときの落とし方も押さえておきましょう。原則は柔らかいもので、水中で、軽くです。

道具 可否 理由
手のひら・指の腹 力が分散するので削れにくい。いちばん安全
柔らかいスポンジの面 研磨面のない側だけを使う。力を入れない
使い古した歯ブラシ 毛先が寝たものなら可。新品の硬い毛は避ける
キッチンスポンジの硬い面 × 研磨材が入っているものが多い
メラミンスポンジ × 研磨して削る道具。発泡スチロールには使えない
スクレーパー・金たわし × 確実に削れる

コツは、水を抜く前ではなく、水を抜いたあとの湿った状態でやらないことです。乾きかけの壁をこするといちばん削れます。水中で作業すれば、水が緩衝材になって力が伝わりにくくなります。

もうひとつ、落としたコケは水中に漂うので、そのままにせず水換えとセットで行ってください。剥がしただけで放置すると、分解されて結局は水の中に戻ります。

順番としては、①壁のコケを落とす → ②しばらく置いて剥がれたものを沈める → ③底の汚れごと水を抜く、が効率的です。落としてすぐ水を抜くと、まだ漂っているものが取れずに残ってしまいます。15分ほど置くだけでかなり沈むので、その間に道具を用意したり足し水の準備をしたりすると時間も無駄になりません。

それと、全面を一度に落とさないという手もあります。壁の半分だけ落として、残り半分はそのままにしておく。こうすると微生物の住む面が残るので、水への影響が小さくて済みます。見た目もある程度整うので、落としどころとしては悪くないと思います。

コケそのものを減らす方向で考えたい場合は、生体に任せる手もあります。屋外容器で働いてくれる種類については水槽のぬめりやバイオフィルムを食べる生体をまとめた記事を見てみてください。

全部やり直すときの手順

年に一度、あるいは病気が出たあとなど、容器を空にして総入れ替えをしたい場面もあります。そのときの流れです。

  1. メダカを別容器へ移す。元の飼育水をバケツに取り、そこへ移します。新しい水にいきなり入れないでください。
  2. 水草や産卵床も同じ水に浸けておく。乾かすと傷みます。卵が付いている場合はとくに注意です。
  3. 残った水を捨て、底の汚れを流す。ホースの水を当てて流す程度で構いません。こすらないのがここでも原則です。
  4. どうしても落ちない汚れは、水を張って一晩置く。ふやければ軽くなでるだけで落ちます。力ではなく時間で落とすのがこの素材のコツです。
  5. 洗剤は使わない。理由は次の章で説明します。
  6. すすいだら、飼育水を戻して立ち上げる。元の水を全部捨てると、水を作り直すところからやり直しになります。取っておいた飼育水を半分ほど戻すと立ち上がりが早いです。
  7. メダカを戻すのは水温が落ち着いてから。作業中に水温が変わっていることが多いので、温度が合ってから戻してください。
  • メダカを戻すのは水温が落ち着いてから。作業中に水温が変わっていることが多いので、温度が合ってから戻してください。

病気が出たあとで消毒までしたい、という場合はもう少し悩ましくなります。塩素系の漂白剤は発泡スチロールを溶かすわけではありませんが、表面の細かい凹凸に残りやすく、残留した場合は生体にとって強い毒になります。すすぎで完全に抜けたと確信するのが難しい素材なので、あまり向いた方法ではありません。

現実的な選択肢は天日干しです。よく洗って乾かし、日の当たる場所に数日置く。紫外線と乾燥で、水の中でしか生きられない生物はかなり減ります。ただしこの記事で何度か触れているとおり、紫外線は発泡スチロール自体も傷めます。消毒したいのか容器を長持ちさせたいのかで、判断が変わってくるところですね。

病気が繰り返し出るような容器なら、消毒に手間をかけるより、その容器は処分して新しいものにするほうが早いという考え方もあります。発泡スチロールが安価であることは、こういう場面で効いてきます。

所長のひとこと

手順の4番が、この記事でいちばんお伝えしたいところかもしれません。汚れは力で落とすものだと思っていると、柔らかい素材では失敗します。水に浸けて待つだけで落ちる汚れは意外と多いので、こすりたくなったらまず一晩置いてみてください。

手順の中で何度か出てきた水温合わせには、水温計がひとつあると迷いません。発泡スチロールは表面が多孔質で吸盤が付かないので、貼り付けるタイプより浮かべるタイプのほうが向いています。足し水用のバケツにも同じものを入れて、両方の温度を見比べられるのも便利です。

メダカの発泡スチロールを掃除するときの注意点

ここからは、道具以外で気をつけたいことを見ていきます。掃除は「やり方」より「やりすぎないこと」のほうが難しいかもしれません。

洗剤は使わないほうがいい

発泡スチロールという素材そのものは、意外と薬品に強い面があります。メーカーの解説でも、酸やアルカリなどの一般的な化学物質には比較的耐性があるとされています。ただし一部の強力な有機溶剤や酸に長時間さらされると、変形・膨張・溶解の可能性があるとも書かれており、接触時間や温度によっても変わるとされています(出典:松原産業株式会社 発泡スチロールの耐薬品性とは?)。

つまり、中性洗剤で洗ったからといって容器が溶けるわけではありません。問題は素材ではなく残留のほうです。

洗剤の主成分である界面活性剤は、魚のえらに影響することが知られています。そしてやっかいなのが、発泡スチロールの表面がつるつるの一枚板ではなく、ビーズの融着面という細かい凹凸を持っていること。ここに入り込んだ洗剤は、すすいだつもりでも残りやすいんですね。ガラスやプラスチックなら流水で流せば済むところが、この素材では確信が持てません。

もうひとつ知っておきたいのが、泡が立たなくなっても洗剤が抜けたとは限らないという点です。泡は界面活性剤の濃度がある程度ないと立たないので、薄まった状態では見た目に分かりません。すすぎの終わりを泡で判断すると、まだ残っている段階でやめてしまうことになります。

だからこの素材では、洗剤を使わないのがいちばん確実です。油汚れでなければ、水と時間だけでほとんど落ちます。落ちないなら、それは落とすべき汚れではないか、容器を替えるサインだと考えるほうが合理的かなと思います。

どうしても洗剤を使いたくなるのは、油膜や脂っぽい汚れが付いたときだと思います。魚屋さんからもらった魚箱を転用する場合などですね。その場合は、洗剤で洗ったあとに水を張って捨てるのを数日繰り返してから使ってください。それでも不安が残るなら、その容器は生体用ではなく用具の保管などに回すという判断もあります。

掃除しすぎると水が不安定になる

緑色の青水と白く濁った水を左右に並べ、青水は植物プランクトンの増加、白い濁りはバクテリアのバランスの崩れであることを対比したスライド
青水と白い濁りの見分け方とそれぞれの対処

きれいにするほど良いはずだ、と思いたくなりますが、水の世界ではそうとも限りません。

飼育容器の中では、餌の食べ残しやメダカの糞から出るアンモニアを、目に見えない微生物が段階的に分解しています。この微生物は水中を漂っているだけでなく、容器の壁、底砂、水草の表面など、あらゆる面に膜を作って住んでいます。壁の緑色や、ぬるっとした感触の正体もその一部です。

ここを一気に洗い流すと、分解の担い手を減らすことになります。掃除の直後に水が白く濁ったり、いつもより早く水が汚れるようになったりするのは、このバランスが崩れたサインだと考えられます。

よくある失敗の順番は、だいたいこうです。まず見た目が気になって、壁も底も水も全部きれいにする。数日後に水が白く濁る。濁りが気持ち悪いのでまた水を全部替える。これを繰り返すうちに、いつまでも水が安定しない状態に入ってしまう。

白い濁りは、多くの場合バクテリアが急激に増えたときに出るもので、汚れとは別物です。ここで慌てて水を替えると、増えかけたバクテリアごと流すことになり、また振り出しに戻ります。濁りが出たら、むしろ何もしないで数日待つほうが早く収まることが多いはずです。

だからこの記事では、掃除を「全部やる」ではなく「底だけやる」「一部だけやる」と分けているわけです。フィルターの掃除でも同じ発想が使われていて、洗いすぎるとかえって調子が落ちる、という話は水槽フィルターの掃除頻度をまとめた記事で詳しく扱っています。

青水は汚れではないので落とさない

屋外の発泡スチロール容器では、水が緑色に濁ってくることがあります。いわゆる青水(グリーンウォーター)です。

これは汚れではなく、植物プランクトンが増えた状態です。メダカにとっては餌にもなりますし、日光を遮って水温の上がり方をやわらげたり、稚魚の生存率を上げたりする効果もあると言われています。屋外飼育では、むしろ狙って作る人もいるくらいの状態です。

ただし良いことばかりでもありません。

  • 濃くなりすぎると、夜間にプランクトンが酸素を消費して酸欠を招くことがある
  • メダカの姿が見えなくなり、体調の変化に気づきにくくなる
  • 急にプランクトンが死ぬと、一気に水が悪化することがある

目安としては、メダカの背中が見える程度の濃さまでなら扱いやすいと思います。それより濃くなったら、水換えで薄める、あるいは日照を減らす。ここでも「落とす」のではなく「薄める」という調整になります。もう少し具体的に言うと、容器の縁から底が透けて見えるなら薄め、水面から5センチほど下が見えなくなってきたらかなり濃い状態です。判断に迷うときは、白い皿やコップに水をすくって色を見ると分かりやすいと思います。容器の中で見ると壁の色に引きずられるので、いつも同じ器で見るようにすると比較もできます。

透明な水を保ちたい場合の考え方はメダカのクリアウォーターを維持するガイドにまとめてあります。

掃除の頻度と季節による違い

最後に頻度の話です。カレンダーで決めるより、季節と水の状態で決めるほうが実態に合います。

季節 底の汚れ抜き 考え方
春(活動再開) 2〜3週間に1回 餌の量が増えるので汚れも増える。冬の間に溜まった底の汚れを一度抜く
夏(高水温期) 2週間に1回程度 分解が早く進み水も傷みやすい。ただし水温差が出やすいので少量ずつ
秋(落ち葉の季節) 2〜3週間に1回 落ち葉が入りやすい。溜まる前に取り除くのが中心
冬(越冬中) 原則やらない メダカは底でじっとしている。動かすこと自体が負担になる

とくに冬は、掃除しないことが正解になる季節です。水温が下がるとメダカの活動も代謝も落ち、餌もほとんど食べません。汚れの発生自体が少ないので、無理に手を入れる必要がないんですね。そこへ低い水温の中で水を換えたり底をかき回したりすると、体力の落ちた個体には大きな負担になります。

春になって水温が上がり、メダカが泳ぎ回るようになってから、冬の間に溜まった分をまとめて抜く。この切り替えを覚えておくと、一年を通した管理がだいぶ楽になるはずです。

頻度を決めるとき、カレンダーより頼りになる目印がいくつかあります。

  • 底に指を入れて、もやもやしたものが舞い上がる。沈殿物が層になってきたサインです
  • 水面に膜が張って、風が吹いても崩れない。有機物が過剰になっている合図です
  • 餌をやったあと、いつもより長く水が濁っている。分解が追いついていない可能性があります
  • においが変わった。健全な飼育水は土のような匂いですが、酸っぱい・生臭い方向に変わったら要注意です

逆に、水が澄んでいて、メダカが元気に泳いでいて、餌をよく食べているなら、見た目の緑色は放っておいて構いません。掃除の必要性はメダカと水が教えてくれるので、その信号を読むほうが決められた頻度を守るより確実だと考えています。

そもそも水換えの回数を減らせないか、という方向で考えたい場合はメダカ水槽を水換え不要にできるかを検証した記事で、成立する条件を整理しています。

メダカの発泡スチロールの掃除についてよくある質問

高圧洗浄機で洗ってもいいですか?

やめておいたほうがいいと思います。高圧洗浄機は水の勢いで汚れを削り飛ばす道具なので、こすることと本質的に同じです。むしろ力が一点に集中するぶん、スポンジよりも激しく削れます。表面のビーズが吹き飛んで穴が空いたり、薄い部分が抜けたりすることもあり得ます。汚れをまとめて流したいだけなら、ホースの水を弱めに当てて流す程度で十分です。それで落ちない汚れは、水を張って一晩ふやかしてから軽くなでるほうが確実で、容器も傷めません。

壁の茶色い汚れがどうしても落ちません。何が付いているのですか?

屋外容器で茶色く見えるものは、珪藻と呼ばれる種類の藻であることが多いです。ぬめりのある茶色い膜として壁や底に付きます。もうひとつ考えられるのが、水中の鉄分やタンニンなどが表面に沈着したもので、こちらは色素なので物理的にこすっても落ちません。前者は水中で軽くなでれば剥がれますが、後者は落とそうとするだけ容器が削れるだけなので、あきらめて付き合うほうが賢明です。白い容器は色の変化が見えやすいぶん気になりますが、機能的な問題はありません。どうしても見た目が気になるなら、外側を整えるか、色の濃い容器へ替えるほうが解決になります。

掃除のときにメダカは入れたままで大丈夫ですか?

底の汚れを抜くだけ、水を3分の1替えるだけなら、入れたままで問題ありません。むしろ移動させるほうが負担になります。網で追い回すこと自体がストレスですし、移動時の水温差や水質差も体にこたえます。一方で、容器を空にして総入れ替えをする場合は当然移す必要があります。判断の分かれ目は「容器から水を全部抜くかどうか」です。抜かないなら入れたまま、抜くなら移す。この基準で考えると迷いません。移すときは必ず元の飼育水を使い、新しい水に直接入れないでください。

掃除のあとにメダカが底でじっとしています。大丈夫でしょうか?

掃除の直後にしばらく動きが鈍くなるのは、環境が変わったことへの反応としてよく見られます。多くの場合は数時間から一日で戻ります。ただし、水温差が大きかった、水を替えた量が多すぎた、カルキが抜けていなかった、といった原因が重なると回復しないこともあります。あわせて確認したいのは、水温を計ったか、換えた量は全体の3分の1以内だったか、足した水は元の水と同じくらいの温度だったか、の3点です。翌日になっても餌に反応しない、体表に異変があるといった場合は、水の状態を見直したうえで、判断に迷うなら購入された販売店など実際に相談できる窓口へご相談ください。

まとめ|メダカの発泡スチロールの掃除

最後に、判断のポイントを整理しておきます。

まず道具について。発泡スチロールは掃除用のスポンジより柔らかい素材なので、こすると汚れより先に容器が削れます。とくにメラミンスポンジは、メーカー自身が研磨して汚れを削る道具だと説明している通りの働きをするので、この素材には使えません。金たわし、研磨剤入りスポンジ、スクレーパー、高圧洗浄機も同じ理由で避けてください。削れた面はざらついて、次から汚れが早く付くようになります

次にやることについて。日常の掃除は、底に溜まった沈殿物を水ごと抜くことが中心です。水を悪くする原因のほとんどは底にあり、壁のコケはむしろ栄養を消費している側なので、優先順位は逆になります。壁を落としたいときは、手のひらか柔らかい面で、水中で、軽く。落ちない汚れは水に浸けて一晩ふやかすほうが、力を入れるより確実です。

そして注意点について。洗剤は素材を溶かすわけではありませんが、表面の凹凸に残りやすいので使わないのが無難です。掃除しすぎると分解を担う微生物まで減らしてしまい、かえって水が不安定になります。青水は汚れではないので落とす対象ではなく、濃さを調整する対象です。冬は掃除しないことが正解になる季節で、春に水温が上がってから溜まった分をまとめて抜く、という切り替えが役立ちます。

ひとつだけ付け加えると、この記事で書いた「こすらない」は、掃除をサボっていいという意味ではありません。底の汚れを抜く作業だけは、季節に応じてきちんと続ける必要があります。省けるのは壁を磨く手間のほうで、水を入れ替える手間ではない、という切り分けです。

白い容器は汚れが目立つので、つい手を出したくなります。でもこの素材に関しては、手を出さないことが結果的に長持ちにつながる場面が多いはずです。なお水の状態や容器の傷み方は環境によって変わりますので、判断に迷うときは購入された販売店やメーカーにご確認ください。この記事が、スポンジを手に取る前のひと呼吸になれば嬉しいです。

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