こんにちは。THE AQUA LAB、運営者の「所長」です。
メダカ飼育、なんだか癒やされそうで始めてみたいけど、「メダカを飼うのに必要なもの」って、具体的に何から揃えればいいか悩みますよね。初心者だし、いきなり高価な飼育セットを買うのも不安かもしれません。100均のアイテムでも大丈夫なのか、室内や屋外で飼う場合の違い、水槽や鉢はどれがいいか。フィルターは本当に必要なのか、水草は? 餌のやり方から水換え、掃除の頻度、もし繁殖して稚魚が生まれたらどうしよう…など、考え出すとキリがないかなと思います。
でも、安心してください。メダカはとても丈夫で、ポイントさえ押さえれば誰でも飼育を楽しめます。この記事では、そんなメダカ飼育の「必要なもの」に関する疑問を、一つひとつ丁寧に解消していきます。
- メダカ飼育の必須アイテムと代用品
- 室内飼育と屋外飼育で変わる道具
- 初心者が失敗しない機材の選び方
- 繁殖や稚魚育成のために必要な準備
メダカを飼うのに必要なもの【基本】

まずは、メダカ飼育をスタートするために「最低限これだけは!」という基本的なアイテムを見ていきましょう。室内・屋外どちらで飼うにしても共通する、飼育の土台となる部分ですね。これらが揃っていないと、メダカを健康に育てることは難しくなってしまいます。100均で賢く揃えるコツや、初心者の方が迷いがちなセットの選び方も詳しく解説しますね。
初心者向けの必須アイテムリスト
メダカ飼育を「始めるだけ」なら、実はたった3つのアイテムでスタートできます。極端な話、庭に転がっているバケツでも飼える、と言われるくらいですからね。
メダカ飼育の最低限3点セット
- 飼育容器(水が入ればOK。鉢、発泡スチロール箱、バケツなど)
- カルキ抜き(水道水の有害な塩素を除去します)
- メダカの餌
これだけです。極端な話、これらはすべて100円ショップでも揃います。 しかし、これはあくまで「飼育を開始できる」最低ライン。メダカに健康で長生きしてもらう、美しい姿を観賞するためには、もう少しアイテムを追加するのがおすすめです。
私が考える「推奨必須アイテム」は以下の通りです。これらがあると、飼育の難易度がぐっと下がります。
- 飼育容器(水槽、鉢、タライなど)
- カルキ抜き(中和剤)
- メダカの餌(専用フード)
- 底砂(ソイルや砂利。水質安定の役割)
- 水草(隠れ家や産卵場所になる)
- メンテナンス用品(網、スポイト、バケツ)
これらがあれば、メダカにとって快適な環境を整えやすくなります。特に底砂と水草の役割は、初心者が思っている以上に重要です。
底砂(ソイル・砂利)の重要な役割

底砂は単なる飾りではありません。最大の役割は、水をきれいにする「ろ過バクテリア」の住処になることです。底砂の表面や内部の隙間にバクテリアが定着することで、メダカのフンや餌の食べ残しから発生する有害なアンモニアを分解し、水質を安定させてくれます。また、メダカは底砂があると落ち着き、保護色機能で体色を濃くしようとする「色揚げ」効果も期待できますよ。
水草が「ほぼ必須」な理由
水草も同様に、多くの役割をこなす万能アイテムです。
- 隠れ家:強い個体から弱い個体が逃げる場所、メダカが休む場所になります。
- 産卵床:メダカが卵を産み付ける場所として活躍します。
- 水質浄化:水中の富栄養化の原因となる物質(硝酸塩など)を養分として吸収してくれます。
- 酸素供給:日光や照明が当たれば光合成を行い、水中に酸素を供給します(特に屋外)。
このように、底砂と水草は、飼育環境をより自然に近づけ、メダカのストレスを減らし、水質を安定させるために、強く推奨されるアイテムなんです。
100均で揃う便利な飼育用品
最近の100円ショップは、アクアリウム用品もかなり充実していますね。私もよく偵察に行きます(笑)。賢く使えば、初期費用をぐっと抑えることができます。
▼ 100均で揃えられるもの
- 飼育容器(小型のプラケース、ガラスの鉢、バケツ、書類ケースなど)
- カルキ抜き(少量タイプ)
- メダカの餌
- 底砂(化粧砂利、園芸用の赤玉土など)
- 網、スポイト、バケツ(掃除・水換え用)
- メラミンスポンジ(水槽のコケ取り用)
園芸コーナーにある「赤玉土(小粒)」は、屋外飼育の底砂として非常に優秀で、多くの愛好家が使っています。これが100円で手に入るのは大きいですね。
▼ 100均利用時の注意点
100均の飼育容器は、どうしてもサイズが小さく、水量が少なくなりがちです。水量が少ないと、水温や水質が急激に変化しやすく、メダカにとっては過酷な環境になる可能性があります。
もし100均の容器で始めるなら、メダカは1~2匹程度からスタートし、水換えをこまめに行うなど、慎重な管理を心がけるのが失敗しないコツかなと思います。
また、餌やカルキ抜きなども販売されていますが、品質や成分が気になる場合は、アクアリウム専門メーカーのものをペットショップやホームセンターで購入する方が安心かもしれません。道具類(バケツやスポイト)は100均、水質やメダカの健康に直接関わるものは専門品、と使い分けるのが賢い選択ですね。
失敗しない飼育セットの選び方
「ひとつずつ選ぶのは自信がない…」という初心者の方には、「メダカ飼育セット」が断然おすすめです。必要なものが一通り揃っていて、何よりメーカーがその組み合わせで最適だと判断している安心感があります。
ただ、「セット」と一口に言っても色々あります。選ぶ際のポイントは2つです。
1. 飼育場所(室内か屋外か)で選ぶ
メダカ飼育セットは、主に「室内観賞用」が多いです。ガラス水槽、フィルター、照明(LED)などがセットになっていることが多いですね。もし屋外のベランダなどで飼いたい場合は、「ビオトープセット」や「睡蓮鉢セット」といった名前で探すと良いでしょう。これらはフィルターや照明が付属しない代わりに、メダカ鉢や底砂、水草などがセットになっていることが多いです。
2. フィルターの種類で選ぶ(室内セットの場合)
室内用のセットの場合、付属するフィルター(ろ過装置)に注目してください。メダカは本来、田んぼのような水の流れがほとんどない場所に住んでいる魚です。そのため、水流が弱いフィルターがセットになっているものを選びましょう。
代表的なフィルターの種類と特徴をまとめてみますね。
| フィルター種類 | メリット | デメリット | メダカ適性 |
|---|---|---|---|
| 投げ込み式 (ブクブク) | 安価で構造が単純。 酸素供給もできる。 | 水槽内で場所を取る。 ろ過能力はやや低め。 | 〇(水流は強くない) |
| 外掛け式 | 水槽の縁に掛けるだけ。 メンテナンスが楽。 ろ過能力が比較的高い。 | 水流がやや強め。 水位が下がると音がする。 | △(水流を弱める工夫が必要な場合も) |
| スポンジフィルター | 水流が非常に穏やか。 バクテリアの定着が良い。 稚魚が吸い込まれない。 | 別途エアポンプが必要。 水槽内で目立つ。 | ◎(メダカに最適) |
個人的には、メンテナンスの手軽さから外掛け式か、メダカへの優しさを考えてスポンジフィルターが付属するセットが扱いやすいかなと思います。外掛け式の場合は、排水口にウールマットを詰めるなどして水流を弱める工夫をすると良いですよ。
メダカの水槽や鉢の選び方
飼育容器はメダカの「家」です。最も重要なのは「水量」です。これに尽きます。
よく「メダカ1匹あたり1リットルの水」と言われますが、これはあくまで「最低限、飼育が可能」なライン。特に初心者のうちは、水量が多ければ多いほど、水質や水温が安定しやすく、管理が格段に楽になります。水量が少ないと、数匹のフンやわずかな餌の食べ残しでも、一気に水質が悪化(=有害なアンモニア濃度が上昇)してしまうんです。
▼ 室内飼育(横見)の場合 ガラス水槽やプラスチックケースが主流です。横からメダカの泳ぐ姿を楽しめます。水槽サイズは、幅30cm(水量約10~12リットル)程度あると、5~6匹程度を安心して飼育できるかなと思います。小さいボトルアクアリウムは可愛いですが、水量が1~2リットルしかないものが多く、水質管理の難易度は格段に上がります。
▼ 屋外飼育(上見)の場合 睡蓮鉢、タライ、プランター、トロ舟(セメントを混ぜるアレです)などが使われます。上からメダカを観賞する「上見(うわみ)」が基本です。
屋外飼育の最強容器「発泡スチロール箱」
実は、屋外飼育で初心者からベテランまで愛用されているのが発泡スチロールの箱です。スーパーなどでもらえることもありますね。安価で軽量なだけでなく、抜群の断熱性・保温性を誇ります。これにより、夏の直射日光による高水温や、冬の朝晩の急激な冷え込みを緩和し、メダカにとって非常に優しい環境を作ってくれるんですよ。
容器の色も重要
容器の色も、メダカの観賞や育成に影響します。
- 黒い容器:メダカの保護色機能が働き、体色を濃くしようとします(色揚げ効果)。メダカの体がくっきり見えます。
- 白い容器:メダカの体色は薄くなりますが、水やメダカの健康状態(フンの状態など)は非常によく見えます。
観賞目的なら黒、管理のしやすさなら白、といった選び方もありますね。
必須の水草、その役割と種類
水草は、メダカ飼育において「ほぼ必須」と言ってもいいほど重要なアイテムです。単なる飾りではありません。
水草の主な役割
- メダカの隠れ家・休憩場所(ストレス軽減)
- 卵を産み付ける場所(産卵床)(繁殖に不可欠)
- 水中の養分を吸収し、水質を浄化する(水換え頻度低減)
- 光合成により水中に酸素を供給する(屋外の日光下)
- 夏場の水温上昇を抑える(日よけ)
初心者の方におすすめなのは、丈夫で育成が簡単な以下の水草です。これらは「金魚藻」としてもおなじみですね。
- アナカリス(オオカナダモ):非常に丈夫で、成長が早く、水質浄化能力も高いです。浮かべておくだけでも育ちますが、重りをつけて沈めるのが一般的です。
- マツモ:これも浮かべておくだけでOK。フサフサした葉が稚魚の隠れ家や産卵床に最適です。CO2添加なども不要で丈夫です。
- ホテイソウ(ホテイアオイ):屋外飼育の定番。水面に浮かび、その根っこが産卵床や隠れ家として最高です。ただし、冬は枯れることが多く、繁殖力が非常に強いため、増えすぎたら間引く必要があります。
- ウィローモス:石や流木に巻き付けて使います。フサフサした茂みは稚魚の絶好の隠れ家になります。
これらの水草は、CO2(二酸化炭素)の添加や強い照明がなくても育ちやすいので、ぜひ入れてあげてください。
水草導入時の注意点「残留農薬」
ショップで購入した水草(特に海外ファーム産)には、貝や害虫を駆除するための「残留農薬」が付着していることがあります。メダカは農薬に弱い魚ではありませんが、一緒に飼うことの多いエビ類(ミナミヌマエビなど)は、ごく微量の農薬でも死んでしまいます。
安全のため、「無農薬」と表記されたものを選ぶか、購入した水草をバケツに入れ、数日~1週間程度、毎日水を換えながら農薬を抜く「トリートメント」作業を行うことを強くおすすめします。
環境別メダカを飼うのに必要なもの
基本的なアイテムが揃ったら、次は「室内」と「屋外」のどちらで飼うか決めましょう。この選択によって、追加で必要になる機材が大きく変わってきます。室内は機材で環境を「管理」する飼育、屋外は自然の力を借りて「循環」させる飼育、といったイメージですね。それぞれのメリット・デメリットを理解して、ご自身のライフスタイルに合った飼い方を見つけるのが一番です。
室内飼育で必要な追加アイテム

室内飼育は、天候に左右されず、いつでもメダカを横から観賞できるのが最大の魅力です。しかし、自然の恩恵(日光や雨、風など)がない分、それを人工的に補う機材が必要になります。
1. 照明(LEDライト)
室内は、たとえ窓際であっても、メダカや水草が必要とする光量としては不十分なことが多いです。照明は、メダカの体内リズムを整えて健康を維持するため、そして水草に光合成をさせて水をきれいに保つために必要です。1日8時間程度、タイマーで管理するのがおすすめですね。照明時間が長すぎるとコケだらけになり、短すぎると水草が育ちません。
直射日光はNG
室内水槽に直射日光を当てるのは絶対に避けてください。水量が少ないガラス水槽は、直射日光で簡単に水温が40℃近くまで上がってしまい、メダカが「お湯」で死んでしまう(高水温)原因になります。また、コケ(藻)が大量発生する最大の原因にもなります。
2. フィルター(ろ過装置)
屋外に比べて水量が少なく、水の循環もない室内水槽では、メダカのフンや餌の食べ残しから発生する有害なアンモニアが溜まりやすいです。フィルターは、これらを分解する「ろ過バクテリア」の住処となり、水をきれいに保ちます。フィルターがあることで、水換えの頻度を減らすことができます。
ろ過のサイクル(生物ろ過)を簡単に説明すると、「有害なアンモニア」→(バクテリアA)→「やや有害な亜硝酸」→(バクテリアB)→「ほぼ無害な硝酸塩」という流れで毒素が分解されます。フィルターは、このバクテリアAとBの住処を効率よく提供する装置なんですね。水槽立ち上げ時に市販の「バクテリア剤」を使うと、このサイクルが早く安定すると言われています。
3. ヒーター(冬場)
メダカは本来、冬になると水底でじっとして「冬眠」する魚で、低温に強いです。しかし、冬場に室温が10℃を下回るような環境だと、活動が鈍り、餌も食べなくなります。
もし、冬でも元気に泳ぐ姿を観賞したい場合や、一年中繁殖させたい(産卵には20℃以上必要)場合は、水温を一定(20℃~25℃程度)に保つ「オートヒーター」が必要になります。これを「加温飼育」と呼びます。ただし、加温飼育はメダカの活動を活発にする分、寿命が短くなる傾向があるとも言われていますので、目的応じて判断すると良いでしょう。
屋外飼育でフィルターがいらない理由

「屋外飼育ではフィルターやエアレーションは不要」とよく言われますが、これはなぜでしょうか。
それは、自然の循環(ビオトープ)が機能するからです。室内飼育で機材が担っていた役割を、自然が代わりにやってくれるイメージです。
- 日光:水草が光合成を行い、日中に酸素を供給してくれます。これが強力なエアレーション代わりになります。
- 風や雨:水面を揺らし、空中の酸素が水に溶け込むのを助けます。(雨水で水が増えることも)
- 豊富な水量と底砂:室内より大きな容器(タライやトロ舟)を使い、底砂(赤玉土など)を敷くことで、ろ過バクテリアが自然に定着し、水質を浄化してくれます。
- プランクトン:日光により植物プランクトン(グリーンウォーター)や動物プランクトンが発生し、それがメダカの餌の一部にもなります。
このように、屋外飼育は自然の力を借りてメダカを育てるスタイルです。ただし、フィルターが不要な代わりに、自然ならではの対策が必要になります。
屋外飼育の必需品「フタ・ネット」
屋外飼育で最も注意すべきは「外敵」です。カラス、ハト、猫、イタチ、ヘビ…。そして、水中にいつの間にか侵入しているヤゴ(トンボの幼虫)は、メダカや稚魚を大好物とします。これらから守るために、容器のサイズに合ったフタやネットは必ず用意しましょう。また、大雨でメダカが流れ出てしまう「溢水(いっすい)」対策として、容器のフチにキリで小さな穴を開けておくのも有効です。
フィルター不要の勘違い
ただし、「屋外=フィルター不要」と短絡的に考えるのは危険です。例えば、水量が極端に少ない小さな鉢で、メダカを過密飼育し、日当たりも悪い…となれば、自然の浄化作用は追いつきません。その場合は屋外でも水質が悪化し、最悪の場合メダカが死んでしまいます。屋外飼育は、「十分な水量」と「日光」、「水草」のバランスが取れて初めて成立するもの、と考えるのが良いと思います。
餌の種類と正しい与え方
メダカの餌は、専用のものが市販されています。浮上性(水面に浮くタイプ)で小粒なフードを選びましょう。メダカは水面に浮いたものを食べるのが得意な魚です。
餌やりで最も重要なのは、「与えすぎないこと」と「水温に合わせて量を調整すること」です。
基本:1日に1~2回、数分(3~5分程度)で食べきれる量を与えます。 水温が高い時期(春夏秋):活発に泳ぎ回るので、1日2回でもOKです。 水温が低い時期(晩秋~初春):動きが鈍くなり、消化能力も落ちます。1日1回に減らすか、数日に1回にします。 冬眠中(水温10℃以下目安):水底でじっとしている時は、餌やりを完全にストップします。
低水温時の餌やりは危険
初心者がやりがちな失敗として、寒い時期にいつも通り餌を与えてしまうケースがあります。メダカは低水温で消化器官の動きが鈍っているため、餌を食べても消化不良を起こして死んでしまいます。また、食べ残しが水質を急激に悪化させ、追い打ちをかけることにも…。メダカの様子をよく観察し、活動が鈍い時は餌を控える勇気も必要です。
餌の種類について
メダカの餌には、目的別にいくつか種類があります。
- 日常用フード:栄養バランスの取れた、一般的な餌です。まずはこれからでOK。
- 色揚げ用フード:アスタキサンチンなど、メダカの体色を鮮やかにする成分が強化された餌です。楊貴妃(ようきひ)など赤いメダカに与えると効果が分かりやすいですね。
- 繁殖用フード:高タンパク・高脂質で、産卵を促すための餌です。
- 生餌(なまえさ):ミジンコやゾウリムシ、ブラインシュリンプなど。メダカの食いつきが抜群で、繁殖を狙う時には強力な武器になります。ただ、管理が少し大変なので、まずは人工飼料からで十分です。
水換えや掃除に必要な道具

メダカ飼育を維持するために、メンテナンス用品は絶対に必要です。水質が悪化する前に、定期的なメンテナンスで良い環境を維持しましょう。
- 水換え用のバケツ:新しい水(カルキ抜きした水)を用意するためと、排水を受けるために、最低2つあると便利です。100均のもので十分です。
- 網(アミ):メダカを移動させるときに使います。
- スポイト(大型):これが非常に便利です。鉢や小型水槽の底に溜まったフンや餌の食べ残しを、水を大きく汚さずにピンポイントで吸い取ることができます。
- 水換えクリーナー(プロホースなど):室内水槽である程度の大きさがあるなら、持っておくと格段に掃除が楽になります。底砂のゴミを吸い出しながら、同時に排水もできるスグレモノです。
- コケ取り用品:メラミンスポンジ(水槽内側)や、三角定規(頑固なコケ)が役立ちます。
水換えの具体的な手順と注意点
水換えの基本は、「一度に全ての水を換えない」こと。全体の水(と、そこに住み着いたバクテリア)をすべて捨ててしまう「全換水」は、水質が急変する「水質ショック」をメダカに与え、非常に危険です。
- 新しい水の準備:バケツに水道水を汲み、カルキ抜きを入れ、飼育水と水温が同じになるよう置いておきます。(これが一番重要!)
- ゴミの除去:スポイトや水換えクリーナーで、底に溜まったフンやゴミを吸い出します。これが排水の代わりになります。
- 水の追加:交換する量は、全体の「1/3~1/4程度」が目安です。準備しておいた新しい水を、メダカが驚かないよう静かに入れます。
頻度は、飼育数や水槽サイズによりますが、1~2週間に1回、上記の「1/3水換え」を行うのが一般的な目安です。ただし、水が濁ったり、メダカの元気がなかったりした場合は、ペースに関わらず水換えが必要です。
繁殖と稚魚育成に必要なもの

メダカは条件が揃えば(水温20℃以上、十分な日照時間と栄養)、春から秋にかけて簡単に卵を産みます。繁殖を狙う場合、追加で必要なものがあります。
1. 産卵床(さんらんしょう)
メダカは水草に卵を産み付けます。前述の「マツモ」や「ホテイソウ」、「ウィローモス」がそのまま産卵床になります。また、市販されているスポンジ状の「人工産卵床」も、卵の管理がしやすくて便利ですよ。ホテイソウの根っこは、メダカが最も好む産卵床の一つと言われています。
2. 隔離容器(サテライト、別容器)
メダカは、自分の卵や生まれたばかりの稚魚を平気で食べてしまいます。(親としての認識はないんですね…悲しいですが) そのため、卵を見つけたら、水草ごと、あるいは人工産卵床ごと、親とは別の容器(小型のプラケースなどでOK)に移して隔離する必要があります。水槽の横に掛ける「サテライト」という隔離ケースも便利です。
3. 稚魚(針子)専用の餌
生まれたばかりの稚魚(通称:針子)は、口が非常に小さく、親と同じ餌は食べられません。稚魚専用のパウダーフードが必要です。指ですり潰してさらに細かくして与えるのがコツです。
しかし、初心者が稚魚を育てられない最大の原因は「餓死」です。稚魚は体に栄養を蓄えておけず、常に何かを食べている必要があるため、1日2回の餌やりでは足りずに死んでしまうことが多いんです。
この問題を解決するのが、「ゾウリムシ(インフゾリア)」や「グリーンウォーター(青水)」です。これらは稚魚がいつでも食べられる植物プランクトンや微生物であり、これらが入った容器で育てることで、生存率が劇的に上がります。本格的に繁殖を目指すなら、これらの準備も必要になってきますね。
メダカを飼うのに必要なものを知り育てよう
ここまで、メダカを飼うのに必要なものを基本から環境別、そして繁殖まで、かなり詳しく見てきました。
たくさんのアイテムを紹介しましたが、最初からすべてを完璧に揃える必要はありません。一番大切なのは、ご自身の環境(室内か屋外か)を決め、それに合った最低限の準備を整えることです。
メダカは本当に丈夫な魚です。まずは飼育容器とカルキ抜き、餌、そして水草(アナカリス1本でもOK)からスタートし、メダカの様子を「毎日観察する」ことが何より重要かなと思います。
「餌、食べ過ぎてないかな?」「水が少し濁ってきたかな?」そんな小さな変化に気づいて対応していくことこそが、メダカ飼育の醍醐味であり、上達への一番の近道です。
必要なものをしっかり準備して、ぜひメダカのいる癒やしの生活(メダ活)を楽しんでくださいね。

