メダカの室内での飼い方。初心者でも簡単な育て方
こんにちは。THE AQUA LAB、運営者の「所長」です。
メダカの室内飼育、始めてみたいけど「初心者には難しいかも」「何から準備すればいいの?」と不安に感じていませんか。メダカの飼い方は室内だと簡単だと聞くけれど、実際にはどんな水槽を選んで、フィルターや底砂は必要なのか。照明や水草の管理、水温の調整、それに毎日のエサやりや水換えの頻度など、具体的な方法が気になりますよね。
また、100均のアイテムで代用できるのか、水が濁るトラブルやコケの対策、もし病気になったらどうしよう、室内での繁殖や冬越しはできるのか、など、疑問は尽きないかもしれません。
この記事では、そんな「メダカの飼い方を室内で簡単に始めたい初心者」の皆さんに向けて、準備から日々の管理、トラブル対策まで、メダカを元気に育てるためのポイントを、私の経験も交えながら分かりやすく解説していきますね。
- 室内飼育に必要なアイテムの選び方
- 失敗しない水槽の立ち上げと水合わせの手順
- 毎日の簡単なお世話(エサやり・水換え)
- よくあるトラブル(水の濁り・コケ)の対処法
メダカの飼い方:室内初心者が簡単な準備

メダカの室内飼育を「簡単」にスタートさせるには、最初の準備がとても大切です。メダカはとても丈夫な魚ですが、それは「何もしなくていい」という意味ではありません。むしろ、最初にしっかりとした環境を整えることが、後々の管理を劇的に「簡単」にしてくれるんです。ここでは、初心者が失敗しないために、まず揃えるべきアイテムと、水槽の環境を整える手順について、少し詳しく解説しますね。
飼育に必要なものと水槽選び
メダカ飼育が簡単と言われる理由の一つは、その丈夫さと、比較的小さなスペースでも飼育できる手軽さにあります。ですが、最低限必要なものを「なぜそれが必要なのか」を理解して揃えることが、成功への一番の近道かなと思います。
アイテムを「必須のもの」と「管理を簡単にする(推奨)もの」に分けて考えてみましょう。
必須アイテム(これがないと始まらない)
- 飼育容器(水槽): メダカは小さなボウルや瓶でも飼えるイメージがあるかもしれませんが、それは管理が非常に難しくなる上級者向けのスタイルです。水量が少ないほど、水質や水温が急変しやすくなります。初心者の方には、最低でも水量10L以上(幅30cm〜40cm程度)の小型水槽を強くおすすめします。水量が多ければ多いほど、水質が安定し、管理がぐっと「簡単」になりますよ。
- カルキ抜き(水質調整剤): 日本の水道水には、殺菌のために塩素(カルキ)が含まれています。これは人間には無害ですが、メダカにとっては有害です。水槽に入れる水や、水換えの際に使う水には、必ず「カルキ抜き」を使い、塩素を中和(無害化)する必要があります。
- メダカのエサ: メダカ専用の人工飼料を準備しましょう。浮上性(水に浮くタイプ)のものが食べやすく、食べ残しも少ないのでおすすめです。
推奨アイテム(あると失敗が激減するもの)
「フィルターやヒーターなしでも飼える」という話を聞くかもしれませんが、それはメダカの生命力が強いというだけで、初心者にとって「簡単」な環境とは限りません。以下のアイテムは、初心者の「うっかりミス(エサのやりすぎなど)」をカバーし、水質を安定させるための「保険」として、私は強く推奨します。
- フィルター(ろ過装置): 食べ残しやフンを物理的にこし取るだけでなく、最も重要な役割は、水をキレイにする「ろ過バクテリア」の住処になることです。水質が安定しやすくなり、水換えの頻度を減らすことにも繋がります。初心者には、管理が簡単なスポンジフィルターや投げ込み式フィルターがおすすめです。
- 底砂(底材): これも単なる飾りではなく、フィルターと同様に「ろ過バクテリア」の重要な住処となります。特に園芸用としても知られる「赤玉土」は、表面に無数の小さな穴(多孔質)があり、バクテリアが定着しやすいうえ、水質を安定させる効果も期待できる、非常に優秀な底材だと私は思います。
- 照明(LEDライト): 室内飼育では、メダカの健康維持と観賞のために照明がほぼ必須です。照明はメダカの体内時計(バイオリリズム)を整える「太陽」の役割を果たします。また、水草(後述)を育てるためにも必要になりますね。
所長のポイント:飼育セットという選択肢 「何を選べば良いか全くわからない」という初心者の方には、アクアリウムメーカーが販売する「メダカ飼育セット」が最も「簡単」で確実な選択肢かもしれません。 例えば、GEX(ジェックス)の「メダカ元気」シリーズ(出典:GEX メダカ用品)などは、水槽、フィルター、カルキ抜き、エサなど、飼育に必要な基本アイテムがすべて含まれています。個別に買い揃えるよりも無駄がなく、機材同士の相性を考える必要もないので、初心者の方からの評価も高いですね。
| 分類 | アイテム名 | 「簡単」への貢献度(なぜ必要か) |
|---|---|---|
| 必須 | 飼育容器(水槽) | 水量が多ければ水質が安定し、管理が簡単になる。(推奨:10L以上) |
| 必須 | カルキ抜き | 水道水の有害な塩素(カルキ)を無害化する。メダカの命を守る大前提。 |
| 必須 | メダカのエサ | メダカの栄養源。健康維持に不可欠。 |
| 推奨 | フィルター | 水をろ過し、バクテリアの住処となる。水質悪化を緩やかにし、水換えの手間を減らす。 |
| 推奨 | 底砂(赤玉土など) | ろ過バクテリアの住処となり、水質を安定させる。フィルターの補助役。 |
| 推奨 | 照明(ライト) | 太陽の代わり。体内時計を整え、水草を育てる。室内飼育での健康維持に。 |
100均で揃う便利なアイテム
「まずは低コストで試したい」という気持ちもよく分かります。メダカ飼育は、100円ショップのアイテムを賢く利用することで、初期費用を劇的に抑えることが可能です。
私が実際に使ってみて「これは便利だな」と感じるものとしては、
- 掃除用品: スポイト(フンや食べ残しをピンポイントで吸い出す)、メラミンスポンジ(ガラス面のコケ取り用)、小さなブラシなど。アクアリウム専用品よりはるかに安価に揃えられます。
- 水換え用品: 小さなバケツや計量カップ。
- カルキ抜き・エサ: 少量タイプが販売されていることがあり、お試しには最適です。
- 産卵床: 専用のものが売られていることもありますし、園芸用の鉢底ネットやプールスティックをカットして自作する方法は、繁殖を目指す際に非常に低コストです。
ただし、飼育容器(小型の飼育ケースやプラスチックコンテナ)も100均で揃えられますが、前述の通り、どうしても水量が少なくなりがちです。水量が少ないということは、それだけ水質管理の難易度が上がる(=こまめな水換えが必要になる)ということなので、「安さ」と「管理の手間」はトレードオフである、と理解しておいた方が良いですね。
注意点:100均アイテム使用時のリスク 100均のアイテムは、あくまで「アクアリウム専用品」ではありません。特に以下の点には注意が必要です。
- 石や砂利: 貝殻が含まれていたり、水質をアルカリ性に傾ける(pHを上げる)性質を持つものがあります。メダカは中性付近を好むため、水質に影響を与えるものは避けるのが無難です。
- プラスチック製品: 接着剤や塗料が使われている置物などは、水中に有害物質が溶け出す可能性があります。
- 洗浄: どんなアイテムでも、水槽に入れる前には洗剤を使わずに、よく水洗いしてください。
安全性を最優先するなら、やはりアクアリウム専用として販売されている商品を選ぶことをおすすめします。
フィルターや底砂は必要?
これは本当によく聞かれる質問で、「フィルターなしでも飼えますか?」というものです。結論から言うと、「飼育は可能ですが、初心者には推奨しません」となります。
私の考えとしては、「初心者こそ、フィルターと底砂はあった方が、結果的に”簡単”になる」です。
なぜなら、メダカ飼育の最大のキモは「水質管理」、つまり「ろ過バクテリア」の管理だからです。
- メダカのフンやエサの食べ残し → 有害な「アンモニア」が発生
- バクテリアAがアンモニアを分解 → まだ有害な「亜硝酸」に変化
- バクテリアBが亜硝酸を分解 → 比較的無害な「硝酸塩」に変化
この一連の流れを「生物ろ過」と呼びます。フィルターや底砂(特に赤玉土のような多孔質なもの)は、この「ろ過バクテリアA・B」が定着するための、広大な「住処(すみか)」になるわけです。
フィルターや底砂がない環境(ベアタンクとも呼ばれます)は、このバクテリアの住処が激減するため、有害なアンモニアが水中に溜まりやすくなります。それを防ぐには、
- 飼育できるメダカの数を極端に減らす(例:水量2Lに対し1匹程度)
- 水換えの頻度を劇的に上げる(例:3日に1回、全換水に近い管理)
といった、より高度な管理技術と手間が必要になります。「見た目はシンプルで簡単そう」に見えますが、水質維持の難易度は格段に上がるんです。
「簡単」に水質を安定させ、管理の手間(水換え頻度)を減らしたいなら、フィルター(管理が楽なスポンジフィルターや投げ込み式)と底砂(赤玉土など)は、ぜひ導入を検討してみてください。
水槽立ち上げと水合わせの手順

道具が揃ったら、いよいよメダカを迎える準備、水槽のセッティングです。ここでのステップ、特に最後の「水合わせ」は、メダカの生死に関わる最も重要な作業と言っても過言ではありません。
1. 設置場所を決める
まず、水槽を置く場所を決めます。重要なのは「直射日光が当たらない場所」であることです。
窓際などの直射日光が当たる場所は、
- 水温が上がりすぎる(特に夏場)
- コケやグリーンウォーター(水が緑色になる)の最大の原因となる
ため、絶対に避けてください。また、水を入れると水槽は非常に重くなります(10Lの水槽なら10kg以上)。水平で安定した、しっかりとした台の上に設置しましょう。人の出入りが激しい場所や、ドアの開閉で振動する場所も、メダカのストレスになることがあるので、できれば静かな場所が良いですね。
2. 水槽のセッティングと「飼育水」の準備
水槽や底砂(赤玉土など)を軽く水洗いします。この時、洗剤は絶対に使用しないでください。
水槽に底砂を敷き、フィルターなどの機材を説明書通りに設置します。バケツに水道水を汲み、「カルキ抜き」で塩素を中和します。それを水槽にゆっくりと注ぎ、フィルターの電源を入れます。
3. 飼育水の準備(バクテリアの育成)
ここが初心者の最初の関門です。セットしたばかりの「新品の水」は、メダカにとって安全ではありません。先ほど説明した「ろ過バクテリア」が、まだ全くいない状態だからです。
理想は、メダカを入れる前に1週間ほど、フィルターだけを回した状態で水槽を放置(空回し)すること。これにより、水やフィルター、底砂にバクテリアが自然に定着し始めます。この期間を「水づくり」や「水槽の立ち上げ」と呼びます。
「そんなに待てない!」という場合は、市販の「バクテリア剤」(バクテリアの素)を投入するのが効果的です。これにより、立ち上げ期間を短縮できる場合があります。
4. メダカの「水合わせ」(最重要!)
買ってきたメダカを、いきなり水槽にドボンと入れるのは絶対にやめてください。メダカがいたショップの水と、自宅の水槽の水は、「水温」と「水質(pHなど)」が異なります。この急激な環境変化(ショック)が原因で、メダカは体調を崩したり、最悪の場合、数日のうちに死んでしまったりします。
「水合わせ」とは、この変化をゆっくりと行い、メダカに新しい環境へ慣れてもらうための、非常に重要な作業です。
簡単・安全な水合わせの手順
- 水温合わせ(30分〜1時間): 購入してきたメダカが入ったビニール袋を、開封せずにそのまま水槽に浮かべます。これにより、袋の中の水温と水槽の水温がゆっくりと同じになります。
- 水質合わせ(30分程度): (a) 袋を水槽に浮かべたまま、袋の口を開けます。 (b) 袋の中の水を1/3ほど(水槽に入らないよう注意して)捨てます。 (c) 水槽の水をコップやスポイトで汲み、捨てた分量と同じくらいをゆっくりと袋の中に入れます。 (d) 10分ほど待ちます。 (e) (b)〜(d)の作業を、あと2〜3回繰り返します。
- メダカを水槽へ移す: 水質合わせが終わったら、メダカを水槽に移します。
注意:ショップの水は水槽に入れない! 水合わせが終わった後、メダカを袋の水ごと水槽に入れる解説もありますが、私は推奨しません。ショップの水(袋の水)は、病気や寄生虫が含まれている可能性があるためです。 メダカだけを「あみ」ですくい、そっと水槽に放してあげるのが、初心者にとって最も安全で「簡単」な方法です。
毎日のエサやりと水換えの頻度

メダカをお迎えした後の日常管理は、基本的に「エサやり」と「水換え」の2つです。このシンプルな作業こそが、メダカの健康を維持する上で最も重要になります。
エサやり:量と回数の「正解」
メダカ飼育の失敗で、圧倒的に多いのが「エサのやりすぎ」です。
- 量: 1回につき「数分で食べきれる量」が鉄則です。具体的には、メダカが水面のエサに群がり、一通り食べ終わって落ち着くくらい、ですね。食べ残しが水底に沈んでいくようだと、明らかに多すぎです。
- 回数: 成魚の場合、1日に1〜2回で十分です。水温が低い時期(特に室内でも冬場)は、活動が鈍くなるので、回数や量を減らします。
食べ残されたエサは水底で腐敗し、水質を悪化させる(有害なアンモニアを発生させる)最大の原因となります。メダカは非常に痩せやすい魚でもありますが、それ以上にあげすぎによる水質悪化の方が怖いです。「可愛いから」とついつい与えすぎてしまうと、結果的にメダカの命を縮めることになるので、ここはぐっと我慢しましょう。
水換え:頻度と方法
フィルターを設置していても、フンやエサの食べ残しによって、目には見えなくても水は汚れていきます(最終産物の「硝酸塩」が蓄積していきます)。この汚れを取り除き、メダカにとって快適な水質を維持するために、定期的な水換えは不可欠です。
- 頻度: 飼育環境(フィルターの有無、メダカの数、水槽の大きさ)によりますが、「週に1回」が基本の目安です。
- 量: 1回につき、水槽全体の「1/3〜1/4」程度の水を交換します。
簡単な水換えの手順
- バケツに新しい水道水を汲み、「カルキ抜き」を入れます。
- (重要)この時、水槽の水と水温を合わせておくのが重要です。水温計で確認するか、室温に数時間置いておくと良いですね。急激な水温変化はメダカの大きな負担になります。
- 水槽の古い水を、専用のホース(プロホースなど)やスポイトを使って、底のフンやゴミと一緒に吸い出しながら1/3程度捨てます。
- 用意しておいた新しい水を、水槽へゆっくりと注ぎ入れます。
注意:全換水は原則NG! 水が汚れたからといって、全ての水を一度に交換する「全換水」は、原則として行いません。 これをやってしまうと、せっかくフィルターや底砂に定着した「ろ過バクテリア」がいなくなってしまい、水質が急変(リセット)してしまいます。メダカに大きな負担がかかるだけでなく、またイチから「水づくり」をやり直すことになってしまいますよ。
メダカの飼い方:室内初心者の簡単な管理法
日々の管理を続けていても、時には「あれ?」と思うトラブルが起きることもあります。「水が濁ってきた」「コケだらけになった」など、見た目で分かる変化は不安になりますよね。でも、そのほとんどは原因が決まっていて、対策を知っていれば初心者でも「簡単」に対処できますよ。
水が濁る・コケが生える対策

これはメダカ飼育、いや、アクアリウム全体で最もよくある悩みかもしれませんね。濁りやコケには、必ず原因があります。
水が白く濁る(白濁り)
- 症状: 水槽全体が、牛乳を薄めたように白くモヤがかかった状態。
- 原因: 主に水槽を立ち上げたばかりの時期に発生します。これは、ろ過バクテリアのバランスがまだ整っておらず、特定のバクテリア(アンモニアを分解するバクテリアなど)が一時的に増えすぎている状態です。また、エサのやりすぎや、魚の数が多すぎることでも発生します。
- 対策: 一番の対策は「待つこと」です。初心者は焦って水を全部換えてしまいがちですが、これは逆効果。せっかく増え始めたバクテリアがいなくなってしまいます。ろ過バクテリアのバランスが整えば(通常数日〜1週間)、自然と透明な水に戻ります。その間、エサの量を減らし、週に1回、1/3程度の水換えは続けましょう。
水が緑色に濁る(グリーンウォーター)
- 症状: 水が緑色に濁る状態。いわゆる「青水(アオコ)」です。
- 原因: これは植物プランクトン(アオコ)の異常増殖です。主な原因は2つ、「栄養(富栄養化)」と「光」です。
- 栄養: エサのやりすぎ、水換え不足で、水中にプランクトンの栄養が豊富にある状態。
- 光: 直射日光が当たっている、または照明の点灯時間が長すぎる(1日10時間以上など)。
- 対策: 原因を断つのが一番です。
- 光を遮断する: 照明の点灯時間を6時間程度に短縮します。窓からの光が当たる場合は、水槽の置き場所を変えるか、カーテンで遮光します。
- 栄養を断つ: エサの量を根本的に見直します。
- 水換え: 3日に1回、半分程度の水換えを数回繰り返すのも効果的です。
コケ(藻)が生える
- 症状: 水槽のガラス面や水草、底砂が茶色や緑色のコケで覆われる。
- 原因: これもグリーンウォーターとほぼ同様、「栄養」と「光」が過剰な場合に発生します。
- 対策(物理): スクレーパーや、100均のメラミンスポンジでこすり落とすのが、最も早くて確実です。
- 対策(生物): コケを食べてくれる「お掃除生体(生物兵器)」を導入するのが、管理を「簡単」にしてくれるのでおすすめです。
- イシマキガイ: 水槽の壁面に生えたコケを強力に食べてくれます。淡水では繁殖しにくいので、増えすぎないのもメリットです。
- ヒメタニシ: 壁面のコケも食べますが、特にグリーンウォーター(植物プランクトン)を食べて水をきれいにする能力(ろ過摂餌)に優れていると言われています。
病気?と感じた時の初期対応
水質悪化や水温の急変でメダカの体力が落ちると、免疫力が低下し、病気にかかりやすくなります。メダカは比較的病気に強い魚ですが、かかるときはかかります。
代表的な病気としては、
- 白点病: 体に1mm程度の白い点が付きます。初期症状として、メダカは体を底砂や水槽の壁にこすりつけるような行動を見せることがあります。感染力が強いので注意が必要です。
- 水カビ病: 体に傷ができたところなどに、白い綿のようなもの(水カビ)が付着します。
「あれ?いつもと違うな」「泳ぎ方がおかしいな」と初期症状に気づいたら、まずは水質悪化を疑い、1/3の水換えを行います。これだけでメダカの自己治癒力が発揮され、回復することも多いです。
豆知識:初期治療としての「塩浴」 メダカの元気が無い、病気の初期症状かも?と感じた時、薬浴の前に試す価値があるのが「塩浴(えんよく)」です。 これは、0.5%程度の食塩水(水1Lに対し塩5g)を別の容器(バケツやタッパー)に作り、そこにメダカを移して数日間泳がせる方法です。 メダカは淡水魚ですが、体内の塩分濃度を一定に保つために常にエネルギーを使っています。塩水に入れることで、この浸透圧調整の負担を減らし、メダカ自身の自己治癒力を高める効果が期待できるんですね。あくまで民間療法的な側面もありますが、初期の体調不良には効果的な場合があります。
水換えや塩浴でも症状が改善しない場合は、市販の魚病薬(メチレンブルーや観賞魚用のアグテンなど)を使います。必ず説明書をよく読み、病気のメダカは別の容器に移して「薬浴」させるのが基本です。(水草やバクテリアに影響が出る薬もあるため)
免責事項 ここで紹介する方法は、一般的な対策や私自身の経験に基づくものであり、メダカの健康や治療結果を保証するものではありません。 病気の症状が続く場合や重篤な場合、どの薬を使えば良いか分からない場合は、お近くのアクアリウム専門店や、魚の病気に詳しい専門家(獣医師など)にご相談ください。最終的な判断はご自身の責任において行っていただきますよう、お願いいたします。
室内での冬越しのコツ

メダカは本来、日本の四季に適応できる魚ですが、室内飼育の場合は「ヒーターをどうするか」という選択肢が出てきますね。これは、メダカを置いている部屋の環境によって対応が変わります。
無加温(ヒーターなし)の場合
- 暖房のあるリビングなど: 冬でも室温が15℃以上あるような暖かい部屋では、メダカは冬眠せず、普通に活動します。この場合、エサの量は秋口より少し減らしつつ、食べるようなら少量を与え続けます。水換えも通常通り、週に1回程度行うのが良いでしょう。
- 暖房のない玄関や寒い部屋など: 水温が10℃を下回るような環境では、メダカは活動が鈍くなり、水底でじっとするようになります。いわゆる「冬眠状態」に近いですね。こうなるとエサもほとんど食べなくなります。エサを食べなくなったら、エサやりは完全にストップしてください。消化不良を起こしてしまいます。春になって水温が上がり、再び活発に泳ぎだすまで、そっとしておきます。
加温(ヒーターあり)の場合
「ダルマメダカ」や「幹之(みゆき)メダカの強光」など、一部の改良メダカは低水温に弱いとされる品種もいます。これらの品種を飼育する場合は、念のためヒーター(「メダカオートヒーター」など、20℃前後に自動設定されるもの)を入れてあげるのが安心かもしれません。
また、「冬でも産卵・繁殖させたい」という場合は、ヒーターで水温を18℃〜20℃以上に保つ必要があります。
室内で繁殖させる条件とは

メダカ飼育の楽しみの一つに「繁殖」があります。室内は環境をコントロールしやすいため、計画的に繁殖させることが可能です。
メダカが産卵を始める条件は、主に以下の2つが揃うことです。
- 水温が安定して18℃以上(できれば20℃以上)
- 日照時間(照明時間)が1日に13時間以上
です。
室内飼育では、ヒーターと照明を使えば、この条件を人工的に作り出すことができます。特に照明時間は重要で、毎日決まった時間にON/OFFを繰り返すのが産卵促進のコツです。とはいえ、毎日手動で管理するのは大変ですよね。
所長の便利アイテム:コンセントタイマー 照明管理を劇的に「簡単」にしてくれるのが「コンセントタイマー」です。一度設定すれば、毎日自動で決まった時間に照明をON/OFFしてくれます。メダカの体内時計が整い、健康維持や産卵促進に役立つだけでなく、照明の消し忘れによるコケの大発生を防ぐという意味でも、絶大な効果を発揮しますよ。
条件が揃うと、メスは水草や「産卵床」と呼ばれるものに卵を産み付けます。ここで注意点がひとつ。親メダカは、自分たちの卵や、孵化したばかりの稚魚を食べてしまいます。
そのため、卵を見つけたら、産卵床ごと別の容器(小さなタッパーやプラケースなどでOK)に移して隔離しましょう。卵は10日〜2週間ほどで孵化します。生まれたばかりの稚魚は、親用のエサは食べられないので、親用のエサを指で細かくすり潰すか、専用のベビーフード(パウダータイプのエサ)を与えてください。
まとめ:簡単なメダカの室内飼い方

メダカの室内飼育を初心者が「簡単」に成功させるためのポイントを、私の経験を交えながら解説してきました。
突き詰めると、メダカ飼育がうまくいくかどうかは、「水(=ろ過バクテリア)づくり」にあります。
初心者が陥りがちな失敗(水の濁り、コケ、ニオイ、メダカの病気)のほとんどは、「エサのやりすぎ」による「水質悪化」が根本的な原因となっていることが本当に多いです。
この水質悪化を防ぎ、メダカにとって快適な環境を「簡単」に維持するには、以下の3つのポイントを徹底することが、何よりの近道だと私は思います。
簡単なメダカ室内飼い方の3つの秘訣
- メダカをお迎えする際の「水合わせ」を、絶対に焦らず丁寧に行うこと。
- 日々の「エsaのやりすぎ」を厳禁とし、食べ残しを出さないこと。
- 目に見えないバクテリアが水を浄化してくれていることを理解し、「定期的な(週1回・1/3の)水換え」でその手助けをすること。
フィルターや底砂(赤玉土)は、メダカを飼うための道具というよりは、「水をきれいにするバクテリア」を育て、定着させるための「家」です。この目に見えない同居人(バクテリア)をいかに安定させるかが、室内飼育を「簡単」にする究極の秘訣です。
この記事が、あなたのメダカとの豊かな室内アクアライフの第一歩となれば幸いです。


