【ピコロカ high正直レビュー】小型水槽の美観と静音性を極める
こんにちは。THE AQUA LAB、運営者の「所長」です。
限られたスペースで楽しむ小型水槽やボトルアクアリウム。その美しい世界観を維持しようとする時、最大の敵となるのが「フィルターの存在感」と「動作音」です。「せっかく綺麗なレイアウトを作ったのに、黒い箱が目立って台無し…」「寝室に置いたらブーンという音が気になって眠れない…」そんな悩みを抱えているアクアリストは少なくありません。
そんな中、超小型で目立たないと噂のフィルター、GEX「ピコロカ High」が気になっている方も多いのではないでしょうか。実際に導入を検討する際、WEB検索でピコロカ highの正直レビューや評価を探したり、その静音性やろ過能力が自分の水槽に合っているか不安になるものです。また、強すぎると言われる水流の調整方法や、独自の改造アイデア、日々の掃除の手間についても知っておきたいポイントですよね。
今回は、そんな疑問を解消するために、このニッチながら熱狂的なファンを持つフィルターを徹底的に深掘りしていきます。私自身が実際に使用して感じたメリット・デメリットを余すことなくお伝えします。
- ピコロカ highが小型水槽やボトルアクアリウムに最適な理由
- 寝室でも使える驚異的な静音性とろ過能力の実力
- 購入前に知っておくべきメンテナンスの難しさと具体的な対策
- 価格に見合う価値があるのか競合製品との比較で検証
ピコロカ high 正直レビュー:美観と静音性

まずは、このフィルターの最大の魅力である「見た目の良さ」と「静かさ」について、実際の使用感を交えて正直にレビューしていきます。なぜこれほどまでに一部のアクアリストから、唯一無二の選択肢として支持されているのか、その理由を紐解いていきましょう。
ボトルアクアリウムに最適
ピコロカ highを手にして最初に驚くのは、その圧倒的なコンパクトさです。本体サイズは幅2.7cm × 奥行4.5cm × 高さ4.3cm(ポンプ部のみ)しかありません。組み立ててベースフィルターを接続した状態でも高さは約9cm程度に収まります。これは市場にある電動フィルターの中でも最小クラスと言って間違いありません。
水景を邪魔しない「ステルス性」
特に素晴らしいのが、水槽内での「隠しやすさ」です。一般的なフィルターはどうしても「機械が入っています」という主張が激しいですが、ピコロカ Highの黒いコンパクトなボディは、流木や水草の影、あるいは石の裏側にすっと溶け込み、レイアウトの邪魔を一切しません。
例えば、機材の存在感を極限まで消したいボトルアクアリウムや、美しい水景を作り込むアクアテラリウムにおいては、これ以上ない強力な武器になります。配線さえうまく隠してしまえば、まるで「フィルターなしで水が回っている」かのような魔法のようなレイアウトを実現することも可能です。
ここがポイント
「フィルターを目立たせたくない」「水景を1mmも妥協したくない」というこだわり派のアクアスケーパーにとって、この不可視性は他の製品では替えが効かない価値があります。
卓越した静音性、寝室にも
次に特筆すべきは、その静音性です。消費電力わずか2ワット(ACアダプター使用時)の超小型DCモーターを採用しているため、動作音は驚くほど静かです。多くのユーザーレビューで「ほぼ無音」「動いているか分からない」と評価されているのも納得のレベルです。
モーター音が気にならない理由
一般的な「ブクブク(エアリフト式)」のフィルターは、エアポンプの振動音や泡が弾ける音がどうしても発生します。しかし、ピコロカ Highは水中ポンプ式であるため、これらの騒音が一切ありません。私自身、寝室や静かな書斎に水槽を置くことがありますが、流量を最小に絞れば、枕元に置いても気にならないレベルまで静かになります。
ただし、これは正しく設置されていることが前提です。モーター本体がガラス面に直接触れて共振していたり、インペラー(回転羽)部分にゴミが噛んでいたりすると異音が発生することもあるので、設置時の微調整は丁寧に行いましょう。
底面フィルターとしてのろ過能力
「こんなに小さくて、ちゃんとろ過できるの?」と不安に思う方もいるかもしれません。確かに物理的なスポンジは小さいですが、実はピコロカ highは、本体のろ過槽で水を綺麗にするのではなく、底砂全体をろ過材として利用する「底面フィルター」の一種として機能します。
底砂が巨大なバクテリア工場になる
つまり、フィルター本体の中にろ材が詰まっているわけではなく、私たちが敷いているソイルや砂利そのものが、バクテリアの住処(バイオフィルター)になるという仕組みです。ポンプが底面の水を吸い上げることで、底砂全体に酸素を含んだ水が循環し、好気性バクテリアが活発に働きます。
この方式のおかげで、見た目は小さいのに、水槽の底面積全体を使った強力な生物ろ過が期待できるのです。水が常にピカピカに透き通るという評判は、この底面ろ過の特性によるものです。
底面式のメリット
底砂全体に水が通るため、嫌気層ができにくく、長期間安定した水質を維持しやすいのが特徴です。特に小型水槽では水量が少ないため、この安定感は大きなメリットとなります。
ソイル使用時の注意点
ろ過能力が高いと言いましたが、これには重要な条件があります。それは「適切な底砂を使うこと」です。ピコロカ highは底砂を通して水を吸い込む構造上、パウダータイプの細かいソイルや化粧砂は絶対に使用してはいけません。
故障の原因No.1は「砂の吸い込み」
「海の砂浜」のような細かい砂粒がモーター内部に入り込むと、「ジージー」「ガリガリ」という異音の原因になったり、最悪の場合はインペラー(回転軸)と磁石の間に砂が挟まり、モーターがロックして故障してしまいます。これは製品の欠陥ではなく、使い方の問題です。
メーカーも推奨している通り、粒が崩れにくい「吸着系ソイルのノーマルタイプ」や、「大磯砂」のようなある程度粒径のある砂利を選ぶのが鉄則です。もしソイルを使う場合は、半年〜1年程度で粒が崩れてくる前にリセットや交換を検討する必要があります。
ベタ飼育と水流の調整
小型水槽で人気のベタですが、彼らは大きなヒレを持っているため、強い水流が大の苦手です。ピコロカ highには流量調節つまみが付いていますが、正直なところ、一番弱くしてもボトルアクアリウムのような小さな容器(水量数リットル)では「洗濯機状態」になってしまうことがあります。
水流を殺すテクニック
これはモーターのパワーというより、排水口のパイプ径が細いために、水の流速が速くなってしまうのが物理的な原因です。ベタを飼育する場合は、以下の工夫が必須となります。
- 流量調節つまみを「最小」にする:まずは基本設定です。
- 排水パイプの向きを工夫する:ガラス面に向けて水を当て、勢いを殺します。
- 障害物を置く:背の高い水草や流木を排水口の直前に配置し、流れを分散させます。
- スポンジで減衰させる:排水口に目の粗いスポンジ片を詰めたり、被せたりして物理的に抵抗を増やします。
こういった工夫を凝らすことで、ベタがゆったりと泳げる「止水に近い環境」を作ることが可能です。調整さえすれば、ベタ水槽でも強力なろ過の恩恵を受けることができます。
ピコロカ high 正直レビュー:購入前の注意点

ここからは、購入してから「こんなはずじゃなかった」と後悔しないために、デメリットや注意点についても包み隠さずお話しします。良い点ばかりではなく、扱いにくさも含めて理解するのが「正直レビュー」の真骨頂です。
メンテナンスの難しさと対策
ピコロカ high最大の弱点、それは間違いなく「メンテナンスのしにくさ」です。この製品のメリットである「隠して設置できる」という点が、メンテナンス時には最大のデメリットに変わります。
レイアウト崩壊のリスク
本体を掃除しようとするたびに、苦労して積み上げた石や流木をどかさなければならず、レイアウトが崩壊するリスクと常に隣り合わせです。また、流量調整つまみも本体下部にあるため、埋めてしまうと後から調整できません。
これを防ぐための対策はただ一つ、「最初からメンテナンスできる位置に設置すること」です。
設置のコツ
完全にソイルや石の中に埋め込んでしまうのではなく、ピンセットや手が入る隙間を確保しておくか、いざという時に上から本体だけをスポッと引き抜けるような配置を、レイアウトの計画段階で考えておく必要があります。メンテナンス性は、設置者の「設計力」に依存します。
価格は高い?デザイン料か
価格については、正直に言って「高い」と感じる方が多いでしょう。実勢価格で2,200円〜2,800円程度しますが、同じGEXの「ロカボーイ」や、競合の「水作 スペースパワーフィットプラス」などが1,000円前後以下で買えることを考えると、倍以上の値段設定です。
| 製品名 | 実勢価格帯 | 特徴 | 推奨ユーザー |
|---|---|---|---|
| ピコロカ High | 約2,200円〜 | 超小型・不可視性・静音 | 美観最優先・寝室設置 |
| 水作 スペースパワーフィット+ S | 約1,000円〜 | メンテ容易・コスパ良 | 初心者・機能重視 |
| ロカボーイ S | 約500円〜 | 安い・目立つ・要エアポンプ | コスト重視・予備用 |
この価格差は、純粋なろ過性能の差というよりも、「水槽内で消える極小デザイン」と「2Wモーターによる圧倒的な静音性」に対する「デザイン料・技術料」と捉えるべきです。いわば、機能性重視の実用品ではなく、美観を追求する「嗜好品」に近い性質を持っています。
コストパフォーマンスを最優先するなら他の製品がおすすめですが、「部屋のインテリアとして水槽を完成させたい」と願うなら、この投資額に見合う価値は十分にあります。
(出典:ジェックス株式会社『ピコロカ High 製品情報』https://product.gex-fp.co.jp/fish/?m=ProductListDetail&cid=340&id=2544)
稚エビの吸い込み対策は必要?
メダカの稚魚やミナミヌマエビの繁殖を楽しみたい場合、フィルターへの吸い込み事故が心配ですよね。メーカーは「高密度スポンジ」を採用しているとしていますが、生まれたての稚エビ(体長2mm弱)にとっては、標準のスポンジ目では隙間が大きく、内部に侵入してしまう可能性があります。
自作ガードで鉄壁の守りを
私は念のため、吸い込み口(ベースフィルター部分)にさらに目の細かいスポンジを巻いたり、100円ショップで売っているストッキングタイプの排水口ネットや、使い古しのパンティストッキングを被せてゴムで留めるなどの「自作ガード」を取り付けることを強くおすすめしています。
特に高価なシュリンプ水槽で使うなら、このひと手間が生体の命を守ることになります。流量は若干落ちますが、稚エビの安全には代えられません。
代替品(競合)との比較
では、あえてピコロカ highを選ばずに、他の選択肢を検討すべきなのはどのような場合でしょうか。
もしあなたが「メンテナンスの楽さ」や「コストパフォーマンス」を最重要視するなら、間違いなく「水作 スペースパワーフィットプラス」の方が幸せになれるでしょう。ろ材のカートリッジ交換もワンタッチで手が汚れず、非常に使い勝手が良い名機です。コーナー設置型なので場所もそれほど取りません。
また、とにかく安く済ませたい、見た目は気にしないという場合は「ロカボーイ」などの投げ込み式フィルターも選択肢に入ります。ただし、ブクブク音がすることと、水槽内で「白い箱」がかなり目立つ点は覚悟が必要です。
逆に、「水槽の中をスッキリさせたい」「寝室に置きたいから音は許せない」という一点においては、ピコロカ highの右に出るものはいません。用途に合わせて選ぶのが正解です。
総評:ピコロカ high 正直レビュー
結論として、GEX ピコロカ highは「万人受けはしないが、刺さる人には深く刺さる」非常にニッチで尖った製品です。
「メンテナンスが面倒」「価格が高い」「底砂を選ぶ」といった明確なデメリット(使用条件)はありますが、それを補って余りある「圧倒的な美観」と「静音性」を提供してくれます。水槽の中に人工的な異物を入れたくない、自然の一部を切り取ったような美しい水景レイアウトを目指す方や、ボトルアクアリウムをスタイリッシュに決めたい方にとっては、最強の相棒になってくれるはずです。
ご自身の水槽スタイルと、何を優先したいかを照らし合わせて、ぜひ最適な選択をしてくださいね。
免責事項
本記事の情報は執筆時点のものです。製品の仕様や価格は変更される場合があります。また、生体の飼育環境や結果を保証するものではありません。最終的な判断は、公式サイトの情報をご確認の上、自己責任にてお願いいたします。

