メダカの卵が消える犯人はプラナリア?守り方を整理しました
昨日は十個以上あったはずのメダカの卵が、今朝見たら半分になっている。産卵床を確認しても、殻すら残っていない。そんなとき、容器の中に白い平たい生き物がいたら、真っ先に疑いたくなりますよね。プラナリアです。
結論から言うと、プラナリアはメダカの卵を食べるとされています。卵は動いて逃げられず、産卵床にまとまって付いているので、見つかると集中的に狙われます。ただし、卵が減る原因はプラナリアだけではありません。親メダカ自身が食べていることも、無精卵やカビで白くなっているだけのことも、他の生き物が関わっていることもあります。
この記事では、プラナリアがメダカの卵に何をするのかを整理したうえで、犯人を切り分ける観察のしかた、そして何より大事な「採ったらすぐ隔離する」という運用の作り方を解説します。隔離容器の水の管理、産卵床ごと移すときの注意、孵化までの毎日のチェックまで、実際の手順に沿って書いていきますね。
犯人探しに時間をかけるより、卵を安全な場所へ移してしまうほうが、孵化率は確実に上がります。焦らず順番に進めていきましょう。
- プラナリアがメダカの卵に与える被害の実際
- 卵が減る原因の切り分け方と観察のポイント
- 採卵してすぐ隔離する運用の作り方
- 孵化までの水の管理と毎日のチェック項目
プラナリアはメダカの卵をどう狙うのか
対策の前に、状況を正しくつかんでおきましょう。卵が減っているとき、犯人がプラナリアだとは限らないからです。親メダカ自身が食べていることもあれば、無精卵が白くなっているだけのことも、屋外ならヤゴが入っていることもあります。
とはいえ、犯人探しに時間をかけすぎる必要はありません。どの原因であっても、対策は「卵を親と害虫のいない場所へ移す」で共通しているからです。観察は、対策をしたあとに「効いているか」を確かめるために使うほうが実用的だと思います。
この章では、プラナリアが卵をどう狙うのか、被害の出方にどんな特徴があるのか、他に考えられる原因との切り分け方、狙われやすい産卵床の位置、そして被害が出やすい容器の条件までを整理します。自分の容器がどの状態に近いかを確かめながら読んでみてください。次の章の運用が、そのまま答えになります。
プラナリアはメダカの卵を食べるのか

プラナリアは肉食寄りの生き物で、生き物の死骸や卵、動きの鈍った個体に集まる性質があります。メダカの卵も対象になるとされていて、繁殖用の容器ではこれがいちばんの実害になります。
厄介なのは、卵の側にまったく防御手段がないことです。産卵床に付いた卵は動けませんし、硬い殻に守られているとはいえ、時間をかけて取りつかれると持ちません。しかも卵は一か所にまとまっているので、一匹が見つけると、そこが餌場になってしまうんですね。
被害の出方に特徴がある
プラナリアによる被害は、じわじわ減っていくのではなく、まとまって消えることが多いようです。産卵床の一部だけが空になっている、昨日まであった塊がごっそりなくなっている、という減り方をします。殻の破片も残らず「消えた」ように見えるのが特徴です。
また、プラナリアは光を嫌うので、活動するのは主に夜間です。日中に容器をのぞいても姿が見えないのに卵だけ減っていく、という状況になりやすく、これが原因の特定を難しくしています。
気づいたときには手遅れになりやすい
もう一つ厄介なのが、被害に気づくまでの時間差です。卵は孵化まで一週間から二週間ほどかかりますから、その間ずっと狙われ続けることになります。産卵から数日は毎日確認していても、途中で確認の間隔が空くと、その隙にまとめて減ってしまうんですね。「先週は順調だったのに」という感覚のまま数だけが減っていくのが、この被害の実感に近いと思います。だからこそ、確認の頻度を落とさない仕組みが要ります。次の章で説明する「採ったらすぐ隔離」は、そのための運用でもあります。
成魚には手を出さない
念のため補足しておくと、泳いでいる健康なメダカがプラナリアに襲われることは、まず考えなくて大丈夫です。追いかける速さもなければ、噛みつく口もありません。危ないのは、動けない卵と、孵化直後で動きの鈍い針子だけと考えてください。だからこそ、この二つを避難させれば実害は止まります。
親の容器のプラナリアそのものを減らしたい場合は、プラナリア駆除の手順をまとめた記事が参考になります。餌と底床の見直しから始めて、負担の小さい方法から順に試していく流れです。
卵が消える原因は他にもある

プラナリアを見つけると、つい全部の犯行だと思ってしまいます。でも実際には、卵が減る原因はいくつもあります。ここを取り違えると、プラナリアを駆除しても卵が減り続けることになります。
| 原因 | 見分けのヒント | 対策 |
|---|---|---|
| プラナリア | 夜間に減る・殻も残らない | 卵を隔離し、容器の数を減らす |
| 親メダカ | 日中に産卵床をつついている | すぐ採卵して別容器へ |
| 無精卵 | 白く濁って残っている | 取り除く。オスの有無を確認 |
| カビ(水カビ) | 白い綿状のものが付く | 無精卵を除去し水を清潔に保つ |
| 他の生き物 | ヤゴやヒルなどがいる | 正体を確認してから対処 |
| 採卵時の破損 | 指でつまんだ卵が潰れる | 強く押さない。産卵床ごと移す |
屋外ならヤゴにも注意
屋外の容器で特に多いのがヤゴです。トンボが産卵に来て、孵化したヤゴが卵や針子、ときには小さな成魚まで襲います。プラナリアと違って動きが速く、体も大きいので、いれば比較的すぐ見つかります。容器の底や壁、水草の根元を確認して、それらしい姿があれば取り除いてください。網を張って産卵を防ぐ方法もあります。屋外の容器で急激に数が減るときは、プラナリアよりヤゴを先に疑うほうが当たることが多いです。
いちばん多いのは親による食卵
意外に思われるかもしれませんが、卵が減る原因として最も多いのは親メダカ自身です。メダカは自分が産んだ卵でも食べてしまうことがあり、これは異常でも病気でもなく、ごく普通の行動とされています。プラナリアがいない容器でも卵は減るんですよね。親による食卵の理由と対策はメダカが卵を食べる理由と採卵のタイミングを解説した記事にまとめてあります。
白い卵は食べられたわけではない
白く濁った卵を見て「傷んだ」と焦る方もいますが、これは無精卵か、水カビが付いたものです。受精していない卵は数日で白くなり、そのまま放置するとカビの温床になります。そしてそのカビは、隣の健康な卵にも移ることがあります。白い卵の見分け方と対処はめだかの卵にカビが出たときの正体と予防策の記事で詳しく扱っています。
ちなみに、無精卵を放置することは、プラナリア対策の面でもよくありません。腐った卵は格好の餌になり、数を増やす原因になります。白い卵を取り除く作業は、カビ対策とプラナリア対策を兼ねていると考えてください。
犯人を見分ける観察のしかた
とはいえ、実際に何が起きているのかは知りたいですよね。特別な道具がなくてもできる観察の方法を紹介します。
消灯後に懐中電灯で照らす
これがいちばん確実です。部屋を暗くして二時間ほど経ってから、産卵床とその周りを懐中電灯で照らしてみてください。プラナリアがいれば、卵の付いた部分や容器の壁に出てきているはずです。白くて平たく、頭が三角に張り出していて、滑るように移動していればプラナリアで間違いないでしょう。
日中は親の行動を見る
逆に、日中に産卵床のあたりを親メダカがつついているなら、そちらが主犯かもしれません。産んだ直後の卵をその場で食べてしまうこともあるので、産卵の時間帯である早朝に観察するとよく分かります。
白いお皿で確かめる
正体がはっきりしないときは、産卵床を白いお皿に水ごと取り出して、明るい場所で見てみてください。ガラス越しに見るより形がよく分かります。スマートフォンのカメラで接写して拡大するのも有効です。頭の形と眼点、そして動き方の三つを確認すれば、水ミミズやヒルとの区別もつきます。
数を記録して比べる
観察を一度きりで終わらせず、簡単に記録しておくと判断が変わります。たとえば、消灯二時間後に容器の同じ範囲を見て、見えた数をメモする。これを数日続ければ、増えているのか減っているのかがはっきりします。採卵した数と孵化した数も一緒に残しておくと、対策を変えたときの効果が見えるようになります。感覚だけで判断していると、たまたま多く見えた日に焦って強い手段を選びがちです。紙でもスマートフォンのメモでもかまいませんので、数字で残すことをおすすめします。
ここまで観察の話をしておいてなんですが、私は犯人探しにあまり時間をかけなくてもいいと考えています。というのも、プラナリアでも親メダカでも、対策はどちらも「卵を別の場所へ移す」で同じだからです。原因が特定できなくても、採卵して隔離すれば結果は出ます。観察は、対策をしたあとに「効いているか」を確かめるために使うほうが実用的かなと思います。
産卵床のどこが狙われやすいか
被害を減らすうえで、卵がどこに付いているかも意外と効いてきます。
底に近いほど危ない
プラナリアは底床の中や容器の底に潜んでいます。そこから移動して卵にたどり着くので、底に沈んでいる産卵床は、浮いているものより狙われやすいと考えられます。沈むタイプの産卵床を使っている場合や、産卵床が水草に絡んで沈んでしまっている場合は、位置を確認してみてください。
水草に産み付けられた卵
マツモやアナカリスなどの水草に直接産み付けられた卵も、回収されにくいぶん被害を受けやすいです。水草は葉が入り組んでいてプラナリアの隠れ場所にもなるので、条件としては厳しくなります。繁殖を狙うなら、回収しやすい産卵床を用意しておくほうが管理は楽です。産卵床の種類ごとの向き不向きはメダカの産卵床の選び方と卵回収のコツをまとめた記事で整理しています。
容器の壁に付いた卵
まれに、産卵床ではなく容器の壁や底に卵が落ちていることがあります。これはほぼ確実に食べられると思っていいでしょう。落ちた卵は見つけ次第、スポイトで吸って隔離容器へ移してください。
浮かせて管理する工夫
被害を減らす工夫として、産卵床を浮かせて管理する方法があります。浮くタイプの産卵床を選ぶ、沈まないように浮きを足す、水位を少し上げて底との距離を確保する。どれも今日からできて、底から上がってくる個体との距離を稼げます。完全に防げるわけではありませんが、たどり着くまでの手間が増えるぶん、被害の確率は下がります。産卵床が水草に絡んで沈んでいないか、朝の見回りのときに位置も一緒に確認しておくといいですね。
被害が出やすい容器の条件
同じようにプラナリアがいても、被害の大きさは容器によって変わります。次の条件に当てはまるほど、卵が減りやすくなります。
- 採卵をせず、産卵床を親の容器に入れっぱなしにしている
- 底床(赤玉土・砂利・ソイル)を厚く敷いている
- 餌を多めに与えていて、食べ残しが沈んでいる
- 底の掃除をしばらくしていない
- グリーンウォーターで底が見えない
- 屋外の容器で、水草や石を採取してきたものが入っている
最初の項目が決定的です。産卵床を入れっぱなしにしている限り、どれだけプラナリアを減らしても、いつかは食べられます。逆に言えば、毎日採卵して移す運用にしてしまえば、容器にプラナリアがいても卵の被害はほぼゼロにできます。
底床を厚く敷いた容器も要注意です。プラナリアが潜む場所が増えるうえ、汚れも溜まりやすくなります。繁殖用の容器は、底床を敷かないか薄めにしておくと管理が楽になりますよ。
屋外と室内で条件が変わる
屋外の容器は、持ち込みの機会が多いぶん不利です。採取してきた水草や石、他の容器と共用した網やバケツ、そして鳥や昆虫が運んでくる可能性もあると言われます。加えて、グリーンウォーターで底が見えない状態が続くと、増えていることに気づく機会そのものがなくなります。一方、室内の水槽は持ち込みルートが限られるぶん管理しやすいですが、加温している場合は一年中活動が続く点に注意が必要です。屋外は入り口対策、室内は餌の量の管理と、重点を置く場所を変えて考えると分かりやすいかなと思います。
プラナリアからメダカの卵を守る採卵と管理
ここからが本題です。やることは単純で、「卵を親と害虫のいない場所へ移し、孵化まで清潔に保つ」だけ。ただ、その中に細かいコツがいくつもあって、そこを押さえるかどうかで孵化率がかなり変わります。
ポイントは三つあります。毎日回収すること、飼育水を持ち込まないこと、白い卵を毎日取り除くこと。この三つを習慣にできれば、容器にプラナリアがいても卵の被害はほぼゼロにできます。逆に、どれか一つでも抜けると、隔離したはずの容器でまた同じことが起きます。
以下では、毎朝の採卵をどう回すか、隔離容器の作り方と水の管理、産卵床ごと移すときの注意、孵化までの毎日のチェック項目、そして孵化後に切り替えることまでを順に説明します。作業そのものは一日一分ほどで終わる内容なので、シーズン中の習慣として組み込んでみてください。
採ったらすぐ隔離する運用にする

プラナリア対策として最も効果が高いのが、この運用の切り替えです。駆除より確実で、生体にも負担がかかりません。
基本の流れ
やり方はシンプルです。毎朝、産卵床を確認して、卵が付いていたら回収して隔離容器へ移す。それだけです。産卵は明け方から午前中にかけて行われることが多いので、朝の見回りを習慣にすると回収率が上がります。
ポイントは「毎日」やることです。二日に一度でも、その間に食べられる分は出てきます。忙しい時期は、産卵床を複数用意して、朝に丸ごと交換する方式にすると時間がかかりません。取り出した産卵床は隔離容器に入れ、空いた分をすぐ親の容器へ戻します。
毎日の採卵ルーティン
- 朝、産卵床を持ち上げて卵の有無を確認する
- 卵が付いていれば、産卵床ごと隔離容器へ移す
- 空いた産卵床(または予備)を親の容器へ戻す
- 容器の底に落ちている卵があればスポイトで回収する
- 隔離容器の白い卵を取り除く
- 隔離容器の水を交換する
回収した卵の数を記録しておく
面倒に感じるかもしれませんが、日付と数をメモしておくと後で役に立ちます。孵化予定日の見当がつきますし、「今年は何個採れて何匹孵ったか」が分かると、翌シーズンの改善点が見えてきます。スマートフォンのメモで十分です。
産卵床を交換する方式が続けやすい
採卵のやり方には、卵を指で外す方式と、産卵床ごと交換する方式があります。毎日続けることを考えると、後者のほうが圧倒的に楽です。産卵床を三つか四つ用意しておき、朝に卵の付いたものを引き上げて、代わりに空のものを入れる。作業時間は一分もかかりません。引き上げた産卵床は隔離容器へ入れて、そのまま孵化を待ちます。指で外す方式は卵を数えやすく、飼育水を持ち込まない利点もありますが、数が増えると時間がかかります。続かない完璧な方法より、続く簡単な方法のほうが結果が出ます。
産卵床を複数そろえておくと、この交換方式がそのまま回せます。まとめ買いのパックなら一つあたりの負担も軽いです。価格や在庫は変わりますので、購入前に各ショップでご確認ください。
隔離容器の作り方と水の管理
移し先の環境が、孵化率を大きく左右します。ここは丁寧にいきましょう。
容器は小さくてかまわない
プラスチックケース、食品保存容器、紙コップでも卵の管理はできます。大事なのは大きさより、中身を毎日確認できることです。底床は敷きません。敷くと汚れが溜まり、卵の状態も見えなくなります。
専用の容器を使うなら、水替えのしやすさで選ぶと毎日の作業が続けやすくなります。孵化したあとの針子の育成にもそのまま使えます。仕様やサイズは商品ページでご確認ください。
水は親の飼育水を使わない
ここが重要です。親の容器の水を使うと、目に見えない小さなプラナリアが一緒に移ってしまう可能性があります。せっかく隔離した意味がなくなるので、水は新しく用意してください。
卵の管理では、あえてカルキを抜いていない水道水を使う方法が知られています。水道水に含まれる塩素には殺菌作用があり、卵に発生するカビを抑える働きが期待できるためです。ただし塩素は時間が経つと抜けてしまうので、この方法をとるなら毎日水を換える必要があります。卵は水質の変化に比較的強いとされていますが、孵化した針子には塩素が残った水は適さないので、孵化が近づいたら切り替えが必要です。詳しい濃度や手順は情報源によって差があるため、迷う場合は購入先のショップにも相談してみてください。
置き場所と水温
直射日光の当たらない、水温が急に変わらない場所に置きます。屋外で管理するなら、日陰になる位置を選んでください。孵化までの日数は水温で決まるので、安定した場所のほうが計算しやすくなります。卵を入れすぎないことも大切です。小さな容器に卵を詰め込むと、一つがカビたときに周りへ広がりやすくなります。目安として、容器の底が卵で埋まるような状態は避け、産卵日ごとに容器を分けておくと管理しやすくなります。日付を書いたラベルを貼っておけば、孵化予定日も一目で分かります。何日で孵化するかの目安はメダカの卵が何日で孵化するかを水温別に整理した記事で計算のしかたを説明しています。
産卵床ごと移すときの注意
採卵の方法には、指で卵をつまんで外す方法と、産卵床ごと移す方法があります。プラナリア対策の観点では、後者に注意点があります。
産卵床ごと移すときは、水をよく切ってから移してください。飼育水ごと移すと、水の中に小さなプラナリアや、その断片が混じっている可能性があります。産卵床を持ち上げたら数秒待って水を落とし、それから隔離容器へ入れてください。バケツの水ごと運ぶのは避けたほうが無難です。
指で外す場合
卵は意外と丈夫で、指で軽く転がすようにすると産卵床から外れます。ただし強く押すと潰れるので、力加減には気をつけてください。外した卵は水を張った容器へ落とします。この方法なら飼育水を持ち込まずに済むので、プラナリア対策としては確実です。
卵をばらしておくメリット
まとまった卵の塊は、一つがカビると隣に広がりやすくなります。指で軽くほぐしてばらしておくと、被害が一つで止まりやすいです。卵同士がくっついていると、カビも広がりやすいので、可能ならほぐしておきましょう。
移したあとの確認
翌日、隔離容器をよく見てください。白い小さな生き物が壁や底に付いていないか、卵の周りに何かいないか。もし見つかったら、その時点で別の容器へ移し替えます。早く気づけば被害は出ません。
道具も分けておく
移し替えに使う道具を分けておくと、持ち込みの機会がさらに減ります。産卵床を持ち上げるトング、卵を吸うスポイト、水をすくうカップ。これらを親の容器用と隔離容器用で分けておけば、うっかり運んでしまうことがありません。数をそろえるのが難しければ、使うたびに流水で洗ってしっかり乾かすだけでも効果があります。作業の順番を「きれいな容器が先、親の容器が後」にするのも、道具を増やさずにできる工夫です。
孵化までの毎日のチェック
隔離してからも、放置はできません。とはいえ、やることは数分で終わります。
| チェック項目 | 正常 | 対応が必要な状態 |
|---|---|---|
| 卵の色 | 透明〜うっすら色づく | 白く濁っている |
| 卵の表面 | つるりとしている | 白い綿状のものが付く |
| 目の形成 | 数日で黒い点が見える | 何日経っても変化がない |
| 水の状態 | 透明でにおいがない | 濁る・ぬめる・においがある |
| 容器の壁 | 何も付いていない | 白い小さな生き物がいる |
白い卵は毎日取り除く
これが最も大事な作業です。無精卵やカビた卵は、放置すると周りの卵にカビを移します。見つけたらスポイトやピンセットで取り除いてください。一つの白い卵を放っておくと、翌日には周りの三つが白くなっているということも起こります。
白い卵の除去や、底に落ちた卵の回収には、口径が広くて長さのあるスポイトが扱いやすいです。針子を移すときにも同じものが使えます。
目が見えたら孵化が近い
卵の中に黒い点が二つ見えるようになったら、目ができてきたサインです。ここまで来れば、あとは水温次第で孵化します。孵化が近づいたら、塩素の入った水で管理していた場合はカルキを抜いた水に切り替えてください。生まれた針子は塩素に弱いためです。
孵化のタイミングは分散する
同じ日に採った卵でも、孵化は一斉には起こりません。数日にわたってばらばらに生まれてくるのが普通です。先に孵化した針子が泳いでいる横で、まだ孵化していない卵が残っている状態になります。このとき、針子と卵を無理に分ける必要はありませんが、残った卵が白くなっていないかは引き続き毎日確認してください。また、孵化した針子は数日のうちに餌が必要になります。孵化が始まったら、餌の準備も並行して進めておくと慌てずに済みます。
孵化後も守るための切り替え
孵化したら、それで終わりではありません。実は針子の時期も、プラナリアにとっては狙いやすい相手です。
針子の容器にも底床を敷かない
孵化した針子は、しばらく底のほうでじっとしています。底床があるとプラナリアの隠れ場所になるので、針子の育成容器はベアタンク(底床なし)にしておくのが安心です。掃除もしやすく、餌の残りも見つけやすくなります。
針子の容器で気をつけたいのが、餌の残りです。針子用の細かい餌は水に散りやすく、食べ残しが底に溜まります。これがプラナリアの供給源になるので、与えすぎないこと、そして底に溜まったものをスポイトで抜くことを習慣にしてください。針子は水質の変化に弱いので、水換えは少量ずつ、同じ水温の水で行います。掃除と餌やりを一つの作業としてセットにしておくと、うっかり忘れが減りますよ。
親の容器に戻すタイミング
針子をいつ親の容器へ戻すかは、大きさで判断します。親に食べられないサイズまで育ってから、というのが基本です。プラナリアがいる容器なら、なおさら急ぐ必要はありません。泳ぐ力がついて、底でじっとしなくなってからのほうが安全です。針子の育て方の基本はメダカ針子の育て方をまとめた記事で解説しています。
親の容器のプラナリアも減らしておく
卵を隔離していれば実害は止まりますが、親の容器を放置していいわけではありません。餌の量を見直し、底の汚れを抜き、消灯後にスポイトで見えた分を回収する。この三つを続けていれば、数は自然と頭打ちになります。シーズンを通した繁殖の流れはメダカの繁殖方法をまとめた記事で整理しているので、来シーズンの準備にどうぞ。
プラナリアについてよくある質問
卵に付いたプラナリアはどう取り除きますか
ピンセットでつまむのは避けてください。体が柔らかいため途中でちぎれ、断片から再生して数が増える可能性があります。スポイトで水ごと吸い出すのが基本です。卵に張り付いていて離れない場合は、産卵床ごと別容器の新しい水に移してしばらく置くと、環境が変わって離れることがあります。それでも取れないときは、その卵だけを分けて様子を見てください。取り出した個体は水気を切って処分するか熱湯をかけ、屋外の川や側溝には流さないようにしましょう。吸い出した水も水槽に戻さないでください。
産卵床は毎回洗ったほうがいいですか
毎回でなくてかまいませんが、シーズン中に何度か洗って乾かしておくと安心です。産卵床は繊維が密で、小さな生き物や卵が入り込みやすい構造をしています。洗うときは洗剤を使わず、流水でよくすすいで、日に当ててしっかり乾かしてください。乾燥は水の生き物にとってこたえるので、それだけでも持ち込みを減らせます。複数用意してローテーションすれば、乾かす時間も確保できて一石二鳥です。シーズンの終わりには、全部洗って乾かしてから保管しましょう。
隔離容器にもプラナリアが出てきました
持ち込まれた可能性が高いです。産卵床に付いていたか、飼育水と一緒に入ったかのどちらかでしょう。対応としては、卵をもう一度別の新しい容器へ移し替えるのが早いです。そのとき水はよく切り、卵だけを移してください。元の隔離容器は洗って乾かします。次回からは、産卵床を移すときに水を落とす手順を徹底し、可能なら卵を指で外して移す方式に切り替えると再発しにくくなります。小さな個体は肉眼で見えないこともあるので、移し替えは面倒でも新しい水で行うのが確実です。
屋外のビオトープでも採卵は必要ですか
数を増やしたいなら必要です。屋外のビオトープは環境が自然に近いぶん、卵や針子を狙う生き物も入りやすくなります。プラナリアだけでなく、ヤゴやヒルなどが入っていることもあります。自然に増えるのを楽しむスタイルなら採卵しなくてもかまいませんが、その場合は生き残る数がかなり減ると考えておいてください。品種を維持したい場合や、確実に数を取りたい場合は、採卵して隔離するのが確実です。屋外容器では、産卵床を回収しやすい浮くタイプにしておくと作業が楽になります。
まとめ:プラナリアとメダカの卵の付き合い方
最後に整理しておきますね。
プラナリアはメダカの卵を食べるとされていて、繁殖用の容器ではここがいちばんの実害になります。夜間にまとまって減り、殻も残らないのが特徴です。ただし、卵が減る原因はプラナリアだけではなく、親メダカによる食卵、無精卵、カビ、他の生き物など複数あります。
そして大事なのは、どの原因であっても対策は同じだということ。採ったらすぐ隔離する。この運用に切り替えれば、犯人が誰であっても卵は守れます。毎朝の見回りで産卵床ごと回収し、水をよく切ってから、新しい水を張った容器へ移す。あとは白い卵を毎日取り除きながら、孵化を待つだけです。
孵化してからも、針子のうちは動きが鈍いので油断できません。育成容器は底床を敷かず、泳ぐ力がつくまでは親の容器に戻さない。並行して、親の容器の餌の量と底の汚れを見直しておけば、プラナリアの数も自然と落ち着いていきます。
メダカの繁殖でつまずく方の多くは、卵を守る仕組みではなく、犯人を退治することに時間を使っているように見えます。プラナリアを全滅させるのは大変ですが、卵を移すのは五分で終わります。同じ結果が得られるなら、簡単なほうを選んでいいのかなと私は思います。守る仕組みができてから、ゆっくり容器を整えていきましょう。
なお、この記事で紹介した日数や手順は一般的な目安です。水温や環境によって結果は変わります。製品を使う場合の正確な情報は公式サイトや表示をご確認ください。生体の状態に不安がある場合や、判断に迷う場合は、最終的な判断は専門家や購入先の販売店にご相談ください。今シーズンの採卵がうまくいきますように。



