プロフィットフィルター初心者の疑問解決ガイド
こんにちは。THE AQUA LAB、運営者の「所長」です。
アクアリウムを始めようとフィルターを探していると、コトブキの「プロフィットフィルター」がよく候補に挙がりますよね。うん、わかります。プロフィットフィルターは初心者にとって、とても使いやすい、本当に良い選択肢だと思います。
ただ、いざ選ぼうとすると、「X2とX3の違いがわからない」「Zシリーズって何が良いの?」といったモデルの比較で悩んだり、「設置は簡単?」「もしかして、あの面倒な呼び水は必要なの?」という、最初の大きな不安が出てくるかもしれません。私も最初はそうでした。
また、無事に使い始めた後で「夜、音がうるさいんじゃないか」「水流が強すぎるって本当?」「日々の掃除やメンテナンスの方法で失敗して、魚を弱らせたりしないかな…」と、心配が尽きないこともありますよね。

この記事では、そんなプロフィットフィルターに関する初心者の疑問や不安を一つ一つ丁寧に解消するために、ラインナップの選び方から、具体的な設置方法、使い方、そしてベテランもやっている定番の改造テクニックまで、詳しく掘り下げていこうと思います。これを読めば、安心してプロフィットフィルターを導入できるはずです。
- 呼び水いらずで驚くほど簡単な設置方法
- ご自身の水槽に最適なモデル(X2, Z+など)の選び方
- 「うるさい」「流量が強い」といった悩みへの具体的な解決策
- バクテリアを守る、失敗しない掃除とメンテナンスのコツ
プロフィットフィルター初心者の選び方
まずは「どのモデルを選ぶか」ですね。これが最初の関門かもしれません。プロフィットフィルターにはいくつか種類がありますが、それぞれの設計思想や特徴を知れば、ご自身の水槽に本当に最適なものが見つかるはずです。詳しく見ていきましょう。
呼び水いらずで設置が簡単

アクアリウム初心者がフィルター設置で最初につまずき、そして挫折しかねない作業が「呼び水」です。これは、フィルターの配管内を水で満たし、サイフォンの原理を働かせるための作業なんですが、これがなかなかうまくいかなかったり、空気を吸って途中で止まってしまったりと、本当に面倒なんですよね。
ですが、安心してください。プロフィットフィルターは全シリーズで「水中ポンプ」設計を採用しています。これは、水を吸い上げるポンプモーター自体が、最初から水槽の水の中にドボンと浸かっているタイプです。
これが何を意味するかというと、面倒な呼び水作業が一切いらない、ということです。
設置は本当に拍子抜けするほど簡単です。
- ろ材を軽く水洗いして、フィルター本体にセットする。
- フィルター本体を水槽の縁に掛ける。
- 水槽に水を入れる(フィルターの最低水位線以上まで)。
- 電源プラグをコンセントに差し込む。
たったこれだけです。電源を入れるだけで、水中ポンプが自動的に水を吸い上げてろ過を開始してくれます。この「呼び水いらず」という圧倒的な手軽さは、初心者にとって何物にも代えがたい、最大の安心材料かなと思います。
X2とX3の違いを解説

標準モデルの「Xシリーズ」では、特にX2とX3のどちらを選ぶかで迷うかもしれませんね。この2つはサイズ感も性能も結構違いがあるので、しっかり比較してみましょう。
プロフィットフィルター X2:静音性とコンパクトさ
プロフィットフィルター X2は、小型水槽(〜40cm水槽目安)向けのコンパクトなモデルです。最大の特徴は、吐出口(水の出口)が水面に近い低い位置に設計されていること。これにより、水が「ジャー」と水面を叩くことなく、静かに水槽へ戻っていきます。このおかげで水音が非常に静かなのが特徴です。寝室や静かな部屋に置くなら、X2は良い選択ですね。
プロフィットフィルター X3:ろ過槽の広さと強力な水流
一方、プロフィットフィルター X3は、Xシリーズの中では大型のモデル(〜45cm水槽目安)です。最大の特徴は、ろ材を入れるスペース(ろ過槽)がX2よりも広いこと。ろ材をたくさん入れられるということは、それだけろ過能力(特に生物ろ過)を高めるポテンシャルがあるということです。
ただし、注意点があります。ろ過槽が広い分、ポンプも強力で、水流も非常に強力だというレビューが多いですね。小型水槽や、メダカやベタのように強い水流を好まない魚には、水流が強すぎるかもしれません。
X1とX2の違いは「音」 ちなみにX1という最もコンパクトなモデルもありますが、これは吐出口が水面より高い位置にあるため、水が「滝」のように落ちる音がしやすい傾向があります。また、水面を強く叩くため、CO2を添加している水草水槽では、CO2が逃げやすくなる可能性もあります。静音性を重視するなら、私はX2の方をおすすめしますね。
Xシリーズ モデル別比較(目安)
| モデル名 | 推奨水槽サイズ (目安) | 特徴 |
|---|---|---|
| X1 | 小型水槽 (〜30cm) | コンパクト。ただし水音はX2より大きめ。 |
| X2 | 小型水槽〜40cm水槽 | 静音性に優れる。初心者におすすめ。 |
| X3 | 〜45cm水槽 | ろ過槽容量が大きい。ただし水流は強め。 |
※あくまで目安です。飼育する魚種や数によって最適なモデルは変わります。
生物ろ過強化のZ+36とは
もし予算に少し余裕があるなら、あるいは「最初から失敗したくない」と強く思うなら、私は「Z+シリーズ」(特にZ+36)を強く検討することをおすすめします。
アクアリウムで一番大切で、一番難しいのが、目に見えない魚のフンや餌の残りカス(有害なアンモニア)を、無害な物質に分解するバクテリアの力、つまり「生物ろ過」です。このアクアリウムの「生物ろ過」サイクルをいかに早く立ち上げ、安定させるかが、長期的な成功の鍵なんですね。
Z+シリーズは、この生物ろ過を飛躍的に高めるための専用設計が標準装備されています。
最大の特徴は「プラスBOX」という拡張ろ過槽が標準で付いてくること。このBOXは内部が「半ドライ設定」(水が常に満タンにならず、空気に触れる部分がある)になるよう工夫されています。ろ材に棲みつくろ過バクテリア(特に好気性バクテリア)へ酸素が豊富に供給されるため、バクテリアの活動が劇的に活性化し、ろ過効率が最大化される仕組みです。
さらに、標準で高性能な生物ろ材「パワーボールBio」(バクテリアが棲みつきやすい多孔質のろ材)が付属してきます。
水質を長期的に安定させる「生物ろ過」は、初心者には最も難しく、同時に最も重要な部分です。Z+シリーズは、最初からこの機能を強力に強化できる「セーフティネット」が備わっている、まさに初心者こそ検討すべき上位モデルと言えますね。
GEXスリムフィルターとの比較
外掛けフィルターを選ぶ際、必ずと言っていいほどライバルになるのが、GEXの「スリムフィルター」ですね。私も使ったことがありますが、あれはあれで良いフィルターです。
GEX スリムフィルターの最大の特徴は、その名の通り「薄さ」です。奥行きが約5cmと非常にスリムなので、水槽の裏側にスペースがあまりない場所や、水槽周りをとにかくスッキリ見せたい場合には最適です。デザイン性も高いですよね。
ろ過は専用のカートリッジを交換していくシステムが基本で、交換自体はとても簡単です。
対してプロフィットフィルターは、GEXに比べると本体は大きく、奥行きがあります。しかし、その分、ろ過槽の容積が圧倒的に大きい。これが何を意味するかというと、後ほど解説する「ろ材のカスタマイズ性」でプロフィットフィルターが圧勝するんです。
GEXのカートリッジ式は簡単ですが、ろ材を自分で選んだり、生物ろ過を強化したりする自由度は低めです。その点、プロフィットフィルターは、後から自分好みにろ過を強化していく「懐の深さ」があります。
選ぶ基準
- デザイン、薄さ、手軽なカートリッジ交換を最優先するなら:GEX スリムフィルター
- ろ過能力の高さと、将来的な拡張性・カスタマイズ性を重視するなら:プロフィットフィルター
どちらも良いフィルターですが、ろ過能力やカスタマイズ性を重視するなら、プロフィットフィルターが適しているかなと私は思います。
テトラATシリーズとの比較
もう一つの強力なライバルが、テトラの「ATシリーズ(オートワンタッチフィルター)」です。これもアクアリウム界のロングセラー製品ですね。
テトラ ATシリーズもプロフィットフィルターと同様に「呼び水不要」の水中ポンプを採用している、初心者にとても優しいフィルターです。専用の「バイオバッグ」という交換ろ材を使ってメンテナンスする点が特徴です。
どちらも甲乙つけがたい、本当に良いフィルターです。正直、どちらを選んでも「大失敗」ということにはならないと思います。
その上で、あえてプロフィットフィルターの優位性を挙げるとすれば、やはり「Z+シリーズ」の存在かなと思います。標準装備の時点で「プラスBOX」による、より高度な生物ろ過システムを備えている点は、大きなアドバンテージです。
また、これは私の個人的な感覚や、耳にするレビューの傾向も入るかもしれませんが、プロフィットフィルターの方が「静音性」を高く評価する声が多いように感じます。特に寝室やリビングの静かな環境に水槽を置く場合、この「音」の違いが、日々の満足度に大きく影響してくるかもしれませんね。
プロフィットフィルター初心者の使い方
無事にフィルターを選んだら、次は実際の使い方です。設置は前述の通り驚くほど簡単ですが、使い始めてから「あれ?」と思うかもしれないポイントがいくつかあります。よくあるトラブルの解決策も含めて、詳しく解説しますね。
流量が強い?調節と対策
プロフィットフィルターを使い始めた人が、まず感じるかもしれないこと。それが「水流、強すぎない?」という点です。
プロフィットフィルターは、そのコンパクトな見た目に反して、ろ過能力が高い=ポンプのパワーが強く、水流がかなり強い傾向があります。
もちろん、フィルター上部には流量調節つまみがありますが、これを「最小」に設定しても、まだ水流が強いと感じることが多いです。これは、ヒレが長くて優雅なベタの飼育や、穏やかな流れを好むメダカ水槽にとっては、かなりのストレスになる場合があります。魚が水流に逆らって泳ぎ続け、疲弊してしまうんですね。
餌やりの時は「電源オフ」推奨 「流量最小にしても餌を結構吸っちゃう」という声は非常に多いです。特にフレークフードや粉餌は、水面に浮いている間にどんどん吸い込まれてしまいます。 私の解決策は、餌やりの5分間だけ、フィルターの電源を完全にオフにすることです。モーターを止めて水流をゼロにする。この短時間でフィルターやバクテリアに悪影響が出ることはありません。この一手間が、魚たちにしっかりと餌を行き渡らせる一番確実なコツですね。
恒常的な水流の強さ対策としては、吐出口にウールマットを小さくカットして詰めたり、排水パイプの向きを水槽の壁面に向けるなどして、水流を殺す工夫をする方も多いです。
音がうるさい原因と対処法
次に、「ジャー」「チョロチョロ」という水の落ちる音がうるさいと感じる場合。これは非常にシンプルで、その原因のほとんどは「水位の低下」です。
水槽の水は、特に冬場の乾燥した時期や、夏場の高温期には、私たちが思っている以上に早く蒸発していきます。水位が下がると、フィルターの吐出口から水面までの落差が大きくなり、水が滝のように落ちることで音が発生してしまうんですね。
対策は簡単で、蒸発した分の水槽の水を足してあげる(足し水をする)だけです。プロフィットフィルターの「ロングスライド吐出口」は、水位が適正であれば、水面近くから静かに入水するように設計されています。水位を適切に保つことが、静音性を保つ最大の秘訣ですね。
ただし、前述の通り、「プロフィットフィルター X1」は設計上、吐出口の位置が高めなので、他のモデルより音がしやすい構造になっています。X1を使っていて音がどうしても気になる場合は、吐出口が低いX2への買い替えも検討の価値があるかもしれません。
異音とインペラーの掃除

「ジャー」という水音とは別に、フィルター本体(主に水中のポンプ部分)から「カラカラ」「ジー」「ガリガリ」といった明らかな異音がする場合。それは故障を疑うサインかもしれません。
でも、慌てて「買い替えなきゃ!」と思う前に、ぜひチェックしてほしい場所があります。多くの場合、簡単な掃除で直ります。
最も多い原因は、ポンプ内部で回転して水を送る、プロペラのような部品、「インペラー」周辺のトラブルです。
原因1:異物の混入
小さな砂利、水草の破片、あるいは小さな稚エビやスネール(貝)などがポンプ内部に吸い込まれ、インペラーの回転部分に引っかかっている状態です。これが「カラカラ」「ガリガリ」音の主な原因ですね。
原因2:部品の劣化
長期間(数年単位)の使用により、インペラー自体や、インペラーの軸、あるいはポンプ本体との接続部に使われている「PFジョイントゴム」などが摩耗すると、「ジー」という「ビビり音」と呼ばれる振動音が発生することがあります。
【対策】インペラーの清掃(最重要)
異音がしたら、以下の手順でインペラーを清掃してみてください。
- 【最重要】必ずフィルターの電源プラグを抜きます。感電や故障の原因になるため、絶対に守ってください。
- 水槽から水中ポンプ(フィルター本体と繋がっている、水の中の部分)を取り外します。
- ポンプのカバー(インペラーカバー)を外します。(少し硬い場合がありますが、ツメを折らないよう慎重に)
- インペラー本体(磁石でくっついています)を、軸ごとゆっくりと引き抜きます。
- インペラー自体と、それが入っていた空洞(インペラー室)を、使い古しの歯ブラシや、専用のパイプブラシなどで優しく掃除します。異物が挟まっていたら取り除きます。
- 逆の手順で元に戻し、設置し直してから電源を入れます。
これだけで、驚くほど異音がピタッと止まることが多いですよ。もし部品(インペラーやゴム)が明らかに摩耗・破損しているようであれば、コトブキはこれらの交換用パーツを細かく販売しています。メーカー公式サイトなどで型番を確認し、それを取り寄せて交換しましょう。(出典:コトブキ工芸株式会社「交換部品」)
失敗しないメンテナンス方法
フィルターの掃除(メンテナンス)は、水質を良好に維持するために不可欠です。しかし、やり方を間違えると、せっかく育てた有益なバクテリアを全滅させてしまい、水質が急激に悪化する「リセット状態」を招くことがあります。
絶対に守ってほしい「黄金ルール」がいくつかあります。
【最重要】絶対に水道水で洗わない! フィルターの掃除の際、ろ材やスポンジを絶対に水道水で洗わないでください。水道水に含まれる塩素(カルキ)が、せっかく定着した有益なろ過バクテリアを殺してしまいます。 掃除は必ず、水替えの際に水槽から抜いた古い飼育水をバケツに取り、その中で「軽くすすぐ」「優しくもみ洗いする」程度にしてください。ピカピカにする必要は全くありません。むしろ汚れ(バクテリアのコロニー)は残すくらいで丁度いいです。
メンテナンスには、目的の違う2つの作業があります。
タスク1:流れを維持する掃除(2週間に1回 or 流量低下時)
対象:ストレーナースポンジ(水を吸い込む先端のスポンジ)
目的:物理的なゴミ詰まりを取り除き、流量の低下を防ぐこと。
方法:水槽から抜いた飼育水の中で、軽くもみ洗いします。流量が落ちる最大の原因は、大抵このスポンジの目詰まりです。
タスク2:ろ材の交換(2~3週間に1回 ※純正マット使用時)
対象:活性炭マットA(純正の交換ろ材)
目的:活性炭の効果は2~3週間で飽和し、水の黄ばみや匂いを吸着しなくなるため、新品に交換します。
方法:古いマットを捨て、新しいマットと交換します。
そして、これが【メンテナンスの黄金ルール】です。
上記の「タスク1(スポンジ掃除)」と「タスク2(マット交換)」を、絶対に同時に行わないでください。
もしXシリーズを使っていて、唯一の生物ろ過の棲みかでもある「活性炭マット」を交換し、同時に「ストレーナースポンジ」も(特に水道水で)洗ってしまったら…水槽内のバクテリアのほぼ全てを失うことになります。これは致命的です。
推奨するメンテナンススケジュール(例)
- 1週目:水替え + タスク1(スポンジ掃除)
- 3週目:水替え + タスク2(マット交換)
このように時期をずらす(別々の週に行う)ことで、バクテリアへのダメージを最小限に抑え、水質を安定させることができます。(※Z+シリーズの場合、メインの生物ろ材「パワーボールBio」は交換不要=掃除(飼育水ですすぐ)だけなので、このリスクは大幅に低減されます)
定番の改造テクニック
さて、ここからは少し上級編です。プロフィットフィルターがベテランのアクアリストにも長く愛される最大の理由は、その「カスタマイズ性の高さ」、つまり「改造のしやすさ」にあります。
コンセプトはズバリ、「脱・純正カートリッジ」です。
純正の「活性炭マットA」は、活性炭による吸着ろ過がメインで、2~3週間での交換(=廃棄)が推奨されています。しかし、このマット上にもわずかながらバクテリアは定着します。交換のたびにバクテリアを捨てるのは、もったいないし水質が不安定になるリスクも伴います。何より、ランニングコストがかかりますよね。
そこで、この「交換式カートリッジ」をやめ、プロフィットフィルターの広いろ過槽全体を「永続的な生物ろ過スペース」として最大限に活用するのが、定番の改造です。
改造(ろ材変更)の方法
- 純正の「活性炭マットA」の使用をやめます(もし「荒目マットB」があれば、それは物理ろ過用として再利用できます)。
- フィルターのろ過槽に入っている、カートリッジ用のプラスチックフレームを(もしあれば)取り外します。すると、そこに広い空間(バスケット)が現れます。
- その空いたスペースに、高性能なリング状ろ材や、Z+シリーズにも使われている「パワーボールBio」のような、生物ろ過に特化したろ材を詰めます。
- この際、ろ材をコトブキ純正の「ろ材ネット」などに入れておくと、将来的なメンテナンス(飼育水でのもみ洗い)が非常に楽になるのでおすすめです。
- 水流の一番手前(水が入ってくる側)に、物理ろ過用(大きなゴミを取るため)のウールマットを適当なサイズにカットして設置します。これで、大きなゴミが生物ろ材に到達するのを防げます。
この改造により、ろ過能力、特に水質を長期的に安定させる「生物ろ過」の能力が飛躍的に向上します。交換するのは一番手前のウールマットだけ(汚れたら交換)になるため、ランニングコストも大幅に削減できますよ。
【重要】ろ材の「詰め込みすぎ」に注意! 改造の際、ついたくさんのろ材を入れたくなりますが、「あれもこれもと濾材を詰め込み、水流の衰えを早めていた」という失敗談は多いです。ろ過槽は広いですが、ろ材をパンパンに詰め込みすぎると、水の通り道がなくなり「偏流(へんりゅう)」という現象が起きます。水がろ材の一部しか通らず、ろ過槽全体が機能しなくなるんですね。 かえって流量が落ちてしまいますので、水がろ材の間を十分に循環できるよう、「バスケット内部には適度な余裕を持たせる」ことが、改造を成功させる最大のコツですね。
プロフィットフィルター初心者の総括
ここまで、プロフィットフィルターの選び方から使い方、メンテナンス、そして定番の改造テクニックまで、かなり詳しく見てきました。
改めて、プロフィットフィルターは、アクアリウム初心者が直面する「面倒」と「不安」を徹底的に取り除いた、非常に優れた、バランスの良いフィルターだと私は思います。
- 圧倒的に簡単:「呼び水いらず」の水中ポンプにより、設置のハードルはゼロに等しいです。
- 静かで強力:適切に設置・運用すれば(水位を保てば)、非常に静か。それでいて、コンパクトな見た目とは裏腹に、強力な水流と高いろ過能力を持ちます。
- 将来も安心:最初は純正カートリッジで簡単にスタートし、アクアリウムに慣れてきたら、上記のように「改造」して、自分の水槽に合わせた最強の生物ろ過マシンへと「育てる」ことができる、懐の深いフィルターです。
特に、もし予算が許すのであれば、「Z+シリーズ」は、初心者が最も失敗しやすい「生物ろ過の立ち上げ」を強力にサポートする機能が標準装備されており、長期的な成功への一番の近道と言えるかもしれません。
この記事が、プロフィットフィルター初心者であるあなたのフィルター選びの悩みや不安を解消し、楽しいアクアリウムライフをスタートさせる助けになれば、私としても本当に嬉しいです。


