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メダカが回転してる原因|転覆型とドリル型の見分け方と今日からできる対処

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水面近くを泳ぐメダカを写した表紙図版

メダカが回転してる…転覆なのか、それとも別の異変なのか

THE AQUA LAB 所長

こんにちは。THE AQUA LAB、運営者の所長です。

水槽をのぞいたら、メダカが妙な泳ぎ方をしている。体が横に傾いてくるりと回ってしまう、あるいはその場でドリルのようにくるくると旋回し続けている。どちらにしても普通の泳ぎではないので、見ているこちらの心臓が縮む思いになりますよね。あなたも今、これが何なのか、今すぐ何をすればいいのかを知りたくてここにたどり着いたのだと思います。

まずお伝えしたいのは、「回転してる」と一言で言っても実は動きの型が二つある、ということです。ひとつは前後や左右にひっくり返ってしまう転覆型。もうひとつは体の向きは保っているのに、その場でくるくると旋回してしまうドリル型。この二つは、原因も対処もかなり違います。

転覆型は浮力の問題です。浮き袋のガスの量が狂っている状態で、背景には消化不良や低水温、体型、まれに細菌感染があります。一方のドリル型は平衡感覚と推進力の問題です。水質の悪化やアンモニア中毒、pHショック、あるいはヒレが機能しなくなって片側だけ推進力が出ない、といった原因が中心になります。

ここを切り分けずに「回転してるから塩浴だ」と進んでしまうと、効かないうえに体力を削ることになりかねません。実際、転覆型のうち消化不良によるものは絶食と保温で戻ることが多い一方、水質中毒によるドリル型は餌を止めても改善せず、水を換えるまで止まりません。やることが逆なんですね。

この記事では、まず自分が見ている動きがどちらの型かを判定する方法から入り、それぞれの原因、その日のうちにやるべき対処、そして治らない回転との付き合い方まで順番に整理していきます。焦って薬を入れる前に、上から順に確認してみてください。

  • 転覆型とドリル型を動きだけで切り分ける方法
  • 水質中毒・pHショック・ヒレ不全の見分け方
  • 型ごとに変わる当日の対処と順番
  • 体型が理由の回転との向き合い方

メダカが回転してる原因を動きの型で見分ける

ここでは、原因を特定する前に動きそのものを分類します。分類さえできれば、疑うべき原因は自動的に絞られるからです。観察するのは体の向き、回る方向、そして持続時間の三つですよ。

回転してるの2つの型を切り分ける

腹側が上を向く転覆型と、水平のまま旋回するドリル型を並べて比較した図解
転覆型とドリル型の見え方の違い

結論から言うと、体の腹側が上を向くかどうかで、まず二つに分かれます。ここが判定の一番目です。

お腹が上を向く、あるいは体が横倒しになって前後方向にくるりと転がる。水面に浮いたまま姿勢を戻せない、または底に沈んだまま起き上がれない。こういう動きなら転覆型です。原因は浮き袋、つまり体の中のガスの量が狂っていることにあります。

一方、体は水平を保っているのに、その場で同じ方向に旋回し続ける。頭を軸にしてぐるぐる回る、あるいは体をよじりながら螺旋を描いて泳ぐ。こちらがドリル型です。原因は姿勢を制御する仕組みか、左右の推進力のバランスにあります。

見えている動き 疑う仕組み 主な原因 最初の一手
お腹が上を向く・横倒しで転がる 転覆型 浮き袋のガス量 消化不良、低水温、体型、腹水 絶食と保温
水面から沈めない・底から浮けない 転覆型 浮き袋のガス量 同上 絶食と保温
その場でくるくる旋回する ドリル型 平衡感覚・神経 アンモニア中毒、pHショック 水換え
螺旋を描いて泳ぐ・体をよじる ドリル型 左右の推進力 ヒレ不全、片側のヒレの損傷 水換えと隔離
激しく暴れてから旋回する ドリル型 刺激への反応 水質の急変、高水温、寄生虫 水温と水質の確認

なお、その前に除外しておきたいものが一つあります。繁殖期にオスがメスの周りを回り込むように泳ぐのは求愛の行動で、異常ではありません。二匹が組になって追いかけっこのように回っている、時期が春から秋、体表にも姿勢にも異常がない。この条件がそろうなら、そのまま見守って大丈夫です。

迷ったときの見分け方も書いておきます。転覆型は止まっているときに姿勢が崩れるのが特徴です。泳ぐのをやめた瞬間に浮いたり沈んだり傾いたりする。ドリル型は逆で、泳ごうとしたときに軌道が曲がる。止まっていれば普通の姿勢を保てることが多いです。

数分でいいので、餌を入れずにただ観察してみてください。動きを止めた瞬間に何が起きるか。ここを見るだけで、かなりの確度で分類できます。

前後にひっくり返る転覆型の見分け方

浮き袋の位置を示し、一時的な原因と構造的な原因を対比した図解
転覆型の背景を一時的と構造的に分けた整理

転覆型だと分かったら、次はその原因を絞ります。ここは細かく分類するより、一時的に浮力が狂っているのか、構造として浮力を保てないのかという二択で見るほうが実用的です。前者なら戻る見込みがありますし、後者なら方針そのものを切り替える必要があるからですね。

まず、一時的に狂っているほうから。中心にあるのは消化の滞りです。餌を食べすぎる、あるいは水温が低くて消化しきれないと、腸に内容物が残ります。それが浮き袋を圧迫したり、発生したガスで浮力が変わったりして体が傾く。水温が15度を下回ると代謝が落ち、同じ量の餌でも処理しきれなくなるので、秋から冬にかけて急に出ることが多いです。

同じ一時的なものとして、餌と一緒に空気を飲み込んでしまうケースもあります。浮上性の餌を水面でパクつくときに起きやすく、食後だけ姿勢が不安定になるのが特徴です。これは餌を沈下性に変えるだけで解決する場面が多い、いちばん軽いパターンですね。

次に、構造として保てないほう。ダルマメダカや半ダルマのように背骨が詰まった体型は、内臓と浮き袋が狭い空間に押し込まれているため、もともと姿勢を保ちにくい作りになっています。これは病気ではなく体つきの話なので、治療で戻るものではありません。

そして構造側のもう一つが、腹水をともなうものです。体内に水が溜まって内臓が押され、浮力が保てなくなります。お腹が異常に膨らむ、鱗が逆立ってくる、体表に充血が出るといったサインが同時に出ているなら、消化の滞りとは切り離して考えてください。進行が早いことがあるので、ここは様子見の対象になりません

浮力の狂い方 背景 あわせて出るサイン 戻る見込み やること
一時的 消化の滞り・低水温 フンが出ていない、水温が低い、餌が多い 比較的高い 絶食と水温を上げる
一時的 餌と一緒に空気を飲む 浮上性の餌を使っている、食後だけ出る 高い 沈下性の餌に切り替える
構造的 体型(ダルマ系など) もともと背骨が詰まった体型 戻らない 泳ぎやすい環境を整える
構造的 腹水をともなう お腹が異常に膨らむ、鱗の逆立ち、充血 低い(早期なら見込みあり) 様子見にせず専門家へ相談

お腹の膨らみが気になるなら、そこが判断の分かれ目になります。メダカのお腹が膨れる原因を過抱卵・腹水病・便秘で切り分けた記事に見分け方をまとめてあるので、あわせて確認してみてください。体型由来かどうか判断がつかない場合は、ダルマメダカの飼育と転覆を防ぐ育て方の記事が参考になります。

その場でくるくる回るドリル型の見分け方

ドリル型は、転覆型より緊急度が高いことが多いです。理由は、原因の多くが水そのものにあるからで、その場合は一匹の問題では終わらないからですね。

まず確認したいのが複数匹に出ているかどうかです。二匹以上が同じような泳ぎ方をしているなら、ほぼ環境の問題です。水質、水温、酸素のどれかが崩れています。逆に一匹だけなら、その個体の神経系やヒレの問題である可能性が上がります。

次に、ヒレの状態を見てください。背びれや尻びれ、尾びれが閉じたまま開かなくなると、左右の推進力が釣り合わなくなり、結果として螺旋を描くように泳いでしまうことがあります。片側のヒレだけが欠けたり裂けたりしている場合も同じです。この場合は、ヒレの状態を戻すことが回転を止めることにつながります。

三つめが体表です。白い点、うっすらした白い膜、充血。こういったものが出ているなら、寄生虫や細菌の可能性が入ってきます。体をこすりつけるような動きが混じっているなら、なおさらです。

四つめとして、旋回の向きを見る方法もあります。いつも同じ方向にしか回らないなら、片側のヒレか体の片側に原因がある可能性が高い。左右どちらにも不規則に回るなら、ヒレではなく平衡感覚や神経の側を疑います。数分眺めると、判断の手がかりになりやすいです。

それと、老化の可能性も頭の片隅に置いておいてください。メダカの寿命は飼育下でおよそ2年から3年と言われますが、終盤になると泳ぎが安定しなくなり、傾いたり旋回したりすることがあります。迎えてから2年以上経っている個体で、体表に異常がなく、ほかの個体は元気という状況なら、病気を探し続けるより静かな環境を用意してあげるほうが穏やかです。

体表の変化についてはメダカの体が白くなる原因を白点病・水カビ・色落ちで整理した記事を、こすりつけ動作が気になるならメダカが身体をこするときの原因と対処法の記事を見ておくと、切り分けが早くなります。

ドリル型で最初に確認してほしいのは、実は病気の有無ではなく飼育の履歴です。ここ数日で何をしたかを思い出してください。水槽を立ち上げたばかりではないか、大量に水を換えなかったか、新しい個体や水草を入れなかったか、餌を増やしていないか、掃除で底床を大きくかき混ぜなかったか。この中に心当たりがあれば、原因はそこにある可能性が高いです。病気を探すより先に、直前の操作を疑うほうが当たります。

水質の悪化やアンモニア中毒を疑う場面

ドリル型でもっとも多いのが、これです。アンモニアは餌の食べ残しやフン、生体の排泄から絶えず発生していますが、通常はバクテリアが分解してくれます。ところがバクテリアが足りない、あるいは処理能力を超える量が出ていると、アンモニアが水中に残ります。

アンモニアは神経に作用するため、中毒を起こすとふらつきや旋回、体が不随意にビクビクと動くような症状が出ます。泳ぎ方の異常が水質からくることを知らないと、いきなり病気を疑って薬を入れてしまいがちですが、そこが遠回りになる場面です。

疑うべき状況ははっきりしています。

心当たり 何が起きているか 対応
立ち上げから1か月以内 バクテリアがまだ育っていない 餌を絞り、少量の水換えを頻繁に
ろ材を新品に全交換した 分解能力が実質ゼロに戻った 半分だけ戻すか、水換えで補う
ろ材を水道水で洗った 塩素でバクテリアが減った 以後は飼育水ですすぐ
数週間水を換えていない 分解しきれない分が蓄積している 3分の1ずつ数回に分けて換える
餌が多い・過密 発生量が処理能力を超えている 餌を減らし、容器を分ける
水が生臭い・油膜が張る 有機物が過剰 水換えと底床の掃除

確かめたいなら、試験紙や液体試薬でアンモニアと亜硝酸を測るのが確実です。目で見て分からないのが厄介なところで、水は透明なのにアンモニアが溜まっているという状況は普通に起こります。ひとつ持っておくと、こういうときの切り分けが一気に楽になります。

目に見えない項目をまとめて確認したいなら、試験紙が手軽です。亜硝酸塩や硝酸塩、pHを一度に見られるので、水質が原因かどうかの切り分けが一気に早くなります。

水換えや導入直後に起きるpHショック

もうひとつ、タイミングがはっきりしているのがpHショックです。水のpHが急に変わると、メダカは強い負担を受け、ふらつきや旋回、体を震わせるような動きを見せることがあります。

起きやすいのは、購入してきた個体をそのまま水槽に入れたとき、大量に水を換えたとき、水質調整剤や新しい底床を一度に入れたときです。水換え直後や導入直後から泳ぎがおかしくなったなら、まずこれを疑ってください

予防はシンプルで、変化をゆるやかにすることに尽きます。導入時は袋ごと水に浮かべて水温を合わせ、その後30分から1時間かけて飼育水を少しずつ袋に足していく。水換えは一度に半分以上を換えない。底床や調整剤は一度に全部入れ替えない。この三つを守るだけで、かなり防げます。

すでに起きてしまっている場合の対処は難しく、時間をかけて回復を待つしかない場面もあります。慌ててさらに水を換えると、変化を上乗せすることになるので逆効果です。水温を安定させ、暗くして静かにし、餌を止めて様子を見る。この状況での具体的な観察の進め方は、メダカが底で動かないときの見分け方と復活術の記事にpHショックと水温ショックの項目があるので、そちらもあわせて確認してみてください。

高水温と酸欠で平衡が崩れる場合

夏場に多いのがこれです。水温が上がると水に溶ける酸素の量が減り、同時にメダカの代謝は上がって酸素の必要量が増えます。需要と供給が逆方向に動くので、急に苦しくなるんですね。

酸素が足りなくなると、まず水面付近に集まって口をパクパクさせるようになります。それでも足りないと、泳ぎがふらつき、傾いたり旋回したりといった動きに進みます。ここまで来ると緊急性が高いので、原因を探すより先に酸素を入れてください。

その場でできる対処としては、エアレーションを入れる、水面を軽くかき混ぜて空気と触れさせる、涼しい場所へ移す、すだれや日陰で日射を切る、といったところです。屋外の小さな容器は水温が上がりやすいので、水量を増やすのも効きます。

水温 起きやすいこと その日にやること
28度前後 代謝が上がり酸素の消費が増える 餌を控えめにし、水面の動きを確保する
30度を超える 溶存酸素が減り、ふらつきが出はじめる 遮光と半日陰への移動、エアレーション
30度台なかば 旋回や傾きなど平衡の崩れが出ることがある(個体差が大きい) 涼しい場所へ避難、水量を増やす
35度に近づく 短時間でも危険域 直射日光を断ち、ただちに移動させる

ここで気をつけたいのが、冷やし方です。氷や冷水を直接入れると水温が急に下がり、今度は温度ショックを起こします。冷やすなら、凍らせたペットボトルを浮かべるなどして、ゆっくり効かせるのが基本です。日陰へ移すだけでも、屋外の容器なら数度違ってきます。

あわせて、水草が濃く入っていないかも見てください。日中は酸素を出してくれますが、夜間は水草も呼吸をして酸素を消費します。夏の高水温と濃い水草が重なると、明け方に酸素がもっとも薄くなります。朝だけ様子がおかしいなら、この線が濃厚です。酸欠と白濁が同時に出ている場合の対処は、バクテリアを入れすぎたときの白濁りと酸欠の対処法にまとめてあります。

所長のひとこと

泳ぎ方の異常は、見ていて本当に落ち着かないものだと思います。ただ、回転しているという情報だけでは原因は決まりません。腹側が上を向くのか、その場で旋回するのか。一匹だけか、複数匹か。直前に何をしたか。この三つを押さえるだけで打つ手が変わるので、まずはそこから確認してみてほしいなと思います。

回転してるメダカへの対処と再発の防ぎ方

型が決まったら、次は行動です。ここからは型ごとの対処、順番、そして戻らない回転との付き合い方を扱います。共通しているのは、いきなり薬を使わないという点ですよ。

転覆型に効く絶食と水温の上げ方

餌を止める、水温を上げる、水深を浅くするという3段階の手順を並べた図解
転覆型の対処を絶食・保温・環境調整の3段階で示した手順

消化の滞りや低水温が背景にある転覆型は、絶食と保温がもっとも効きます。順番としては、まず餌を止める、次に水温を上げる、それから数日待つ、という流れです。

ただし始める前にひとつだけ。最後に水を換えたのはいつか、餌が多くなっていないか、この2点は軽く確認しておいてください。転覆に見えても背景に水質の悪化があると、絶食だけで数日過ごすあいだに状態が進んでしまいます。心当たりがあるなら、3分の1の水換えを先に一度入れてから絶食に移るほうが安全です。

絶食の期間は、まず3日を目安にしてみてください。メダカは数日の絶食では弱りませんし、消化に使っていた体力が回復に回ります。餌を止めることで水も汚れにくくなるので、二重に効きます。3日で変化がなければ、さらに数日延ばしても構いません。

水温は、消化を助ける方向へ動かします。低水温期であれば、ヒーターで少しずつ上げてください。目安として24度から27度あたりで安定させると消化が進みやすくなります。ただし上げるときは一日に1度から2度ずつ。一気に上げると、それ自体がショックになります。

再開するときも急がないでください。回復のきざしが見えたら、まずごく少量から。粒を数個、それも沈下性のものにすると、空気を飲み込むリスクも減らせます。元の量に戻すのは、数日かけてゆっくりで十分です。

手順 やること 目安
1 餌を完全に止める まず3日
2 水温をゆっくり上げる 1日1〜2度ずつ、24〜27度へ
3 水流を弱め、水深を浅くする 深さ15センチ前後
4 変化を毎日記録する 写真で比較する
5 回復が見えたら少量から再開 沈下性の餌を数粒

ドリル型でまずやる水換えと隔離

慎重な水換え、餌を止める、隔離の判断という3段階を並べた図解
ドリル型の対処を水換え・絶食・隔離判断で示した手順

ドリル型は逆で、絶食よりも水換えが先です。原因が水にある可能性が高いからですね。

ただし、ここで一気に大量に換えないでください。すでに水質が偏っている状態で急に環境を変えると、pHショックを上乗せすることになります。3分の1ずつ、数時間から一日空けて複数回に分けるほうが安全です。新しい水は温度を合わせ、差は2度以内を目安にしてください。

並行して、餌は止めるか大幅に減らします。アンモニアの発生源を断つためで、水換えと組み合わせると効きが早くなります。

隔離については、判断が分かれます。原因が水質なら、その個体だけ移しても根本は解決しません。むしろ移動そのものが負担になります。隔離を選ぶのは、ほかの個体に追われている、体表に明らかな異常がある、症状が一匹だけで進行しているという場合に絞ってください。ただし、体表に異常がなくても数日のうちに似た症状が複数匹へ広がっていくようなら、そこは感染を疑う場面です。隔離容器は簡単に自作できるので、必要になったらメダカの隔離容器を100均やペットボトルで自作する手順の記事を見てみてください。

体型が理由の回転は治すより支える

ダルマ体型のように、構造的に姿勢を保ちにくい個体もいます。この場合、回転そのものを止めることはできません。方針を「治す」から「暮らしやすくする」へ切り替えるほうが、その子のためになります。

具体的にできることは四つあります。ひとつは水深を浅くすること。水面の餌まで上がる距離が短くなるだけで、消耗がかなり減ります。ふたつめは水流を弱めること。姿勢を保つのに体力を使っている個体にとって、流れは大きな負担です。

みっつめは餌の形を変えること。浮上性だけだと水面まで上がれない個体が食べ損ねますし、空気を飲み込むリスクもあります。沈下性を併用し、給餌の時間を少し長めにとって、その子が食べるところまで見ていてあげてください。

よっつめは同居相手です。動きの速い個体や活発なオスと一緒だと、餌を取り損ねたり追われたりします。穏やかな個体と組ませるか、単独に近い環境のほうが落ち着いて過ごせます。

所長のひとこと

体型由来の転覆は、飼い方が悪かったから起きたわけではありません。品種としてそういう体つきを選んで固定してきた結果なので、そこは飼い主が背負わなくていい部分かなと思います。大事なのは、その子が餌を食べられて、落ち着いて過ごせているかどうか。私はそこを基準に置きたいと考えています。

沈下性の餌は、水面まで上がれない個体のいる容器に一袋あると安心です。粒が小さいものを選ぶと、口の小さな個体でも食べやすくなりますよ。

塩浴や薬に進む判断の目安

ここまでの対処で改善しない場合に、初めて塩浴や薬を検討します。順番を最後にしているのには理由があって、原因が水質や消化なら塩や薬は効かず、体力だけを削るからです。

塩浴を検討するのは、水換えと絶食を数日続けても改善しない、体力の低下が見えている、といった場面です。一般的な目安として濃度は0.3パーセント前後、期間は1週間ほどを区切りに見ます。いきなり目標濃度にせず段階的に上げること、終えるときも数日かけて真水に戻すことが基本です。

塩の量は水の重量に対する比で決めます。計算しやすいように並べておきます。

水量 0.3パーセントの塩 0.5パーセントの塩
1リットル 約3グラム 約5グラム
2リットル 約6グラム 約10グラム
5リットル 約15グラム 約25グラム
10リットル 約30グラム 約50グラム

実務的な注意もひとつ。塩は蒸発しないので、水が減った分を塩水で足すと濃度が上がっていきます。足し水には真水を使い、塩を入れるのは水換えの分だけ。ここを取り違えると、知らないうちに濃くなりすぎます。水草は塩に弱いので、塩浴中は別容器にしてください。

薬に進むのは、体表に白い点や白い膜、鱗の逆立ち、充血といった具体的な症状が見えているときです。逆に言えば、症状が見えないまま薬を入れるのは避けたい選択になります。

薬の種類と用量は製品ごとに異なり、同じように見える症状でも適応となる薬が違います。ここに書いた内容は一般的な整理であって、目の前の個体に対する診断ではありません。複数の薬を自己判断で混ぜる、規定より濃くする、期間を延々と延ばすといった使い方は、かえって状態を悪くする可能性があります。用法用量は必ず製品の表示と添付文書を確認してください。また、鱗の逆立ちをともなう転覆や、腹水を疑う膨らみが出ている場合は進行が早いことがあるため、自己判断で処置を重ねる前に、購入したお店や観賞魚を専門的に扱っている方へ相談することをおすすめします。最終的な判断は専門家にご相談ください。

それと、回復の見込みについても正直に書いておきます。消化不良や低水温が背景の転覆型、そして水質が原因のドリル型は、早めに気づいて対処できれば戻ることが少なくありません。一方で、体型由来のものは戻りませんし、腹水や神経系の障害まで進んだものは難しい場面が多いです。戻るものと戻らないものを分けて考えることが、結局はその個体の負担を減らすと思っています。

メダカが回転してることについてよくある質問

回転しているメダカは助かりますか

原因によって見込みが変わります。餌の与えすぎや低水温による消化不良からくる転覆は、絶食と保温で戻ることが少なくありません。水質の悪化やアンモニア中毒によるふらつき・旋回も、早い段階で水を換えれば持ち直すことがあります。一方で、ダルマ体型のように構造が理由のものは元に戻りませんし、腹水や鱗の逆立ちをともなうところまで進んだ場合は難しい場面が多いです。まずは動きの型を分類して、戻る見込みのある原因かどうかを見極めるところから始めてみてください。

回転する症状はほかのメダカにうつりますか

転覆という状態そのものは感染するものではありません。ただし、同じ容器の個体が次々に同じ動きを見せる場合は、うつったのではなく全員が同じ環境要因にさらされていると考えるほうが正確です。餌の与えすぎ、水温の低下、水質の悪化はすべての個体に等しくかかります。逆に、細菌感染や寄生虫が背景にある場合は、ほかの個体へ広がることがあります。複数匹に出ているなら、個体を隔離するより先に水温・酸素・水質を確認してください。

餌を止めたら何日で戻りますか

消化不良が背景であれば、3日ほどを一区切りに見るのが目安です。腸の内容物が排出され、浮力が戻ってくるまでには時間がかかります。3日で変化がなければ、さらに数日延ばしても構いません。あわせて水温を24〜27度あたりで安定させると消化が進みやすくなります。ただし水温を上げるときは1日に1〜2度ずつにしてください。何日たっても変化がなく、お腹の膨らみが引かない、鱗が逆立ってきたという場合は、消化不良以外の要因を疑う段階です。

水換え直後から泳ぎがおかしくなりました

pHショックや水温ショックの可能性が高いです。水のpHや温度が急に変わると、メダカは強い負担を受け、ふらつきや旋回、体の震えといった動きが出ることがあります。ここで慌ててさらに水を換えると、変化を上乗せすることになるので逆効果です。水温を安定させ、静かな環境にして餌を止め、時間をかけて様子を見てください。次回からは一度に半分以上を換えない、新しい水は温度を合わせて2度以内の差に収める、といった進め方にすると防げます。

ダルマメダカが回転するのは避けられませんか

体型が理由の場合、完全に避けることは難しいです。背骨が詰まった体型は内臓と浮き袋が狭い空間に収まっているため、構造的に姿勢を保ちにくくなります。ただ、負担を減らすことはできます。水深を浅くする、水流を弱める、沈下性の餌を併用して食べる機会を増やす、動きの速い個体と分ける。これだけでも消耗が変わります。加えて、消化不良が重なると悪化しやすいので、餌の量を控えめにし、低水温期は特に慎重に与えてください。

メダカが回転してるときのまとめ

整理しておきます。「回転してる」は一つの症状ではなく、二つの型に分かれていました。

お腹が上を向く、横倒しで転がる、浮いたまま沈めない。これが転覆型で、浮き袋のガス量の問題です。背景は消化不良と低水温、体型、腹水、空気の飲み込み。対処は絶食と保温が中心で、餌を止めて3日、水温は1日1〜2度ずつ24〜27度へ、というのが基本の流れになります。

体は水平なのにその場で旋回する、螺旋を描く。これがドリル型で、平衡感覚か左右の推進力の問題です。背景はアンモニア中毒、pHショック、ヒレ不全、高水温と酸欠。対処は水換えが先で、3分の1ずつ複数回に分け、餌は止めるか減らします。

判定のコツは、動きを止めた瞬間を見ること。止まると姿勢が崩れるなら転覆型、泳ごうとすると軌道が曲がるならドリル型です。そして複数匹に出ているなら個体ではなく環境、直前に何かをしたならその操作を先に疑う。この二つを足すと、かなり早く原因にたどり着けます。

塩浴や薬に進むのは、ここまでの対処で改善しないとき、あるいは体表に具体的な症状が見えているときです。順番を守ることが、結果的にその個体の体力を守ることになります。そして、戻るものと戻らないものがあることも、あらかじめ知っておいてください。体型が理由の回転は治すのではなく、水深を浅く、水流を弱く、餌を届きやすく、という方向へ切り替えるのが現実的です。

なお、ここで挙げた日数や温度はあくまで一般的な目安であり、水槽の環境や個体差によって適した対応は変わります。器具や薬剤の使い方は製品ごとに異なるため、正確な情報は公式サイトをご確認ください。判断に迷う場面では、購入したお店や観賞魚を専門的に扱っている方へ相談してみてください。最終的な判断は専門家にご相談ください。あなたのメダカが、また真っすぐ気持ちよく泳ぐ日が来ることを願っています。

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