初心者でも失敗しない!水草の陰性種の選び方と育て方ガイド
こんにちは。THE AQUA LAB、運営者の「所長」です。
アクアリウムを始めたばかりの頃って、キラキラした水草水槽に憧れる反面、強力なライトや難しいCO2の機材を揃えるのはちょっとハードルが高いなと感じることもありますよね。私も最初はそうでした。暗めの環境でも元気に育ってくれる水草の陰性種の種類を知りたい、あるいは初心者でも枯らさずに管理できる育て方が知りたいと思っている方は多いはずです。この記事では、そんな皆さんの不安を解消するために、水草の陰性種のおすすめな品種から、コケに悩まされないためのコツまでを分かりやすく紹介します。これを読めば、きっとあなたも緑豊かな癒やしの水景を長く楽しめるようになりますよ。
- 暗い場所でも育つ水草の陰性種が持つ驚きの生命力とメリット
- 初心者でもこれだけは押さえておきたい失敗しないための主要な品種
- 特別な機材がなくても水草を美しく保つための具体的な管理方法
- コケや病気から大切な水草を守るためのメンテナンスの重要ポイント
初心者におすすめしたい水草の陰性種の魅力

陰性水草を選ぶ3つのメリット(省エネ・頑丈・時間)
アクアリウムの世界で「陰性」と呼ばれる水草たちは、実はとっても健気で面白い存在なんです。ここでは、なぜ私がこれほどまでに彼らをおすすめするのか、その理由と基本的な種類についてお話ししますね。陽性水草のような派手な成長速度はありませんが、その分、じっくりと時間をかけて水槽に馴染んでいく姿には、何とも言えない愛着が湧くものですよ。
陰性な水草の種類と代表的な品種の解説
そもそも「陰性水草」とは何を指すのか、というお話から始めましょうか。園芸の世界でいう「耐陰性(たいいんせい)」に近い概念で、光合成に必要な光の量が少なくて済む植物のことを言います。専門的に言うと「光補償点」が低い植物たちですね。彼らは熱帯雨林の大きな木の影や、濁った川の底など、あまり光が届かない場所で生き抜くために進化したエリートたちなんです。だからこそ、私たちのリビングにある水槽という限られた環境でも、元気に過ごしてくれるわけです。
主な分類とスタイルの違い
陰性水草は、その育ち方によって大きくいくつかに分類されます。まずは着生(ちゃくせい)植物。これは地面に根を張るのではなく、流木や岩に「根茎(こんけい)」という太い茎を這わせてしがみつくタイプです。アヌビアスやミクロソリウム、ボルビティスなどがこれに当たります。次にロゼット型。これはタンポポのように中心から葉が放射状に広がるタイプで、クリプトコリネが代表格です。さらに、水底を這うように広がるモス(苔)類もありますね。
| グループ名 | 代表的な水草 | 主な特徴と魅力 |
|---|---|---|
| アヌビアス系 | アヌビアス・ナナ | 葉が非常に硬く、金魚の食害にも強い。最もポピュラー。 |
| ミクロソリウム系 | プテロプス、ナロー | シダの仲間。流木に付けると野生的な雰囲気が出る。 |
| クリプトコリネ系 | ウェンティ、ネビリイ | 土に植えるタイプ。環境で色が変わるのが面白い。 |
| ブセファランドラ系 | クダガン、シンタン | 宝石のようなラメがあり、水中で花を咲かせることも。 |
これらの種類に共通しているのは、「低エネルギー環境でも美しさを維持できる」という点です。都会のビル影でひっそり咲く植物のように、水槽の隅っこでも自分のペースでゆっくり成長してくれるのが最大の魅力かなと思います。成長が遅いということは、裏を返せば「トリミングなどの手間が少なくて済む」ということでもあるので、忙しい方にもピッタリの選択肢なんですよ。
初心者におすすめの最強に丈夫な種を厳選
さて、実際にどの子を水槽に迎え入れればいいのか、迷ってしまいますよね。私が「これならまず大丈夫!」と太鼓判を押せるのは、やはりアヌビアス・ナナとミクロソリウム・プテロプスです。この2つは、まさに陰性種のツートップ。もし私が「明日から無人島で水草を育てろ」と言われたら、迷わずこの2つを持っていきます(笑)。それくらい、環境の変化に強くてタフなんです。

最初の1株はこの2種:アヌビアス・ナナ/ミクロソリウム・プテロプス
アヌビアス・ナナの圧倒的な安心感
特にアヌビアス・ナナは、多少光が弱くても、あるいは肥料をあげ忘れても、枯れることはまずありません。葉っぱが非常に厚くて丈夫なので、お魚につつかれてボロボロになることもほとんどないですね。サイズもコンパクトなので、小さなボトルアクアリウムから大型水槽まで、どこにでも馴染んでくれます。もっと小さいサイズが良ければ「アヌビアス・ナナ・プチ」という種類もありますよ。
アヌビアス・ナナが黒くなる原因と復活・活着のコツもあわせて読むと、失敗ポイントを先回りできます。
ミクロソリウムの野生的な美しさ
一方のミクロソリウム・プテロプスは、縦に長く伸びる葉が特徴で、水槽の後ろの方に配置すると非常に見栄えがします。シダ植物特有の深い緑色は、眺めているだけで心が落ち着きます。ただ、ミクロソリウムには一つだけ注意点があって、それは「根茎(こんけい)」と呼ばれる太い茎の部分を砂の中に深く埋めてしまわないこと。埋めてしまうと通気が悪くなって腐ってしまうことがあるんです。石や流木に糸で括り付けておくだけで、勝手に根を伸ばして固定してくれるので、無理に植え込まないのが成功の秘訣ですね。

失敗の9割は植え方:根茎(こんけい)は砂に埋めない
初心者が最初に選ぶなら、まずは「活着済み(かっちゃくずみ)」として売られている、石や流木に最初から付いているものを選ぶのが一番簡単です。そのまま水槽に沈めるだけで、プロが作ったような自然な水景が手に入りますよ。
CO2なしや明るい光がなくても育つ環境
水草育成のハードルを上げている要因の一つに、「CO2(二酸化炭素)の添加」と「強力な照明」がありますよね。でも安心してください。陰性種ならCO2なしでも十分育ちます。実はお魚やエビが呼吸で吐き出す二酸化炭素、それから水面が揺れることで溶け込むわずかな空気中の二酸化炭素だけで、彼らは生きていくのに必要なエネルギーを作ることができるんです。
光の加減は「ほどほど」がベスト
光についても、いわゆる「水草専用の超強力LED」じゃなくて、一般的な水槽セットに付属しているライトや、少し明るい部屋の明かりだけでもなんとかなります。むしろ光が強すぎると、成長の遅い陰性種の葉にはコケがびっしり付いてしまう原因になるんです。日光に例えるなら、真夏の直射日光ではなく、レースのカーテン越しの柔らかい光をイメージしてもらうと分かりやすいかもしれません。
なぜ「CO2なし」でも大丈夫なのか
陰性水草は、代謝が非常にゆっくりしています。陽性水草(グロッソスティグマやヘアーグラスなど)が「スポーツカー」のようにガソリン(光とCO2)をガンガン消費して爆走するのに対し、陰性水草は「電気自動車の省エネモード」で走っているようなものです。少ない資源を効率よく使う術を知っているので、特別な機材を揃えなくても、じっくり時間をかけて綺麗に育ってくれるというわけです。もちろん、CO2を添加すればもっと艶やかに、もっと早く育ちますが、無理に導入する必要がないというのは、初心者の方にとって大きなメリットですよね。
陰性種を活かしたレイアウトの作り方
レイアウトを考えるとき、私は陰性水草を「水槽の骨組み」や「影の演出」として使うのが好きです。彼らの深い緑色は、水槽全体にどっしりとした落ち着きと奥行きを与えてくれます。明るい色の砂や、華やかなお魚を引き立てるための「背景」として、これ以上の素材はありません。
奥行きを出すための「影」の配置
具体的なテクニックとしては、「あえて影を作る場所」に配置することをおすすめします。例えば、大きな流木の影になる部分や、石の足元。こうした暗くなりがちな場所に陰性種を置くことで、水槽の中に暗い部分と明るい部分のコントラストが生まれ、視覚的な深みがグッと増すんです。
- 流木の根元にアヌビアスを配置して、大木が地面に根を張っているような力強さを出す。
- 中景(真ん中あたり)の大きな石の隙間にミクロソリウムを挟んで、渓流のような野生味を演出する。
- 水槽の左右の端に背の高いボルビティスを置いて、視線を中央に集める「フレーム」にする。
接着剤を活用した時短テクニック
最近は「水草専用の接着剤」という便利なものも市販されています。昔は糸でぐるぐる巻きにするのが主流でしたが、今は小さな石に接着剤でペタッと貼るだけでOK。
これなら初心者の方でも、思い通りの場所に水草を配置できますよね。隙間を埋めるように配置していくことで、水槽全体が一つの完成された「風景」に見えてくるはずです。レイアウトの構図で迷ったら、おしゃれな水槽レイアウトを作る基本の構図も参考になります。

陰性水草のレイアウト術:影で奥行き/金魚・タナゴとも好相性
金魚やタナゴと相性の良い種類の選び方
「うちは金魚を飼っているから、水草はすぐに食べられちゃうだろうな」と諦めていませんか?確かにカボンバやアナカリスといった柔らかい水草は、金魚にとっては美味しいサラダのようなもの。でも、陰性水草なら話は別です。アヌビアスやミクロソリウムの葉は、非常に繊維が強くて硬いので、金魚も一口食べて「あ、これ固くて無理だわ」と諦めてくれることが多いんです。
和のお魚と深い緑の相性
また、日本に古くから馴染みのあるタナゴやメダカ、ドジョウといったお魚とも、陰性水草は相性抜群です。特にタナゴの仲間は、水草の茂みに隠れる習性があるので、ミクロソリウムのような適度な隙間がある水草は最高の隠れ家になります。和風の石組みに深い緑の陰性種を合わせると、まるで日本の原風景を切り取ったような、情緒ある渋いレイアウトが完成しますよ。
金魚は底の砂を口に含んで掘り返すのが大好きですが、流木や石に活着させて使う陰性種なら、せっかく配置した水草が浮いてしまう心配もありません。掃除の際も、流木ごとヒョイっと持ち上げればいいだけなので、メンテナンス性も非常に高いんです。まさに金魚水槽のために生まれてきたような植物たちですね。
ただし、お腹が空きすぎた金魚は、新芽などの柔らかい部分を攻撃することもあります。エサをしっかりあげて、水草への興味を逸らしてあげるのも、共存のためのちょっとしたコツかもしれません。
水草の陰性種を美しく長期維持する育て方

長期維持の基本:トリミング・水換え・肥料(控えめ)
「丈夫で枯れない」と言われる陰性種ですが、ただ放っておくだけでいいわけではありません。実は、成長が遅いからこそ注意しなければならない「陰性種ならではの悩み」もあるんです。ここからは、私がこれまでに何度も失敗して学んできた、美しさを長くキープするための具体的な「お作法」を伝授しますね。
また、陰性水草に限らず、コケや不調の多くは「水槽の土台(バクテリアと水質)」が整っているかどうかで難易度が変わります。立ち上げが不安な方は、水槽のバクテリア確認方法(立ち上げ完了の目印)も先にチェックしておくと安心です。
ミクロソリウムのシダ病対策と治療法
ミクロソリウムを育てていると、ある日突然、葉っぱの先が茶色く透けてきて、そこからドロドロと溶け出すことがあります。これがアクアリストに恐れられる「シダ病」です。まるで火が燃え広がるように、たった数日で水槽内のミクロソリウムが全滅することもある、非常に厄介なトラブルなんです。
なぜシダ病が起きるのか?
一番の原因は「高水温」。特に日本の蒸し暑い夏場、水温が28度〜30度を超えたあたりで発症しやすくなります。次に「通水の悪さ」。葉っぱが密集しすぎて、水が滞っている場所は細菌が繁殖しやすく、病気の温床になりがちです。人間で言うところの、夏の湿気で起きる肌荒れのようなイメージでしょうか。
もし病気のような葉を見つけたら、もったいないと思わずにすぐに根元からカットして水槽から出してください。中途半端に切るのではなく、茎の根元から丸ごと除去するのが鉄則です。感染力が強いので、怪しい葉は全て取り除くくらいの勇気が必要です。また、カットしたハサミは一度綺麗に洗ってから他の株に使うようにしましょう。
予防策としては、やはり「水温を上げないこと」と「適度なトリミングで風通し(水通し)を良くすること」。これに尽きます。株を流木に付ける際も、欲張ってぎゅうぎゅうに詰め込まず、少し隙間を開けてあげると、病気のリスクをグッと下げることができますよ。

2大トラブル対処:夏の高水温(28℃超え防止)/黒髭ゴケ(木酢液ペイント)
木酢液を活用した頑固なコケ対策の手順
陰性種最大の敵、それは「コケ(藻類)」です。成長が遅いので、一枚の葉っぱが数ヶ月から数年も水中に残り続けます。その間に、黒いヒゲのような「黒髭ゴケ」や、緑の点々とした「スポット状ゴケ」が葉の表面にびっしり付いてしまうんですね。これを物理的に擦って落とすのは大変ですが、裏技として「木酢液(もくさくえき)」を使う方法があります。
木酢液を使った「ペイント法」の手順
- 水換えのタイミングで、水位を下げてコケの付いた葉を空気中に露出させる。
- 2〜4倍に薄めた木酢液を、筆や使い古した歯ブラシでコケの部分に丁寧に塗る。
- 1分ほど(アヌビアスなど丈夫な種なら2分程度)放置する。
- すぐに真水で洗い流すか、水を注いで水槽を満たす。
こうすると、数日後に黒髭ゴケが赤紫色に変色して枯れます。枯れて柔らかくなったコケは、ヤマトヌマエビたちが「待ってました!」と言わんばかりに食べて掃除してくれますよ。実践前の注意点や、木酢液以外の選択肢も含めて、黒髭ゴケ(黒い苔)を根絶する原因と駆除・対策まとめで詳しく解説しています。
ただし、ウィローモスなどの柔らかい苔類や、葉の薄いクリプトコリネには木酢液は強すぎて、水草自体が枯れてしまうので絶対に使わないでくださいね。あくまで「硬い葉を持つ種類」限定のテクニックです。
トリミングによる増殖と維持のポイント
「陰性水草は放置でいい」と思われがちですが、実は定期的なトリミング(剪定)こそが、長期維持の最大のポイントです。古い葉をいつまでも残しておくと、新しい芽が出るためのエネルギーが分散してしまい、株全体が弱々しくなってしまうんです。また、古い葉にはコケが付きやすいので、見た目も悪くなってしまいます。
「間引き」で株を若返らせる
私の場合は、一つの株に葉っぱが増えてきたら、特に古くて色の悪い葉を根元からパチンと切るようにしています。こうして隙間を作ってあげると、光が根元まで届くようになり、新しい元気な芽がひょっこり顔を出してくれるようになります。
また、増やすのも簡単です。アヌビアスやミクロソリウムなら、横に伸びる「根茎」をキッチンバサミで適当な位置(節の間)で切り分けるだけでOK。分けたそれぞれの株からまた新しい葉が出てくるので、気づけば一つの株が数年で水槽いっぱいに増えていた、なんてこともよくあります。ミクロソリウムの場合は、葉っぱの裏側に「子株」がつくこともあります。これが十分に大きくなったら、優しく指で摘んで取ってあげて、別の石に付ければ立派な新しい株の誕生です。これを繰り返すだけで、追加で水草を買わなくても豪華な水景が作れるようになりますよ。
夏場の高水温から守る温度管理の注意点
「熱帯の水草だから、暑さには強いんでしょ?」と思われがちですが、実はその逆です。多くの陰性種は、熱帯の中でも涼しい渓流や、日光が遮られた森の中に生息しています。そのため、日本の締め切った部屋の中にある水槽の水温が30度を超えると、人間がサウナにずっと閉じ込められているような状態になり、一気にダメージを受けてしまいます。
28度の壁を意識する
私が経験上感じているのは、「28度」が運命の分かれ道だということ。28度を超えるとシダ病の発症率が跳ね上がり、アヌビアスの葉も黄色くなりやすくなります。
夏場は以下の対策を組み合わせて、できるだけ水温を安定させましょう。
- 水槽用の冷却ファンを取り付ける(気化熱で2〜3度下がることがあります)。
- 部屋のエアコンを弱めに運転し、室温ごと底上げを防ぐ。
- 予算が許すなら、最強の味方「水槽用クーラー」を導入する。
一番やってはいけないのは、氷を直接水槽に入れること。急激な温度変化はお魚にも水草にも大きなストレスになります。数値はあくまで目安ですが、安定した環境こそが最大の肥料になります。
「クーラーが本当に必要か」「ファンやエアコンで代用できる限界はどこか」は、環境条件で答えが変わります。判断基準を整理したい方は、本当に水槽クーラーはいらない?代用の限界と夏の生存率も参考になります。
肥料の与え方と適切な光量の調整方法
最後に、栄養のお話です。陰性水草を育てている方の多くが「肥料をあげすぎてコケだらけになる」という失敗をしています。先ほども言った通り、彼らは省エネモードで生きているので、大量の栄養は必要ありません。ご飯を山盛りにされても食べきれず、余った分をコケが奪い合って大繁殖してしまう……という構図ですね。
液体肥料は「薄く、定期的に」
基本的には、週に一度の水換えの後に、市販の液体肥料をメーカー規定量の半分から3分の1くらい入れるだけで十分です。特に鉄分(Fe)が含まれている肥料をあげると、深い緑色がより鮮やかになり、葉にツヤが出てきます。
もしクリプトコリネのように砂に植えるタイプを育てているなら、砂の中に直接差し込む「固形肥料(イニシャルスティックなど)」を数ヶ月に一度、一粒か二粒足してあげるのが効果的です。根っこから直接栄養を吸えるので、水の汚れを最小限に抑えつつ健康に育てられます。
光量についても、コケが目立つようならライトの点灯時間を少し短くするか(1日6時間程度に)、ライトと水面の距離を離すなどして、少しパワーを落としてみてください。「ちょっと暗いかな?」と感じるくらいの方が、陰性水草の美しさは引き立つものですよ。
初心者が水草の陰性種を楽しむためのまとめ
ここだけは「所長が実際にやらかした話」を書いておきます。陰性種は丈夫ですが、基本を外すとしっかり不調が出ます。
- 根茎を埋めて全滅しかけた:初心者の頃、ミクロソリウムを「植えた方が安定するだろう」と思って根茎ごと砂にグイッ。数日後、根茎がヌメっとして葉が次々溶けました。教訓は「根茎は埋めない。見えててOK」。活着は“固定”が目的で、“植え込み”ではありません。
- 陰性だからとライトを長時間→コケ祭り:弱光でいい=点灯時間を伸ばしてもいい、ではありません。8〜10時間点けっぱなしにしたら、アヌビアスの葉がスポット状ゴケだらけに。教訓は「光は強さより“総量(時間)”を管理」。まずは6時間前後からが安全でした。
- 木酢液を“全部”に使って撃沈:黒髭ゴケに勝ちたくて、勢いでクリプトコリネにもペイント……翌日から葉がぐったり。教訓は「硬い葉限定&迷ったらやらない」。新芽が出るまで数週間、反省会になりました。
- 夏の油断でシダ病を広げた:ファンで安心して窓を閉め切ったら、水温がいつの間にか30度近くに。さらに焦って同じハサミで切り回して、感染を広げてしまいました。教訓は「28度超えを作らない」「切った道具は洗う(できれば消毒)」。この2つで被害は激減します。
所長の独自の分析・考察:陰性種選びは「光」より「温度×流れ×栄養」の相性で決まる

光より大切な3要素:水温×水流×栄養のバランス
陰性水草の相談で一番多い誤解が、「陰性=暗いほど良い」というイメージです。実際は、暗さそのものよりも、成長がゆっくり=環境の歪み(高水温・通水不足・栄養過多)の影響を受けやすい、という点が本質だと感じています。
- 水温:陰性種の不調は「暑さ」で一気に加速します。とくにミクロソリウム系は、高水温+停滞が重なるとトラブルが出やすいので、夏場の温度対策を先に考えるのが重要です。
- 水の流れ(通水):同じ光・同じ肥料でも、葉の表面に新しい水が当たるかどうかでコケの付き方が変わります。陰性種は葉が長持ちする分、“葉の表面を洗う流れ”を作るだけで見た目が保ちやすいです。
- 栄養:陰性種は消費が少ないので、入れた栄養が余りやすい。つまり「肥料の量=コケへの寄付」になりがちです。魚が多い水槽ほど、追加肥料は少なめで十分なケースが多いですね。
- 種の選び分け:「とにかく失敗したくない」ならアヌビアス系、「森っぽい雰囲気」ならミクロソリウム系、「色変化や密度を楽しみたい」ならクリプトコリネ系……という具合に、狙う水景→必要な管理ポイントが逆算できます。
この3要素(温度×流れ×栄養)を整えてから光を微調整すると、陰性種は本当に安定します。逆に言うと、光だけいじっても改善しない時は、だいたいこのどれかが詰まっています。
- Q. 陰性水草なら、ライトなしでも大丈夫ですか?
- A. 「短期間なら耐える」ことはあっても、長期維持は難しいです。部屋の明かりだけだと光量が足りず、徐々に弱ってコケに負けやすくなります。まずは弱めでもいいので、タイマーで一定時間(目安6時間)点けるのが安定への近道です。
- Q. 活着済みの流木や石は、そのまま入れてOK?薬品処理は必要?
- A. 基本は軽くすすいで、そのままで大丈夫です。心配なら水換えバケツで軽く振り洗いして、ゴミや枯れ葉を落としてから投入しましょう。薬品処理はリスクもあるので、よほど不安な時以外は“触りすぎない”方が結果的に安全です。
- Q. コケが付いた葉は残すべき?それとも切るべき?
- A. 見た目が気になるレベルなら、私は切ります。陰性種は葉が長寿命ですが、コケだらけの葉は“コケの家”になってしまいがち。新芽が出る余地を作る意味でも、古葉は整理した方が綺麗が続きます。
- Q. 金魚水槽だと肥料は必要ですか?
- A. 多くの場合、不要か「ごく少量」で十分です。金魚は排泄量が多いので、水中に栄養が溜まりやすいんですね。まずは無肥料で様子を見て、葉色が明らかに薄い時だけ少量から試すのがおすすめです。
- Q. クリプトコリネが突然溶けました。もうダメ?
- A. クリプトは環境変化で“葉を一度捨てる”ことがあります(いわゆるクリプト溶け)。根が生きていれば復活することが多いので、根元が腐っていなければしばらく触らず待ってください。ここでいじり倒すと、逆に長引きます。
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成功のためのチェックリスト(陰性水草・初心者版)
実行チェックリスト
- 最初の1株は「アヌビアス・ナナ」か「ミクロソリウム・プテロプス」から選ぶ(迷ったら活着済み)。
- 根茎(こんけい)は埋めない。石・流木に固定して“見えててOK”。
- ライトはタイマー管理でスタート(目安:1日6時間)。
- 水の流れが当たる配置にする(葉の表面が淀まないように)。
- 週1回の水換えを基本にする(まずは無理のない頻度で継続)。
- 肥料は規定量の1/2〜1/3から。魚が多い水槽は“入れない”選択肢も持つ。
- 古葉やコケ葉は早めに整理して、株を若返らせる。
- 夏は水温計で監視して「28度」を超えない設計にする(ファン・エアコン・クーラー)。
- 異変(溶け・変色・シダ病っぽい葉)を見たら、怪しい葉は早めに隔離・カット。ハサミは洗う。
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(水草)アヌビアスナナ ゴールデン&バルテリー 流木付 Sサイズ(1本)(約15cm)初心者でも沈めるだけの活着済みで、丈夫なアヌビアスを手軽に導入したい時に便利。リンク
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(水草)おまかせミクロソリウム&ウィローモス付 流木Sサイズ(約15cm前後)(1本)流木付きで配置するだけで奥行きが出て、ミクロソリウムの「根茎を埋めない」失敗も避けやすい。リンク
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リーベックス(Revex) コンセント タイマー スイッチ式 簡単デジタルタイマー PT70DW点灯時間を目安6時間で固定して、光の総量を管理しコケを抑えたい時に便利。リンク
さて、ここまで水草の陰性種について、その魅力から具体的なトラブル対策までを熱く語ってきましたが、いかがでしたでしょうか。「なんだか覚えることがいっぱいあるな」と思われたかもしれませんが、一度コツを掴んでしまえば、これほど飼い主に忠実で、手間のかからない水草は他にありません。
キラキラと激しく成長する有茎草も素敵ですが、時の流れが止まったかのように、静かに、そして確実に育っていく陰性水草の世界には、また別の深い感動があります。数年かけて作り上げられた陰性水草の茂みは、まさに「時間の結晶」であり、アクアリストの誇りでもあります。まずはアヌビアスを一株、お気に入りの石に付けるところから始めてみませんか?あなたの水槽が、より豊かな癒やしの空間になることを心から願っています。
※なお、具体的な水質の管理方法や、ここで紹介した手法があなたの水槽に最適かどうかについては、お近くの専門店のアドバイスも参考にしてみてくださいね。最終的な判断は、毎日の観察を通じて、あなた自身の手で行ってあげてください。素敵なアクアライフを!

ゆっくりとした成長を楽しむ(陰性水草の締め)
※もう一つ大切なお願いです。水草は生き物なので、処分のしかたを間違えると自然環境に影響が出ることがあります。川や池に捨てず、自治体ルールに従って適切に処分しましょう。
(出典:環境省『水草を利用される皆さまへ(PDF)』)



