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メダカの固定率とは?累代F1・F2の意味と卵を買う前の期待値の考え方

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メダカの固定率と累代表記の読み方、卵を買う前の期待値の考え方をまとめた表紙のスライド

メダカの固定率とは?卵を買う前に知っておきたい遺伝の基本

THE AQUA LAB 所長(イラスト)

こんにちは。THE AQUA LAB、運営者の所長です。

メダカの販売ページを見ていると、「固定率が高い系統です」「F3まで進んでいます」といった説明に出会うことがあります。

なんとなく良さそうな響きではあるものの、それが自分にとって何を意味するのかは分かりにくいですよね。

とくに卵や稚魚を買うときは、この言葉の意味を知っているかどうかで、届いたあとの満足度がまったく変わってきます。

結論から言うと、固定率とは親と同じ特徴を持った子が、どのくらいの割合で生まれるかを表した数字です。

そして、この数字が100%になることは、実際にはほとんどありません。

ここを知らないまま卵を買うと、「写真の親と全然違う子が育った」と落ち込むことになります。

逆に、仕組みを理解していれば、届く前から現実的な期待値を持てますし、販売ページのどこを読めばよいかも分かります。

この記事では、固定率と累代という2つの言葉を軸に、購入前に知っておきたい遺伝の基本を整理していきます。

  • 固定率という数字が何を表しているのか
  • F1・F2という累代表記の読み方と流儀の違い
  • 卵・稚魚・成魚のどれを買うかで期待値がどう変わるか
  • 販売ページで固定率をどう読み、どう質問すればよいか
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固定率とは何を表す数字なのか

まず、言葉の意味をそろえておきましょう。

固定率は、ある系統から子を採ったときに、親と同じ特徴を持った個体がどのくらいの割合で現れるかを示す数字です。

100匹採って10匹が親と同じ特徴なら、固定率は10%ということになります。

改良メダカは、人が選別を繰り返して特徴を安定させてきた魚なので、この数字が品種としての完成度を表すひとつの目安になっています。

ただ、ここで多くの方がつまずきます。

というのも、固定率という数字は品種の難しさだけで決まっているわけではないからです。

同じくらい大きく効いている、もうひとつの要素があります。

その前に、よく混同される言葉を整理しておきましょう。

固定率とよく似た場面で使われる言葉に、孵化率があります。

孵化率は、卵のうち何個が無事に孵ったかを表す数字です。

つまり孵化率は「生まれるかどうか」、固定率は「生まれた子が親に似るかどうか」を指しています。

卵を買うときは、この2つが別々のハードルとして立ちはだかることになります。

どちらか一方だけを見て判断すると、期待値の見積もりを誤ることになるので注意してください。

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数字は「何を合格とするか」で変わる

もうひとつの要素とは、判定の厳しさです。

具体的に考えてみましょう。

ある系統から100匹の子が採れたとします。

「その品種らしい色が出ていればよい」という基準なら、合格は半分を超えるかもしれません。

ところが「色の境目がぼやけていないこと」「柄の配置が崩れていないこと」まで求めた瞬間、合格は十数匹まで落ちます。

同じ魚、同じ血統なのに、固定率は50%にも10%にもなるわけですね。

ですから、「固定率◯%」という数字を店をまたいで比べても、あまり意味がありません。

業界で共通の合格ラインが決まっているわけでもありません。

数字を見たときは、その販売者が何を合格としているのかまで確認して初めて意味が分かる、と考えてください。

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なぜ100%にならないのか

次に、なぜ数字が100%にならないのかを説明します。

ここは遺伝の話になりますが、購入の判断に必要な範囲だけに絞ります。

メダカの見た目の特徴は、複数の遺伝子の組み合わせによって決まります。(出典:基礎生物学研究所 観賞用メダカのゲノム解析に関するプレスリリース

そして、その特徴の中には、両親から同じ型を受け継いだときだけ現れるものがあります。

こうした性質を潜性(かつては劣性と呼ばれていました)といい、改良メダカの色や柄には、この潜性の形質が多く含まれています。

つまり、見た目には特徴が出ていない個体でも、その性質を隠し持っていることがあるわけです。

逆に言えば、親が特徴を持っていても、子の組み合わせによっては表に出ないことがあります。

さらに、ラメの密度や光の伸びのように、複数の要素が積み重なって現れる特徴もあります。

この種の特徴は、遺伝の組み合わせに加えて、育つ環境の影響も受けます。

だからこそ、どれだけ選別を重ねても、すべての子が親と同じ姿になるということは起こりにくいのです。

この点は、悲観する話ではありません。

むしろ、同じ親から少しずつ違う子が生まれるからこそ、その中から気に入った個体を選ぶ楽しみが生まれます。

改良メダカの世界がこれだけ広がってきたのも、この「ばらつき」があったからです。

作出する側から見れば、ばらつきの中に新しい表現の芽が隠れている、ということになります。

固定率は「品質の証明書」ではありません。数字が低い系統が劣っているわけではなく、判定を厳しくしているだけということもあります。逆に高い数字を示していても、合格の基準が緩ければ実際の見え方は期待と違うことがあります。数字の背景まで見るのが、失敗を減らす読み方です。

累代(F1・F2)の読み方

F1・F2・F3以降・自家産の4つの表記について、意味と子の表現への期待と確認したいことを並べた表のスライド
累代表記(F1・F2)の読み方と期待値

固定率とセットでよく出てくるのが、累代の表記です。

累代とは、その系統を何世代重ねてきたかを表す言葉になります。

販売ページでは「F1」「F2」「F3」といった形で書かれることが多いですね。

この数字が大きいほど、選別を重ねてきた期間が長く、特徴が安定している可能性が高いと考えられます。

ただし、この表記にはいくつか注意点があります。

順番に見ていきましょう。

まず前提として、累代と固定率は別の言葉です。

累代は「何世代重ねたか」という回数の話で、固定率は「その結果どのくらい揃うようになったか」という成果の話になります。

回数を重ねれば必ず揃うわけではないので、この2つは分けて考える必要があります。

販売ページでは両方が並んで書かれていることが多いのですが、意味が違うと知っているだけで読み方が変わります。

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F1・F2の数え方

基本的な数え方はシンプルです。

異なる系統を掛け合わせて生まれた最初の子世代をF1と呼びます。

そのF1同士を掛け合わせて生まれた世代がF2、さらにその次がF3です。

ここで押さえておきたいのが、F1の段階では狙った表現が出にくいという点です。

先ほど触れた潜性の形質は、両親から同じ型を受け継いだときに現れます。

異なる系統を掛け合わせたF1では、片方からしか受け継いでいない形質が多く、表に出ないまま隠れることがよくあります。

その隠れた形質が組み合わさって現れ始めるのが、F2以降というわけです。

だからこそ、新しい表現を作るには何世代もの時間がかかります。

逆に言えば、「F1」と書かれた個体を買って子を採っても、親と同じ姿が揃うとは限らないということでもあります。

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表記の流儀に違いがある

もうひとつ、実務的な注意点です。

この表記には、生産者ごとの流儀があります。

掛け合わせを起点にF1と数える書き方が基本ですが、自分の手元で累代を重ねた回数を示して「自家産F3」と書く販売者もいます。

また、系統を維持しているだけの場合に、代を重ねるごとに数字を増やしていく書き方もあります。

ですから、数字そのものを他店と比べるより、その数字が何を起点にしているのかを確認するほうが確実です。

質問するなら、「この表記は何代目という意味ですか」と聞けば十分です。

答えられる販売者であれば、系統を管理して育てていると判断できます。

逆に曖昧な返答であれば、その数字を判断材料にしないほうがよいでしょう。

もうひとつ、累代が進んでいれば安心とは限らない、という点も押さえておきます。

世代を重ねていても、選別の基準が緩ければ特徴はばらついたままです。

逆に、世代が浅くても厳しく選別されていれば、揃った子が出ることもあります。

つまり累代の数字は、選別の厳しさとセットで初めて意味を持つ情報だということですね。

販売ページに選別についての記述があるかどうかも、あわせて確認してみてください。

→ 横にスクロールできます

表記 意味 子の表現への期待 確認したいこと
F1 掛け合わせた最初の子世代 ばらつきが大きい 何と何を掛けたか
F2 F1同士から生まれた世代 狙いの表現が出始める 選別の基準
F3以降 さらに世代を重ねたもの 安定してくることが多い 何代目を起点にしているか
自家産 その販売者が手元で採った世代 管理状況によって差がある 元の系統はどこか
記載なし 累代の情報がない 予測が立てにくい 質問して確認する

卵を買うときに固定率がどう効くか

卵から稚魚、成魚へと購入形態が進むほど不確実さが小さくなる関係を左右に並べたスライド
卵・稚魚・成魚で変わる不確実さ

ここからが、購入の判断に直結する話です。

固定率という考え方がもっとも重く効いてくるのは、卵を買うときです。

理由は単純で、卵の段階では中身をまったく確認できないからですね。

届いた卵がどんな姿に育つかは、親の写真と販売者の説明だけが手がかりになります。

そして、その卵から生まれた子の一部は、親と違う姿になります。

この「一部」がどのくらいの割合なのかを表しているのが固定率なので、購入前に期待値を調整するための材料になるわけです。

もうひとつ、卵ならではの事情があります。

卵は輸送に強く、まとまった数を安く買えるという利点があります。

そのぶん、届いてから成魚になるまでには数か月かかり、その間の管理はすべて購入者の手にゆだねられます。

つまり、時間と手間をかけて不確実さに向き合う買い方だということですね。

この性質を理解したうえで選べば、卵の購入はとても面白い選択肢になります。

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卵・稚魚・成魚で変わる不確実さ

購入する形態によって、抱えるリスクの種類が変わります。

卵の場合は、孵化するかどうか、育つかどうか、そして親に似るかどうかという3つのハードルがあります。

稚魚の場合は、孵化のハードルは越えていますが、育つかどうかと親に似るかどうかは残ります。

成魚であれば、すでに表現が出ているので、見た目については確認したうえで買えます。

つまり、安く買えるほど、不確実さを自分で引き受けるという構造になっているわけです。

これは損得の話ではなく、何を楽しみたいかという選択の話だと考えてください。

育てる過程を楽しみたい方には卵が向いていますし、確実に狙った姿を手に入れたい方には成魚が向いています。

卵を買うときの具体的な注意点は、メダカの卵通販は安全?孵化率と偽物の見分け方にまとめています。

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期待値を先に調整しておく

卵を買うと決めたら、届く前にひとつ決めておいてほしいことがあります。

それは、どのくらい似ていれば納得できるかという自分の基準です。

たとえば10個の卵を買って、5匹が育ち、そのうち2匹に親の特徴が出たとします。

これを「2匹も出た」と受け取るか、「3匹は外れだった」と受け取るかで、満足度はまったく変わります。

改良メダカの世界では、前者の受け止め方のほうが現実に近いと思います。

とくに複数の要素が組み合わさった品種では、すべての要素が揃った個体が出る確率は決して高くありません。

もうひとつ、時間の感覚も持っておくと安心です。

卵から孵化するまでにおよそ1〜2週間、そこから特徴が見えてくるまでには数か月かかります。

とくに体外光やラメといった表現は、成長にともなって現れるため、稚魚のうちは判断できません。

「思っていたのと違う」と感じても、それが最終形とは限らないわけですね。

結論を出すのは、少なくとも体が仕上がってきてからにしてください。

そのうえで、外れた個体も健康な魚であることに変わりはない、という点を思い出してください。

親の特徴が出なかった個体も、群れの中で泳ぐ姿は十分に美しいものです。

◆所長のワンポイントアドバイス

卵から育てるときは、生まれた子を「当たり外れ」で見ないほうが長く楽しめます。狙った表現が出た個体は種親候補として大切に、そうでない個体は群れとして眺める。この2つの楽しみ方を用意しておくと、固定率の数字に一喜一憂しなくなります。

固定率が低くなりやすい品種の特徴

複数の要素が組み合わさった品種と、容器の色や日照など環境の影響を受けやすい表現の2つを並べたスライド
固定率が低くなりやすい2つの特徴

どんな品種でも固定率が同じというわけではありません。

構造的に数字が低くなりやすい品種には、いくつかの共通点があります。

これを知っておくと、販売ページを見た段階で「この品種は期待値を低めに見ておこう」という判断ができます。

ここでは2つのパターンを説明します。

どちらも、その品種が劣っているという意味ではありません。難しいからこそ価値がある、という見方もできます。

なお、体型やヒレの表現についても同じことが言えます。

ダルマ体型のように体のつくりが変わる表現は、狙って出そうとしても一定の割合でしか現れないことが知られています。

そのため、体型の名前が付いた品種の卵を買う場合は、生まれた子の全部がその体型になるわけではない、と考えておく必要があります。

この点は、購入前に販売者へ確認しておくと安心です。

ヒレの表現も同様で、伸び方には個体差があります。

同じ親から採れた子でも、よく伸びる個体とそれほどでもない個体が混ざるのが普通です。

これらの表現を狙うときは、数を採って選別することが前提になる、と考えておいてください。

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複数の要素が組み合わさった品種

もっとも分かりやすいのが、複数の特徴を同時に持つ品種です。

たとえば、体色の柄とラメと体外光を同時に求める品種があるとします。

それぞれの特徴が子に受け継がれる確率が仮に半分ずつだとすれば、3つ揃う確率はさらに小さくなります。

実際の遺伝はこれほど単純ではありませんが、要素が増えるほど全部が揃う確率は下がるという関係は変わりません。

三色や紅白のように、色の配置まで問われる柄物の品種も、この傾向が強くなります。

柄は色の出方だけでなく、体のどこに出るかという配置の問題も含むためです。

さらに、柄物には成長による変化という難しさも加わります。

幼いうちは柄が出ていなくても、育つにつれて現れてくることがありますし、その逆もあります。

ですから柄物の品種では、若い個体の段階で結論を出さず、しばらく育ててから判断するのが基本になります。

この性質が、柄物の選別を難しくしている理由のひとつです。

三色系の作り方については三色メダカの作り方と固定率を上げる方法で具体的に解説しています。

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環境の影響を受けやすい表現

もうひとつが、環境によって出方が変わる表現です。

体外光やラメは、遺伝だけでなく、育てる環境によって発現の度合いが変わることが知られています。

容器の色、日照時間、水温、餌の内容。

これらの条件が違えば、同じ遺伝的な素質を持っていても、見え方は変わってきます。

つまり、生産者の環境で美しく出ていた表現が、自分の環境では同じように出ないことがあるわけですね。

これは固定率とは別の問題ですが、購入者から見れば「思っていたのと違う」という同じ結果になります。

ですから、光の表現を持つ品種を買うときは、どんな環境で育てられていたかを確認すると失敗が減ります。

屋外の黒容器で育った個体を、室内の明るい水槽へ移せば、見え方が変わるのは自然なことです。

もし同じように見せたいのであれば、容器の色をそろえるところから始めてみてください。

底に暗い色の砂を敷く、背面に暗い色のシートを貼るといった方法でも、印象はかなり変わります。

販売ページで固定率をどう読むか

ここまでを踏まえて、実際の販売ページの読み方を整理します。

確認するのは3か所です。

固定率の数字そのもの、その数字の根拠となる基準、そして累代の情報。

この3つが揃っていれば、期待値をかなり正確に見積もれます。

ただ、実際の販売ページでは、3つとも書かれていることのほうが少ないかもしれません。

そのときに慌てないためにも、書かれていない場合の読み方を知っておくと役に立ちます。

ポイントは、数字の代わりになる情報を探すことです。

親魚の写真、選別についての記述、そして販売者がその系統をどう説明しているか。

数字がなくても、これらから期待値を見積もることはできます。

逆に、数字が大きく書かれていても、根拠がまったく示されていない場合は注意が必要です。

とくに、卵の販売で高い固定率だけを強調している場合は、その根拠を確認したほうがよいでしょう。

卵の段階では誰も結果を確認できないので、数字が独り歩きしやすい部分でもあります。

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数字が書かれていないときの読み方

実際には、固定率が明記されていない販売ページのほうが多いと思います。

その場合は、書かれていないこと自体を問題視する必要はありません。

数字の意味が店ごとに違う以上、あえて書かない販売者もいるからです。

代わりに見るのは、親魚の写真と、選別についての記述です。

親魚の写真が複数枚あり、その親から採った卵だと明記されていれば、期待値の手がかりになります。

できれば、オスとメスの両方の写真があるものを選びたいところです。

片方だけの写真では、もう一方の親がどんな個体だったのかが分かりません。

また、「選別済み」「ハネを含みます」といった記述があれば、届く個体の傾向が分かります。

質問する場合は、「親と同じ表現はどのくらいの割合で出ますか」と聞くのが具体的で答えやすい聞き方です。

この質問に対して、品種の性質上ばらつきますと正直に答えてくれる販売者は信頼できると思います。

あわせて聞いておくとよいのが、どんな環境で育てているかという点です。

屋外なのか室内なのか、容器の色は何色か。

この情報があれば、自分の環境との違いを踏まえて期待値を調整できます。

逆に、「ほぼ100%出ます」と断言する説明には、慎重になったほうがよいでしょう。

販売店の選び方全般はメダカはどこで買える?販売店と通販の探し方で整理しています。

自分で増やすときの考え方

最後に、買った個体から自分で増やす場合の話をしておきます。

固定率は、買うときだけの話ではありません。

自分が親を選び、子を選別していく段階でも、同じ考え方が効いてきます。

まず決めておきたいのが、自分の合格ラインです。

シーズンの最初に、「今年はこの特徴だけを見る」と決めておくと、選別のたびに迷わなくなります。

あれもこれもと欲張ると、どの個体を残せばよいのか分からなくなり、結局すべてを残すことになります。

おすすめは、優先順位を1つだけ決めることです。

「今年は色の濃さだけを見る」「柄の配置は来年から問う」というように、絞ったほうが結果が見えやすくなります。

基準を絞れば、去年と今年を同じものさしで比べられるようになる、という利点もあります。

次に、種親の選び方です。

子に特徴を伝えやすいのは、その特徴がしっかり出ている個体になります。

ただし、見た目だけで決めると、体型や健康面で問題のある個体を選んでしまうことがあります。

背骨のラインがまっすぐか、体に厚みがあるか、泳ぎに問題がないか。

こうした基本的な健康状態も、必ず確認してください。

選別の具体的な基準と時期はメダカの選別基準と時期がわかる見分け方ガイドにまとめました。

また、種親は単独ではなく、複数の候補を並べて比べてから決めてください。

1匹だけを見ていると、その個体が良いのか普通なのかが判断できません。

並べて比べることで、自分の系統の中でどこが上位なのかが見えてきます。

そして、記録を残すことをおすすめします。

どの親から採った子なのか、何匹中何匹に特徴が出たのか。

これを2年、3年と続けると、自分の系統の固定率が見えてきます。

他人の数字と比べるのではなく、去年の自分と比べる。これが、固定率という数字のいちばん健全な使い方だと思います。

記録の付け方は、難しく考える必要はありません。

採卵した日、親のペア、生まれた数、そして選別した日と残した数。

これだけをメモしておけば、翌年に振り返ったときに十分な材料になります。

写真を1枚添えておくと、色の出方の変化まで比べられるようになります。

そして、増やす前に置き場所と容器の数を確認しておいてください。

固定率を上げるには数を採って選別する必要がありますが、採った分だけ育てる場所が要ります。

増えすぎて管理が追いつかなくなると、選別どころではなくなってしまいます。

具体的な掛け合わせの進め方は、品種ごとの記事が参考になります。

たとえば赤系と光る系統の組み合わせであれば、楊貴妃とみゆきの交配ガイドのように、実際の組み合わせから学べる記事があります。

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メダカの固定率に関するよくある質問(FAQ)

固定率は何%あれば「固定された品種」と言えますか?

業界共通の合格ラインはありません。理由は、固定率が「品種の性質」だけでなく「何を合格とするか」という判定の厳しさによっても変わるからです。同じ系統でも、色が出ていればよいという基準なら数字は高く、柄の配置まで求めれば低くなります。そのため、店をまたいで数字を比較しても意味がありません。判断したいときは、数字そのものより、その販売者が何を基準にしているかを確認してください。「どんな状態を合格としていますか」と質問すれば、その系統の完成度が見えてきます。

F1と書かれた個体を買えば、同じ姿の子が採れますか?

そうとは限りません。F1は異なる系統を掛け合わせて生まれた最初の子世代を指します。この段階では、片方の親からしか受け継いでいない形質が表に出ないまま隠れていることが多く、その子(F2)では隠れていた形質が現れてばらつきが大きくなります。狙った表現を安定して採りたい場合は、世代が進んで選別を重ねた系統のほうが期待できます。ただし、F1にはF1の面白さもあり、思わぬ組み合わせが出ることを楽しむ方もいます。目的によって選び方が変わる部分です。

親と違う子が生まれたら、その個体は失敗作なのでしょうか?

失敗作ではありません。改良メダカの選別は「その品種らしさ」を基準にしたものであり、健康さや生き物としての価値を測るものではないからです。親と違う姿になった個体も、泳ぐことにも餌を食べることにも問題はありません。群れとして眺めれば十分に美しいですし、屋外の容器でにぎやかに泳ぐ姿は、品種の完成度とは別の魅力があります。狙った表現の個体は種親として、そうでない個体は観賞用として、というように役割を分けて楽しむのがおすすめです。

固定率が高い系統ほど値段は高いのですか?

おおまかにはその傾向がありますが、単純な比例関係ではありません。価格には、その系統を作るまでにかかった年数、選別の手間、そして流通量の少なさなど複数の要素が関わります。固定率が高くても流通量が多ければ価格は落ち着きますし、逆に発表されたばかりで数が少ない系統は、固定率が低くても高値が付くことがあります。繁殖が目的であれば価格より累代と選別の情報を、観賞が目的であれば見た目と価格の釣り合いを見るとよいでしょう。

同じ卵を買ったのに、知り合いと結果が違うのはなぜですか?

2つの理由が考えられます。ひとつは、そもそも遺伝の組み合わせに幅があるため、同じ親から採れた卵でも子の表現はばらつくという点です。もうひとつが、育てる環境の違いです。体外光やラメといった表現は、容器の色、日照、水温などの影響を受けて出方が変わります。同じ遺伝的な素質を持っていても、屋外の黒容器と室内の明るい水槽では見え方が変わることがあります。結果を比べるときは、飼育環境の違いも合わせて見てみてください。

まとめ|数字より「何を合格とするか」を見る

固定率は、親と同じ特徴を持った子がどのくらいの割合で生まれるかを表す数字です。

ただし、この数字は品種の難しさだけでなく、判定の厳しさによっても変わります。

ですから、店をまたいで数字を比べるより、その販売者が何を合格としているのかを確認するほうが実際的です。

累代の表記も同じで、F1・F2という数字は、選別の厳しさとセットで初めて意味を持ちます。

卵を買うときは、孵化率と固定率という2つの別々のハードルがあることを覚えておいてください。

そのうえで、届く前に「どのくらい似ていれば納得できるか」を決めておくと、結果を落ち着いて受け止められます。

複数の特徴を同時に求める品種や、環境の影響を受けやすい表現ほど、期待値は低めに見ておくのが現実的です。

そして、親と違う子が生まれても、それは失敗ではありません。

選別の基準は品種らしさであって、生き物としての価値ではないからです。

自分で増やす段階に入ったら、シーズンの最初に合格ラインを決めて、記録を残していってください。

他人の数字と比べるのではなく、去年の自分と比べる。これが固定率という数字のいちばん健全な使い方だと思います。

なお、系統の状態や表現の出方には個体差と環境差があり、ここで述べた内容は一般的な考え方の整理です。

購入前には販売ページの記載を確認し、判断に迷う点は販売者へ直接たずねてください。

数字の意味が分かると、卵を待つ時間そのものが楽しくなります。その助けになればうれしいです。

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