金魚は旅行中どうする?留守番前の安全チェック
旅行や出張で家を空けることが決まると、その間の金魚の餌をどうしようと心配になりますよね。
何日も餌なしで本当に平気なのか、多めに入れておいたほうがいいのか、自動給餌器を用意するべきなのか、迷ってしまう方も多いと思います。
先に結論をお伝えすると、健康な成魚であれば、1週間ほどは餌を与えなくても大丈夫とされています。
そのため数日の留守なら、餌を増やすより、水質と水温を安定させておくことを優先して考えましょう。
具体的には、出発の直前に水換えと掃除をまとめて行わないこと、夏は高水温と酸素不足、冬はヒーターが水面から出てしまうことに気をつけるのがポイントです。
自動給餌器や留守番フードは、どうしても不安なときの選択肢として考え、使う場合は作動の確認や置き場所の準備を先に済ませておきます。
この記事では、室内の水槽で金魚を飼っている方に向けて、メーカー公式の情報と公的機関の資料をもとに、出発前に確かめておきたいことを順番に整理しました。
この記事で理解できることは、次の4つです。
- 金魚が餌なしで過ごせる期間の目安と、その条件
- 出発前に整えておきたい水質・水温・酸素のポイント
- 自動給餌器と留守番フードを使う前に確かめること
- 留守の長さ別の考え方と、よくある疑問への答え
金魚は旅行中どうする?
金魚を置いて旅行に出るときに優先して考えたいのは、餌よりも水と温度のほうです。
観賞魚メーカーのジェックス(GEX)は、旅行で家を空けるときの注意点をまとめたページで、成魚であれば1週間程度は餌を与えなくても大丈夫だと説明しています(出典:GEX「旅行で家を空ける…お魚は大丈夫?」)。
同じページでは、出かける前に餌を多めに与えないこと、旅行の直前に水換えとろ過槽の掃除を一度に行わないこと、夏は水温に注意することも挙げられています。
つまり留守番の準備は、餌をどう用意するかより、留守中に水の状態や温度が大きく変わらないように整えておくことが中心になるわけです。
まずは餌について、どのくらいの期間なら餌なしで過ごせるのか、出発前に餌を増やすとなぜよくないのかを確認していきます。
水槽の立ち上げや日々の世話を含めた基本をおさらいしたい方は、金魚の飼い方の全体像をまとめた完全ガイドもあわせてご覧ください。
健康な成魚なら1週間ほどは餌なしで大丈夫

結論から言うと、健康な成魚の金魚であれば、1週間ほどは餌を与えなくても大丈夫だとされています。
この目安は、メーカー2社と公的機関1つの説明で共通しています。
GEXは、金魚もメダカも「成魚であれば」1週間程度は餌を与えなくても大丈夫だとしています。
キョーリンは、2、3日旅行に出かける場合の質問に対して、金魚は1週間ぐらいは餌を与えなくても大丈夫だと答えています。
同じキョーリンの飼育の基本をまとめたページでも、「健康なお魚」は1週間程度フードを食べなくても平気だと書かれています。
愛知県水産試験場の金魚飼育質問集は、家を1週間留守にするときの質問に、1週間絶食させても死ぬことはないと答えています。
ここで注意したいのは、どの説明にも「成魚」や「健康」といった条件が付いていることです。
稚魚については、何日くらい餌なしで過ごせるのかを示した一次情報は見つかりませんでした。
GEXが「成魚であれば」と条件を付けている以上、稚魚に同じ目安を当てはめるのは避けたほうがよいでしょう。
また、キョーリンは、お魚が家にやってきてから2〜3週間は体調を崩しやすく、デリケートな時期だとしています。
迎えたばかりの金魚や、食欲や泳ぎ方に気になる様子がある金魚は、健康な成魚という前提から外れる可能性があると考えてください。
さらに愛知県水産試験場は同じ回答の中で、あまりに長い期間絶食させると、体が細くなる、色が悪くなるといった影響が出ることもあると注意しています。
もう1つ知っておきたいのが、GEXの説明では、金魚やメダカには胃がないので「食い溜めができません」とされている点です。
出発前にたくさん食べさせても、その分を留守中の蓄えにできるわけではない、と受け止めておきましょう。
参考までに、愛知県水産試験場の親子向けの飼育資料では、毎朝5分で食べ終わる量を与え、土曜日と日曜日は餌をあげないというバケツでの飼い方が紹介されています。
出発前に餌を増やすと水が汚れる
留守にする前に、餌を多めに入れておきたくなる気持ちはよく分かります。
ですが、出発前に餌を増やすことは、メーカーも公的機関もそろって避けるよう呼びかけています。
GEXは、出かける前に餌を多めに与えることはやめましょうと書いています。
キョーリンも、多めに与えると残った餌が水を汚す原因になるとして、「お出かけの朝もいつもどおり」に餌を与えるよう案内しています。
大和郡山市の金魚の飼い方のページにも、食べ残した餌が腐って水が悪くなり、金魚が全滅することがあると書かれています。
キョーリンの案内は、増やすのでも減らすのでもなく、いつもどおりという点がポイントです。
出発前に餌を抜いておくよう勧める説明は、確認したメーカーや公的機関の情報には見当たりませんでした。
餌を増やすと困るのは、水が汚れるからだけではありません。
愛知県水産試験場の資料によると、金魚が多いほど、大きいほど、そして餌が多いほど、「見えないヨゴレ」は早くたまるそうです。
さらに同じ資料では、食べ残しやフンを分解する微生物も酸素を使うため、微生物が多くなりすぎると酸素不足になることがあると説明されています。
つまり留守中に食べ残しが残ると、水が汚れるのと同時に、水の中の酸素まで減りやすくなるということです。
ふだんの量の目安としては、愛知県水産試験場が、5分で食べ終わる量を1日に1回食べれば金魚は健康に生きていけるとしています。
出発前も、このいつもの量を守ることが基本になります。
ふだんの餌の量や回数を見直しておきたい方は、金魚の餌の量の決め方と与え方で確認してみてください。
出発前に整える水質と水温
餌の心配がひとまず落ち着いたら、次は留守中の水質と水温を整える準備です。
GEXは、家を空けている間は水質が急変しても水換えができないので、日ごろから水質を良好に保つよう心がけることを勧めています。
ここでいう水質の急変とは、つまり水の汚れ具合や性質が短い間に大きく変わってしまうことです。
そのため、出発の直前に特別なことをするより、ふだんの管理で水をよい状態に保っておくことが、いちばんの備えになります。
水温についても同じで、留守中に部屋の温度が大きく変われば、水槽の水温もそれにつられて動いていきます。
GEXは、冬場の旅行は特に問題ないとする一方で、夏場の旅行では水温に注意する必要があるとしています。
この章では、水換えと掃除のタイミング、夏の水温と酸素、冬のヒーターと蒸発の3つに分けて、出発前に確かめたいことを見ていきましょう。
水換えと掃除は直前にまとめてしない
出発前の水換えで気をつけたいのは、直前にまとめて大がかりな手入れをしないことです。
GEXは、旅行の直前に水換えやろ過槽の掃除を「一度に行う」と、旅行中に水質が急変してしまう可能性もあると注意しています。
水をきれいにしてから出かけたいという気持ちが、かえって水槽を不安定にするおそれがあるわけです。
テトラも、旅行に限った話ではありませんが、水槽とろ過器の掃除は日をずらして行うのがポイントだとしています。
水換えの量について、テトラは金魚水槽の換水量の基本を飼育容器の3分の1程度としています。
換える量が多すぎると、ろ過を担うバクテリアが減り、水質も大きく変わってしまうそうです。
キョーリンも、金魚は水質が大きく変わる水替えが苦手で、体調を崩すことがあると説明しています。
フィルターについては、キョーリンがろ過槽の掃除を月に1回ほどの目安とし、ろ材にバクテリアがすんでいるので捨てる水槽の水で汚れを洗い流すよう勧めています。
一方で愛知県水産試験場は、ろ過器のフィルターが詰まると金魚の元気がなくなるとしているので、詰まったまま出かけるのもよくありません。
ここで気になるのが、出発の何日前までに水換えや掃除を済ませればよいのか、という点だと思います。
ただ、GEX・テトラ・キョーリン・愛知県水産試験場・大和郡山市の説明を確かめた範囲では、出発の何日前という日数は示されていませんでした。
そのためこの記事では、日数で線を引くのではなく、直前に水換えと掃除をまとめて行わないことを要点としておきます。
水換えの頻度や手順そのものを見直したい方は、金魚の水換えの頻度と基本手順を参考にしてください。
旅行の直前に、水換えとろ過槽の掃除を同じタイミングでまとめて行うのは避けましょう。
換える量もふだんどおりにとどめ、出発前だからといって水を一気に入れ替えようとしないことが大切です。
フィルターの掃除が必要なら、水換えとは日を分けて行ってください。
夏の留守は水温と酸素に気をつける

夏に家を空けるときは、冬よりも注意することが多くなります。
GEXによると、夏場に閉め切った室内は35℃以上になることもあり、水温も同じくらいまで上がるそうです。
そうした高水温の状況が連日続くと、金魚が弱ってしまう場合もあるとGEXは説明しています。
金魚が耐えられる水温について、GEXは、ある程度の高水温には耐えられるものの、30〜32℃を超えると「危険な環境」だとしています。
また、室内の水温が上がりやすいのは日中で、外出中は水温を確かめられないため、事前に対策をしておくよう勧めています。
さらにGEXは、高水温で魚が弱るいちばんの原因を、一般的には水中の酸素量(飽和溶存酸素量)の減少だとしています。
溶存酸素とは、つまり水に溶け込んでいて、魚が呼吸に使える酸素のことです。
水温の対策として、GEXは観賞魚用クーラーや冷却ファンを勧めています。
コトブキ工芸も、水温を下げる方法として冷却ファンやクーラーを挙げています。
冷却ファンについて、GEXは湿度や周辺の温度によって異なるとしたうえで、約3℃水温を下げることができると説明しています。
ただし冷却ファンは、水が蒸発するときに熱を奪う気化熱を利用して冷やすため、水量の低下に注意が必要だとも書かれています。
留守中は減った分の水を足せないので、冷却ファンを使う場合は、水位が下がることも計算に入れておきたいところです。
酸素については、コトブキ工芸が、エアーポンプは水槽にたくさん魚が入っている場合や、夏場の高水温で溶存酸素が少ないときに使うものだとしています。
GEXも、夏場の金魚飼育のように酸素がたっぷり必要な水槽では、エアーポンプが重要だとしています。
一方でGEXは、エアレーションで酸素を補う方法を、ある程度の水温までの簡易的な対策と位置づけています。
水温そのものを下げる対策とは役割が違うので、部屋がかなり暑くなりそうなときは、エアレーションだけに頼らないほうがよいでしょう。
また大和郡山市は、狭い容器に魚を多く入れると酸素の消費が多くなり、水面でパクパクする「鼻上げ」を起こして窒息死することがあると注意しています。
過密ぎみの水槽や、狭い容器で飼っている場合は、夏の留守でとくに酸素が足りなくなりやすいと考えておきましょう。
金魚に合う水温の考え方は金魚の適温と季節ごとの水温管理で、クーラーや冷却ファンを含めた対策は水槽の水温を下げる方法をまとめた記事で詳しく解説しています。
冬はヒーターと蒸発に気をつける
冬の留守について、GEXは特に問題はないとしています。
愛知県水産試験場も、金魚は野外でも飼育できるので、ヒーターなしで飼育しても問題ないと説明しています。
ただし、ヒーターを使っている水槽では、冬ならではの注意点が1つあります。
それが、蒸発で水位が下がり、ヒーターが水面から出てしまうことです。
コトブキ工芸によると、冬場などに保温器具を使っていると、水面から水が蒸発して水位が早く下がります。
製品評価技術基盤機構(NITE)も、最初は水に浸かっていても、放置している間に水が蒸発して水面が下がり、ヒーターが水面より高い位置になる可能性があると注意を呼びかけています(出典:NITE(製品評価技術基盤機構)「水槽用ヒーター『1.空だきで発火』」)。
NITEはこの状態を、ヒーターの空だきによって過熱や発火につながる危険として、再現映像で紹介しています。
留守中は減った水を足すことができないので、出発前の水位の確認がとても大切です。
大和郡山市も、水槽の水が蒸発して少なくなったら、適宜差し水をするよう書いています。
出発の前には、水位がいつもの高さまであるかを見て、減っていれば差し水をしておきましょう。
あわせて、ヒーターの位置やコードのまわりも目で確かめておくと安心です。
GEXも、家を空ける前には水槽の周りと電気配線の周りをチェックするよう呼びかけています。
冬の水温管理とヒーターを使うかどうかの判断は、金魚のヒーターが必要かどうかの判断と選び方でまとめています。
自動給餌器と留守番フードの使い方
ここからは、留守中に餌を与えるための道具について見ていきます。
代表的なのは、決まった時間に乾いた餌を自動で落とす自動給餌器と、水の中で少しずつ溶けたり柔らかくなったりする留守番フードの2つです。
ただ、GEXは給餌器を「どうしてもエサをあげないとご不安な場合」に便利なものとして紹介しています。
愛知県水産試験場も、1週間の絶食で死ぬことはないと答えたうえで、「どうしても心配な方」は自動給餌器を利用するよう案内しています。
つまりどちらの説明でも、給餌の道具は欠かせないものというより、不安なときに使う選択肢という位置づけです。
一方でキョーリンは、数日間の留守の仕方についての質問に、自社の留守番用フード「ルスタクス」を勧めています。
このようにメーカーによって考え方に幅があるので、健康な成魚で餌なしでも大丈夫とされる期間であっても、道具を使うかどうかは飼い主が判断することになります。
自動給餌器は作動確認が前提
自動給餌器を使うなら、出発前に実際に動かして、餌がきちんと落ちるかを確かめておくことが前提になります。
GEXのフードクロック(FC-002)の取扱説明書では、餌を入れる前に一度手動のボタンを押してタンクが回転するかを確かめ、餌の落ちる量を確認しながら調節するよう書かれています。
エーハイムのオートフィーダーの取扱説明書も、水槽にセットする前に餌の分量を確認・調整するよう求めています。
テトラのオートフィーダーの取扱説明書(現行品より前の版)でも、実際の給餌量を数回確認してから使うよう案内されていました。
落ちる量が変わりやすい理由として、GEXは自動給餌器の製品説明で、フードの種類やサイズ、湿気によって、餌の出かたや落ちる量にばらつきが出る場合があるとしています。
エーハイムも、フレークやスティックの餌は量がばらつきやすいとしています。
GEXの取扱説明書では、タンクに入れる餌は80%以下にし、入れすぎると餌が出ない場合があるとされています。
電池にも注意が必要で、GEXは付属の電池は動作確認用なので、短い時間で回転しなくなる場合があるとしています。
テトラの取扱説明書でも、長い期間留守にする場合などは、電池の寿命に特に注意するよう書かれていました。
置き場所について、GEXとテトラの取扱説明書は、水中フィルターやエアーストーンの上には設置しないよう注意しています。
GEXは湿気の多いところや直射日光の当たる場所で使わないよう書き、エーハイムは本体の空気の吸入口が湿気を吸わない位置に設置するよう求めています。
ここで見落としたくないのが、エーハイムの取扱説明書が1日に1度は正常に作動しているかを確認するよう求めている点です。
留守中は、この毎日の確認ができません。
自動給餌器は、置いておけば誰も見ていなくても大丈夫、という前提で作られているわけではないと受け止めておきたいところです。
使うのであれば、出発前の試運転を丁寧に行い、そのうえで様子を見てくれる人がいるかどうかも含めて考えるとよいでしょう。
自動給餌器を使う前に、次の点を確かめておきましょう。
1つ目は、手動で動かしてタンクが回転し、餌がきちんと落ちるかどうかです。
2つ目は、1回に落ちる量が、ふだん5分ほどで食べきれる量に合っているかです。
3つ目は、餌の量がタンクの8割以下で、電池が付属の動作確認用のままになっていないかです。
4つ目は、フィルターやエアーストーンの真上を避け、湿気や直射日光の少ない位置に置けているかです。
5つ目は、給餌の時間に部屋が明るいかどうかで、これはこの章の最後の見出しで説明します。
エーハイムのオートフィーダーのように容器内の湿気を追い出す仕組みを説明している製品もありますが、どの製品でも出発前に何度か作動を試しておきましょう。
留守番フードは製品で日数が違う

留守番フードは、水の中で少しずつ溶けたり柔らかくなったりして、留守中の餌の代わりになるように作られたフードです。
製品ごとに、対応する日数や、入れる個数の決め方が違います。
主なメーカーの製品を、公式情報で確認できた範囲で比べると次のとおりです。
→ 横にスクロールできます
| 製品 | 表示されている日数 | 使い方の目安 | メーカーの説明・注意 |
|---|---|---|---|
| テトラ 留守番ごはん 金魚用 | 5日間 | 水量あたりの投入量は商品ページの本文では確認できないため、パッケージの表示を確認 | 周りから少しずつ柔らかくなる、石膏を使っていないことを特長にしている |
| キョーリン ルスタクス | 2〜3日間と4〜5日間の表(最長4〜5日間) | 金魚(4cm)6匹:2〜3日間は1粒、4〜5日間は2粒/金魚(6cm)1匹:2〜3日間は2粒、4〜5日間は3粒 | カニガラを多く配合し、従来の硫酸カルシウムタイプよりたんぱく質を多く含むと説明、水量の条件は書かれていない |
| イトスイ 3日間フード(留守番フード) | FAQの個数表は3日から10〜12日まで | 〜40cm水槽:3日1個、4〜6日1個、7〜9日1〜2個、10〜12日2個/〜60cm水槽:順に1・2・3・4個/〜90cm水槽:順に3・6・9・12個 | 飼育匹数ではなく水槽の大きさで個数を判断し、匹数が適正より多ければ1個増やす、帰宅時に残っていたら取り除く |
表の内容は各メーカーの公式サイトの説明をもとにしていて、イトスイの個数は同社のFAQの表によるものです。
表示されている最長の日数は、テトラが5日間、キョーリンが4〜5日間、イトスイが10〜12日と、製品によってかなり違います。
個数の決め方も、キョーリンは金魚の大きさと数、イトスイは水槽の大きさを基準にしていて、考え方がそろっていません。
そのため、ほかの製品の表を流用せず、使う製品のパッケージや説明書に書かれた量を守ることが大切です。
溶け方にも注意が必要で、イトスイは、魚の数が少ない場合、水の動きがない場合、水温が低い場合、pHが高い場合には餌が溶けにくくなるとしています。
そのうえでイトスイは、帰宅したときに餌が残っていたら取り除き、通常の餌に戻すよう案内しています。
もう1つ知っておきたいのが、留守番フードには石膏(硫酸カルシウム)で固めたタイプと、そうでないタイプがあることです。
テトラは、石膏を使っていないので、溶けた石膏が散らばったり水質を悪くしたりすることがない点を特長に挙げています。
キョーリンも、従来の「硫酸カルシウムタイプ」の留守番用フードと比べて、たんぱく質がしっかり含まれていると説明しています。
どちらもメーカーによる自社製品の説明なので、選ぶときの参考として受け止め、使う前に製品の注意書きを確かめてください。
キョーリンのルスタクスは、金魚の大きさと留守の日数ごとに入れる粒の数が示されているので、表示どおりの量で使いましょう。
照明と置き場所も確かめる
自動給餌器を使う場合に見落としやすいのが、部屋の明るさです。
GEXによると、金魚やメダカは明るいときに餌を食べる魚なので、照明が点いていなかったり、カーテンを閉めて真っ暗な部屋だったりすると、給餌器は使用できないとされています。
そのためGEXは、日中に太陽の光などで明るくなる部屋の、直射日光が当たらないところに水槽を置くか、タイマーなどを使って照明が点くようにしておくことを勧めています。
照明をタイマーで点けるときは、タイマーの種類にも気をつけましょう。
コトブキ工芸は、自社のLED照明器具すべてについてデジタルタイマーを使わないよう案内していて、故障した場合は保証の対象外になるとしています。
一方でアナログタイマーは使えるとしているので、照明器具の説明書でどちらに対応しているかを確かめてから選んでください。
置き場所については、愛知県水産試験場が、金魚は温度の変化が激しいと体調を崩しやすいとして、直射日光やエアコンの風が直接当たらない場所を選ぶよう勧めています。
カーテンを開けておくか閉めておくかで、部屋の明るさも日差しの入り方も変わるので、出発前に水槽のまわりの様子を見ておくとよいでしょう。
給餌器を使うなら、カーテンで暗くなりすぎず、直射日光も当たらない状態を作れるかを出発前に確かめ、難しければ照明とアナログタイマーで明るさを補う方法を考えてみてください。
照明で明るさを補うときに気になる、点灯の長さとコケの増え方の関係は、金魚水槽でコケを増やさないための記事で整理しています。
留守の長さ別のチェック
ここまでの内容を、留守にする長さごとに整理してみます。
その前にお伝えしておきたいのは、確認したメーカーや公的機関の説明には、何日以上なら自動給餌器を使う、何日以上なら人に頼むといった日数の線は示されていないということです。
餌なしで過ごせる期間の目安として共通しているのは、健康な成魚であれば1週間ほどは大丈夫とされている点です。
そこでこの章では、成魚で約1週間という条件を手がかりに、2〜3日、1週間ほど、1週間を超える場合の3つに分けて考え方を整理しました。
これはメーカーの基準ではなく、この記事としての整理であることをご了承ください。
実際にどこまで準備が必要かは、金魚の大きさや数、水槽の大きさ、季節、部屋の環境によって変わります。
同じ3日の留守でも、真夏の閉め切った部屋と、春や秋の過ごしやすい時期とでは、気をつけることの重みが違ってくるでしょう。
数日・1週間・それ以上の考え方

留守の長さ別の考え方を、表にまとめました。
この章の冒頭でお伝えしたとおり、表の日数の区切りはメーカーが示したものではなく、この記事での整理です。
→ 横にスクロールできます
| 留守の長さ | 餌 | 水質 | 水温・酸素 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 2〜3日 | 増やさず、出発の朝もいつもどおり与える(健康な成魚なら餌なしで大丈夫とされる期間の範囲内) | 日ごろの管理を続け、直前に水換えと掃除をまとめて行わない | 夏は閉め切った部屋の高水温と酸素不足、冬はヒーターまわりの水位を確認 | キョーリンは数日の留守に留守番フードも勧めている |
| 1週間ほど | 健康な成魚なら餌なしで大丈夫とされる目安と重なる、不安なら給餌器か留守番フードを検討 | 2〜3日と同じ、食べ残しが出ても留守中は取り除けない | 高温や蒸発にさらされる期間が長くなるので、夏と冬の対策をより丁寧に | 迎えて間もない金魚や、体調に不安がある金魚は目安から外れる可能性がある |
| 1週間を超える | 成魚で約1週間という条件を超えるため、給餌器や留守番フードの表示日数と、世話を頼む方法を考える | 給餌の道具を使う場合は、食べ残しによる汚れと酸素の消費も考える | 留守中の停電や機器の不調にも備える | 長期の絶食は体が細くなる、色が悪くなるといった影響が出ることもある(愛知県水産試験場) |
2〜3日の留守であれば、健康な成魚にとっては、餌なしで大丈夫とされる期間の内側に収まります。
この場合は、給餌の道具を新しく用意するより、餌をいつもどおりにして、水質と水温の準備を整えることを優先するとよいでしょう。
ただしキョーリンは数日間の留守に留守番フードを勧めているので、使うかどうかは不安の度合いに合わせて決めてかまいません。
1週間ほどの留守は、ちょうど餌なしで大丈夫とされる目安と重なる長さです。
このくらいになると、夏は高水温の日が続く期間も、冬は蒸発で水位が下がっていく期間も長くなるので、季節の対策をより丁寧にしておきたいところです。
給餌の道具を使う場合は、自動給餌器の作動確認を済ませ、留守番フードなら表示されている日数が留守の長さに合っているかを確かめてください。
1週間を超える留守は、成魚で約1週間という条件の外側になります。
愛知県水産試験場が、長期の絶食で体が細くなったり色が悪くなったりすることがあるとしている点も踏まえ、給餌の道具を使うか、世話を頼む方法を考えることになるでしょう。
自動給餌器を使う場合は、エーハイムが1日1度の作動確認を求めていることを思い出し、メーカーや公的機関の説明にある方法ではありませんが、家族や知人に様子を見てもらう選択肢も含めて考えてみてください。
なお環境省の説明では、ペットシッターも動物取扱業として規制の対象になるとされていますが、登録制度の対象の動物は哺乳類・鳥類・爬虫類と書かれています。
留守が長くなるほど、停電や機器の不調への備えも気になってきます。
停電に備える道具として、GEXは乾電池式エアーポンプの「アトム5」を、停電時など酸素の供給が一時的に失われるときに使うよう案内しています。
ただし、アトム5の持続時間は約8時間とされています。
留守中は電池の交換も作動の確認もできないので、留守の長さと比べたうえで、どこまでを任せられる道具なのかを考えておきましょう。
停電したときに水槽で何が起きるか、どう備えるかは、水槽の停電への備えをまとめた記事で詳しく解説しています。
金魚の旅行中の留守番に関するよくある質問(FAQ)
金魚は何日くらい餌なしで大丈夫?
健康な成魚であれば、1週間ほどは餌なしで大丈夫とされています。
ただしGEXは「成魚であれば」、キョーリンは「健康なお魚」と条件を付けていて、稚魚の日数を示した一次情報は見つかりませんでした。
愛知県水産試験場は、あまりに長く絶食させると体が細くなったり色が悪くなったりすることがあるとも注意しています。
迎えたばかりの金魚や、体調に気になる点がある金魚には、この目安をそのまま当てはめないようにしましょう。
出発前に餌を多めにあげてもいい?
出発前に餌を多めに与えることは避けましょう。
GEXとキョーリンは、そろって多めに与えないよう呼びかけています。
食べ残しは水を汚す原因になり、大和郡山市は、残った餌が腐って金魚が全滅することもあると注意しています。
キョーリンは、出発の朝もいつもどおりに与えるよう案内しています。
旅行の前日に水換えしてもいい?
前日の水換えがよいか悪いかを、日数で示したメーカーや公的機関の説明は見当たりませんでした。
GEXが注意しているのは、旅行の直前に水換えとろ過槽の掃除を一度に行うと、旅行中に水質が急変する可能性があるという点です。
水換えをするとしても、ろ過槽の掃除とは日を分け、換える量はいつもどおりにとどめることが、GEX・テトラ・キョーリンの説明に沿った考え方になります。
テトラは、換水量の基本を飼育容器の3分の1程度としています。
自動給餌器と留守番フードはどちらがいい?
どちらがよいかは、留守の長さや水槽の環境によって変わるので、一概には決められません。
自動給餌器は決まった時間にいつもの餌を落とせる一方で、作動の確認や湿気、電池、部屋の明るさに気を配る必要があります。
留守番フードは機械を使わない代わりに、対応する日数や入れる量が製品ごとに違い、溶け方も水温や水の動きで変わります。
GEXと愛知県水産試験場は自動給餌器を不安なときの選択肢として紹介し、キョーリンは数日の留守に留守番フードを勧めています。
健康な成魚で1週間以内の留守なら、どちらも使わずに水質と水温の準備に集中するという考え方もあります。
夏の旅行でエアコンはつけておくべき?
エアコンをつけたまま外出することを勧めたメーカーや公的機関の説明は、確認した範囲では見当たりませんでした。
ただしGEXは、夏に閉め切った室内は35℃以上になることもあり、水温も同じくらい上がると説明しています。
金魚は30〜32℃を超えると危険な環境とされているので、留守中に部屋がどこまで暑くなりそうかを考えておくことが大切です。
GEXが水温対策として勧めているのは、観賞魚用クーラーや冷却ファンです。
エアコンを使うかどうかは部屋の条件も含めて判断し、使う場合も、愛知県水産試験場が勧めるように、風が水槽に直接当たらない位置かを確かめてください。
まとめ|数日の留守は餌より水と温度を整える
金魚を置いて旅行に出るときは、餌の心配より、留守中の水と温度を安定させる準備を優先するのが基本です。
最後に、この記事の要点を振り返っておきましょう。
- 健康な成魚なら1週間ほどは餌なしで大丈夫とされるが、稚魚や迎えたばかりの金魚には当てはめない
- 出発前に餌を増やさず、出発の朝もいつもどおりに与える
- 旅行の直前に水換えとろ過槽の掃除をまとめて行わない
- 夏は閉め切った部屋の高水温と酸素不足に備え、冬はヒーターが水面から出ないよう水位を確かめる
- 自動給餌器は不安なときの選択肢で、作動確認・置き場所・部屋の明るさの準備が前提
- 留守番フードは対応する日数と量が製品ごとに違うので、製品の表示を守る
- 日数で準備を分ける線はメーカーが示していないので、水槽の条件に合わせて判断する
留守中に何が起きるかは、金魚の状態や数、水槽の大きさ、季節、部屋の環境によって変わるため、この記事の内容はあくまで一般的な目安として参考にしてください。
自動給餌器や留守番フード、ヒーター、照明のタイマーなどを使うときは、お使いの製品の説明書やメーカー公式の情報をあらかじめ確認してください。
金魚の様子や準備の内容に不安があるときは、出発前に販売店へ相談しておくと心強いでしょう。
できる準備を整えて、落ち着いた気持ちで出かけられるとよいですね。





COMMENTS
この記事へのご質問・コメント