PROFILE所長プロフィール

ウーパールーパーの卵は何日で孵化?有精卵の見分け方と産卵後の管理・育て方

ⓘ 広告 ▰ スタートガイド
石の上の透明な卵とウーパールーパーの写真に、記事タイトルを重ねた表紙のスライド

ウーパールーパーが卵を産んだらどうする?有精卵の見分け方から孵化・赤ちゃんのお世話まで

THE AQUA LAB 所長(イラスト)

こんにちは。THE AQUA LAB、運営者の所長です。

朝、水槽をのぞいたら、水草や石に小さな粒がたくさん付いていて驚いた。そんな方も多いのではないでしょうか。ウーパールーパーが卵を産んだら、何から手をつければいいのか迷いますよね。

この記事では、ウーパールーパー(アホロートル)の卵について、産卵の時期やサイン、1回に産む数、無精卵の見分け方、卵の成長過程と孵化までの日数を、研究機関の資料をもとに整理しました。

後半では、卵の育て方として親と分ける理由や容器の選び方、卵の水換えと水温、卵のカビへの対処、孵化した赤ちゃんの最初の餌までを順番にまとめています。卵の管理で迷いやすいところは、研究施設のやり方と家庭での目安を並べて書きました。

たくさんの卵を前にしても、順番を押さえておけば落ち着いて動けます。まずは親と卵を分けるところから、一緒に確認していきましょう。

  • 産卵の時期とサイン、1回に産む卵の数
  • 有精卵と無精卵の見分け方と孵化までの日数
  • 産んだあとの容器・水換え・カビた卵への対処
  • 孵化後の最初の餌と共食いを防ぐ分け方
スポンサーリンク
スポンサーリンク

ウーパールーパーの卵の特徴と産卵から孵化まで

まずは卵そのものを知るところから始めましょう。いつ産むのか、どれくらい産むのか、受精しているかどうかはどう見るのか、何日でかえるのか。研究機関の観察値は、施設や水温の条件と一緒に紹介します。家庭の水槽で同じ数字になるとは限らないので、あくまで一般的な目安として読んでください。

もし今まさに卵を見つけたところなら、先に後半の「産卵したら親と卵を分ける」を読んで親と卵を離してから、この章に戻ってきても問題ありません。卵のことを知っておくと、毎日の見回りで何を見ればいいかがはっきりしますよ。

スポンサーリンク

ウーパールーパーが卵を産む時期とサイン

まずは「いつ産むのか」から見ていきます。野生のウーパールーパー(正式にはアホロートル)は、冬に繁殖する生き物です。アメリカ・ケンタッキー大学の Ambystoma Genetic Stock Center(以下 AGSC。世界で飼われている個体のほとんどが、ここの系統に祖先をたどれるとされる研究施設)の飼育解説では、野生での産卵は2月とされています。メキシコ国立自治大学の飼育施設の報告(2025年)でも、自然界では水温12〜14℃、日長が約11時間の冬に繁殖すると書かれていました。

ところが、飼育下で何代も殖やされてきた個体では、この季節性はわずかしか残っていません。AGSC では一年を通して産卵させていて、8〜10月だけ成功率がやや下がるそうです。ドイツ・ドレスデンの研究施設で15年以上の交配記録をまとめた2026年の論文(飼育水温18〜20℃、明暗12時間ずつの条件)でも、季節ごとの成功率の差は3%以内でした。つまり、家庭の水槽でも「冬じゃないから産まない」とは言い切れない、ということですね。

産卵を左右する条件として、AGSC がとくに重視しているのが照明の時間です。照明時間を短くすると産卵が減り、長く戻すとまた増える、と飼育解説に書かれています。ちなみに AGSC の飼育群は、1日約14時間点灯しているそうです。

水温については、「冷たい水で水換えすると産卵する」とよく言われます。ただ、これは業界誌に載っている話で、研究機関の手順書では、今回確かめた資料の範囲では見つかりませんでした。研究施設の例も二通りあります。ドレスデンの施設は、ふだん18〜20℃で飼っている雌雄を15〜16℃に下げた交配用水槽へ移して交配させています。一方、アメリカの魚類技術センターの2023年の研究(水温と生殖腺の関係を調べた実験)では、20℃の水にペアを入れて採卵していました。意図的に冷たい水を入れて産ませる方法は根拠がはっきりしないため、ここではおすすめしません。

産卵があるかどうかは、まずオスとメスがそろっているかで決まります。AGSC の解説では、オスは体が比較的まっすぐで、総排泄腔(そうはいせつこう。つまりフンや尿、卵や精子が出る体の後ろ側の出口)のまわりが大きくふくらみます。成熟したメスは、卵で体が丸くふっくら。ただし、性成熟する約1歳までは見分けられないとされています。株式会社キョーリンの情報でも、オスは16cmぐらいになると、後ろ足としっぽの付け根あたりがぽっこりふくらむと説明されていました。

雌雄がそろうと、オスが鼻先でメスをつつく求愛が始まり、短いダンスのあいだにオスが石の上へ精包(せいほう)を置きます。精包とは、つまり精子を包んだ小さなカプセルのこと。透明なゼリーの小さな円すいの先に、精子を含む白い帽子がのった形をしています。メスはこれを総排泄腔で拾い上げて、卵を受精させます。AGSC の研究費の概要には、精包は一日のいろいろな時間に置かれるものの、夜が多いとありました。底がツルツルの容器だとオスが精包を付けられないため、研究施設ではざらついた底の容器を使うか、小石を入れています。

とはいえ、ペアにすれば産むとは限りません。AGSC の解説では、ほとんどのペアで精包は出るものの、そのうち産卵まで進むのは3分の1〜2分の1以上とされています。ドレスデンの論文では、交配の49%で産卵し、13%は精包だけ、約37%は精包も卵もありませんでした。精包が見えたのに卵がない、というのは研究施設でも起こることなんです。

スポンサーリンク

一度に産む卵の数と大きさ・産み付ける場所

次は「何個産むのか」です。結論から言うと、数百個がふつうで、多いと1,000個を超えることもあります。

ドレスデンの研究施設の論文(ふだんの飼育水温18〜20℃、交配時15〜16℃)では、1回の産卵数の中央値が、4.5歳以下のメスで350個、4.5歳を超えたメスで239個でした(出典:Haluza ほか「Axolotls retain fertility throughout lifespan」BMC Biology 2026)。同じ論文が引く1979年の報告では、若い個体で平均約250個。サンディエゴ動物園の図書館がまとめた解説では、飼育下で200〜1,500個とかなり幅があります。数十個のつもりで準備していると、容器がまったく足りなくなりがちです。

卵の大きさは、メキシコの研究チームによる2025年の論文で、胚(はい。つまり卵の中で育っていく赤ちゃんの本体)が平均約2mm。そのまわりを、はっきりした3層の透明なゼリーが包んでいます。AGSC の解説によると、このゼリーは物理的なけがや細菌の感染から卵を守る役目をもっていて、ゼリーから出てしまった卵はたいてい死んでしまうそうです。お世話のときにゼリーを傷つけないよう気をつけたいのは、このためですね。

ドレスデンの論文では、卵の質の違いもゼリーに表れると書かれています。質の良い卵は形が整っていて、外側のゼリーが透明。質の悪い卵は形がいびつで、ゼリーがゆるく濁り、傷みやすいとされていました。また、年をとったメスほど大きい卵を産む、という報告もあります。

産み付ける場所は、水槽の中にあるものしだいです。AGSC の解説では、石や水草があればそこへ散らばるように産み、1つの大きなかたまりにはせず散らして産むのがふつうとされています。ただ、くっついて小さなかたまりになることはあり、その扱いは後半の容器の節で説明します。研究施設でも産卵用の足場を用意していて、ドレスデンの施設は人工の葉を、メキシコ国立自治大学の飼育施設は天然または人工の水草を入れています。メキシコの別の大学が水路の水を引いた屋外の飼育池で行った繁殖では、精包用に石、産卵用に木の枝を入れていました。

産み始めるまでの時間にも幅があります。AGSC では交配の12〜20時間後、ドレスデンでは精包が置かれてから18〜24時間後に産み始めることが多く、メキシコ国立自治大学の施設では求愛から48〜72時間後に産卵が見られました。そして AGSC の解説によれば、メスは1〜2日かけて卵を産み終えます。

つまり、早ければ半日、遅いと2〜3日たってから産み始め、さらに1〜2日かけて少しずつ産む、という流れ。朝見つけた卵がすべてではなく、まだ産んでいる途中かもしれない、と考えておくと慌てずにすみます。

スポンサーリンク

メスだけで卵を産んだときに考えること

「オスはいないはずなのに、メスが卵を産んだ」という話も見かけます。海外の飼育者の掲示板にも、4歳ほどのメス1匹しかいない水槽で産卵したという投稿があり、ほかの飼い主からは「おそらく無精卵だろう」という返事や、「水温が変わったときに同じことがあった」という書き込みが寄せられていました。

ただ、メスだけで卵を産んだという記述は、研究機関の資料では今回確かめた範囲で見つかりませんでした。ドレスデンの論文では、精包が見えなくても卵が産まれていれば、精包も置かれたとみなして記録しています。研究施設では「卵がある=交配があった」という前提で扱っているわけです。ですから、メスだけでの産卵は今回確かめた研究資料では確かめられず、飼い主の体験談の範囲の話、と考えておくのが正確かなと思います。

はっきり言えるのは、オスがいなければ受精しないので、その卵はかえらないということ。最初の節で見たとおり、メスはオスが置いた精包を総排泄腔で拾って受精させます。AGSC の研究費の概要には、精包に包まれた精子が生きていられる時間は短い、とも書かれていました。

受精していない卵をそのままにしておくと、やがて傷んで水を汚します。AGSC の2024年版ガイドでも、胚そのものは汚れをあまり出さないものの、死んだ胚や親のフンで水が汚れると説明されています。研究施設の手順は「死んだ卵・傷んだ卵は見つけたら取り除く」でそろっているので、家庭でも早めに取り出してあげましょう。取り除き方は、後半の「白くカビた卵と死んだ卵の取り除き方」で詳しく説明します。

ひとつ気をつけたいのが、本当にメスだけだったのかという点です。雌雄は約1歳まで見分けられないので、小さいころに迎えた複数の個体が、実はオスとメスだったということもありえます。迷ったら、次の節の方法で卵の割れ目(卵割)を1〜2日見てみてください。割れ目が出てくる卵があれば、受精していると考えられます。

産卵後のメスの体についても触れておきます。AGSC ではメスを次の産卵まで最低2か月、できれば3か月休ませていて、ドレスデンの施設も4.5歳以下のメスは2か月以上あけて交配させています。ドレスデンの論文によると、間隔を詰めると卵が減り、休ませると増えるそうです。

産卵直後のメスの餌の量や回復期間を具体的に書いた資料は、今回確かめた範囲では見つかりませんでした。いつもどおりの涼しめの水温と清潔な水で過ごさせ、食欲が落ちたまま戻らないなど気になる様子が続くときは、両生類を診られる動物病院に相談してください。

スポンサーリンク

有精卵と無精卵の見分け方は卵割を見る

表面に卵割の溝が入った受精卵と、形がいびつでゼリーが濁った育っていない卵を並べて比べたスライド
受精した卵と育っていない卵の見分け方

有精卵(受精した卵)かどうかは、卵割を見るのがいちばんわかりやすい方法です。卵割とは、つまり受精した1つの細胞が2つ、4つ、8つと分かれていくこと。1975年に発表されたアホロートルの発生段階表では、段階2で「2細胞。割れ目の溝が極から極へのびる」、段階3で「4細胞」と記されています。AGSC が公開している段階表も、2細胞、4細胞、8細胞と順に並べていました。卵の表面に溝のような割れ目が入っていれば、受精して発生が始まっているサインです。

研究施設が仕分けをする時期も参考になります。AGSC の解説では、受精していない卵や育たない卵を除くために、産まれて約1日たった胚を仕分けます。ドレスデンの施設では、24〜48時間以内に卵を確認して、無精卵や傷んだ卵を見つけて取り除いていました。同じ施設では、受精率を交配の2〜3日後に計算しています。

ドレスデンの施設の記録によると、交配がうまくいった場合、論文で扱った系統(野生型と白い系統)の受精率は80%近いそうです。逆に言えば、うまくいった交配でも2割ほどは受精しない卵が混ざる、ということですね。

よく「無精卵は白く濁る」と言われますが、この言い方そのものは、今回確かめた一次資料では見つかりませんでした。ドレスデンの論文は無精卵を「受精せず壊死した卵」と呼び、質の悪い卵のゼリーを「濁った」と表現しています。海外の掲示板では、カビが生えるのは多くが無精卵か死んだ卵だが、健康な卵に及ぶこともある、という声もありました(こちらは飼い主の体験談です)。

こうした資料をあわせて、家庭での目安を当研究所なりに整理するとこうなります。産まれて1〜2日たっても割れ目が見えず、形が崩れてきたり、ゼリーが濁ってきたりした卵は、育っていない可能性が高いと考えられます。研究施設の仕分けの時期と、論文に書かれた悪い卵の特徴を家庭向けに言い換えた目安なので、1回見ただけで決めつけないのがコツです。

前の節で触れたとおり、メスは1〜2日かけて産み続けます。最初に産まれた卵と最後の卵では1日以上の差があるかもしれないので、割れ目が見えない卵が、ただ産まれたばかりという場合もありえます。早く見分けようとして、育つはずの卵まで取り除いてしまう。これはよくある失敗例です。慌てず、1日おいてもう一度見比べてみてください。

約2mmの胚の溝は、肉眼だと見えにくいこともあります。虫めがねやルーペを使うと、割れ目がぐっとわかりやすくなりますよ。

◆所長のワンポイントアドバイス

見分けに迷う卵は、その場で捨てずに1日おいて見直すのがおすすめです。研究施設が仕分けをする1〜2日の間に、割れ目が出てくるか、形が崩れてくるかで、だいたい答えが見えてきます。ただし、形が崩れた卵やカビが疑われる卵は、水を汚す前に取り除きましょう。

スポンサーリンク

卵が孵化するまでの日数と水温の関係

水温20℃前後で約2週間という孵化日数の目安と、卵割期・神経胚・尾芽胚・孵化の4段階を写真で並べたスライド
孵化までの日数の目安と卵の成長過程

いちばん気になる孵化までの日数。結論は、水温20℃前後で約2週間、条件によっては3〜4週間かかることもある、です。ドレスデンの施設でも、室温で管理した卵はふつう2週間以内にかえるとしています。資料ごとの数字を表にまとめました。

→ 横にスクロールできます

水温などの条件 孵化までの目安 資料
16℃ 約350時間(312〜388時間)=約15日 メキシコの研究チームの2025年の論文(16℃の水で管理した胚)
18℃(±0.5℃) 488時間=約20日(この表の孵化の段階40まで) 1975年の発生段階表の論文(恒温箱で管理)
20℃前後 約2週間。3〜4週間かかることもある サンディエゴ動物園の図書館のまとめが引く文献
室温(23℃) 約2週間 AGSC の教材
室温 2〜3週間 AGSC の飼育解説

研究ごとに水温や管理の条件が違うため、日数には差があります。表の数字は、あくまで一般的な目安として見てください。

表を見ると、16℃で約15日、18℃で約20日と、低い水温のほうが早い研究もあって少し不思議ですよね。理由として考えられることのひとつは、個体差や卵の大きさです。1975年の論文自身が、卵の大きさの違いが日数のばらつきに関わるかもしれないと書いています。もうひとつは「孵化」の定義の違いで、どの段階を孵化と数えるかが研究によって異なります。どれかひとつの数字に決めつけず、幅で見ておくのが安心です。

水温との関係は、AGSC の解説がシンプルにまとめています。水温を下げると発生は遅れ、上げると早まる。ただし、上げるとしても25℃まで。そして初期の胚は、約10℃より下で傷むことがあるという条件付きです。25℃は研究施設が発生を早めるときの上限であって、家庭で加温をすすめる数字ではありません。家庭では親と同じ涼しめの水で、無理に温度をいじらないのがいちばんかなと思います。

卵の成長過程もざっくり知っておくと、観察がぐっと楽しくなります。AGSC が公開している Bordzilovskaya ほかの段階表では、次のように進みます。

  • 卵割期(段階1〜7):1つの細胞が2つ、4つ、8つと分かれていく
  • 胞胚・原腸胚(段階8〜12.5):細胞の分裂が進み、体づくりの準備が整っていく
  • 神経胚(段階13〜20):神経のもとができてくる
  • 尾芽胚(段階21〜35):しっぽの芽がのび、体の形が見えてくる(前期・中期・後期)
  • 孵化前〜孵化(段階36〜44):段階44が「孵化したばかり」

ちなみに、孵化にあたる段階の番号は表によって違います。1975年の表では段階40、2025年の論文の表では段階49です。ネットで「ステージ○で孵化」という書き方を見かけたら、どの表の番号かを確かめると混乱しにくいですよ。

孵化の日はカレンダーの予定ではなく、幅のある目安として見ておくと、3週間を過ぎた卵をあわてて捨てる失敗も防げます。

孵化した日の赤ちゃんは全長約1cm。ベルギーの大学の1999年の論文(実験時の水温20±2℃)で測られた値です。2003年の論文の要旨によると、孵化直後の前足はまだ小さな芽の状態。その後の成長は水温・餌・飼育密度で大きく変わると、AGSC の解説や1975年の論文が書いています。

全部の卵がかえるわけではない点も、知っておきたいところです。孵化率は施設や親の条件で大きく変わります。さきほどのベルギーの論文(室温で管理した1匹のメスの卵)で約80%、メキシコ国立自治大学の飼育施設で約71%、ドレスデンの施設の6.5〜10.5歳の高齢のメスでは0〜92%と幅がありました。かえらない卵が出るのは研究施設でも起こることなので、残った卵の管理を続けることに目を向けましょう。

大半がかえったのに、なかなか出てこない幼生がいることもあります。AGSC ではピンセットでゼリーの膜をそっと破って出してやり、空になったゼリーは取り除いています。とはいえ、これは扱いに慣れた研究施設の手順です。家庭では無理にこじ開けようとせず、まずは様子を見守るくらいがちょうどいいかなと思います。

卵ではなく親のウーパールーパーを飼う水槽の水温の目安と、夏と冬の対策は、親の水槽で保ちたい水温と季節ごとの対策の解説で紹介しています。

ウーパールーパーの卵を産んだらすることと育て方

ここからは、卵を産んだらやることを順番に見ていきます。親と分ける、容器に分けて涼しめの水で管理する、死んだ卵やカビた卵を毎日取り除く、孵化後は様子を見て餌を与える、大きさで分ける。この流れを頭に入れておけば、数百個の卵を前にしても落ち着いて動けますよ。

今日やること:親と卵を分ける/浅い容器に分ける/カルキを抜いた水を用意する
1〜2日後:割れ目(卵割)を見て、育っていない卵を取り除く
毎日:水をそっとかき混ぜ、死んだ卵・カビた卵を取り除く
孵化後:お腹の卵黄が見えなくなったら、ブラインシュリンプを与える

スポンサーリンク

産卵したら親と卵を分ける

水草に付いた卵は水草ごと別の容器へ、あちこちに散らばった卵なら親を別の水槽へ移すことを示したスライド
産卵したら親と卵を分ける

卵を見つけたら、最初にやりたいのが親と卵を分けることです。理由はシンプルで、親が卵や赤ちゃんを食べてしまうから。AGSC の解説では、卵が孵化する前に卵か親のどちらかを取り出すよう書かれていて、そうしないと親が孵化した幼生を食べてしまうとしています。業界誌でも、親が自分の卵を食べることもあると紹介されていました。

研究施設も同じように分けています。ドレスデンの施設では、交配のあと卵を集めて別の水槽へ移し、オスはメスが産み始めた時点で(遅くとも4日で)元の水槽へ戻していました。メキシコの大学が水路の水を引いた屋外の飼育池で行った繁殖でも、産卵が終わると親を取り出しています。

では、卵と親のどちらを動かせばいいのでしょう。AGSC の解説では、卵を移しても親を移しても、どちらでもよいとされています(出典:ケンタッキー大学 Ambystoma Genetic Stock Center「Guide to Axolotl Husbandry」)。家庭で選ぶなら、こんな考え方がしやすいと思います。

  • 卵が水草や人工の葉に集中している:水草や葉ごと別の容器へ移す
  • 卵が石や水槽のあちこちに散らばっている:親のほうを別の水槽へ移す
  • 卵が数百個と多い:親を移したうえで、卵を少しずつ浅い容器に分けていく

石や水草に付いた卵は、ピンセットで外せると AGSC の解説にあります。水草に付いている場合は、水草ごと移すのも方法のひとつ。どちらの場合も、いちばん気をつけたいのはゼリーを傷つけないことです。前の節で見たとおり、ゼリーから出てしまった卵はたいてい死んでしまいます。卵の本体をつまむのではなく、まわりのゼリーごとそっと扱うイメージで作業するとよいですよ。

移す先の水は、親の水槽と同じくらいの水温にそろえておきましょう。急に水温を変えないことは、卵の時期を通じての基本です。カルキ(塩素)を抜いた水を使う理由は、次の節で説明します。

よくある失敗例は、産卵に気づいても、しばらく親と同じ水槽に置いたままにしてしまうこと。メスは1〜2日かけて産み続けるので「産み終わるまで待とう」と考えがちですが、ドレスデンの施設ではオスを産卵開始の時点で戻しています。少なくともオスは早めに別の水槽へ移し、メスも産み終えたら卵と離す、という順番にすると無理がありません。

スポンサーリンク

卵の容器・水換え・水温の目安

浅い容器に50〜100個まで、1日1回かき混ぜる、親と同じ涼しめの水温など、研究施設のやり方と家庭での目安を比べた表のスライド
卵の容器・酸素・水温の研究施設のやり方と家庭での目安

卵の容器は、浅いものを複数用意するのが基本です。AGSC の解説では、浅い容器1つに入れる卵は50〜100個まで。AGSC の2024年版ガイドでは、1.5Lの丸いガラス鉢に75個までとしています。2つの数字はおおむね一致していて、たとえば300個産んだなら、50〜100個ずつで3〜6個の容器が必要になる計算ですね。

浅い容器を使うのは、酸素のためです。AGSC の解説によると、かたまりになった卵の内側は十分な酸素を受け取れないことがあります。くっついている卵は、ゼリーを傷つけないよう気をつけながらほぐして、容器の底に広げてあげましょう。

酸素の補い方について、AGSC の研究施設はエアレーション(空気を送る装置)ではなく、1日1回手で水をかき混ぜて酸素を行きわたらせ、そのときに死んだ胚を取り除いています。卵へのエアレーションの強さや要否をはっきり書いた一次資料は、今回確かめた資料では見つかりませんでした。エアレーションをするなら、卵が転がらないくらいの弱さにとどめるのが無難です。

水換えは、AGSC の2024年版ガイドでは「必要に応じて」。胚は汚れをあまり出さないものの、死んだ胚や親のフンで水が汚れるからです。毎日決まった量を換えるというより、死んだ卵が出たときや親のフンが混じったときなど、汚れのもとがあるときに換えるイメージで考えるとわかりやすいかなと思います。

使う水にも注意が必要です。同じガイドは、水道水に含まれる塩素・クロラミン・アンモニアはアホロートルに有毒なので、取り除くことが大切だとしています。キョーリンの情報でも、成体の水換えには液体のカルキ抜きでカルキを抜いた水道水を使うよう案内されていました(卵についての記載はないので、成体向けの案内に沿った目安です)。なお、研究施設では塩類を溶かした専用の人工飼育水を、胚用に半分に薄めて使っています。また AGSC の解説は、幼生を極端に軟らかい水や蒸留水で飼わないよう書いているので、精製水などで代わりにしないようにしましょう。

水温は、親と同じ涼しめの水で、急に変えないのが基本です。AGSC の研究施設の飼育室は15〜17℃に保たれています。親の水温の上限について、AGSC の解説は約22℃を超えないようにとし、キョーリンの情報は27℃を超えると要注意、30℃を超えると危険としています。研究機関のほうが厳しい基準なので、迷ったら厳しいほうに合わせておくと安心ですね。親の水槽が約22℃を超えそうな部屋なら、水槽の水温を下げる方法と何℃下がるかの目安をまとめた記事も参考にしてみてください。ただし、卵の容器そのものを急に冷やすのは避けてください。

反対に、発生を早めたいからと温めるのは避けましょう。研究施設が発生を早めるときでも上限は25℃で、冷やしすぎれば初期の胚は約10℃より下で傷むことがあります。暑すぎず冷やしすぎず、親と同じ水温で静かに見守るのがいちばんです。研究施設のやり方と家庭での目安を、表にまとめておきます。

→ 横にスクロールできます

項目 研究施設のやり方(資料) 家庭での目安
容器と数 浅い容器に50〜100個まで(AGSC の解説)/1.5Lの丸いガラス鉢に75個まで(AGSC の2024年版ガイド) 浅い容器を複数用意し、1つに50〜100個までを目安に分ける
酸素 エアレーションではなく、1日1回手でかき混ぜる 1日1回そっとかき混ぜる。エアレーションをするなら卵が転がらない弱さで
水換え 必要に応じて換える(胚は汚れをあまり出さないが、死んだ胚や親のフンで汚れる) 死んだ卵が出た、フンが混じったなど、汚れのもとがあるときに換える
水 水道水の塩素・クロラミン・アンモニアを取り除く カルキを抜いた水道水を使う(成体向けの案内に沿った目安)
水温 飼育室は15〜17℃。発生を早めるとしても25℃まで。初期の胚は約10℃未満で傷むことがある 親と同じ涼しめの水温で、急に変えない。温めたり冷やしたりして発生を操作しない
死んだ卵・カビた卵 毎日取り除く(見つけたらすぐ取り除く) 毎日見回り、見つけたらその日のうちに取り除く

卵や幼生の水づくりに使うカルキ抜きは、魚や両生類に使えると書かれていて、少ない水量でも量を合わせやすいものが扱いやすいと思います。価格や在庫は購入前に各ショップで確認してください。親の水換えで使っているカルキ抜きがすでにあれば、それを使えば新しく買い足す必要はないかなと思います。

スポンサーリンク

白くカビた卵と死んだ卵の取り除き方

卵の管理でいちばん気をもむのが、卵のカビかもしれません。研究施設の手順は、とてもはっきりしています。ベルギーの大学の1999年の論文では「死んだ卵やカビに感染した卵はすぐに取り除いた」、AGSC の2024年版ガイドでは毎日死んだ胚を取り除く、ドレスデンの施設では24〜48時間以内に無精卵や傷んだ卵を見つけて取り除く。今回確かめた研究施設の手順は、いずれも見つけたらすぐ取り除くで一致しています。

取り除く理由のひとつは、傷んだ卵が水を汚すためです(AGSC の2024年版ガイド)。海外の飼育者の掲示板では、カビは多くが無精卵や死んだ卵に生えるものの健康な卵に及ぶこともあり、カビた卵を取り除くだけでたいてい広がりは止まる、という声もありました(飼い主の体験談です)。カビた卵を見つけたら、周りに広がる前に早めに対処するのがポイントです。

取り除き方としては、海外の掲示板に、スポイトでそっと吸い出したという書き込みがあります。カビた卵にスポイトの先を近づけ、ゆっくり吸い込むやり方です。周りの卵を動かさないよう、少しずつ吸うのが無難でしょう。石や水草に付いている場合は、ピンセットでゼリーごと外すやり方もあります。作業のあとは、水の汚れ具合を見て、必要なら水を換えましょう。

毎日の見回りは、AGSC のやり方にならって、1日1回水をかき混ぜるついでに行うと続けやすいですよ。数百個の卵があると見落としも出るので、容器ごとに順番に見ていくと抜けが減ります。

なお、卵に付くカビの種類をアホロートルの卵について特定した一次資料は、今回確かめた資料では見つかりませんでした。卵のまわりのふわふわしたものが本当にカビなのか、水槽に自然にできる膜なのか迷ったら、水槽のバイオフィルムと水カビの見分け方をまとめた記事も参考になります。

もうひとつ、よく話題になるのがメチレンブルーなどの薬です。メチレンブルーは魚の飼育では卵のカビ対策に使われることがあるようですが、アホロートルの卵での効果と安全性を示した一次資料は、今回確かめた資料では見つかりませんでした。今回確かめた研究機関の手順書には卵に薬を使う記載は見つからず、死んだ卵やカビた卵を取り除く方法がとられています。海外の掲示板では、カビ防止にうまく使えたという声がある一方で、幼生の死亡が多かったという声もあり(イモリなどの卵の話が中心)、評価が分かれていました。

薬を使うかどうか迷ったら、自己判断で進めずに、購入したショップや両生類を診られる動物病院に相談してみてください。最終的な判断は専門家にご相談ください。

カビた卵や孵化後の食べ残しを吸い出すスポイトは、先が細めで、吸う力を指先で調整しやすいものが使いやすいと思います。価格や在庫は購入前に各ショップで確認してください。手元にピンセットがあれば、石や水草に付いた卵を外すのはそれで代わりになります。

スポンサーリンク

孵化した赤ちゃんの最初の餌と与え方

卵黄で過ごす孵化直後の幼生と、卵黄が見えなくなってからブラインシュリンプを食べる幼生を矢印で示したスライド
孵化した赤ちゃんに餌を与え始めるタイミング

赤ちゃんがかえると、次に迷うのが餌のタイミングです。ここでのポイントは、日数ではなく赤ちゃんの様子で決めること。

AGSC の解説では、お腹の卵黄が見えなくなったら餌を始めるとしています。卵黄とは、つまり生まれる前から体にたくわえている栄養のこと。孵化してしばらくは、これで生きていけるわけです。AGSC の2024年版ガイドでは、幼生が水面で空気の泡を作りはじめたら、餌を食べる準備ができた合図としています。

実は、日数の目安は資料によって差があります。業界誌は孵化後約48時間以内に小さな生き餌が必要と書き、サンディエゴ動物園の図書館のまとめは卵黄で約1週間栄養をまかなえるとしています。2日と1週間では、かなり違いますよね。だからこそ、研究機関のように「卵黄が見えなくなった」「水面で泡を作る」という様子を見て決めるのがわかりやすいんです。

最初の餌は、生まれたてのブラインシュリンプ。ブラインシュリンプとは、つまり塩水でかえす小さな甲殻類で、乾燥した卵を塩水でかえし、生まれたての幼生を与えます。AGSC の解説では、生まれたての生きたブラインシュリンプを毎日、全員のお腹がオレンジ色になるまで与えるとしています。お腹の色で食べたかどうかがわかるので、観察しやすいのがいいところです。

与え始めが遅れると、幼生が空気を飲み込んで胃に気泡がたまることがある、と AGSC の解説は注意しています。卵黄が見えなくなってきたらすぐ与えられるよう、ブラインシュリンプをかえす準備は前もってしておきましょう。

与えるときの注意も2つあります。ひとつは、ブラインシュリンプのかえらなかった卵や殻を取り除くこと。AGSC の2024年版ガイドによると、これらは幼生の腸に詰まることがあります。もうひとつは、塩水からこして、飼育水に移してから与えること(AGSC の解説)。かえし方や塩抜きの手順は、ベタのブラインシュリンプの与え方の記事でも紹介しています。ベタ向けの内容ですが、手順の参考にしてみてください。

食べ残しがあると水がすぐ汚れるので、AGSC の解説では24時間以内に水を換えるとしています。幼生の水は毎日換えている、とも書かれていました。

ミジンコはどうなの?と思う方もいるかもしれません。メキシコの大学が自然の水を流した池で行った繁殖では、幼生がワムシやミジンコの仲間、虫の幼虫などを食べていました。ただ、AGSC の解説ではミジンコは成長してからの餌の候補として挙げられていて、生まれたての最初の餌としてはブラインシュリンプが標準です。

成長に合わせた切り替えも見ておきましょう。AGSC の2024年版ガイドでは約3cmからブラックワーム(水生の細長いミミズの仲間)を与え、AGSC の解説では約4cmでペレット(固形の人工飼料)を始め、5〜8cmでブラインシュリンプをやめるとしています。成長の速さは水温・餌・密度で大きく変わるので、日数より体の大きさを目安にするとよいですよ。

◆所長のワンポイントアドバイス

ブラインシュリンプをかえすのが初めてなら、卵の孵化が始まる前に一度ためしにかえしてみると、本番で慌てずにすみます。こし方や殻の取り除き方まで、通しで手を動かしておくのがおすすめです。

ブラインシュリンプエッグ(ブラインシュリンプの卵)は、塩水でかえしてから与えるものです。使う分ずつ小分けにしやすく、保存方法がわかりやすいものが扱いやすいと思います。価格や在庫は購入前に各ショップで確認してください。なお、最初の餌の代わりになるものを示した研究機関の資料は今回確かめた範囲では見つからなかったので、ブラインシュリンプは前もって用意しておくと安心です。

スポンサーリンク

共食いを防ぐ分け方と育てる数の決め方

孵化直後はまとめて育て、大きさで分け、体長3〜5cmで1匹ずつの容器へ移す流れを示したスライド
共食いを防ぐ幼生の分け方

赤ちゃんが育ってくると、次の課題は共食いです。AGSC の解説では、水槽で育てる若い幼生はお互いにとても攻撃的で、共食いをするとしています。大きさの違う個体を一緒にすると、大きいほうが小さいほうを食べようとする、とも書かれていました。

AGSC の2024年版ガイドはさらに踏み込んでいて、手足や尾をかじられないよう密度を中くらい〜低めに保っても、1匹ずつ分けない限りかみ傷は避けられないとしています。容器でまとめて育てた幼生の大半がかみ傷を負い、その傷は再生で治るそうです。再生とは、つまり失った手足や尾がもう一度生えてくること。ウーパールーパーならではの力ですが、小さい個体が食べられてしまえば元も子もありません。

分けるタイミングは、AGSC の2024年版ガイドでは体長3cmで、約1Lの水を入れた2Lの容器に1匹ずつ移します(8〜9cmになったら、2.5Lの水を入れた4Lの容器へ)。AGSC の解説では、約5cm以上になったものを1匹ずつ1Lの容器へ。つまり、3〜5cmが1匹ずつに切り替える目安です。

孵化直後は、AGSC の解説のように1つの容器にたくさん(50匹以上)入れて始め、育つにつれて数を減らしていきます。そのとき、同じくらいの大きさの個体どうしでまとめるのがコツ。成長の早い個体を早めに引き離せば、小さい個体が狙われにくくなります。メキシコの大学の報告では、水路の水を引いた屋外の飼育池では成長の早い個体を小さいきょうだいから分けるのが水槽より難しいと書かれていて、室内の容器で管理するメリットがよくわかりますね。

大人になってからも、キョーリンの情報では、目の前で動くものを食べてしまう習性があるため単独飼育が基本とされています。複数で飼うなら、隠れ家を複数入れる、同じくらいの大きさにそろえる、60cm水槽に2・3匹まで、が目安です。

ここで、いちばん大事な話をします。1回に数百個産むということは、全部かえして育てると、いずれ数百匹ぶんの容器や水槽が必要になるということ。家庭で飼いきれる数ではありません。だからこそ、卵の段階で育てる数を先に決め、もらい手も先に探しておくことが大切です。神戸新聞(2022年)では、店で殖やした個体を毎年約100匹ずつ客に配っている焼き肉店の例が報じられていましたが、こうした受け皿をすぐに見つけるのは簡単ではないかもしれません。育てない分の卵の扱いも、孵化する前に決めておきましょう。

動物愛護管理法の第7条では、動物の所有者に対して、命を終えるまで適切に飼う「終生飼養」に努めること、むやみに繁殖して適切に飼えなくならないよう繁殖に関する措置をとるよう努めること、逃げ出さないよう必要な措置をとるよう努めることが定められています。どれも努力義務ですが、卵を産んだ今まさに向き合うことばかりです。

生まれた赤ちゃんや卵を、川や池などの野外には放さないでください。環境省・農林水産省の外来種被害予防3原則では、飼っている外来種は「捨てない(逃がさない・放さない・逸出させないことを含む)」、すでに野外にいる外来種は「拡げない(増やさないことを含む)」とし、生き物を飼うときは責任を持って終生飼育するよう求めています。メキシコ原産のウーパールーパーも、日本では外来種です。野外に出れば、日本の生態系に影響するおそれがあります。

原産地のメキシコでは、持ち込まれたティラピアやコイが、卵や幼生を含めてウーパールーパーを食べたり餌を奪い合ったりしている可能性が指摘されています。運河の干上がりや汚染も減少の要因です。IUCN(国際自然保護連合)の2019年の評価は「深刻な危機」で、野生の成体は50〜1,000匹と推定されています。持ち込まれた生き物が在来の生き物に影響しうることを示す一例といえます。

法律の扱いも正確に書いておきます。ウーパールーパー(アホロートル)は、外来生物法の特定外来生物には入っていません(環境省の特定外来生物等一覧を2026年10月に確認)。また、動物愛護管理法で遺棄が罰せられる「愛護動物」は、牛・馬・犬・猫などと、人が飼っている哺乳類・鳥類・爬虫類で、両生類は含まれません。つまり、放さない理由は「罰則があるから」ではなく、国の外来種対策の原則と、法律が所有者に求める責務にあります。外来生物の一覧は法改正で変わることがあるので、正確な情報は公式サイトをご確認ください。

ウーパールーパーの卵についてよくある質問

ウーパールーパーは何歳くらいから卵を産めますか?

AGSC の解説では約1歳で性成熟し、ドレスデンの論文でもメスは約12か月で成熟するとされています。ただ、AGSC の教材は環境や遺伝によって9か月〜2年と幅があると書いています。ドレスデンの論文では、産卵数・卵の質・交配の成功率は約2歳がいちばん高く、成熟したての時期の交配は卵の質が落ちやすいとしていました。AGSC の解説も、成熟しかけの約1歳の個体がいちばん病気になりやすいとしています。繁殖を考えるなら、1歳半〜2歳ごろ、体がしっかりしてからが無難かなと思います。

一度卵を産んだら、次はいつ産みますか?

飼育下では季節に関係なく繰り返し交配できるとされていますが、研究施設では間隔をあけています。AGSC ではメスを最低2か月、できれば3か月休ませ、オスも最低1〜2週間あけています。ドレスデンの論文では、交配の間隔を詰めるとメスの産む卵が減り、休ませると増えると報告されています。ペアを同じ水槽で飼っているなら、続けて産ませないよう雌雄を分けておくのもひとつの方法です。

卵を冷やして孵化を遅らせることはできますか?

研究施設では、発送などの都合で発生を遅らせたいとき、6℃に短期間置いたり(AGSC の2024年版ガイド)、胞胚期を過ぎた胚を1〜2℃で保ったり(AGSC の解説)する操作をしています。ただ、これは管理された環境で行う研究施設の操作です。AGSC の解説は、初期の胚は約10℃より下で傷むことがあるとも書いています。家庭でまねることはおすすめしません。親と同じ涼しめの水温のまま見守ってください。

屋外のビオトープや池で卵をかえしてもいいですか?

おすすめしません。メキシコの大学が水路の水を引いた屋外の飼育池(水温21℃)で行った繁殖では、1か月後の幼生の生き残りが、覆いとろ過のある池で4.9〜32.2%(網の穴から逃げて数えられなかった幼生もいたとされています)、覆いもろ過もない池ではゼロでした。研究者は、覆いのない池で卵が昆虫の幼虫に盛んに食べられていたことを確認しており、かごの中には逃げ出したカエルもいたと報告しています。さらに屋外では逃げ出してしまうおそれもあり、外来種として野外に広がる問題につながります。卵は室内の容器で管理しましょう。

スポンサーリンク

ウーパールーパーの卵を育てる前に覚えておきたいこと

ウーパールーパーの卵は1回に数百個産まれ、水温20℃前後なら約2週間でかえる、というのがあくまで一般的な目安です。最後に、要点をおさらいしておきます。

  • 卵を見つけたら、まず親と卵を分ける。親は卵や赤ちゃんを食べてしまう
  • 浅い容器に50〜100個までを目安に分け、カルキを抜いた水で、親と同じ涼しめの水温を保つ
  • 受精した卵は割れ目(卵割)が入っていく。研究施設は産まれて1〜2日で仕分ける。死んだ卵・カビた卵は毎日取り除く
  • 孵化後は日数ではなく、お腹の卵黄が見えなくなったらブラインシュリンプを与え、大きさで分ける
  • 全部育てると飼いきれないので、育てる数を先に決める。野外には放さない

数百個の卵を前にすると戸惑うかもしれませんが、やることの順番を押さえておけば落ち着いて動けます。小さな卵の中で細胞が分かれ、しっぽがのび、やがて1cmほどの赤ちゃんが泳ぎ出すまでの2週間ほどを、落ち着いて見守ってあげてください。

スポンサーリンク

COMMENTS

この記事へのご質問・コメント

質問・コメントを書く

記事の内容についてのご質問は、この欄からどうぞ。いただいたコメントは、所長が確認してから公開されます。

CAPTCHA


← トップページへ戻る
アクアリウムに必須の持ち物完全ガイド
START HERE / COMPLETE GUIDE

アクアリウムに必須の持ち物完全ガイド

必須器具から便利グッズ、日々の水質管理やトラブル対策まで。アクアリウムを長く楽しむために必要な持ち物を、ひとつのガイドにまとめました。 完全ガイドを見る