赤い目のグッピーはアルビノ|種類と値段・飼い方・殖やし方をやさしく整理
白っぽい体に、ルビーのような赤い目。お店や通販でアルビノのグッピーを見かけて、普通のグッピーとは違う透明感に惹かれた方も多いと思います。ただ、商品名にはRREAやルチノーといった見慣れない言葉が並んでいて、アルビノグッピーの種類の違いや値段の差、弱いと聞くけれど本当なのか、寿命は短いのか、繁殖させたら子もアルビノになるのか、と気になることがたくさん出てきますよね。
先に結論をお伝えすると、グッピーのアルビノは、黒い色素のメラニンが欠けて目が赤く見える体色で、通販ではRREAと呼ばれるタイプの商品がほとんどです。観賞魚の情報サイトAQUALASSICの説明では、似た見た目のルチノーとは別の遺伝子によるもので、どちらも親から子へ劣性(潜性)の形で受け継がれます。飼い方の基本は通常のグッピーと同じですが、RREAのようにヒレの大きい品種では混泳の相手選びに注意が要り、子どもを殖やすときは親の組み合わせにアルビノならではの注意点があります。
この記事では、グッピーの体色の遺伝を扱った論文と、観賞魚の販売店・メーカーの解説をもとに、アルビノの種類と見分け方を整理しました。あわせて、同じ品種の通常体色とアルビノの通販価格を並べた比較表と、アルビノの子が生まれる割合を親の組み合わせごとに計算した表も作っています。これからアルビノグッピーを迎えたい方も、すでに飼っていて殖やし方が気になっている方も、気軽に読んでみてくださいね。
- グッピーのアルビノの正体と目が赤く見えるしくみ
- RREAとルチノーの違いと商品名での見分け方
- 通常体色と比べたアルビノの通販価格の差
- 飼い方・混泳の注意点とアルビノの子が生まれる確率
グッピーのアルビノとは?種類と見分け方・値段の目安
この章では、グッピーのアルビノがどんな体色なのかを、目が赤く見える理由から、RREAとルチノーという2つのタイプの違い、アルビノと組み合わせた品種の例、通販での値段の差まで順に見ていきます。
最初にしくみを知っておくと、商品名に並ぶアルファベットの意味が分かるようになり、同じ品種なのに値段が違う理由も読み取りやすくなります。後半には、同じ品種の通常体色とアルビノの価格を並べた表と、買う前に商品名で確かめたいことのチェックポイントも載せています。値段だけ知りたい方は、表のある節から先に読んでもかまいません。なお、この章で紹介する論文の内容は、それぞれ調べた時期と対象の系統が決まっているので、どの資料の話なのかを添えながら説明していきます。
アルビノは黒い色素が欠けた体色

グッピーのアルビノは、体や目の黒い色をつくるメラニン色素が欠けた体色のことです。野生のグッピーと同じ灰色から茶褐色の体色はノーマルと呼ばれ、そこから黒い色素が抜けることで、白っぽく透き通るような体になります。
グッピーのアルビノを詳しく調べた古い研究に、1948年に遺伝学の学術誌Heredityに載った、HaskinsとHaskinsの論文があります(出典:Haskins & Haskins(1948)Heredity)。著者らは、それまでグッピーのアルビノの報告は見当たらなかったと書いています。この論文で調べたアルビノは、近親交配を重ねて色や形を選び抜いてきた米国の系統の中から偶然見つかったもので、見た目が普通のオスから生まれた子の中に、アルビノのオスが2匹見つかったのが始まりだったそうです。
論文では、アルビノのホモ接合体(同じ遺伝子を2つそろえて持つ個体)は、肉眼ではほとんど白に見え、かなり透明感のある魚になると説明されています。成魚のうろこや皮膚の中には、黒い色素を持つ細胞が見つからなかったそうです。目もほとんど色素がなく、アルビノに特徴的なピンクがかった赤い目(論文の表現ではpink eye)になるとされています。
ここで押さえておきたいのは、アルビノは黒い色素がないだけで、ほかの色まで消えるわけではないという点です。チャームの通販でも、レッドテールやドイツイエロータキシード、ブルーグラスなど、さまざまな色柄の品種のRREAが並んでいます。黒が抜けたぶん、赤や黄色、青の発色が通常体色とは違った雰囲気に見えるのが、アルビノの品種の面白さですね。
また、観賞魚の情報サイトAQUALASSICの体色の一覧では、地色などの体色に関わる性質は基本的にすべて常染色体(性別を決める染色体以外の染色体)の上にあると言われ、オスにもメスにも同じように現れると説明されています。アルビノも同じで、オスだけ、メスだけに出る性質ではありません。一方、Haskinsらの論文では、オスの体の色柄をつくる因子は性別にかかわるY染色体やX染色体の上にあるようにふるまい、アルビノのオスにも、黒い色素が足りる範囲で現れたと書かれています。地色と、オスに出る色柄とは受け継がれ方が別、と分けて考えると分かりやすいですね。
目が赤く見えるしくみ
アルビノの目が赤く見えるのは、目の中に赤い色素があるからではなく、色素が足りずに目の奥の血の色が透けて見えるためです。
2024年に国際的な学術誌に載ったChangらの研究は、飼育されているグッピーの目の色には赤と黒の2つがあり、野生型(もともとの姿)は黒い目だと説明しています(出典:Chang et al.(2024)Int. J. Mol. Sci.)。この論文の導入では、人やゼブラフィッシュの研究をもとに、色素が足りないと目の虹彩(瞳のまわりの膜)が透明になり、目の中の血管の色が反射して赤く見え、虹彩を通る光も増えると説明されています。
同じ研究では、121匹の飼育グッピーの遺伝情報を調べて、目が赤くなることに関わる候補の遺伝子を44個見つけ、その中でもOCA2という遺伝子が最も重要な候補だと提案しています。OCA2は、黒い色素のメラニンをつくるはたらきに関わる遺伝子です。
ただし、この論文の導入には、古い報告ではアルビノは常染色体の上でメンデルの法則どおりに受け継がれるとされてきたものの、グッピーでアルビノの原因になる遺伝子はまだ特定されていないとも書かれています。つまり、OCA2は今のところ有力な候補の段階で、日本で流通しているRREAやルチノーのどちらにどの遺伝子が関わっているのかまでは、この研究からは分かりません。
見た目の話に戻ると、Haskinsらの1948年の論文では、虹彩に少し色素が見られる個体もときどきいたと書かれています。同じアルビノでも、目の色の見え方には多少の幅があると考えておくとよいかなと思います。
RREAとルチノーの違い

グッピーのアルビノには、大きく分けてRREAとルチノーの2つのタイプがあります。どちらも赤っぽい目になりますが、AQUALASSICの説明では別の遺伝子によるもので、目の色の濃さと黒い色素の抜け方に違いがあるとされています。
RREAは、Real Red Eye Albino(リアルレッドアイアルビノ)の略です。AQUALASSICの説明によると、RREAは黒を表現するメラニン色素が完全に欠けた表現型で、ルチノーより後に見つかった性質ですが、グッピーで単にアルビノというとRREAを指すことも多いそうです。紛らわしいので、グッピーの業界ではルチノーとRREAを呼び分けることが多いとされています。
一方のルチノーは、同じ説明では、体色が薄く白っぽくなって目が赤く染まる表現型で、赤黒い目が特徴のためブドウ目とも呼ばれるとされています。RREAが見つかってからは盛んに改良されてはいないものの、全身が赤いフルレッド系の品種とは相性がよく、積極的に使われているそうです。チャームの通販でも、ルチノー・ドイツイエロータキシードの商品説明に、ルチノーはアルビノの別名でブドウ目とも呼ばれ、RREAと異なる系統だと書かれていました。
2つのタイプの違いを、今回の資料で確認できた範囲で表にまとめました。
| 項目 | RREA | ルチノー | ノーマル(通常体色) |
|---|---|---|---|
| 目の色 | 赤い目 | 赤黒い目(ブドウ目) | 黒い目 |
| 黒い色素 | 完全に欠ける | 欠ける | ある |
| 遺伝のしかた | 劣性。2つそろうと現れる(記号aa) | 劣性。2つそろうと現れる(記号ll) | 基本的に優性。1つあれば現れる |
| 流通・使われ方 | 単にアルビノというとRREAを指すことも多い | フルレッド系の品種に積極的に使われる | — |
| 2026年10月18日のチャームの検索で見つかった数 | 商品名にRREAを含む31商品 | 商品名にルチノーを含む1商品 | — |
遺伝の記号はAQUALASSICの一覧で使われているもので、RREAには標準的なアルビノとしてa、ルチノーにはlutinoの頭文字のlが使われることが多いそうです。最後の行は、チャームのYahoo!ショッピング店で2026年10月18日に検索した結果で、商品名にRREAを含むものが31商品、ルチノーを含むものが1商品でした。お店によって品ぞろえは違うので、あくまで一つのお店の一時点の数として見てください。
アルビノと組み合わせた品種の例
アルビノは単独の品種名ではなく、ほかの品種に組み合わせて使われる性質です。商品名では、RREA・ドイツイエロータキシードのように、品種名の前にRREAやルチノーをつけて表されるのが一般的です。
チャームのYahoo!ショッピング店でRREAを含む商品を見ると、フルレッド、レッドグラス、ブルーグラス、ドイツイエロータキシード、丹頂、モスコーピンク、マゼンタ、スーパーホワイト、フルホワイトなど、色柄の違う品種がそろっていました。商品説明を見ると、RREA・ドイツイエロータキシードは、もともと完成度の高いドイツイエローがもとになっているため、RREタイプの品種の中でも完成度が高いと紹介されています。RREA・ブルーグラスは、ブルーグラスの尾ビレがより透き通って見える品種として紹介されていました。
メーカーの解説では、スペクトラム ブランズ ジャパン(旧テトラ ジャパン)が、リアルレッドアイアルビノフルレッドを、フルレッドのグッピーがアルビノになったもので、アルビノ系の中でも体が白っぽく目が真っ赤になるタイプだと紹介しています。通常体色のブルーグラスの特徴や選び方は、ブルーグラスグッピーの値段と特徴を解説した記事で詳しくまとめています。
さらに、アルビノはほかの劣性の体色と重ねることもできます。AQUALASSICでは、劣性の性質を2つ同時に持つことを二重劣性と呼び、RREAとゴールデンを重ねたRREAゴールデン、RREAとドゥンケル型ブラオを重ねたヘリオス(RREAドゥンケル)などを例に挙げています。RREAとゴールデンとブラオの3つが重なった三重劣性の例として知られるのが、スーパーホワイトです。
ただ、チャームのRREA・スーパーホワイトの商品説明では、3つの劣性遺伝子を持つため作出が難しく、今流通しているものの多くはRREAとブラオの遺伝子を持つものではないかと考えられている、と書かれていました。同じ品種名でも、どの性質がそろっているかは個体の系統によって違う可能性があるということですね。
通常体色との値段の差

アルビノの品種は、同じ品種の通常体色より高めの値段で売られていることが多いようです。2026年10月18日に、チャームのYahoo!ショッピング店で、同じ品種の通常体色とアルビノが両方並んでいたものを比べてみました。
| 品種(いずれも国産・1ペア) | 通常体色 | RREA | 差額 | RREAは通常体色の何倍か |
|---|---|---|---|---|
| ドイツイエロータキシード | 1,960円 | 2,880円 | 920円 | 約1.5倍 |
| フルレッド | 1,970円 | 2,760円 | 790円 | 約1.4倍 |
| レッドグラス | 1,710円 | 2,990円 | 1,280円 | 約1.7倍 |
| ブルーグラス | 1,810円 | 2,990円 | 1,180円 | 約1.7倍 |
価格は2026年10月18日に検索結果に表示されていた1ペアの価格で、送料は含みません。差額と倍率は、表の価格からこちらで計算したものです。この4品種では、RREAのほうが790円から1,280円高く、通常体色のおよそ1.4倍から1.7倍でした。ドイツイエロータキシードには、ルチノーの1ペアも1,860円で並んでいて、この品種ではルチノーのほうが通常体色より100円安いという結果でした。
RREAを含む商品全体で見ると、1ペアで在庫のあるものは15商品あり、いちばん安いRREA・レッドテールが1,860円、いちばん高いRREA・スーパーフルプラチナとRREA・マゼンタが3,060円でした。ほかに、3ペアのセットや、1トリオという単位で売られているリボン系・スワロー系の商品もあり(トリオのオスとメスの内訳は商品ページで確かめてください)、1ペアで品種名の前に入荷未定と書かれた商品も9つありました。
なぜRREAが高めなのかについて、お店の商品説明に理由は書かれていませんでした。劣性の性質なので親の組み合わせを選んで殖やす必要があることが関係していそうですが、これはこちらの推測です。値段は時期やお店、個体の大きさで変わるので、購入前に各ショップで最新の価格を確認してください。
買う前に商品名で確かめたいこと
アルビノのグッピーを選ぶときは、写真の見た目だけでなく、商品名と商品説明の文字をよく読むのがおすすめです。ポイントは3つあります。
1つ目は、RREAなのかルチノーなのかです。どちらも赤い目に見えるため写真だけでは見分けにくいのですが、別の遺伝子によるものなので、自分で殖やしたいなら同じタイプでそろえる必要があります。商品名にRREAやルチノーの表記がないときは、お店にどちらのタイプかを尋ねておくと安心です。
2つ目は、数の単位です。チャームの商品名には1ペア、3ペア、1トリオといった単位が書かれていて、同じ品種でも単位によって値段が大きく変わります。表の価格を比べるときも、単位をそろえて見るようにしましょう。
3つ目は、個体の指定ができるかどうかです。チャームの商品説明には、個体のサイズや模様、オスかメスかの指定は受けられないと書かれていました。生き物なので大きさや模様には個体差があり、写真とまったく同じ個体が届くとは限らない点は理解しておきたいところです。また、商品名には北海道・九州は航空便で保温が必要という表記もあり、寒い時期は届くまでの温度管理も気になるところですね。
アルビノのグッピー選びで確かめたいこと
- RREAかルチノーか(自分で殖やすなら同じタイプでそろえる)
- 1ペア・3ペア・トリオなど数の単位
- 個体のサイズや模様、オスメスの指定ができるかと、届く地域の配送・保温の扱い
アルビノのグッピーを飼う・殖やすときのポイント
この章では、アルビノのグッピーを迎えたあとに気をつけたいことを、飼育の基本、混泳、子どもを殖やすときの確率、弱いといわれる話の根拠の順に整理します。
飼育の環境づくりは通常のグッピーとほぼ同じですが、混泳の相手選びではRREAなどヒレの大きい品種向けの注意があり、殖やすときの親の組み合わせにはアルビノならではの注意点があります。また、アルビノは弱いという話の出どころが1948年の論文にあることも、資料をたどって確かめました。親の組み合わせごとにアルビノの子が生まれる割合を計算した表も載せているので、繁殖を考えている方はあわせて読んでみてください。飼育の目安の数値は、お店の商品説明に一例として書かれているものなので、手もとの水槽の状態も見ながら調整していくのがおすすめです。
水温と水質は商品説明の目安を基本に
アルビノのグッピーの水温や水質は、販売店の商品説明に書かれた目安を基本に考えれば大丈夫そうです。今回確認したRREAやルチノーの商品説明には、アルビノだけの特別な条件は書かれていませんでした。グッピーの基本の飼い方を守ることが大切です。
チャームのRREA・ドイツイエロータキシードの商品説明では、飼育の目安として、水温20〜28℃、水質は中性〜弱アルカリ性、餌は人工飼料と生き餌が挙げられています。最大体長の目安は、オスが3〜4cm、メスが4〜6cmです。同じ店のRREA・スーパーホワイトやルチノー・ドイツイエロータキシードの説明にも、同じ数値が書かれていました。ただし、商品説明にはこの環境は一例で、この環境なら必ず飼えると約束するものではないとも断られています。20〜28℃という幅の両端は目安の限界に近いので、急な変化を避けつつ、幅の真ん中あたりで安定させるのが無難かなと思います。
同じ説明の飼育のポイントには、グッピーは酸性の水を好まず、pHが極端に低いと調子を崩すこと、尾ビレが傷つくと病気になりやすいのでレイアウトや混泳魚に注意が必要なこと、尾ビレの大きな品種は水流を弱めたほうがよいことが書かれています。RREAの商品にはリボンやスワローのようにヒレの長い品種もあるので、フィルターの水流が強すぎないか、尖った石や流木で尾ビレを傷つけないかは見ておきたいところですね。
pHが下がっていないかは、見た目では分かりません。水換えの目安をつかむためにも、pHなどをまとめて測れる試験紙をひとつ用意しておくと便利です。
ひとつ気をつけたいのが、Haskinsらの1948年の論文で、アルビノの魚は通常の個体より水温や水の酸性度の変化にかなり弱かったと報告されていることです。これは昔の、同じ起源の系統を調べた記録で、今のRREAに同じことが言えるかは分かりませんが、水換えのときに水温を合わせる、急にpHを動かさないといった基本を、通常のグッピー以上にていねいに続けておくと安心かなと思います。
混泳は尾ビレの小さい機敏な品種を避ける
RREAのグッピーをほかの魚と一緒に飼うときは、尾ビレの小さい、すばやく泳ぐ品種との混泳を避けるのが基本です。
チャームのRREAの商品説明の混泳の注意点には、RREAとリボン・スワロー系の品種は、尾ビレの小さい機敏な品種との混泳は控えるように書かれていました。同じ説明では、コリドラスやオトシンクルスなど、体の大きさが同じくらいで中性付近の水質で飼える温和な魚とは混泳できるとされています。ただし商品説明は、魚の性質や飼育環境によっては混泳できない場合もあると断っています。一方で、グッピーのヒレをかじる魚との混泳は向かず、殖やすことが目的なら稚魚が食べられてしまうため混泳は避けるように、とも書かれています。
理由は商品説明に書かれていませんでしたが、餌を食べるのが速い魚と一緒だと、アルビノの個体が餌を取り負けていないかは気にかけておきたいところです。餌の時間には、全員が食べられているかを少し見守ってあげてくださいね。
もうひとつ大事なのが、新しい魚を加えるときの準備です。同じ説明では、国産グッピーどうしや外国産グッピー、プラティなどの卵胎生メダカと混泳させる場合は、細菌性の病気になりやすいので、必ずトリートメント(別の水槽で様子を見ながら体調を整えること)をしてから加えるようにとされています。グッピーと相性のよい魚や避けたい魚は、グッピーと混泳できる魚を一覧で比較した記事にまとめているので、混泳を考えている方は参考にしてみてください。
餌は、グッピー用の人工飼料を基本に、食べきれる量を与えるようにしましょう。食べ残しは水を汚す原因になるので、少なめから始めて様子を見るのがおすすめです。
アルビノの子が生まれる確率

アルビノは劣性の性質なので、アルビノの遺伝子を持たない通常体色の親と組み合わせると、子の世代には基本的に現れません。ただし、見た目が通常体色でもアルビノの遺伝子を隠し持っていることがあり、それは見た目では区別できないとされています。アルビノの子を得るには、親の組み合わせを選ぶことが大切です。
AQUALASSICの説明では、ノーマルの親と劣性の性質を持つ親を組み合わせると、子の世代(F1)は基本的にすべてノーマルになり、その子たちはみな劣性の性質を隠し持った状態(ヘテロ)になるとされています。そのF1どうしを組み合わせると、孫の世代(F2)では、ノーマル1:ヘテロ2:劣性1の割合で分かれます。仮に100匹生まれたとすると、目的の劣性の性質を持つ個体は25匹ほどになる、という計算です。
これをもとに、親の組み合わせごとにRREAの子が生まれる割合を表にしました。遺伝の記号は、ノーマルをA、RREAをaとしています。
| 親の組み合わせ | 子の見た目 | RREAの子の割合(理屈の上で) | 子30匹なら(計算) |
|---|---|---|---|
| ノーマル(AA)×RREA(aa) | すべてノーマル(RREAを隠し持つ) | 0% | 0匹 |
| F1どうし(Aa×Aa) | ノーマル3:RREA1 | 25% | 約7〜8匹 |
| F1など隠し持つ親×RREA(Aa×aa) | ノーマル1:RREA1 | 50% | 約15匹 |
| RREAどうし(aa×aa) | すべてRREA | 100% | 30匹 |
| RREA×ルチノー | F1はノーマルが生まれる | 0% | 0匹 |
ノーマル×RREAとF1どうしの行は、AQUALASSICの説明そのままの内容です。F1×RREAとRREAどうしの行は、同じ劣性の遺伝のしくみから計算したもので、子30匹の列は割合を当てはめた計算上の数です。実際には生まれる数にばらつきがあるので、目安として見てください。
注意したいのが、RREAとルチノーの組み合わせです。AQUALASSICによると、2つは別の遺伝子によるものなので、混ぜるとF1にノーマル体色が生まれます。さらに、F2では分かれて出てくるルチノーとRREAの見分けがつきにくいため、ブリーダーの間ではルチノーとの交配は避けるべき組み合わせといわれているそうです。アルビノどうしなら何でもよいわけではなく、同じタイプでそろえるのが基本ですね。
もうひとつ、表の割合はあくまで生まれてくる時点の理屈です。Haskinsらの1948年の論文では、F2や戻し交配で生まれた子に占めるアルビノの割合はいつもかなり低かった一方で、出産前のメスを調べると、お腹の中の稚魚ではほぼ通常の割合だったと報告されています。生まれる時点でアルビノの稚魚の多くが生き残れなかったことが一因と考えられていて、これも当時の系統での記録ですが、計算どおりに生まれなくてもおかしくないと考えておくとよいかなと思います。
出産や稚魚の育て方の基本は、通常のグッピーと同じです。チャームの商品説明では、メスは交尾から1ヶ月ほどで稚魚を産み、初産では少ないものの、大きなメスは100匹近く産むこともあり、1度の交尾で数回産めると紹介されています。出産が近いメスは、稚魚がほかの魚や親に食べられないよう、産卵ケースや別の水槽に移すようにとされています。オスとメスの割合や出産までの流れは、グッピーの繁殖方法を交尾のしくみから解説した記事で詳しく紹介しています。
同じ説明では、稚魚はすぐに細かな人工飼料を食べられること、1ヶ月ほどでオスとメスの見分けがつき、3ヶ月ほどで交配できるようになることも書かれています。系統を分けて殖やすなら、どの親からいつ生まれた子なのかを水槽ごとにメモしておくと、次の親を選ぶときに役立ちます。
出産が近いメスを移す場所としては、水槽にかけて使う産卵ケースが手軽です。
産卵ケースの種類や選び方は、グッピーの産卵箱の選び方を比較した記事も参考にしてみてください。
弱いといわれる話の根拠
アルビノのグッピーは弱いという話を耳にすることがありますが、今回たどれた学術的な根拠は、1948年のHaskinsらの論文でした。ただし、今のRREAにそのまま当てはまるかは分かっていません。
この論文では、グッピーのアルビノは半致死性(生き残りにくくなる性質)だとされています。アルビノの魚は通常の個体より水温や水の酸性度の変化にかなり弱かったこと、メスは最良と考えた条件で飼っても1年もたせられなかったこと、オスは2年飼えたものの通常の寿命には遠く及ばなかったことが報告されています。さらに、繁殖の成績も悪く、アルビノの両親から1回の出産で生まれた生きたアルビノの稚魚は、最も多くて7匹、平均すると3〜4匹だったそうです。まとめの部分では、アルビノの成魚は雌雄とも繁殖力が低く、通常の個体より平均寿命がずっと短く、病気や悪い環境に弱いと結論づけています。
この記録は、1948年に米国で、近親交配を重ねた系統から見つかったアルビノと、同じ起源から分かれた飼育群を調べたものです。今の日本で流通しているRREAやルチノーが同じ遺伝子によるものなのか、同じ程度に弱いのかは、今回の資料では確かめられませんでした。
2024年のChangらの論文も、導入で、グッピーでアルビノの原因になる遺伝子はまだ特定されていないと述べていて、論文自身が提案するOCA2も候補の段階です。原因の遺伝子がはっきりしないため、1948年の系統と今のRREAが同じものかどうかは、少なくとも今回の資料からは判断できません。
実際、チャームのRREAの商品説明には、通常のグッピーと同じ飼育の目安が書かれていて、アルビノだから特に弱いという注意は見当たりませんでした。だからといって弱くないと言い切ることもできないので、気になるときは、購入するお店にその系統の様子を尋ねてみるのがおすすめです。体調の変化が気になるときは、最終的な判断は専門家にご相談ください。購入したお店や、魚を診られる動物病院が頼りになりますよ。
グッピーのアルビノについてよくある質問
アルビノのグッピーは明るい照明が苦手ですか?
Changらの論文の導入では、色素が足りないと虹彩が透明になり、虹彩を通る光が増えると説明されています。ただ、グッピーのアルビノが明るい照明でどう振る舞うかを調べた資料は、今回は見つかりませんでした。チャームの商品説明にも照明についての注意はなかったので、通常の点灯時間で様子を見て、水草などの物陰を用意しておくと安心かなと思います。
アルビノとゴールデンは何が違いますか?
AQUALASSICの一覧では、ゴールデンは体色が鮮やかな黄色に染まる性質で、黒が減少するタイプとされ、RREAの黒が完全に欠けるタイプとは別の性質です。Haskinsらの論文でも、アルビノは、論文でGoldenとBlondと呼ばれた黒の少ない2つの体色のどちらとも別の遺伝子だと確かめられています。2つを重ねたRREAゴールデンという品種もあります。
ルチノーは系統を保つときに気をつけることはありますか?
AQUALASSICでは、ルチノーの系統を保つときは背曲がりが出やすい点に注意して選別するよう書かれています。殖やした子は、背骨の形や泳ぎ方もよく見て、次の親を選ぶとよいでしょう。
グッピーのアルビノを迎える前の確認ポイントまとめ
最後に、この記事の要点をまとめます。
- グッピーのアルビノは、黒い色素のメラニンが欠けた体色。目は色素が足りず、目の奥の血の色が透けて赤く見える
- アルビノにはRREAとルチノーの2つのタイプがあり、AQUALASSICによれば別の遺伝子による。通販の商品はRREAがほとんどで、ルチノーは赤黒いブドウ目が特徴
- 2026年10月18日のチャームの例では、同じ品種で比べるとRREAは通常体色より790〜1,280円高く、およそ1.4〜1.7倍だった
- 水温や水質の目安は通常のグッピーと同じ。混泳は尾ビレの小さい機敏な品種を避け、新しいグッピーやプラティなどはトリートメントしてから加える
- アルビノは劣性。アルビノの遺伝子を持たない通常体色の親との子は基本的にすべてノーマルで、その子どうしからアルビノが4分の1ほど生まれる。RREAとルチノーは混ぜない
- 弱いという話の学術的な根拠は1948年の、同じ起源の系統を調べた記録で、今のRREAに当てはまるかは確かめられていない
アルビノのグッピーは、黒い色素がないぶん、赤や黄色、青の色がいつもと違う表情を見せてくれる品種です。商品名でタイプと数の単位を確かめてから迎え、水温と水質を安定させて、透き通るような姿を楽しんでくださいね。正確な情報は各販売店や公式サイトをご確認ください。




COMMENTS
この記事へのご質問・コメント