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スポンジフィルターの濾過能力の目安|適合水槽の比較と通水量の計算・上げ方

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水草水槽で泡を出すスポンジフィルターの写真に、濾過能力は弱いのかを問う題を重ねた表紙のスライド

スポンジフィルターの濾過能力は弱い?水槽サイズの目安と能力を引き出すコツ

THE AQUA LAB 所長(イラスト)

こんにちは。THE AQUA LAB、運営者の所長です。

スポンジフィルターは値段が手ごろで静か、稚魚やエビを吸い込まない。そんな良さを知って選んだものの、ふと“これだけで本当に水はきれいになるのかな”と不安になる方は多いと思います。濾過能力が弱いと聞いたことがあると、なおさら気になりますよね。

調べてみると、スポンジフィルターの仕組みの説明はたくさんあるのに、何センチの水槽まで使えるのか、60cm水槽でメインのろ過として足りるのか、エアーの強さをどこまで上げればいいのか、といった具体的な目安になると、情報が見つけにくいかもしれません。最強のスポンジフィルターはどれか、と迷ってしまう方も少なくないかなと思います。

先に結論をお伝えすると、スポンジフィルターの濾過能力は“弱い”というより“得意な範囲がはっきりしている”フィルターです。スポンジにすみつくろ過バクテリアの働き(生物ろ過)と酸素の補給は得意で、メーカーが公表している適合水槽の範囲で、生き物の数を控えめにすれば頼りになる場面が多いフィルターです。一方で、大きなゴミをたくさんこし取る力や、汚れの多い水槽を一台で支える力には限りがあります。

この記事では、テトラ(スペクトラム ブランズ ジャパン)、ジェックス、カミハタ(神畑養魚)、LSS研究所が公表している仕様を横並びにして、スポンジフィルターがどのくらいの水槽まで対応しているのかを整理しました。エアポンプの合わせ方は、水作のエアポンプの仕様も使って整理しています。さらに、カミハタが公表しているエアー量ごとの通水量の数字を使って、水槽の水が1時間に何回スポンジを通るのかを計算しています。能力が足りないときのサイン、エアポンプの合わせ方、洗い方と交換のコツ、スポンジだけで足りる水槽と足りない水槽の見分け方まで、順番に見ていきましょう。

  • スポンジフィルターがろ過する仕組みと、濾過能力が弱いと言われる理由
  • メーカー公表の適合水槽とエアー量の目安の比較
  • 通水量から水が1時間に何回スポンジを通るかの計算方法
  • 濾過能力を上げる方法と、スポンジだけで足りるかの判断基準
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スポンジフィルターの濾過能力の目安と仕組み

生物ろ過と酸素の補給が得意で、大きなゴミのこし取りや汚れの多い水槽を一台で支える力には限界がある、というスポンジフィルターの性格をまとめたスライド
スポンジフィルターの得意なことと限界があること

まずは、スポンジフィルターがどうやって水をきれいにしているのか、そして“どのくらいの水槽まで任せられるのか”をメーカーの公表値から確かめていきます。スポンジフィルターの濾過能力は、外部フィルターのように“1時間に何リットル”という吐出量で比べられることが少なく、共通の物差しがありません。そこでこの章では、各メーカーが公表している適合水槽の表示と、カミハタが公表している通水量という2つの手がかりを使います。仕組みを知ると“弱い”と言われる理由も見えてくるので、順番に読み進めてみてください。エアーの強さをどう決めるかも、この章の最後で整理します。数字はどれもメーカーの公表値をそのまま使い、計算した部分は式も示しています。

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スポンジがろ過する仕組みと2つの働き

スポンジフィルターは、エアーポンプから送った空気の泡がパイプの中を上がる力で水を持ち上げ、その分の水をスポンジの外側から吸い込む仕組みです。つまり、水を動かしているのはモーターではなく泡。電気を使うのはエアーポンプだけで、音も水流もおだやかになりやすいのが特徴です。

この仕組みの中で、スポンジは2つの働きをしています。ひとつは、水に漂う細かなゴミをスポンジの目で受け止める働き(物理ろ過)。もうひとつは、スポンジの無数のすき間にすみついたろ過バクテリアが、魚のフンや食べ残しから出る有害な物質を分解する働き(生物ろ過)です。

テトラの解説では、水槽の中のフンやフードの残りなどの有機物がバクテリアに分解されると有毒なアンモニアが生じ、さらにバクテリアの働きで有毒な亜硝酸塩、そして比較的無害な硝酸塩へと変わっていくと説明されています。そして、こうした一連の変化は水中に酸素が十分に溶けているときに起こり、酸素不足は水質悪化を加速させる原因にもなる、としています。

ここがスポンジフィルターの強みにつながるところ。スポンジフィルターは泡で水を動かすので、ろ過とエアレーション(酸素の補給)を同時に行えます。テトラはスポンジフィルターについて、無数の微細孔をもつスポンジがバクテリアの繁殖を支え、水面にほどよい水流をつくって酸素も補給すると説明しています。カミハタも、エアレーションによって十分な酸素を含んだ飼育水をスポンジに偏りなく通すことで高い浄化能力を発揮する、と説明しています。

まとめると、スポンジフィルターの濾過能力の中心は“生物ろ過”です。大きなゴミを大量にため込むタイプのフィルターではなく、酸素の多い水をスポンジに通してバクテリアを働かせるフィルター、と考えると性格がつかみやすいかなと思います。

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濾過能力が弱いと言われる理由

では、なぜ“スポンジフィルターは濾過能力が弱い”と言われるのでしょうか。理由は大きく3つに分けられます。

1つ目は、ろ材の量が少ないこと。外部フィルターや上部フィルターは、ケースの中に何種類ものろ材をたっぷり詰められます。スポンジフィルターはスポンジ1〜2個がろ材のすべてなので、バクテリアがすめる場所の総量はどうしても小さくなります。

2つ目は、水を動かす量が泡の力に左右されること。一般に、モーターで水を送る大型のフィルターに比べると、スポンジを通る水の量は控えめな製品が多いです。しかも、後で詳しく見るように、エアーを強くしても通る水の量は比例しては増えません。

3つ目は、大きなゴミの受け止めが苦手なこと。スポンジの表面でゴミを受け止めるので、汚れがたまると目詰まりしやすく、そのまま放っておくと能力が落ちます。ジェックスも交換用スポンジの説明で、スポンジが汚れたり目詰まりしたりすると、ろ過能力が低下すると注意しています。

逆にいえば、ここに挙げた弱点が問題になりにくい水槽では、スポンジフィルターは十分に役目を果たします。たとえば、メダカや小型の熱帯魚、エビ、稚魚を少なめに飼う水槽。テトラはスポンジフィルターについて、魚を吸い込まないため稚魚のふ化・育成やグッピーの飼育に適していると説明していますし、カミハタは強い水流を好まないメダカ、金魚、ベタ、ディスカスなどに向く使い方を紹介しています。

つまり“弱い”という評判は、大きな水槽を一台でまかなう場面や、汚れの多い魚をたくさん飼う場面と比べたときの話。用途が合っていれば、弱さより“やさしさ”のほうが生きるフィルターなんですよ。

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メーカー公表の適合水槽を比べる

テトラ・ジェックス・カミハタ・LSS研究所のスポンジフィルターについて、公表されている適合の目安とエアーの条件を並べた表のスライド
メーカー公表のスポンジフィルターの適合水槽の目安

スポンジフィルターの濾過能力を見積もるいちばん確かな手がかりは、メーカーが公表している適合水槽の表示です。ただし、メーカーによって“水槽の幅”で示すもの、“水量”で示すもの、そもそも示していないものがあります。主なメーカーの公表内容を横並びにしてみました。

メーカー・製品 公表されている適合の目安 エアーの条件 メーカーの注記など
テトラ ビリーフィルター/ツインビリーフィルター 45cm以下 記載なし(エアーポンプ運転式) 適合水槽は飼育条件により異なる
テトラ ブリラントフィルター/ツインブリラントフィルター 60cm以下 記載なし(エアーポンプ運転式) 適合水槽は飼育条件により異なる
テトラ ブリラントスーパーフィルター/ツインブリラントスーパーフィルター 75cm以下 記載なし(エアーポンプ運転式) 適合水槽は飼育条件により異なる
ジェックス BBフィルター シングル/ダブル 幅45cm(35L以下)、水深20cm以上 吐出量2L/分以下のエアーポンプを使う スポンジを外すと底面フィルターとしても使える
ジェックス メダカ元気 メダカを育てるフィルターセット 幅40cm以下、水深15cm以上 付属ポンプの吐出量0.8L/分(50Hz)、0.6L/分(60Hz) エアーポンプとのセット
カミハタ リオ バクトサージ スポンジフィルター S 適合水量の目安5〜40L エア通気量目安0.5〜2L エアーポンプは別売
カミハタ リオ バクトサージ スポンジフィルター L 適合水量の目安20〜70L エア通気量目安1〜4L エアーポンプは別売
カミハタ リオ バクトサージ スポンジフィルター XL 適合水量の目安50〜200L エア通気量目安3〜8L エアーポンプは別売
LSS研究所 LS-Bシリーズ(LS-15B・LS-40B・LS-120B) 適合水量の公表なし 別途エアーポンプなどが必要 スポンジサイズは飼育する生体で異なるので、専門家や販売店に相談するよう案内

こうして並べると、見えてくることがいくつかあります。まず、テトラは同じシリーズで45cm・60cm・75cmと段階を分けていて、本体が大きい製品ほど大きな水槽に対応する作りです。ただし、テトラは“適合水槽は飼育条件により異なります”と注記しています(出典:スペクトラム ブランズ ジャパン テトラ ツインブリラントフィルター)。60cm以下と書かれていても、どんな飼い方でも60cmまで大丈夫、という意味ではありません。

次に、ジェックスのBBフィルターは幅45cmとあわせて“35L以下”という水量と“水深20cm以上”という条件まで示しています。水深の条件は見落としやすいポイントで、浅い容器では本来の使い方ができない可能性があります。カミハタはサイズごとに水量の幅とエア通気量の目安を並べていて、エアーの量まで含めて選べるのが特徴です。

そして、LSS研究所のように適合水量を公表していないメーカーもあります。販売サイトや比較記事には“〇L以下”といった数字が載っていることもありますが、メーカー自身の表示ではない数字は、その出どころを確かめてから参考にするのが安心です。また、“最強のスポンジフィルターはどれか”という疑問には、この表からは順位を付けられません。メーカーごとに表示の物差し(幅・水量・エアー量)が違ううえ、テトラのように適合は飼育条件で変わると断っているメーカーもあるからです。自分の水槽の大きさと生き物の数に合うかで選ぶのが現実的かなと思います。この表の内容も各社が公表している情報をもとにした目安なので、正確な情報は各メーカーの公式サイトをご確認ください。

ちなみに、テトラのスポンジフィルターの使い方や向いている水槽は、テトラ ツインブリラントフィルターの特徴と使い方でくわしく紹介しています。

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通水量から1時間のろ過回数を計算する

適合水槽の表示に加えて、もうひとつ手がかりになるのが“通水量”、つまりスポンジの中を通る水の量です。濾過能力は通水量だけで決まるわけではありませんが、水がスポンジを通らなければバクテリアは汚れを分解できません。カミハタはリオ バクトサージ スポンジフィルターについて、エア通気量を決めたときの通水量を公表しています(出典:神畑養魚 リオ バクトサージ スポンジフィルター)。

この数字を1時間あたりに直し、水槽の水量で割ると、水槽の水が1時間に何回スポンジを通るかの目安が出せます。式はシンプルです。

1時間に水がスポンジを通る回数(目安)= 通水量(L/分)× 60 ÷ 水槽の水量(L)

例:通水量1.61L/分 × 60 = 96.6L/時。水量30Lの水槽なら 96.6 ÷ 30 = 約3.2回

カミハタが公表している通水量に、この式を当てはめたのが次の表です。水量は、各サイズの適合水量の目安の範囲に入る数字を例として選んでいます。

サイズ・エア通気量 パイプ 公表の通水量 1時間あたり 水量の例と1時間の回数
S・エア1.06L/分 付属パイプ 0.53L/分 31.8L 20Lで約1.6回
S・エア1.06L/分 ロング吐出パイプ 2.10L/分 126L 20Lで約6.3回
L・エア1.06L/分 付属パイプ 0.92L/分 55.2L 30Lで約1.8回
L・エア3.64L/分 付属パイプ 1.61L/分 96.6L 30Lで約3.2回/60Lで約1.6回
L・エア3.64L/分 ロング吐出パイプ 3.87L/分 232.2L 60Lで約3.9回
XL・エア3.64L/分 付属パイプ 2.97L/分 178.2L 100Lで約1.8回
XL・エア3.64L/分 ロング吐出パイプ 4.87L/分 292.2L 100Lで約2.9回

この計算から読み取れることは3つあります。1つ目は、同じスポンジでも水槽が大きくなるほど、1時間に水がスポンジを通る回数は減ること。Lサイズを付属パイプ・エア3.64L/分で使う場合、30Lなら約3.2回ですが、60Lでは約1.6回と半分になります。適合水量の目安が“〇〜〇L”と幅で書かれているのは、こうした差があるからだと考えると納得しやすいですよね。

2つ目は、パイプの使い方で通水量が大きく変わること。カミハタはロング吐出パイプを使うと、長くなったパイプの分だけ気泡で押し出される水量が増えると説明していて、Sサイズ(エア1.06L/分)では約4倍になっています。60Lの水槽でLサイズを使う場合も、ロング吐出パイプなら約3.9回まで増える計算です。

3つ目は、大きいサイズほど通水量が多いとは限らないこと。Sサイズのエア通気量の目安(0.5〜2L)を超える条件での比較ですが、公表値ではエア3.64L/分・付属パイプのとき、Sサイズの1.76L/分のほうがLサイズの1.61L/分より多くなっています。Lサイズはスポンジが大きいぶん、バクテリアのすむ場所が広いという別の良さがある、と分けて考えるのがよさそうです。

なお、この回数は“この回数あれば十分”という基準ではありません。どのくらいの回数が必要かは、魚の数や大きさ、エサの量で変わります。あくまで、同じ水槽でスポンジのサイズやパイプ、エアー量を比べるための一般的な目安として使ってください。電動のフィルターについて“1時間に総水量の何倍を回す”という目安が語られることもありますが、それはポンプの吐出量で数える話で、スポンジの中を通る水の量を数えたこの表の回数とは数え方が別です。また、カミハタの数字は同社の製品を決まったエア通気量で測ったもので、ほかのメーカーの製品にそのまま当てはまるわけではありません。

通水量の数字が公表されているカミハタのリオ バクトサージ スポンジフィルターは、S・L・XLの3サイズがあります。20〜70Lの水槽ならLサイズが目安の範囲です。エアーポンプとエアチューブは別売なので、あわせて用意してください。価格や在庫は購入前に各ショップでご確認ください。

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エアーの強さと通水量の関係

“エアーを強くすれば濾過能力も上がるのでは?”と考える方は多いと思います。半分は正解で、半分は注意が必要です。

カミハタは、適正な水位で使っているとき、エア通気量の目安の範囲内では通気量が多いほど通水量も多くなると説明しています。ただし、通気量にともなって気泡の音も大きくなり、ある程度通気量が増えると通水量はそれ以上増えなくなる、とも書いています。

実際に公表値を比べてみると、Lサイズ・付属パイプでは、エア通気量を1.06L/分から3.64L/分へ約3.4倍にしたとき、通水量は0.92L/分から1.61L/分へ約1.75倍の増え方でした。ロング吐出パイプでも、2.29L/分から3.87L/分へ約1.7倍です。エアーを増やしたぶんだけ、そのまま通水量が増えるわけではないことが分かります。

もうひとつ大事なのが水位。カミハタは、吐出パイプの先端が水面以下になる位置で使うのが適正で、水の吐出口が水面より上に出ると通水量が低下すると注意しています。水深が浅い水槽では、パイプを適切な長さに切って調節するよう案内しています。また、本体の土台が水平になっていないとエアレーションがうまく上がらず、通水量が低下することがある、という点も挙げています。

さらに、エアーを強くしすぎると水流も強くなります。スポンジフィルターを選ぶ理由が“メダカや稚魚にやさしい水流”なら、エアーを上げすぎると本末転倒になりかねません。ジェックスはメダカ用のフィルターの開発について、メダカには流れに向かって泳ぐ習性があり、流れが強いと休む時間も泳ぎ続けてしまうため、穏やかな流れが必要だと紹介しています。

エアーの強さは、メーカーが示すエアー量の目安の範囲で、生き物が無理なく泳げる強さに調節するのが基本です。通水量を増やしたいときは、エアーを上げる前に、水位とパイプの状態、スポンジの目詰まりを確かめるほうが近道かなと思います。

スポンジフィルターの濾過能力を上げる方法と判断

ここからは、スポンジフィルターの濾過能力が足りているかをどう見分けるか、足りないときにどう補うかを整理します。濾過能力を上げる方法は、エアーを強くすることだけではありません。新品のスポンジにバクテリアが育つのを待つこと、エアポンプとスポンジの組み合わせを合わせること、スポンジを増やしたりほかのフィルターと組み合わせたりすること、そしてお手入れで能力を落とさないこと。この4つを順に見ていきます。最後に、スポンジだけで足りる水槽と、ほかのフィルターが必要な水槽の判断基準を表にまとめました。今の水槽をどうするか決めるときの参考にしてください。お手入れや交換の時期は製品ごとに案内が違うので、製品名つきで紹介します。

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立ち上げ直後と過密で出る能力不足のサイン

水の白い濁り・においの変化・アンモニアや亜硝酸の検出という能力不足のサインと、バクテリアが定着するまでの立ち上げ時の注意をまとめたスライド
濾過能力不足のサインと立ち上げ時の注意

濾過能力が足りていないとき、水槽にはいくつかのサインが出ます。代表的なのは、水の白い濁り、においの変化、そして水質検査でのアンモニアや亜硝酸の検出です。

テトラは、水槽を立ち上げたばかりのころに水が白く濁るのは、まだフィルターにろ過バクテリアが定着しておらず十分に活動していないことが原因と説明しています。また、フィルターのろ過能力が不足しているときも、水の汚れで大量発生した微生物が水中に舞って白く見えることがある、としています。対策としては、フィルターがきちんと働くように見直すことや、エサを食べ残さない量に調節することを挙げています。

ここで知っておきたいのが、スポンジフィルターは新品の状態では濾過能力をまだ発揮できない、ということ。カミハタは、製品にはろ過バクテリアは付着していないとしたうえで、ろ過バクテリア(硝化菌と有機物分解菌)がスポンジに完全に定着するまでに、淡水で1〜2か月、海水で3〜4か月かかると案内しています。その間は飼育する魚の量を少なくし、換水の頻度を増やしたり、活性炭やゼオライトを併用したりするとよい、としています。

テトラも、理想的なのは、カルキ抜きをしてろ過装置を設置したら、魚を入れずに2日〜1週間ほどろ過装置を動かして水を循環させることだと紹介しています。早くバクテリアを増やしたい場合は、バクテリア入りの水質調整剤を使う方法も挙げています。テトラは魚を入れずに循環させる期間をとる考え方、カミハタは立ち上げ後も魚を少なめにする考え方です。どちらも、立ち上げ直後は能力が出きっていない前提です。

立ち上げから時間がたっているのに白い濁りが続く、魚が水面で口をパクパクさせる、検査でアンモニアや亜硝酸が出る、といったときは、生き物の数に対して濾過能力が足りていない可能性があります。エサを減らし、部分的な水換えで濃度を下げながら原因を探してください。

スポンジフィルターの水槽で能力不足が起きやすいのは、立ち上げ直後のほかに、魚が増えたとき、魚が成長して大きくなったとき、エサの量が増えたときです。特に稚魚の育成用に使っていた水槽で、稚魚が育ってそのまま飼い続けると、気づかないうちに過密になっていることがあります。亜硝酸がなかなか下がらないときの考え方は、水槽の亜硝酸が下がらない原因と対処法も参考にしてみてください。

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エアポンプとスポンジの大きさを合わせる

濾過能力を引き出すための基本は、スポンジフィルターの大きさを水槽に合わせ、そのスポンジフィルターに合ったエアポンプを組み合わせることです。どちらかが合っていないと、能力が出きらないか、逆に水流が強くなりすぎます。

エアポンプの側も、メーカーが目安を公表しています。水作の水心シリーズでは、SSPP-7Sが30〜45cm水槽用で最大吐出量2.2L/分(吐出量固定式)、SSPP-3Sが45〜60cm水槽用で最大吐出量3.0L/分(吐出量調節機能つき)、SSPP-2Sが60〜120cm水槽用で最大吐出量4.0L/分(吐出量調節機能つき)とされています。

これをスポンジフィルター側の条件と照らし合わせると、組み合わせの考え方が見えてきます。たとえば、カミハタのLサイズはエア通気量の目安が1〜4Lなので、最大3.0L/分で調節できるSSPP-3Sは範囲内で使いやすい組み合わせです。ただし、先ほどの表のLサイズの通水量(1.61L/分・3.87L/分)はエア3.64L/分で測った値なので、最大3.0L/分のSSPP-3Sでは表の数字より少なくなります。最大吐出量はポンプ単体の仕様値で、水深などの条件で実際のエアー量は下がることも頭に入れておいてください。XLサイズは目安が3〜8Lなので、最大4.0L/分のSSPP-2Sでも目安の下のほうに入る、という見方になります。

一方で注意したいのが、上限が決められている製品です。ジェックスのBBフィルターは、吐出量2L/分以下のエアーポンプを使うよう指定しています。最大吐出量2.2L/分のSSPP-7Sは、この指定の数字を超えてしまうので、BBフィルターと組み合わせるなら、吐出量が2L/分以下と表示されたエアポンプを選ぶのが無難です。強いポンプで濾過能力を上げようとするより、メーカーの指定を守るほうを優先してください。

また、ジェックスのメダカ元気 メダカを育てるフィルターセットの付属ポンプは、吐出量が0.8L/分(50Hz)、0.6L/分(60Hz)と、地域の電源の周波数で数字が変わります。同じ製品でも、住んでいる地域によってエアー量に差が出ることは覚えておくと安心です。

なお、エアポンプを水面より低い位置に置く場合は、停電などでポンプが止まったときに水がチューブを逆流することがあります。カミハタは、エアポンプを水面より低い場所に設置する場合は、必ずエアポンプと本体の間に逆流防止弁を接続するよう案内しています。LSS研究所も、逆流弁などは付属していないので停電時などの逆流対策は使う側で行うよう注意しています。

45〜60cm水槽用でエアー量を調節できるエアポンプなら、水作の水心SSPP-3Sが候補になります。ただし、ジェックスのBBフィルターのように吐出量2L/分以下を指定している製品には、その指定に合うポンプを選んでください。価格や在庫は購入前に各ショップでご確認ください。

エアポンプ選びに迷う小さな水槽なら、スポンジフィルターとエアーポンプがセットになったジェックスのメダカ元気 メダカを育てるフィルターセットもあります。適合は幅40cm以下・水深15cm以上の水槽です。

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2個使いとほかのフィルターとの併用

1台のスポンジフィルターで能力が足りないと感じたら、スポンジを増やす、使い方を切り替える、ほかのフィルターと組み合わせる、という方向で補えます。

まずは、スポンジを増やす方法。ジェックスのBBフィルター ダブルのように、はじめからスポンジが2個ついたタイプがあり、ジェックスはバクテリアの繁殖面積を確保できるダブルスポンジタイプと説明しています。さらに、スポンジをひとつずつ交換できるので、急激な水質変化を抑えることができる、という点も挙げています。2個のスポンジを時期をずらして交換できるのは、濾過能力を落とさないうえで大きな利点です。

スポンジフィルターを2台置く方法もあります。水槽の左右に1台ずつ置けば、水の流れの偏りも減らしやすくなります。ただし、エアポンプの吐出口が1つの場合は分岐が必要になり、1台あたりのエアー量は減ります。それぞれのスポンジフィルターに必要なエアー量が届いているかを、泡の出方で確かめてください。

次に、使い方を切り替える方法。ジェックスのBBフィルターとメダカ元気のフィルターは、スポンジを外して底面フィルターとして使う方法もあり、ジェックスはさらにろ過能力をアップできると説明しています。底砂を敷いた水槽なら、砂の層もバクテリアのすみかとして使えるわけです。

そして、外掛けフィルターや上部フィルター、外部フィルターと組み合わせる方法。メインのろ過は電動のフィルターに任せ、スポンジフィルターはエアレーションと生物ろ過の補助として使う、という役割分担です。電動フィルターの吸水口にスポンジをかぶせる使い方も、稚魚やエビの吸い込み防止に使われることがあります。目詰まりすると吸水が落ちるので、こまめに洗ってください。

どの方法を選ぶにしても、ろ過を足したからといって生き物を増やしすぎないこと。濾過能力に余裕があるほど水質は安定しやすくなるので、足した分は“余裕”として残しておくくらいがちょうどいいと思います。

スポンジを1つずつ時期をずらして交換したいなら、スポンジが2個ついたジェックスのBBフィルター ダブルが選択肢です。適合は幅45cm(35L以下)・水深20cm以上で、エアーポンプは別売(吐出量2L/分以下)です。価格や在庫は購入前に各ショップでご確認ください。

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洗い方と交換で濾過能力を落とさない

スポンジフィルターの濾過能力を保つうえで、いちばん差が出やすいのがお手入れです。汚れたまま放っておくと目詰まりで通水量が落ち、逆に洗いすぎるとバクテリアまで流してしまいます。

洗い方の基本は、水道水ではなく飼育水かカルキ抜きをした水で、軽く押し洗いすることです。ジェックスは交換用スポンジについて、スポンジは定期的に飼育水で水洗い、または新しいものと交換するよう案内しています。カミハタも、バケツに飼育水またはカルキ抜きをした水を張り、その中でスポンジを手で押し洗いして内部の汚れを出す方法を紹介していて、ろ過バクテリアを洗い流しすぎないよう洗いすぎに注意するよう書いています。

洗う頻度について、カミハタは飼育している魚の量や水槽設備など飼育環境によるとしたうえで、2〜4週間に1度くらいを目安とし、押し洗いしたときの汚れの出具合を見て頻度を調整するのがよいと答えています。決まった日数より、汚れ方を見て調整するという考え方です。

交換の時期は、製品によって案内が違います。ジェックスはBBフィルターやメダカ元気のフィルターの交換用スポンジについて、2〜3か月に1回の交換を目安としています。カミハタはリオ バクトサージのスポンジについて、半年から1年を目安に交換するよう案内しています。LSS研究所は、交換時期は飼育方法やスポンジの消耗度合いで判断され、使用期間では判断できない部分があるとしたうえで、スポンジにコシがなくなりボロボロとちぎれる場合などを目安に挙げています。使っている製品の説明に合わせてください。

交換するときは、濾過能力が一気に落ちないように工夫が必要です。カミハタは、スポンジを交換すると生物ろ過能力が消失することになるので、新しいスポンジと古いスポンジを1〜2か月程度併用することをすすめています。ジェックスはメダカ元気の交換用スポンジの説明で、スポンジの交換と水換えは数日あけて行うよう案内していて、同時に行うと水質が急変し飼育魚に悪影響を与える場合がある、と注意しています。

もうひとつ、カミハタは長く使うと水中のカルシウム塩などが結晶になって本体の穴が詰まることがあると説明しています。エアポンプは正常なのに通水量や通気量が落ちたときは、スポンジだけでなく本体の通り道も確かめてみてください。フィルター全般の掃除の頻度については、水槽フィルターの掃除頻度の最適解と失敗しない手順でも整理しています。

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スポンジだけで足りる水槽と足りない水槽

水槽の大きさ・飼う生き物・数・水の状態・お手入れの5項目で、スポンジだけで足りやすい環境とほかのフィルターを足したい環境を比べた表のスライド
スポンジフィルターだけで足りる水槽と足りない水槽

最後に、スポンジフィルターだけで濾過能力が足りそうか、ほかのフィルターを足したほうがいいかの判断基準をまとめます。ここまで見てきたメーカーの公表値と、能力不足のサインをもとにした一般的な目安です。

確かめること スポンジだけで足りやすい ほかのフィルターを足したい
水槽の大きさ 使う製品の適合水槽・適合水量の範囲に収まっている 適合の範囲の上限に近い、または超えている
飼う生き物 メダカ、小型の熱帯魚、エビ、稚魚など 体が大きくフンの多い魚、成長して大きくなる魚
生き物の数 水量に対して控えめ 増やしたい、またはすでに多い
フィルターに求めること 生物ろ過と酸素の補給、やさしい水流が中心 大きなゴミのこし取りも重視したい
水の状態 立ち上げ後、濁りやアンモニア・亜硝酸の検出が無い 濁りが続く、アンモニアや亜硝酸が出る
お手入れ 汚れ方を見てこまめに押し洗いできる お手入れの間隔があきがち

左の列に多く当てはまるなら、スポンジフィルターだけでも十分にやっていける可能性が高いです。右の列が多いなら、スポンジフィルターは補助に回して、外掛けや上部、外部フィルターなどをメインにするか、底面フィルターとしての使い方やスポンジの追加を考えるとよいでしょう。

よくある疑問の“60cm水槽にスポンジフィルターだけで足りるか”も、この表で考えられます。テトラのブリラントフィルター(60cm以下)やカミハタのLサイズ(20〜70L)など、60cm前後まで対応する製品はあります。ただし、テトラは適合水槽は飼育条件により異なると注記していて、60cmぎりぎりで使うなら生き物の数を控えめにし、パイプやエアー量で通水量を確保したうえで、水質の変化をこまめに確かめることが前提になります。金魚のように体が大きくなりフンの多い魚を60cm水槽で何匹も飼うなら、スポンジフィルターは補助と考えるほうが安心です。

60cm以下の水槽向けとして公表されているスポンジフィルターには、テトラのツインブリラントフィルターがあります。エアーポンプ運転式なので、エアーポンプは別に用意してください。適合は飼育条件で変わるとメーカーも注記しているので、生き物の数は控えめから始めてくださいね。価格や在庫は購入前に各ショップでご確認ください。

迷ったときは、まずスポンジフィルターを1台入れ、魚は少なめから始めて、立ち上げ後の水の状態を観察してから足すかどうかを決める、という順番でもかまいません。スポンジフィルターは後から足しやすく、ほかのフィルターとも組み合わせやすいので、段階的に整えていけるのも良いところです。水槽の条件で判断に迷う場合や、生き物の調子が気になる場合は、最終的な判断は購入した店などの専門家にご相談ください。

スポンジフィルターの濾過能力についてよくある質問

魚病薬を使っている水槽でスポンジフィルターを動かしてもいいですか?

カミハタは、魚病薬の種類によって異なり、薬によってはろ過バクテリアが死んでしまう可能性があるので、薬の取扱説明書を確認するよう案内しています。ろ過バクテリアに影響がない薬であれば同時に使っても問題ない、としています。スポンジのバクテリアが弱ると濾過能力も落ちるので、薬を使う前に説明書のろ過についての注意を確かめてください。

スポンジフィルターの音が気になるときはどうすればいいですか?

スポンジフィルターの音の多くは、泡がはじける音とエアポンプの音です。カミハタは、エア通気量が増えると気泡の音も大きくなると説明していて、通気量は市販のエアコックで好みの量に調節するよう案内しています。エアーを必要以上に強くしていないかを見直し、エアポンプ側の振動は置き場所や静音タイプのポンプで抑える方法があります。

海水の水槽でもスポンジフィルターは使えますか?

使える製品があります。LSS研究所はスポンジフィルターについて、淡水・海水どちらの観賞魚水槽にも使えるとしています。カミハタのリオ バクトサージは推奨環境に淡水魚用と海水魚用を挙げていて、ろ過バクテリアがスポンジに完全に定着するまでに海水では3〜4か月かかると案内しています。淡水より時間がかかる点に注意して、立ち上げ中は生き物を少なめにしてください。

新しいスポンジは使う前に洗ったほうがいいですか?

LSS研究所は、使用前に真水またはぬるま湯で軽くすすいでから使うよう案内しています。カミハタは、使用前に本体をバケツに入れて水道水に浸け、スポンジを軽く押し洗いしてスポンジ内の空気をできるだけ抜いておくよう説明しています。製品ごとに案内が少し違うので、使う製品の説明に合わせてください。

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スポンジフィルターの濾過能力を活かすまとめ

スポンジフィルターの濾過能力は、ろ材の量や大きなゴミの受け止めでは電動のフィルターにかないませんが、酸素の多い水をスポンジに通してバクテリアを働かせる生物ろ過は得意です。“弱いフィルター”ではなく、“得意な範囲がはっきりしたフィルター”として使い分けるのがポイントです。

  • 濾過能力の目安は、各メーカーが公表している適合水槽・適合水量の表示で確かめる(テトラは45cm・60cm・75cmの段階、ジェックスは幅と水量と水深、カミハタは水量とエア通気量)
  • 適合水槽は飼育条件で変わるので、上限ぎりぎりで使うなら生き物を控えめにする
  • 通水量(L/分)×60÷水量で、水が1時間に何回スポンジを通るかの目安を出せる
  • エアーを強くしても通水量は比例しては増えないので、まず水位・パイプ・目詰まりを確かめる
  • エアポンプはスポンジフィルターの指定(BBフィルターは2L/分以下など)に合わせて選ぶ
  • 新品のスポンジは能力が出るまで時間がかかる(カミハタは淡水で1〜2か月と案内)
  • 洗うときは飼育水かカルキ抜きをした水で押し洗いし、交換と水換えは数日あける(ジェックスの案内)

なお、この記事の適合水槽や通水量、交換の時期などの数値は、各メーカーが公表している情報をもとにした一般的な目安です。水槽の環境や生き物の数によって結果は変わります。正確な情報は各メーカーの公式サイトをご確認ください。水質の悪化や生き物の不調が続くときなど、最終的な判断は購入した店や観賞魚の専門店などの専門家にご相談ください。

スポンジフィルターは、使い方を合わせれば小さな水槽の生き物にやさしく長く付き合えるフィルターです。あなたの水槽に合ったサイズとエアー量を見つけて、その濾過能力をしっかり引き出してあげてくださいね。

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