GEXの外掛けフィルターはどれがいい?水量・内寸・電気代で現行7機種を比べる
GEXの外掛けフィルターを買おうと思って売り場や通販サイトを見ると、簡単ラクラクパワーフィルター、スリムフィルター、スリムフィルターDC-Xと名前が並んでいて、どれが自分の水槽に合うのか分かりにくいですよね。サイズもSSからLまであるので、なおさら迷うかなと思います。
この記事では、ジェックスの外掛けフィルターを2つの系統に分けて、適合水量、流量、ろ過槽容量、消費電力と電気代、取り付けに必要な水槽の内寸まで、メーカー公式の仕様と取扱説明書の数値で横に並べました。30cm水槽や45cm水槽、60cm水槽にどれを選ぶか、静音性を優先するならどちらか、交換ろ過材のスリムマットとパワーマットの違い、呼び水や水位の合わせ方、水が回らないときの点検まで、選ぶ前と使い始めてからの両方をまとめています。
スリムフィルターの旧モデルには公式ページで出荷終了の表示が出ているので、いま買うならどの型番を探せばいいのかも整理しました。カタログを1枚ずつ見比べる手間を、この記事で省いてもらえたらうれしいです。
- GEXの外掛けフィルター2系統と現行7機種の違い
- 水槽の水量から流量と回転数を計算する方法
- 取り付けに必要な水槽の内寸と枠の幅
- 呼び水・水位・マット交換で止まりを防ぐ手入れ
GEXの外掛けフィルターは2系統から選ぶ
ジェックスの公式カタログでは、外掛け式のフィルターが「ラクラクフィルター(外掛け式)」と「スリムフィルター(外掛け式)」の2つの分類に分かれています。前者が簡単ラクラクパワーフィルター(S・M・L)、後者がスリムフィルター(旧モデルとDC-X)です。同じカタログには、サイレントフローやラクフィルのように水槽の中に沈めて使う「ハイブリッドフィルター」も並んでいますが、こちらは水中設置式なので、この記事では外掛けの2系統に絞ります。
2系統は、見た目が似ていても考え方がかなり違います。ラクラクはろ過槽を大きくして、ろ過材を足しながら使うタイプ、DC-Xは薄くて省電力、決まった専用マットを交換しながら使うタイプ、とつかんでおくと迷いにくいですよ。ここでは、まず2つの系統の性格をつかんでから、数字で比べ、最後に水槽の内寸と音の好みで絞り込む順に進めますね。
簡単ラクラクパワーフィルターの特徴と向く水槽
簡単ラクラクパワーフィルターは、ろ過槽の容量を大きく取った、AC100Vのコンセント式の外掛けフィルターです。公式の商品説明では「オプションろ過材も追加できる大容量ろ過槽」とされていて、専用のパワーマットに加え、リング状のろ過材なども足していける作りになっています。
モーターは本体と一体になった水中ローター方式で、水はストレーナーパイプから吸い上げられ、本体のろ過槽を通って水槽へ戻ります。吐出口には角度を変えられるルーバーが付いていて、取扱説明書では、水の流れを調節できるので稚魚や水流が苦手な魚類にも向くと案内されています。
サイズごとの違い
サイズはS・M・Lの3つ。適合水槽は、Sが幅20〜40cm(水容量25L以下)、Mが幅30〜45cm(水容量35L以下)、Lが幅40〜60cm(水容量60L以下)です。ろ過槽容量はSが0.85L、Mが0.94L、Lが1.33Lで、同じ適合水量のスリムフィルターより大きい数字です(25L用で0.18L、35L用で0.07L、60L用で0.23Lの差)。
見落としやすいのがエアレーション機能の有無です。公式ページでは、MとLの説明に「ろ過槽内で、飼育水に酸素を供給できるエアレーション機能付き」とあり、Sの製品ページと取扱説明書にはこの機能とエアーコントローラーの記載がありません。ろ過槽の中に空気を送る使い方をしたいなら、MかLが候補になります。
ただし、ジェックスの製品ページのよくある問い合わせでは、水温が高くなる夏場、生体の匹数が多い水槽、酸素消費量が多くなる大型魚、海水魚の場合は、別途エアーポンプを使うことがすすめられています。M・Lのエアレーション機能があっても、こうした条件の水槽ではエアーポンプの併用を考えておきましょう。
交換ろ過材は、SとMが「パワーマットSM」、Lが「パワーマットL」です。標準小売価格はSが2,000円+税、Mが2,200円+税、Lが3,200円+税と公式ページに載っています(店頭の実売価格は店によって変わります)。
向いているのは、ろ過材を自分で足しながら長く使いたい人、45〜60cm水槽でろ過の余力を持たせたい人、金魚のように水を汚しやすい魚を飼う人。本体の奥行きは取扱説明書の製品サイズで13.1〜13.4cmあり、水槽の後ろのすき間が少ない置き場所では、次のスリムフィルター(11.0〜12.6cm)と比べてみてください。
簡単ラクラクパワーフィルターのMとLは、次のショップで扱いがあります。価格や在庫、付属品は購入前に各ショップで確認してください。
スリムフィルターDC-Xの特徴と旧型との違い
スリムフィルターは、名前のとおり奥行きを薄くした外掛けフィルターです。いまの公式カタログには、旧モデルのスリムフィルター(SSN・S・M・L)と、新しいスリムフィルターDC-X(SS1・S2・M3・L4)の両方が載っていますが、旧モデルの4機種にはどれも「メーカー出荷は終了しています」と表示されています(2026年10月時点の公式ページ)。スリムフィルターを新品で探すなら、DC-Xが対象になります。なお、ジェックスにはプロショップ限定商品の「Ga SLIM FILTER PRO DC-X」というDC-X系のモデルもありますが、この記事では一般の売り場や通販で見かける機種に絞って比べます。
DC-Xについて公式ページは「新開発DC-Xポンプ採用。流量UP、極めて静音&省エネ化。」と説明しています。旧モデルとDC-Xは適合水量が同じ(12L・25L・35L・60L以下)で、ろ過槽容量も0.38L・0.67L・0.87L・1.1Lと同じ数字です。違いは主にポンプと電源にあります。
旧モデルとDC-Xで変わったところ
まず流量。旧モデルのスリムフィルターMは50Hzで毎分3.7L、60Hzで毎分4.5Lでしたが、DC-X M3は周波数に関係なく毎分4.8Lです。旧モデルは東日本(50Hz)と西日本(60Hz)で流量と消費電力が変わりましたが、DC-Xは仕様表に周波数ごとの差がありません。
次に電源。DC-XはUSBアダプターでつなぐDC5Vの電源方式で、アダプターは付属していません。取扱説明書には「本製品にはUSBアダプターは付属しておりません」とあり、当社純正品(USBアダプター G-1A)か、市販のUSBアダプター(DC 5V/1A以上)を用意するよう書かれています。さらに警告として、DC5V/1A未満のUSBアダプターを使用しないこと(火災の原因)も挙げられています。本体だけ買って届いた日に動かせない、ということが起こりがちなので、買い物かごにアダプターを一緒に入れておくと安心です。また、製品ページのよくある問い合わせでは、USBプラグをモバイルバッテリーに差し込んで使うことはできない(モバイルバッテリー・商品の故障につながる)と案内されています。価格は、ラクラクに標準小売価格がある一方、DC-Xは「オープン」なので、店頭や通販の表示で確かめてください。
スリムフィルターDC-XのM3・L4と、型番G-1AのUSBアダプターは、次のショップで扱いがあります。アダプターは出品ページで出力(DC5V/1A以上)を確かめてから選んでください。価格や在庫も購入前に各ショップで確認してくださいね。
付属のろ過材はサイズで違い、SS1は活性炭スリムマット1枚、S2は活性炭スリムマットとバクテリアスリムマットが1枚ずつ、M3は活性炭スリムマット2枚とバクテリアスリムマット1枚、L4はそこにスポンジスリムカセット1個が加わります。交換ろ過材は、公式ページの対応商品で旧モデルと同じ「スリムマット各種」とされています。旧モデルから買い替えるときは、手持ちのマットの箱の適合機種もあわせて確認してください。
スリムフィルターのマットの選び方(活性炭とバクテリアのどちらを入れるか)は、スリムマットのバクテリアと活性炭を状況別に選ぶ方法で詳しくまとめています。旧モデルの2台使いや底面フィルターとの連結を考えている人は、GEXスリムフィルターの組み合わせの考え方も参考になるかなと思います。
適合水量・流量・電気代を7機種で比較

いま新品で選べる外掛けの7機種を、公式ページと取扱説明書の数値で並べたのが下の表です。旧スリムフィルターは出荷終了のため外し、比較のために本文で触れるだけにしています。
| 機種 | 適合水量 | 流量(L/分) | ろ過槽容量 | 消費電力 | 交換ろ過材 | 電源 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 簡単ラクラクパワーフィルター S | 25L以下 | 4.3(50Hz)/5.5(60Hz) | 0.85L | 3.9W | パワーマットSM | AC100V |
| 簡単ラクラクパワーフィルター M | 35L以下 | 6(50Hz)/7.2(60Hz) | 0.94L | 4.4W | パワーマットSM | AC100V |
| 簡単ラクラクパワーフィルター L | 60L以下 | 6.7(50Hz)/8(60Hz) | 1.33L | 6W(50Hz)/7W(60Hz) | パワーマットL | AC100V |
| スリムフィルター DC-X SS1 | 12L以下 | 2.9 | 0.38L | 1.1W | スリムマット | USBアダプター(別売) |
| スリムフィルター DC-X S2 | 25L以下 | 4.2 | 0.67L | 1.9W | スリムマット | USBアダプター(別売) |
| スリムフィルター DC-X M3 | 35L以下 | 4.8 | 0.87L | 2.8W | スリムマット | USBアダプター(別売) |
| スリムフィルター DC-X L4 | 60L以下 | 6 | 1.1L | 3.7W | スリムマット | USBアダプター(別売) |
DC-Xの消費電力は、取扱説明書の基本仕様にある「アダプター使用時の消費電力」の値(AC100V側・使用アダプターは純正のG-1Aの場合)です。市販のアダプターでは変わることがあります。どの機種も淡水・海水の両方に対応しています。正確な仕様は、メーカーの製品ページで最新の情報を確認してください(出典:ジェックス スリムフィルター DC-X L4 製品ページ)。
電気代は1日いくらか
電気代は、消費電力(W)×24時間÷1000×電力量料金の単価で計算できます。ジェックスは簡単ラクラクパワーフィルターの取扱説明書で、1kWh=25円の場合として1日約2.3円(Sを連続使用した場合)と案内しています。家電のカタログでよく使われる目安単価31円/kWh(税込・令和4年7月22日改定=公益社団法人全国家庭電気製品 公正取引協議会の目安単価)で計算し直すと、次のようになります。
| 機種 | 1日あたり(31円/kWh) | 1年あたり(365日) |
|---|---|---|
| ラクラク S | 約2.9円 | 約1,060円 |
| ラクラク M | 約3.3円 | 約1,200円 |
| ラクラク L | 約4.5円(50Hz)/約5.2円(60Hz) | 約1,630円/約1,900円 |
| DC-X SS1 | 約0.8円 | 約300円 |
| DC-X S2 | 約1.4円 | 約520円 |
| DC-X M3 | 約2.1円 | 約760円 |
| DC-X L4 | 約2.8円 | 約1,000円 |
同じ60L以下の水槽用でも、ラクラクLとDC-X L4では1年で600〜900円ほどの差になります。ただし、これは定格の消費電力で24時間動かした場合の計算で、契約している電力会社の単価や使い方で変わる、あくまで一般的な目安です。正確な単価は契約先の電力会社で確認してください。
一方で、流量とろ過槽容量はラクラクの方が大きい数字です。電気代の安さを取るか、ろ過槽の大きさと水を回す力を取るか。ここが2系統を分けるいちばん大きな軸になります。
水槽の水量から必要な流量を計算する

適合水量の「◯L以下」は上限なので、上限ぎりぎりの水槽に付けるのか、余裕のある水槽に付けるのかで、水の回り方は変わります。比べるときに便利なのが、1時間に水槽の水量の何倍がフィルターを通るか(回転数)という見方です。
計算は簡単で、流量(L/分)×60÷水槽の水量(L)です。たとえばDC-X L4を60Lの水槽で使うと、6×60÷60=1時間に6回。同じL4を30Lの水槽で使えば12回になります。下の表は、各機種を適合水量の上限で使ったときの回転数です。
| 機種 | 1時間の流量 | 上限の水量で使ったときの回転数 |
|---|---|---|
| ラクラク S(25L) | 258L(50Hz)/330L(60Hz) | 約10.3回/約13.2回 |
| ラクラク M(35L) | 360L(50Hz)/432L(60Hz) | 約10.3回/約12.3回 |
| ラクラク L(60L) | 402L(50Hz)/480L(60Hz) | 約6.7回/約8回 |
| DC-X SS1(12L) | 174L | 約14.5回 |
| DC-X S2(25L) | 252L | 約10.1回 |
| DC-X M3(35L) | 288L | 約8.2回 |
| DC-X L4(60L) | 360L | 約6回 |
計算結果をどう使うか
回転数について、何回以上なら十分という基準は、確認したメーカーの製品ページと取扱説明書には示されていません。魚の数や大きさ、水草の量、餌の量で必要なろ過は変わるからです。なので、この表は同じ水槽に付ける候補どうしを比べる物差しとして使ってください。
たとえば水量30Lの水槽なら、水量で見た候補はラクラクM・ラクラクL・DC-X M3・DC-X L4の4つ(ラクラクは適合水槽に幅の範囲もあり、Mは幅30〜45cm、Lは幅40〜60cm。幅30cmの水槽ならLは範囲外です)。回転数はラクラクMが約12〜14.4回、ラクラクLが約13.4〜16回、DC-X M3が約9.6回、DC-X L4が約12回です。金魚のように水を汚しやすい魚を入れるなら、上限ぎりぎりのM3より、ひとつ上のL4やラクラクLを付けて余力を持たせる考え方があります。反対に、ベタやメダカのように強い水流が苦手な魚なら、流量の大きい機種を流量調節ツマミで絞って使うより、適合水量どおりのサイズを選ぶ方が扱いやすいかなと思います。
もうひとつ覚えておきたいのは、流量の測定条件は公表されていない一方で、汚れで流量が落ちることは案内されている点です。取扱説明書の「故障かな?と思ったら」には、水が流れない・水流が弱いときの点検項目として、ろ過材やスポンジカセットの目詰まりが挙がっています。上限ぎりぎりで使う機種ほど、手入れの間隔が効いてくると考えておくとよいですね。
水槽の内寸と枠幅で取り付けられるか確かめる
外掛けフィルターは水槽のふちに掛けるので、水量だけ合っていても、水槽の内側の高さや幅が足りないと取り付けられません。取扱説明書に「使用できる水槽」として書かれている内寸をまとめました。高さは底砂がない場合の数値です。
| 機種 | 水槽内の高さ | 水槽内の幅 |
|---|---|---|
| ラクラク S | 16.5cm以上 | 13cm以上 |
| ラクラク M | 16.5cm以上 | 15cm以上 |
| ラクラク L | 21cm以上 | 18cm以上 |
| DC-X SS1 | 15cm以上 | 15cm以上 |
| DC-X S2 | 20cm以上 | 16cm以上 |
| DC-X M3 | 20cm以上 | 21cm以上 |
| DC-X L4 | 23cm以上 | 28cm以上 |
DC-Xは本体の横幅がサイズとともに広がるので、M3で水槽内の幅21cm以上、L4で28cm以上が必要です。小さめの水槽に一回り大きいサイズを付けて余力を持たせたいときは、この幅の条件で付けられないことがあるので、先に水槽の内側を測っておきましょう。
枠付き水槽の枠の幅
DC-Xの取扱説明書には、枠付きの水槽に取り付ける場合は水槽の枠幅に注意するよう書かれていて、図に「12mm以下」と示されています。旧モデルのスリムフィルターも、公式ページで「フレームレス水槽、一般的な枠付水槽のどちらにも取り付け可能」とされていますが、枠が太い水槽やふたの形が特殊な水槽では、本体が掛からないことがあります。
あわせて、どちらの系統も本体の底に「水平調節ツマミ」が付いています。ラクラクの取扱説明書では、本体は必ず水平調節ツマミで水平にするよう注意されていて、傾いたまま動かすと本体から水があふれる原因になるとされています。DC-Xの取扱説明書でも、本体下部の水平調節ツマミで本体が水平を保つようにする手順になっています。
本体そのものの大きさも、取扱説明書の製品サイズ(本体部のみ・DC-Xは水平調節ツマミを除く)で比べておくと、水槽の後ろの置き場所を考えやすくなります。
| 機種 | 本体の幅×奥行×高さ |
|---|---|
| ラクラク S | 13.0×13.1×16.8cm |
| ラクラク M | 15.2×13.1×16.8cm |
| ラクラク L | 18.2×13.4×17.6cm |
| DC-X SS1 | 12.8×11.0×15.2cm |
| DC-X S2 | 18.0×12.0×15.2cm |
| DC-X M3 | 22.6×12.0×15.2cm |
| DC-X L4 | 28.7×12.6×15.2cm |
同じ適合水量どうしで比べると、奥行きの差は約0.8〜1.1cm。DC-Xは奥行きが少し浅いかわりに横に長く、ラクラクは横幅が短いかわりに奥行きが少し深い、という違いです。
静音性と水流の強さで選ぶならどっち
音を気にするなら、まず候補に挙がるのはDC-Xです。公式ページは「極めて静音」と説明していて、ポンプも新しく作り直されています。とはいえ、確認した製品ページと取扱説明書には騒音の数値(dB)の記載がないので、ラクラクとどれくらい差があるかを数字で比べることはできません。ここはメーカーの表現として受け取っておくのがよいかなと思います。
ラクラクも、公式ページで「本体一体型、水中ローター方式のモーターなので音が静か!」とされています。使っているうちに音が気になり始めたときは、製品ページのよくある問い合わせが手がかりになります。モーターから異音がするときは、インペラー部やインペラーを入れる穴にゴミや水垢、ヌメリが溜まっていないかを確認して掃除するよう案内されていて、ラクラクでは「月に1度は掃除するようにしてください。」とあります。エアーポンプの気泡の吸い込みも、異音や流量低下の原因として挙がっています(次の章で説明します)。
水流の弱め方
どちらの系統にも流量調節ツマミがあります。ラクラクはさらに吐出口のルーバーの角度を変えられ、取扱説明書では稚魚や水流が苦手な魚類にも最適と案内されています。ただし、ラクラクの取扱説明書には、流量を少なくしすぎるとモーター音が若干大きくなりますが故障ではありません、という注記もあります。静かさを優先したい人が流量を極端に絞ると、かえって音が気になることがあるわけです。
魚に合わせた水流の考え方は、グッピー水槽の水流の目安とフィルター別の弱め方でも詳しく触れています。グッピー以外の小型魚にも応用しやすい内容です。
選び方の目安:電気代の安さ、メーカーが「極めて静音」とうたう新しいポンプ、奥行きの浅さを優先するならスリムフィルターDC-X。ろ過槽の大きさとろ過材を足せる自由度、M・Lのエアレーション機能を優先するなら簡単ラクラクパワーフィルター。どちらも、水槽の水量と内寸の条件を満たすサイズの中から選びます。
GEXの外掛けフィルターを長く使う設置と手入れ
外掛けフィルターを長く使うには、設置のときの水位、ろ過材やストレーナーの汚れ、インペラー(羽根)まわりの掃除の3つが要になります。取扱説明書の「故障かな?と思ったら」でも、水位、目詰まり、インペラー部のゴミが、水が流れない・異音がするときの点検項目に並んでいます。DC-Xの製品ページのよくある問い合わせには、インペラー周辺の掃除について「ほとんどのポンプ不具合(停止・異音・流量低下)はこのメンテナンスで改善される可能性が高いです。」とも書かれています。
そして、ラクラクとDC-Xでは、水位の基準も、ろ過材の交換の目安も、電源のつなぎ方も違います。ここでは、取扱説明書に書かれている手順と注意を、2つの系統の違いが分かるように並べて説明します。買ってから「動かない」「音がする」と慌てないための章なので、届いた箱を開ける前にざっと目を通しておいてください。
呼び水と水位の合わせ方で止まりを防ぐ

2つの系統でいちばん違うのが、電源を入れる前の準備です。
簡単ラクラクパワーフィルターの場合
ラクラクは、電源を入れる前に呼び水(本体に水を入れておくこと)が必要です。取扱説明書の手順は、流量調節ツマミを最大にして、本体からあふれるまで水を入れる。次に、水槽の水位を水槽上部から1〜3cm低い位置になるように入れる。それから差し込みプラグをコンセントにつなぎ、正常に動いていることを確かめてから希望の流量に調節してフタをする、という順番です。電源を入れてから20秒前後でパイプ内の空気が抜けて水が循環すると書かれています。
水位が下がると水が循環しない原因になるので、メインパイプとストレーナーパイプのつなぎ目より上に水位があるように、とも注意されています。水は毎日少しずつ蒸発するので、足し水の習慣がないと、気づいたら水が回っていなかったということが起こりがちです。また、ストレーナーパイプは水深に合わせて調節し、砂を吸い込むことによるモーター故障を防ぐため、水底から1〜3cm離すよう書かれています。
スリムフィルターDC-Xの場合
DC-Xは、ポンプ部が水槽の中に沈む作りです。取扱説明書の手順は、流量調節ツマミを最大にし、水面が必ずポンプの最低水位線より上になるように水位を調節してから、USBアダプターを接続して差し込みプラグをコンセントに差し込む、という流れです。ポンプ故障防止のため、吸水パイプを伸縮させてポンプを底面から1cm以上離すこと、底砂に細かな砂利は使用しないことも挙げられています。
製品ページのよくある問い合わせでは、最低水位線ぴったりに水位を合わせると、蒸発などで水位が下がり、気づかないうちにポンプが気中に露出する可能性があるとして、「余裕を持った水位で、ポンプを完全に水没させてください。」と案内されています。取扱説明書の警告にも、空気中や水が入っていない状態で空運転しない(火災・感電の原因)という項目があります。足し水を忘れがちな人ほど、水位は線より余裕を持って高めにしておきましょう。
両方の取扱説明書に共通する警告として、コンセントが水槽より低い位置にある場合は、必ず水滴だまり(電源コードを一度下にたるませた輪)を設けて、水滴がコンセントやアダプターに流れ込まないようにすることが挙げられています。水槽内に手を入れるときは差し込みプラグを抜くことも、感電を防ぐための指示です。
ろ過マットの交換時期と純正品の選び方
交換の目安は、系統ごとに取扱説明書で書かれ方が違います。
DC-Xの取扱説明書では、交換の目安を活性炭マットが2週間、バクテリアマットが3週間としています。そのうえで、水の濁りがひどくなったり、本体からオーバーフローする時は交換時期です、と書かれています。ラクラクの取扱説明書では、パワーマットとスポンジカセットの交換の目安が1〜2か月に1回、リング状のろ過材(ベストロカバイオリング)が6か月に1回です。どちらも「目安」なので、魚の数や餌の量が多い水槽では早めに、少ない水槽では様子を見ながら、という使い方になります。
交換のしかたで気をつけること
取扱説明書のお手入れの手順は、どちらも差し込みプラグを抜いて電源を切ってから(DC-XはUSBプラグもアダプターから外す)、ろ過材を取り出し、汲み置きした水か水槽から抜き出した飼育水で軽くすすいで汚れを取り、元に戻す、というものです。取扱説明書に書かれているのは「軽くすすぐ」までなので、強くもみ洗いせず、この範囲で手入れするのが無難です。DC-Xの取扱説明書は活性炭マットとバクテリアマットで交換の目安を分けているので(2週間と3週間)、マットを2〜3枚差すS2・M3・L4では、全部を一度に新品にせず、マットごとの目安で時期をずらして替える形になります。
ろ過材だけでなく、ポンプ(モーター)の中も手入れの対象です。どちらの取扱説明書も、ポンプ内部に水アカやゴミがたまると故障の原因になるとして、定期的な掃除を求めています。インペラーユニットを取り外して水洗いし、汚れはブラシなどで落とす手順です。
交換ろ過材の製品ページにも、取扱説明書と同じ目安が載っています(活性炭スリムマットは2週間に1回、バクテリアスリムマットは3週間に1回、パワーマットは活性炭・バクテリアとも1〜2ヶ月に1回)。また、pHキープ&バクテリアスリムマットの製品ページには「ろ過材の交換と水換えは数日あけて行ってください。」とあります。マットの交換と大きな水換えを同じ日に重ねないのがコツです。
交換ろ過材は、ラクラクS・Mが「パワーマットSM」、ラクラクLが「パワーマットL」、DC-Xと旧スリムフィルターが「スリムマット」各種です。ラクラクの取扱説明書には、各商品の適合機種とお使いの本体機種名を確かめたうえで買うよう書かれています。名前の似たマットが並ぶので、本体の型番をメモしておくと買い物で迷いません。
DC-Xと旧スリムフィルターで使う活性炭スリムマットは、次のショップで扱いがあります。入数や価格は購入前に各ショップで確認してください。
本体内にヒーターなどの保温器具を入れないことも、ラクラクの取扱説明書の警告にあります(火災の原因)。ろ過槽が大きいぶん、ほかの器具を入れたくなるかもしれませんが、ろ過材以外は入れないでください。フィルター全体の掃除の頻度の考え方は、水槽フィルターの掃除頻度と失敗しない手順にまとめています。
水が回らない・異音がするときの点検

動かない、水が流れない、変な音がする。そんなときに取扱説明書の「故障かな?と思ったら」で挙がっている点検項目を、よくある順にまとめました。
まず見るところ
- 水位が下がっていないか(ラクラクは水槽上部から1〜3cm下、DC-Xはポンプの最低水位線より上)
- ラクラクは呼び水をしたか(本体からあふれるまで水を入れたか)
- 流量調節ツマミが最大の位置になっているか、きちんとはまっているか
- ろ過材やスポンジカセット、ストレーナースポンジが目詰まりしていないか
- インペラー(羽根)の部分やポンプ内部にゴミが詰まっていないか
- エアーポンプの気泡を吸い込んでいないか(エアーストーンを離す)
- DC-XのUSBアダプターが異常に熱いときは、DC5V/1A未満のアダプターを使っていないか
モーターやポンプが動かない場合について、どちらの取扱説明書にも「ポンプ内のマグネットが中立の位置にある可能性があるので、何度か差し込みプラグを抜き差しするか、ポンプ部に軽くショックを与えてください」という趣旨の案内があります。インペラーユニットが摩耗していれば、部品の交換で直ることもあります。ジェックスはオンラインで部品販売も行っています。
水が白く濁るとき
立ち上げ直後や大掃除の後に水が白く濁るのは、取扱説明書では、水換え時やろ過バクテリアが極端に減少してしまった場合に起こると説明されています。環境によって異なるとしたうえで、餌の量を減らし、本製品を3日〜10日ほど作動させれば水はきれいになります、という案内です。この白い濁りは、DC-Xの取扱説明書で交換時期の目安とされている「水の濁りがひどくなったり、本体からオーバーフローする時」とは場面が違います。立ち上げ直後や水換えの直後の白濁なのか、しばらく使ったあとの汚れによる濁りなのかを分けて考えると、マットを替えるかどうかの判断がしやすくなります。
それでも改善しない、異常な音や熱がある、という場合は、取扱説明書のとおり使用を中止して、購入した販売店かメーカーに問い合わせてください。最終的な判断は、販売店やメーカーなどの専門家に相談するのが安心です。
稚魚やエアレーションと併用するときの注意
外掛けフィルターは、吸水口から小さな生体を吸い込むことがあります。DC-Xの取扱説明書には、ストレーナースポンジについて「ごく小さな稚魚はスポンジに吸い込まれる場合がありますのでご注意ください」と書かれています。ラクラクも、底砂に細やかな砂利を使う場合は、砂利の吸い込み防止のために必ずストレーナースポンジを使うよう注意されています。どちらもストレーナースポンジは付けたまま使うのが前提です。
稚魚の多い水槽や、エビの子どもが生まれる水槽では、流量を絞ったうえで吸水口の様子をこまめに見るか、吸い込みの心配が少ないスポンジフィルターと使い分ける方法もあります。
エアーポンプとの併用
エアーポンプでエアレーションをするときは、どちらの取扱説明書も、気泡を吸い込み故障の原因になるので本製品から離すよう書いています。エアーストーンをストレーナーのすぐ横に置くと、泡がポンプに入り、水流が弱くなったり音が出たりします。ラクラクMとLはろ過槽内にエアレーション機能を持っているので、別にエアーポンプを置く必要があるかどうかも含めて考えるとよいですね。
なお、ラクラクのエアーコントローラーは、エアレーションをしないときはエアーチューブとエアーコントローラーを使用しない、と取扱説明書にあります。他社の外掛けフィルターと比べたい人は、テトラのオートワンタッチフィルターAT-30の適合水槽とろ材交換も読んでみてください。正確な情報は、各メーカーの公式サイトで確認してくださいね(出典:ジェックス 簡単ラクラクパワーフィルター L 製品ページ)。
GEXの外掛けフィルターについてよくある質問
旧スリムフィルター用のスリムマットは、DC-Xにも使えますか?
公式ページの「対応商品」は、旧スリムフィルターもDC-Xも「スリムマット各種」です(旧スリムフィルターの4機種とDC-XのS2・M3・L4は、スリムフィルター用スポンジカセットにも対応。DC-X SS1の対応商品は「スリムマット各種」だけです)。対応商品の記載のうえでは、買い置きのスリムマットをDC-Xでも使えることになります。念のため、交換ろ過材の箱に書かれた適合機種も確認してください。
海水の水槽でも使えますか?
公式ページの使用環境は、簡単ラクラクパワーフィルターもスリムフィルターDC-Xも「淡水・海水」です。ただし取扱説明書では、海水水槽で使う場合は本体や差し込みプラグ、コンセントの塩分や汚れをこまめに拭き取るよう警告されています(発火・感電の原因)。
使わない時期はどう保管すればいいですか?
取扱説明書の保管方法は、水槽から取り外し、お手入れの手順で汚れを取り除いて水気を拭き取り、十分乾燥させてから、購入時の箱などを使って湿気の少ない冷暗所に保管する、というものです。長期間使用されない場合は水槽から取り外して保管することがすすめられています。
GEXの外掛けフィルター選びのまとめ
GEXの外掛けフィルターは、大きなろ過槽を持つAC100Vの「簡単ラクラクパワーフィルター」と、奥行きが浅く横に長い、USBアダプターで動く「スリムフィルターDC-X」の2系統です。旧スリムフィルターには出荷終了の表示が出ているので、スリムフィルターを新品で買うならDC-Xを選びます。
- まず水槽の水量で、適合水量の範囲に入るサイズを絞る
- 次に水槽の内側の高さと幅、枠の幅で取り付けられるか確かめる
- 電気代の安さと奥行きの浅さならDC-X、ろ過槽の大きさとエアレーション機能ならラクラクM・L
- DC-XはUSBアダプター(DC5V/1A以上)を別に用意し、モバイルバッテリーでは使わない
- ラクラクは呼び水と水位(上部から1〜3cm下)、DC-Xはポンプの最低水位線を守る
回転数の表は、同じ水槽に付ける候補どうしを比べる物差しとして使ってみてください。仕様や価格は変わることがあるので、正確な情報は公式サイトで確認し、最終的な判断は販売店やメーカーなどの専門家に相談してくださいね。あなたの水槽に合う1台が見つかりますように。


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