ベタのダブルテールが弱いの?長生きさせる飼育のコツと特徴
こんにちは。THE AQUA LAB、運営者の「所長」です。ヒレが上下に分かれた、まるでドレスをまとったような優雅な姿が魅力のダブルテール。
ですが、お迎えを検討している方や実際に飼い始めた方の中から、ベタのダブルテールが弱いという不安の声を本当によく耳にします。せっかく縁があって一緒に暮らし始めたのに、すぐに転覆病になったり、他の品種より寿命が短い気がしたりすると、飼い主としては居たたまれない気持ちになりますよね。私自身も、ダブルテールの体調管理には他の品種以上に「繊細な気遣い」が必要だと日々感じています。
この記事では、ダブルテールが抱える解剖学的な特徴から、水流の制御やフィルターの選び方といった具体的な飼育環境の整え方まで、私の経験を交えて詳しくお伝えします。ダブルテールのデリケートな部分を正しく理解し、先回りしてケアをしてあげることで、彼らはもっと強く、元気に過ごせるようになります。この記事が、皆さんの愛魚が少しでも長く健康でいられるためのヒントになれば嬉しいです。
なお、ベタ飼育の基本(必要な道具・水槽選び・日々の管理の全体像)を先に押さえたい方は、美しい魚ベタの飼い方|水槽選びから餌まで解説もあわせてご覧ください。
- ダブルテール特有の骨格構造が健康と内臓に与える影響
- 転覆病や浮袋の不調を根本から防ぐための具体的な生活習慣
- 大きなヒレを持つ個体に負担をかけない水流とバリアフリーな環境作り
- 老化のサインを見逃さず、シニア期を穏やかに過ごさせる介護のコツ
【失敗例と教訓】所長がやらかした「転覆→尾腐れ」コンボ
今でこそ偉そうに語っていますが、私も最初のダブルテールで痛い失敗をしています。お迎え直後、見た目重視で浅いガラス容器に入れ、外掛け式フィルターを「弱にしたから大丈夫だろう」と回し、餌も乾燥フードをそのままパラパラ……。すると数日で「食後に傾く→浮く→底で休む時間が増える」という転覆寄りの症状が出て、同時にヒレの縁が白っぽくなって尾腐れの入口に立ってしまいました。
この時に学んだのは、ダブルテールは“単発のミス”よりも“複数の小さな負担の積み重ね”で一気に崩れるということです。対策を「水質だけ」「病気だけ」と切り分けて考えていると、取りこぼしが起きやすいんですね。
- 教訓1:水流は想像以上に体力を奪います。外掛け式は吐出口を徹底的に殺すか、最初からスポンジフィルターにして「止水域」を確保する。
- 教訓2:乾燥餌の“体内膨張”を甘く見ない。ふやかし+少量分割に切り替え、傾きが出たら即断食で消化を最優先する。
- 教訓3:「治療」より先に「負担の撤去」。水温を安定させ、水深を浅くし、休憩場所を作って“呼吸と姿勢維持”のコストを下げる。
結果的にこの個体は持ち直しましたが、あの時もっと早く「負担を減らす方向」に舵を切れていたら、ヒレをボロボロにせずに済んだと思います。失敗は悔しいですが、同じ轍を踏まないための地図にもなります。
ベタのダブルテールが弱いと言われる理由と身体的特徴
ダブルテールをじっくり観察していると、その独特な「詰まったような体型」が目に入るかなと思います。実はその美しさの裏側には、生存戦略としては少し不利な身体的なハンディキャップが隠されているんです。なぜ彼らが他のベタよりもデリケートだと言われるのか、その本質的な理由を解剖学的な視点から深掘りしていきましょう。
背びれが広い理由と骨格の特性による体への影響
ダブルテールの最大の特徴は、単に尾びれが二つに分かれていることだけではありません。実は、尻びれ(アナフィネル)と同じくらい長く、豪華に広がった背びれを持っていることが、身体構造に大きな影響を与えています。これはダブルテール遺伝子(dt)と呼ばれる劣性遺伝子の働きによるものですが、この遺伝子はヒレの形を変えるだけでなく、脊椎の形成プロセスそのものに干渉してしまうんです。
その結果として現れるのが、多くのダブルテールに見られる「脊椎の短縮」という特性です。通常のベタに比べて背骨の数が少なかったり、一つ一つの椎体が詰まっていたりするため、全体的に「ショートボディ」のような体型になります。この詰まった骨格は、見た目の可愛らしさを演出しますが、魚にとっては大きな代償を伴います。
まず、骨格が短いことで腹腔(内臓が収まるスペース)が物理的に制限され、胃腸や肝臓、そして浮袋がぎゅうぎゅうに押し込められた状態になります。これが慢性的な内臓への圧迫を生み、代謝能力の低下を招く一因となるんですね。

美しさの代償:背骨の短縮と内臓の圧迫(ノーマル体型との比較)
なお、ダブルテール形質が特定の遺伝子領域(zic1/zic4)に関わる変異と関連する可能性が報告されています(出典:Wang et al., 2021, Molecular Biology and Evolution「Genomic Basis of Striking Fin Shapes and Colors in the Fighting Fish」)。
骨格の歪みと遊泳能力への影響
さらに、この脊椎の短縮は「歪み」を伴いやすいというリスクもあります。ダブルテール個体の中には、背骨が上下や左右にわずかに曲がっている個体が多く見られますが、これは急速な品種改良の結果として固定されてしまった弱点でもあります。骨格に歪みがあると、泳ぐ際の重心が安定せず、常に筋肉に余計な力が入ってしまいます。大きなヒレを動かすだけでも重労働なのに、土台となる骨格まで不安定なわけですから、ダブルテールが「疲れやすい」「すぐに底で休んでしまう」と言われるのは、こうした身体的な苦労があるからだと言えるでしょう。
浮袋の異常や転覆病になりやすい身体的な原因
ベタ飼育者が最も直面しやすいトラブルが、体が浮きすぎて潜れなくなったり、逆に沈んでしまったりする転覆病(浮袋障害)です。ダブルテールはこのトラブルに対して、他の品種とは比較にならないほど高い感受性を持っています。その理由は、先ほどお話しした「内臓の過密化」と「浮袋の変形」にあります。
ベタは「有管魚(Physostome)」と呼ばれ、水面で口から取り込んだ空気を、管を通して浮袋に送り込むことで浮力を調整しています。しかし、ダブルテールの詰まった体の中では、浮袋が本来のラグビーボールのような形を保てず、押し潰されたり、位置がずれたりしていることが珍しくありません。そこへさらに、消化管に餌やガスが溜まってお腹が膨らむとどうなるでしょうか。狭い腹腔内ですぐに浮袋が圧迫され、精密な浮力コントロールが効かなくなってしまうんです。これが、ダブルテールが「食後すぐに体が傾く」「ぷかぷか浮いて潜れなくなる」という症状を頻発させるメカニズムです。
ダブルテールにおける転覆症状は、単なる「病気」というよりも、その身体構造ゆえの「不具合」に近い側面があります。そのため、一度重症化すると完治が難しく、生涯を通じて付き合っていかなければならないケースも多いのが実情です。だからこそ、後述するような徹底した消化管理が、彼らの生命線になるんです。
尾びれの付け根が弱く病気になりやすい構造上のリスク
ダブルテールの豪華な尾びれは、上下に完全に分かれているために、それを支える「尾筒(びとう)」と呼ばれる付け根部分に極めて大きな負担をかけ続けます。通常のシングルテールであれば、ヒレにかかる水の抵抗は背骨のラインに沿って分散されますが、ダブルテールの場合は二分割された巨大なヒレがそれぞれ異なる動きをするため、付け根部分にねじれるようなストレスがかかりやすいんです。
この物理的な負荷は、目に見えない形で組織を疲弊させます。特に、ヒレの面積が広いことで末端まで血流が行き渡りにくくなり、組織の再生能力が低下しやすいという点も無視できません。そのため、尾びれの付け根やヒレの縁から細菌が侵入し、「尾腐れ病」や「鰭腐れ病」を発症するリスクが非常に高いのです。また、ヒレが重すぎて常に垂れ下がっている状態は、付け根部分の皮膚を常に引っ張っている状態になり、そこから充血や炎症が始まることもあります。ダブルテールが「ヒレから崩れやすい」のは、決して気のせいではなく、構造的に無理をさせている部分が真っ先に悲鳴を上げている証拠なんですね。
Columnaris菌(カラムナリス菌)との戦い
特に注意したいのが、カラムナリス菌による感染症です。この菌は水の汚れやストレスに反応して活発化しますが、ダブルテールの疲弊したヒレ組織は彼らにとって絶好の侵入経路となります。ヒレの先がわずかに白濁したり、ギザギザになったりする初期段階で気づけるかどうかが、その後の生存率を大きく左右します。ダブルテールのヒレは「ただの飾り」ではなく、彼らの「健康のバロメーター」そのものだと考えてあげてください。
他の品種と比較した寿命や体調管理が難しい理由
ベタの寿命は一般的に2年から3年ほどとされていますが、私がこれまで多くの個体を見てきた実感として、ダブルテールは1.5年から2年を過ぎたあたりで急激に老化が進む個体が多いと感じています。これは決して飼育が下手だからというわけではなく、彼らが一生を通じて抱え続けてきた「身体的負担」が、ある日突然、限界を超えて表面化してくるからです。
内臓が詰まっているということは、それぞれの臓器が常に干渉し合っている状態です。肝臓や腎臓といった代謝を司る臓器も、本来のパフォーマンスを発揮しにくい環境にあります。そのため、加齢とともに基礎代謝が落ちてくると、他の品種なら何てことのないわずかな水質の変化や、ほんの少しの食べ過ぎが、致命的なダメージに直結してしまいます。また、視力が落ちてくるシニア期には、大きなヒレを動かして餌に辿り着くこと自体が過酷なトレーニングになり、急速に痩せ細ってしまうこともあります。ダブルテールの体調管理が難しいと言われるのは、この「余裕のなさ(キャパシティの狭さ)」に集約されているのです。
老化のサイン(自然な衰え)と、治療が必要な異常の見分け方は、ベタの寿命と長生きさせる飼育のコツに整理してあります。シニア期の観察項目を作る時の参考にしてください。
ダブルテールを長生きさせる飼い主さんに共通しているのは、魚の「変化」に対して驚くほど敏感なことです。昨日より泳ぎが10cm低い、餌を食べるスピードが1秒遅い、といった微細なサインを見逃さず、すぐに対策を講じる「観察眼」こそが、寿命の壁を突破する唯一の鍵になります。

毎日の観察が寿命を延ばす:腹・ヒレ・泳ぐ位置のチェック
稚魚の生存率が低く繁殖が難しいとされる遺伝的背景
アクアリウムの楽しみとして繁殖がありますが、ダブルテールはベタの中でも特に繁殖難易度が高いことで知られています。その最大の理由は、ダブルテール形質を司る遺伝子(dt)が、ホモ接合(ダブルテール同士の交配)になった際に、脊椎の異常を極端に強く引き出してしまう性質を持っているからです。専門的な知見によれば、改良品種の遺伝子固定には細心の注意が必要であり、不適切な交配は生命力の著しい低下を招くことが指摘されています。
実際にダブルテール同士をペアリングして生まれた稚魚の中には、孵化した直後から背骨が激しく曲がっていたり、浮袋が全く機能しなかったりする個体が高い割合で含まれます。これらは「ベリースライダー(腹這い)」と呼ばれ、自力で水面まで上がって呼吸をすることができず、成長の途中で命を落としてしまうことがほとんどです。また、親魚自体も身体的な制約があるため、交尾の際の抱擁(Tポジション)がうまくいかず、無精卵に終わってしまうケースも多々あります。こうした背景から、健康な個体を生み出すためには、あえてシングルテールの血を混ぜて骨格を補正するなどの、高度なブリーディング戦略が求められるのです。
水流に弱いため適切なフィルター選びが重要な理由
ダブルテールの美しさを象徴する巨大なヒレは、水中においては「巨大な帆」となって、わずかな水の流れさえも過大な抵抗(ドラッグ)に変えてしまいます。普通のベタであれば、フィルターからの水流をものともせずに泳ぎ回ることができますが、ダブルテールにとってそれは常に全力疾走を強いられているような状態です。

大きなヒレは帆になる:水流が疲労と病気の引き金
水流が強い環境で飼育し続けると、ベタは常に筋肉を緊張させて姿勢を保たなければならず、心肺機能に過度な負荷がかかります。これが慢性的な疲労(ストレス)となり、結果として免疫システムを著しく弱体化させます。「お迎えして1週間で尾腐れになった」というケースの多くは、実は水質のせいだけでなく、この水流による疲弊が引き金になっていることが多いのです。ダブルテールを飼育する際は、いかにして「水槽内に止水域(流れのない場所)を多く作るか」が、生存率を分ける決定的なポイントとなります。
エアレーションや吐出口の調整で「微流」を作る考え方は、水槽のエアレーションやり過ぎは逆効果?酸素と水流の最適解でも詳しく解説しています。

止水域を作る:スポンジ推奨/外掛けは吐出口で流れを殺す
| フィルターの種類 | 適性レベル | メリットとデメリット |
|---|---|---|
| スポンジフィルター | ★★★★★(最高) | 水流が最も穏やかで、酸素供給も十分。ダブルテール飼育の鉄板。 |
| 投げ込み式フィルター | ★★★☆☆(普通) | 安価だが泡の弾ける振動がストレスになることも。弱めのエアーで。 |
| 外掛け式フィルター | ★★☆☆☆(注意) | そのままでは水流が強すぎる。吐出口に工夫をして流れを殺す必要あり。 |
| 外部式・上部式 | ★☆☆☆☆(不向き) | 小型水槽では激流になりやすい。基本的には使用を避けるべき。 |
ベタのダブルテールの弱い部分を補い元気に育てるコツ
ここまで読んで、「ダブルテールってなんて難しい魚なんだ…」と落ち込んでしまったかもしれません。でも安心してください。彼らの「弱さ」は、飼育者の「知識」と「工夫」で十分に補ってあげることができます。ここからは、私が実践している、ダブルテールのハンディキャップを最小限に抑え、彼らが持っている本来の生命力を引き出すための具体的なテクニックを紹介します。
水温の変化を抑えて免疫力を高める飼育環境の維持
ダブルテールは環境適応への余裕が少ない魚ですので、水温の「ブレ」が免疫力にダイレクトに響きます。特に、消化器系がデリケートな彼らにとって、水温の低下は消化酵素の活性を著しく下げ、即座に便秘や転覆病を引き起こす原因になります。理想的な水温は26.0度から28.0度の範囲ですが、大切なのは数字そのものよりも「一定に保つこと」です。

水温のブレは命取り:26〜28℃を安定させて免疫を守る
多くの初心者が陥る罠が、小型水槽での無加温飼育や、精度の低いヒーターによる温度の乱高下です。水温が1日で2度以上変化するような環境は、ダブルテールにとっては過酷なストレスとなります。できれば、設定温度を細かく調整できるサーモスタット付きのヒーターを使用し、水温計はヒーターから一番遠い場所に設置して、水槽全体の温度を正確に把握するようにしましょう。また、冬場は水換え用の水もしっかりと温度合わせ(±0.5度以内)をしてから注ぐようにしてください。この徹底した温度管理だけで、トラブルの半分以上は防げると言っても過言ではありません。
代謝を支える高水温のメリット
もし、個体が少し元気がなかったり、餌の食いつきが悪かったりする場合は、一時的に設定温度を28.5度から29.0度付近まで上げてみるのも有効です。高めの水温はベタの代謝を活発にし、体内の老廃物の排出を促してくれます。ただし、水温を上げると細菌の増殖スピードも上がりますので、これまで以上に水質を清潔に保つことをセットで考えてくださいね。
消化に良い餌選びで転覆病を徹底的に予防する工夫
ダブルテールを飼う上で、私が最も神経を使うのが「給餌(エサやり)」です。彼らの詰まった内臓をいたわるためには、「食べたものがスムーズに通り、かつ体内で膨らまない」ような与え方が不可欠です。市販の乾燥ベタフードは、乾燥状態から水分を吸うと、体積が1.5倍から2倍近くに膨らむものが少なくありません。これをそのまま食べさせてしまうと、胃の中で膨張し、背後の浮袋を物理的に圧迫して転覆の原因となります。
そこでお勧めしたいのが、「事前浸水(ふやかし)」です。小さな容器に飼育水を取り、そこに餌を5分ほど浸してから与えてみてください。これだけで、体内での予期せぬ膨張を防ぐことができます。また、消化面の負担を減らす目的で、人工飼料だけに偏らせず、冷凍赤虫やブラインシュリンプなどを「少量・ローテーション」で組み合わせるのも有効です(出典:株式会社キョーリン『ベタの飼育方法』)。

転覆を防ぐ餌やり:事前ふやかし+少量分割+お腹が張ったら断食
給餌の回数と量の黄金律
一度にたくさん与えるのは厳禁です。ダブルテールの胃袋は非常に小さいので、「1日1回たっぷり」よりも「1日2〜3回、ごく少量ずつ」に分けるのが理想です。具体的には、1回あたり1粒から2粒程度。お腹の膨らみ具合を常にチェックし、翌朝までにお腹が平らになっていない場合は、迷わずその日の給餌をスキップする勇気を持ってください。「欲しがるから与える」のではなく、「消化できているから与える」というスタンスが、彼らの命を救います。
粒数の目安や「ふやかし」の具体手順をさらに詰めたい方は、ベタの餌の量は1日何粒?適正回数と長生きさせる与え方のコツも参考になります。
尾腐れ病を防ぐためのこまめな水換えと塩分濃度調整
ダブルテールの大きなヒレを守るためには、水中の細菌数を常に低く保つ必要があります。しかし、彼らは急激な水質の変化(pHショック)にも弱いため、一度に半分以上の水を換えるような方法はあまりお勧めしません。理想的なのは、「全体の1/4から1/3程度の量を、週に2回ほど換える」といった、小まめなメンテナンスです。
また、ダブルテールの飼育において非常に強力な味方になってくれるのが「塩水浴」と「ブラックウォーター」です。ヒレの先が少しボロボロしてきた時や、お迎え直後のストレスが強い時期には、0.05%程度の低濃度塩水での管理を試してみてください。この程度の濃度であれば、水草やバクテリアへの影響を最小限に抑えつつ、ベタの浸透圧調整を助け、体力を温存させることができます。さらに、マジックリーフなどから抽出したタンニン(ブラックウォーター)には、強力な殺菌作用と粘膜保護作用があり、デリケートなダブルテールの肌やヒレを優しく保護してくれます。水質を弱酸性に安定させる効果もあるので、まさにダブルテールにとっては「聖水」のような役割を果たしてくれます。
水換え頻度の考え方(フィルター有無・水量別の目安)を迷わず決めたい場合は、ベタの水換え頻度はこれ!初心者でも迷わない水質管理の基本もあわせて確認してみてください。
水換えの際には、必ず底に溜まった糞や食べ残しをスポイトで丁寧に取り除きましょう。ダブルテールは底で休む時間が長いため、底面の汚れが直接ヒレの感染症に繋がります。「水面よりも底を綺麗にする」ことが、尾腐れ病予防の鉄則です。

水面より底を綺麗に:尾腐れ病予防は底床ケアが最優先
運動不足を解消するフレアリングの適切な時間と頻度
泳ぎが苦手なダブルテールですが、全く運動をさせないと筋肉が衰え、さらに泳げなくなるという悪循環に陥ります。また、フレアリング(エラやヒレを広げる威嚇行動)を全く行わないと、ヒレ同士が癒着してしまったり、新陳代謝が滞って便秘を誘発したりすることもあります。そのため、「1日3分から5分程度の適切なフレアリング」は、彼らにとって重要なエクササイズとなります。
ただし、やりすぎは禁物です。ダブルテールの大きなヒレを広げ続けることは、私たちに例えれば重いダンベルを持って全力でポーズをとっているようなものです。あまりに長時間鏡を見せ続けると、過度の疲労からストレスを感じ、逆に免疫力を下げてしまいます。タイマーを使って時間をきっちり測り、終わった後は鏡を隠して、しっかりと休める暗い環境を作ってあげましょう。フレアリングを終えた後に、ベタが活発に糞をする姿が見られたら、それは運動が功を奏している良いサインです。運動と休息のメリハリをつけることが、健康維持の秘訣ですね。
ベタのダブルテールが弱いのを克服し長生きさせる方法
ここまでお話ししてきたように、ベタのダブルテールが弱いのを克服し長生きさせる方法は、「身体的負荷の軽減」と「徹底したバリアフリー化」に集約されます。彼らが一生懸命生きようとする力を、私たちがどれだけサポートできるかが勝負です。

負担を減らすバリアフリー飼育:水深15〜20cm+休憩場所+尖り排除
バリアフリー飼育の3つの具体策
- 水深を浅くする:水深を15cmから20cm程度に下げることで、水面での呼吸(ラビリンス呼吸)の負担を減らせます。
- 休息場所(ハンモック)を設置する:水面近くに大きな葉の水草(アヌビアス・ナナ等)や、市販のベタハンモックを配置し、泳がずに休める場所を作ります。
- 尖ったレイアウトを排除する:流木のささくれや鋭い石などは、大きなヒレを容易に傷つけます。丸みのある素材だけを選びましょう。
Q. ダブルテールはやっぱり短命ですか?
A. 体の構造的に“余裕が少ない”のは事実ですが、イコール短命とは限りません。水温・水流・給餌の3点を最適化して、体力の無駄遣いを減らしてあげると、一般的な寿命(2〜3年)をしっかり狙える個体もいます。逆に、飼育環境が少しでもブレると一気に不調に傾きやすいので、「短命に見えやすい」というのが実態に近いです。
Q. ふやかしは何分くらいがベストですか?
A. 目安は3〜5分です。粒がしっかり沈み、指で軽く潰せるくらい柔らかくなればOK。逆に長時間ふやかし過ぎると崩れて水を汚しやすいので、毎回“食べ切れる分だけ”を小分けで作るのがコツです。
Q. 食後に傾いたり浮いたりした時、最初にやるべきことは?
A. 薬を入れる前に、まず「断食」「水温の安定(やや高め)」「水深を浅くする」の3つを優先してください。転覆症状は消化管の膨張や便秘が絡んでいることが多く、消化をリセットするだけで落ち着くケースもあります。慌てて強い薬に頼ると、逆に体力を削ってしまうことがあります。
Q. 低濃度の塩はずっと入れっぱなしでも大丈夫?
A. 0.05%程度なら“短〜中期”の補助としては有効ですが、常用するかどうかは環境次第です。水草や一部の生体がいる場合は影響が出ますし、塩に頼りすぎると「本来の原因(汚れ・水流・温度ブレ)」の改善が後回しになりがちです。基本は原因の除去を軸に、必要な時だけ使うのが安全です。
Q. フィルター無しでも飼えますか?
A. 可能ではありますが、こまめな水換えと底掃除が前提になります。ダブルテールの場合は「水流を弱くしながら水質を安定させる」ことが重要なので、できるならスポンジフィルターなどの穏やかな方式をおすすめします。フィルター無しで行くなら、水温と水質の変化幅が大きくなりやすい点だけは意識して管理してください。
- □水温26.0度から28.0度を維持し、1日の変動をできるだけ小さくする
- □フィルターの水流でヒレがなびいていないか確認し、止水域を作れている
- □水面近くに休憩場所(ハンモックや葉)を用意し、呼吸の負担を下げている
- □餌はふやかし+少量分割で、翌朝までお腹が戻っていない時は断食する
- □底面の糞・残餌をスポイトで回収し、「底を最優先」で清潔に保つ
- □水換えは1/4から1/3を週2回目安に、注水前の温度合わせ(±0.5度以内)を徹底する
- □ヒレの白濁・ギザギザ、尾筒の赤み、泳ぐ高さの変化を毎日チェックする
- □フレアリングは3分から5分で切り上げ、終わったらしっかり休ませる
- □迷ったら「まず水温確認→餌を止める」を最優先ルールとして徹底する

手間をかけた分だけ美しく応えてくれる:弱さは知識と愛情で克服できる
ダブルテールとの生活は、確かに他の品種よりも手間がかかるかもしれません。しかし、その短い体で懸命にヒレを動かし、飼い主であるあなたに寄ってくる姿には、他では味わえない愛おしさがあります。もし飼育中に「いつもと違うな」と感じたら、まずは水温を確認し、餌を止めて様子を見てあげてください。あなたの観察眼と、手間を惜しまない愛情があれば、ダブルテールは決して「短命な魚」ではありません。
本記事の内容は一般的な飼育目安であり、個体差や飼育環境によって最適な方法は異なります。正確な病気の診断や専門的なアドバイスについては、信頼できるアクアショップの店員さんや獣医師にご相談ください。最終的な判断は、飼い主である皆さんの自己責任となりますが、この記事があなたとダブルテールの穏やかな日々を支える一助となれば、これほど嬉しいことはありません。
あなたの愛するダブルテールが、今日もその美しいヒレを広げ、優雅に水槽を彩ってくれることを願っています!


