おとひめの番手はどれを買えばいい?粒の大きさから選ぶ考え方をまとめました
おとひめを買おうと商品ページを開いたら、AにB1、B2、C1、C2、S1、S2、さらにEP1やEP2まで並んでいて、どのサイズを選べばいいのか固まってしまった。そんな経験、ありませんか。私も最初はそうでした。番手の記号だけ見ても粒径が何ミリなのか分からないし、メダカの針子に使いたいのか、金魚や熱帯魚の成魚に使いたいのかで答えが変わってきます。
おとひめのサイズは、記号の順番と粒径のmm表記さえ突き合わせられれば、実はそんなに難しくありません。ただ、ひとつだけ知っておいてほしい落とし穴があります。隣り合う番手は粒の大きさが重なっていて、記号の順に一直線で大きくなるわけではないんですよ。ここを知らないまま「ひとつ上げたのに変わらない」「Sにしたら急に食べなくなった」と悩む人が多いんです。
この記事では、おとひめ全番手の粒径を一覧にして、魚の口の大きさから逆算する選び方、切り替えるタイミング、そして小分けで買えるサイズの流通事情まで、順を追って整理していきます。読み終えるころには、あなたの水槽や容器にいる魚に対して、どの番手を最初に買えばいいかがはっきりしているはずですよ。
- おとひめ全番手の粒径をmm単位で把握できる
- 隣り合う番手でサイズが重なる理由と読み方が分かる
- 魚の大きさから適した番手を逆算できるようになる
- 番手を切り替える時期と失敗したときの症状が分かる
おとひめのサイズは粒径から選べます
おとひめのサイズ選びでつまずく原因は、A・B-1・B-2……という記号そのものにあります。記号は粒の大きさを直接には教えてくれないからです。結論から言うと、番手は記号ではなく粒径のミリ数で選びます。
魚が無理なく食べられる粒は口の幅の3分の1から4分の1くらいが目安で、その口幅は体長のおおよそ10分の1前後に収まることが多いんですね。つまり体長さえ分かれば、必要な粒径はおおよそ計算で出せます。逆に記号だけを見ていると、B-2の上限0.65mmとC-1の下限0.58mmが重なっていることにも気づけません。同じ「ひとつ上の番手」でも、実際には粒がほとんど変わらない組み合わせがあるということです。
この章では、AからS-2までの顆粒帯とその先のEP帯がそれぞれ何ミリなのかを表で並べたうえで、粒径が範囲で書かれる番手とひとつの数値で書かれる番手がある理由、隣り合う番手の帯が重なる仕組み、体長から番手を逆算する手順、最初の1袋に選ぶなら何が無難か、そして2kg袋が基本という荷姿をどう扱うかまでを順に整理していきます。
おとひめのサイズ記号と粒の大きさ
おとひめは日清丸紅飼料が製造している養魚用の配合飼料で、もともとは孵化場や養殖現場で使われている業務用の餌です。サイズは記号で管理されていて、小さいほうから順にA、B-1、B-2、C-1、C-2、S-1、S-2と並び、その先はEP0からEP10までのペレット帯が続きます。
メーカーの製品規格に沿った粒径の目安をまとめると、次のようになります。
| 番手 | 粒径の目安(mm) | 形態 | メーカー荷姿 |
|---|---|---|---|
| A | 0.25以下 | 顆粒 | 1kg |
| B-1 | 0.36以下 | 顆粒 | 2kg |
| B-2 | 0.36〜0.65 | 顆粒 | 2kg |
| C-1 | 0.58〜0.91 | 顆粒 | 2kg |
| C-2 | 0.91〜1.41 | 顆粒 | 2kg |
| S-1 | 0.61〜1.41 | 顆粒 | 2kg |
| S-2 | 0.92〜1.80 | 顆粒 | 2kg |
| EP0 | 1.3 | ペレット | 10kg |
| EP1 | 1.7 | ペレット | 10kg |
| EP2 | 2.3 | ペレット | 20kg |
| EP3 | 3.1 | ペレット | 20kg |
| EP4以降 | 4.1〜10.0 | ペレット | 20kg |
こうして数字で並べてみると、家庭のアクアリウムで実際に出番があるのはAからS-2までの顆粒帯、つまり0.25mmから1.8mmくらいまでだと分かりますよね。EP帯は錦鯉や大型魚を池で飼っているような規模の話になってきます。
ひとつ注意しておきたいのが、販売店の商品ページに書かれている粒径が、メーカー規格とわずかに違う場合があること。たとえばB-2を0.36〜0.62mmと書いている販売ページもあります。どちらも実用上は同じ帯を指していますが、あくまで目安の数値として受け取ってください。正確な情報は公式サイトをご確認ください。(出典:日清丸紅飼料 水産飼料 製品紹介)
記号の並びと表記のゆれ
アルファベットが後ろになるほど、そして同じアルファベットなら数字が大きいほど粒も大きくなる。まずはこの原則だけ頭に入れておけば大丈夫です。AがいちばんこまかくてB、C、Sと進み、そこから先は形が変わってEPになる、という並びですね。
もうひとつ、通販サイトを見ていると表記が揺れていることに気づくと思います。おとひめB-2と書く店もあれば、ハイフンを省いておとひめB2としている店もありますし、番手のうしろに容量だけを添えている場合もあります。これらは同じものを指しているので、ハイフンの有無で迷う必要はありませんよ。逆に気をつけたいのは、番手の後ろに別の単語がついている商品です。同じB-2でも用途別に調整された製品ラインが存在するので、そこは後ほど改めて触れますね。
顆粒タイプとEPタイプの違い
表をもう一度見てもらうと、粒径の書き方が2種類あることに気づくと思います。AからS-2までは「0.36〜0.65」のように範囲で書かれているのに対して、EP0以降は「1.3」「1.7」のようにひとつの数値で書かれていますよね。これは製品の作り方が違うからなんです。
顆粒タイプは粒の大きさをふるいの目で区切って番手にしているので、同じ番手の中にも下限に近い粒から上限に近い粒までが残ります。だから粒径が範囲で表記されるわけですね。いっぽうEPはエクストルーデッドペレットの略で、押し出して成形するタイプ。ひと粒ひと粒の大きさがほぼ揃うので、単一の数値で書けるというわけです。
この違いは選ぶときにも効いてきます。顆粒帯を買うと、袋の中には表記より少し小さい粒も少し大きい粒も混ざっています。小さめの個体と大きめの個体が同居している容器では、これがむしろ都合よく働くこともあるんですよ。逆に、サイズを厳密に揃えたいならEP帯ということになりますが、荷姿が10kgや20kgなので家庭で使い切るのは現実的ではありません。
水の中での動きにも差が出ます。おとひめはどの番手も沈むタイプの餌ですが、細かい粒ほどゆっくり落ちていき、水面や中層にしばらく留まります。粒が大きくなるほど落ちる速さは増して、EP帯になるとかなりはっきり沈んでいく。どの層で食べる魚なのかによって、この違いが食べ残しの量を左右します。
保形性、つまり水に入れてから粒の形がどれだけ保たれるかという点も、選ぶうえでは無視できません。おとひめが養殖現場で長く使われてきたのは、高い嗜好性と、飼育水を汚しにくい飼料形態を両立させているからなんですね。ただしこれは粒として造粒された状態での話。細かい番手ほど、水に入れた瞬間から散る量は増えていきます。
隣り合う番手で粒径が重なる理由

ここが、おとひめのサイズ選びでいちばん誤解されやすいところです。番手は記号の順に大きくなる、と思って選ぶと、実際の粒を見て「あれ?」となることがあります。
もう一度、粒径の数字を並べてみましょう。B-2は0.36〜0.65mm、C-1は0.58〜0.91mm。この2つは0.58から0.65の帯が重なっていますよね。さらに顕著なのがC-2とS-1で、C-2が0.91〜1.41mm、S-1が0.61〜1.41mm。S-1は上限こそC-2と同じですが、下限は0.61mmとC-2よりずっと小さいんです。
つまりS-1は、粒径の幅がとても広い番手だということ。記号だけ見て「CよりSのほうが大きいはず」と考えてC-2からS-1へ切り替えると、袋の中には今まで食べていたより小さい粒もそれなりに混ざっている、という状態になります。逆にS-2まで上げると0.92〜1.80mmで、下限がC-2とほぼ同じところから始まって上限だけが伸びる形です。
この重なりを知っていると、「番手をひとつ上げたのに食いつきが変わらない」という体感の理由も納得できますよね。B-2からC-1へ上げても、重なっている帯の粒は今までと同じ大きさなんですから。番手はきれいな階段ではなく、少しずつずらして重ねた帯だと考えておくと、選び方を外しにくくなりますよ。
この重なりは、粒径が範囲で表記されていること自体が示しています。ふるいの目で区切って番手にしている以上、同じ袋の中には下限に近い粒から上限に近い粒までが混ざっているわけですね。袋を開けて白い紙の上に少し出してみると、粒の大小がばらついているのが肉眼でも分かりますよ。
この性質は、使い方しだいで味方になります。ばらつきがあるということは、その番手ひとつで少し広めのサイズ帯をカバーできるということ。同じ容器に体格差のある個体がいるときは、単一サイズのペレットより顆粒のほうが行き渡りやすいんです。「番手を上げるかどうか」で悩む前に、いま使っている袋の中の大きい粒を食べられているかを見る。これだけでも判断の材料になりますよ。
魚の口の大きさから逆算する目安

では実際に、自分の魚にはどの番手が合うのか。ここは体長から逆算するのがいちばん分かりやすいです。一般に、魚が無理なく食べられる粒の大きさは口の幅の3分の1から4分の1くらいが目安とされていて、口幅は体長のおおよそ10分の1前後に収まることが多いんですね。この関係を使って番手に落とすと、次のような対応になります。
| 成長段階の目安 | 体長の目安 | 候補の番手 | ひとこと |
|---|---|---|---|
| 孵化直後の針子 | 4〜7mm前後 | A / B-1 | 粒径0.36mm以下。生き餌との併用が現実的 |
| 稚魚 | 1cm前後 | B-1 / B-2 | ここからおとひめ単体でも回しやすくなる |
| 若魚 | 1.5〜2cm | B-2 | 幅広く使える帯。最初の1袋に向く |
| 小型魚の成魚 | 2.5〜3.5cm | B-2 / C-1 | 食いつきを見ながら上げ下げする |
| やや大きめの魚 | 4〜6cm | C-1 / C-2 | 金魚の当歳魚などが入る帯 |
| 中型魚 | 7cm以上 | C-2 / S-1 / S-2 | 粒径の幅が広い番手になる |
ただしこれはあくまで目安です。同じ体長でも口が大きい種類とそうでない種類がいますし、同じ容器の中でも個体差はかなりあります。表を出発点にして、実際に与えたときの食いつきで微調整していくのが確実ですよ。
魚の口の大きさを実際に確かめる
数字の目安を出しておいてなんですが、いちばん確実なのは実際に見ることです。難しい方法は要りません。給餌のときに、いま使っている粒を数粒だけ落として、魚がどう扱うかを観察するだけでいいんですよ。
見るポイントは3つあります。ひとつ目は、粒に向かってまっすぐ寄ってくるかどうか。ふたつ目は、口に入れたあとそのまま飲み込めているかどうか。三つ目は、いったん咥えて吐き出す動きが繰り返されていないか。この3つが問題なければ、いまの番手は口に合っています。
体長を測るのが難しい魚でも、この観察なら数十秒で済みます。体長何センチという数字は群れ全体を平均した話でしかありませんが、目の前の1匹が食べられているかどうかは事実そのものですからね。表はあくまで買う前の当たりをつけるための道具、実際の判断は魚の動きで、という使い分けがおすすめです。
針子や生まれて間もない稚魚に合わせるなら、粒径0.36mm以下のB-1が入口になります。100gの小分けなら少量から試せますよ。価格や在庫は変わることがあるので、購入前に各ショップでご確認くださいね。
迷ったときに最初に選ぶ番手
ここまで読んでも決めきれない、という場合の答えを先に書いておきますね。
最初の1袋に迷ったらB-2が無難です。粒径0.36〜0.65mmという帯は、稚魚から小型魚の成魚までをかなり広くカバーします。メダカや小型の熱帯魚を飼っているなら、この番手だけで長く回せることも珍しくありません。まず100gや200gの小分けを1つ買って、食いつきを見てから量の多い袋に進む。この順番なら、合わなかったときの損失も小さく済みますよ。
針子の段階から使いたいのであれば、B-1やAという選択になります。ただ、この帯は粒が細かすぎて水に散りやすいので、おとひめ単体で育てきろうとせず、ゾウリムシなどの生き餌と組み合わせるほうが結果は安定しやすいですね。針子の餌まわりの考え方はメダカ針子の育て方で押さえる餌と水換えの基本でも整理していますので、あわせて見てみてください。
反対に、金魚の当歳魚や少し大きめの熱帯魚が主役なら、C-1あたりから入るほうが手数が少なくて済みます。おとひめという餌そのものの性質や保存方法についてはおとひめの成分と保存方法・与える量の考え方にまとめてありますので、初めて使うならそちらも目を通しておくと安心ですよ。
最初にどれくらいの量を買えばいいか、という点も迷いますよね。目安として、メダカを20匹前後飼っている容器なら、100gでもかなり長くもちます。1日に与える量はごく少量ですから、数か月では使い切れないことのほうが多いくらい。ここで2kgの大袋を選んでしまうと、使い切る前に鮮度のほうが心配になってきます。
番手が自分の魚に合っているかどうかは、正直なところ与えてみないと確定しません。だからこそ最初は小さい袋で試して、合うと分かってから量を増やす。この順番にしておけば、番手を読み違えたときの痛手が小さくて済みますよ。
買えるサイズと小分けの流通事情

おとひめのサイズ選びには、もうひとつ現実的な制約があります。メーカーの荷姿が家庭向けではないんです。顆粒帯は2kg袋(Aだけ1kg)、EP帯にいたっては10kgや20kg。メダカを数十匹飼っている程度の量では、2kgでも数年かかってしまいます。
そこで実際に多くの人が買っているのが、アクアリウムショップやメダカ専門店がリパックした小分け品です。100gや200g、500gといった単位でチャック付きの袋に詰め直されたものが通販でも広く流通しています。
小分けは割高に見えますが、鮮度の面では有利なことも多いです。開封した瞬間から酸化は進むので、2kgを1年以上かけて使うより、200gを2〜3か月で使い切るほうが結果的に良い状態の餌を与えられます。購入するときは、リパックした日付や賞味期限の表示があるお店を選ぶと安心ですね。
ここで知っておきたいのが、小分けで手に入りやすい番手は限られているということ。流通量が多いのはB-1、B-2、C-1あたりで、S-1やS-2は取り扱いが減り、EP帯はさらに探しにくくなります。「粒径表を見てS-1が理想的だと分かったのに、少量では売っていない」という状況は普通に起こるんですよ。
ですので、番手を決めるときは粒径だけでなく「その番手が現実的に買えるか」もセットで考えておくといいですね。手に入りにくい番手が理想なら、その前後で小分けが出ている番手を選び、与え方でカバーするという判断もありです。
最初の1袋に迷っているなら、まずはB-2の小分けから始めてみてください。稚魚から小型魚の成魚まで広くカバーできる帯なので、合わなかったときの痛手も小さく済みます。価格や在庫は変動しますので、購入前に各ショップでご確認ください。
小分けを選ぶときに見ておきたいところ
小分け品は出品者によって扱いに差があります。届いたものが良い状態かどうかは開けてみるまで分かりませんが、購入前に確認できることもいくつかありますよ。
- 番手がはっきり明記されているか(「おとひめ」だけの表記は避ける)
- リパックした日付や賞味期限の記載があるか
- チャック付きなど、開封後に密閉できる袋か
- 粒径のmm表記が商品ページにあるか
とくに1つ目は大事です。番手が書かれていない「おとひめ」だけの商品は、届いてから粒の大きさが想定と違うことに気づく、ということが起こり得ます。この記事の粒径表と照らし合わせられるよう、番手まで書いてある商品を選んでくださいね。
届いたあとの扱いも、実は番手選びと同じくらい効いてきます。細かい番手ほど湿気を吸いやすいので、袋のまま常温に置きっぱなしにせず、密閉して冷暗所へ。使う分だけ小さな容器に移しておくと、袋を開け閉めする回数が減って状態を保ちやすくなりますよ。
おとひめのサイズを切り替えるときの注意点
番手が決まっても、魚は育つので今の粒はいつか合わなくなります。切り替えの目安は、その番手を使い始めたときから体長が1.5倍前後になったあたりです。
時期を見誤ると水質にそのまま跳ね返ります。おとひめは粗タンパク質50%前後という高タンパクの飼料なので、食べ残しが分解されるときのアンモニア負荷も一般的なフードより大きいからです。粒が大きすぎて吐き出された分も、細かすぎて水に散った分も、同じように水を汚すことになります。だから大小が混ざった容器では、大きい個体ではなく小さいほうに合わせた番手を選ぶか、2つの番手を混ぜて与えるほうが群れ全体としてはうまくいきます。
この章では、サイズを上げる時期の見分け方、粒が大きすぎるときに実際に起きること、逆に細かい番手を使い続けたときの弊害、そしてメダカ・金魚・熱帯魚それぞれで現実的に使う帯がどこまでなのかを見ていきます。失敗のサインを先に知っておくと、水を汚す前に気づけますよ。
サイズを上げる時期の見分け方
切り替えの合図は、体長そのものよりも食べ方に出ます。今の番手を問題なく食べていて、なおかつ与えた直後にあっという間に食べ尽くしてしまう。物足りなさそうに水面や底を探し続けている。こういう様子が続くようなら、ひとつ上の番手を検討する時期です。
数字での目安をあえて言うなら、その番手を使い始めたときから体長が1.5倍前後になったあたり。ただ前の項で見たとおり、隣り合う番手は粒径が重なっているので、上げてもすぐには変化を感じないことがあります。焦らなくて大丈夫ですよ。
逆に、上げるのを急がなくていいサインもあります。いまの番手をきれいに食べきっていて、糞の状態も普通で、成長も止まっていない。この状態なら、体長が伸びていても慌てて切り替える必要はありません。番手は「食べられなくなったら上げる」のではなく「食べにくそうになったら上げる」くらいの感覚がちょうどいいと思います。
季節も少し関係します。水温が下がって食欲が落ちている時期に番手を変えると、食べない原因が水温なのか粒の大きさなのか切り分けられなくなるんですね。切り替えるなら、魚がよく食べている時期を選ぶほうが判断しやすいですよ。
番手を上げるときは、いきなり全部を新しい粒に替えないほうが安全です。数日間は今までの番手を主にしながら、新しい番手を少しだけ混ぜる。食いつきと糞の状態を見て問題がなさそうなら、比率を入れ替えていく。急な変更は消化不良のきっかけになることがあるので、この移行期間を取っておくと安心です。混ぜて与えている間は、小さい個体は前の粒を、大きい個体は新しい粒を選んで食べてくれるので、サイズ差のある群れでは特に有効ですよ。
粒が大きすぎるときに起きること

番手を上げすぎたときのサインは、比較的はっきり出ます。もっとも分かりやすいのは、粒を追いかけて口に入れたのに、すぐ吐き出してしまう動きですね。何度か試して諦め、そのまま粒が沈んでいく。この状態が続いているなら、粒が口に対して大きすぎます。
食べられなかった粒は、そのまま底に残って水を汚します。おとひめは粗タンパク質50%前後という高タンパクの飼料なので、残餌が分解されるときのアンモニア負荷も相応に大きくなります。食べ残しが目に見えて増えたら、量を減らすより先に番手を戻すことを考えてください。とくに立ち上げ直後の水槽や、小さな容器で飼っている場合は影響が出るのが早いので注意が必要です。
もうひとつ気をつけたいのが、群れの中で成長差が開いてしまうこと。粒が大きめだと、口の大きい個体だけが食べられて、小さい個体には回りません。この状態が続くと差はどんどん広がります。同じ容器に大小が混ざっているときは、大きい個体に合わせるのではなく、小さいほうに合わせた番手を選ぶか、2つの番手を混ぜて与えるほうが群れ全体としてはうまくいきますよ。
食べ残しを見つけるコツ
「食べ残しが増えたら番手を戻す」と言われても、底が見えにくい容器だと気づきにくいですよね。とくに屋外の黒い容器では、沈んだ粒はほぼ見えません。
そこでおすすめなのが、給餌から数分後にスポイトで底を少しだけ吸ってみる方法です。吸った水を白い容器に出せば、残っている粒があるかどうかがひと目で分かります。毎回やる必要はありませんが、番手を変えた直後の数日だけでも確認しておくと、判断がぐっと確実になりますよ。
水の変化から気づくこともあります。番手を上げてから水がにごりやすくなった、油膜が出るようになった、という場合は、食べきれていない粒が底で分解されているサインかもしれません。粒が大きいほど1粒あたりの負荷も大きいので、変化は思ったより早く出ますよ。
細かい番手を使い続ける弊害
では逆に、小さい番手をずっと使い続けるのはどうでしょうか。「食べられないよりはいい」と考えて針子用のまま通す人もいますが、これにも無視できないデメリットがあります。
まず、粒が細かいほど水に散りやすくなります。給餌したときに水面や水中に広がってしまい、魚が口にする前に流れていく分が増えるんですね。結果として、同じ量を食べさせるのに多めに投入することになり、その余分が水を汚します。魚は満腹にならないのに水だけ悪くなる、というのがいちばんもったいないパターンです。
次に、鮮度の問題があります。粒が細かいということは、同じ重さでも表面積が大きいということ。空気に触れる面が広いぶん、油脂の酸化は早く進みます。おとひめはDHAやリン脂質を含むのが特徴の飼料なので、この点はそれなりに効いてきますよ。細かい番手ほど、少量ずつ買って早めに使い切る意識を持っておきたいところです。
そして単純に、大きくなった魚にとっては1粒あたりの満足度が低い。必要な量を確保しようとすると給餌回数か投入量が増えて、また水の汚れにつながります。魚が食べられるサイズになったら、素直に番手を上げていくほうが水も管理しやすくなります。
B-2では物足りなくなってきたと感じたら、次はC-1です。チャック付きの小分けなら、開封後の保存もそのまま済ませられますよ。粒径の表記は販売店によって少し違うことがあるので、購入前に各ショップでご確認くださいね。
とはいえ、針子や稚魚の時期はどうしても細かい番手を使うことになります。その期間を上手に乗り切るための工夫も書いておきますね。ひとつは、飼育水を少しだけスポイトに取って、そこで粒を軽くなじませてから落とす方法。乾いた粉のまま撒くより広がりにくく、狙った場所へ届けやすくなります。
もうひとつは、1回の量を減らして回数を増やすこと。細かい番手ほど短時間で水に散っていくので、1度にたくさん入れても食べきれる量には限りがあります。少量を複数回に分けたほうが、同じ量でも実際に口に入る割合は上がりますよ。手間はかかりますが、この時期だけの話だと思えば続けられるはずです。
魚種ごとに向くおとひめのサイズ
最後に、代表的な魚種ごとの傾向を簡単に触れておきますね。細かい与え方はそれぞれ別に整理しているので、ここでは番手の当たりをつける材料として読んでください。
メダカは口が小さく、成魚でもB-2で足りることがほとんどです。針子から育てるならB-1やAを併用し、成長に合わせてB-2へ。成魚の親魚でもC-1まで上げるかどうか、という感覚ですね。屋外容器か室内かでも食べ残しの見え方が変わるので、番手と一緒に与える量も調整していくことになります。詳しくはおとひめをメダカに使うときの番手と与え方にまとめました。稚魚の時期にどの餌を組み合わせるかはメダカ稚魚の餌の選び方と与え方も参考になりますよ。
金魚は成長が早く、口も大きくなります。稚魚のうちはB帯でも、当歳魚まで育てばC-1やC-2が現実的な帯になってきます。ただし金魚は消化器が弱い面があるので、高タンパクの餌を主食として与え続けるかどうかは慎重に判断したいところです。この判断のしかたはおとひめを金魚に使うときの量と使い分けにまとめてあります。
熱帯魚は種類の幅が広いので一概には言えませんが、グッピーやテトラのような小型種であればB-2を中心に考えて問題ありません。注意したいのは、おとひめが沈降性の餌だということ。水面近くを泳ぐ魚では、沈む前に食べきれる量ずつ与えるといった工夫が必要になります。口の向きと泳ぐ層で向き不向きが分かれる話は、おとひめを熱帯魚に使うときの番手と与え方で詳しく整理しました。
底のほうで暮らすコリドラスやローチのような魚とは、沈降性という性質の相性が良いですね。ただしこうした魚は他の魚より食べるのがゆっくりなので、上層の魚に横取りされないよう、落とす場所や与える順番を考えてあげると行き渡りやすくなります。粒の大きさは体格に合わせて、C-1あたりから試してみるといいと思いますよ。
どの魚種にも共通して言えるのは、おとひめが高タンパクの飼料だということです。成長を後押ししてくれる反面、与えすぎれば水の負荷も相応に大きくなります。番手を合わせることと、量を合わせることは別の話。粒の大きさが正しくても、量が多ければ水は汚れますからね。そこはセットで考えてあげてください。
ちなみに「乙姫」で検索すると、改良メダカの品種である乙姫メダカも一緒に出てきます。餌のおとひめとはまったく別のものなので、混同しないようにしてくださいね。品種のほうに興味がある方は乙姫メダカの特徴と選別のポイントをどうぞ。
おとひめのサイズについてよくある質問
おとひめでいちばん小さいサイズはどれですか
顆粒帯ではAが最小で、粒径は0.25mm以下とされています。ただ、家庭のアクアリウムでAから始める人はそれほど多くありません。荷姿が1kgと量が多いうえに小分けの流通も限られていて、しかもここまで細かいと水に散りやすく、単体で育てきるのが難しいからです。針子の時期はB-1と生き餌の組み合わせで乗り切り、B-2へ移行していく形が現実的だと思いますよ。
ヒラメと書かれたおとひめは同じサイズですか
粒径の区分は同じですが、製品としては別のラインです。おとひめにはB-1やC-1といった一般向けの顆粒とは別に、ヒラメの種苗生産向けに調整された同名番手が存在します。粒の大きさの帯は共通でも、設計されている対象魚が違うということですね。通販で買うときは番手だけでなく製品名の表記まで確認しておくと間違いがありません。判断に迷う場合は販売店やメーカーに問い合わせるのが確実です。
違うサイズのおとひめを混ぜて与えてもいいですか
問題ありませんし、むしろ有効な場面があります。同じ容器に大小の個体が混ざっているとき、1つの番手だけだとどちらかに合わなくなりますよね。B-2とC-1のように隣り合う番手を混ぜておけば、それぞれの個体が食べられる粒を選んでくれます。番手を切り替える移行期間にも同じやり方が使えますよ。ただし混ぜた分だけ量が読みにくくなるので、食べ残しの量はいつもより丁寧に見てあげてください。
粒を砕いてサイズを小さくするのはありですか
手元にある番手が大きすぎるとき、つい考えてしまう方法ですが、あまりおすすめできません。おとひめは粒として造粒された状態で水中の形が保たれるように作られているので、砕くとその性質が失われ、水に散って汚しやすくなります。砕いた粉は湿気も吸いやすく、保存性の面でも不利です。ひとつ下の番手を小分けで買い直すほうが、結果的に水も魚も安定しますよ。
おとひめのサイズ選びのまとめ
おとひめのサイズは、A、B-1、B-2、C-1、C-2、S-1、S-2という顆粒帯と、その先のEP帯に分かれています。家庭のアクアリウムで出番があるのはほぼ顆粒帯で、粒径にすると0.25mmから1.8mmくらいまでの範囲。この中から、魚の口の大きさに合わせて選んでいくことになります。
覚えておきたいのは、番手はきれいな階段ではなく、少しずつずらして重ねた帯だということ。B-2とC-1は0.58〜0.65mmが重なりますし、S-1にいたっては0.61〜1.41mmとC-2の下限より小さいところから始まります。記号の順番だけで大小を判断すると、思ったとおりにならないことがあるんですね。
最初の1袋に迷ったら、B-2から始めるのが無難です。稚魚から小型魚の成魚までを広くカバーできますし、小分けの流通も豊富なので試しやすい。そこから食いつきと食べ残しを見て、上げるか下げるかを判断していけば大きく外すことはありません。切り替えるときは数日かけて混ぜながら移行する。これだけ押さえておけば、番手選びで悩む時間はぐっと減るはずですよ。
なお、粒径や成分といった製品仕様は改定されることがあります。購入前には正確な情報を公式サイトでご確認ください。また、魚の状態に不安があるときや、病気の治療中で餌の選択に迷うときは、最終的な判断は専門家にご相談ください。あなたの水槽の魚に合った番手が見つかることを願っています。

