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おとひめは金魚に使える?番手の選び方と与える量・低タンパク餌との使い分け

ⓘ 広告 金魚
金魚とおとひめという高タンパクの餌との付き合い方をまとめた表紙スライド

金魚におとひめを使ってもいい?高タンパクの餌との付き合い方をまとめました

THE AQUA LAB 所長(イラスト)

こんにちは。THE AQUA LAB、運営者の所長です。

メダカの飼育でよく名前が挙がるおとひめですが、金魚にも使えるのかな、と気になって調べに来た方が多いのではないでしょうか。養殖現場の飼料だから成長が早いらしい、でも高タンパクだから金魚には強すぎるのでは、そんな相反する話を見かけて迷っている。私も同じところで手が止まりました。

結論から言うと、金魚におとひめを与えること自体は問題ありません。実際に当歳魚を育てる場面ではよく使われています。ただし、通年ずっと主食にする餌かというと、そこは考え方が分かれるところなんですよ。金魚は胃を持たない魚で、粒の大きさだけでなくタンパク質の量とも付き合っていく必要があります。

この記事では、おとひめが金魚に向いている理由と向かない場面、番手の選び方、与える量と回数、水温が下がる時期の扱い、そして低タンパクの金魚用フードとの使い分けまでを順に整理していきます。読み終わるころには、あなたの水槽や池にいる金魚に対して、おとひめをどう位置づければいいかがはっきりしているはずですよ。

  • おとひめが金魚に向いている理由と限界が分かる
  • 金魚の大きさに合う番手を選べるようになる
  • 与えすぎたときに出るサインを見分けられる
  • 季節と成長段階で使い分ける考え方が身につく
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金魚におとひめを与えるときの基本

おとひめはもともと養殖用の飼料なので、金魚に使っていいのか迷う方は多いと思います。結論としては使えますが、向いているのは成長期であって、通年の主食としてではありません。

理由は成分にあります。おとひめの粗タンパク質はおよそ50%前後で、一般的な金魚用フードの30〜40%程度と比べるとはっきり高い設計です。金魚は胃を持たない魚なので、消化しきれない高タンパクは腸への負担になりやすいと言われています。一方で沈下性という性質は、水面で餌を追うのが苦手な丸もの品種とは相性がいい。長所と短所がはっきり分かれる餌なんですね。

この章では、金魚に向いている理由を整理したうえで、粗タンパク50%前後という数字が実際に何を意味するのか、体長ごとの番手の目安、沈下性が丸もの品種に向く仕組み、数分で食べきれる量という量と回数の決め方、そして金魚用フードとの使い分け方までを順に見ていきます。

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おとひめが金魚に向いている理由

おとひめは日清丸紅飼料が作っている養魚用の配合飼料で、もともとは海産の仔稚魚を育てるために開発されたものです。それが金魚や錦鯉の世界にも広がったのは、成長を後押しする力が評価されたからなんですね。

金魚にとってありがたいのは、消化吸収がよく設計されていること。同じ量の栄養を摂るのに必要な餌の量が少なく済むので、結果として糞の量が抑えられます。水を汚しにくいというのは、水量の限られた水槽で金魚を飼うときにはかなり大きな利点ですよ。

粒のかたちも味方になります。おとひめは造粒された状態で水中の形が保たれるように作られているので、細かく散って水を濁らせにくい。金魚は口に入れたものを吐き出したり、砂利ごと吸い込んで吹き出したりする食べ方をするので、粒がすぐ崩れる餌より扱いやすい場面が多いんです。

そしてもうひとつ、価格の面。養殖用の飼料なので、観賞魚用フードと比べると1gあたりの単価は抑えめです。金魚は大きくなると餌の量も増えるので、ここを気にする方にとっては選ぶ理由になりますね。おとひめという餌そのものの成分や保存についてはおとひめの成分と保存方法・与える量の考え方にまとめてありますので、初めて使うなら先にそちらを見ておくと安心ですよ。

観賞魚用フードと比べたときの立ち位置

誤解されやすいのですが、おとひめは金魚のために設計された餌ではありません。海産の仔稚魚を短期間で育てるための飼料が、結果として金魚にも効いた、という順番なんですね。ここを押さえておくと、後で出てくる「通年で主食にするか」という話がすっと入ってくると思います。

観賞魚用フードは、飼育者が長い期間かけて魚を維持することを前提に組み立てられています。色を出す、体型を保つ、消化に配慮する。目的が分散しているぶん、成長速度そのものはおとひめほど押しません。どちらが優れているという話ではなく、置かれている目的が違うということですね。

だから選ぶときの問いは「どっちがいい餌か」ではなく「いま自分は金魚に何をさせたいか」になります。育てたいのか、維持したいのか。この問いに答えが出れば、おとひめを使う場面も自然に決まってきますよ。

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粗タンパク50%前後という数字の意味

粗タンパク質・もともとの用途・浮き沈み・向いている場面をおとひめと一般的な金魚用フードで並べた比較表のスライド
おとひめと一般的な金魚用フードの違い

ここが、金魚に使うときにいちばん考えたいところです。おとひめの粗タンパク質はおよそ50%前後。この数字を、一般的な観賞魚用フードと並べてみましょう。

項目 おとひめ(顆粒) 一般的な金魚用フード
粗タンパク質の目安 50%前後 30〜40%程度が中心
もともとの用途 養殖の種苗生産 観賞魚の通年飼育
浮き沈み 沈降性 浮上性と沈下性の両方がある
粒の展開 0.25mm以下〜10mmまで細かく分かれる 数種類のサイズ展開が中心
向いている場面 成長を押したい時期 体型を維持したい通年の管理

タンパク質は金魚の成長に欠かせない栄養で、特に体をつくっている時期には必要です。ただ、粗タンパクが40%を超える餌は消化のときに腸への負担が大きくなるとも言われています。おとひめはその線をはっきり越えているので、「よく効く餌」であると同時に「効きすぎることもある餌」だと考えておくといいですね。

ここで金魚特有の事情がひとつ。金魚はコイの仲間で、胃を持たない無胃魚です。食べたものを胃で溜めて少しずつ送り出すという仕組みがなく、満腹を感じる働きも弱いとされています。つまり、目の前に餌があれば食べられるだけ食べてしまうんですよ。高タンパクの餌をこの食べ方で与え続けると、消化が追いつかない状況が起きやすくなります。

この「胃がない」という事実は、金魚を飼ううえでかなり効いてきます。胃がある魚なら、食べたものをいったん溜めて、消化のペースに合わせて腸へ送り出せます。金魚にはその緩衝がないので、口から入ったものは順に腸へ流れていくしかありません。だから一度に大量に入ると、処理しきれないまま先へ送られてしまうんですね。

それでも金魚がよく食べるのは、餌が乏しい環境で生き延びてきた魚だからだと考えられています。あるときに食べておく、という行動そのものは理にかなっている。ただ、水槽や池のように餌が安定して出てくる環境では、その性質がそのまま過食につながります。よく食べることは「足りていない証拠」ではなく、金魚のもともとの性質だと思っておいてください。

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金魚の大きさに合わせる番手の目安

稚魚から二歳以上までの体長の目安に、おとひめの番手と粒径を対応させた早見表のスライド
金魚の成長段階と番手の対応

次は粒の大きさです。おとひめは記号で番手が分かれていて、小さいほうからA、B-1、B-2、C-1、C-2、S-1、S-2と並び、その先はEP0からEP10までのペレット帯になります。メーカーの規格に沿った粒径と、金魚の成長段階を並べると次のようになります。

金魚の状態 体長の目安 候補の番手 粒径の目安(mm)
孵化して間もない稚魚 5mm〜1cm A / B-1 0.25以下 / 0.36以下
稚魚から若魚へ 1.5〜3cm B-2 0.36〜0.65
当歳魚 4〜7cm C-1 / C-2 0.58〜0.91 / 0.91〜1.41
二歳以上・大きめの個体 8cm以上 S-1 / S-2 / EP帯 0.61〜1.80 / 1.3以上

おおまかには、魚が無理なく食べられる粒の大きさは口の幅の3分の1から4分の1くらいが目安とされ、口幅は体長のおおよそ10分の1前後に収まることが多いんですね。表はその関係から起こした目安なので、実際には食いつきを見て前後させてください。正確な情報は公式サイトをご確認ください。(出典:日清丸紅飼料 水産飼料 製品紹介

ひとつ知っておいてほしいのが、隣り合う番手は粒径が重なっているということ。B-2の上限0.65mmとC-1の下限0.58mmは重なりますし、C-2とS-1にいたっては帯がかなり被ります。記号の順に一直線で大きくなるわけではないので、ひとつ上げたのに変わらないと感じても不思議ではありませんよ。全番手の粒径をmm単位で並べた一覧はおとひめのサイズと番手の選び方にあります。

番手を上げるタイミングの見分け方

切り替えの合図は、体長そのものよりも食べ方に出ます。いまの番手を問題なく食べていて、なおかつ与えた直後にあっという間に食べ尽くしてしまう。物足りなさそうに底を探し続けている。こういう様子が続くようなら、ひとつ上を検討する時期です。

逆に、いまの番手をきれいに食べきっていて糞の状態も普通なら、体長が伸びていても急ぐ必要はありません。番手は「食べられなくなったら上げる」のではなく「食べにくそうになったら上げる」くらいの感覚でちょうどいいと思いますよ。

切り替えるときは、数日かけて混ぜながら移していってください。金魚は複数の個体を一緒に飼うことが多いので、大小の差があるなら2つの番手を混ぜたまま与え続けるという選択もあります。小さい個体は細かい粒を、大きい個体は大きい粒を選んで食べてくれますよ。

当歳魚まで育ってきたら、粒径0.58〜0.91mmのC-1が扱いやすい帯です。チャック付きの小分けなら、開封後の保存もそのまま済ませられますよ。価格や在庫は変わることがあるので、購入前に各ショップでご確認くださいね。

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沈下性が丸もの品種に向く理由

おとひめは沈降性、つまり沈んでいくタイプの餌です。この性質、金魚にとっては地味に大事なんですよ。

浮上性の餌を水面で食べる金魚は、粒と一緒に空気を飲み込みます。飲み込んだ空気は消化管に溜まり、体のバランスを崩す一因になると考えられています。とくにらんちゅうやピンポンパールのような丸い体型の品種は、もともと浮き沈みの調整が得意ではないので、この影響を受けやすいんですね。

◆所長のワンポイントアドバイス

沈む餌なら空気を飲みにくい、というのは確かにそのとおりです。ただ、沈下性にすれば転覆しなくなるという話ではありません。転覆の背景には消化不良や便秘、水温の急変など複数の要素があるので、餌の浮き沈みはそのうちのひとつでしかない、という理解でいてくださいね。丸もの品種を飼っているなら、沈下性を選んだうえで、量と水温にも目を配るのがおすすめです。

もうひとつ、沈下性ならではの注意もあります。沈んだ粒は底の砂利のすき間に入り込むと、金魚が食べきれずに残ることがあるんですね。底床が厚い水槽では、食べ残しが見えないまま溜まっていく可能性があります。給餌の場所を決めておくとか、量を控えめにするといった工夫があると安心ですよ。

対策としてよく使われるのが、給餌の位置を固定してしまう方法です。いつも同じ場所へ落とすようにしておくと、金魚もそこへ集まるようになり、粒が広い範囲に散らばりません。食べ残しが出たときも、その一角をスポイトで吸えば回収できます。

ベアタンク、つまり底床を敷かない水槽で金魚を飼っている方なら、この問題はほぼ起きません。沈んだ粒がそのまま見えるので、残っているかどうかも一目で分かります。金魚の飼育でベアタンクが選ばれる理由のひとつが、まさにこの管理のしやすさなんですよ。

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与える量と回数の決め方

量の考え方は、他の餌と基本的に同じです。数分で食べきれる量を、1日1〜2回。おとひめだからといって特別な計算式があるわけではありません。

ただ、無胃魚である金魚は与えれば与えただけ食べてしまいます。ここが怖いところで、「よく食べるから足りていないのだろう」と判断すると簡単に過剰になるんですよ。食べる速さではなく、糞の状態と体つきで判断してください。

おとひめは消化吸収がよいぶん、適量であれば糞は締まって短くなる傾向があります。逆に、白っぽく細長い糞が続いたり、糞が途切れずに長く伸びたりしているときは、量か粒の大きさが合っていない可能性を疑う場面ですね。具体的な粒数の考え方は金魚の餌の量と1日の回数の決め方で詳しく整理していますので、あわせて読んでみてください。

回数については、水温が高く消化が活発な時期なら1日2回でも問題ありません。ただ1回あたりの量は減らしてください。同じ総量でも、一度に大量に入れるより分けたほうが消化への負担は軽くなります。無胃魚である以上、少しずつ何度か、という与え方は理にかなっているんですよ。

糞の状態から量を読む

量が合っているかどうかを判断する材料として、私がいちばん頼りにしているのが糞です。餌の量は数字で決めにくいのですが、糞は毎日見られる分かりやすい指標なんですよ。

見るのは色・太さ・長さの3つです。餌と同じ色でしっかり太さがあり、適度な長さで切れているなら消化は回っています。白っぽい、透明に近い、細くて長くつながったまま切れない、といった状態が続くときは、量か粒の大きさを見直す場面。判断に迷ったら1日給餌を抜いて、翌日どう変わるかを見てみてください。

もうひとつ、糞が出る時間帯も観察してみてください。与えてから排出までの時間は水温によって変わり、暖かい時期ほど早くなります。いつもより明らかに遅いようなら、消化のペースが落ちているサインかもしれません。餌の量を少し引く、というだけで戻ることも多いですよ。

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金魚用フードとの使い分け方

おとひめを使うと決めたとしても、それ1本にする必要はありません。むしろ、金魚の飼育では複数の餌を使い分けるほうが現実的だと私は思っています。

おとひめは「成長を押したい時期の主力」、低タンパクの金魚用フードは「体型を維持する通年の主食」。この役割分担で考えると迷いにくくなります。稚魚から当歳魚にかけてはおとひめの比率を上げ、体ができあがってきたら低タンパクの餌へ軸足を移す。季節や個体の状態を見ながら、2種類を行き来させるイメージですね。番手そのものを決める手順はおとひめのサイズと番手の選び方にまとめてあります。

色揚げを狙うならまた別の視点が入ります。おとひめは成長のための飼料で、色揚げ成分を主目的にした製品ではありません。赤や黒をしっかり出したい時期には、色揚げ用のフードを組み合わせるほうが目的に合いますよ。餌の種類ごとの向き不向きは金魚の餌の選び方と沈下性・浮上性の違いにまとめてあります。

切り替えるときは一気に入れ替えないでくださいね。数日かけて比率を動かすほうが安全です。餌の急な変更は消化不良のきっかけになることがあるので、移行の期間を取っておくと落ち着いて進められますよ。

1年の流れでイメージすると分かりやすいかもしれません。水温が上がって金魚がよく動く春から夏にかけては、成長させたい時期。ここでおとひめの比率を上げます。秋は体を仕上げつつ冬に備える時期なので、少しずつ低タンパクの餌へ寄せていく。冬は量そのものを絞る、あるいは止める。翌春にまた戻していく。

もちろん室内で加温している水槽なら季節の影響は小さくなりますし、飼っている品種や個体の状態でも変わります。この流れはあくまで骨格で、実際にはあなたの環境に合わせて動かしてください。大事なのは「常に同じ餌を同じ量」にしないことだと思っています。

成長期を過ぎたあとの通年の主食には、金魚用に設計されたフードを1つ持っておくと使い分けがしやすくなります。おとひめと2本立てにしておけば、季節や体調に合わせて比率を動かせますよ。価格や在庫は変動しますので、購入前に各ショップでご確認ください。

金魚におとひめを使うときの注意点

使い始めてから起きるトラブルは、たいてい餌そのものではなく与える時期に原因があります。とくに水温が10度を下回るような時期は、量を減らすのではなく給餌そのものを控える判断が一般的です。

金魚の消化は水温に強く左右されるので、低水温では高タンパクの餌ほど腸に残りやすくなるからです。その結果として出てくるのが消化不良や転覆のサインで、変化は糞の状態と泳ぎ方に先に現れます。気づいたら給餌をいったん止めて1〜2日様子を見て、戻ったら量を半分に落として再開する。この順番を知っているかどうかで、その後の回復がかなり変わります。

この章では、通年で主食にしないほうがいい理由、水温が下がる時期の具体的な扱い方、消化不良や転覆のサインの見分け方と対処の手順、そして丸もの品種と長物品種で変わる向き不向きを見ていきます。屋外の容器で越冬させるなら、水温計を1本用意しておくとこの判断がぐっと楽になりますよ。

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通年で主食にしないほうがいい理由

おとひめが金魚に効くのは事実です。ただ、効くからこそ、ずっと与え続けたときに困ることが出てきます。

ひとつは体型の問題。高タンパクの餌を絶やさず与えると、金魚は太りやすくなります。体が厚くなるのは悪いことばかりではありませんが、丸もの品種では体高と内臓のバランスが崩れて浮き沈みの調整が難しくなることがあるんですね。長物の和金やコメットでも、動きが鈍くなるほど太らせてしまうと本来の姿から離れていきます。

もうひとつは、消化器への継続的な負担です。金魚には胃がなく、腸で連続的に消化していく仕組みなので、高タンパクの状態が途切れないと処理が追いつかない時間が生まれやすい。おとひめは短期間で伸ばすための道具として使い、そのあとは負荷の軽い餌へ戻す。この考え方で扱うと、金魚の側に無理がかかりません。

実際、金魚や錦鯉の世界でおとひめの評価が高いのは当歳魚から二歳魚くらいまでの育成期です。この時期は体をつくる段階なので高タンパクが噛み合います。逆に成長が落ち着いた個体に同じ密度で与え続ける必然性は、そこまで高くないんですよ。

太らせすぎたときに何が起きるかも書いておきますね。まず、水中での姿勢が安定しにくくなります。体が厚くなると浮力の配分が変わるので、丸もの品種では特に影響が出やすい。次に、動きが鈍くなって餌への反応が悪くなることがあります。よく食べるから元気だと思っていたら、実は動くのが億劫になっていた、というのは起こりうる話です。

そして厄介なのが、いったん太らせてしまうと戻すのに時間がかかること。餌を絞れば体重は落ちますが、内臓に付いた脂肪はすぐには減りません。金魚は寿命の長い魚なので、数か月の判断が数年に影響します。押すときは押す、緩めるときは緩める。このメリハリを最初から意識しておくほうが結果的に楽ですよ。

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水温が下がる時期の扱い方

夏・春秋・冬の水温帯ごとにおとひめの与え方をどう変えるかを温度計の図で示したスライド
水温に合わせた給餌のコントロール

季節の影響は、金魚では特にはっきり出ます。水温が下がると金魚の代謝は落ち、消化のスピードも遅くなります。

低水温の時期に高タンパクの餌を通常どおり与えると、消化しきれないまま消化管に残る時間が長くなります。これが便秘や消化不良につながることがあるので、水温が下がってきたら量を減らす、回数を減らす、あるいは餌を切る日をつくるといった調整が必要です。目安として水温が10度を下回るような時期は、給餌そのものを控える判断も一般的ですよ。屋外の容器で越冬させている場合はとくに慎重に。

逆に春先、水温が上がってきたタイミングは注意が必要な時期でもあります。金魚は動き出しますが、消化の力が完全に戻るまでには少し時間がかかるんですね。いきなり夏と同じ量を与えず、少量から様子を見て戻していくほうが失敗しません。

夏の高水温期は消化が活発になるので、おとひめの出番としてはいちばん合う季節です。ただ、水温が高いと水も傷みやすいので、食べ残しには普段より気を配ってあげてください。餌の量を増やしていい時期と、水の管理を厳しくすべき時期は重なるんですよ。

秋は逆向きの切り替えになります。水温が下がり始めたら、量を落としながら低タンパクの餌の比率を上げていく。この時期に高タンパクのまま押し続けると、消化のペースが落ちているところへ負荷をかけることになります。気温ではなく水温で判断してください。水は空気より遅れて動くので、体感と数字がずれるんですよ。

水温計は、屋外の容器なら特に置いておいてほしい道具です。数字が見えていると、量を変えるタイミングを勘に頼らずに済みます。1本あるだけで判断の精度がぐっと上がりますよ。

屋外の容器で越冬させるなら、水温計は1本用意しておいてください。気温ではなく水温で判断できるようになると、量を変えるタイミングで迷わなくなりますよ。価格や在庫は変わることがあるので、購入前に各ショップでご確認くださいね。

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消化不良や転覆のサインを見る

与え方が合っていないとき、金魚はいくつかのサインを出します。早めに気づけば、たいていは餌の調整で戻せますよ。

まず糞。白っぽい、細く長い、途切れずにつながったまま、といった状態が続くなら消化が追いついていない可能性があります。次に泳ぎ方。食後にふらつく、頭を下げたまま沈む、逆に尻尾が浮き上がる。こうした動きが出たら、まずは餌を止めて様子を見るのが基本の対応です。

体つきの変化も見てください。背中のラインが不自然に盛り上がってきた、腹部だけが張っている、といった状態は与えすぎのサインであることがあります。丸もの品種は判断が難しいので、迎えた当初の写真と見比べると変化に気づきやすいですよ。

異変に気づいたときの進め方

おかしいなと思ったとき、いきなり何かを足すのではなく、まず引くのが基本です。順番としてはこうなります。

  • 給餌をいったん止めて1〜2日様子を見る
  • 水温を測り、急に動いていないか確認する
  • 糞と泳ぎ方が戻るかを見る
  • 戻ったら量を半分に落として再開する
  • 戻らないようなら餌以外の原因を疑う

餌を止めることに抵抗を感じる方は多いのですが、健康な金魚であれば1〜2日食べない程度で弱ることはまずありません。むしろ消化管を空にする時間をつくったほうが落ち着くことがあります。焦って別の餌に替えたり、薬を入れたりする前に、この順番を通してみてください。

転覆の症状は原因が複数あり、餌だけで説明できるものではありません。水温の急変や体質、細菌感染が関わることもあります。改善しないときや、明らかに苦しそうな様子が続くときは、最終的な判断は専門家にご相談ください。品種ごとの転覆リスクについては丹頂金魚の寿命と飼い方で気をつけることでも触れています。

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品種で変わる向き不向き

ひとくちに金魚と言っても、体型によって事情はかなり違います。おとひめとの相性も、そこで変わってきますよ。

和金やコメット、朱文金のような長物は、消化器の形が比較的素直で、泳ぎも達者です。高タンパクの餌に対する耐性は丸もの品種より高いと考えられていて、成長期にしっかり与えて大きく育てるという使い方が合います。ただ、伸びる力が強いぶん、狙った以上に育つ可能性は頭に入れておいてください。

らんちゅう、ピンポンパール、オランダ獅子頭のような丸ものは、体高が詰まったぶん内臓の収まりに余裕が少ないとされ、消化の面では不利になりやすい体型です。おとひめが使えないわけではなく、実際にらんちゅうの育成で使われてもいます。ただし量と回数の管理はより丁寧に、そして低水温期は早めに切り上げるという前提つきですね。

琉金や出目金のように、丸ものと長物の中間くらいの体型もあります。この帯の品種は、丸ものほど神経質にならなくてもいいけれど長物ほど気楽でもない、という位置づけ。基本は丸もの寄りの慎重さで扱って、問題が出なければ少しずつ量を上げていくのが安全だと思います。

◆迷ったときの考え方

体型が丸いほど慎重に、長いほど余裕がある。この一本の軸で考えておけば、品種名を覚えていなくても判断できますよ。

なお、おとひめは同じ番手でもヒラメの種苗生産向けに調整された別ラインが存在します。通販で買うときは番手だけでなく製品名の表記まで確認しておくと間違いがありません。メダカでの使い方が気になる方はおとひめをメダカに使うときの番手と与え方もどうぞ。

おとひめと金魚についてよくある質問

おとひめだけで金魚を育てても大丈夫ですか

育たないわけではありませんが、通年おとひめ1本というのはあまりおすすめしません。高タンパクの状態が途切れないぶん太りやすく、体型が崩れる方向に働くことがあるからです。成長させたい時期は主力として使い、そこを過ぎたら低タンパクの金魚用フードへ軸足を移す。2種類を持っておいて、季節と成長段階で比率を変えるほうが、結果として扱いやすいと思いますよ。

金魚にはEPの番手を使うべきですか

体が大きくなればEP帯も選択肢に入りますが、家庭で飼う範囲だと顆粒帯で足りることが多いです。EP0が1.3mm、EP1が1.7mmで、ここから先は錦鯉や池飼いの大型個体を想定したサイズになっていきます。荷姿も10kgや20kgが中心なので、水槽で数匹を飼っている状況では現実的ではありません。体長8cmを超えたあたりからS-1やS-2を試して、それでも小さいと感じたらEPを検討する、くらいの順番でいいと思いますよ。

おとひめに切り替えたら糞の量が減りましたが問題ないですか

消化吸収がよい飼料なので、糞が減ること自体はおかしなことではありません。むしろ設計どおりの反応と言えます。ただ、糞が「減った」のか「出ていない」のかは分けて見てください。締まった糞が普通に出ているなら問題ありませんが、ほとんど出ていない、体は張っているのに糞が見当たらないという状態なら便秘を疑う場面です。数日そのままなら給餌を止めて様子を見てくださいね。

池の金魚にもおとひめは使えますか

使えます。もともと養殖の現場で使われている飼料なので、屋外の環境とは相性がいいほうです。ただ池は水温が外気に振られやすく、季節の影響が水槽より強く出ます。春と秋の切り替え時期に量を読み違えやすいので、水温計を置いて、数字を見ながら量を決めるようにしてください。冬場に水温が下がりきる地域では、給餌を止める期間をつくる判断も必要になりますよ。

金魚におとひめを使うときのまとめ

金魚におとひめを使うこと自体に問題はありません。消化吸収がよく水を汚しにくい、粒の展開が細かいので口の大きさに合わせやすい、価格も抑えめ。金魚を育てる道具としては十分に優秀です。

気をつけたいのは、粗タンパク50%前後という数字と、金魚が胃を持たない魚だという2つの事情が重なる点でした。与えれば与えるだけ食べてしまう魚に、高タンパクの餌を絶やさず与え続ければ、太りすぎや消化不良のほうへ振れやすくなります。だからこそ、成長させたい時期の主力として使い、体ができたら低タンパクの餌へ戻す。この使い分けが現実的だと思うんですよ。

番手は体長から選んで、あとは食いつきで微調整。稚魚ならAやB-1、若魚でB-2、当歳魚でC-1からC-2、それ以上ならS帯という並びが目安です。沈下性は丸もの品種にとって都合のいい性質ですが、それだけで転覆が防げるわけではないので、量と水温にも目を配ってあげてください。

なお、粒径や成分といった製品仕様は改定されることがあります。購入前には正確な情報を公式サイトでご確認ください。また、金魚の体調に不安があるときや治療中の場合は、最終的な判断は専門家にご相談ください。あなたの金魚に合う使い方が見つかることを願っています。

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