ドジョウの隠れ家は代用できる?家にある物で作る安全な選び方
ドジョウを飼い始めて、「隠れ家を入れてあげたいけれど、専用の土管を買うほどでもないかな」「家にある物で代わりにならないかな」と考えていませんか。ホームセンターや100均を歩いていると、使えそうな筒や器がいろいろ目に入りますよね。
結論からお伝えすると、ドジョウの隠れ家は専用品でなくても十分に代用できます。大事なのは、水を汚す物が溶け出さないこと、角や小さな穴でケガや挟まりを起こさないこと、体がすっぽり入って向きを変えられること、水流や掘る動きで動かないこと、の4つの条件です。迷ったら、水道用の塩ビ管(VP)か素焼きの植木鉢が第一候補かなと思います。
反対に、金属製の物、塗装やメッキのある物、石灰質の石や貝殻、ドジョウの頭だけが入りそうな小さな穴のある物は避けたほうが無難です。見た目は使えそうでも、水質やケガの面で心配が残るからです。
この記事では、前半でドジョウに隠れ家が必要な理由と、代用品に求める安全条件、サイズの目安、避けたい素材を整理します。後半では、塩ビ管・植木鉢・流木と石・100均グッズや水草の具体的な使い方と、設置したあとの掃除や様子の見方まで順番にまとめました。
- 代用品に求める4つの安全条件
- 体の太さと長さから決めるサイズの目安
- 塩ビ管・植木鉢・流木・100均グッズの使い方
- 避けたい素材と設置後の掃除のコツ
ドジョウの隠れ家を代用する前に知りたい基本
この章では、代用品を探しに行く前に押さえておきたい基本をまとめます。そもそもドジョウに隠れ家が必要なのか、底砂だけで足りるのかを確認したうえで、代用品を選ぶときの安全条件とサイズの目安、使ってはいけない素材と形を順番に見ていきます。先に結論だけお伝えすると、家にある物で済ませたいなら素焼きの植木鉢や無地の陶器の器、少し買い足してもいいならホームセンターの水道用の塩ビ管が使いやすい候補です。どれを選ぶ場合も、ここで紹介する安全条件とサイズの目安に当てはめて確かめてから水槽に入れてください。
ここを先に読んでおくと、ホームセンターや100均の売り場で「これは使える」「これはやめておこう」と自分で判断できるようになります。
ドジョウに隠れ家が必要な理由
ドジョウは、もともと小川や水路、水田に多くすんでいた魚です。大阪府立環境農林水産総合研究所の淡水魚図鑑では、主に底生藻類やその分解物を食べ、ユスリカやイトミミズなども食べると紹介されています(出典:大阪府立環境農林水産総合研究所「淡水魚図鑑(在来種)ドジョウ」)。つまり、水の底を生活の場にしている魚だということですね。
一般に、ドジョウは夜に活発になり、昼間は砂に潜ったり、物陰に体を入れたりして過ごすことが多いとされます。水底で暮らす魚にとって、体の上や横が何かに覆われている状態は、身を守りやすい状態です。水槽の中でも、底砂に潜ったり物陰に体を入れたりすることで落ち着く個体が多いと言われています。
隠れる場所がまったくない水槽では、昼間もずっと体がむき出しのままになります。個体によっては、落ち着かない様子が見られることがあります。水槽の前を人が通ったときや照明をつけたときに、驚いて急に泳ぎ出すこともあるかもしれません。
隠れ家を入れる目的は、大きく分けて3つあります。
- 昼間に休める場所を作って、ドジョウを落ち着かせる
- 照明のオンオフや人の動きなど、急な刺激から逃げ込める場所を作る
- 何匹かで飼うときに、それぞれが距離を取れる場所を作る
「隠れ家を入れると、姿が見えなくなってしまうのでは」と心配になるかもしれません。たしかに昼間は中にいる時間が増えることもありますが、ドジョウは夜に活発になる魚なので、昼に隠れているのはごく普通の過ごし方です。安心できる場所があることで、餌の時間や夕方以降に落ち着いて出てくる様子を観察しやすくなる場合もあります。どのくらい隠れるかは個体差が大きいので、まずは1つ入れて様子を見るのがいちばんかなと思います。
底砂があれば隠れ家はいらないのか
結論として、ドジョウが潜れる細かい底砂が十分に敷いてあれば、隠れ家がなくても落ち着いて過ごせる個体はいます。砂に潜ること自体が、ドジョウにとっての隠れ方の1つだからです。ただ、底砂と隠れ家は役割が少し違うので、両方あるとより安心かなと思います。
底砂が隠れ場所として働くかどうかは、砂の粒の大きさと厚さで変わります。粒が細かく角の丸い砂なら、ドジョウは頭から潜り込んで体を隠せます。一方で、粒の大きい砂利や角のある砂では潜りにくく、無理に潜ろうとして体表をこすってしまうこともあります。厚さも、ドジョウの体がすっぽり隠れるくらいないと、半分体が出たままになりがちです。ドジョウに合う砂の種類や、砂なしで飼う場合の考え方は、ドジョウの底砂のおすすめと、田砂・大磯砂の比較や砂なし飼育の可否で詳しくまとめています。
底砂だけでなく、隠れ家もあったほうがよいのは次のような場合です。
- 底砂の粒が大きく、ドジョウが潜りにくい
- 底砂が薄く、潜っても体の半分ほどが出てしまう
- 掃除のしやすさを優先して、底砂を敷かないベアタンクで飼っている
- 何匹かいて、潜りやすい場所の取り合いが起きている
- 水換えのたびに底砂を掃除していて、潜る場所が落ち着かない
ベアタンクで飼っている場合は、浅い容器に田砂を入れた「砂皿」を置く方法があります。水槽全体に砂を敷かなくても、潜れる場所を部分的に作れるのが利点です。砂皿にする容器は、縁が高すぎるとドジョウが出入りしにくいので、浅めで縁が滑らかな物を選びましょう。砂皿と筒状の隠れ家を両方置いておけば、潜りたい個体も、物陰に入りたい個体も、それぞれ好きなほうを選べます。
砂皿に使う砂は、粒が細かく角の丸い田砂が扱いやすいですよ。量は浅い容器に2cmほど入る分があれば足ります。
底砂と隠れ家の違いを一言でいうと、底砂は「潜る場所」、隠れ家は「入って覆われる場所」です。潜るのが好きな個体もいれば、筒の中に入るのを好む個体もいて、同じ種類でも好みが分かれることがあります。どちらか一方に決めつけず、両方の選択肢を用意しておくと、ドジョウが自分で過ごしやすいほうを選んでくれますよ。
また、底砂を敷いている水槽でも、隠れ家を置く位置には少し工夫がいります。隠れ家の下にドジョウが潜り込もうとして砂を掘ると、隠れ家が傾いたり沈み込んだりすることがあるからです。この点は、次の安全条件の「動かないこと」で詳しく説明します。
代用品に求める4つの安全条件

ドジョウの隠れ家を身近な物で代用するときは、次の4つの条件を満たしているかを確かめましょう。逆にいえば、この4つを満たしていれば、専用品でなくても隠れ家として使える可能性が高いということです。
1つ目は、水に溶け出す物がないことです。金属は錆びたり、成分が溶け出したりする心配があります。塗装やメッキ、接着剤、防腐処理をした木材も、長く水に浸けていると表面がはがれたり、成分が水に出たりするおそれがあるので避けましょう。隠れ家は水槽に入れっぱなしにする物なので、「短時間なら平気そう」ではなく「何か月も浸けたままで大丈夫か」で考えるのがポイントです。
2つ目は、角や切り口、ささくれがないことです。ドジョウは体を物に沿わせるようにして出入りするので、切り口の角やバリ(切ったときにできるギザギザ)があると、体表をこすって傷つけやすくなります。塩ビ管を切った場合はヤスリで面取りを、植木鉢を割った場合は断面を耐水ペーパーで丸めておきましょう。仕上がりを確かめるときは、指先で切り口をなぞったり、薄い布でこすって引っかからないかを見たりする方法があります。
3つ目は、頭は入るのに体が抜けない小さな穴を作らないことです。ドジョウは細長い体で、狭い場所に頭から入りたがる傾向があります。植木鉢の底穴や、網目の細かい物、穴のあいたオブジェの小さな穴などに頭を入れて、そのまま抜けなくなる挟まり事故が起こることがあります。穴があるなら、「ドジョウの頭が入らないほど小さい」か「体ごと楽に通り抜けられるほど大きい」かのどちらかにして、その中間の大きさを作らないことが大切です。
4つ目は、水流や掘る動きで倒れない・浮かない重さがあることです。ドジョウは物の下に潜り込もうとして底砂を掘ることがあり、軽い隠れ家だと傾いたり、転がったりします。隠れ家が動いた拍子にドジョウが挟まれたり、隠れ家とガラス面の間にすき間ができて体が入り込んだりすることもあるので、置いたあとに軽く押してみて、ぐらつかないかを確認しておきましょう。
見た目の好みや手に入れやすさで選ぶのは、この4つをクリアしてからにしてくださいね。
サイズの目安は体の太さと長さで決める

隠れ家のサイズは、ドジョウの体の太さと長さで決めます。太さが合わないと中に入れなかったり、逆に広すぎて隠れている感じがしなかったりするので、ここはできるだけ合わせておきたいところです。
まず、ドジョウがどのくらいの大きさになるかを確認しておきましょう。先ほどの大阪府立環境農林水産総合研究所の図鑑では、ドジョウは1年で8〜12cm、2年で10〜12cmに成長し、雌が著しく大型になると紹介されています。つまり、同じ水槽で飼っていても、雌と雄で体の大きさがかなり違ってくることがあるということです。
一般的な目安としては、10cm前後の成魚のドジョウなら、内径(筒の内側の直径)20〜25mm程度の筒が目安とされます。小型のホトケドジョウや幼魚なら、13〜16mm程度が目安です。長さは、体長と同じかやや長め、10〜15cm程度を目安にすると、頭から尾まで体を収めやすくなります。
ただし、これはあくまで目安です。よく食べて太った個体や、大型の雌の場合は、1サイズ上の太さを選ぶと安心です。迷ったときは、細すぎるよりも太めを選ぶようにしましょう。細すぎる筒は、入るときに体をこすったり、途中でつかえて出られなくなったりする心配がありますが、少し太めの筒なら、そうした心配は小さくなります。
サイズを測るときは、ドジョウを網ですくって無理に測る必要はありません。水槽のガラス面に定規を当てて、ドジョウが近くに来たときに体長をおおまかに読み取る方法があります。体の太さは、真上から見た体の幅と、横から見た体の高さのうち大きいほうを目安にして、それより一回り以上ゆとりのある内径を選ぶと考えると分かりやすいです。
「向きを変えられる」という点も大切です。片側だけが開いた筒や器だと、ドジョウは中で体の向きを変えて出てくる必要があります。内側が狭すぎると、向きを変えられずに後ろ向きで出てくることになり、出入りがぎこちなくなりがちです。両端が開いた筒なら、中で向きを変えなくても反対側から抜けられるので、中で詰まりにくく、掃除もしやすくなります。一般に、ドジョウの隠れ家には体がすっぽり入る細長い筒状の物が好まれやすいとされるのも、こうした理由からです。
実際に置いてみたら、ドジョウが頭からするりと入り、尾まで隠れているかを見てみてください。入り口でためらう様子が続くなら細すぎる、入っても体が泳ぐように動いて落ち着かないなら太すぎる、というように、様子を見ながら調整していくとよいですよ。
代用してはいけない素材と形
ここでは、身近にあっても隠れ家の代用には向かない物をまとめます。家の中を探すと「ちょうどよさそう」な物は意外と多いのですが、水に入れっぱなしにする隠れ家としては、素材と形の両方で避けたい物があります。
素材の面でまず避けたいのが、金属製の物です。空き缶やスチール缶、金属パイプ、針金で形を作った物などは、錆びたり、成分が溶け出したりする心配があります。表面がコーティングされた缶でも、切り口や傷のある部分から錆びてくることがあるので、使わないのが無難です。
塗装やメッキ、ラメのある物も避けましょう。絵付けされた食器やカラフルな雑貨、金色や銀色にメッキされたオブジェなどは、表面がはがれて水に混ざるおそれがあります。接着剤で部品を貼り合わせた雑貨や、防腐処理やニス塗りをした木材も同じ理由で向いていません。
石や貝殻にも注意が必要です。石灰岩や大理石、サンゴ、貝殻、セメントやコンクリートのブロックは、カルシウムなどが溶け出して、水が硬く、アルカリ寄りに傾くことがあります。日本の淡水魚にとっては大きな問題にならない場合もありますが、わざわざ水質を変える物を入れる理由はないので、避けるのが無難です。手持ちの石が石灰質かどうか分からないときは、酢をかけてみて泡が出るかを見る方法があります。泡が出る石は石灰質の可能性があるので、隠れ家には使わないでおきましょう。
形の面で避けたいのは、先ほど説明した「頭は入るのに体が抜けない小さな穴」がある物です。穴のあいたオブジェや、網目の細かいかご、底穴をそのままにした小さな植木鉢などが当てはまります。そのほか、片側だけが開いていて内側が細く、中で向きを変えられない物、割れたときに鋭い破片になるガラス製品、先のとがった部分がある物も避けたほうが安心です。
隠れ家の代用に向かない物の例です。
- 金属製の物(空き缶、金属パイプ、針金で作った物など)
- 塗装・メッキ・ラメのある物、接着剤で組み立てた物
- 防腐処理やニス塗りをした木材
- 石灰岩・大理石・サンゴ・貝殻・セメントやコンクリートのブロック
- 頭だけが入る小さな穴がある物、網目の細かい物
- 割れると鋭い破片になる物、とがった部分がある物
迷ったときの判断基準は、「水に何か月も浸けたままにして、変化しない物かどうか」と「ドジョウが頭から入っていったときに、引っかかる場所や抜けなくなる場所がないかどうか」の2つです。この2つで少しでも引っかかる物は、隠れ家以外の用途に回して、別の代用品を選ぶようにしましょう。
ドジョウの隠れ家に使える代用品と置き方のコツ
ここからは、ドジョウの隠れ家として使いやすい代用品と、それぞれの置き方のコツを紹介します。前半で整理した4つの安全条件と、サイズの目安を満たすように使うのが基本です。
先に、代用品ごとの特徴を表にまとめておきます。手に入れやすさや加工の手間、水質への影響はそれぞれ違うので、自分の水槽や手間のかけ方に合う物を選ぶ参考にしてください。
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| 代用品 | 手に入れやすさ | 加工のしやすさ | 水質への影響 | 注意点 | 向く人 |
|---|---|---|---|---|---|
| 水道用の塩ビ管(VP) | ホームセンターの配管売り場で探しやすい | のこぎりで切れて、長さを合わせやすい | 飲料水の水質基準に適合した規格品(水槽での使用を保証するものではない) | 切り口のバリ取りが要る。細く短い物は掘られて動くことがある | サイズをぴったり合わせたい人、数をそろえたい人 |
| 素焼きの植木鉢 | 園芸売り場や100均で探しやすい | 横倒しならそのまま。割って使う場合は手間がかかる | 無地の素焼きなら心配は小さいとされる | 底穴の大きさを確認する。目が粗く汚れが溜まりやすい | 自然な見た目にしたい人、加工を少なくしたい人 |
| 釉薬のかかった陶器の器 | 家の湯のみや小鉢を使える | 加工せず横倒しで使う | 食器用の無地で、絵付けやラメのない物なら使われることがある | 転がりやすいので底砂で固定する | 家にある物で今日中に用意したい人 |
| 流木と石の組み合わせ | アクアショップやホームセンター、100均で探せる | 組み方を工夫すれば加工は少ない | 流木はアクで水が色づく。石灰質の石は水を硬くすることがある | アク抜きと、崩れないような組み方が必要 | レイアウトの見た目も整えたい人 |
| 100均のプラ製小物・観賞魚用オブジェ | 店舗によって品ぞろえが変わる | そのまま使える物が多い | 「観賞魚用」表示の物は比較的選びやすい | 塗装・ラメ・金属パーツ・小穴の有無を確認する | 手軽に数を増やしたい人 |
| 水草の茂み・砂皿 | 水草はアクアショップ、砂皿は容器と田砂で作れる | 植え方や活着の工夫が要る | 水草は状態がよければ水質面の心配は小さい | ドジョウが掘ると水草が抜けやすい | 筒状の物を置きたくない人、補助の隠れ場所がほしい人 |
表の内容は一般的な目安で、同じ種類の物でも製品によって作りは違います。特に100均の小物や陶器の器は、商品ごとに塗装や部品が異なるので、買う前に4つの安全条件で1つずつ確かめてください。どれにするか迷ったら、加工の自由度が高い塩ビ管か、見た目が自然な素焼きの植木鉢から試してみるのがおすすめです。
水道用の塩ビ管は加工しやすい定番

塩ビ管は、ドジョウの隠れ家の代用品としてよく使われる定番です。好きな長さに切れて、太さの種類も多いので、ドジョウの体に合わせたサイズを用意しやすいのが大きな利点です。
選ぶときは、「水道用」「JIS K 6742」と表示された給水用のVP管を選ぶと安心です。クボタケミックスの製品情報では、給水用の塩ビ管はJIS K 6742の水道用硬質ポリ塩化ビニル管(VP)とHIVPで、厚生労働省が定める水質基準に関する省令に適合していると説明されています(出典:クボタケミックス「塩ビパイプ」)。同じ資料では、排水用はJIS K 6741(VP・VUなど)で、VUはVPより肉厚が薄いとされています。排水用のVPも同じ「VP」の表示ですが、水質基準への適合は説明されていないので、この記事では水道用を基準にしています。肉厚が違うと内径も変わるため、サイズの目安も水道用VPの寸法をもとにしています。
同じ資料に掲載されている水道用VPの寸法と、外径から厚さ2つ分を引いて計算した内径の目安を表にまとめました。
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| 呼び径 | 外径(mm) | 厚さ(mm) | 内径の目安(mm) | ドジョウの大きさの目安 |
|---|---|---|---|---|
| 13 | 18 | 2.5 | 約13 | 小型の個体・幼魚 |
| 16 | 22 | 3 | 約16 | 小型の個体・幼魚 |
| 20 | 26 | 3 | 約20 | 10cm前後の成魚 |
| 25 | 32 | 3.5 | 約25 | 10cm前後の成魚・太めの個体 |
| 30 | 38 | 3.5 | 約31 | 大型の雌など、1サイズ上がほしいとき |
| 40 | 48 | 4 | 約40 | 一般的な成魚にはかなり太め |
内径の目安は計算上の値で、実際の製品には多少の差があります。買う前に、売り場の表示や管の印字で「水道用」「JIS K 6742」と呼び径を確認しておきましょう。規格や用途についての正確な情報は、メーカーの公式サイトをご確認ください。
塩ビ管を隠れ家にする手順は、次のとおりです。
- ドジョウの体長に合わせて、10〜15cm程度を目安に長さを決める
- のこぎりで、切り口がなるべくまっすぐになるように切る
- 切り口の外側と内側を、ヤスリで面取りしてバリを取る
- 水でよく洗い、切りくずや表面の汚れを落とす(洗剤は使わない)
- 印字が気になるなら、メラミンスポンジなどで落とす(シンナーなどの溶剤は使わない)
- 水槽に置き、軽く押して動かないかを確かめる
面取りは、切り口の角を少し斜めに削って丸めるイメージです。内側のバリは見落としやすいので、指を入れて引っかかりがないかを確かめてください。
塩ビ管は水に沈む素材で、比重はおよそ1.4前後とされます。ただ、細くて短い管は軽いので、ドジョウが下を掘ったり水流が当たったりすると動くことがあります。管の下側を底砂に少し埋める、脇に石を添えるといった方法で固定すると安心です。
塩ビ管が向いているのは、ドジョウの大きさに合わせてサイズを選びたい人や、何匹分かまとめて用意したい人です。一方で、管が水槽の中で目立つのが気になる人や、のこぎりやヤスリを使う作業が面倒な人には、植木鉢や専用の土管のほうが合うかもしれません。
水道用の塩ビ管は、ホームセンターのほか通販でも短くカットされた物が手に入ります。呼び径と「水道用」の表示を確かめてから選んでみてください。
素焼きの植木鉢や陶器の器を使う方法
素焼きの植木鉢は、塩ビ管と並んで使いやすい代用品です。土の色に近い落ち着いた見た目なので、水槽の中でも目立ちにくく、和風の雰囲気にもなじみやすいのが特徴です。
使い方は大きく2つあります。1つは、植木鉢を横倒しにして、口の部分を入り口にする方法です。加工がいらないので、いちばん手軽に始められます。もう1つは、植木鉢の縁の一部を割ってアーチ状の入り口を作り、口を下にして伏せる方法です。こちらはドーム状の隠れ家になり、上からしっかり覆われるので、落ち着きやすい形になります。
縁を割って使う場合は、割った断面を耐水ペーパーで丸めておくことが大切です。素焼きの断面はざらざらしていて、とがった部分が残りやすいので、指でなぞって引っかかりがなくなるまで整えましょう。割る作業をするときは、破片が飛ばないように布で包む、軍手をするなど、ケガをしないように気をつけてください。思った形に割れないこともあるので、予備の鉢を用意しておくと気が楽です。
植木鉢でいちばん注意したいのが、底穴です。底穴がドジョウの頭が入るくらいの大きさだと、頭を入れて抜けなくなる挟まり事故につながるおそれがあります。底穴は塞ぐか、ドジョウの頭が入らないほど小さいか、体ごと楽に通り抜けられるほど大きいかを確認しましょう。横倒しにする場合は、底穴の外側に平たい石を当てる、底穴側を底砂に埋めるといった方法で塞ぐことができます。伏せて使う場合は、底穴が上を向くので、頭が入る大きさなら上に石を載せて塞いでおくと安心です。
素焼きの鉢は、目が粗くバクテリアが住み着きやすいとされる一方で、表面の細かいすき間に汚れも溜まりやすい素材です。新品は水でよく洗い、しばらく水に浸け置きしてから使いましょう。使い始めてからも、表面に茶色い汚れやコケがついてきたら、取り出してこすり洗いをしてください。
陶器の器を使う方法もあります。釉薬(表面のつるっとしたガラス質の膜)のかかった湯のみや小鉢も、無地で絵付けやラメのない物なら、隠れ家として使われることがあります。横倒しにして口を入り口にするのが基本ですが、丸い器は転がりやすいので、半分ほど底砂に埋めて固定しましょう。縁が欠けている器は、欠けた部分でケガをするおそれがあるので使わないでください。
素焼きの植木鉢は、小さめの2〜3号サイズが水槽に入れやすいかなと思います。購入するときは、無地で釉薬や塗装のない物を選んでくださいね。
植木鉢や陶器の器が向いているのは、自然な見た目にしたい人や、加工の手間をなるべく減らしたい人です。反対に、ドジョウの体にぴったりのサイズを選びたい人には、太さを選べる塩ビ管のほうが合っています。鉢は口が広いぶん「すっぽり入る」感じになりにくいので、小さめの鉢を選ぶとよいでしょう。
流木や石を組んで自然な隠れ場所を作る

流木や石を組み合わせると、筒や鉢とは違う、自然なすき間の隠れ場所を作れます。水槽のレイアウトとしても見栄えがよく、隠れ家と景観を両立したい人に向いている方法です。
流木を使うときに気をつけたいのが、アクです。流木からは茶色い色素が出て、水が紅茶のように色づくことがあります。使う前にアク抜きをしておくと、水の色の変化を抑えやすくなります。流木の選び方や、ホームセンターや100均で手に入る流木のアク抜きの手順は、流木を安く買える店の選び方とアク抜きの手順で詳しく紹介しています。
流木は、乾いた状態だと水に浮くことがあります。浮く流木は、沈むまで水に浸けておくか、石で押さえて固定しましょう。浮いた流木が水槽の中で動くと、ドジョウが下敷きになったり、レイアウトが崩れたりするおそれがあります。
石を使う場合は、前半で説明したとおり、石灰岩や大理石など石灰質の石は避けておきましょう。酢をかけて泡が出る石は石灰質の可能性があります。石の表面に鋭い角があるときは、ドジョウが体をこすらないように、角が内側(ドジョウが通る側)に向かないように置くと安心です。
隠れ場所の作り方としては、次のような組み方があります。
- 流木を底に寝かせ、流木と底の間にできたすき間を隠れ場所にする
- 2つの石を少し離して置き、その上に平たい石を屋根のように渡す
- 流木と石を組み合わせて、トンネル状のすき間を作る
石組みでいちばん気をつけたいのは、崩れてドジョウが下敷きになる事故です。ドジョウは底を掘るので、底砂の上に石を置いただけだと、下の砂が掘られて石が傾くことがあります。石や流木は、水槽の底面に直接置いてから、まわりに底砂を入れるようにしましょう。こうしておけば、ドジョウが砂を掘っても、石の土台が沈み込みにくくなります。石を重ねる場合は、手で軽く揺らしてみてぐらつかないか、安定を確認してから水を入れてください。
すき間の大きさは、サイズの目安で説明したとおり、ドジョウの体の太さより一回り以上ゆとりを持たせるのが基本です。すき間が狭すぎると、入り込んだドジョウが出られなくなるおそれがあります。組み終わったら、奥で行き止まりになって極端に狭くなっている場所がないかをチェックしておきましょう。
流木と石の組み合わせが向いているのは、レイアウトの見た目も整えたい人です。アク抜きや安定確認に手間がかかるので、手早く用意したい人には塩ビ管や植木鉢のほうが向いています。筒状の隠れ家を流木の陰に置くと、見た目と隠れやすさの両方を取りやすくなりますよ。
100均グッズや水草で隠れる場所を増やす
100均には、隠れ家に使えそうな物がたくさん並んでいます。手軽に数をそろえられるのが魅力ですが、もともと観賞魚用に作られていない物も多いので、選ぶときには少し注意が必要です。
使われることが多いのは、素焼きの鉢や陶器の小鉢、プラスチック製の筒状の小物などです。どれも、塗装やラメ、金属パーツがついていないかを確認しましょう。シリコン製品やプラスチックのオブジェは、「観賞魚用」と表示された物を選ぶと無難です。100均で隠れ家を探すときの注意点は、金魚向けの内容ですが、金魚の隠れ家を100均で買う前に知っておきたい安全な選び方でも詳しくまとめているので、売り場に行く前に目を通しておくと選びやすくなります。
一方で、100均にあっても隠れ家には向きにくい物もあります。
- ネットやスポンジ類:網目にドジョウが挟まる心配や、繊維がほつれる心配がある
- ガラス瓶やコップ:割れる心配があり、中が見えて落ち着かないことがある
- 竹筒:傷みやすく水を汚しやすいので、長く使うには向きにくい
ガラス瓶やコップのように透明な物は、ドジョウから外が丸見えになるので、隠れ家として機能しにくい場合があります。中にいる姿を観察できるのは楽しいのですが、ドジョウが落ち着けることを優先するなら、光を通さない素材を選んだほうがよいでしょう。
筒状の隠れ家に加えて、水草で隠れる場所を増やす方法もあります。ウィローモスやアヌビアス、マツモなどの茂みは、ドジョウが体を寄せる隠れ場所になります。水面に浮かぶ浮草の影も、上からの光をやわらげてくれるので、ドジョウにとっては落ち着ける場所の1つです。
ただし、ドジョウは底を掘るので、底砂に直接植えた水草は抜けやすい点に注意が必要です。水草を使う場合は、次のような方法で抜けにくくしておきましょう。
- ウィローモスやアヌビアスを、流木や石に活着させる(根や茎をくっつけて育てる)
- 小さな鉢に植えた状態で水槽に置く
- マツモのように植えなくても育つ水草を、浮かべたり底に沈めたりして使う
活着させた水草を流木に付けておけば、前の項目で紹介した流木の隠れ場所と組み合わせることもできます。100均の小物や水草は、それだけで隠れ家にするというより、塩ビ管や植木鉢などのメインの隠れ家に加えて、隠れる場所を増やすための補助として使うのが向いています。筒状の物を水槽に置きたくない人にとっては、水草の茂みと砂皿の組み合わせが代わりの選択肢になります。
設置した後の掃除と様子の見方

隠れ家は、置いて終わりではありません。中に汚れが溜まりやすく、ドジョウの姿も見えにくくなるので、掃除と観察の習慣をあわせて作っておくことが大切です。
隠れ家の中には、餌の食べ残しやフンが溜まりやすくなります。特に筒状の物や伏せた植木鉢は、水の流れが届きにくく、汚れがそのまま残りがちです。汚れが溜まったままだと水質が悪くなる原因にもなるので、次のような頻度を目安に手入れをしましょう。
- 毎日:給餌のときに、ドジョウの姿と数を確認する
- 週1回程度:水換えのときに隠れ家を持ち上げて、下に溜まった汚れを吸い出す
- 月1回程度:隠れ家を取り出し、水道水かカルキ抜きした水でこすり洗いする(洗剤は使わない)
毎日の確認でいちばん大事なのは、数を数えることです。隠れ家があると、中で死んでしまっていても気づかないという事故が起こることがあります。気づかないまま時間がたつと、水質が一気に悪くなって、ほかの魚まで弱ってしまうおそれがあります。餌を入れたときに出てくる個体を数え、数が足りないときは隠れ家の中をそっとのぞいてみてください。
こすり洗いには、使い古しの歯ブラシやスポンジが便利です。洗剤を使うと成分が残るおそれがあるので、水だけで洗いましょう。筒の内側は、細長いブラシを通すと汚れが落としやすくなります。素焼きの鉢は表面のすき間に汚れが入り込みやすいので、少し念入りにこするとよいですよ。
様子の見方としては、まず「昼に隠れているのは普通」ということを知っておきましょう。ドジョウは夜に活発になる魚なので、昼間に隠れ家から出てこないのは、それだけでは心配いりません。また、大阪府立環境農林水産総合研究所の図鑑では、ドジョウは酸素欠乏に極めて強く、よく水面へ上がって口から空気を吸い、腸呼吸をすると紹介されています。水面までさっと上がってまた底へ戻る動きも、ドジョウらしいふだんの行動の1つです。ただし、水面に上がる回数が急に増えたときは、酸欠や水温の上がりすぎのサインのこともあるので、水温や水の汚れを確かめてください。
一方で、次のような様子が見られるときは注意が必要です。
- 夜になっても隠れ家から出てこない
- 餌を食べない日が続く
- 体表に白い点や充血がある、ヒレに傷がある
- 隠れ家の入り口に体をこすりつけている
体の傷が見られるときは、隠れ家の角や切り口、すき間に原因がないかを疑ってみましょう。面取りが足りない部分や、割った鉢の断面の引っかかりなどがあれば、取り出して整え直します。食欲がない、出てこないといった様子が続くときは、隠れ家だけでなく水質も疑って、水換えや水質検査をしてみてください。体調の異変が続くときは、購入したショップや観賞魚に詳しい獣医師に相談するのがおすすめです。
ドジョウの隠れ家の代用についてよくある質問
色のついた塩ビ管でも使えますか?
水道用のVP管は、一般に灰色の物が多く出回っています。色で選ぶよりも、「水道用」「JIS K 6742」の表示があるかと、切り口の面取りができているかを確認しましょう。表示のない色付きの管や、表面に塗装をした管は、水道用かどうかが分からないので避けておくと安心です。
ドジョウが何匹かいる場合、隠れ家はいくつ入れればいいですか?
何匹かいる場合は、ドジョウの数より1つ多く用意するという考え方があります。隠れ家の数が足りないと、取り合いになったり、追い出される個体が出たりすることがあるからです。1つの筒に何匹かが一緒に入って落ち着いている場合もあるので、様子を見ながら数を調整してください。水槽が狭くて数を置けないときは、筒の数を増やすかわりに、水草の茂みや砂皿で隠れる場所を足す方法もあります。
隠れ家に入ったまま出てこず、姿が見られません。どうすればいいですか?
ドジョウは夜に活発になる魚なので、昼間に隠れ家にこもっているのは珍しいことではありません。姿を見たいときは、隠れ家を水槽の前面寄りに置き、入り口がガラス面の側から見える向きにしておくと、中にいる様子を確認しやすくなります。照明を消したあとの夕方以降や、給餌のときに観察するのもおすすめです。ただし、夜も出てこない、餌を食べないといった様子が続くときは、体調や水質を確認してください。
金魚やメダカ、エビと一緒に飼っている場合の注意点はありますか?
金魚やメダカ、エビなどと一緒に飼っている場合は、隠れ家を取り合うことや、エビなどが隠れ家の中に入り込むことがあります。ドジョウが隠れ家に入れずにいる様子が見られたら、隠れ家の数を増やすか、ドジョウの体に合う太さの筒を別に用意するとよいでしょう。混泳のときだけは、「太めを選ぶ」の目安より、ドジョウの体にちょうど合う太さを優先するのがポイントです。混泳相手の大きさによっては、ドジョウに合わせた太さの筒にしておくことで、大きな魚が入り込みにくくなります。
ドジョウの隠れ家を代用で用意するときのまとめ
ドジョウの隠れ家は、専用の土管がなくても、身近な物で代用できます。ポイントは、水に溶け出す物がない、角や小さな穴でケガや挟まりを起こさない、体がすっぽり入って向きを変えられる、水流や掘る動きで動かない、という4つの安全条件を満たしているかどうかです。迷ったら、水道用の塩ビ管(VP)か素焼きの植木鉢から試してみてください。
サイズは、10cm前後の成魚なら内径20〜25mm程度、小型の個体や幼魚なら13〜16mm程度、長さは体長と同じかやや長めの10〜15cm程度が目安です。太った個体や大型の雌には1サイズ上を選び、迷ったら細すぎるより太めを選ぶと安心です。反対に、金属、塗装やメッキのある物、石灰質の石や貝殻、頭だけが入る小さな穴のある物は避けておきましょう。
代用品ごとの向き不向きも整理しておきます。サイズを合わせたい人や数をそろえたい人、費用を抑えたい人には、塩ビ管などの代用品が向いています。一方で、見た目を和風に整えたい人や、加工の手間をかけたくない人、1つだけ置きたい人は、観賞魚用の陶器の土管などの専用品を買うほうが合うかもしれません。底砂に潜って十分に落ち着いている個体なら、隠れ家を急いで用意しなくてもよい場合もあります。
専用品を選ぶ場合は、観賞魚用として売られている陶器の土管が候補になります。サイズ展開があるので、この記事のサイズの目安と見比べて選んでみてください。価格や在庫は購入前に各ショップで確認しましょう。
設置したあとは、毎日の給餌で姿と数を確認し、週1回程度の水換えで隠れ家の下の汚れを吸い出し、月1回程度は取り出してこすり洗いをしましょう。この記事で紹介したサイズや頻度は一般的な目安で、ドジョウの種類や大きさ、水槽の環境によって合う形は変わります。塩ビ管などの製品の規格は、正確な情報を各メーカーの公式サイトでご確認ください。ドジョウの様子がおかしいときの最終的な判断は、購入した販売店や観賞魚に詳しい獣医師などの専門家にご相談ください。
家にある物でも、4つの条件とサイズの目安を押さえれば、ドジョウが落ち着きやすい隠れ家を用意できます。あなたの水槽のドジョウに合う形を、ぜひ探してみてくださいね。


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