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グッピー用フィルターの選び方|方式別比較と水槽サイズ別のおすすめ構成

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水草の茂った水槽を泳ぐグッピーの写真に記事タイトルを重ねた表紙画像

グッピー用フィルターのおすすめ比較|水流と水槽サイズで選ぶ

THE AQUA LAB 所長(イラスト)

こんにちは。THE AQUA LAB、運営者の所長です。

グッピー水槽のフィルターを選ぼうとして、種類の多さに手が止まっていませんか。外掛け式、上部式、外部式、底面式、スポンジ式、投げ込み式。どれも「ろ過装置」と呼ばれるのに、形も値段も置き方もまるで違います。

売り場のPOPには「ろ過能力が高い」「静音」「初心者向け」といった言葉が並びますが、そのどれがグッピーにとって大事なのかは書かれていません。だから迷って当然なんですね。

グッピーの場合、判断の軸ははっきりしています。水流が強すぎないこと、そして稚魚を吸い込まないこと。この2つを満たしたうえで、水量と飼育数に見合うろ過能力があるかを見る。順番はこの通りです。

この記事では、方式ごとの違いを表で比べたうえで、水槽サイズ別の具体的な組み合わせ、水流を弱める方法、稚魚を守るための工夫まで通しでまとめていきます。

  • グッピーのフィルター選びで最初に見るべき2つの条件
  • 方式別の水流の強さ・ろ過能力・稚魚への安全性
  • 30cm・45cm・60cm水槽それぞれのおすすめ構成
  • 水流を弱める方法と吸い込みを防ぐ工夫
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グッピーのフィルター選びは水流と吸い込みで決まる

グッピー用フィルターを選ぶ順番を、水流が強すぎないこと・稚魚を吸い込まないこと・ろ過能力の3段階の流れ図で示したスライド
フィルター選びの判断順|水流・吸い込み・ろ過能力

結論から言うと、グッピー水槽のフィルターは「水流の弱さ」と「稚魚の安全性」から選びます。ろ過能力の比較はその次です。

順番を逆にすると失敗します。ろ過能力の高い機種を選んだ結果、水流が強すぎて魚が疲れる、稚魚が吸い込まれる、という形で表面化するからです。

そもそもフィルターは3つの仕事をしています。ゴミを漉し取る物理ろ過、アンモニアを分解する生物ろ過、そして活性炭などで色や臭いを吸着する化学ろ過です。このうち水槽の安定を支えているのは生物ろ過で、ここがどれだけ働けるかが機種選びの中身になります。

まずはこの2つの条件から見ていきましょう。

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オスの尾びれは水流の影響を受けやすい

グッピーは、強い流れの中を泳ぎ続けるのが得意な魚ではありません。

もともとの生息地は中南米の川や水路の、流れの緩い場所です。急流を遡上するような生活はしていないので、体のつくりも持久的に泳ぐ方向には最適化されていません。ここが水流に敏感な理由の根っこにあります。

とくにオスは尾びれが大きく発達しているため、水の抵抗を受けやすくなっています。メーカーの飼育案内でも、オスのグッピーは尾ビレが大きく水流の影響を受けやすいので強い水流は好まない、と説明されています(出典:ジェックス グッピーの飼い方 飼育器具)。

水流が強すぎるときのサインは分かりやすいものです。水槽の隅や水草の陰にじっと留まる、流れに逆らって泳ぎ続けて休めない、尾びれが裂けたり閉じたままになったりする。こうした様子が続くようなら、まず流量を疑ってください。

体力の消耗は目に見えにくいところにも出ます。泳ぐことにエネルギーを使い続けると、成長や繁殖に回る分が減ります。品評会に出すような美しい尾を目指すなら、なおさら流れは穏やかにしておきたいところです。

逆に、水流がまったくないのも問題です。水が動かないと水面から酸素が取り込まれにくくなり、水槽の中に淀んだ場所ができます。「弱く、しかし全体が緩やかに動く」状態が理想だと考えています。

目安として使いやすいのが、水面の動き方です。さざ波が立つ程度に揺れていれば酸素の取り込みは足りていますし、渦を巻いたり水が波打ったりしていれば強すぎます。数字で測れない部分なので、見た目の基準を1つ持っておくと調整しやすくなります。

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稚魚を吸い込まない構造かを確認する

2つめが吸い込みです。グッピーを飼う以上、この視点は外せません。

生まれたばかりの稚魚は全長5mm前後しかなく、泳ぐ力もまだ弱いままです。モーターで水を吸い上げるタイプのフィルターは、この稚魚を吸い込んでしまうことがあります。

対策は決まっていて、吸い込み口にストレーナースポンジを付けることです。網目の細かいスポンジを被せるだけで、稚魚が吸い込まれる事故はほとんど防げます。

そこで確認したいのが、選ぼうとしている機種にスポンジを取り付けられるかという点です。吸い込み口の形状によっては市販のスポンジが合わないことがあります。購入前に、対応するアクセサリーがあるかを見ておくと安心でしょう。

そもそも吸い込み口を持たない方式もあります。スポンジフィルターや投げ込み式は、スポンジ自体がろ材と吸い込み口を兼ねているため、稚魚が吸われる心配がほぼありません。繁殖を前提にするなら、この点は大きな利点になります。

底面式も同じ理屈で安全です。吸い込み口が底砂の下に隠れているため、稚魚が直接触れる場所にモーターの吸引が現れません。繁殖水槽で底面式が選ばれるのは、ろ過能力だけが理由ではないわけですね。

ストレーナースポンジは物理ろ材としても働くので、目詰まりすると流量が落ちます。2週間に1回ほど、飼育水の中で軽くもみ洗いしてください。水道水で洗うとバクテリアが減るので避けましょう。

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ろ過能力は実水量と飼育数から決める

3つめが、ようやくろ過能力の話です。

製品には「適合水槽 60cm以下」といった表記がありますが、これは水を回せる能力の目安であって、何匹まで飼えるかを保証した数字ではありません。同じ60cm水槽でも、5匹しかいない水槽と25匹いる水槽では必要な処理量がまったく違います。

目安としては、適合水槽の表記に対して実際の水槽サイズがひとつ下、くらいで選ぶと余裕が生まれます。60cm水槽に「60cm用」を付けるより、「60〜75cm用」を付ける方が安心という考え方ですね。

もうひとつ効いてくるのが、ろ材を入れられる量です。生物ろ過はろ材の表面積で決まるので、ろ材の容量が大きい方式ほど処理できる量が増えます。外掛け式のカートリッジ1枚と、上部式のろ材ケース1つでは、収まる量が何倍も違います。

もうひとつ、立ち上げの時期にも触れておきます。新品のフィルターを付けた直後は、ろ材にバクテリアがまだ定着していません。この状態では処理能力がカタログ値どおりには出ないので、最初の1か月は飼育数を抑えるか、水換えの頻度を上げて支えてください。

ただし、ろ材を詰め込みすぎると水が通らなくなって逆効果です。適量の考え方は上部フィルターのろ材量をまとめた記事で扱っています。7割という目安は他の方式でも参考になるはずです。

◆所長のワンポイントアドバイス

「ろ過能力が高い=水流が強い」ではありません。外部式のように、流量を絞りながらろ材量を確保できる方式もあります。2つを分けて考えてください。

方式別フィルターの比較

それでは、実際の方式ごとに特徴を並べていきます。

見る項目は5つ。水流の強さ、ろ材の量、稚魚への安全性、設置とメンテナンスの手間、そして価格帯です。グッピーにとっての優先順位は、この並び順とほぼ同じになります。

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方式 水流 ろ材量 稚魚への安全性 手間 グッピー適性
外掛け式 中(絞れる機種あり) 少ない △ スポンジ必須 少ない ○ 30〜45cmの標準解
上部式 強め 多い △ スポンジ必須 △ 60cm+流量調整が前提
外部式 弱〜強(調整可) 非常に多い △ スポンジ必須 中〜多い ○ 60cm以上で本命
底面式 弱い 底砂全体 ◎ 吸い込み口なし 立ち上げが手間 ◎ 併用で強い
スポンジ式 弱い ◎ 吸い込まない 少ない ◎ 繁殖水槽の定番
投げ込み式 弱い 少ない ◎ 吸い込まない 少ない ○ 小型・隔離水槽向き

評価はあくまで一般的な傾向です。同じ方式でも機種によって流量やろ材量は変わるので、購入前に仕様を確認してください。

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外掛け式は手軽だがろ材量が少ない

外掛け式は、水槽のフチに引っ掛けて使うタイプです。

水槽の外に本体があるぶん、中の様子が見やすいのも地味な利点です。ろ材の汚れ具合が上から確認できるので、掃除のタイミングを判断しやすくなります。

いちばんの利点は手軽さでしょう。設置が数分で終わり、価格も抑えめ。水槽の中に本体が入らないので、泳ぐスペースを圧迫しません。初めての1台としては選びやすい方式です。

グッピー向けに見ると、流量調整ダイヤルが付いている機種を選ぶのがポイントになります。ダイヤルがあれば、魚の様子を見ながら流れを弱められるからです。

弱点はろ材の量です。多くの機種は交換式のカートリッジ1枚で、生物ろ過を担う面積が限られます。飼育数が増えてくると処理が追いつかなくなることがあるため、45cmくらいまでが扱いやすい範囲だと考えています。

もうひとつ気をつけたいのが、水位が下がったときの動作です。外掛け式は水面から水を吸い上げる構造なので、蒸発で水位が下がると空回りして異音がしたり、止まってしまったりします。夏場は水位の確認を習慣にしておくと安心でしょう。

カートリッジを定期交換すると、そこに住み着いたバクテリアも一緒に捨てることになります。これを避けるため、カートリッジの代わりにリング状のろ材を入れて使う人も多いですね。

流量調整ダイヤルが付いた外掛け式なら、設置後に魚の様子を見ながら流れを弱められます。45cmくらいまでの水槽で最初の1台を選ぶなら、まずここから検討するとよいでしょう。適合水槽や付属品は変更されることがあるので、購入前に販売ページでご確認ください。


具体的な機種の使い勝手はテトラ オートワンタッチフィルターAT-30の記事で詳しく見ています。

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上部式はろ過力が高く水流が強い

上部式は、水槽の上に乗せる箱型のフィルターです。

設置には水槽のフタとの兼ね合いも出てきます。上部式は水槽の上面を占有するので、照明の置き場所や給餌の動線が変わります。購入前に上のスペースを測っておいてください。

ろ材ケースが大きく、外掛け式に比べて生物ろ過の余力が段違いに大きくなります。60cm規格水槽のセット品に付いてくることが多いのも、この安定感が理由でしょう。

ただしグッピーには注意点があります。水を上から落とす構造なので、水面が強くかき混ぜられて流れが生まれやすいのです。オスの尾びれには負担になることがあります。

対策としては、排水部にシャワーパイプを使う、水位を上げて落差を減らす、といった方法があります。それでも流れが気になるなら、方式そのものを変える判断も要るでしょう。

また上部式は、ろ材を詰めすぎると水が偏って流れる「ショートカット」が起きます。適量は容器の7割程度と考えてください。メンテナンス頻度についてはフィルター掃除の頻度をまとめた記事が参考になります。

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外部式は静かで水流を絞りやすい

外部式は、水槽の外(多くは水槽台の中)に置く密閉式のフィルターです。

ろ材容量が最も大きく、静音性にも優れます。給水と排水がホースなので、排水側にシャワーパイプを付けたり、向きを変えたりして流れを細かく調整できるのも強みです。

グッピー向けとしては、60cm以上で本格的に飼うなら本命になる方式でしょう。ろ過に余裕があるぶん飼育数の幅が広がりますし、水流も絞れます。

一方でデメリットもあります。本体価格が高いこと、設置に場所を取ること、そして掃除に手間がかかることです。ホースを外して本体を開ける作業は、外掛け式のようにさっとは済みません。

密閉式なので水面が動きにくく、酸素の取り込みが弱くなる点も覚えておいてください。夏場や過密ぎみの水槽では、エアレーションの併用を検討する場面が出てきます。

設置の面では、本体を水槽より低い位置に置く必要があります。水槽台の中に収まるかどうかを、購入前に高さと奥行きで確認しておいてください。ホースの取り回しにも数センチの余裕が要ります。

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底面式は底砂全体をろ材にする

底面式は、底砂の下に板を敷いて、砂全体をろ材として使う方式です。

グッピーとの相性という点では、実はかなり優秀です。吸い込み口が底砂の下にあるので稚魚が吸われませんし、水流も穏やか。そして底砂全体が生物ろ過の場になるため、処理能力は見た目以上に高くなります。

水流の穏やかさも見逃せません。底砂全体からゆっくり水を引くので、特定の場所に強い流れが集中しないのです。オスの尾びれにとっては理想に近い環境と言えるでしょう。

価格が安いのも魅力でしょう。本体は千円台から手に入り、動かすのはエアポンプか小型のパワーヘッドだけで済みます。

ただし弱点もあります。立ち上げ時に底砂を全部どけて設置する必要があるので、あとから追加するのが難しいこと。そして底砂に汚れが溜まるため、定期的にプロホースで吸い出す作業が要ることです。

もうひとつの注意点は、底砂の種類です。粒が細かすぎると目詰まりしやすく、大きすぎると隙間から汚れが落ちて溜まります。一般的には粒径2〜5mm程度の砂利が扱いやすいとされています。ソイルは崩れて詰まる原因になるため、底面式との併用は避けた方が無難でしょう。

掃除のやり方は底面フィルターの掃除手順をまとめた記事にあります。目詰まりさせなければ長く安定するので、最初の設置さえ乗り越えれば管理は楽な方式です。

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スポンジ式・投げ込み式は稚魚向き

外掛け式・上部式・外部式・底面式・スポンジ式・投げ込み式の6方式を、水流の強さとろ材量、稚魚への安全性、手間で比較した表のスライド
方式別フィルター比較表|水流・ろ材量・稚魚への安全性

スポンジフィルターと投げ込み式は、エアポンプの気泡で水を動かすタイプです。

この2つの最大の利点は、稚魚が吸い込まれないことです。スポンジそのものが吸い込み口になっているため、細かい網目が稚魚を通しません。繁殖用の水槽や隔離ケースで定番になっているのはこのためですね。

水流も穏やかです。気泡が上がる勢いだけで水を回すので、モーター式のような強い流れは生まれません。オスの尾びれにも優しい方式と言えます。

コストの安さも利点です。本体は数百円から千円台で手に入り、必要なのはエアポンプとチューブだけ。予備をひとつ買って別の水槽で回しておけば、いざというときの種フィルターにもなります。

弱点は、ろ材量が中程度にとどまることと、エアポンプの動作音がすることです。寝室に置く水槽では、ポンプの置き場所を工夫する必要があるかもしれません。

投げ込み式は、ろ材の交換で使うタイプが多くなります。カートリッジごと替えるとバクテリアも失うので、交換のときは古いろ材の一部を新しいものに添えて入れておくと立ち上がりが速くなります。

スポンジが2つ付いたタイプなら、片方ずつ洗うことでバクテリアを保ちながら掃除できます。

繁殖を前提にするなら、スポンジ式は最初から用意しておく価値があります。稚魚が吸い込まれず、水流も穏やか。エアポンプとチューブは別売りのことが多いので、あわせて確認してください。


具体的な機種の使い方はテトラ ツインブリラントフィルターの記事で整理しています。

水槽サイズ別のおすすめ構成

方式が分かったところで、実際の組み合わせに落としていきます。

ここでは水槽サイズと目的(繁殖させるかどうか)で分けて考えます。同じ45cm水槽でも、増やす前提かどうかで最適解は変わるからです。

繁殖させない場合はろ過能力と手軽さを優先できますが、繁殖させる場合は吸い込み対策が最優先になります。この違いが、同じサイズでも答えを変えるわけですね。

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水槽 繁殖させない場合 繁殖させる場合 ひとこと
30cm以下 小型外掛け式 スポンジ式または投げ込み式 水量が小さいので流量は最弱から
45cm 外掛け式(流量調整付き) 外掛け式+ストレーナースポンジ 底面式の併用も相性がよい
60cm 上部式または外部式 外部式+スポンジ、または底面併用 流量を絞れる方式を選ぶ
隔離ケース・稚魚水槽 スポンジ式一択 吸い込みの心配がない

あくまで一般的な組み合わせの目安です。飼育数や水草の量、置き場所によって適解は変わるので、水質を測りながら調整していきましょう。

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30cm水槽はスポンジ式か小型外掛け

30cm水槽では、まず流量の最弱値に注目してください。

水量が10L前後しかないため、大きめの機種を付けると水槽全体が渦を巻くことになります。「適合水槽 45cmまで」の機種を30cm水槽で使うと、たいてい流れが強すぎます。

繁殖させないオス単独の水槽なら、小型の外掛け式が扱いやすいでしょう。設置が簡単で、掃除も数分で終わります。

ペアで飼って稚魚を残したいなら、スポンジフィルターか投げ込み式が向いています。吸い込みの心配がなく、水流も穏やかだからです。

どちらを選ぶにしても、30cm水槽は水量が小さいぶん水質が振れやすくなります。フィルターに頼りきらず、水換えの頻度で支える意識を持っておいてください。

スペースの問題もあります。30cm水槽に大きな投げ込み式を入れると、それだけで泳ぐ範囲が削られます。水槽の中に本体が入る方式を選ぶときは、占有する体積も見ておくとよいでしょう。

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45〜60cm水槽は外掛けと底面の併用が扱いやすい

45cm以上になると、選択肢が一気に広がります。

選び方の考え方も変わってきます。30cm以下では「弱い流量の機種を探す」でしたが、45cm以上では「能力のある機種を選んで流量を絞る」という発想に切り替えられます。調整の余地がある方が、飼育数の変化にも対応しやすいからです。

おすすめの構成のひとつが、外掛け式と底面式の併用です。底面式で底砂全体を生物ろ過の場にしつつ、外掛け式で物理ろ過とゴミ取りを担当させる形ですね。

費用の面でも無理がありません。底面式の本体は千円台、外掛け式も数千円で揃うので、外部式1台を買うより安く上がることが多いはずです。

この組み合わせが優れているのは、ろ過能力を上げながら水流を強くせずに済む点です。底面式は流れが穏やかなので、全体の流量を抑えたまま処理量だけを増やせます。

60cm規格で本格的に飼うなら、外部式も有力です。ろ材容量が大きく、排水側で流れを細かく調整できます。ただし密閉式で水面が動きにくいので、夏場はエアレーションを足すことを考えてください。

上部式は60cmセット品によく付いてきますが、そのまま使うと流れが強めです。シャワーパイプを使うか水位を上げるかで、落差を減らす工夫をおすすめします。

迷ったときの無難な答えは「45cmまでは流量調整付きの外掛け式+ストレーナースポンジ、60cmは外部式または底面併用」です。どちらも水流を落とせるので、あとから微調整が効きます。

水流を弱める方法と設置の工夫

フィルターを設置したあと、実際に流れが強かったときの対処を知っておくと安心です。

買い替える前に試せる方法がいくつかあります。順番に見ていきましょう。

前提として、水流の強さは「流量」だけで決まるわけではありません。同じ流量でも、水槽が小さければ相対的に速く、吐出口が水面近くにあれば波立ちが大きくなります。だから調整は数値ではなく、魚の様子を見ながら進めることになります。

ひとつめが、流量調整ダイヤルを絞ることです。付いている機種なら、これがいちばん簡単で確実な方法になります。ただし絞りすぎるとろ過効率も落ちるので、魚が落ち着く範囲で最小限にとどめてください。

ダイヤルが付いていない機種でも、あきらめる必要はありません。次の方法でかなり改善できます。

ふたつめが、吐出口の向きを変えることです。水面に向けて斜めに出す、ガラス面に当てて流れを散らす、といった調整で体感の流速は大きく変わります。ガラス面に当てる方法は、水面が適度に動くので酸素の取り込みも保てます。

みっつめが、流れを物理的に受け止めることです。吐出口の前に水草を配置する、スポンジを噛ませる、市販の拡散パーツを付ける。いずれも手軽に試せます。

逆に避けたいのは、吐出口をタオルや布で塞ぐような方法です。モーターに負荷がかかり、故障や過熱の原因になります。改造ではなく、付属の調整機能か市販パーツで対応してください。

流量を絞ったあとは、必ずアンモニアと亜硝酸を測ってください。ろ過が追いつかなくなっていないかの確認です。数値が出るようなら、流量を戻して別の方法で流れを散らす方が安全です。

稚魚を守るフィルター側の工夫

最後に、繁殖を考えている水槽で必ずやっておきたいことをまとめます。

稚魚が生まれてから慌てるより、生まれる前に済ませておく方がずっと簡単です。

ストレーナースポンジは必須装備

フィルターの吸い込み口に装着したストレーナースポンジの写真と、事前装着とメンテナンスの注意点を並べたスライド
稚魚を守るストレーナースポンジの装着と手入れ

モーター式のフィルターを使うなら、吸い込み口へのスポンジ装着は必須と考えてください。

数百円のパーツですが、これがあるかないかで稚魚の生存率は大きく変わります。取り付けも差し込むだけなので、迷う要素がありません。

選ぶときは、吸い込み口の直径に合うかを確認します。汎用品は内径が数種類あるので、フィルターの型番と合わせて選んでください。

取り付ける時期は、稚魚が生まれる前です。メスのお腹が大きくなってきたら、その時点で装着しておきましょう。生まれてから慌てて付けようとすると、フィルターを一時停止することになり、ろ過にも負担がかかります。

数百円で用意できる保険なので、モーター式のフィルターを使っているなら1つ持っておくと安心です。吸い込み口の直径に合うサイズを選ぶ点だけ、購入前に確認してください。

付けたあとの注意点は2つ。目詰まりで流量が落ちるので定期的に洗うこと、そして洗うときは飼育水を使うことです。水道水で洗うと塩素でバクテリアが減り、ろ過が一時的に弱まってしまいます。

なお、スポンジがあっても生まれたての稚魚が壁面に吸い付いてしまうことはあります。水草の茂みなど、フィルターから離れた逃げ場も併せて用意しておくと安心でしょう。隠れ家の作り方はグッピーの共食い対策の記事にまとめてあります。

グッピー用フィルターに関するよくある質問(FAQ)

グッピーはフィルターなしでも飼えますか?

条件を絞れば成立しますが、難易度は上がります。水量に対して匹数を極端に少なくし、水換えの頻度を大きく上げる必要があるからです。

フィルターがないと生物ろ過の場が底砂と水草だけになり、アンモニアの処理が追いつきにくくなります。とくに繁殖して数が増える水槽では現実的ではありません。省スペースを優先するなら、投げ込み式やスポンジ式のような小型のものを1つ入れておく方が確実でしょう。

フィルターは24時間つけっぱなしですか?

はい、常時運転が基本です。止めるとろ材への水の流れが途絶え、生物ろ過を担うバクテリアが酸素不足で減ってしまいます。

数時間止めただけでもバクテリアには影響が出ることがあります。夜間の音が気になる場合は、運転を止めるのではなく、静かな方式へ替えるかポンプの設置場所を工夫してください。停電などで長時間止まったときは、再稼働の前にろ材のにおいを確認し、異臭がするなら飼育水で軽くすすいでから戻す方が安全です。

フィルターを2つ付けても大丈夫ですか?

問題ありません。むしろ底面式とモーター式の併用のように、意図して組み合わせる構成もあります。

気をつけるのは水流の合計です。それぞれは弱くても、2つ合わさると想定より強い流れになることがあります。設置後は魚の泳ぎ方を観察して、隅に留まる個体が出ていないか確認してください。なお掃除の時期をずらせば、バクテリアを減らしすぎずに管理できるという利点も生まれます。

フィルターの掃除はどのくらいの頻度ですか?

流量が落ちてきたら、というのがいちばん実用的な判断基準です。カレンダーで決めるより、目に見える変化で判断する方が理にかなっています。

目安としては、ストレーナースポンジや物理ろ材は2週間から1か月に1回、生物ろ材は数か月に1回。生物ろ材は洗いすぎるとバクテリアを落としてしまうので、飼育水で軽くすすぐ程度にとどめてください。全部を同時に洗わず、時期をずらすのがコツです。

水流が弱すぎることによる問題はありますか?

あります。水が動かないと水面から酸素が取り込まれにくくなり、水槽内に淀んだ場所ができます。

とくに夏場の高水温時は、水に溶ける酸素の量そのものが減るので影響が出やすくなります。水面がまったく揺れていない状態は避け、緩やかでも全体が循環する程度は保ってください。判断に迷ったら、水面に浮かべた餌がゆっくり移動する程度を目安にするとよいでしょう。

まとめ|グッピーのフィルターは弱い水流から選ぶ

グッピー用フィルターの選び方は、水流の弱さと稚魚の安全性から始まります。ろ過能力の比較はその次、という順番を守ると失敗が減ります。

方式別に見ると、水流の穏やかさではスポンジ式・投げ込み式・底面式が優れ、ろ材量では外部式と上部式が有利でした。手軽さで選ぶなら外掛け式が入口になるでしょう。

水槽サイズ別では、30cm以下はスポンジ式か小型の外掛け式、45cmは流量調整付きの外掛け式、60cmは外部式または底面併用が扱いやすい構成でしょう。繁殖させるかどうかで答えが変わる点も押さえておいてください。

水流が強かったときは、流量ダイヤルを絞る、吐出口の向きを変える、水草や拡散パーツで受け止める、の順に試します。吐出口を布で塞ぐような方法はモーターに負荷がかかるので避けてください。

そして繁殖を考えているなら、ストレーナースポンジは必須装備だと考えてください。数百円のパーツで稚魚の生存率が大きく変わってきます。

水槽の立ち上げから用品選びまで一通り確認したい方は、グッピーの飼い方ガイドもあわせて読んでみてください。フィルターは一度決めると変えにくい部分なので、最初に納得して選んでおくと後が楽になります。

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