グッピー通販のおすすめは?価格相場と健康な個体の見分け方
グッピーを飼おうと決めて、いざ買う段になると急に迷いが増えます。近所のショップには数種類しか置いていない。通販なら品種は選べそうだけれど、生き物を宅配便で送って本当に大丈夫なのか。値段も1ペア数百円から数千円までばらばらで、何を基準に選べばいいのか分からない。そんな状態でこのページにたどり着いた方が多いのではないでしょうか。
先に結論をお伝えします。グッピーの通販で優先すべきは価格ではありません。個体写真・管理状態・発送日・死着保証、この4点です。ここさえ押さえておけば、多少高い店を選んでも結果的に安く済みます。
逆に、この4点を見ずに最安値だけで決めると、届いた翌週に全滅して買い直すことになりかねません。そうなれば支払う総額は倍以上ですし、何より魚に無理をさせてしまいます。
意外に思われるかもしれませんが、観賞魚は動物愛護管理法の対象外です。犬や猫をネットだけで買えないのは、同法が販売前の現物確認と対面説明を義務づけているからですが、魚類にはその縛りがありません。グッピーの通販が広く成立しているのはそのためです。裏を返すと、買い手を守る仕組みが法律の側には用意されていない、ということでもあります。だからこそ店を見る目を自分で持っておきたいところです。
この記事では、販売店の種類から値段の相場、通販ページのどこを読むか、届いた個体をどう迎えるかまでを順に整理していきます。
- グッピーを買える場所ごとの強みと限界
- ペア販売や品種で変わる値段の相場
- 通販ページで必ず読むべき4つの項目
- 届いたグッピーを落とさずに迎える手順
グッピーはどこで買える?販売店の種類
グッピーの入手先は、大きく4つに分かれます。熱帯魚専門店、ホームセンターや量販店のペットコーナー、通信販売、そして個人間のやり取り(オークションやフリマアプリ、ブリーダーからの直接譲渡)です。
この4つは「値段が違う」だけではありません。何が守られていて、何が守られていないかがはっきり違います。ここを混同したまま安さで選ぶと、あとで困るのはたいてい魚のほうです。まずはそれぞれの性格を押さえておきましょう。
実店舗と通販でそれぞれ守られるもの
実店舗の最大の強みは、自分の目で個体を見られることに尽きます。尾ビレがきれいに開いているか、泳ぎ方がふらついていないか、他の魚に追い回されていないか。水槽の水そのものも見えますから、店の管理レベルまで含めて判断できます。
加えて、買ってから家に着くまでの時間が短い点も見逃せません。輸送はグッピーにとって最大級のストレスですので、これが30分で済むか24時間かかるかは、その後の生存率に直結します。
一方で実店舗には限界もあります。品揃えは店の在庫次第で、欲しい品種があるかどうかは運です。そもそも近所に熱帯魚を扱う店がなければ、選択肢にすらなりません。
通販の強みは、この裏返しです。品種を指定して買えますし、地方の優れたブリーダーからも取り寄せられます。国内の産地は各地に散らばっていますから、住んでいる場所に関係なく選べるのは大きな利点でしょう。
限界は、実物を見られないことと、輸送に24〜48時間かかることです。到着時刻を細かく指定できない店もあります。この2つをどう埋めるかが、通販で失敗しないための工夫のすべてと言ってもいいくらいです。
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| 項目 | 実店舗 | 通販 | 個人間取引 |
|---|---|---|---|
| 個体の確認 | 自分の目で直接 | 写真・説明文のみ | 写真・説明文のみ |
| 輸送時間 | 数十分〜数時間 | おおむね24〜48時間 | おおむね24〜48時間 |
| 品種の選択肢 | 在庫次第 | 広い | 広いが不安定 |
| 死着時の補償 | 店ごとに対応が異なる | 保証を明記する店が多い | 出品者次第・無保証もある |
| 質問のしやすさ | その場で聞ける | メール・問い合わせ欄 | 取引メッセージ |
| 価格の傾向 | 中〜高 | 低〜高(幅が広い) | 低〜高(変動が大きい) |
個人間取引については、安く手に入る一方でトラブル時の後ろ盾がほとんどありません。梱包の技術も出品者によって差が出ます。最初の1ペアを迎える段階では、避けておいたほうが無難だと考えています。
グッピー専門店と総合ショップの違い
同じ「通販」でも、グッピーを主力に扱う専門店と、水草も器具も生体もひととおり扱う総合ショップとでは、商品ページの書き方からして違います。
専門店は、品種名を正式名称で書きます。「ブルーグラス」「ドイツイエロータキシード」といった品種名に加えて、国産か外国産か、累代(何代自家繁殖を重ねたか)まで明記している店もあります。血統を管理していることの表明ですから、届く個体の柄が写真と大きく外れる可能性は低くなります。
総合ショップは「グッピー」「ミックスグッピー」とだけ書かれていることがあります。これは品種を特定しない販売で、届く柄はその時の在庫次第です。安さの理由はここにあります。柄にこだわらず、まずは飼ってみたいという方には合理的な選択肢でもあります。
どちらが良い悪いという話ではなく、目的に合っているかどうかです。同じ考え方は他の魚種でも通用しますので、専門店の見方をもう少し詳しく知りたい方はベタ専門店の選び方をまとめた記事も参考になるはずです。質問リストの作り方は魚種を問わず使えます。
グッピーには「国産」と「外国産」という区分があります。国産は日本国内で累代繁殖された個体で、日本の水道水に近い水質で育っているぶん立ち上がりが安定しやすい傾向があります。外国産は主に東南アジアからの輸入個体で、価格は安いものの、輸入直後は体力を落としていることがあります。
問題は、この2つを同じ水槽で混ぜたときです。互いが持っている菌やウイルスの構成が違うため、片方には無害でももう片方には重い症状が出ることがあります。詳しくは丹頂グッピーの記事で国産と混ぜてはいけない理由を整理していますので、買う前に目を通しておくと安心です。
グッピーの値段の相場と内訳

グッピーの価格は、1匹200円ほどから1ペア数千円まで、じつに10倍以上の幅があります。この幅は品質のばらつきではなく、そもそも売られている「単位」と「中身」が違うことから生まれています。
ここを理解しておかないと、金額だけを並べて比較して、まったく別のものを比べていた、ということが起きます。相場の内訳から見ていきましょう。
ペア販売という単位と価格帯
グッピーは「ペア」で売られることが多い魚です。ペアとはオス1匹とメス1匹の組み合わせを指します。ネオンテトラやコリドラスが1匹単位、あるいは10匹セットで売られるのとは、売り方の考え方が違います。
理由はグッピーが卵胎生だからです。卵ではなく、腹の中である程度育った稚魚を産みます。飼い始めればほぼ確実に増えていきますから、繁殖を前提とした最小単位=ペアで流通しているわけです。
相場としては、国産グッピーの1ペアがおおむね1,700円〜2,400円あたりに集まっています。あるオークション形式の取引データでは平均落札価格が2,100円台という数字も見られますので、この帯がひとつの目安になるでしょう。外国産のミックスグッピーであれば、1匹200円〜400円程度から見つかります。
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| 販売単位 | 内訳 | 価格帯の目安 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 1匹(単品) | オスまたはメス1匹 | 200円〜1,500円程度 | 柄を楽しみたい・増やさない |
| ペア | オス1・メス1 | 1,700円〜2,400円程度 | 標準的な始め方 |
| トリオ | オス1・メス2など | 2,500円〜4,000円程度 | 繁殖を計画的に進めたい |
| ミックス複数匹 | 品種指定なし・数匹〜 | 1匹あたり200円〜400円程度 | まず飼ってみたい |
金額はあくまで一般的な目安で、品種や時期、店舗によって変わります。正確な価格は各販売店の商品ページをご確認ください。
注意しておきたいのは、「ペア」と書かれていても中身が想定と違うことがある点です。オス2匹メス1匹のトリオを「ペア」と表記する店もありますし、若魚は性別がまだ確定していないため「ペアになる見込み」として売られることもあります。届いてからオス2匹だった、という行き違いを避けるには、購入前に内訳を確認しておくのが確実です。
品種と血統で値段が変わる理由
同じグッピーでも品種によって値段が変わるのは、柄の固定率が違うからです。
固定率とは、親の柄がどれだけ子に受け継がれるかの安定度を指します。累代を重ねて選別を続けた血統ほど、子の柄が親に近く揃います。この選別には年単位の時間と、選から漏れた個体を抱える手間がかかりますので、その分が価格に乗ります。
目安としては、ブルーグラスが1ペア2,000円前後、オレンジグラス系が3,000円前後、モスコーブルー系が3,500円前後といったところです。青の濃さで評価が変わる品種の考え方はモスコーブルーの解説記事で詳しく触れています。
では逆に、相場より極端に安い個体では何が起きているのでしょうか。理由はいくつか考えられます。輸入直後で体力が落ちている、過密な状態で輸送されてきた、まだ幼くて柄が出きっていない、あるいは選別から外れた個体をまとめて出している。いずれも「安いには安いなりの背景がある」ということです。
安さそのものが悪いわけではありません。問題は、その安さの理由が商品ページに書かれていないときです。
相場の半額以下なのに、産地も累代も入荷時期も書かれていない出品は、価格の根拠が確認できません。安く買ったつもりが病気を持ち込み、先住の魚まで巻き込むこともあります。理由が書かれている安さ(在庫調整・サイズが小さい・柄にばらつきがある等)なら納得して選べますので、そこを判断の分かれ目にすると迷いにくくなります。
グッピー通販で失敗しない確認点
ここからが本題です。通販の商品ページには情報がたくさん並んでいますが、実際に生死を分けるのはごく限られた項目に絞られます。
優先順に、死着保証・発送日・個体写真と管理状態の3つを見ていきます。価格の比較はこの3つを通過した店の中だけでやれば十分です。
死着保証は条件まで読む

死着保証とは、輸送中に生体が死んでしまった場合に、代替品の発送や返金を受けられる仕組みのことです。生体通販ではほぼ標準になっていますが、大事なのは「あるかないか」ではなくどんな条件がついているかです。
条件は店ごとにまったく違います。たとえば大手のチャームでは、到着後24時間以内に注文番号と死着した生体名・匹数を連絡し、なおかつ生体袋を開封する前に撮った画像を提出することが保証の要件になっています。開封後に撮った画像は保証の対象外です(出典:チャーム 生体死着保証内容)。
より厳しい条件を設けている店もあります。開封の瞬間から動画を撮影し、到着から4時間以内に提出することを求める店舗も実在します。
ここから導かれる実務的な結論はひとつです。箱を開ける前に、スマホのカメラを構えておく。これに尽きます。開けてしまってから「あ、死んでいる」と気づいて撮った写真では、条件を満たせない店が多いのです。
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| 確認する軸 | 店による違いの例 | 読み落とすとどうなるか |
|---|---|---|
| 連絡期限 | 到着後4時間/24時間など | 期限を過ぎて補償を受けられない |
| 証拠の形式 | 静止画のみ/動画必須 | 写真しか撮っておらず要件を満たせない |
| 撮影のタイミング | 袋の開封前が必須という店が多い | 開封後の画像では対象外になる |
| 補償の中身 | 再送/返金/ポイント返還 | 期待していた形と違う |
| 対象外の条件 | 日時指定なし・再配達・離島など | そもそも保証が適用されない |
| 適用の範囲 | 全滅時のみ/1匹から対応 | 数匹の死着が補償されない |
とくに見落とされやすいのが、最後の2行です。配達日時を指定せずに注文した場合や、不在で再配達になった場合を保証の対象外とする規定は珍しくありません。届く日に在宅していることが、そのまま保証を有効にする条件になっているわけです。
同じ考え方は他の魚種の通販でも共通しています。保証条件の読み方をもう少し具体的に知りたい方は、メダカ稚魚の通販で失敗しないための記事もあわせてどうぞ。サイズと保証の関係を整理しています。
発送日と季節の選び方
グッピーの通販でもうひとつ大きいのが、いつ届くように注文するかです。
危険なのは真夏と真冬です。夏場は配送中の荷室が高温になり、水温が上がりすぎることがあります。冬場は逆で、外気が氷点下に近づく地域では袋の水が冷え込みます。どちらも保温材や保冷剤で対策されますが、極端な気温の日はそもそも発送を止める店もあるほどです。
グッピーが快適に過ごせる水温の範囲は限られています。到着後にどの温度帯へ入れるべきかはグッピーの適温をまとめた記事で確認しておくと、受け入れの準備がしやすくなります。
配送地域による差も無視できません。北海道・九州・沖縄へは航空便が使われることが多く、輸送時間そのものは短くなる一方で、保温の仕様が本州向けと変わります。離島については、そもそも生体の発送を受け付けていない店舗もあります。注文前に配送可能地域を確認しておきましょう。
届く荷物の中身も知っておくと安心です。生体は発泡スチロールの箱に入れられ、袋の中には水と一緒に酸素が充填されています。空気ではなく酸素を詰めることで、輸送中の呼吸に必要な量を確保しているわけです。季節によってはここに使い捨てカイロや保冷剤が同梱され、箱の内側で温度が急変しないよう調整されます。
袋が新聞紙などで包まれていることもあります。これは緩衝材ではなく、暗くして魚を落ち着かせるためです。暗い環境では活動量が下がり、酸素の消費と排泄が減るため、袋の中の水質が保たれやすくなります。梱包の丁寧さは店の姿勢がそのまま出る部分ですので、受け取ったときに確かめてみてください。
届く日を選ぶのと同じくらい、迎える側の水温を把握しておくことも大切です。水温計が水槽に無いなら、まずはここから揃えておきましょう。到着した袋の水と自分の水槽との差が数字で見えるだけで、水合わせにどのくらい時間をかけるべきかの見当がつきます。
注文するなら、自分が確実に家にいる日を着日に指定するのが基本です。受け取りが半日ずれるだけで状況は大きく変わりますし、再配達になれば保証の対象外になる店もあります。連休の前日や、天候が荒れそうな日をまたぐ注文も避けておくと安全です。
個体写真と管理状態の見方
商品ページの写真には、実際に届く個体を写した「現物写真」と、その品種の代表例を示した「イメージ写真」の2種類があります。
現物写真を掲載している店は、届く個体の柄がそのまま確認できます。1ペアごとに写真を撮る手間をかけているわけですから、それだけで管理の丁寧さがうかがえます。イメージ写真の場合は、同じ品種でも柄の出方に個体差が出ることを前提にして選ぶことになります。
写真から健康状態を読むときは、見る場所を絞ると判断しやすくなります。
- 尾ビレが扇のように開いていて、裂けや溶けがない
- 背ビレが立っていて、たたんだままになっていない
- 体色が濃く出ていて、白っぽくぼやけていない
- 腹が不自然にへこんでいない(痩せていない)
- 体表に白い点や綿のようなものが付いていない
気になる症状のうち、グッピーで特に注意したいのが胸ビレの曇りです。通称グッピーエイズと呼ばれる状態の初期サインとして知られており、輸送や環境の変化で体力が落ちたときに表面化することがあります。胸ビレの曇りから始まる症状と隔離の手順を先に読んでおくと、届いた直後の観察で見落としが減ります。
写真と並んで大切なのが、管理状態の記載です。飼育水温、pH、与えている餌、累代の情報。これらが書かれている店は、自分の水槽との差を事前に埋められます。
とくに水質は要注意です。グッピーはもともと弱アルカリ性から中性の水を好むとされますが、実際に管理されている水は店によって違います。東南アジアの養殖場から届く外国産は弱アルカリ性に慣れている個体が多い一方、国内で累代された個体は中性から弱酸性寄りで飼われていることもあります。産地のイメージだけで決めつけず、その店が何を基準に管理しているかを確かめるほうが確実です。
商品ページに書かれていない情報は、問い合わせて聞けます。返信の速さと丁寧さは、そのままトラブル時の対応力を映します。聞いておくと役に立つのは次のあたりです。
- 飼育水の水温とpHはどのくらいか
- 入荷または繁殖からどのくらい経った個体か
- 国産か外国産か、累代は何代目か
- 発送時の保温・保冷はどう対応しているか
答えが返ってこない店や、要領を得ない返信しか来ない店は、届いたあとの相談先としても頼りにくいと考えられます。
届いたグッピーを迎える手順
無事に箱が届いたら、ここからが本番です。通販で落とすケースの多くは、輸送そのものではなく到着後の数十分から数日に集中します。
やることは決まっていますので、届く前に段取りを頭に入れておきましょう。順番を間違えると、保証を受けられなくなったり、せっかく無事に着いた個体を落としたりします。
特に最初の数十分は、水温と水質を段階的に近づける時間です。ここを急ぐと、輸送を乗り切った魚がかえって家で調子を崩します。
開封から水合わせまでの流れ

手順は次のとおりです。急がず、順番どおりに進めてください。
- 受け取ったら、まずスマホを用意します。箱を開ける前に撮影の準備を整えます
- 箱を開け、袋を取り出した状態で写真または動画を撮ります。死着が疑われる個体がいれば、袋を開けないまま撮影します
- 袋のまま水槽の水面に20〜30分浮かべ、水温を近づけます
- 点滴法で水質を合わせます。エアチューブにコックを付け、水槽の水を1秒に1〜2滴のペースで袋へ落とします
- 袋の水量が2〜3倍になったら完了です。所要はおおむね1〜2時間です
- 魚だけをネットですくって水槽へ移します。袋の水は入れません
- 照明を消して静かにします。到着当日は餌を与えません
点滴法が難しければ、袋の水にコップ1杯ずつ水槽の水を足していく簡易な方法でも構いません。その場合は30分から1時間ほどかけ、7〜8割が水槽の水に入れ替わった状態を目指します。グッピーは比較的丈夫ですので、簡易な方法でも丁寧にやれば十分に対応できます。
点滴法そのものは、エアチューブとコックがあれば実行できます。ただ、太さの合うチューブを単品で探し回るより、必要なものがひととおり入ったキットを用意しておくほうが早く済みます。魚が届いてから慌てないよう、注文と同時にそろえておきたい道具です。
ただし、時間をかけすぎるのも考えものです。袋の中の水にはすでにアンモニアが溜まっていて、開封して酸素が入ると水質が急に悪化することが知られています。ゆっくりやるほど安全というわけではなく、1〜2時間を上限に区切るのが現実的です。
袋の水を水槽に入れない理由も同じところにあります。輸送中の排泄物と、店の水に含まれていた菌がそのまま入ってしまうためです。手間ではありますが、魚だけを移してください。
最初の1週間で見るところ
導入した直後のグッピーは、見た目が元気そうでも内部では体力を消耗しています。最初の1週間は、餌よりも観察を優先しましょう。
餌は初日は与えず、2日目から通常の半分程度で始めます。食べ残しは水を汚し、弱った個体にとっては水質悪化のほうが脅威になります。3〜4日かけて普段の量へ戻していけば十分です。
もうひとつ、餌を食べないという相談は導入直後にとても多く寄せられます。原因が体調とは限りません。店で与えられていた餌と種類が違うだけ、ということがよくあるのです。粒状の餌に慣れた個体がフレークを認識しなかったり、その逆だったりします。購入前に何を与えていたかを聞いておけば、この行き違いは避けられます。
観察するのは、泳ぎ方・ヒレの開き・呼吸の速さ・体表の3点セットです。底に沈んだまま動かない、エラの動きが極端に速い、体をこすりつけるような仕草をする。こうした変化は、水質が合っていないか、病気が出はじめているサインとして知られています。
白点病のように、輸送のストレスから数日遅れて症状が表面化するものもあります。到着直後に問題がなかったからといって安心せず、1週間ほどは毎日見るようにしてください。可能であれば、本水槽とは別の小さな容器で1〜2週間ようすを見る「トリートメント」を挟むと、先住の魚を守れます。
迎えたメスが妊娠していることがある
グッピーの通販ならではの話をひとつ。届いたメスが、すでに妊娠していることが珍しくありません。
グッピーは卵胎生で、メスは体内で稚魚を育ててから産みます。そのうえメスにはオスから受け取った精子を体内に蓄えておく仕組みがあり、一度の交尾で複数回にわたって出産できます。販売用の水槽ではオスとメスが同居していますから、購入した時点で受精が済んでいる可能性は十分にあるわけです。
結果として、届いてから数日から2週間ほどで、水槽に見覚えのない稚魚が泳いでいる、ということが起こります。心の準備がないと慌てますが、あらかじめ知っていれば対応できます。妊娠の見分け方や出産のサインはグッピーの妊娠期間をまとめた記事で詳しく扱っていますので、メスを迎えるなら先に読んでおくと落ち着いて対処できます。
稚魚は親魚に食べられてしまうことがあります。増やしたいのであれば隔離の準備を、増やしたくないのであればオスとメスを分けて飼うことを、迎える前に決めておきたいところです。
稚魚を助けたいのであれば、産卵・隔離用のケースがあると打てる手が増えます。水槽の縁に掛けて使うタイプなら本水槽の水をそのまま共有できるので、水温や水質を別に管理する手間がかかりません。届いたメスが妊娠していた、という展開に備えて用意しておくと落ち着いて対処できます。
「ペアで1組だけ買ったのに、半年で30匹を超えた」というのはグッピーではよくある話です。増えること自体は魚が健康な証拠でもありますが、水槽の容量には限りがあります。買う前に「何匹までなら飼えるか」を決めておくと、あとで引き取り先を探して困る事態を避けられます。
グッピー通販に関するよくある質問(FAQ)
グッピーは1匹だけでも買えますか?
1匹単位で販売している店もあります。オスだけを複数匹そろえて柄を楽しむ飼い方であれば、単品購入は理にかなっています。
ただし、ペア単位でしか扱わない店も多く、選択肢は限られます。増やす予定がないのであれば、オスだけを複数匹という買い方が管理しやすいでしょう。
通販のグッピーはどのくらいで届きますか?
発送からおおむね翌日、遠方であれば翌々日というのが一般的です。生体は日をまたぐ輸送になるため、店側が発送曜日を限定していることもあります。
注文のタイミングによっては、発送まで数日待つケースもあります。着日を指定したい場合は、注文前に発送スケジュールを確認しておくのが確実です。
死着していたときは、何をすればいいですか?
まず、袋を開けないでください。多くの店が「開封前の画像」を保証の条件にしているためです。袋に入ったままの状態で撮影し、注文番号・生体名・匹数をそえて店へ連絡します。
連絡の期限は店ごとに違い、到着から4時間以内という店も、24時間以内という店もあります。届いた日のうちに済ませておくのが安全です。
国産と外国産、どちらを選べばいいですか?
初めての1組であれば、国産のほうが立ち上がりは安定しやすいと考えられます。日本の水道水に近い水質で累代されているためです。
外国産は価格が魅力ですが、輸入直後は体力を落としていることがあります。どちらを選ぶにしても、国産と外国産を同じ水槽で混ぜるのは避けてください。
届いたグッピーをいきなり本水槽へ入れてもいいですか?
おすすめしません。水温と水質を合わせずに入れると、急な変化で体調を崩すことがあります。最低でも水温合わせと段階的な水合わせは行ってください。
先住の魚がいる水槽であれば、別容器で1〜2週間ようすを見てから合流させるほうが安全です。持ち込まれた病気が水槽全体へ広がるのを防げます。
グッピー通販のまとめ
グッピーの通販で見るべきものを、最後にもう一度整理します。
優先順位の1番は死着保証の条件です。あるかないかではなく、連絡期限・証拠の形式・開封前後・対象外の規定まで読んでください。とくに箱を開ける前に撮影するという一点は、知っているかどうかで結果が変わります。
2番目は発送日です。真夏と真冬は避け、自分が確実に在宅している日を着日にします。再配達は保証の対象外になる店もあります。
3番目が個体写真と管理状態です。現物写真か、水温やpHや累代が書かれているか。書かれていなければ問い合わせて、返信の質まで含めて判断します。
価格の比較は、この3つを通過した店の中だけで行えば十分です。相場は国産1ペアで1,700円〜2,400円あたり、品種によっては3,500円前後まで上がります。極端に安い出品は、その理由が明記されているかどうかで判断してください。
そして届いたあとです。開封前の撮影、水温合わせ、点滴法での水合わせ、袋の水は入れない、当日は餌をやらない。この5つを守れば、通販で落とすリスクはかなり下げられます。迎えたメスがすでに妊娠している可能性も、頭の片隅に置いておきましょう。
冒頭でお伝えしたとおり、観賞魚は動物愛護管理法の対象外で、販売時の現物確認や対面説明は義務づけられていません(出典:環境省 第一種動物取扱業者の規制)。守ってくれる制度がないぶん、確認の手間は買う側が引き受けることになります。
面倒に感じられるかもしれませんが、この手間は最初の1回だけです。信頼できる店を1軒見つけてしまえば、2回目からは迷わずに済みます。
なお、この記事の価格や配送に関する記載はあくまで一般的な目安です。保証条件・配送可能地域・在庫状況は変わりますので、正確な情報は各販売店の公式サイトをご確認ください。個体の状態に不安があるときや、届いた魚に症状が出たときは、購入先の販売店や専門店へご相談ください。最終的な判断はご自身の飼育環境に合わせて行っていただければと思います。

