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グッピー水槽は何匹が適正?30・45・60cm別の目安と過密の見分け方

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水草の茂った水槽を泳ぐ複数のグッピーに記事タイトルを重ねた表紙画像

グッピーは水槽に何匹まで?サイズ別の適正数と過密の防ぎ方

THE AQUA LAB 所長(イラスト)

こんにちは。THE AQUA LAB、運営者の所長です。

「60cm水槽なら何匹まで入れていいんだろう」「10匹くらい買いたいけれど、この水槽で足りるのかな」と手が止まっていませんか。

ショップの水槽にはぎゅうぎゅうにグッピーが泳いでいるので、あれが基準なのか、それとも別の数え方があるのか、判断がつきにくいところですよね。その迷いはとても自然なものです。実際、水槽の「横幅」だけを見て匹数を決めると、あとから水質が崩れて慌てることになりがちなんです。

しかもグッピーには、他の熱帯魚にはない事情があります。放っておくと勝手に増えるという事情です。買ってきた10匹が半年後に50匹になる、という話は誇張ではありません。だから「今の適正数」だけでなく「増えたあとの適正数」まで見ておく必要があります。

この記事では、匹数を決める考え方を実水量とろ過という2つの軸に整理して、水槽サイズごとの目安を早見表にまとめました。過密のサインの見つけ方と、増えすぎたときの現実的な出口まで通しで書いています。

  • グッピーの適正数を実水量とろ過から計算する方法
  • 30cm・45cm・60cm水槽それぞれの匹数の目安
  • 繁殖で増える分をあらかじめ見込んでおく考え方
  • 過密のサインの見分け方と悪化させない対処
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グッピーの適正数は横幅ではなく実水量とろ過で決まる

結論から言うと、グッピーの適正数を決めるのは水槽の横幅ではありません。決めているのは「実際に入っている水の量」と「その水を回しているろ過の余裕」の2つです。

同じ「60cm水槽」でも、高さが36cmある規格水槽と、高さ20cmのスリム水槽では水の量が倍近く違います。横幅で語ると、この差が丸ごと抜け落ちてしまうんですね。

実際に計算してみると差の大きさが分かります。60×30×36cmなら64.8L、60×20×20cmのスリム水槽なら24Lです。どちらも売り場では「60cm水槽」として並んでいますが、入れられる魚の数は倍以上違うことになります。

そしてもうひとつ、水は入れただけでは魚を支えません。フンや食べ残しから出るアンモニアを分解する仕組みが働いてはじめて、その水量が生きてきます。だから「水の量」と「ろ過の余裕」は必ずセットで見る必要があるわけです。

まずはこの2つの軸を数字にする方法から見ていきましょう。ここが決まれば、あとは割り算をするだけで自分の水槽の答えが出ます。

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実水量は満水容量より1〜2割少なくなる

最初に押さえたいのが、カタログに載っている水量と、実際に入る水の量は別物だということです。

水槽の容量は「幅×奥行き×高さ÷1000」で求められます。60cm規格水槽(60×30×36cm)なら、60×30×36÷1000=64.8Lですね。これが満水容量です。

ところが実際の水槽をこの水位で運用することはまずありません。上縁から2〜3cmは空けますし、底砂も敷きます。水位を3cm下げると60×30×33÷1000=59.4L、そこへ底砂を4cm敷けば60×30×4÷1000=7.2L分が砂に置き換わるので、残る水は50L台前半になります。

この「差し引いたあとの数字」が実水量です。カタログ値のまま計算すると、1〜2割ぶん多く見積もってしまうでしょう。

グッピーのように小さな魚では、この1〜2割が匹数にして3〜5匹の差になります。決して無視できる誤差ではありません。実水量の考え方をもう少し詳しく知りたい方は、60センチ水槽の水量を寸法別に整理した記事もあわせて読んでみてください。

底砂を厚く敷くほど実水量は減りますが、底砂は生物ろ過の住みかにもなります。3〜4cmは「減った水量ぶんの働きは返ってくる」と考えて差し支えありません。ベアタンク(底砂なし)にすると実水量は増えますが、そのぶんろ過器の負担は上がります。

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体長1cm=1Lを上限に8割で運用する

グッピー1匹あたりに必要な水量を、全長1cm=1Lで計算した保守ライン4.5Lと、ろ過が効いている前提の標準ライン2〜3Lにビーカーで並べて比較したスライド
グッピーの適正数ライン|保守は1匹4.5L・標準は1匹2〜3L

実水量が出たら、次は魚に割り当てる水の量を決めます。

古くから使われている目安に「魚の全長1cmあたり水1L」というものがあります。全長5cmの魚なら5L、という数え方ですね。ただしこれは上限を示す式であって、推奨値ではありません。

グッピーの全長は、尾びれを含めてオスが約3〜4cm、メスが約5〜6cmです。オスメスを混ぜて飼うなら平均4.5cmくらいで見ておくとよいでしょう。この式をそのまま当てはめると、1匹あたり4.5Lという保守的な数字になります。

一方、実際の飼育で広く運用されているのは「1匹あたり実水量2〜3L」というラインです。ろ過が効いていて、週1回の水換えを続けられる前提であれば、この密度で安定します。

つまりグッピーには、保守ラインと標準ラインの2つがあるわけです。始めたばかりで水質の変化に気づける自信がないなら保守ライン、ろ過も水換えも軌道に乗っているなら標準ラインを使う、という切り分けが現実的だと考えています。

どちらを使うにしても、算出した数字の8割で運用を始めることをおすすめします。上限ぴったりで始めると、1匹でも増えた瞬間に超過するからです。

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ろ過方式と立ち上がりで上限は前後する

同じ水量でも、ろ過の状態しだいで入れられる数は変わります。

とくに大きいのが「生物ろ過が立ち上がっているかどうか」です。水槽を立ち上げた直後は、アンモニアを分解するバクテリアがまだ十分に育っていません。この時期に上限いっぱいまで入れると、アンモニアや亜硝酸が抜けきらず、魚が一気に落ちることがあります。

立ち上げから1か月ほどは、算出した数字の半分程度から始めて、水質を測りながら足していく方が安全です。

ろ過方式による違いもあります。ろ材の量が少ない外掛けフィルターは、上部フィルターや外部フィルターに比べて処理できる量が小さくなります。底面フィルターを併用すると底砂全体がろ材として働くので、同じ水量でも余裕が生まれます。

ただしグッピーの場合、ろ過能力とは別に「稚魚を吸い込まないか」という視点も要ります。吸い込み口にスポンジを付けられる方式かどうかは、匹数と同じくらい重要な判断材料になるでしょう。

立ち上がったかどうかを目で見て判断するのは難しいので、試験紙や試薬で確かめる方法をおすすめします。見るのはアンモニアと亜硝酸の2項目です。餌を与えても両方が検出されない状態が数日続けば、生物ろ過は動いていると判断できます。

逆に、亜硝酸が出ているうちは匹数を増やさないでください。亜硝酸は魚の血液が酸素を運ぶ働きを妨げるため、少量でも影響が出ます。数字が下がりきるまで待つ、というだけで失敗の多くは防げます。

◆所長のワンポイントアドバイス

ろ過器の箱に書いてある「適合水槽 60cm以下」は、あくまで水を回せる能力の話です。何匹まで飼えるかを保証した数字ではないので、匹数は必ず実水量から自分で計算してください。

水槽サイズ別グッピー適正数の早見表

ここまでの考え方を、よく使われる水槽サイズに当てはめて表にまとめました。

実水量は、上縁から3cm下げて底砂を3〜4cm敷いた場合の概算です。標準ラインは1匹あたり2〜3L、保守ラインは全長1cm=1Lで全長4.5cmとして計算しています。

→ 横にスクロールできます

水槽・容器 満水容量の目安 実水量の目安 標準ライン(2〜3L/匹) 保守ライン(全長1cm=1L) 向いている飼い方
ボトル・小型容器 約5L 約4L 1〜2匹 1匹 オス単独。ろ過なしなら水換えを頻繁に
10Lクラスの小型水槽 約10L 約8L 3〜4匹 1〜2匹 オスのみ少数。繁殖はさせない前提
30cm規格(30×18×24cm) 約13L 約10〜11L 3〜5匹 2匹 オス3〜5匹の鑑賞用。ペアは非推奨
30cmキューブ(30×30×30cm) 約27L 約22L 7〜11匹 4〜5匹 少数ペア飼育の入口。増えたら移す
45cm規格(45×24×30cm) 約32L 約27〜29L 9〜14匹 6匹 ペア飼育の標準。稚魚の余白も取れる
60cm規格(60×30×36cm) 約65L 約50〜55L 17〜26匹(推奨15〜20匹) 11匹 繁殖前提でも余裕。混泳も組みやすい

数字はあくまで一般的な目安です。水温・ろ過方式・水換えの頻度・混泳相手の有無で前後しますので、自分の水槽で水質を測りながら調整してください。

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30cm水槽は何匹まで?オス数匹が現実的

30cm規格水槽の答えは、オスだけで3〜5匹です。

実水量が10L前後しかないため、ペアで入れると繁殖が始まった時点で一気に破綻します。メス1匹が一度に20匹産めば、翌日には計算上の上限を大きく超えてしまうからです。

その代わり、オスだけに絞れば30cm水槽はよい選択になります。グッピーはオスの方が色が濃く、尾びれも大きく育つので、鑑賞という意味ではむしろ有利です。増えない前提なら、少ない水量でも管理が読めます。

もし30cmキューブ(30×30×30cm)を選べるなら、実水量が倍の22L前後に増えるので選択肢が広がります。ペアで7〜11匹まで見込めますし、稚魚が生まれてもしばらくは持ちこたえられるでしょう。

設置スペースが同じ30cm四方なら、キューブ型の方が水量の面では有利です。ただし高さがあるぶん重くなるので、設置面の耐荷重は事前に確かめておいてください。

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45cm水槽は何匹まで?扱いやすい中間サイズ

45cm規格水槽は9〜14匹が標準ラインで、はじめてグッピーを飼うなら最も扱いやすいサイズだと考えています。

理由は、水量と管理コストのバランスがよいからです。実水量が27〜29Lあるので水温や水質が急変しにくく、それでいて水換えのバケツは1回で足ります。60cm水槽になると1回の水換えで10L以上を運ぶことになり、これが続かない人はけっこう多いんですね。

ペアで飼うなら、最初は8〜10匹くらいから始めるとよいでしょう。標準ラインの上限まで入れてしまうと、最初の出産で超過します。

水換えの実務も見ておきます。目安となる3分の1換水なら、45cm水槽で1回あたり9〜10L。10Lのバケツ1杯で足りる量です。60cm水槽だと17L前後になるので、バケツ2往復になります。この差が続けやすさに効いてきます。

また45cm水槽は、水草を入れても泳ぐスペースが残るサイズでもあります。稚魚の隠れ家になるウィローモスやマツモを入れておけば、親に食べられる数を減らせます。稚魚を守る方法については、グッピーの共食い対策をまとめた記事で詳しく整理しています。

45cm規格でペア飼育を始めるなら、水槽・ろ過器・照明が最初からそろったセットが手堅い選択になります。器具の適合を自分で調べ直す手間が省けるぶん、匹数と水質の管理に集中できるからです。価格や付属品の内容は変わることがあるので、購入前に各ショップでご確認ください。

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60cm水槽は何匹まで?繁殖の余白を残せる

60cm規格水槽なら15〜20匹での運用をおすすめします。

計算上は17〜26匹まで入りますが、あえて下限寄りに抑える理由があります。グッピーは増えるからです。15匹で始めれば、稚魚が育っても標準ラインの内側に収まる期間が長くなります。

実水量50L超という余裕は、匹数以外の面でも効いてきます。水温が変わりにくいので夏冬の管理が楽になりますし、ろ過器の選択肢も広がります。エビや底物との混泳を組みたいなら、このサイズからが現実的でしょう。

もうひとつの利点が、水質の「効きしろ」です。同じ量のフンが出ても、50Lの水に薄まるのと10Lの水に薄まるのとでは濃度が5倍違います。多少餌をやりすぎても、1日水換えを飛ばしても、すぐには崩れません。この鈍さが初心者にとっての保険になります。

逆に注意したいのは重量です。実水量50Lなら水だけで50kg、底砂と水槽本体を合わせると70kgを超えます。専用台か、それに準ずる耐荷重のある家具に置いてください。

60cm規格をこれから用意するなら、水槽と上部フィルター、LEDがまとまったセットから入ると器具選びで迷いません。15〜20匹での運用を前提にするなら、ろ過能力に余裕のある構成を選んでおくと後が楽になります。仕様や同梱品は変更されることがあるため、最新の内容は販売ページでご確認ください。

カラーボックスや組み立て式のラックは、天板の中央がたわむことがあります。水槽の四隅に均等に荷重がかからないとガラスに応力が集中するため、60cm以上の水槽は専用台の使用を強くおすすめします。

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5L・10Lの小型容器で飼うときの上限

小型容器から60センチ規格まで、水槽サイズごとの実水量の目安と標準ライン・保守ラインの匹数、向いている飼い方をまとめた早見表のスライド
水槽サイズ別グッピー適正数の早見表|実水量と標準・保守ライン

5Lのボトルや10Lクラスの小型水槽では、上限は1〜4匹とかなり厳しくなります。

水量が少ないほど、フンや餌の残りによる水質の変化が急になるためです。60cm水槽なら1日かけてゆっくり進む変化が、5Lの容器ではわずか数時間で起きてしまうんですね。

それでも小型容器で飼いたいなら、条件は3つです。オスだけにして増やさないこと、餌を控えめにすること、水換えを週2回以上に増やすこと。この3つが守れるなら、少数飼育は成立します。

もうひとつ、小型容器では水温の振れ幅も大きくなります。水量が少ないほど室温の影響を受けやすいので、エアコンを切る夜間に一気に下がることがあります。ヒーターを入れる余地が乏しい容器では、置き場所そのものを室温の安定した場所に選ぶ必要があるでしょう。

ボトルアクアリウムのように、ろ過器も入れずに飼う形については別の記事にまとめました。水量の決め方や冬の管理まで含めて、グッピーのボトルアクアリウムの記事が参考になるはずです。

繁殖で増える分を最初から見込んで決める

ここまでの計算には、まだ大きな要素が入っていません。グッピーが勝手に増えるという要素です。

グッピーは卵ではなく稚魚を産む卵胎生の魚で、しかも繁殖を止める季節がありません。水温さえ保たれていれば、一年中増え続けます。適正数を「今いる数」だけで決めると、数か月後に必ず超過することになります。

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出産数と間隔から半年後を試算する

グッピーの繁殖力を数字で見ておきましょう。

一般的に、初産では10〜20匹ほど、回数を重ねると30〜50匹まで増えていくとされています。出産の間隔はおよそ25〜30日で、つまり月に1回のペースです。

さらに厄介なのが、メスが精子を体内に貯めておける性質です。一度の交尾で3〜4回続けて出産できるので、オスを取り除いてもすぐには止まりません。

試しにメス2匹から計算してみます。1か月目に20匹ずつで40匹、2か月目にさらに40匹で計80匹。生まれた稚魚は3〜4か月で繁殖できる大きさに育つので、4か月目からは第二世代も産み始めます。半年後には数百匹という規模になり得るわけです。

もちろん実際には、親に食べられたり、育ちきらなかったりで、この通りにはなりません。産まれた稚魚のうち成魚まで育つのは一部で、水草の少ない水槽ほど生き残る割合は下がります。それでも「15匹で始めたのに半年で50匹になった」というのは、ごく普通に起きることだと考えておいてください。

ここで押さえておきたいのは、稚魚の数え方が途中で変わるという点です。生まれたてのグッピーは全長5mm前後しかなく、水を汚す量もわずかです。ところが1か月で1cm台、2〜3か月で2cmを超え、そのころには成魚と同じように酸素と餌を消費します。

つまり「増えた瞬間」ではなく「増えてから2か月後」に過密が表面化します。稚魚が生まれた時点で、2か月後の受け皿を考え始めるくらいでちょうどよいでしょう。

ペアで飼うなら、最初に入れる数は算出した標準ラインの半分程度が安全です。60cm水槽なら8〜10匹、45cm水槽なら5〜6匹から。空いた余白が、そのまま稚魚の受け皿になります。

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オスだけで揃えると匹数が安定する

増やしたくないなら、いちばん確実なのはオスだけで揃えることです。

グッピーのオスは尾びれが大きく発達し、体色も鮮やかなので、鑑賞という目的ならむしろオス単独飼育の方が見応えがあります。匹数が固定されるので、水質の設計も立てやすくなります。

ただし注意点が2つあります。ひとつは、購入時にすでにメスが混ざっていたり、メスが妊娠済みだったりするケースです。ショップで混泳していた個体は妊娠している可能性が高いので、「オスだけのつもりが増えた」は珍しくありません。

もうひとつは、オス同士の小競り合いです。数が少なすぎると特定の1匹が追われ続けることがあるので、3匹以上にして相手を分散させる方が落ち着きます。

逆にメスだけで揃える手もありますが、こちらは購入時の妊娠リスクが残ります。増やしたくないなら、オス単独の方が読みやすいでしょう。

過密になっているサインの見分け方

グッピー水槽が過密になっているサインを、水面で口を開閉する酸欠・下がらない硝酸塩・週1回では追いつかないコケの3つに分けて写真つきで示したスライド
過密のサイン3つ|水面での口パク・下がらない硝酸塩・早いコケ

計算どおりに入れたつもりでも、実際に過密かどうかは魚と水が教えてくれます。

大切なのは、数字より先に変化が出るということです。匹数が上限内でも、ろ過が追いついていなければ過密と同じ状態になります。以下のサインが出たら、匹数を数え直すタイミングだと考えてください。

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水面で口をパクパクするのは酸欠のサイン

もっとも分かりやすいのが、グッピーが水面近くに集まって口を開け閉めしている状態です。

これは水面付近の、比較的酸素が多い層に逃げている行動です。水中の酸素が足りていないサインなので、放置すると死亡につながります。

酸素の量は水温に強く影響されます。1気圧の環境では、水温25℃で1Lあたり約8mgが溶け込める上限とされ、30℃になると7mg台まで下がります。夏に酸欠が起きやすいのはこのためです。

しかも水温が上がると魚の代謝も上がり、必要な酸素は逆に増えます。溶ける量が減って必要量が増えるという、二重の圧力がかかるわけですね。

過密水槽では、この余裕がそもそもありません。夏場だけ酸欠が出るなら、匹数が上限ぎりぎりだと考えてよいでしょう。対処の手順は水槽の酸素を増やす方法をまとめた記事にありますので、あわせて確認してみてください。

なお水温そのものの管理については、グッピーの適温を目的別に整理した記事を参照してください。生存できる範囲と繁殖しやすい範囲は別物です。

硝酸塩とコケの増え方で過密を判断する

魚の行動より早く出るサインが、水質検査の数字です。

生物ろ過が働いている水槽では、アンモニアが亜硝酸を経て硝酸塩まで分解されます。硝酸塩は毒性が低いのですが、分解の終点なので水換えでしか減りません。つまり硝酸塩の増え方は、そのまま「魚の量に対して水換えが足りているか」の指標になります。

水換え直後より1週間後の数値が明らかに高く、水換えの頻度を上げても下がりきらないなら、匹数が水量に対して多い可能性が高いでしょう。

試験紙を持っていないなら、コケの増え方でも代替できます。ガラス面のコケ取りが週1回では追いつかず、水草にも茶ゴケが乗り始めたら、栄養が余っている合図です。

数値で管理したいなら、硝酸塩は25mg/L以下を目標にして、50mg/Lを超えたら水換えの量か頻度を見直すという運用が分かりやすいでしょう。あくまで一般的な目安ですが、判断の基準を持っておくと迷いにくくなります。

ただしコケは照明時間でも増えるので、単独では決め手になりません。餌の量を減らしても水換えを増やしても収まらないなら、匹数を疑ってください。

硝酸塩は見た目では分かりません。試験紙があれば、水換え直後と1週間後の数値を比べるだけで「今の匹数がろ過に見合っているか」を数字で判断できます。1枚で複数の項目を同時に読めるタイプなら、日々の点検の手間も小さく収まるでしょう。

過密を解消する手順と増えた個体の行き先

過密だと分かったときにやることは、順番が決まっています。

まず餌を減らします。次に水換えの頻度を上げます。それでも改善しないなら、ろ過を増強するか、匹数そのものを減らすかの二択です。いきなり水槽を増やす前に、餌と水換えで様子を見た方が失敗が少ないでしょう。

餌を減らすときは、いきなり絶食にする必要はありません。1日2回与えていたなら1回に、量は1〜2分で食べ切れる程度に。食べ残しが底に落ちない状態まで絞れば、それだけで硝酸塩の増え方は目に見えて変わります。

水換えは、量を増やすより頻度を増やす方が魚への負担が小さくなります。週1回で3分の1だったなら、週2回で4分の1ずつ。1回の変化幅が小さいほど、水質の急変によるショックを避けられます。

ろ過の増強では、フィルターを買い替える前に、ろ材を増やせないか確認してみてください。ろ材容器に空きがあるなら、生物ろ材を足すだけで処理能力は上がります。買い替えるより安く、立ち上げ直しのリスクもありません。

ただし応急処置には限界があります。稚魚が育ち続ける以上、どこかで頭数を減らす判断が必要になります。増えたグッピーの出口は、実際のところ多くありません。

増えたグッピーの出口は、実質3つです。ショップに引き取ってもらう、知人に譲る、水槽を増やす。この3つのどれも用意できないなら、繁殖はさせない設計にしておくべきだと考えています。

ショップによっては引き取りに応じてくれますが、無条件ではありません。病気の有無や品種によっては断られますし、店舗ごとに方針が違います。増えてから探すのではなく、飼い始める前に近隣の店に確認しておく方が確実でしょう。

そして、絶対にやってはいけないのが野外への放流です。

グッピーは環境省と農林水産省による「生態系被害防止外来種リスト」に掲載されている外来種です。水質汚染への耐性が極めて強く、市街地の下水溝でも生息できると報告されています。

「熱帯魚だから冬に死ぬだろう」と考えるかもしれませんが、そこが落とし穴です。国内では沖縄や小笠原だけでなく、福島・長野・静岡・岡山・大分・鹿児島といった温泉地でも定着が確認されています。温泉排水や工業排水が流れ込む水路では、冬でも水温が保たれてしまうためです(出典:国立環境研究所 侵入生物データベース)。

夏のあいだは温泉の影響がない場所まで分散する、という記録もあります。放流した本人が意図しない範囲まで広がるということですね。リストの位置づけと対策の考え方は環境省 生態系被害防止外来種リストで公開されています。

飼い始める前に出口を決めておく。これが、グッピーの適正数を守るうえでいちばん実効性のある準備だと思います。繁殖を抑える具体的な方法や引き取り先の探し方は、グッピーが増えすぎたときの対処法の記事で掘り下げています。

グッピーの適正数に関するよくある質問(FAQ)

グッピー10匹には何cmの水槽が必要ですか?

標準ライン(1匹あたり実水量2〜3L)で計算すると、10匹には20〜30Lの実水量が必要です。これを満たすのは45cm規格水槽(実水量27〜29L)からになります。

30cmキューブ(実水量約22L)でも数字の上では届きますが、余白がほとんど残りません。オスメスを混ぜて繁殖の可能性があるなら、45cm以上を選ぶ方が管理は楽でしょう。

稚魚は匹数に数えなくてもいいですか?

生まれた直後の稚魚は体が小さく、水を汚す量も限られるので、すぐに上限へ影響することはありません。

ただし1〜2か月で急に大きくなります。全長2cmを超えたあたりからは成魚に近い扱いで数えてください。「まだ小さいから」と放っておくと、気づいたときには倍の生体量になっています。

混泳させる場合、他の魚も同じように数えますか?

はい。水量の上限は水槽全体の生体量に対するものなので、混泳相手も同じ基準で数える必要があります。

全長1cm=1Lの式を使うなら、水槽にいる魚の全長を合計して実水量と比べてください。体が太い魚(プラティなど)は同じ全長でも水を汚す量が多いので、少し余裕を持たせると安心です。エビや貝はフンの量が少ないため、魚ほど厳密に数えなくても構いません。

上限を超えたまま飼い続けるとどうなりますか?

すぐに全滅するわけではありませんが、じわじわと不調が出やすくなります。硝酸塩の蓄積によって成長が鈍り、体色が薄くなり、病気への抵抗力が落ちる、という順で表れることが多いようです。

また過密水槽は、水温の上昇や停電といった外的な変化に弱くなります。余裕がないぶん、崩れ始めると一気に進みます。改善が見られないときは、早めに専門店や販売店へ相談してください。

水換えを増やせば上限も増やせますか?

ある程度は増やせます。硝酸塩は水換えでしか減らないので、頻度を上げれば生体量に対する許容は広がります。

ただし水換えで補えないものもあります。酸素の量、泳ぐスペース、追いかけ回しによるストレスなどです。とくに酸素は水温に支配されるので、夏場は水換えを増やしても解決しません。無理に上限を押し上げるより、水槽を大きくする方が結果的に楽だと考えています。

まとめ|グッピーの適正数は実水量とろ過で決める

グッピーの適正数は、水槽の横幅ではなく実水量とろ過の余裕から決まります。カタログの満水容量から1〜2割引いた数字を出発点にしてください。

目安は1匹あたり実水量2〜3L。全長1cm=1Lの式を使うなら1匹あたり4.5L前後になるので、初心者はこちらの保守ラインから始めるのが安全です。30cm規格ならオス3〜5匹、45cm規格なら9〜14匹、60cm規格なら15〜20匹あたりが実用的な範囲になります。

そして忘れてはいけないのが、繁殖で増える分です。出産の間隔は25〜30日、初産でも10〜20匹産まれます。ペアで飼うなら最初は標準ラインの半分から始めて、増えた分の受け皿を残しておきましょう。

過密のサインは、水面での口パク、下がらない硝酸塩、追いつかないコケ取りの3つ。出たら餌を減らし、水換えを増やし、それでも収まらなければ匹数を見直します。増えた個体の行き先は飼い始める前に決めておき、野外へ放すことだけは避けてください。

水槽の立ち上げから用品選びまで一通り確認したい方は、グッピーの飼い方ガイドもあわせて読んでみてください。数字の根拠が分かれば、匹数の判断はぐっと楽になるはずです。

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