メダカ用遮光ネットの選び方|夏の日除け対策の基本
夏が近づくと、屋外の容器で暮らすメダカが強い日差しで弱ってしまわないか、心配になりますよね。
日除けに遮光ネットを使おうと思っても、遮光率の数字や色の違いがいろいろあって、どれを選べばよいのか迷ってしまう方も多いと思います。
遮光率とは、つまりネットが日光をどれくらい遮るかを示す数字のことです。
先に結論をお伝えすると、夏の日除けの目的は、水温の上がり方を抑えることです。
遮光ネットは水温を下げる道具ではないので、容器を真っ暗にする必要はなく、メダカに届く光はゼロにしないのが基本ですね。
そして、ネットの下に空間を残し、風が通るように張れるかどうかが、どの製品を選ぶかと同じくらい大切になります。
そのうえで、遮光率の表示を目安として読み、色による熱の遮り方と長持ちのしやすさの違いを知り、風で飛ばないように固定できるものを選んでいきましょう。
何%の遮光率がよいかは、最後にあなたの容器に置いた水温計で確かめて決めるのがおすすめです。
この記事では、遮光ネットを中心に、すだれやよしずとの比べ方、自分で張るときの手順と注意まで、日除けの資材の選び方に絞ってお話しします。
この記事で理解できることは、次の4つです。
- 遮光ネットで日除けをする目的と、光を残す理由
- 遮光率の表示の読み方と、水温計で決める考え方
- 黒・シルバー・白・ミラーの色による違い
- 日除けを自分で張る手順と、風で飛ばない固定の注意
夏の日除けは「暗くする」ためでなく水温の上がり方を抑えるため
まずは、日除けを何のために付けるのかを整理しておきましょう。
夏の強い日差しを長く受けると、屋外の容器は水温が上がりやすくなります。
観賞魚用品のメーカーであるジェックスは、屋外でメダカを飼う場合、水温上昇を和らげるために日かげになるところを作ってあげるよう勧めています(出典:ジェックス「【メダカ】屋外飼育する場合、水温上昇に注意しましょう!」)。
同じページでは、夏の日中のメダカが、日かげになる場所に身をひそめることが多くなる様子も紹介されています。
ここで大事なのは、日除けのねらいは容器を暗くすることではなく、水温の上がり方をゆるやかにすることだという点です。
メダカにとって日光はもともと必要なものなので、光をすべて遮ってしまうと、今度は別の困りごとが出てきます。
また、遮光ネットのメーカー自身も、ネットに水温を冷やす働きはないと説明しています。
この節では、なぜ光を残すのか、そして遮光ネットにできることとできないことを、メーカーの説明をもとに確かめていきます。
メダカに日光は必要、夏は当てすぎが問題になる
テトラ(スペクトラム ブランズ ジャパン)は、屋外飼育でよくある失敗をまとめたページで「メダカは太陽が必要な魚ですが」と前置きしたうえで、夏場に直射日光を1日中当て続けると水温が高くなりすぎると注意しています。
つまり、日光そのものが悪いのではなく、夏に当てすぎることが問題になるということですね。
テトラは、日当たりの悪い場所で十分な日光を浴びられないと、骨がしっかり成長できずに弱ったり、大きく育たなかったりすることがあるとも説明しています。
コトブキ工芸も、メダカ鉢の置き場所は「適度に自然の光が当たる場所」が最適だとしています。
ジェックスは、できるだけ日当たりのよい場所で飼うほうがメダカを健康的に育てられるとしつつ、夏は日当たりが良すぎると水温がかなり上がってしまうと説明しています。
では、夏のあいだは一日中日陰に置いておけばよいかというと、そうとは言い切れません。
ジェックスは8月の注意点として、水草の葉が茂りすぎると「メダカに日が当たらなくなり」、病気になることがあると書いています。
テトラも、浮草を「水面一面に浮かべてしまう」とメダカが日光に当たれなくなると注意しています。
日陰を作るときも光の入る余地を残しておく、というのがメーカーの説明に沿った考え方です。
テトラが夏の理想の置き場所として挙げるのは、「午前中に日光が当たり、午後からゆっくりと日陰になって」水温も穏やかに下がる場所です。
そうした場所が見つからないときに、日除けで日陰を足してあげる、という順番で考えるとわかりやすいですね。
なお、夏に気をつけたい水温の目安は、メーカーや場面によって示し方が違います。
コトブキ工芸は、快適な水温を20〜26℃としたうえで、夏場は30℃くらいでも平気だとし、35℃以上に上がるような時は日よけや場所の移動を勧めています。
ジェックスは、メダカの適温は一般的に25度から30度の範囲とされていると紹介し、月別の注意点では、梅雨明け後の日中は水温が33℃を越えないように気を付けるよう書いています。
テトラは屋外飼育の用品を紹介するページで、水温が28℃以上になると熱中症のような症状になることがあると説明しています。
このように数字は一つにまとまっていないため、この記事では特定の温度を境目として決めつけず、水温計で上がり方を見ることをおすすめします。
季節ごとの水温の目安や繁殖に向く温度は、メダカの適水温を季節ごとの管理や繁殖に向く温度に分けて整理した記事で詳しく解説しています。
遮光ネットは水温を下げる道具ではない

遮光ネットを張れば水温が下がる、と考えたくなるところですが、ここは少し注意が必要です。
遮光ネットのメーカーであるイノベックスは、ネットの色について説明する相談室FAQの中で「温度を下げる効果はありません。」と明記しています。
遮光率を説明する別のFAQでも、ネットは「あくまで光線や熱線を遮る資材」だと書かれています。
つまり、遮光ネットの役目は、容器に届く日差しと熱を減らして、水温の上がり方を抑える手助けをすることだと考えるのが正確ですね。
ジェックスも、日陰をつくるだけでも水温上昇の防止には効果があると説明しています。
ただし、張ったからといって水温が一定の範囲に収まるわけではないので、効き目は水温計で確かめる前提で使いましょう。
水温の上がり方を抑えたい理由の一つとして、メーカーが挙げているのが水の中の酸素です。
国立環境研究所は、水に溶けることのできる酸素の量は水温が高くなるほど少なくなると説明しています。
ジェックスは、メダカは水の高い温度自体が苦手なのではなく「酸素が足りなくなることでダメージを受けます」と説明しています。
コトブキ工芸も、水温が上がりすぎるような時は「酸欠を避ける為に日よけをしたり」場所を移したりするよう書いています。
酸欠そのものへの対処は日除けとは別の話になるので、ここでは、日除けは酸欠を防ぐための工夫の一つ、とだけ覚えておいてください。
暑い時期にメダカが続けて死んでしまったときは、鼻上げが出たら酸素を先に入れる対処から、水温と水質を数字で確かめていく流れを別の記事で整理しています。
日除けを付けるときに、とくに気をつけたいことが2つあります。
1つ目は、ネットやフタで容器をぴったり閉じ切らないことです。
イノベックスは、ネットの下に十分な空間と通気、つまり空気の通り道がなければ、結局は温度が上がってしまうと注意しています。
2つ目は、日除けや浮草で水面をすべてふさがないことです。
水面を覆い尽くしてしまうと、メダカが日光に当たれる場所がなくなってしまいます。
遮光率の表示の読み方
遮光ネットを選ぶとき、まず目に入るのが遮光率の数字です。
遮光率の数字が大きいほど日光を通しにくくなるので、夏の対策なら高い数字を選べば安心、と考えたくなるかもしれません。
ただ、この数字が何を表していて、どこまで当てにできるのかを知らないまま選ぶと、メダカの容器には合わない選び方になってしまうこともあります。
遮光率の意味については、遮光ネットのメーカーであるイノベックスが、相談室FAQでわかりやすく説明しています(出典:イノベックス 相談室FAQ「遮光率とは」)。
この節では、まず遮光率の表示が何を示しているのかを、メーカーの説明にそって確かめます。
そのうえで、メダカの容器向けの推奨値がなぜ示せないのか、何を手がかりに決めればよいのかをお話しします。
数字の読み方がわかると、売り場で表示を見比べるときにも迷いにくくなりますね。
遮光率は光をどれだけ遮るかの目安
イノベックスによると、遮光率とは、日除けをしていない直射日光を基準にして、そのうちおよそどれくらいの日光をカットするかの「目安」です。
たとえば遮光率75%のネットなら、ネットの下では「日光がもとの25%ほど透過してくる」ことになる、と説明されています。
数字が大きいほど、ネットの下に届く日光は少なくなるということですね。
ここで押さえておきたいのは、メーカー自身がこの数字を目安と呼んでいることです。
イノベックスは、遮光率はあくまで目安であり「実際に照度計であかるさを測定してもその通りにはなりません」と書いています。
照度計とは、明るさを数字で測る道具のことです。
さらに、遮光率はネットそのものの「目合の濃さ」の目安と考えてほしい、とも説明しています。
目合の濃さとは、網の目がどれだけ詰まっているかのことで、数字が大きければ日光を通しにくい、という関係です。
言いかえると、遮光率はネットという素材の性質を表す数字です。
あなたの容器の上がどれだけ暗くなるか、水温がどれだけ変わるかを直接表す数字ではない、と受け止めておくと失敗しにくくなります。
メダカ向けの推奨値はない、だから水温計で決める
では、メダカの容器には遮光率が何%のネットを選べばよいのでしょうか。
調べた範囲では、メダカの容器向けに何%がよいかを示したメーカーや公的機関の資料は見当たりませんでした。
インターネット上ではいろいろな数字が紹介されていますが、根拠となる一次情報が確かめられないため、この記事では特定の数字をおすすめしていません。
農業用の遮光ネットについても、日本ワイドクロスは、栽培する作物や生育の段階、使う時期によって適した遮光ネットを使うよう案内しています。
同じ作物でも、地域や環境によって異なる遮光率が使われているとも説明しています。
作物でさえ条件によって合う遮光率が変わるのですから、容器の大きさや置き場所がそれぞれ違うメダカの飼育で、一つの数字に決めるのは難しいですね。
実際、水温の上がり方は日除け以外の条件でも変わります。
ジェックスは、黒など色の濃い容器は熱を吸収しやすく、容器が小さい場合や浅い場合は水温上昇がより顕著になると説明しています。
水が蒸発して水位が低くなると水温上昇も早くなる、とジェックスは別のページで注意しています。
そこでおすすめしたいのが、遮光率の表示を入り口にして、最後は水温計で決めるという考え方です。
テトラは「水温は目で見てわかるものではない」として、容器に水温計を設置しておくよう勧めています。
屋外飼育でも「1日の水温の変化をチェックして」、必要に応じて暑さ対策をする必要があるとも説明しています。
たとえば、日除けを張る前と張ったあとで、同じ時間帯の水温を見比べてみてください。
上がり方がまだ大きいと感じたら、遮光率の高いネットに替えるか、ネットの下の空間や風の通り道を見直すかを考えます。
反対に、容器がいつも暗くなりすぎているようなら、遮光率を下げたり覆う範囲を小さくしたりして、光の入る余地を戻してあげましょう。
水温計には、その日の最高と最低を記録できるタイプもあります。
たとえばテトラの「テトラ メダカの浮かべるデジタル水温計」は、製品ページで「最高水温と最低水温を記録します」と説明されています。
日中に容器を見に行けない日でも、いちばん高くなった水温をあとから確かめられるのは便利ですね。
遮光率はネットの性質を表す数字、水温計はあなたの容器で起きていることを表す数字なので、迷ったときは水温計の記録を優先して調整してみてください。
遮光ネットの色で変わること
遮光ネットを探していると、黒のほかにシルバーや白、熱線を反射するミラータイプなど、いくつかの色があることに気づくと思います。
遮光ネットのメーカーは、色によって熱の遮り方や長持ちのしやすさに差があると説明しています。
この熱の遮り方を表す言葉が遮熱性で、つまり日差しの熱をどれだけ遮れるかという性質のことです。
ただし、ここで紹介する色の違いは、どれも農業や園芸でネットを使う場面に向けたメーカーの説明です。
メダカの容器の水温で色ごとに比べた一次情報は、調べた範囲では見つかりませんでした。
そのため、この節では色ごとの一般的な性質を紹介したうえで、メダカの容器ではどこに気をつければよいかを考えていきます。
あらかじめお伝えしておくと、色の違いよりも先に確かめておきたいのが、ネットの下の空間と風の通り道です。
黒・シルバー・白・ミラーの遮熱性と耐久性

イノベックスは相談室FAQ「遮光率とは」で、遮熱性が「黒→シルバーグレー→ミラータイプの順に高くなります」と説明しています。
日本ワイドクロスは、遮熱性は黒よりシルバー、シルバーより白が高いとし、耐久性はその逆で、白よりシルバー、シルバーより黒が高いと整理しています。
ここでいう耐久性は、紫外線による劣化に強く、長持ちするかどうかのことです。
日本ワイドクロスは「黒色は紫外線劣化に強く長持ちします」と書いています。
イノベックスも、黒を「最も一般的で経済的」な色として紹介しています。
シルバーグレーについて、イノベックスは黒とミラーの中間の働きをもち、ミラーより安価ながら「黒よりも優れた遮熱性があります」と説明しています。
ミラータイプは熱線を反射するつくりのネットで、イノベックスは遮熱性が最も高い製品としています。
一方で、高価であることに加えて「紫外線への耐候性がやや劣ります」とも書かれています。
耐候性とは、つまり屋外で日光や雨風に長くさらされても性能を保てるかどうかのことです。
白については、日本ワイドクロスが、黒やシルバーよりも「同じ遮光率でも生地への熱吸収が少なく」温度上昇を防げると説明し、遮熱性をいちばん高い位置に置いています。
イノベックスは、白は光線を反射しやすい一方で、黒に比べると「やや紫外線への耐久性が低い」とし、粗悪品は特にそうだと注意しています。
このように、遮熱性の高い色ほど、紫外線への強さでは黒に及ばないという兼ね合いがあります。
また、遮熱性のいちばん上をイノベックスはミラー、日本ワイドクロスは白としていて、メーカーによって挙げ方も違います。
黒が遮熱性でいちばん低く、耐久性でいちばん高いという点は、両社の説明に共通しています。
色ごとの違いを、メーカーの説明をもとに表にまとめました。
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| 色 | 遮熱性(熱を遮る力) | 耐久性(紫外線への強さ) | 出典 |
|---|---|---|---|
| 黒 | 両社とも最も低いとしている | 日本ワイドクロスは最も高いとし、紫外線劣化に強く長持ちすると説明 | イノベックス、日本ワイドクロス |
| シルバー(シルバーグレー) | イノベックスは黒とミラーの中間で黒より高いとし、日本ワイドクロスは黒と白の中間としている | 日本ワイドクロスは白と黒の中間としている | イノベックス、日本ワイドクロス |
| 白 | 日本ワイドクロスは最も高いとし、同じ遮光率でも生地への熱吸収が少ないと説明 | 日本ワイドクロスは最も低いとし、イノベックスも黒に比べてやや紫外線への耐久性が低いと説明 | イノベックス、日本ワイドクロス |
| ミラー | イノベックスは最も高いとし、熱線を反射するネットと説明 | イノベックスは紫外線への耐候性がやや劣ると説明 | イノベックス |
表の内容は、どれも農業や園芸向けのメーカーの説明で、メダカの容器で色ごとに水温を比べた結果ではありません。
そのため、メダカにはこの色が正解とは言い切れない、というのが正直なところです。
夏のあいだの熱の遮り方を重く見るのか、長く使えることを重く見るのか、あなたの使い方に合わせて選んでみてください。
色の差より効くのはネットの下の空間と風の通り道
色選びよりも先に考えておきたいのが、ネットをどう張るかです。
イノベックスは「ネット下に十分な空間と通気がなければ結局温度は上昇します」と、どの製品にも共通する注意として書いています。
遮光率を説明するページでも、遮熱性の順を示したすぐあとに、ネット内部の通気が十分に保たれない場合は「むしろ温度が上昇します」と続けています。
遮熱性がいちばん高いとされるミラータイプでさえ、温度上昇を抑える効果が一番高いのは「空間と通気が確保された状態であれば」という条件つきで説明されています。
つまり、遮熱性の高い色を選んでも、ネットの下に熱がこもる張り方をしてしまうと、かえって逆効果になりかねないということですね。
イノベックスのラッセル遮光網の製品ページにも、「ネットの下の部分の通気にご注意ください」という注意書きがあります。
これらは農業や暮らしの場面に向けた説明ですが、ネットの下に熱がこもるという考え方は、容器の上に張るときにも同じように当てはめておくのが安全です。
メダカの容器で考えると、ネットを容器のふちや水面に直接かぶせるのではなく、容器の上に空間を取って張ることが基本になります。
さらに、四方をすべて囲い込まずに風が抜ける側を残しておくと、ネットの下の空気が入れ替わりやすくなります。
色の違いは、この空間と風の通り道が確保できてはじめて生きてくるもの、と考えておくと選びやすくなりますね。
すだれ・よしず・浮草と比べて選ぶ
夏の日除けは、遮光ネットだけが選択肢ではありません。
観賞魚メーカーのページを見ると、すだれやよしずがたびたび登場し、すのこや植物で日陰を作る方法も紹介されています。
ジェックスは、日除けや遮光ネット、すだれなどを使って直射日光を避けることができると、いくつかの方法を並べて紹介しています。
どの方法にも得意なことと気をつけたいことがあるので、特徴を知ったうえで、容器の置き場所や手に入る道具に合わせて選ぶのがよいですね。
比べるときの物差しは、ここまでと同じで、光を残せるか、風が通るか、そして水温計で見て上がり方を抑えられているかの3つです。
ほかの日除けと並べてみると、遮光ネットが向いている場面も見えやすくなります。
この節では、メーカーが挙げている特徴と注意を表に並べて、遮光ネットとほかの日除けの違いを整理します。
すだれ・よしず・浮草で日陰を作るときの違い

ジェックスは、すだれやよしずを屋外のメダカ飼育に重宝する日除けとして紹介しています。
その理由として挙げているのが、日かげができると同時に「隙間があるので風通しも良く、光も通す」という点です。
つまりすだれやよしずは、隙間がある分だけ光と風を通せるので、光を残して風を通すというここまでの考え方と相性のよい日除けなのですね。
テトラも、夏場の直射日光による水温上昇を防ぐために、すだれやよしずで日除けを作る方法を紹介しています。
ジェックスの月別の注意点では、5月でも水温が極端に上がるようなら、すだれやよしずで容器に日陰を作るよう書かれています。
梅雨明け後についても、日中の高水温を避けるためにすだれやよしずなどを使い、水温にも気を付けるよう書かれています。
すのこについては、テトラが、理想的な置き場所が見つからない場合に「すのこなどで日陰を作ってあげる」ことを、急な水温上昇を防ぐ方法として紹介しています。
植物を使う方法としては、ジェックスが、朝顔やヘチマなどのつる性の植物で「自然の植物カーテン」を作り、影をつくるやり方を挙げています。
浮草や水草を入れている容器では、先ほどお話ししたとおり、水面を覆い尽くしたり葉が茂りすぎたりしないよう気を配ることが大切です。
遮光ネットは、イノベックスが「半日陰で環境を整える」ネットと説明しているとおり、遮光率の表示を目安に光の遮り方の強さを選べ、色によって熱の遮り方も選べるのが特徴です。
その代わり、先ほどお話ししたように、ネットの下に空間と風の通り道を作る張り方が欠かせません。
それぞれの日除けについて、メーカーが挙げる特徴と注意を表にまとめました。
→ 横にスクロールできます
| 日除けの方法 | メーカーが挙げる特徴 | 注意 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 遮光ネット | 日光を遮り、半日陰を作るネット/遮光率の表示と色で選べる/直射日光を避ける方法の一つとして観賞魚メーカーも挙げている | ネット自体に温度を下げる効果はない/ネットの下に空間と通気がないと温度は上がる | イノベックス、ジェックス |
| すだれ・よしず | 日かげができ、隙間があるので風通しがよく、光も通す/急な水温上昇を防ぐ日除けとして紹介されている | 梅雨明け後はすだれやよしずを使いながら、水温にも気を付けるよう書かれている | ジェックス、テトラ |
| すのこ | 理想的な置き場所が見つからないときに日陰を作り、急な水温上昇を防ぐ方法として紹介されている | まずは午前中に日が当たり、午後から日陰になる置き場所が理想とされている | テトラ |
| 浮草・植物 | 朝顔やヘチマなどのつる性の植物で、植物カーテンの影を作れる | 浮草を水面一面に浮かべるとメダカが日光に当たれない/水草の葉が茂りすぎると日が当たらず病気になることがある | ジェックス、テトラ |
どの方法を選んでも、光を残し、風を通し、水温計で上がり方を確かめる、という3つの物差しは変わりません。
屋外の容器に向く水草の種類や入れるときの注意は、産卵や隠れ家としての働きから屋外向きの水草を選んだ記事で紹介しています。
日除けを自分で付ける手順と注意
遮光ネットやすだれを使った日除けは、容器の置き場所に合わせて自分で張ることもできます。
このとき、どこで買った資材でも、選ぶ基準はここまでと同じです。
100円ショップやホームセンターで日除けに使えそうな資材を見かけたときも、遮光率などの表示があるかを確かめ、同じ基準で選んでみてください。
表示が見当たらない資材を使う場合は、張ったあとに水温計で上がり方を確かめる前提で使うと安心ですね。
100円ショップの道具をメダカ飼育に使うときの全体の考え方は、100均で使えるメダカ用品と避けたい物の見分け方をまとめた記事も参考にしてみてください。
張るときは、ネットと容器の距離や、光と風の入る側をどう残すかによって、ネットの下の環境が変わってきます。
この節では、容器の上に日除けを張るときの手順と、風で飛ばないように固定するときの注意をお話しします。
ベランダや高い場所に張る場合は、住まいの規約も関わってくるので、あわせて確かめていきましょう。
容器に密着させず、光と風の入る側を残して張る

ここでは、メーカーの説明をもとに、容器の上に日除けを張るときの流れを整理します。
- 置き場所で、日が当たる時間帯と向きを確かめる
- ネットが容器のふちや水面に触れないよう、容器の上に空間を取って張る
- 四方を囲い込まず、風が抜ける側を残す
- 容器全体を覆い切らず、光の入る側を残す
- ネットの縁の穴や専用の留め具を使い、風で飛ばないように固定する
- 張ったあとは水温計で、1日の水温の変化を確かめる
1つ目の置き場所は、先ほど紹介した、テトラが理想とする置き場所の考え方が手がかりになります。
そうした場所がない場合は、日差しが強くなる時間帯に容器へ影が落ちる位置を考えて、日除けを張る場所を決めてみてください。
2つ目と3つ目は、イノベックスがくり返し注意している、ネットの下の空間と通気のことです。
ネットを容器に直接かぶせると、ネットと水面のあいだに熱の逃げ場がなくなりやすいので、支えを使うなどして容器の上に空間を作りましょう。
ジェックスがすだれやよしずを勧める理由も、隙間から風が通ることでしたね。
4つ目の光の入る側は、メダカには日光が必要だという、テトラやコトブキ工芸の説明を踏まえたものです。
容器のどれくらいを覆えばよいかを示した数字は、メーカーの説明には見当たりません。
容器の一部には日が入る余地を残し、水温計を見ながら、覆う範囲を少しずつ調整していくのがよいですね。
5つ目の固定については、次の見出しで詳しくお話しします。
6つ目の水温計の確認は、張り方が合っているかを確かめる最後の手順です。
日除けを張ったあとは、次の3点を確かめてみてください。
1点目は、ネットと容器のあいだに空間があり、風が抜ける側が残っていることです。
2点目は、容器のどこかに光の入る側が残っていて、水面が真っ暗になっていないことです。
3点目は、水温計で張る前と後の水温を見比べ、上がり方が抑えられているかを確かめることです。
風で飛ばない固定と、台風の前の備え
日除けは、風にあおられて飛ばされたり、容器の上に落ちたりしないように固定しておくことが大切です。
固定のしやすさを見るときは、ネットの縁にハトメが付いているかを確かめると選びやすくなります。
ハトメとは、つまりひもやフックを通すために、縁を補強して開けてある穴のことです。
たとえばイノベックスのラッセル遮光網は、周囲をテープで補強し、ハトメを取り付け済みの製品として紹介されています。
イノベックスは、ネットをしっかり張るための専用の吊具も製品として用意しています。
吊具とは、つまりネットを留めて張るための専用の道具のことです。
ネットを選ぶときは、ハトメの有無や使える吊具があるかも見ておくと、張るときの作業を思い描きやすくなりますね。
台風が近づくときの備えについて、ジェックスは9月の注意点の中で、容器のフタも風で飛ばされないように、重石などをしっかり乗せるよう書いています。
ただしこれは容器のフタについての説明で、遮光ネットそのものを台風のときにどう扱うかを示したメーカーの説明は、調べた範囲では見当たりませんでした。
強い風が予想されるときは、日除けもフタと同じように飛ばされるおそれがあるものとして、前もって扱いを考えておくと安心です。
ベランダで飼っている場合は、日除けの固定に加えて、照り返しや住まいの規約も確かめておきたいところです。
ベランダに容器を置くときの規約や日当たりの調整は、管理規約や耐荷重からベランダでメダカを飼う条件を整理した記事にまとめています。
ベランダや高い場所に日除けを張る前に、次のことを確かめておきましょう。
まず、住まいの管理規約や賃貸の契約で、手すりなどに物を取り付けてよいかを確認してください。
次に、ネットや留め具が風で外れたとき、下の階や通路に落ちるおそれがない場所かを見ておきます。
高い場所での作業に不安があるときは、無理をせず、低い位置で張れる方法を考えるのも一つの選択です。
最終的には、あなたの住まいのルールと周りの安全を優先して判断してください。
容器の上に張る遮光ネットを探しているなら、ダイオ化成のラッセル遮光網(遮光率75%・2×2m)のように、遮光率が表示された資材もありますよ。
遮光率は目安なので、張ったあとに水温計で確かめてから調整してみてください。
メダカ用遮光ネットに関するよくある質問(FAQ)
遮光ネットは何%を選べばいいですか?
メダカの容器向けに何%がよいかを示したメーカーや公的機関の資料は、調べた範囲では見当たりませんでした。
遮光率の表示は、遮光ネットのメーカー自身が目安と説明している数字です。
まずは表示を目安に選び、張る前と後の水温を水温計で見比べて調整するのがおすすめです。
黒とシルバーはどちらがいいですか?
遮光ネットのメーカーの説明では、熱を遮る遮熱性はシルバーのほうが黒より高く、紫外線による劣化への強さは黒のほうが高いとされています。
ただし、これは農業や園芸向けの説明で、メダカの容器で比べた結果ではありません。
どちらの色でも、ネットの下に空間と風の通り道がなければ温度は上がってしまうので、張り方もあわせて考えてください。
すだれと遮光ネットはどちらがいいですか?
ジェックスは、すだれやよしずを、隙間から風が通り光も通す日除けとして屋外のメダカ飼育に勧めています。
遮光ネットは、遮光率の表示を目安に光の遮り方を選べ、色によって熱の遮り方も変わります。
どちらを選ぶ場合も、光を残して風が通るように張り、水温計で上がり方を確かめるという点は同じです。
夏は一日中日陰に置けば安全ですか?
テトラはメダカを太陽が必要な魚と説明しており、コトブキ工芸も適度に自然の光が当たる場所を最適としています。
ジェックスは、水草が茂りすぎてメダカに日が当たらなくなると、病気になることがあると書いています。
夏も光をゼロにはせず、当てすぎないように日除けで調整するのが基本ですね。
100均の資材でも日除けに使えますか?
どこで買った資材でも、遮光率などの表示を見て、この記事と同じ基準で選ぶことができます。
表示が見当たらない場合は、張ったあとに水温計で上がり方を確かめる前提で使ってみてください。
どの資材でも、容器の上に空間を取り、風で飛ばないように固定することは忘れないようにしましょう。
まとめ|遮光ネットは水温の上がり方を抑える道具、光と風を残して張り水温計で確かめる
最後に、この記事のポイントを振り返っておきましょう。
- 夏の日除けの目的は、容器を暗くすることではなく、水温の上がり方を抑えること
- 遮光ネットは温度を下げる道具ではなく光線や熱線を遮る資材なので、光はゼロにしない
- 遮光率はネットの性質を示す目安で、メダカの容器向けの推奨値は見当たらない
- 色は遮熱性と耐久性の兼ね合いで、どれも農業や園芸向けの説明
- どの色でも、ネットの下の空間と風の通り道がないと温度は上がる
- すだれやよしずは、隙間から光と風が通る日除けとして観賞魚メーカーが紹介している
- ハトメや吊具を使って風で飛ばないように固定し、台風の前は日除けの扱いも考えておく
- 最後は水温計で、張る前と後の水温を見比べて調整する
遮光率の表示や色の違いは、あくまで選ぶときの目安です。
容器の大きさや置き場所によって水温の上がり方は変わるので、あなたの容器の水温計を見ながら、少しずつ調整してみてください。
ベランダや高い場所に日除けを張るときは、住まいの規約と周りの安全を確かめたうえで、無理のない方法を選んでくださいね。
夏のメダカが、光と風の通る日陰で元気に過ごせるよう、日除けづくりの参考にしてみてください。


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