オランダ獅子頭の種類を色と体型で整理|丹頂・茶金・青文魚・東錦の見分け方
頭にぷっくりした肉瘤をのせて、ひらひらと尾を揺らすオランダ獅子頭。お店で見かけて気になったものの、赤いもの、白い体に赤い頭のもの、茶色や青黒いもの、まだら模様のものまで並んでいて、どれがオランダ獅子頭の種類なのか分からなくなった、という方も多いかなと思います。
実はオランダ獅子頭の種類は、色と体型、そしてオランダ型の体を受け継いだ近い品種の3つに分けて見ると、ぐっと整理しやすくなります。赤や更紗の色に加えて、東錦のように体の形はオランダ獅子頭と同じで模様が違う品種や、オランダ型の丹頂、オランダ型のものがある茶金のような品種があります。青文魚や桜東錦のように、オランダ獅子頭とのつながりを資料でていねいに確かめたい品種もあるんですよ。
この記事では、金魚の産地である愛知県弥富市と奈良県大和郡山市、東京都江戸川区の公式ページの説明をもとに、オランダ獅子頭の種類と色の違い、らんちゅうや琉金との見分け方を整理しました。3つの公式ページが品種ごとに何を書いているかを並べた比較表と、背びれ・肉瘤・体型・色の順に品種名を当てていく見分けの手順も用意しています。初めての1匹の選び方が気になって調べている方にも役立つよう、後半では種類を選ぶときの考え方と、オランダ型の品種に共通する飼い方の基本もまとめました。
- オランダ獅子頭の色と、丹頂・茶金・東錦など体の形が近い品種の違い
- 青文魚・羽衣や桜東錦をオランダ獅子頭とどう見分けるか
- 3つの公式ページの説明を並べた品種の比較と見分けの手順
- 種類を選ぶときの考え方と、オランダ型の品種に共通する飼い方の基本
オランダ獅子頭の種類は色と体型で見分けられる

この章では、オランダ獅子頭の種類を“色”と“体型”の2つの軸で順番に見ていきます。オランダ獅子頭は、頭の肉瘤と、琉金に似た丸みのある体、長いひれを持つ金魚です。その体の形をベースに、体の色が違うものや、ほかの品種と交配して模様が加わったものが、それぞれ別の名前で呼ばれています。
前半では、まずオランダ獅子頭そのものの特徴と、赤・更紗という色を確認します。続いて、オランダ型の丹頂が最もよく見られるという丹頂と、オランダ型のものがある茶金、青黒い色の青文魚と羽衣、キャリコ模様の東錦とその血を引く桜東錦を順に取り上げます。最後に、同じオランダ獅子頭でも「胴長」と「丸い体型」で説明が分かれている点を、公式ページの書き方から整理しました。どの品種も、背びれがあるか、頭に肉瘤があるか、体がどんな形かを見れば、オランダ型かどうかの見当がつきますよ。
オランダ獅子頭とは?琉金ゆずりの体と肉瘤

オランダ獅子頭は、琉金に似た丸みのある体と長いひれを持ち、頭に肉瘤(にくりゅう)と呼ばれるこぶが発達する金魚です。種類を見分けるときの土台として、この記事では“背びれがある・頭に肉瘤がある・琉金に近い体”の3点を目安にします(記事の整理です)。背びれがあることは、弥富市が秋錦を「背びれのないオランダシシガシラを目指して」作られた品種と説明していることからも読み取れます。
成り立ちについて、奈良県大和郡山市の公式ページは、琉金が変異した琉金シシガシラから、さらに変異してできたものと考えられている、と説明しています。体型は琉金よりも胴長で、各ひれも長く、頭部は肉瘤が発達して丸みをおびている、というのが同市の説明です。
愛知県弥富市の金魚図鑑も、オランダと名前が付いているものの、200年ほど前に中国から輸入された品種だとしています。体型は琉金に似ていて、頭に大きな肉瘤があるのが特徴、という書き方です。東京都江戸川区の金魚図鑑も、名前にオランダとつくけれど江戸時代に中国からやってきた、と紹介しています。名前から“オランダ原産の金魚”と思われがちですが、弥富市と江戸川区の図鑑では中国から来た金魚として説明されているわけですね。
肉瘤は、生まれたときから大きいわけではありません。大和郡山市は、当歳魚(その年に生まれた魚)から3年、4年と成長するほど頭の肉瘤が発達し、優美なものとして楽しめる、と説明しています。お店で小さな個体を見て“肉瘤が小さいから別の種類かも”と迷ったときは、年齢による差かもしれない、という視点を持っておくと判断を誤りにくくなります。
大きさや成長のペースについては、オランダ獅子頭の成長速度と適正サイズを解説した記事で詳しくまとめています。種類によって育ち方の傾向を知りたい方は、あわせて読んでみてください。
ちなみに、肉瘤がある金魚はオランダ獅子頭だけではありません。らんちゅうも頭に肉瘤がありますが、らんちゅうには背びれがない点が大きな違いです。この見分け方は、後半の章で表にして整理しています。まずは“背びれがあって、頭に肉瘤があって、琉金に近い体”ならオランダ型、という目安を持っておけば十分ですよ。
オランダ獅子頭の色の種類は赤と更紗から
オランダ獅子頭そのものの色として公式ページが挙げているのは、赤一色と、赤と白が混ざった更紗(さらさ)です。品種名を見分けるときは、まずこの2つの色を出発点にすると整理しやすいかなと思います。
江戸川区の金魚図鑑は、オランダシシガシラの体の色について、赤色1色や、赤白の更紗もようがいる、と紹介しています。今回確かめた3つの公式ページのうち、オランダ獅子頭そのものの色を具体的に挙げているのは、この江戸川区のページです。弥富市と大和郡山市のページは、オランダ獅子頭の項目では体型と肉瘤の説明が中心で、色の種類は挙げていません。
更紗は、赤と白の分かれ方が1匹ずつ違うのが見どころです。どこに赤が入り、どこが白く残るかは個体ごとに異なるので、同じ更紗でも印象はかなり変わります(一般的な見え方の例で、資料に模様の分類が書かれているわけではありません)。好みの1匹をじっくり探す楽しさがあるのは、むしろ更紗のほうかもしれませんね。
ここで1つ気をつけたいのが、模様が“頭だけ赤い”個体です。白い体に頭だけが赤い金魚には、丹頂という別の品種名があります。更紗のオランダ獅子頭でも、たまたま頭の赤が目立つ個体はいるので、お店の表示が「オランダ」なのか「丹頂」なのかを確かめておくと、あとで名前が分からなくなることを防げます。
また、金魚は稚魚のうちに体色が大きく変わります。愛知県の資料では、金魚の稚魚はフナのような体色をしていて、生まれてから3〜6か月ほどで赤や白に色変わりする「たい色現象」が起きる、と説明されています(色変わりの時期は資料や個体によって幅があります)。とても小さいうちに買った個体は、模様がまだ落ち着いていない可能性もある、という点は頭の片隅に置いておきましょう。
なお、赤と更紗以外の色の個体を“オランダ”の名前で見かけることもあるかもしれません。ただ、今回確かめた公式ページには、そうした色を独立した品種として説明した項目は見当たりませんでした。色の呼び名は販売店ごとに付け方が違うこともあるので、気になる個体は品種名と産地を店員さんに確かめるのがいちばん確実です。
丹頂と茶金はオランダ型のものがある色違いの品種

丹頂(たんちょう)と茶金(ちゃきん)は、オランダ獅子頭と体の形が共通するものがあり、色がはっきり違う品種です。ただし書き方は品種ごとに違い、丹頂は弥富市が「オランダ型の丹頂が最もよく見られます」と書き、茶金は弥富市がオランダ型、大和郡山市が琉金型とオランダ型の2種類としています。“オランダ獅子頭の種類”を調べる方がまず知っておきたい2つと言えます。
丹頂は、白い体に頭だけが赤い金魚です。大和郡山市の公式ページは、体色と各ひれは白色で頭部のみが赤く、まるで丹頂鶴を思わせる、と表現しています。体型は大柄で尾も太く、オランダシシガシラと同型だというのが同市の説明です。弥富市の金魚図鑑も、丹頂はもとは中国から輸入された金魚で、オランダ型の丹頂が最もよく見られる、としています。
ここで面白いのが、弥富市が「出目タイプで背びれのないものはガトウコウと呼ばれています」と書いている点です。つまり、頭だけ赤い色の金魚がすべてオランダ型というわけではなく、体の形が違えば別の名前になります。丹頂を見分けるときも、色だけでなく背びれと体型を一緒に見る、という順番が大切ですね。
茶金は、茶褐色の体色を持つ金魚です。弥富市の金魚図鑑は、中国から輸入されたオランダ型の品種で、それまで日本で見られなかった茶色という体色を持つ、と説明しています。英語ではチョコレートオランダと呼ばれるそうだ、という一文もあります。
一方、大和郡山市の公式ページは、茶金について琉金型のものと、オランダシシガシラ型の2種類がある、と書いています。弥富市は「オランダ型の品種」、大和郡山市は「琉金型のものと、オランダシシガシラ型の2種類」という書き方なので、茶色い金魚を見たら、頭に肉瘤が発達しているかどうかでオランダ型かを確かめるのが確実です。
丹頂の寿命や長く飼うためのコツは、丹頂金魚の寿命と飼い方をまとめた記事で、オランダ獅子頭との違いも含めて解説しています。丹頂を候補に入れている方は、こちらも参考にしてみてください。
丹頂と茶金は“オランダ型のものがある色違いの品種”と覚えると整理しやすいです。ただし、丹頂には背びれのないガトウコウ、茶金には琉金型もあると公式ページに書かれているので、色だけで決めず、背びれと肉瘤も一緒に確かめましょう。
青文魚と羽衣は青黒い色とその退色が特徴
青文魚(せいぶんぎょ)は、青みがかった黒い体色が特徴の金魚で、羽衣(はごろも)はその青文魚の色が抜けて白と黒になったものを指す呼び名です。白と黒の金魚を見かけて品種名が気になったときは、まずこの青文魚と羽衣の関係を思い出すと手がかりになります。
弥富市の金魚図鑑は、青文魚について、名前のとおり体色は黒青色をしていて、退色して白と黒になったものは羽衣と呼ばれる、と説明しています。中国が原産で、頭部の肉瘤が発達したものは高頭青文(こうとうせいぶん)と呼ばれ、比較的大きく育つ品種だ、という一文もあります。
ここで注意したいのは、弥富市の図鑑が青文魚を「オランダ型の品種」とは書いていない点です。丹頂や茶金には「オランダ型」という言葉が使われているのに対し、青文魚の項目では、肉瘤が発達したものを高頭青文と呼ぶ、という書き方になっています。さらに同じ図鑑には、青文魚と同じ色合いを持つランチュウ体型の青ランチュウという品種も載っています。肉瘤のある青黒い金魚を見かけたら、まず背びれを確かめましょう。背びれがあれば高頭青文の可能性、背びれが無ければ青ランチュウの可能性、と分けて考えると資料の書き方とずれにくくなります。
羽衣は、弥富市の図鑑では青文魚が「退色して白と黒になったもの」の呼び名として説明されています。羽衣になったあとの模様がどう変わっていくかまでは、この図鑑には書かれていません。なお、白と黒の体色を“パンダ”と呼ぶ言い方は、弥富市の図鑑では蝶尾(ちょうび)の説明の中に出てきます。白黒の個体の名前が気になったときは、色の呼び名だけで判断せず、お店の品種表示を確かめるのが確実です。
通販などで「パンダ」と呼ばれて売られている白黒のオランダ型の金魚について、模様が変わる仕組みと値段は、白黒のパンダオランダが羽衣と呼ばれる理由の解説で紹介しています。
色の名前だけで選ぶと、品種名の取り違えが起きやすくなります。青黒い個体や白黒の個体ほど、背びれの有無、肉瘤の発達、体型といった色以外のところをよく見て、気に入った個体を選ぶのが後悔しにくい方法です。
体色の変化が病気のサインかどうか気になったときは、色だけで判断しないことが大切です。食欲や泳ぎ方、体の表面の様子もあわせて確認し、気になる変化が続くときは購入したお店に相談しましょう。最終的な判断は専門家にご相談ください。
東錦はキャリコ模様のオランダ型の品種
東錦(あずまにしき)は、オランダ獅子頭の体型に、いろいろな色が混ざったキャリコ模様を持つ品種です。桜東錦(さくらあずまにしき)は、その東錦と桜錦を交雑して作られた新しい品種で、淡いピンクの鱗が特徴とされていますが、体型については今回確かめた資料に書かれていません。
東錦の成り立ちは、3つの公式ページがいずれも説明しています。大和郡山市は、昭和6年に横浜で育成され、三色出目金とオランダシシガシラを交配して作出したもの、としています。体型はオランダシシガシラと同じで頭部の肉瘤がよく発達し、体色はモザイク模様の雑色性で、赤色がよく出て配色が鮮明なものがよいと言われる、という説明です。尾芯が垂れ下がらず尾の形が良ければ品位がある、という見どころにも触れています。
弥富市の金魚図鑑は、昭和初期に関東地方で作出され、オランダ型の体型とキャリコの体色を持つ、と書いています。さらに、最近では日本国内や中国の養殖場で大量に生産される傾向があり、古来の東錦とはやや趣が異なるようだ、という一文も添えています。江戸川区の図鑑も、体の形はオランダシシガシラと同じで色はキャリコもよう、漢字で東の錦と書き、関東地方(横浜)で生まれた金魚であることを意味している、と紹介しています。
キャリコ模様の由来についても、弥富市は出目金の項目で、キャリコ琉金や東錦の独特のまだら模様はすべてキャリコ出目金との交雑によって作られた、と説明しています。東錦は、オランダ獅子頭の体に出目金ゆずりの模様をのせた品種、と考えると分かりやすいですね。
桜東錦について弥富市は、桜錦と同じく淡いピンクの鱗が美しい新品種で、東錦と桜錦の交雑で作出された、としています。人気が高まりつつある一方で、流通量はまだ少ない品種だ、という説明です。ここで気をつけたいのが、もう一方の親の桜錦について、弥富市が「背ビレはなく」と書いている点です。桜東錦の背びれや体型は図鑑に書かれていないので、東錦と同じオランダ型だと決めつけず、お店で実物の背びれと体型を確かめましょう。
なお、東錦とよく似た名前の江戸錦は、らんちゅうと東錦の交配で作られた品種です。大和郡山市は体型をランチュウと同型と書き、弥富市も体系はランチュウ、体色は東錦のモザイク透明鱗と説明しています。背びれがないので、オランダ型ではありません。東錦とらんちゅう型の品種の違いは、東錦とらんちゅうの見分け方と系統図の記事で、桜錦・江戸錦との関係も含めて詳しく整理しています。
胴長と丸い体型は資料でも書き方が分かれる
オランダ獅子頭の体型は、公式ページの間でも書き方が分かれています。大和郡山市は「琉金よりも胴長」と書き、弥富市は「最近では丸い体型に改良されたものが多いようです」と書いているため、同じオランダ獅子頭でも、胴の長い個体と丸い個体の両方が流通していると受け止めるのが自然です。
大和郡山市の公式ページは、体型は琉金よりも胴長で、各ひれも長い、と説明しています。一方、弥富市の金魚図鑑は、体型は琉金に似ているとしたうえで、最近では丸い体型に改良されたものが多いようだ、と書いています。江戸川区の図鑑は、リュウキンのような丸い体、という表現です。
3つを並べると、大和郡山市は胴長であることを、弥富市と江戸川区は琉金に近い丸さを強調している、という違いが見えてきます。どちらかが間違っているというより、昔ながらの体型と、近年の改良で丸くなった体型の両方を、それぞれのページが別の角度から説明していると考えるのがよさそうです(記事の整理であり、各市の公式見解をまとめたものではありません)。
体型の違いは、そのまま見た目の印象の違いになります。丸い個体は横から見たときのころんとしたシルエットが、胴の長い個体は大和郡山市の説明にもある長いひれを広げた姿が、それぞれの見どころです。どちらが上というより、水槽の前で自分がどんな姿を眺めていたいかで選ぶのが、いちばん満足度が高いかなと思います。泳ぎ方や体調の面で気になる点があれば、購入前にお店で実際に泳ぐ様子を見せてもらうと安心ですよ。
お店によっては、体型の違いを“長手”“丸手”のような言葉で書き分けていることもあります。ただ、今回確かめた3つの公式ページには、こうした呼び分けの定義は書かれていませんでした。ラベルの言葉だけで判断せず、実物の体の長さと丸さ、ひれの長さを自分の目で見て比べるのが確実です。
また、同じ個体でも成長によって印象は変わります。大和郡山市が説明しているように、肉瘤は3年、4年と年齢を重ねるほど発達するので、若い個体では頭の印象がまだ控えめなこともあります。体型を見比べるときは、できるだけ同じくらいの大きさの個体どうしで比べると、違いが分かりやすくなりますよ。
オランダ獅子頭の種類ごとの選び方と飼い方

この章では、前の章で見てきたオランダ獅子頭の種類を、実際に選ぶ・飼う場面で使える形に整理し直します。種類の名前を覚えても、お店の水槽の前で“この子はどれだろう”と迷ってしまっては意味がありませんよね。
はじめに、弥富市・大和郡山市・江戸川区の3つの公式ページが、品種ごとに何を書いているかを1つの表にまとめました。どの資料に何が書かれていて、何が書かれていないのかが一目で分かるようにしています。続いて、らんちゅうや琉金、秋錦などの近い品種との見分け方を、背びれ・肉瘤・体型・色の順にたどる手順として紹介します。後半では、初めての1匹を選ぶときの考え方と、オランダ型の品種に共通する飼い方の基本をまとめました。色や模様は違っても、体の形が近い品種どうしなら、毎日のお世話の土台は同じ考え方で組み立てられます。
3つの公式資料でくらべるオランダ型の品種
オランダ獅子頭と、オランダ型の体を持つ品種について、3つの公式ページの説明を並べると、資料ごとに得意な情報がはっきり分かれます。弥富市は品種の数が多く、大和郡山市は成り立ちと鑑賞の見どころ、江戸川区はオランダ獅子頭の色の種類を具体的に書いている、というのが大まかな違いです。
下の表は、各市区の公式ページの品種の項目から、オランダ型かどうかの判断に関わる記述を抜き出して並べたものです。“項目なし”は、今回確かめたページにその品種の説明が無かったという意味で、その品種が存在しないという意味ではありません。
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| 品種 | 弥富市(金魚図鑑) | 大和郡山市(金魚の品種) | 江戸川区(金魚図鑑) |
|---|---|---|---|
| オランダ獅子頭 | 約200年前に中国から輸入。体型は琉金に似て頭に大きな肉瘤。最近は丸い体型に改良されたものが多いよう | 琉金シシガシラからさらに変異したと考えられている。琉金より胴長で各ひれも長い。肉瘤は3〜4年かけて発達 | リュウキンのような丸い体に肉瘤。色は赤1色や赤白の更紗。江戸時代に中国から |
| 丹頂 | もとは中国から輸入。オランダ型が最もよく見られる。出目で背びれのないものはガトウコウ | 体と各ひれは白く頭部だけ赤い。大柄で尾も太く、オランダシシガシラと同型 | 項目なし |
| 茶金 | 中国から輸入されたオランダ型の品種。茶色の体色。英語ではチョコレートオランダと呼ばれるそう | 茶褐色。琉金型とオランダシシガシラ型の2種類がある | 項目なし |
| 青文魚(羽衣・高頭青文) | 体色は黒青色。退色して白と黒になったものが羽衣。肉瘤が発達したものは高頭青文。比較的大きく育つ | 項目なし | 項目なし |
| 東錦 | 昭和初期に関東地方で作出。オランダ型の体型とキャリコの体色。近年は大量生産の傾向があり、古来の東錦とやや趣が異なるよう | 昭和6年に横浜で育成。三色出目金とオランダシシガシラの交配。体型はオランダシシガシラと同じ | 体の形はオランダシシガシラと同じでキャリコもよう。関東地方(横浜)生まれ |
| 桜東錦(参考) | 東錦と桜錦の交雑で作出された新品種。淡いピンクの鱗。流通量はまだ少ない(体型の記載なし) | 項目なし | 項目なし |
| 秋錦(参考) | 明治の頃、背びれのないオランダシシガシラを目指し、ランチュウとオランダシシガシラの交雑で作出。今日ではランチュウでひれの長いものを指す | 項目なし | 項目なし |
表から分かるのは、まず東錦は、弥富市が「オランダ型の体型」、大和郡山市と江戸川区が「オランダシシガシラと同じ」体の形だと、それぞれ書いている、という点です。丹頂は、大和郡山市が「オランダシシガシラと同型」と書き、弥富市も「オランダ型の丹頂が最もよく見られます」と書いています。ただし弥富市は、出目で背びれのない丹頂色の金魚をガトウコウと呼ぶとも書いているので、頭が赤い白い金魚がすべてオランダ型というわけではありません。茶金も弥富市はオランダ型としていますが、大和郡山市は琉金型もあると書いているので、茶色い金魚がすべてオランダ型とは限りません。
青文魚と桜東錦は、今回確かめた中では弥富市の図鑑だけが項目を設けていました。とくに青文魚は、弥富市もオランダ型とは書かず、肉瘤が発達したものを高頭青文と呼ぶ、という書き方です。桜東錦も体型の記載はなく、親の桜錦は背ビレがない品種と説明されているので、表では参考として載せています。1つの資料にしか出てこない品種は、お店の説明や別の資料とも照らし合わせながら名前を確かめていくと安心ですね。
この表は記事の整理として作ったもので、各市区の公式見解をまとめ直したものではありません。品種の説明は今後更新されることもあるので、正確な情報は公式サイトをご確認ください。各品種の説明は、弥富市の金魚図鑑と、大和郡山市の金魚の系統と品種のページから読むことができます(出典:弥富市「金魚図鑑」、大和郡山市「金魚の品種」〈古来中国より伝来・交雑により固定・終戦後、中国より輸入・その他〉、江戸川区「金魚に親しもう!」の金魚図鑑。飼い方は同じページの「上手な飼い方」、色変わりは愛知県・弥富市などの講座「金魚の学校」の案内、放流については環境省の飼育者向け資料「水生生物を飼育・販売・養殖される皆さんへ」を参照)。
らんちゅう・琉金・秋錦との見分け方

オランダ獅子頭と近い品種を見分けるときは、背びれ、肉瘤、体型、色の順に見ていくのがいちばん迷いにくい方法です。とくに最初の背びれで、らんちゅうの仲間とはほぼ分けられます。
らんちゅうについて、大和郡山市は体型が丸形で背びれが欠除し、頭部によく発達した肉瘤があるのが特徴だと説明しています。江戸川区も、背ビレがなくて頭にコブのようなものがあるのが特徴、と書いています。つまり、肉瘤があっても背びれがなければ、オランダ獅子頭ではなく、らんちゅうの側の品種だと考えられます。
琉金は、大和郡山市の説明では、体長は比較的短く体高が高く、全体に丸みを帯びて頭が小さく、口の先がとがっている品種です。オランダ獅子頭は“琉金に似た体”と説明されますが、琉金の説明には肉瘤が出てきません。頭が小さく口先がとがって見えるなら琉金、頭に肉瘤が乗っているならオランダ獅子頭、というのが分かりやすい目安です。
少しややこしいのが秋錦(しゅうきん)です。弥富市によると、秋錦は明治の頃、背びれのないオランダシシガシラを目指して、ランチュウとオランダシシガシラの交雑で作られました。一度系統が途絶えて各地で復元されたため、今日ではランチュウでひれの長いものを秋錦と呼んでいる、とのこと。オランダ獅子頭と血がつながっていても、背びれのない秋錦はらんちゅうの側で見分けることになります。
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| 品種 | 背びれ | 頭の肉瘤 | 体型の説明 | 説明している公式ページ |
|---|---|---|---|---|
| オランダ獅子頭 | あり(秋錦の説明から) | あり・年齢とともに発達 | 琉金に似る/琉金より胴長/丸い体型に改良されたものが多い | 弥富市・大和郡山市・江戸川区 |
| らんちゅう | なし | あり | 丸形(大和郡山市) | 大和郡山市・江戸川区・弥富市 |
| 琉金 | 説明なし | 説明なし | 体長が比較的短く体高が高い。頭が小さく口先がとがる(大和郡山市)/体高があって丸く小さな顔(江戸川区) | 大和郡山市・江戸川区 |
| 秋錦 | なし | 説明なし | 今日ではランチュウでひれの長いもの | 弥富市 |
| 江戸錦 | なし(ランチュウ型) | 説明なし | 体型はランチュウ・体色は東錦の模様 | 大和郡山市・弥富市・江戸川区 |
この表を使った見分けの手順を、実際にお店で確かめる順番にすると次のようになります。
- 背びれを見る:無ければ、らんちゅう・秋錦・江戸錦など、らんちゅう型の品種の候補(丹頂の色で出目のガトウコウ、青文魚の色の青ランチュウなども背びれが無い側)
- 頭の肉瘤を見る:背びれがあって肉瘤も乗っていれば、オランダ型の候補
- 体の色を見る:赤・更紗ならオランダ獅子頭、白い体に赤い頭なら丹頂、茶色なら茶金、キャリコなら東錦
- 青黒い個体は青文魚(肉瘤が発達していれば高頭青文)、白黒の個体は羽衣の可能性を考え、淡いピンクの個体を含めて店の表示で品種名を確かめる
若い個体では肉瘤がまだ小さく、2番目の手順で迷うこともあります。そんなときは、お店の表示とあわせて判断しましょう。金魚全体の体型のグループ分けは、金魚の種類一覧と体型別の見分け方の記事でも詳しく紹介しています。
初めての1匹は入手しやすさと色の変化で選ぶ
オランダ獅子頭の種類で迷ったら、“お店で出会いやすいか”と“色が変わることを受け入れられるか”の2点で絞り込むのが、初めての方にはいちばん現実的な選び方です。見た目の好みはもちろん大事ですが、この2点を先に考えておくと、買ったあとの“こんなはずじゃなかった”を減らせますよ。
入手しやすさの手がかりになるのが、産地の生産品種です。愛知県の公式ページは、弥富市周辺ではリュウキン、デメキン、オランダシシガシラ、ランチュウ、タンチョウ、コメットなど、多くの品種が養殖されていると紹介しています。産地で養殖されている品種としてオランダ獅子頭と丹頂の名前が挙がっていることは、入手しやすさを考えるときの1つの手がかりになりそうです(生産品種の紹介から読み取った目安で、店頭の在庫を示すものではありません)。
反対に、弥富市が「流通量はまだ少ない」と書いている桜東錦のように、見かける機会が限られる品種もあります。希少な品種を最初の1匹にすること自体は問題ありませんが、入荷のタイミングを待つ必要があったり、選べる個体が少なかったりすることは覚えておきましょう。
色の変化については、青文魚と羽衣のように、退色の前後で呼び名が変わる品種があります。青文魚を迎えるなら、いずれ色が抜けて羽衣と呼ばれる姿になる可能性も含めて楽しめるかどうかで、向き不向きが分かれます。また愛知県の資料にあるとおり、金魚は稚魚期に生まれてから3〜6か月ほどで色変わりが起きるので、稚魚に近い小さな個体ほど今後の色の変化の余地があります。“今の模様に近い姿で育ってほしい”という方は、ある程度育った個体を選ぶ、という考え方もできますね(色がこの先変わらないことを保証するものではありません)。
迷ったときの選び方の目安です。まずは産地で養殖されている品種として名前の挙がるオランダ獅子頭(赤・更紗)や丹頂から、元気に泳いで餌をよく食べる個体を選びましょう。色の移り変わりも受け入れられる方は青文魚、模様の華やかさを重視するなら東錦、というように、好みに合わせて広げていくのがおすすめです(記事の整理としての目安です)。
どの種類を選ぶ場合も、色や模様より先に見てほしいのが健康状態です。ひれをしっかり広げて泳いでいるか、体の表面に白い点や充血がないか、水槽の底でじっとしていないかを確かめましょう。丈夫さを重視して品種そのものを選びたい方は、初心者に飼いやすい金魚の丈夫な種類を比べた記事も参考になるかなと思います。
また、オランダ獅子頭はデリケートだと言われることもあります。弱りやすいと言われる理由と、その対策については、オランダ獅子頭が弱いと言われる理由をまとめた記事で解説しています。種類を決める前に一度目を通しておくと、迎えたあとの準備がしやすくなりますよ。
オランダ型の品種に共通する飼い方の基本
オランダ型の品種なら、色や模様が違っても毎日のお世話の考え方は共通です。水を整えてから迎える、餌をあげすぎない、定期的に水を換える、という3つの土台を押さえておけば、赤でも丹頂でも東錦でも、同じ考え方で飼い始められます。
ここでは、江戸川区が子ども向けに金魚全般について示している飼い方の案内を土台として紹介します。オランダ獅子頭に限った基準ではないので、数字はそのまま守る決まりではなく、出発点の目安として読んでくださいね。江戸川区の案内では、水道水には消毒用の塩素が入っているので、そのまま使わず中和剤を入れること、暮らしやすい水にするために1週間前には準備をしておくことを勧めています。迎え入れるときは、金魚をゆっくり慣らしながら水槽の水に入れてあげる、という流れです。
水道水の塩素を中和する薬剤は、観賞魚用の水質調整剤として売られています。使う量は製品ごとに違うので、パッケージの表示に従ってくださいね。価格や在庫は購入前に各ショップでご確認ください。
餌について同じ案内は、1日2回〜3回に分けて、5分ぐらいで食べきれる量をあげるとしています。たくさんあげすぎないように、という注意も添えられています。水換えは、1〜2週間に1回、水槽の3分の1くらいの水を交換し、交換する水が水道水のときは中和剤を入れること、交換する水と水槽の水の温度を同じくらいにすることが挙げられています。食べ残しが出るなら量を減らし、水が汚れやすいと感じたら水換えの間隔を縮める、というように、水槽の様子を見ながら安全側に調整していきましょう。
オランダ獅子頭の仲間は、かわいさについ餌を多くあげたくなりますが、江戸川区の案内も「ごはんをあげすぎない」を長生きの約束の1つに挙げています。食べ残しは水を汚す原因にもなるので、案内にある5分ぐらいで食べきれる量を上限と考え、少なめから始めましょう。
江戸川区の案内も紹介しているとおり、金魚のごはんには沈むものと浮くものがあります。下は沈下性の育成用の一例です。与える量はパッケージの目安と金魚の食べ方を見ながら、少なめから調整しましょう。価格や在庫は購入前に各ショップでご確認ください。
同じ案内は、長生きしてもらうための約束に、毎日観察をすることと水をきれいにすることも挙げています。毎日の観察は、餌の食べ方や泳ぎ方の小さな変化に早く気づくための習慣です。種類による見た目の違いに気を取られがちなときほど、この基本に立ち返ることが大切です。
肉瘤のある金魚ならではの配慮として、水槽の中に角のとがった石や飾りを入れすぎないことも意識しておくと安心です。頭の肉瘤は目立つぶん、ぶつけて傷を作らないか気になるところなので、レイアウトはシンプルにしておくと様子も観察しやすくなります(一般的な配慮としての目安です)。
泳ぎ方がおかしい、ひっくり返りそうになる、といった変化に気づいたら、早めに原因を切り分けることが大切です。症状の見分け方と初期対応は、金魚の転覆病の原因と初期対応をまとめた記事を参考にしてください。薬を使う場合は製品の用法・用量に従い、迷ったときは購入したお店や魚を診られる動物病院に相談しましょう。ここで紹介した数字はあくまで一般的な目安なので、飼育環境に合わせて調整してくださいね。
オランダ獅子頭の種類についてよくある質問
小さいオランダ獅子頭でも種類は見分けられますか?
小さい個体は、見分けの手がかりがまだそろっていないことがあります。大和郡山市は、オランダシシガシラの肉瘤は当歳魚から3年、4年と成長するほど発達すると説明しています。また愛知県の資料では、金魚の稚魚はフナのような体色で、生まれてから3〜6か月ほどで赤や白に色変わりすると紹介されています。肉瘤の大きさや今の色だけで決めず、背びれと体型、お店の品種表示をあわせて確かめるのが確実です。
品種名に地名や大きさを表す言葉が付いているのは別の種類ですか?
名前の付き方だけでは判断できません。地名が付いていても、れっきとした別の品種のことがあります。たとえば弥富市の図鑑には大阪ランチュウや土佐錦魚が載っていて、大和郡山市も江戸錦について産地名にあやかって名付けられたと説明しています。一方で、同じオランダ獅子頭に産地や大きさを示す言葉を添えて売っている場合もあるかもしれません。表記だけで決めず、品種名・産地・年齢・大きさをお店に確かめてみてください。
違う種類のオランダ獅子頭どうしを同じ水槽で飼えますか?
丹頂や東錦など、オランダ型の体を持つ品種どうしは体の形が近いので、泳ぐ力の差が出にくい組み合わせと考えられます(一般的な見立てで、資料に書かれているわけではありません)。ただし、匹数が増えるほど水は汚れやすくなるので、水槽の大きさと水換えの手間に余裕があるかを先に考えましょう。新しく迎える個体は、すぐに合流させず別の容器で様子を見てから一緒にすると、病気を持ち込むリスクを下げられます。様子を見る期間の目安は、購入したお店の方に確かめてください。最終的な判断は専門家にご相談ください。
飼えなくなったときは川や池に放してもいいですか?
放してはいけません。環境省の飼育者向けの資料は、ペットショップなどで販売されている金魚などの水生生物の多くは日本の自然には存在しない生きもので、川や池に放流するとその地域に元々住む生きものに様々な悪影響を及ぼすため、絶対にやめましょう、と呼びかけています。同じ資料は、原則として個体が寿命をまっとうするまで飼育することも求めています。迎える前に、何年も世話を続けられるかを考えておくことが大切です。そのうえで、どうしても飼えなくなったときは、家族や友人への譲渡を考え、引き取りを行っているお店に相談しましょう。同じ資料は、日本観賞魚振興事業協同組合が引き取り相談のできる事業者を紹介していることにも触れています。
まとめ|オランダ獅子頭の種類は色と体型で選ぼう
オランダ獅子頭の種類は、背びれと頭の肉瘤、琉金に近い体という「オランダ型」の土台に、どんな色や模様が乗っているかで整理すると分かりやすくなります。最後に、この記事のポイントを振り返っておきましょう。
- 江戸川区の図鑑が挙げるオランダ獅子頭の色は赤1色と赤白の更紗
- 東錦はオランダ獅子頭と同じ体型(3市区)、丹頂はオランダ型が最もよく見られる(弥富市)
- 茶金は弥富市ではオランダ型、大和郡山市では琉金型とオランダ型の2種類
- 青文魚が退色して白と黒になったものが羽衣、肉瘤が発達したものが高頭青文(弥富市)
- 見分けは背びれ→肉瘤→体型→色の順。背びれが無ければまずらんちゅう型を疑う(ガトウコウ・青ランチュウなども背びれなし)
- オランダ型の品種なら、水の準備・餌のあげすぎ防止・定期的な水換えが飼い方の基本
同じオランダ獅子頭でも、胴の長い個体と丸い個体、赤い個体とまだら模様の個体では、水槽の中での印象がまったく違います。種類の名前を知っておくと、お店で見比べる時間がぐっと楽しくなりますよ。
一方で、品種の説明は資料によって書き方が違うこともありますし、色は成長とともに変わることもあります。名前だけで決めず、実物の体型や泳ぎ方、健康状態をよく見て、長く付き合える1匹を選んでください。正確な情報は公式サイトをご確認ください。飼育や健康のことで迷ったときの最終的な判断は専門家にご相談ください。あなたにぴったりのオランダ獅子頭に出会えますように。


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