失敗しない!底面フィルターの底砂おすすめと選び方の極意

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底面フィルターの底砂おすすめ選び方!大磯砂とソイルどっちが良い?

こんにちは。THE AQUA LAB、運営者の「所長」です。

アクアリウムのろ過システムの中でも、最も歴史が古く、そして最強の生物ろ過能力を誇ると言われる底面フィルター。そのシンプルながらも強力な浄化能力に惹かれ、導入を検討している方も多いのではないでしょうか。しかし、いざ導入しようとすると必ずぶつかる壁があります。「底面フィルターにはどの底砂を使うのが正解なのか」「大磯砂とソイル、結局どっちが良いの?」という疑問です。

実は、底面フィルターの成功と失敗の9割は、この「底砂(底床材)の選び方」で決まると言っても過言ではありません。底床の種類や粒の大きさ選びを間違えると、導入してすぐに目詰まりを起こして水槽が崩壊したり、期待したろ過能力が全く発揮できなかったりします。私自身も過去に、見た目だけで選んだ細かい砂を使用してしまい、わずか2週間でフィルターを詰まらせてしまった苦い経験があります。

この記事では、長年アクアリウムを楽しみ、数々の失敗と成功を繰り返してきた私の経験をもとに、底面フィルターに最適な底床の選び方や、長期維持のためのメンテナンスのコツについて、どこよりも詳しく解説します。これを読めば、あなたの水槽にベストマッチする底砂が必ず見つかるはずです。

  • 底面フィルターと相性の良い底砂の種類とそれぞれの特徴
  • 飼育する生体や目的に合わせた最適な底床材の選び方
  • ろ過効率を最大化するための底砂の厚さと必要な量
  • システムを長持ちさせるための正しい掃除方法とメンテナンス
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底面フィルターの底砂でおすすめの素材と選び方

底面フィルターは、水槽の床全体を「巨大なろ過装置」へと変換する画期的なシステムです。一般的な外部式フィルターや上部フィルターが、限られたボックスの中に入れたろ材だけで水をきれいにしているのに対し、底面フィルターは底に敷いた砂利の一粒一粒すべてをろ材として利用します。その表面積は桁違いであり、これが「最強の生物ろ過」と呼ばれる所以です。

そのため、どのメーカーのフィルター本体(プレート)を選ぶかということ以上に、「どの底砂(底床材)を選び、どう組み合わせるか」が、システム全体の性能を決定づける最重要ファクターになります。ここでは、アクアリウムで使われる代表的な底床素材ごとの特性と、底面フィルターとの相性について、化学的・物理的な視点から深掘りしていきます。

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定番の大磯砂とソイルの違いを比較

底面フィルターで使用される底砂として、永遠のテーマとも言えるのが「大磯砂(おおいそずな)」と「ソイル」のどちらが良いかという議論です。どちらも一長一短ありますが、結論から申し上げますと、「長期にわたって安定して維持したいなら大磯砂」、「水草やエビのために特定の水質(弱酸性)を作りたいならソイル」という選び方が基本になります。

それぞれの特性を比較した以下の表をご覧ください。

比較項目 大磯砂(中目・ミディアム) ソイル(吸着系・ノーマル)
物理的耐久性 半永久的
硬い石の粒であり、洗浄して再利用可能。
短期(約6ヶ月~1年)
土を焼き固めたものなので、経年で泥状に崩壊する。
水質への影響 中性~弱アルカリ性
貝殻片を含むため、硬度(GH)が上がりやすい。
弱酸性(軟水化)
陽イオン交換作用により、pHを下げ硬度分を吸着する。
通水性(目詰まり) 非常に良い
粒が崩れないため、隙間が長期間維持される。
経年で悪化する
崩れた粒子が隙間を埋め、窒息状態になりやすい。
メンテナンス性 容易
プロホースでザクザク洗える。
困難
触ると崩れるため、深部まで掃除できない。
おすすめ生体 金魚、メダカ、グッピー、プラティ、一般熱帯魚 ビーシュリンプ、ネオンテトラ、水草(短期間)
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大磯砂:耐久性とコストパフォーマンスの王者

大磯砂は、昔からアクアリウムで親しまれてきた海産の砂利です。その最大の特徴は「圧倒的な耐久性」にあります。石の粒であるため、水中で何年使っても崩れることがありません。汚れても取り出して米を研ぐようにガシガシ洗えば新品同様に蘇るため、一度買えば一生使えるほどのコストパフォーマンスを誇ります。

ただし、海産であるがゆえに「貝殻の破片」や「サンゴ片」が混じっていることが多く、これらが徐々に溶け出すことで水質をアルカリ性・硬水寄りにする性質があります。金魚やメダカには最適ですが、酸性を好む南米産の熱帯魚や水草には向かない場合があります。そのため、本格的なマニアは使用前に酸(食酢やクエン酸)で貝殻を溶かす「酸処理」を行ってから使用することもあります。

ソイル:機能性は高いが「寿命」がある消耗品

一方、ソイルは土を焼き固めて粒状にした高機能な底床です。水中の不純物を吸着し、魚や水草が好む「弱酸性の軟水」を自動的に作り出す魔法のような土です。初期の立ち上がりが早く、初心者でも簡単に美しい水を作れるのがメリットです。

しかし、底面フィルターとの相性は「条件付き」です。ソイルは構造上、水流や圧力、経年劣化によって徐々に崩れて泥に戻っていきます。底面フィルターは底床を通して水を吸い込むため、崩れた泥がフィルターの目やスノコを完全に塞いでしまう「致命的な目詰まり」が必ず発生します。
このため、ソイルを使用した底面フィルターの寿命は長くても1年程度。維持するには、定期的に水槽を空にして全てのソイルを入れ替える「リセット」作業が不可欠となります。

所長のポイント
もしあなたが、「まずは失敗せずに底面フィルターの威力を体感したい」と考えているなら、迷わず「大磯砂の中目(ミディアム)」をおすすめします。ソイルのようなリセットの手間がなく、メンテナンスさえ覚えれば10年以上維持している水槽も珍しくありません。「迷ったら大磯砂」これが鉄則です。

メダカや金魚に最適な底床の条件

日本のアクアリストに絶大な人気を誇るメダカや金魚。実は、これらの魚種こそ底面フィルターの恩恵を最大限に受けられる生体です。それぞれの生態に合わせた底床選びのポイントを詳しく解説します。

メダカ:緩やかな水流と安全性の確保

メダカは本来、田んぼや小川のような流れの緩やかな場所に生息しています。洗濯機のような強い水流は体力を奪い、衰弱死の原因になります。そこで活躍するのが、エアーポンプで動く「エアリフト式底面フィルター」です。
エアリフト式は、ポコポコと泡が出る力で水を循環させるため、非常に柔らかく優しい水流を作ることができます。さらに、底床全体が吸水口となるため、外部フィルターの給水パイプのように「稚魚や卵が吸い込まれてしまう事故」が物理的に起こりません。

メダカにおすすめなのは「大磯砂(細目~中目)」です。大磯砂がもたらす中性~弱アルカリ性の水質は、日本の水に馴染んでいるメダカにとって非常に快適な環境です。粒サイズは、親メダカだけでなく稚魚の隠れ家にもなりやすい少し細かめのサイズが好まれますが、あまり細かすぎると通水性が落ちるので、3mm程度のサイズがベストバランスです。

金魚:破壊的な汚れと物理的干渉への対抗策

「金魚は水を汚す天才」と言われるほど、大量に餌を食べ、大量に排泄します。そのフンは太く大きく、分解には強力なバクテリアの働きが必要です。また、金魚には「底砂を口いっぱいに含んで、餌を探してから吐き出す」という習性があります。
この習性が、ソイルのような柔らかい底床にとっては致命的です。金魚が砂をハムハムするたびにソイルは粉砕され、あっという間にヘドロ状になってフィルターを詰まらせてしまいます。

したがって、金魚水槽における底砂の条件は以下の2点です。

  1. 口に含まれても砕けない物理的な硬度があること
  2. 大量のフンや汚れを分解できる十分な通水性と容積があること

これらを満たすのは、やはり「大磯砂の中目~大粒」です。金魚が砂利を掘り返す行動は、底床を撹拌して通水性を良くする効果も期待できるため、大磯砂との相性は最高です。また、ろ過能力を稼ぐために、通常よりも厚め(5cm~8cm)に敷き詰めることで、高負荷な金魚飼育にも耐えうる要塞のようなろ過システムを構築できます。

水草やシュリンプ水槽での注意点

「底面フィルターで水草を育てたい」「ビーシュリンプを爆殖させたい」というニーズも多いですが、ここにはいくつかの技術的なハードルが存在します。これらは不可能ではありませんが、通常の飼育よりも工夫と知識が必要です。

水草水槽:根張りによる「ろ過停止」のリスク

本格的な水草レイアウト水槽、いわゆるネイチャーアクアリウムにおいて、底面フィルターが敬遠されがちなのには明確な理由があります。それは「植物の根」とのコンフリクト(競合)です。
水草は、栄養分(窒素やリン)と酸素を求めて根を伸ばします。底面フィルターを稼働させた底床内部は、常に新鮮な水と酸素が供給され、バクテリアが分解した硝酸塩などの栄養素が集まる、まさに植物にとっての「パラダイス」です。

その結果、水草の根は猛烈な勢いで底面フィルターのプレート(スノコ)に向かって侵入し、最終的にはスノコの隙間を根がびっしりと埋め尽くしてしまいます。こうなると水流は完全に遮断され、ろ過機能は停止し、底床は腐敗し始めます。
底面フィルターで水草を楽しむ場合の正解は、底床に直接植え込む有茎草などは避け、「アヌビアス・ナナ」や「ミクロソリウム」といった流木や石に活着するタイプの水草をメインにすることです。あるいは、水草を素焼きの鉢やポットに入れたまま配置する「置くだけレイアウト」に留めるのが、長期維持の秘訣です。

シュリンプ飼育:ソイル必須環境での延命措置

レッドビーシュリンプなどの鑑賞エビは、pH6.0~6.5程度の弱酸性・軟水を厳密に要求します。この水質を大磯砂で作るのは難易度が高いため、どうしても「ソイル」を使わざるを得ません。
このジレンマ(ソイルを使いたいが、底面フィルターだと詰まる)を解消するために、ブリーダーたちは様々な工夫を凝らしています。

ソイル×底面濾過の延命テクニック

  • 吸着系ソイルの「ノーマルタイプ」を選ぶ:
    パウダータイプは厳禁です。粒が大きく硬いノーマルタイプを選びましょう。
  • ウールマットのサンドイッチ:
    フィルタープレートの上に直接ソイルを敷かず、ウールマットや目の細かい洗濯ネットを一枚挟みます。これにより、崩れたソイルの粉がスノコ内部に侵入するのを防ぎ、目詰まりまでの期間を稼ぐことができます。
  • 薄敷き管理:
    ソイルを厚く敷きすぎると下層が圧迫されて崩れやすくなるため、3cm程度の薄敷きにして通水性を確保します。

それでも、ソイルを使った底面フィルターの寿命は1年が限度です。「毎年リセットして新鮮な環境にする」というサイクルを許容できる方のみ、この組み合わせに挑戦してください。

セラミックや溶岩砂のメリット

大磯砂とソイルの中間に位置するような、ユニークな特性を持つ底床材も存在します。「セラミックサンド」や「溶岩砂(ラバサンド)」です。これらは機能性を重視するアクアリストに隠れた人気を誇っています。

驚異の生物ろ過能力を持つ「多孔質素材」

セラミックや溶岩砂の最大の特徴は、その構造が「多孔質(ポーラス)」であることです。ルーペで見ると、石の表面に無数の小さな穴がスポンジのように開いているのが分かります。
ろ過バクテリアは、ツルツルした表面よりも、こうした凸凹した穴の中に定着することを好みます。そのため、表面が滑らかな大磯砂に比べて、多孔質の溶岩砂は数倍から数十倍もの表面積(バクテリアの居住スペース)を持っています。

この圧倒的なバクテリア定着量は、水質の安定スピードを早め、急激な水質悪化を防ぐバッファーとなります。特に溶岩砂は、大磯砂のように硬度を上げすぎず、ソイルのように崩れることもないため、「崩れないソイル」のような感覚で使える非常に優秀な素材です。

使用上の注意点:鋭利な形状

ただし、溶岩砂にはデメリットもあります。それは粒の形状がギザギザとしていて鋭利であることです。
コリドラスやドジョウなど、底砂に口先を突っ込んで餌を探す魚に使用すると、自慢のヒゲが擦り切れてしまったり、お腹の皮膚が傷ついて感染症を起こしたりするリスクがあります。これらの底棲魚を飼育する場合は、角が取れて丸くなっている大磯砂や、専用のセラミックサンドを選ぶのが無難です。

細かい砂利は目詰まりしやすい?

アクアリウムショップに行くと、きれいでサラサラとした細かい化粧砂や田砂が売られています。「これで底面フィルターをやったらおしゃれだな」と思うかもしれませんが、これは非常に危険な賭けです。

流体力学から見る「通水抵抗」の壁

底面フィルターの命は「水がスムーズに流れること」です。砂の粒が小さくなればなるほど、粒と粒の間の隙間(間隙)は極小になり、水が通り抜ける際の抵抗(通水抵抗)が跳ね上がります。
あまりに細かい砂(例えば粒径1mm以下のもの)を使用すると、ポンプの吸引力では水を吸い上げることができなくなります。無理に稼働させても、水は砂全体を通らず、ポンプの直近にある一部の砂だけを通ってショートカットしてしまいます。これを「チャネリング現象(偏流)」と呼びます。

チャネリングが起きると、水流のない場所は「死水域」となり、酸素が供給されず嫌気性バクテリアが増殖し、猛毒の硫化水素が発生する原因になります。これが底面フィルターで一番怖い「崩壊」のパターンです。

これを防ぐための黄金比が、「粒径3mm~5mm」というサイズ感です。大磯砂で言えば「中目(ミディアム)」がこれに該当します。このサイズであれば、十分なろ過表面積を確保しつつ、ゴミや水がスムーズに流れる隙間を維持することができます。「おしゃれさ」よりも「通水性」を優先する、これが底面ろ過の鉄則です。

底面フィルターの底砂でおすすめの厚さと掃除法

最適な底砂を選んだら、次は「どれくらいの量を、どのように敷くか」というエンジニアリングの領域に入ります。また、底面フィルターは一度設置したら終わりではありません。むしろ、汚れを底床に「蓄積させる」システムであるため、適切な排出作業(メンテナンス)を行わない限り、いつかは限界を迎えます。
ここでは、システムを10年維持するための実践的なテクニックを伝授します。

ろ過能力を高める理想的な厚さは

底砂の厚さは、フィルターの性能を決定するパラメータの一つです。薄すぎればろ過不足になり、厚すぎれば酸欠のリスクが高まります。

用途別:推奨される底砂の厚さ

  • ライト層(3cm~5cm):
    一般的な熱帯魚、メダカ、小型水槽向け。通水性が良く、メンテナンスも楽に行える最もバランスの取れた厚さです。初めての方はまずこの厚さを目指してください。
  • ヘビー層(5cm~8cm):
    金魚、大型魚、過密飼育向け。ろ過バクテリアの絶対数を増やすために厚く敷きます。ただし、厚みがある分、水流の抵抗が増えるため、パワーのある水中ポンプ式で運用することが推奨されます。
  • 危険ゾーン(10cm以上):
    意図的な「嫌気ろ過(硝酸塩除去)」を狙う上級者以外は避けるべきです。深部まで酸素が届かず、腐敗のリスクが激増します。

また、レイアウトの観点から、水槽の手前を薄く(約2~3cm)、奥を厚く(約6cm以上)して傾斜をつけるのが一般的です。この場合、水は「抵抗の少ない薄い部分」を優先的に流れようとします。
これを防ぐための裏技として、「フィルタープレート(スノコ)は、砂を厚く敷く奥側に寄せて設置する」ことをおすすめします。手前の砂が薄い部分の下にはプレートを敷かないことで、水流の偏りを物理的に防ぎ、底床全体を均一にろ過槽として機能させることができます。

60cm水槽に必要な砂の量は何kg

底砂を購入する際、「結局、何袋買えばいいの?」と売り場で立ち尽くしてしまうのはアクアリストあるあるです。必要な量は、簡単な計算式で見積もることができます。

底砂必要量算出の公式
水槽幅(cm) × 奥行(cm) × 希望する厚さ(cm) ÷ 1000 × 比重係数 = 必要重量(kg)

【比重係数の目安】
・大磯砂・砂利:約1.7
・ソイル:約0.8

例として、最も一般的な「60cm規格水槽(幅60cm×奥行30cm)」に、大磯砂を「厚さ5cm」で敷き詰めたい場合をシミュレーションしてみましょう。

60 × 30 × 5 ÷ 1000 × 1.7 = 15.3 kg

計算結果は約15kgとなりました。大磯砂は一般的に「3kg袋」や「5kg袋」、「10kg袋」などで販売されています。
この場合、10kgを1袋だけ買っても全然足りないことが分かります。「10kg袋+5kg袋」を購入するか、余裕を持って「9リットル(約15~16kg相当)」のパッケージを選ぶのが正解です。「足りなくて後で買い足す」のは、水槽セット中には非常にストレスになるので、少し多めに用意しておくことを強くおすすめします。

プロホースでの正しい掃除のやり方

底面フィルターの維持において、神具とも呼べる必須アイテムがあります。水作株式会社の「プロホース」に代表される、底床クリーナー(砂利掃除機)です。


底面フィルターは構造上、フンや残餌などの有機物(デトリタス)を底砂の隙間に引き込みます。これをバクテリアが分解するわけですが、分解しきれない最終的なカス(汚泥)は徐々に蓄積していきます。この汚泥を定期的に抜かないと、目詰まりを起こして水流が止まります。

正しい掃除の手順(プロホース使用時の作法)は以下の通りです。

  1. フィルターを停止する:
    掃除中に舞い上がった汚れを吸い込まないよう、必ずポンプやエアレーションを止めます。
  2. パイプを「直下」に刺す:
    プロホースのパイプを、底砂の表面だけでなく、底のガラス面(スノコの上)に当たるまで深く突き刺します。
  3. 砂利を踊らせる:
    サイフォンの原理で水が吸い出されると、パイプの中で砂利が撹拌され(踊り)、軽い汚れだけが水と一緒に吸い出されます。重い砂利はパイプ内に留まります。
  4. 場所を変える:
    パイプ内の水がきれいになったら、砂利を落とし、少し横にずらして再度突き刺します。これを繰り返します。

最重要:ゾーニング清掃の掟

ここで絶対にやってはいけないのが、「一度の水換えで、底砂の全エリアを徹底的に掃除すること」です。
底砂の表面や隙間には、苦労して定着させたろ過バクテリアがびっしりと住んでいます。塩素の入っていない水で掃除するとはいえ、砂利同士が激しく擦れ合うことで、バクテリアのコロニー(バイオフィルム)は剥がれ落ちてしまいます。
全面を一気に掃除すると、水槽内のバクテリアが激減し、翌日に水が白濁したり、アンモニア濃度が急上昇して魚が死んでしまうことがあります。

鉄則は「今回は右半分だけ」「次回は左半分だけ」というように、掃除するエリアを毎回ローテーションさせることです。これにより、触らなかったエリアのバクテリアがろ過を支え、掃除したエリアへのバクテリアの再定着も早くなります。

リセットが必要になる寿命の目安

どんなに丁寧にメンテナンスしていても、アクアリウムという閉鎖環境において底床の機能にはいつか必ず限界が訪れます。その「寿命」を見極め、適切なタイミングでリセット(全交換)や大掃除を行うことが、水槽崩壊を防ぐ最後の砦となります。

ここでは、素材ごとの寿命の考え方と、見逃してはいけない危険信号について解説します。

大磯砂の寿命と再生:半永久的だが「酸処理」の壁も

大磯砂は、物理的には「半永久的」に使用可能です。石の粒そのものが崩れることはまずありません。10年、20年と使い続けているベテランのアクアリストも多く存在します。

ただし、長期間使用していると、汚れ(デトリタス)がプロホースでも吸いきれないほど深部や粒子表面に固着し、通水性が徐々に悪化することがあります。また、初期の大磯砂に含まれる貝殻やサンゴ片は、数年かけてゆっくりと溶け出し、やがてなくなります。これにより水質をアルカリ性に傾ける力が弱まり、水質が安定期に入りますが、逆に言えば「酸性化を食い止める力」も減ることになります。

再生方法:
通水性が落ちたと感じたら、全ての砂を取り出し、バケツに入れて米を研ぐように濁りが取れるまで徹底的に洗浄します。さらに天日干しで乾燥させれば、新品同様、いや、角が取れて熟成された「極上の底砂」として再利用可能です。

ソイルの寿命:1年という「絶対的な壁」

一方で、ソイルを使用した底面フィルター運用には、残酷なほど明確なタイムリミットが存在します。それは「粒の崩壊」です。

ソイルは土を焼き固めた団粒構造であるため、水流による摩擦や水圧、バクテリアの活動、そして経年劣化によって徐々に崩れ、最終的には粘土質の泥(ヘドロ)に戻ります。底面フィルターにおいて、泥は致命的です。泥はスノコのスリットを完全に塞ぎ、通水路を遮断します。こうなると、フィルター内部は酸素が供給されない「嫌気域」となり、硫化水素などの有毒ガスが発生する温床へと変わってしまいます。

交換のサイン:
ソイルの寿命は一般的に「半年~1年」です。プロホースを刺した時に、以前よりも抵抗を感じるようになったり、吸い出される水が黒い微粉末を含んで濁りやすくなったりしたら、それは崩壊が始まっているサインです。ソイルが泥化して目詰まりを起こす前に、全交換(リセット)を行う勇気を持ってください。「まだ使えるかも」という迷いが、生体の大量死を招く原因になります。

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目詰まりを知らせる「水位差」のチェック法

底面フィルターが正常に機能しているか、それとも目詰まりを起こしかけているかを見極める簡単な方法があります。それは「リフトパイプ内の水位」を確認することです。(※透明なパイプを使用している場合)

  • 正常な状態:
    水槽の水面と、パイプ内の水面がほぼ同じ高さ、あるいはエアリフトの揚力で少し盛り上がっている状態。
  • 危険な状態:
    パイプ内の水位が、水槽の水面よりも明らかに低くなっている、またはエアリフトの泡がボコボコと大きく破裂し、揚水量が極端に減っている状態。

これは、底床が詰まって水が通りにくくなり、パイプ内部に十分な水が供給されずに「負圧」がかかっている証拠です。このサインが出たら、緊急のプロホース掃除か、リセットが必要です。

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底面フィルターと底砂のおすすめ構成まとめ

ここまで、底面フィルターの仕組みから底砂の科学的特性、そしてメンテナンスの極意までを長きにわたり解説してきました。情報量が多くて混乱してしまった方のために、最後に「これを選べば間違いない」という鉄板の組み合わせを、目的別に整理して提案します。

あなたの飼育スタイルに最も近いパターンを選び、導入の参考にしてください。

パターン こんな人におすすめ 推奨フィルター 推奨底砂 キーワード
王道・安定重視 初心者、金魚、メダカ、熱帯魚全般
メンテナンスを楽にしたい人
ニッソー
バイオフィルター
大磯砂
(中目)
最強の安定感
半永久的
シュリンプ特化 ビーシュリンプ、軟水魚
繁殖を目指す人
エアリフト式
各社底面フィルター
吸着系ソイル
(ノーマル)
水質優先
1年交換
水草レイアウト 陰性水草メイン
サブフィルターとして利用
GEX
マルチベース
溶岩砂 or
ソイル
多孔質ろ過
根詰まり注意

【結論】所長のファイナル・アンサー

もしあなたが、「底面フィルターを使ってみたいけど、失敗したくない」と私に相談してくれたなら、私は迷わず以下の構成を推します。

構成:ニッソー「バイオフィルター」 + 大磯砂「中目(ミディアム)」 + 水作「水心(エアーポンプ)」

この組み合わせは、日本のアクアリウムの歴史が証明してきた「枯れた技術(完成された技術)」の結晶です。派手さはありませんが、驚くほど透明な水(輝く水)を作り出し、病気の発生も抑えてくれます。そして何より、大磯砂が育ち、バクテリアが定着した半年後の水槽の安定感は、最新の外部式フィルターをも凌駕する感動を与えてくれるはずです。

底面フィルターは、底砂という「自然の力」を最大限に借りるシステムです。最初は少し敷居が高く感じるかもしれませんが、一度その仕組みを理解し、適切な底砂を選んであげれば、水槽管理の難易度は劇的に下がります。

ぜひ、この記事を参考に「あなただけの最適な底砂」を選び出し、魚たちが気持ちよさそうに泳ぐ、最高の水景を作り上げてください。底面フィルターのポテンシャルは、あなたの想像を遥かに超えていますよ。

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