金魚の砂利おすすめ|大磯砂・田砂・ソイルの違い
金魚の水槽に砂利を敷くと決めたあと、次にぶつかるのが「じゃあどれを買うのか」という問題ですよね。
お店に行くと、大磯砂、田砂、ソイル、五色砂、カラー砂利と種類が並んでいます。パッケージにはどれも良さそうなことが書いてあって、値段もそう変わらない。見た目で選んでしまいがちなところです。
ただ、この選択は数年単位で効いてきます。崩れる素材を選べば毎年入れ替えることになりますし、水質を大きく動かす素材を選べば、それに合わせた管理が要るようになる。逆に言えば、最初に素材の性格を知って選んでおけば、あとの手間がまるごと減るということでもあります。
この記事では、金魚水槽で候補になる底砂を素材ごとに分解して、金魚という魚との相性で並べていきます。数値で判断できるところは数値で示すので、店頭で迷ったときの物差しになるはずです。
- 底砂を選ぶときに見るべき3つの性質
- 大磯砂・田砂・ソイルそれぞれの得意分野
- 粒のサイズと誤飲の関係
- 素材ごとに変わる掃除のやり方
金魚の砂利選びで見る軸
まず、何を基準に比べればいいのかを決めます。ここがはっきりすると、店頭のパッケージに書いてある情報を読み分けられるようになります。
結論|崩れにくさで選ぶ
結論からお伝えします。金魚の底砂で最優先すべきは崩れにくさです。次に粒のサイズ、その次に見た目、という順番になります。
なぜ崩れにくさが最優先なのか。金魚は底をつつく魚だからです。餌を探して砂利を口に含み、吐き出す。この動きを一日に何度も繰り返します。柔らかい素材だとこの動きで粒が崩れ、濁りの原因になりますし、崩れた粉は隙間を詰まらせて水の通りを悪くします。
他の魚なら問題にならない素材でも、金魚では持たない。底床の耐久性は、飼う魚の行動で決まるということですね。
この基準で見ると、候補はかなり絞られます。
迷ったときの基本形は「大磯砂の細目か中目を、1センチ前後で薄く敷く」です。崩れず、繰り返し使え、金魚の口に対しても無理がなく、金魚が好む水質側へ寄せてくれる。この4つが同時に成り立つ数少ない選択肢だからです。ここから外れるのは、明るい底にしたい(田砂)、水草を本格的に育てたい(ソイル)といった具体的な目的があるときになります。
粒の硬さが管理の手間を決める
崩れにくさをもう少し分解してみます。底砂の素材は、大きく2つのグループに分かれます。
ひとつは天然の石や砂。大磯砂、田砂、五色砂などがこちらで、もともと自然界で削られてきたものなので、水の中で追加で崩れることはほとんどありません。何年でも使えますし、汚れたら洗って戻せます。
もうひとつが焼き固めた土や人工の粒。ソイルが代表で、粘土質の土を粒状に成型したものです。栄養を含み、水草にはとても良い素材ですが、水に浸かり続けると少しずつ崩れます。寿命は一般に1〜2年程度と言われ、崩れたら交換になります。
この違いが、そのまま管理の手間に直結します。
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| 性質 | 天然の石・砂 | ソイル系 |
|---|---|---|
| 崩れ | ほぼ起きない | 時間とともに進む |
| 寿命 | 洗えば何年でも | 1〜2年程度で交換 |
| 掃除 | クリーナーで吸える | 強く吸うと崩れる |
| 濁り | 洗えば止まる | 崩れると再発する |
| 金魚がつついたとき | 変化なし | 粒が壊れていく |
金魚水槽で長く使いたいなら、答えは天然の石・砂側になります。ソイルを選ぶのは、水草をしっかり育てたいなど、交換の手間を引き受けてでも得たいものがあるときです。
同じ「崩れにくさを優先する」という考え方は他の魚種でも共通していて、錦鯉の底砂で大磯砂と薄敷きを推す理由をまとめた記事でも同じ結論にたどり着いています。体が大きく水を汚しやすい魚ほど、この基準が効いてくるということですね。
pHへの影響は金魚には有利
底砂を選ぶとき、もうひとつ意識したいのが水質への影響です。ここは金魚だからこそ、あまり神経質にならなくていい部分でもあります。
環境省が定める河川の環境基準では、利用目的の適応性ごとに水域が類型分けされていて、水産3級(コイ、フナ等)はC類型に位置づけられています。C類型の基準値は、水素イオン濃度が6.5以上8.5以下、溶存酸素量が5mg/L以上です(出典:環境省 別表2 生活環境の保全に関する環境基準(河川))。
金魚はフナを原種とする改良品種ですから、この6.5〜8.5という幅が、金魚が本来暮らしてきた水の範囲だと考えられます。中性を挟んで、弱酸性から弱アルカリ性まで幅広く許容する魚だということですね。
ここが重要なのは、底砂の素材によって水質が動くからです。大磯砂には貝殻のかけらが混じっていることがあり、その成分が少しずつ溶けて水をアルカリ側へ寄せます。水草水槽では嫌われる性質ですが、金魚にとっては許容範囲の中の動きなので、問題になりにくい。むしろ弱アルカリ寄りは金魚が得意とする領域です。
逆にソイルは水を酸性側へ寄せる製品が多く、こちらは金魚の得意な範囲から離れる方向です。同じ素材でも、飼う魚が変われば長所と短所が入れ替わるのが底砂選びの面白いところだと思います。
ついでに知っておくと役立つのが、pHは急に動かすことのほうが生体に負担だという点です。6.5でも8.0でも金魚は暮らせますが、同じ日に7.0から8.0へ動くと体には応えます。底砂が水質に与える影響は、入れた直後がいちばん大きく、時間とともに落ち着いていきます。
だから底砂を入れるのは水槽の立ち上げ時か、少なくとも生体を入れる前が理想です。すでに飼っている水槽へ後から敷く場合は、一度に全量を入れず、数回に分けて足していくほうが変化がゆるやかになります。
大磯砂・田砂・ソイルの違い
ここからは素材ごとに見ていきます。それぞれ何が得意で、何が苦手なのか。
大磯砂は崩れず繰り返し使える

金魚水槽の定番中の定番が大磯砂です。もともとは神奈川県の大磯海岸で採れた砂利を指す名前で、現在は同じような性質の海産砂利が広くこの名前で流通しています。
つまり大磯砂という言葉は、いまでは特定の産地名というより性質を表すカテゴリ名に近い使われ方をしています。製品によって色味や貝殻の混入量に差が出るのはこのためで、同じ「大磯砂」でも銘柄が変われば水質への影響も少し変わります。銘柄を変えるときは、いきなり全量ではなく一部から試すほうが安心かもしれません。
特徴は3つあります。
- 硬くて崩れない。海で長い時間かけて角が取れた石なので、水槽の中で追加で削れることはほぼありません。金魚がつついても平気です。
- 洗って何度でも使える。汚れたら取り出して洗い、また戻せます。メーカーの製品説明でも、洗うことで繰り返し使えることが特長として挙げられています。
- 粒サイズが規格で選べる。アクアリウム資材メーカーの製品情報によると、粒サイズは細目が約1mm、中目が約3mm、粗目が約5mmという規格で分けられています(出典:有限会社JUN 厳選大磯砂 細目/中目/粗目)。
色は灰色から黒に近い色合いで、金魚の赤や白を引き立てます。体色を濃く出したい場合にも、明るい砂より有利に働きます。
これは見た目の好みだけの話ではありません。金魚には周囲の明るさに合わせて体色を変える性質があり、暗い環境では色が濃く、明るい環境では薄く出ます。同じ個体でも、底が黒いか白いかで印象がはっきり変わるということですね。赤系やラメ系の品種を飼っているなら、この差は無視できない大きさになります。
弱点を挙げるなら、貝殻由来の成分でpHが上がることと、明るい水景を作りたい場合には色が地味なことくらいです。前者は金魚では問題になりにくいので、実質的にはほぼ弱点がない素材だと考えています。
薄く敷くという運用も含めた考え方は、ベタに底砂は必要かを薄敷き1センチの基準から整理した記事のほうで詳しく扱っています。魚種は違いますが、厚さの決め方は共通です。
大磯砂は粒サイズを規格から選べます。含んでも吐き出せるサイズを狙うなら中目あたりが基準で、60cm水槽に1センチ敷くのに必要なのは約2.7キロなので、5キロあれば予備も残ります。製品ごとに色味や貝殻の混入量は違うので、仕様をご確認のうえ選んでください。
田砂は細かく水質を動かさない
田砂(たずな)は、田んぼの土から粘土質を取り除いて砂粒だけを精製した天然砂です。粒の大きさは1mm程度で、角がまったくないのが特徴です。
金魚水槽で田砂を選ぶ理由は、主に2つあります。
ひとつは明るい水景になること。大磯砂の灰黒色に対して、田砂は明るいベージュ系です。日本の川底のような自然な雰囲気になるので、和の水景を作りたい場合に向いています。
もうひとつが水質をほとんど動かさないこと。製品情報では、pHや硬度など水質に及ぼす影響はほとんどなく中性を示すとされています。他の生き物と一緒に飼っている、あるいは水質を意図的にコントロールしたい場合には、余計な変数が増えないという利点があります。
田砂そのものの性格や、大磯砂との比較をもっと詳しく知りたい場合は、ドジョウの底砂で田砂と大磯砂を比較した記事が参考になります。底に潜る魚を前提にした比較なので、粒の細かさの意味がよく分かるはずです。
ただし金魚との組み合わせでは、注意点も出てきます。
田砂は粒が1mm程度と細かいため、金魚が底をつついたときに舞い上がりやすく、掃除のときにも吸い込みやすいという性質があります。クリーナーの吸い込み口を強く底に押し付けると、汚れと一緒に砂まで持っていかれます。掃除のたびに減っていくので、少し多めに買って足し砂できるようにしておくのが現実的です。また明るい色なので、金魚の体色は薄く見える方向へ働きます。色を楽しみたい品種では、この点も踏まえて選んでください。
明るい水景にしたい場合は田砂という選択になります。粒が細かく角がないぶん、掃除では吸い込みやすいので、目減りを見込んで少し多めに用意しておくと足し砂ができて安心です。必要量は水槽サイズによって変わるので、購入前に確認してみてください。
ソイルは金魚には向かない
ソイルは水草水槽の定番ですが、金魚水槽では相性が良くありません。理由は3つあります。
1つ目が崩れること。粘土質を焼き固めた粒なので、水中で少しずつ形が失われます。そこへ金魚が底をつつく動きが加わるので、寿命は水草水槽より短くなると考えられます。崩れた粉は水を濁らせ、隙間を埋めて通水を悪くします。
2つ目が水質を酸性側へ寄せること。多くのソイルは水草に合わせて弱酸性を維持するよう作られています。金魚が許容する範囲を外れるわけではありませんが、わざわざ得意でない方向へ寄せる理由はありません。
3つ目が栄養を含むこと。水草には利点ですが、金魚水槽では余分な栄養がコケの発生につながります。金魚は水草を食べてしまうので、そもそも水草を茂らせにくい環境でもあります。
もしソイルを使いたい場面があるとすれば、金魚と水草を両立させたい上級者向けの水槽か、稚魚を育てる期間限定の容器くらいでしょうか。通常の金魚飼育では、選ぶ理由を見つけるほうが難しい素材だと思います。
店頭でよく並んでいる五色砂とカラー砂利についても触れておきます。
五色砂は、色とりどりの天然石を混ぜたものです。天然石なので崩れる心配はなく、その点では大磯砂と同じグループに入ります。気をつけたいのは粒のサイズで、色を揃えるために複数の産地の石を混ぜている製品では、粒径がばらつくことがあります。その中に金魚の口と同じサイズが混ざっていると、そこだけがリスクになります。買う前に袋の中身をよく見て、極端に大きい粒が混じっていないかを確かめてください。
カラー砂利は、石やガラスを着色したものです。見た目の自由度は高いのですが、着色が水に溶け出さないかという不安が残ります。観賞魚用として売られているものは配慮されているはずですが、園芸用や工作用として売られているものは用途が違います。水を張った容器に数日入れて、色が出ないか確かめてから使うのが安全です。
粒の大きさと誤飲の関係
素材が決まったら、次はサイズです。ここは金魚特有の判断が必要になります。
危ないのは口と同じサイズ

金魚が砂利を口に含むのは自然な行動で、通常は要らないものを吐き出します。事故になるのは、吐き出せなくなったときだけです。
だから危険度は「大きい・小さい」では決まりません。金魚の口との関係で決まります。
金魚の口がどのくらい開くかは、体長でおおよその見当がつきます。体長の10分の1前後が開口部の目安と考えると、10センチの個体で約1センチ。もちろん品種や個体差はありますが、飼っている金魚を正面から見て、口の大きさと砂利の粒を見比べるのがいちばん確実です。
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| 粒と口の関係 | 何が起きるか | 危険度 |
|---|---|---|
| 口よりずっと小さい | 含んでも簡単に吐き出せる | 低い |
| 口とほぼ同じ | 入ったまま出せなくなる | 高い |
| 口より明らかに大きい | そもそも入らない | 低い |
つまり中途半端なサイズがいちばん危ないという構造になっています。「大きめを選べば安心」という助言は、大きめにした結果ちょうど口と同じになれば逆効果です。
素材別に当てはめると、こうなります。田砂は約1mmなので、成長した金魚にとっては明らかに小さく、含んでも問題になりません。大磯砂の細目(約1mm)も同様です。中目(約3mm)は小さめの個体では注意が要りますが、育てば余裕が出てきます。気をつけたいのは粗目(約5mm)で、これは10センチ級の金魚の口とちょうど重なるサイズ帯に入ります。
成長を見込んだサイズの決め方
ここでもうひとつ厄介なのが、金魚が育つということです。
買ってきたときは3〜4センチでも、和金型なら1年で倍、数年で15〜20センチになることもあります。口の大きさもそれに比例して変わっていきます。つまり買った日に安全だったサイズが、半年後には危険なサイズになっているということが起こり得るわけです。
これを避ける考え方は2つあります。
- 下側に振る。細目や田砂のように、育っても常に「明らかに小さい」ままのサイズを選ぶ。成長を気にしなくて済むので、いちばん手間がかかりません。
- 上側に振る。5円玉サイズ以上の玉砂利のように、育っても「明らかに入らない」サイズを選ぶ。ただし隙間が大きく、餌や糞が下に落ち込みやすくなります。
中間を狙わない、というのがここでの原則です。実務的には1のほうが選びやすく、金魚水槽で細目〜中目が定番になっているのはこの理由もあると思います。
もうひとつ、粒の形も見ておきたい点です。同じサイズでも、角のある砕石と、角の取れた丸い石では意味が違います。角があると口の中を傷つけますし、体をこすったときにも鱗を痛めます。金魚は底近くを泳ぐ魚なので、腹側が砂利に触れる機会も多いのです。
大磯砂や田砂が金魚に向くのは、どちらも自然の水の流れで角が取れた砂だからでもあります。逆に砕石を原料にした砂利や、工作用に割った石は角が残っていることがあるので、手のひらで転がしてざらつきを確かめてから使ってください。この「角があるものを入れない」という判断は底床に限らず、石や流木や飾りにも共通します。水槽レイアウト全体の安全な組み方をまとめた記事のほうで、素材ごとの確認点を整理しました。
選ぶときは、いま飼っている個体ではなくその品種が育つ最大サイズを調べてから決めるのがおすすめです。和金型なら20センチ、丸ものでも15センチ前後まで見込んでおくと、途中で敷き直す手間がなくなります。
敷き方と掃除の実務
最後に、買ったあとの話をまとめます。素材によって扱い方が変わる部分です。
厚さは1センチ前後

どの素材を選んでも共通するのが、薄く敷くということです。目安は1センチ前後、厚くても2センチまで。
理由は2つあります。ひとつは掃除のしやすさで、厚いほど下の層まで手が届かなくなります。もうひとつが通水で、砂利の中に水が流れないと酸素が届かず、汚れが分解されにくい状態になります。
必要な量も計算しておきましょう。60cm規格水槽(底面60×30cm)の場合、1センチ敷くのに必要な体積は約1.8リットル。大磯砂は1リットルあたりおよそ1.5kgなので、約2.7kgという計算になります。2センチなら約5.4kgです。
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| 水槽サイズ | 底面積 | 1センチ敷く体積 | 大磯砂の重さ目安 |
|---|---|---|---|
| 45cm(45×24cm) | 1,080cm² | 約1.1L | 約1.6kg |
| 60cm(60×30cm) | 1,800cm² | 約1.8L | 約2.7kg |
| 90cm(90×45cm) | 4,050cm² | 約4.1L | 約6.1kg |
市販の袋は2kg・5kg・10kgといった単位が多いので、60cm水槽なら5kgを買えば1センチ敷いて予備が残る、という見当がつきます。掃除で目減りする分も考えると、少し多めに買っておくと安心です。
敷く前の下準備も押さえておきましょう。買ってきた砂利は、袋の中で粒同士がこすれて出た粉をまとっています。これを落とさずに入れると、水槽が真っ白に濁って数日戻りません。
洗い方は単純で、バケツに少量ずつ入れて水を張り、手でかき混ぜて濁った水を捨てる。これを水が澄むまで繰り返します。大磯砂なら数回、田砂のような細かい砂は10回近くかかることもあります。一度に大量を洗おうとすると粉が抜けにくいので、少量ずつのほうが結果的に早く済みます。
洗剤は使わないでください。すすいだつもりでも粒の隙間に残り、生体に影響します。水だけで十分ですし、それで落ちない汚れは砂利側の問題ではないことがほとんどです。
素材別の掃除のコツ
底砂の掃除は、専用のクリーナーで砂利を巻き上げながら、砂利は残して汚れだけを吸い出す作業になります。ただし素材によってコツが変わります。
大磯砂は、いちばん扱いやすい素材です。粒が重く硬いので、多少強く吸っても砂利は落ちて汚れだけが上がっていきます。クリーナーの先端を砂利に差し込んで、ざくざくと動かすだけで十分です。
田砂は逆に、粒が細かくて軽いので勢いよく吸うと砂ごと持っていかれます。先端を底に強く押し付けず、表面を撫でるように動かして、舞い上がった汚れだけを吸うのがコツです。時間はかかりますが、これが確実です。
ソイルは、そもそも掘り返す掃除に向きません。強く吸えば粒が崩れますし、崩れれば寿命が縮みます。表面の汚れを軽く吸う程度にとどめて、あとは定期的な全交換で対応する、という考え方になります。
底面フィルターと組み合わせている場合は、また事情が変わります。砂利そのものがろ過材として働いているので、強く掘り返すと分解の担い手をまとめて流すことになります。この場合は表面から数センチだけを軽く吸うのが基本で、深追いしないほうが調子は保てます。
逆に何年も掘り返さずにいると、底面フィルターの下に汚れが溜まって通水が落ちます。年に一度は砂利を寄せて下を確認する、といった点検は入れておきたいところです。ここは「掃除しすぎない」と「放置しない」のバランスが要る部分ですね。
どの素材でも共通なのが、一度に全面をやらないことです。底床には汚れを分解する微生物が住んでいるので、全部を一度にきれいにすると水が不安定になります。半分ずつ、あるいは3分の1ずつに分けて、数回に渡って回すほうが結果的に安定します。
掃除の頻度や手順そのものは水槽の底砂掃除のやり方と頻度をまとめた記事に整理してあります。道具選びで迷う場合は底砂クリーナーを電動タイプまで含めて比較した記事のほうが判断材料になると思います。
なお、砂利を敷いたうえで掃除の手間そのものを減らしたいなら、底面フィルターと組み合わせるという方向もあります。砂利をろ過材として使う仕組みなので、汚れが溜まるという弱点を裏返せます。金魚との相性は底面フィルターで金魚飼育を楽にする方法でまとめています。
本文で触れたpHは、試験紙があれば数分で確かめられます。いま6.5から8.5の範囲に収まっているのかどうかが分かるだけで、触るべきか放っておくべきかの判断がつきます。底砂を入れた前後で測っておくと、変化の幅も見えて安心材料になります。
金魚の砂利選びに関するよくある質問(FAQ)
大磯砂の酸処理はしたほうがいいですか?
金魚水槽では、基本的に必要ないと考えています。酸処理とは、大磯砂に混じっている貝殻などを酸で溶かして、pHが上がるのを防ぐ作業です。弱酸性を保ちたい水草水槽や、南米産の熱帯魚を飼う水槽では意味がありますが、金魚は中性から弱アルカリ性を得意とする魚なので、pHが少し上がることは不都合になりにくいのです。酸処理には強い酸を扱う手間と危険が伴いますし、処理後も中和とすすぎが必要になります。金魚だけを飼うのであれば、そのまま洗って使うほうが合理的だと思います。
100均やホームセンターの園芸用の砂利は使えますか?
使えることもありますが、確認したい点がいくつかあります。まず着色されていないか。カラー砂利の塗料が水に溶け出す可能性があるものは避けたいところです。次に石灰岩や大理石が混じっていないか。これらは炭酸カルシウムの塊なので、大磯砂の貝殻どころではない勢いでpHと硬度を上げます。そして粒のサイズが揃っているか。園芸用は粒径がばらついている製品が多く、その中に金魚の口とちょうど同じサイズが混ざっていると危険です。心配なら、水を張った容器に数日入れて、水質の変化や色の溶け出しがないかを確かめてから使ってください。値段の差は数百円なので、観賞魚用として売られているものを選ぶほうが確実だと思います。
買ってきた砂利はどのくらい洗えばいいですか?
目安は、洗い水が透明になるまでです。バケツに入れて水を張り、手でかき混ぜて濁った水を捨てる。これを繰り返します。大磯砂なら数回で澄んできますが、田砂のような細かい砂は10回近くかかることもあります。ここで手を抜くと、水槽に入れた瞬間に真っ白に濁って、収まるまで数日かかります。コツは、一度に大量を洗おうとしないこと。少量ずつのほうが早く済みます。なお洗剤は絶対に使わないでください。すすいだつもりでも残り、生体に影響します。水だけで十分です。
底砂を途中で別の素材に変えても大丈夫ですか?
可能ですが、やり方に順番があります。底砂には汚れを分解する微生物が定着しているので、全部を一度に入れ替えると水が不安定になります。安全なのは、まず半分だけ新しい素材に替えて、2〜3週間ほど様子を見てから残りを替える方法です。どうしても一度に替えたい場合は、フィルターを同じタイミングで洗わないこと、元の飼育水を半分以上残すこと、この2つを守ってください。時期としては水温が安定している春か秋が向いています。真夏は水温変化のリスクが大きく、真冬は金魚の体力が落ちているので避けたいところです。
砂利を入れたらpHが上がりました。下げたほうがいいですか?
まず数値を確認してみてください。環境省の環境基準で、コイ・フナ等が想定される水域は6.5以上8.5以下とされています。この範囲に収まっているなら、金魚にとって不自然な水ではありません。慌てて調整剤で下げようとすると、かえって水質が不安定になります。pHは急に動かすことのほうが生体には負担なので、範囲内であれば触らないのが基本です。もし8.5を超えるような値が続く、あるいは金魚の様子に変化があるという場合は、砂利以外の原因(水道水の性質、他の資材、ろ過の不調など)も考えられます。判断に迷うときは、水質検査の結果を持って購入された販売店にご相談ください。
まとめ|金魚の砂利選び
最後に、この記事の要点を整理します。
選ぶときの優先順位は、崩れにくさ→粒のサイズ→見た目の順です。金魚は底をつつく魚なので、柔らかい素材は形が保ちません。天然の石や砂は洗えば何年でも使えますが、ソイル系は1〜2年程度で交換になります。
素材ごとの性格はこうでした。大磯砂は硬く崩れず、粒サイズが細目約1mm・中目約3mm・粗目約5mmという規格で選べて、貝殻由来でpHがわずかに上がります。田砂は約1mmの細かい砂で水質をほとんど動かさず、明るい水景になりますが、掃除で吸い込みやすく体色は薄く見える方向です。ソイルは崩れる・酸性に寄せる・栄養を含むという3点で、通常の金魚飼育では選ぶ理由が見つけにくい素材でした。
pHについては、環境省の環境基準でコイ・フナ等が想定される水域は6.5以上8.5以下とされています。金魚はフナの改良品種なので、この幅の中なら不都合はありません。大磯砂で少しアルカリ側へ寄ることは、むしろ得意な領域に入る動きです。
粒のサイズは、危険なのが「口とちょうど同じ」の帯です。育っても常に明らかに小さいサイズ(細目・田砂)にするか、明らかに入らないサイズ(玉砂利)にするか。中間を狙わないのが原則で、金魚が成長することを見込んで決めてください。
敷き方は1センチ前後で、60cm水槽なら大磯砂で約2.7kg。掃除は素材ごとにコツが変わり、大磯砂はざくざく差し込んでよく、田砂は表面を撫でるように、ソイルは深追いしないのが基本です。どの素材でも一度に全面をやらず、数回に分けて回すほうが水は安定します。
なお、適切な素材や量は水槽サイズ・匹数・飼っている品種によって変わります。数値はあくまで一般的な目安ですので、製品の正確な仕様は各メーカーの公式サイトをご確認いただき、判断に迷うときは購入された販売店など、実際の水槽を見られる窓口にご相談ください。この記事が、店頭で袋を手に取ったときの判断材料になれば嬉しいです。

