ベタのアルビノは本当に白い?目の色で見分ける方法と迎える前の注意点
真っ白な体に赤い目をしたベタの写真を見て、ベタのアルビノを飼ってみたいと思った方は多いかなと思います。ただ、いざ探してみると、ショップで見かける白いベタはスーパーホワイトやプラチナといった名前ばかりで、アルビノと書かれた個体にはなかなか出会えないですよね。
実は、白いベタとアルビノのベタは同じものではありません。品評会の基準でいうアルビノは、体もヒレも色がなく、目まで色が抜けて赤く見えるベタのことです。一方で、研究の世界では、目の黒さが残っていても体の黒い色素が抜けた個体をアルビノと呼んでいる例もあります。呼び方のずれを知らないまま探すと、思っていた個体と違うものを迎えてしまうかも。
この記事では、アルビノのベタの特徴と見分け方、セロファンや白いベタとの違い、遺伝のしくみ、ベタのアルビノの価格や入手の難しさ、そして迎えたあとの飼い方の注意点までを、品評会の基準と論文、メーカーの飼育情報をもとに整理しました。赤目のベタを探している方も、白いベタとの違いが気になっている方も、見分けるコツがつかめるかなと思います。
- アルビノのベタの定義と目の色の見分け方
- セロファン・スーパーホワイト・プラチナとの違い
- 研究で分かった遺伝のしくみと価格の実情
- 迎える前の目の確かめ方と餌やり・水槽の整え方
| 項目 | 内容 | 出典 |
|---|---|---|
| 学名 | Betta splendens(改良品種) | キョーリン |
| 大きさ | 全長約7cm(トラディショナル・ベタの目安) | キョーリン |
| 適した水温 | 25℃前後(飼育できる範囲の目安は20〜29℃) | キョーリン |
| 水質 | 弱酸性 | キョーリン |
| 品評会での区分 | 色の出ない系統(クリア)の中のアルビノ(Albino) | IBC 2025-2026 基準 |
| 目の色 | 品評会の基準では赤く見える/研究で扱われた系統は目の黒さが残る | IBC 2025-2026 基準・Wang ほか 2021 |
| 遺伝 | 研究で扱われた系統(目は多くの場合黒い)では潜性(劣性)の1遺伝子で決まる形質 | Wang ほか 2021 |
ベタのアルビノとは?白いベタとの違いと見分け方
まずは「アルビノとは何か」をはっきりさせておきます。ベタのアルビノは、見た目の白さではなく、どの色素が抜けているかと目の色で決まります。ただし、品評会の基準と研究の論文では、アルビノと呼ぶ範囲が少し違います。この章では、2つの定義の違いを確かめたうえで、いちばん間違えやすいセロファン、ショップでよく見かけるスーパーホワイトやプラチナとの違いを比べ、店頭や通販の写真で使える見分けの順番を早見表にまとめます。最後に、研究で報告された遺伝のしくみを、交配の組み合わせごとの計算で確かめます。ここを押さえると、ショップの白いベタとの違いもすっきり整理できますよ。
ベタのアルビノは目まで色が抜けた個体
結論からいうと、品評会の基準でいうベタのアルビノは、体もヒレも色がなく、目まで色が抜けて赤く見えるベタです。
ベタの品評会の基準として広く知られているのが、International Betta Congress(IBC)の展示基準です。2025-2026年シーズン版の基準では、アルビノは色の出ない系統(クリア)の中の一つとして扱われていて、『セロファンと同じく体にもヒレにも色がない。目にも色がないため赤く見える』という趣旨で説明されています(出典:IBC Exhibition Standards Book 1(2025-2026 Show Season))。
基準の説明どおり、目に色がないから赤く見える、という順番です。つまり、赤い目は目の色まで抜けているというサインなんですね。体の色だけ白くても、目が黒ければ、この基準ではアルビノに入りません。
体が完全に透明に近いのに、少しピンクっぽく見えることもあります。これはIBCの基準でもふれられていて、体の中の臓器や肉の色が透けているためだとされています。つまり、アルビノのベタは「真っ白」というより、肌色から薄いピンクの体に透明なヒレ、そして赤い目という見た目になるのが基準上の姿です。
ここで覚えておきたいのは、品評会の基準が「理想の姿」を決めたものだということ。基準には、アルビノやセロファンを含むクリアの系統で減点になる項目も並んでいて、黄色やオレンジが出ているのは軽い減点、黒い点は数によって軽い減点から重い減点、そして白く濁ったような色(オペーク)が出ている個体や、体の下地に黒が出ている個体は失格とされています。言いかえると、店頭や個人の繁殖で「アルビノ」と呼ばれる個体の中には、ヒレに少し色が入っていたり、黒い点が残っていたりするものがあっても不思議ではありません。
ですから、アルビノのベタを探すときは、名前よりも先に目の色を見るのが近道です。赤い目かどうか。これが最初の分かれ道になります。
研究でいうアルビノは黒い色素だけが無い

ややこしいのが、研究の論文では、アルビノという言葉がもう少し広い意味で使われている例があることです。
2021年に分子生物学の学術誌で発表された、ベタのヒレの形と色の遺伝を調べた研究があります。この研究では、アルビノの個体を『黒い色素がヒレと体から完全に無くなっている。ただし目は除く。ほかの色があるかどうかは問わない』という趣旨で定義しています(出典:Wang ほか(2021)Genomic Basis of Striking Fin Shapes and Colors in the Fighting Fish)。
ポイントは2つあります。1つ目は、目が除かれていること。この研究では、アルビノの個体の目にはふつう黒い色素が見られると書かれていて、目の色素づくりには別の遺伝子が代わりに働いている可能性が示されています。2つ目は、ほかの色は問わないこと。実際に、研究で使われたアルビノの個体には赤い色素が見られた例も記録されています。
つまり、この研究でいうアルビノは黒い色素(メラニン)が体とヒレから抜けた個体で、目は多くの場合黒いまま、体には赤い色素が残る例もある、ということです。目まで色がなく赤く見えるという品評会の基準とは、範囲がかなり違いますよね。
この違いを知っておくと、ネットの情報を読むときに混乱しにくくなります。たとえば「アルビノなのに目が黒い」「アルビノなのに赤いヒレがある」という書き込みを見かけても、それは呼び方の基準が違うだけかもしれません。逆に、赤目にこだわって探しているなら、「アルビノ」という名前だけで判断せず、写真や実物で目の色を確かめることが大切です。
ちなみに、この研究はアルビノの原因となる遺伝子の場所も突き止めています。黒い色素の細胞をつくる働きにかかわる mitfa という遺伝子の近くに、アルビノの個体だけに見られる欠けた部分があり、約1,000匹を調べたところ、その欠けとアルビノの見た目がきっちり一致していたそうです。遺伝子そのものの配列には変化が見つからず、遺伝子の働きを調節する部分の変化が原因の可能性がある、とされています。
セロファンとの違いは目の色で分かる
アルビノといちばん間違えやすいのがセロファンです。見分けるポイントは、やはり目の色。基準の上では、セロファンは目が黒く、アルビノは目が赤く見えます。
IBCの基準では、セロファンを『色のない肌色の体に透明なヒレ。目は黒っぽく、赤くない』という趣旨で説明しています。体とヒレの見た目はアルビノとほぼ同じで、違いは目だけ。だからこそ、写真の小さな画像では区別がつきにくいんですね。
基準の中で、セロファンとアルビノは同じ「クリア」という色の型に並べられています。体がピンクっぽく見えるのは臓器の色が透けているためで、セロファンはピンクと透明の2色ではなく、1つの色(クリア)として扱う、という注意書きもあります。アルビノも同じ考え方で、ピンクっぽさは体の中の色です。
店頭でセロファンとアルビノを見比べるときは、次の順番で見るのがおすすめです。
- 明るいところで正面か真横から目を見る
- 瞳の部分が黒いか、赤〜ピンクに見えるかを確かめる
- 写真や照明で見え方が変わることもあるので、角度を変えてもう一度見る
ここからは書き手の補足ですが、写真の色は照明やカメラの設定で変わります。1枚の写真だけで決めず、できれば動画や複数の写真、実物で確かめるのが安心かなと思います。通販で迎える場合は、販売ページの写真で目の色がはっきり写っているかを見ておくと、届いてから「思っていたのと違う」となりにくいですよ。
見た目がここまで近いので、販売の場でセロファンとアルビノの呼び分けがあいまいになっていることもあり得ます。名前より目の色を優先して確かめましょう。
スーパーホワイトやプラチナとの違い

ショップで白いベタとして並んでいるのは、スーパーホワイト、プラチナホワイト、パステルホワイトといった名前の個体です。これらはアルビノとは別の型で、白く見える理由も型ごとに違います。
ベタの色は、いくつかの色の層が重なってできています。IBCの初心者向けガイドでは、原種に近いふつうのベタは、体に近いほうから黄色、赤、黒、緑の順に色の層を持っていると説明されています。先ほどの展示基準の定義に当てはめると、アルビノやセロファンは、こうした色が体にもヒレにも出ていない状態です。一方で白いベタは、体の下地に黒や赤が出ない明るい体をもとに、オペークと呼ばれる不透明な白い層がのる型、薄い光沢がのる型(パステル)、金属のような光沢がのる型(メタリック)に分かれます。
IBCの基準をもとに、白っぽく見えるベタの違いを整理すると次のようになります。
| 呼び方 | IBC基準での位置づけ | 体の見た目 | 目の色 |
|---|---|---|---|
| アルビノ | 色の出ない系統(クリア) | 色がなく肌色〜ピンクっぽい・ヒレは透明 | 色がなく赤く見える |
| セロファン | 色の出ない系統(クリア) | 色がなく肌色〜ピンクっぽい・ヒレは透明 | 黒っぽい |
| オペークホワイト(販売名のスーパーホワイトが近い) | 虹色の光沢を持つ系統(イリデッセント)のオペーク | 白い不透明な層が体をおおう | 色の定めなし(白い層が目をおおって見えない個体は失格) |
| パステルホワイト | 虹色の光沢を持つ系統(イリデッセント)のパステル | 銀色がかった薄い白・不透明さは出ない | 基準に色の定めなし |
| メタリックのホワイト(プラチナなど) | 体の色が明るい系統に金属光沢がのったもの | 透明な体に金属のような輝き | 透明な体(クリア)のメタリックは、ふつうのクリアと同じく黒っぽい |
スーパーホワイトという名前は、IBCの基準には出てこない販売名です。白く濃い不透明な見た目からすると、基準でいうオペークホワイトに近いタイプと考えられます。オペークは『体をおおう不透明な層』のことで、基準では、白い濃い色が体をおおっていることが求められています。パステルホワイトは『銀色がかった明るい白』が理想とされ、逆にオペークが少しでも出ていてはいけない、と区別されています。
プラチナという呼び方は、IBCの基準では正式な色名ではなく、金属のような光沢を持つ明るい体色のベタの通称の一つとして挙げられています。金属光沢のあるホワイトは、色の幅がプラチナホワイトからシルバーまであるとされ、『オペークと混同してはいけない』とわざわざ注意書きがあるほどです。
この表のとおり、基準で目が赤く見えると書かれているのはアルビノだけです。セロファンと、透明な体に金属光沢がのったクリアのメタリックは、目が黒っぽいとされています。また、アルビノを含むクリアの型では、オペーク(白い不透明な層)が出ていると失格とされています。つまり、白い層がはっきりのった個体は、基準の上ではアルビノの型には入らない、ということですね。
目の色と体の色で見分ける早見表
ここまでの内容を、店頭や通販の写真で白っぽいベタを見たときに使える順番にまとめました。上から順に当てはめていくだけで、だいたいの見当がつくようになりますよ。
| 確かめる順番 | 見るところ | こう見えたら | 考えられる型 |
|---|---|---|---|
| 1 | 目の色 | 赤〜ピンクに見える | アルビノの可能性が高い(体も確かめる) |
| 2 | 目が黒いときの体の色 | 色がなく透けた肌色・ヒレは透明 | セロファン |
| 3 | 体の白さの質感 | 濃く不透明な白 | オペークホワイト(販売名のスーパーホワイトが近い) |
| 4 | 体の白さの質感 | 銀色がかった薄い白で、不透明さはない | パステルホワイト |
| 5 | 光沢 | 金属のような強い輝き(目は黒っぽい) | メタリックのホワイト(プラチナなど) |
この順番にしたのは、目の色が基準ではっきり書き分けられている手がかりだからです。それに比べて体の白さは、照明の色や水槽の背景、撮影の明るさで印象が大きく変わります。とくに通販の写真は、白が飛んで見えやすいので、体の質感だけで決めるのはおすすめしません。
研究でいうアルビノ(黒い色素だけが抜けた個体)は、この表の1番に当てはまらないことがあります。目が黒いまま体の黒だけが抜けていて、赤などほかの色が残っている個体もいるからです。もし「アルビノ」と書かれた個体の目が黒い場合は、どちらの意味で呼ばれているのかを販売者に聞いてみるのが近道かなと思います。
もう一つ、早見表を使うときの注意点があります。白っぽい体に赤い目でも、ヒレに黄色やオレンジ、赤が乗っている個体はいます。こうした個体は、品評会の基準ではアルビノとしては減点の対象ですが、観賞魚として飼うこと自体には関係しない話です。大事なのは、自分がどんな見た目のベタを迎えたいのかを先に決めておくこと。赤目が条件なのか、真っ白に見えることが条件なのかで、探すべき名前が変わってきます。
研究のアルビノは潜性の1遺伝子で決まる

アルビノの遺伝については、先ほどの2021年の研究が手がかりになります。この研究で扱われたアルビノ(体の黒い色素が抜け、目は多くの場合黒い系統)の形質は、『潜性の1遺伝子で決まり、メンデルの法則に従う』と報告されています。品評会の基準でいう赤目のアルビノに同じしくみが当てはまるかは、今回確かめた資料には書かれていません。潜性というのは、以前は劣性と呼ばれていた性質のことで、両親の両方からアルビノの遺伝子を受け取ったときにだけ見た目に現れる、という意味です。
研究では、アルビノとふつうの個体をかけ合わせた子どもどうしを交配したところ、ふつうの見た目とアルビノがおよそ3対1の割合で生まれたと報告されています。これを家庭の繁殖に当てはめて、理屈の上での目安を計算すると次のようになります。
| 親の組み合わせ | 子どもの見た目の目安 |
|---|---|
| アルビノ × アルビノ | すべてアルビノ |
| アルビノ × アルビノの遺伝子を持たないふつうの個体 | すべてふつうの見た目(全員がアルビノの遺伝子を1つ持つ) |
| 上の子どもどうし(遺伝子を1つずつ持つ親) | 約4匹に1匹がアルビノ |
| アルビノ × 遺伝子を1つ持つ個体 | 約2匹に1匹がアルビノ |
この表は、アルビノが1つの潜性遺伝子だけで決まるとした場合の計算上の割合です。実際の繁殖では、生まれる数が少なければ割合はずれますし、稚魚がどれだけ育つかでも結果は変わります。あくまで一般的な目安として見てくださいね。
ここから分かるのは、アルビノの遺伝子を持っていても、見た目がふつうの個体がいる、ということです。アルビノの系統を保つには、アルビノどうしか、遺伝子を持っていると分かっている個体を選んで交配する必要があります。アルビノの個体が店頭で少ない理由を直接示した資料は見当たりませんでしたが、親を選び続ける手間がかかることは、この計算からも想像しやすいかなと思います。
また、IBCの初心者向けガイドには、黒い色が大きく減るブロンドや、体から黒が消える(ヒレには残ることがある)カンボジアンという色の変化も、どちらも潜性として紹介されています。体の黒が抜けた白っぽいベタには、アルビノ以外にもいくつかの遺伝の道筋がある、ということです。見た目が似ていても中身の遺伝子は違うことがあるので、繁殖を考えるなら、親の系統が分かる販売者から迎えるのが安心ですよ。
色とは別に、ベタはヒレの形でも呼び分けられます。尾びれが長く垂れるベールテールの特徴と、ハーフムーンとの見分け方は、尾びれの形と値段の目安の解説で紹介しています。
ベタのアルビノの価格と飼い方の注意点
ここからは、実際にベタのアルビノを迎えたいと思ったときの話です。先に結論をいうと、熱帯魚の大手通販の1店で確かめた範囲では、赤目のアルビノのベタは出品が見当たらず、値段の相場を示せるほどの資料がありません。だからこそ、出会えたときに慌てないよう、目の反応の確かめ方と、迎えたあとの環境づくりを先に知っておくことが大切です。この章では、通販で実際に検索して分かった出品の実情と白いベタの価格の例、品評会の基準が目の状態を重く見ている理由、目が見えにくい個体への餌の与え方、そしてまぶしすぎない水槽の整え方を、順番に見ていきます。
アルビノのベタの価格と出会える場所
先にお伝えしておくと、赤目のアルビノのベタは、価格の相場を示せるほどの出品が見つからなかった、というのが正直なところです。
参考までに、熱帯魚の大手通販であるチャーム(charm ヤフー店)のYahoo!ショッピングの店内で、2026年10月27日に「ベタ アルビノ」と店内検索したところ、ヒットは全部で5件でした。その5件はすべて、グラミーやパラダイスフィッシュ(タイワンキンギョ)、カムルチーなど、ベタ以外の魚のアルビノで、ベタのアルビノは1件もありませんでした。在庫があったのは、そのうち1件だけです。
一方で、同じ店で「ベタ」と検索して取れた一覧には、白を名前に含むベタがいくつも並んでいました。在庫があったものの価格の例を挙げると、次のとおりです(マーブルを含むものは柄ものです)。
| 商品名(販売名) | 価格(2026年10月27日時点の表示) |
|---|---|
| ベタ・ハーフムーンプラカット スーパーホワイト メス | 2,440円 |
| ベタ・スーパーデルタテール スーパーホワイト マーブル系 オス | 2,870円 |
| ベタ・ハーフムーンプラカット スーパーホワイト オス | 3,180円 |
| 一点物 ベタ ハーフムーン ホワイトパステル マルチカラー オス | 4,030円 |
| 一点物 ベタ ハーフムーン ホワイトマーブル オス | 4,240円 |
白いベタなら、数千円台から手に入る例がある、ということですね。価格は時期や在庫で変わるので、正確な情報は各販売店の公式サイトをご確認ください。ベタ全体の値段の決まり方については、ベタの種類と購入先ごとの価格相場で詳しくまとめています。
では、赤目のアルビノに出会うにはどうすればいいか。現実的な選択肢は、ベタの専門店や、ベタを自家繁殖しているブリーダー、ベタのイベントなどで探すことです。個人の繁殖家が出品するオークションや譲渡の場に出てくることもありますが、その場合は、品評会の基準と研究のどちらの意味でアルビノと呼んでいるのかを特に意識してください。目の色が写った写真があるか、親の見た目が分かるか、を確かめておくと安心です。
もう一つ大事なのが、迎える側の準備です。めったに出会えない個体だからこそ、見つけてから慌てて水槽を用意するのでは間に合いません。ベタを飼う容器と水温を保つ道具は、先にそろえておきましょう。
購入前に確かめたい目と泳ぎ方
アルビノのベタを迎えるときに、ふつうのベタ以上に気をつけたいのが目の状態です。理由は、IBCの基準の失格項目にあります。
IBCの基準では、すべての部門に共通する失格項目の一つとして『目が見えないこと(とくにオペークとアルビノで)』が挙げられています。わざわざアルビノの名前が出ているということは、品評会の世界では、アルビノの個体で目が見えないケースに注意が向けられている、ということです。オペークの減点項目でも、白い層が目をおおって見えていない個体は、隣の容器の魚に向かってヒレを広げないことで見分ける、という趣旨の書き方がされています。
なお、今回確かめた資料(IBCの基準と2021年の研究)には、アルビノのベタの視力や、光への強さを測ったデータはありませんでした。ですから「アルビノはみんな目が悪い」とは言えません。ただ、確かめずに迎えるより、確かめてから迎えたほうが後悔は少ないはずです。
店頭や受け渡しの場で見ておきたいのは、次のような点です。
- 手を近づけたり、指で容器の前をゆっくり動かしたりしたときに、目で追うか
- 隣の容器のオスや鏡に向かって、ヒレやエラぶたを広げるか
- 餌を入れたときに、すぐ気づいて向かっていくか
- 水面と底を行き来する泳ぎがスムーズで、体が傾いていないか
- 目が白く濁っていないか、飛び出していないか
どれか1つの反応が鈍いだけで、目が見えないと決めつける必要はありません。輸送の直後や水温が低いときは、どのベタも反応が鈍くなりがちです。いくつかの点を合わせて見て、気になるところがあれば販売者に聞いてみるのがいいかなと思います。
通販で迎える場合は、こうした確認が直接はできません。販売ページの説明に「餌食いの状態」や「個体の状態」が書かれているか、問い合わせに答えてもらえるかも、ショップ選びのポイントになりますよ。
目が見えにくい個体の餌の与え方

迎えたアルビノのベタが、もし餌に気づくのが遅いようなら、与え方を少し工夫してあげましょう。ポイントは、見つけやすく、食べ逃しても水を汚しにくくすることです。ここで紹介する方法は資料の数値にもとづくものではなく、一般的な飼育上の工夫として読んでください。
具体的には、次のような方法があります。
- いつも同じ場所、同じ時間に餌を落とす
- 一度にまとめて入れず、1粒ずつベタの目の前に落とす
- 水面に浮いている時間が長い粒の餌を選び、気づくまで待ってあげる
- 食べ残しは早めにスポイトで取り除く
同じ場所と時間を決めておくと、餌を探す範囲がせまくなり、食べ逃しも見つけやすくなります。目に頼りにくい個体なら、なおさら決まった流れがあると安心かもしれません。
注意したいのは、食べ残しです。餌を見失って底に沈めてしまうようなら、沈んだ餌は水を汚す原因になるので、量を控えめにして、残ったものはすぐに取り除くのがおすすめです。餌の種類や量の考え方は、人工飼料を軸にしたベタの餌の選び方も参考にしてみてください。
もう一つ、アルビノのベタに色揚げの餌を使ったときに色がどう変わるかは、今回確かめた資料には書かれていません。餌は色のためというより、健康を保つために選ぶ、というくらいの気持ちでいいですよ。
何日も餌に気づかない、明らかに痩せてきた、という場合は、目の問題だけでなく病気の可能性もあります。最終的な判断は専門家にご相談ください。熱帯魚に詳しい動物病院や、購入したショップに早めに相談するのが安心です。
餌は、水面に浮かぶ粒のベタ用の餌を選んでおくと、気づくまで待ってあげやすいですよ。食べ残しを吸い取るスポイトも、1本あると片付けが楽になります。価格や在庫、内容量は購入前に各ショップでご確認ください。
光と水槽の環境の整え方
アルビノのベタを飼う水槽づくりは、基本的にはふつうのベタと同じです。光への強さを測ったデータは資料にありませんが、赤目の個体は目に色がないとされているので、一般的な配慮として、まぶしすぎない環境にしておくのが無難かなと思います。
まず、ベタそのものの飼育条件をおさらいしておきましょう。キョーリンの飼育情報では、ベタの適した水温を「適水温25℃(20℃~29℃)」としていて、「飼育可能な水温の範囲は目安です。なるべく適水温で飼育しましょう。」と添えています。水質は弱酸性が目安とされています。冬はヒーターで水温を保つのが基本ですね。
容器の大きさについては、キョーリンは「飼育匹数の目安は500mlに1匹だよ。」としつつ、「ショーベタを飼う場合は4、5ℓ程度の大きめの容器がおすすめだよ。」とも書いています。水量が少ない容器ほど水が汚れやすく、小さなビンなら3日に1度の水換え、ろ過フィルターつきの水槽なら2週間に1回が目安とされています。アルビノのような貴重な個体なら、水質が安定しやすい大きめの容器を選んでおくと気持ちに余裕が持てますよ。
光については、次のような工夫がおすすめです。
- 直射日光の当たらない場所に水槽を置く
- 浮き草や背の高い水草で、ベタが休める日陰をつくる
- ライトをつける時間を決めて、つけっぱなしにしない
- 強い光を真上から当て続けず、明るさに逃げ場をつくる
直射日光については、キョーリンも「日光が当たると水温が上がりすぎたり、コケが発生するので、直射日光に当たらない場所に設置しよう。」と注意しています。ライトの考え方は、ベタに必要なライトと影のつくり方でまとめているので、あわせて読んでみてください。
もう一つ気をつけたいのが、混泳です。キョーリンは「ベタはヒレの大きな魚を攻撃する習性があるので、ベタ同士を一緒に飼育することはできないんだ。」としています。アルビノの個体も同じで、ベタ同士は一緒に飼わないようにしましょう。ほかの魚との混泳を考える場合も、いきなり同居させず、まずは単独で飼って様子を見るのがおすすめです。
毎日の観察も大切です。体の表面に白い点や綿のようなものがついていないか、ヒレの先が溶けていないかを、餌やりのついでに見ておきましょう。
冬の保温には、容器に合ったヒーターを用意しておきましょう。キョーリンは「小型容器の場合は容器の下に敷いて使用するパネルヒーターが便利だよ。」としています。対応する容器の大きさや価格は、購入前に各ショップでご確認ください。
ベタのアルビノについてよくある質問
アルビノのベタとグッピーやメダカのアルビノは同じしくみですか?
アルビノという呼び方の範囲や原因となる遺伝子は、魚の種類ごとに調べられていて、同じとは限りません。この記事で扱えるのはベタの話だけで、2021年の研究では mitfa という遺伝子の近くの変化がかかわっている可能性が報告されています。グッピーのアルビノの種類については、グッピーのアルビノの種類と見分け方で整理しています。
ふつうのベタの体が白くなってきたのはアルビノになったからですか?
アルビノは生まれつきの遺伝の性質なので、育ってから急にアルビノになるわけではありません。体が白っぽくなったり、白い点や膜のようなものが見えたりするときは、病気や体調不良のサインのこともあります。早めに水質と水温を確かめ、気になる場合は購入したショップや専門家に相談してください。
アルビノのベタは品評会に出せますか?
IBCの基準では、アルビノはクリアの色の型の一つとして定義されているので、審査の対象になる型です。ただし、目が見えない個体はすべての部門で失格項目に入っていて、ヒレに色が出ていたり黒い点があったりすると減点になります。出品を考えるなら、最新の基準を公式サイトで確かめてください。基準は毎年見直されています。
ベタの白い品種の名前が多くて覚えられません
白っぽいベタの名前は、品評会の基準の名前と、ショップの販売名が混ざっているので分かりにくいですよね。色や柄の呼び方は、ベタの品種・色柄の用語集で出典ごとの意味をまとめているので、迷ったときの辞書代わりに使ってみてください。
ベタのアルビノを迎える前の確認ポイントまとめ
最後に、ベタのアルビノについてのポイントをまとめておきます。
- 品評会の基準でいうアルビノは、体もヒレも色がなく、目まで赤く見えるベタ
- 研究では、目の黒さが残っていても体の黒い色素が抜けた個体をアルビノと呼ぶ例がある
- セロファンとの違いは目の色(セロファンは黒、アルビノは赤)
- スーパーホワイトやプラチナは白い層や光沢による白さで、アルビノとは別
- 研究の系統では潜性の1遺伝子で、遺伝子を1つずつ持つ親どうしなら約4匹に1匹の目安
- 迎える前に目の反応と泳ぎ方を確かめ、餌やりと光の環境に配慮する
ベタのアルビノは、白いベタの中でも目の色で区別される、とても珍しい存在です。だからこそ、名前だけで判断せず、自分の目で目の色を確かめることがいちばんの近道になります。探しているのが「赤目のベタ」なのか「真っ白に見えるベタ」なのかを先に決めておけば、ショップでの会話もスムーズになりますよ。
この記事で紹介した基準や数値は、あくまで一般的な目安です。品評会の基準は毎年見直されますし、価格や在庫も時期によって変わります。正確な情報は公式サイトをご確認ください。迎えたあとの体調で気になることがあれば、最終的な判断は専門家にご相談ください。あなたとアルビノのベタとの出会いが、良いものになりますように。


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