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グッピーが繁殖しない・産まない原因は?雌雄と水温から見直す手順を解説

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グッピーが繁殖しない・産まない原因は?雌雄と水温から見直す手順を解説

グッピーが繁殖しない原因は?雌雄・環境・体調の見直し方

THE AQUA LAB 所長(イラスト)

こんにちは。THE AQUA LAB、運営者の所長です。

グッピーは「勝手に増える魚」として紹介されることが多い熱帯魚です。だからこそ、飼いはじめて数か月経っても稚魚が生まれないと、何か根本的に間違っているのではないかと不安になりますよね。

実際のところ、繁殖しない理由は限られています。多い順に挙げると、雌雄がそろっていない、まだ成熟していない、環境が繁殖に向いていない、そして「実は産まれているのに残っていない」の4つです。特別な技術や薬が必要になる場面はほとんどありません。

この記事では、確認する順番を決めて原因を切り分けていきます。前提としてひとつだけ先に共有しておくと、グッピーは卵を産みません。稚魚をそのまま産む卵胎生の魚なので、水草に卵が付いていないからといって繁殖していないわけではないのです。ここを取り違えたまま探していると、いつまでも答えにたどり着けません。

  • グッピーが卵を産まない魚だという前提の確認
  • 雌雄と成熟度から順に切り分ける確認の手順
  • 水温や水質など環境が原因で繁殖が止まるケース
  • お腹が大きいのに産まないときに疑うこと
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繁殖しないときに最初に確認すること

雌雄と成熟度の確認、環境(水温・水質・密度)の見直し、稚魚の生存確認という順番を示した図
グッピーの繁殖を切り分ける確認の手順

原因を探すときは、確からしい順に確認していくのが近道です。いきなり水質を測ったり水温をいじったりする前に、そもそも繁殖が成立する条件がそろっているかを見てください。ここでつまずいているケースがかなりの割合を占めます。

見るのは3つだけです。グッピーの繁殖のしかたを正しく理解しているか、水槽にオスとメスの両方がいるか、その個体が成熟しているか。この3つがそろっていれば、あとは環境の問題に絞り込めます。

逆に言えば、この3つのどれかが欠けている状態でいくら環境を整えても、稚魚は生まれません。水温を上げたり餌を変えたりする前に、まずここを確認してください。順番を守るだけで、無駄な手間がかなり減ります。器具を買い足す必要がある場面も、ほとんどありません。

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そもそもグッピーは卵を産まない

「グッピーが卵を産まない」「産卵しない」と検索する方は少なくありませんが、グッピーはもともと卵を産みません。メスの体内で受精して、ある程度育った稚魚をそのまま産み出す卵胎生という繁殖のしかたをします。水草に卵が付いていないのは正常です。

この違いは観察の仕方にも影響します。メダカや金魚なら卵を探せばよいのですが、グッピーの場合は生まれた稚魚を探すことになります。しかも稚魚は生まれた直後から泳ぎ、水草の陰へ潜り込むので、気づかないまま数日が過ぎることもあります。

もうひとつ、卵胎生ならではの特徴があります。メスは一度の交尾で受け取った精子を体内に蓄えられるため、オスがいなくなったあとも何度か出産が続きます。逆に言えば、オスと同居させた記録がないメスでも、購入前に交尾を済ませていれば産みます。繁殖のしくみ全体はグッピーの繁殖方法で整理しています。

言葉の使い分けもしておくと考えやすくなります。「繁殖しない」は交尾や出産そのものが起きていない状態、「増えない」は生まれてはいるが育っていない状態です。この2つは原因も対処もまったく違います。水槽の魚の数が変わらないという事実だけでは、どちらなのか判断できません。まずはメスの腹の変化を数週間追ってみて、膨らみと収縮が起きているかどうかを見るところから始めてください。

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オスとメスが本当にそろっているか

次に多いのが、雌雄の判別を間違えているケースです。とくに若い個体では色も体格も差が小さく、全部オスに見えたり全部メスに見えたりします。ここを確認しないまま環境を疑っても、答えは出ません。

確実な見分け方は尻びれです。腹の後方にある小さなひれを真横から見て、棒状に細長く伸びていればオス、扇のような三角形ならメスです。この違いは品種を問わず現れます。体色や大きさは品種による例外があるので、判断の軸にしないでください。判断に迷ったら、明らかにわかる個体を1匹ずつ基準として覚え、それと見比べるとはっきりします。

また、ペアの相性という問題もあります。テトラ(スペクトラム ブランズ ジャパン)の繁殖解説では「オス・メスそれぞれ1匹ずつだと相性が悪くペアが成立しないこともあるので、繁殖用水槽にはオス・メスを複数匹入れておきます」と案内されています(出典:テトラ グッピーの繁殖ヒント5選)。1ペアだけで進めているなら、これが原因かもしれません

数えた結果は記録しておくと役に立ちます。オスとメスがそれぞれ何匹いるかを紙かメモに残しておけば、あとで「やはりメスがいなかった」と気づけますし、増えたときの見積もりにも使えます。20匹を超える水槽では、記憶だけで雌雄の数を追うのは難しくなります。月に一度、数え直す習慣をつけておくと変化にも気づきやすくなります。

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成熟しているかを体長で確認する

3つめが成熟度です。グッピーは生後3か月前後から繁殖できるようになりますが、購入したばかりの若い個体や、自分の水槽で生まれた稚魚を育てている場合は、まだその時期に達していないことがあります。

ジェックス(GEX)の飼育解説では「生後3~4ヶ月程たってかつ水質が安定してくると産仔しやすくなります」と説明されています(出典:ジェックス グッピーの飼い方 繁殖)。購入した個体の日齢はわかりませんが、体長がオスで3cm、メスで4cmを超えていれば成熟している可能性が高いです(体格には個体差があるので、これも目安として使ってください)。

逆に、高齢の個体では繁殖の間隔が空いていきます。グッピーの寿命は一般に1〜2年程度とされ、何度も出産を繰り返したメスは体力が落ちていきます。若い個体を新しく迎えることで解決する場合もあります。なお寿命の長さにも個体差があります。

確認の順番:①卵ではなく稚魚を産む魚だと理解しているか ②尻びれで雌雄を確認したか ③体長がオス3cm・メス4cmを超えているか。この3つが「はい」になってから、環境の見直しに進んでください。

環境が原因で繁殖が止まるケース

昼は26度でも夜に20度まで下がる例と、pH6.5〜8.0という許容範囲を示した図
水温の昼夜差と水質の安定を確認する

雌雄と成熟度に問題がなければ、次は環境です。グッピーは丈夫な魚ですが、繁殖については生存よりも条件がややシビアになります。生きてはいけるが増えはしない、という水温や水質の範囲が存在します。

環境で見るのは3つです。水温、水質、そして密度と追尾の負担。このうち即効性があるのは水温で、低いまま放置していた水槽を適温に戻すと、数週間で繁殖が始まることがあります。逆に水質と密度は、整えてから結果が出るまでに時間がかかります。

ここではそれぞれの影響を順に整理します。なお、どの数値もあくまで一般的な目安であり、水槽の状態や個体によって最適な範囲は前後します。極端な調整をせず、安定させることを優先してください。数値を追いかけるほど水槽は不安定になります。

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水温が低い・高すぎるケース

いちばん多い環境要因が水温です。グッピーは20度を下回るような環境でも生きてはいけますが、繁殖の間隔は目に見えて空きます。テトラの繁殖解説では「繁殖時はグッピーの動きが活発になる25~26℃に保つようにしてあげましょう」と案内されています(出典は前掲)。

冬場に暖房を切る部屋で飼っている場合、夜間だけ水温が下がっていることがあります。日中に測って26度あっても、明け方に20度まで落ちていれば繁殖は進みません。昼と夜の両方で測ってみると、原因がはっきりすることがあります。

逆に高すぎる場合も問題です。30度近い環境が続くと出産の間隔は詰まりますが、メスの消耗が早まり、結果として繁殖が続かなくなることがあります。夏場に水温が上がりすぎている水槽では、冷却よりもまず水面の攪拌を増やして酸素を確保してください。水温別の目安はグッピーの適温は何度?で整理しています。

水温を安定させるには、水量に見合った出力のヒーターと、温度を実際に確認できる温度計の両方が要ります。設定温度と実際の水温がずれていることは珍しくありません。

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水質が不安定なケース

水質については、特定の数値に合わせることより安定させることのほうが重要です。テトラの解説では、グッピーの繁殖について「pH6.5~8.0(中性~弱アルカリ性)で大丈夫です」とされており、かなり広い範囲が許容されています。

問題になるのは、この範囲から外れることよりも、値が短期間で大きく動くことです。水換えの量が多すぎる、水換えの間隔が空きすぎている、餌の与えすぎで水が汚れている。こうした状況では、生きてはいても繁殖の優先度が下がります。pHの管理についてはグッピーに適したpHは?で扱っています。

確認したいのは、水換えの頻度と量が安定しているかです。週に1回、3分の1程度という基本を守れているなら、水質そのものが原因である可能性は下がります。逆に、しばらく水換えをしていない水槽では、まず水質を整えることから始めてください。

推測ではなく数字で確認したい場合は、検査試薬や試験紙を1つ持っておくと判断が早くなります。pHとアンモニア、亜硝酸が測れれば、水質が原因かどうかはほぼ切り分けられます。

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過密と追尾の負担

意外と見落とされるのが、密度と追尾の問題です。オスが多すぎる水槽では、メスが常に追い回されて落ち着く時間がありません。追われ続けたメスは体力を消耗し、出産の間隔が空くことがあります。

目安として、オス1に対してメス2以上という比率がよく使われます。オスのほうが多い水槽では、メスを足すかオスを減らすかで負担を分散させてください。同時に、水草の茂みや流木の陰など、オスの視線が通らない逃げ場を複数作ることも効果があります。

過密そのものも影響します。水量に対して魚が多すぎると、水質が悪化しやすくなり、常に他の個体と接触するストレスがかかります。水槽サイズごとの適正数はグッピー水槽は何匹が適正?で計算の考え方を示しています。

→ 横にスクロールできます

疑う順番 確認すること 問題があるサイン 対処
1|雌雄 尻びれを真横から見る 棒状の個体が1匹もいない オスを迎える/雌雄を数え直す
2|成熟 体長(オス3cm・メス4cm) 全体に小さい 数週間〜数か月待つ
3|水温 昼と夜の両方で測る 夜間に20度前後まで下がる ヒーターの出力と設定を見直す
4|水質 水換えの頻度と量 数週間換えていない/毎回全換水 週1回・3分の1に戻す
5|密度 雌雄比と水量あたりの匹数 オスが多く、メスが追われ続ける 比率を整える/隠れ家を増やす
6|生存 稚魚が残っているか 親だけが増えない 隠れ家を増やす/隔離を検討

産卵箱を水槽に常設したままにしている場合も、見直す価値があります。外掛け式の産卵箱はエアーポンプで水を吸い上げるため、本水槽の水流が思ったより強くなっていることがあります。また、水槽のフチを占有することで水面の一部が塞がれ、酸素の取り込みが落ちる場合もあります。使わない期間は外しておくほうが、水槽全体としては安定します。

お腹が大きいのに産まないとき

角張った腹と濃い妊娠マーク、うろこの逆立ちや白く細い糞などを並べた比較表
妊娠のサインと体調不良のサインの見分け方

「メスのお腹は膨らんでいるのに、いつまでも産まない」という相談は多く寄せられます。この場合、確認したいのは3つです。本当に妊娠しているのか、産卵箱などの環境が出産を妨げていないか、そして単に時期が来ていないだけではないか。

判断を焦ると、かえって出産が遅れることがあります。狭い容器へ移す、水温を急に上げるといった操作は、いずれもメスに負担をかけます。まずは観察して、必要な場合だけ手を入れるという順序が安全です。何日も産まないこと自体は、それほど珍しい状況ではありません。

ここでは妊娠と体調不良の見分け方、産卵箱に入れて産まないケース、そして出産が遅れる要因を整理します。妊娠期間そのものについてはグッピーの妊娠期間は何日?で詳しく扱っています。

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妊娠と体調不良を見分ける

お腹の膨らみには、妊娠以外の理由もあります。餌の与えすぎで一時的に膨らんでいる場合、便秘で膨らんでいる場合、そして腹部に水が溜まる体調不良の場合です。見分けるポイントを整理しておきます。

妊娠しているメスは、お腹が丸ではなく角張った四角い形になり、腹の後方にある妊娠マーク(お腹の後方に出る黒ずみ)が濃くなります。出産が近づくと、外から稚魚の影が透けて見えることもあります。テトラの解説でも「出産が近くなったメスのお腹はパンパンに膨れ、外から中にいる稚魚が透けて見えるので、お腹が黒っぽく見えるようになりますよ」と説明されています。

一方、うろこが逆立っている、糞が白く細い、餌を食べない、体が左右非対称に膨れている、といった様子があれば体調不良を疑ってください。この場合は繁殖ではなく治療の問題になります。静かな環境で隔離して様子を見たうえで、必要に応じて魚を診られる専門家や購入した販売店へ相談してください。餌の与えすぎが疑われる場合は、半日から1日ほど給餌を止めると膨らみが引くかどうかで判断できます。

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産卵箱に入れて産まないケース

出産に備えてメスを産卵箱へ移したのに、何日経っても産まない。これもよくある相談です。原因の多くは、移すのが早すぎることにあります。

産卵箱は水量が1〜2L程度しかなく、成魚のメスにとっては極端に狭い空間です。狭い場所に閉じ込められた状態が続くと、ストレスで出産が遅れることがあると言われています。移すのは、出産の兆候が重なってからで十分です。お腹が角張る、妊娠マークが濃くなる、底でじっとして餌への反応が鈍くなる。この3つが揃ってからにしてください。

移してから1日ほど経っても産む気配がないときは、いったん本水槽へ戻すという判断があります。戻したあとに落ち着いて産むこともよくあります。産卵箱の選び方と使う期間については、別の記事で詳しく扱っています。

初産のメスかどうかも影響します。初めての出産では産む数が少なく、10匹前後にとどまることもあります。何度か経験したメスは20匹から50匹と数が増えていきます(個体差が大きく、この数値もあくまで目安です)。つまり、初産のタイミングでは「産んだのに気づかない」ことが起こりやすいわけです。若い個体を迎えたばかりの水槽では、この段階を何度か通過してから本格的に増えはじめる、という経過をたどることがあります。

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出産が遅れる要因を整理する

妊娠していて環境にも問題がないのに産まない場合、単に時期が来ていないだけということもあります。グッピーの妊娠期間には幅があり、水温によっても変わります。低めの水温では長くなる傾向があります。

また、初産のメスは産む数が少なく、出産そのものに気づきにくいことがあります。数匹だけ産んで、それが親に食べられてしまえば、飼い主から見れば「産まなかった」のと区別がつきません。お腹の膨らみが引いているのに稚魚が見当たらない場合は、産み終わったあとと考えたほうが自然です。

環境を変えたい気持ちが出てきたときこそ、慎重になってください。水温を急に上げる、大量に水を換える、餌を極端に増やす。こうした操作はいずれも負担になり、出産をさらに遅らせる可能性があります。待つことも対処のひとつです。

やらないほうがいい3つ:①出産を促すために水温を急に上げる ②お腹が大きいだけの段階で産卵箱へ長く入れる ③原因を特定しないまま薬を使う。いずれもメスへの負担になり、状況を悪くすることがあります。

もうひとつ、餌の量と質も関係します。極端に少ない給餌が続くと、体が繁殖よりも生存を優先します。逆に与えすぎれば水が汚れ、水質の面から繁殖が止まります。1日1〜2回、数分で食べ切る量という基本を守れているかを確認してください。栄養面では、動物性の原料が主体の餌のほうが繁殖には向いているとされますが、特別な餌を用意しなければ増えないというものではありません。

それでも増えないときの見直し

葉の細かい水草を水面付近に配置して稚魚の隠れ家を作る様子を示した図
稚魚が残っていない可能性と隠れ家の作り方

ここまで確認して問題が見つからないなら、視点を変えてみてください。「繁殖していない」のではなく「繁殖しているのに残っていない」という可能性があります。実際、この見落としはかなり多いです。

グッピーは自分が産んだ稚魚も口に入れば食べてしまいます。生まれた稚魚が数時間で全部いなくなれば、飼い主から見れば何も起きていないのと同じです。水草の少ない水槽ほど、この現象は起きやすくなります。

この章では、産まれているのに残っていない可能性の確かめ方、個体や系統に由来する問題、そしてやってはいけない対処を整理します。焦って手を打つ前に、まず観察してみてください。原因が「繁殖していない」ではなかった場合、対処の方向がまるごと変わります。

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産まれているのに残っていない可能性

確かめ方はいくつかあります。まず、メスのお腹の変化を記録してみてください。膨らんでいた腹が急にへこんだ日があれば、その日に出産があった可能性が高いです。稚魚を見ていなくても、体形の変化は残ります。

次に、水草を厚く入れてみてください。ウィローモスやマツモのように葉が細かい水草を水面付近に多めに配置すると、生まれた稚魚が潜り込める場所ができます。これで次の出産のときに稚魚が残れば、原因は捕食だったことになります。入れる量は、水面の3分の1程度が覆われるくらいが目安です。

ろ過器への吸い込みも確認してください。外掛けフィルターや上部フィルターのストレーナー(水を吸い込む筒状のパーツ)には、生まれたての稚魚が通り抜けられる隙間があります。ろ過槽の中を見ると稚魚が入っていた、というのはよくある話です。親が稚魚を食べるしくみと対策はグッピーの共食いの原因と対策で扱っています。

探すタイミングも工夫できます。出産の時間帯に決まった傾向があるとは言い切れませんが、人の気配が少ない夜間に産むことがあるとも言われます。日中しか水槽を見ていないと、夜のあいだに生まれて朝までに食べられた場合、飼い主からは何も起きていないように見えます。朝いちばんと帰宅直後の2回、水草の陰を意識して見る習慣をつけておくと、見落としが減ります。照明を点ける前の暗い時間に、懐中電灯でそっと照らしてみるのもひとつの方法です。

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個体や系統に由来する場合

環境も生存も問題ないのに増えない場合、個体側の要因ということもあります。高齢のメス、何度も出産を繰り返して消耗している個体、あるいは体調を崩している個体では、繁殖の間隔が空いたり止まったりします。

系統によっても差が出ることがあります。同じ親どうしの掛け合わせを何世代も続けた系統では、体が弱くなったり繁殖力が落ちたりすることが知られています。長く同じ水槽の中だけで増やしている場合は、別の系統の個体を迎えると改善することがあります。

ただし、これは環境と雌雄の確認をすべて済ませてから疑う段階の話です。個体や系統の問題は自分で確かめにくく、思い込みで判断すると本来の原因を見逃します。順番としてはいちばん最後に置いてください。

新しい個体を迎えて解決を図る場合は、いきなり本水槽へ入れないでください。購入した魚は輸送で体力を落としていることが多く、病気を持ち込む可能性もあります。別の容器で1〜2週間ほど様子を見てから合流させるほうが安全です。せっかく繁殖のために迎えた個体が、水槽全体の体調を崩す原因になっては本末転倒になります。水合わせの手順はグッピーの水合わせのやり方と時間の目安で扱っています。

◆所長のワンポイントアドバイス

繁殖しないと感じたら、まず1か月だけ何も変えずに観察してみてください。水温と水換えだけ通常どおりに保ち、それ以外は触らない。原因を探して次々に手を入れると、何が効いたのかわからなくなります。変えるのは一度に1つだけ、というのが切り分けの基本です。

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やってはいけない対処

最後に、避けたい対処を整理しておきます。ひとつめが、繁殖を促す目的で水温を急に上げることです。数日で数度上げるような操作は、繁殖より先に体調へ影響します。変えるなら1日1度以内を目安にしてください。

ふたつめが、原因を特定しないまま薬や添加剤を使うことです。繁殖しない状態は病気ではないので、薬で解決する問題ではありません。むしろ薬剤は水質やろ過バクテリアに影響し、状況を複雑にします。

みっつめが、お腹が大きいだけの段階で産卵箱へ長く入れることです。狭い容器はメスにとって負担になり、出産がかえって遅れることがあります。移すのは出産の兆候が重なってからにしてください。

もうひとつ付け加えるなら、増やすためにオスを大量に入れるのも逆効果です。オスが増えるとメスへの追尾が集中し、かえって負担が増えます。増える量を決めるのはメスの数であって、オスの数ではありません。増やしたいならメスを増やすのが正しい方向です。ただし、増えたあとの受け入れ先まで決めてから進めてください。決まっていないなら、増やす方向へ動くのはいったん保留にしたほうが安全です。

切り分けの手順:①尻びれで雌雄を数え直す ②体長でオス3cm・メス4cmを超えているか見る ③昼と夜の水温を測る ④水換えの頻度と量を確認する ⑤オスが多すぎないか見る ⑥水草を厚くして次の出産を待つ。上から順に、1つずつ確認してください。

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グッピーが繁殖しないことに関するよくある質問(FAQ)

グッピーが卵を産みません。異常でしょうか?

異常ではありません。グッピーは卵を産まない魚です。メスの体内で受精し、ある程度育った稚魚をそのまま産み出す卵胎生という繁殖のしかたをします。水草に卵が付いていないのは正常な状態です。

探すべきは卵ではなく稚魚です。ただし生まれた稚魚は体長5〜8mmと小さく、生まれた直後から泳いで水草の陰へ潜り込みます。気づかないまま親に食べられていることもあるので、稚魚を確実に残したい場合は隠れ家を増やすか、産卵箱で隔離するという対応になります。

オスとメスがいるのに何か月も増えません

確認する順番を決めてください。①雌雄を尻びれで見分け直す ②体長がオス3cm・メス4cmを超えているか ③水温が昼夜とも25〜26度前後に保てているか ④水換えの頻度と量が安定しているか ⑤オスが多すぎてメスが追われ続けていないか。この順で見ていくと、多くの場合どこかで原因が見つかります。

それでも見つからないときは、「産まれているのに残っていない」可能性を疑ってください。メスの腹の膨らみが急にへこんだ日がないか記録し、水草を厚く入れて次の出産に備えてみてください。ろ過器の吸い込みも確認しておくと確実です。

お腹が大きいのに何日も産みません

まず、妊娠なのか別の原因なのかを見分けてください。妊娠しているメスはお腹が角張った四角い形になり、腹の後方の妊娠マークが濃くなります。出産が近づくと外から稚魚の影が透けて見えることもあります。

一方、うろこが逆立っている、糞が白く細い、餌を食べない、左右非対称に膨れているといった様子があれば体調不良を疑ってください。餌の与えすぎが疑われる場合は、半日から1日給餌を止めると膨らみが引くかどうかで判断できます。体調不良が疑われるときは静かな環境へ隔離して観察し、必要に応じて魚を診られる専門家や販売店へ相談してください。

産卵箱に入れたのに産まないのはなぜですか?

移すのが早すぎることがいちばん多い原因です。産卵箱は水量が1〜2L程度しかなく、成魚のメスにとっては極端に狭い空間です。長く入れておくとストレスで出産が遅れることがあると言われています。

移すのは出産の兆候が重なってからにしてください。お腹が角張る、妊娠マークが濃くなる、底でじっとして餌への反応が鈍くなる。この3つが揃ってからで十分です。移してから1日ほど経っても産まないときは、いったん本水槽へ戻したほうが負担が小さくなります。戻したあとに落ち着いて産むこともよくあります。

水温を上げれば繁殖しますか?

水温が低すぎた場合は改善することがありますが、上げれば上げるほどよいという関係ではありません。テトラの繁殖解説では、繁殖時は25〜26度に保つことが案内されています。すでにこの範囲にあるなら、水温は原因ではない可能性が高いです。

また、変えるときは急がないでください。1日1度以内を目安に、時間をかけて調整します。数日で数度上げるような操作は、繁殖より先に体調へ影響します。30度近い高水温では出産の間隔が詰まる一方でメスの消耗が早まり、結果として繁殖が続かなくなることもあります。なお、これらの数値はあくまで一般的な目安です。

まとめ|順番を決めて切り分ける

グッピーが繁殖しないとき、原因はたいてい限られた範囲にあります。まず前提として、グッピーは卵を産まない魚です。水草に卵が付いていないのは正常で、探すべきは生まれた稚魚のほうになります。

確認の順番は、雌雄、成熟度、水温、水質、密度、そして「産まれているのに残っていない」可能性です。雌雄は尻びれを真横から見るのが確実で、体色や大きさは品種による例外があります。成熟の目安は体長でオス3cm・メス4cm前後、生後3か月あたりからになります。

環境では水温の影響がいちばん大きく、繁殖時は25〜26度前後が目安とされています。夜間だけ下がっている水槽は珍しくないので、昼夜の両方で測ってみてください。水質は特定の値に合わせるより、安定させることを優先します。オスが多すぎる水槽では、メスの負担を減らす方向で比率と隠れ家を見直してください。

そして最後に、変えるのは一度に1つだけということ。原因を探して次々に手を入れると、何が効いたのかわからなくなります。水温を急に上げる、狭い産卵箱へ長く入れる、原因を特定しないまま薬を使う。この3つはいずれもメスへの負担になります。本文の数値はあくまで一般的な目安なので、自分の水槽の様子を見ながら、ゆっくり整えていってください。

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