金魚すくいの金魚の飼い方|持ち帰り直後に失敗しないコツ
お祭りの金魚すくいで連れて帰った金魚が、家に着いたら容器の底でじっとしている。
そんな姿を見ると、「このまま弱ってしまうのでは」と不安になりますよね。
その心配は、金魚を大切に思っているからこそ生まれる自然なものです。
金魚すくいの金魚は、あなたの家に来るまでに、すでにたくさんの負担を抱えています。
だからこそ、持ち帰った直後にいちばん大切なのは「餌をあげること」より「休ませること」です。
この記事では、観賞魚メーカーが公開している情報を並べて比べながら、持ち帰った当日から2週間ほどの過ごし方を整理しました。
今夜すぐに役立つ内容から順に書いていますので、手元の金魚の様子を見ながら読み進めてみてください。
この記事で理解できること
- 金魚すくいの金魚が弱りやすい理由と、持ち帰った当日にすること
- 餌を始める日数の目安と、メーカーごとの違い
- 水合わせ・0.5%の塩水浴・先にいる金魚との隔離の手順
- 弱っているときのサインと、落ち着いた後の水槽選び
金魚すくいの金魚が弱りやすい理由

金魚すくいの金魚が家に来てすぐ元気をなくすのは、珍しいことではありません。
すくわれる前、すくわれた瞬間、そして袋で運ばれる間と、負担がいくつも重なっているからです。
「金魚すくいの金魚の生存率はどのくらい?」と気になる方もいると思いますが、生存率についての公的な統計は、私が調べた範囲では見当たりませんでした。
そこでこの記事では数字を示す代わりに、弱る原因を一つずつ減らしていくことで、元気に育つ見込みを高めるという考え方をとります。
まずは、金魚の体にいま何が起きているのかを知っておきましょう。
すくわれる前から体力を使っている
金魚すくいの金魚は、あなたの手元に来る前から、かなり疲れた状態にあると考えてください。
観賞魚用品メーカーのテトラ(スペクトラム ブランズ ジャパン)は、金魚すくいやショップで販売されている金魚について、「輸送中の揺れや狭い状態などに長時間さらされ、ストレスを感じて弱る・病気にかかる・ひれが裂けたり、鱗がはがれることもあります」と説明しています。
さらに金魚すくいでは、「過密状況にさらされたうえ、人間の持つポイ(金魚をすくう道具)で追いかけられ、疲労困憊状態に」なるとしています。(出典:スペクトラム ブランズ ジャパン(テトラ)「持ち帰った金魚のトリートメント方法」)
屋台の水槽に並ぶまでの輸送、たくさんの仲間とぎゅうぎゅうの水槽、ポイで何度も追いかけられる時間が、どれも少しずつ体力を削っているわけです。
ジェックスの初心者向けページでも、「すくいやすい金魚は弱っていることも」と書かれています。
簡単にすくえた金魚ほど、逃げる力が残っていなかった可能性もあるわけですね。
もう一つ知っておきたいのが、体の表面の傷です。
テトラの説明にあるとおり、ひれが裂けたり鱗がはがれたりすることもあり、こうした小さな傷は、疲れた体にとって新たな負担になります。
家に着いたら、明るい場所で一度、ひれの形や体の表面をそっと見ておくと、その後の変化に気づきやすくなるでしょう。
テトラによると、金魚すくいでよく使われているのは細長い体形の和金系の品種で、目が突出した出目金も金魚すくいでよく見かける種類とされています。
出目金については「突出している目の部分はとても傷つきやすい」とテトラは説明しているので、すくってきた金魚が出目金なら、目に傷がないかもあわせて見ておきましょう。
「すぐ弱る金魚は、もともと弱い個体だから仕方ない」と考えてしまう方もいるかもしれません。
もちろん個体差はあり、どれだけ手を尽くしても助けられないことはあります。
それでも、弱っている背景には、ここまでの環境による疲れが重なっていると考えられます。
テトラも、持ち帰った金魚のトリートメント(つまり、本格的な飼育の前に体を整える期間)には、「ストレスで弱ってしまったり、傷がある・調子の悪い金魚の状態を整えたりするという目的があります」と説明しています。
環境を整えて休ませることは、金魚が持ち直す助けになると考えられます。
だからこそ、家に着いてからの数日は「疲れを抜くための期間」と考えて、静かに見守ってあげてください。
持ち帰りの袋の中で起きていること
持ち帰りの袋の中は、金魚にとって「揺れ」「酸素と水の汚れ」「水温」の三つの負担が重なる場所です。
テトラは、「自宅に持ち帰るときも小さな袋に入れられ、自宅までの距離を連れ歩かれ揺られている状態で人間の車酔いや船酔いのように調子を崩して弱ってしまうことも珍しくありません」と説明しています。
私たちが乗り物に酔うのと同じように、金魚も揺られ続けるだけで消耗してしまうのでしょう。
加えて、小さな袋に入る水の量は限られています。
時間がたつほど水に溶けている酸素は減り、金魚のフンで水も汚れていきます。
そして見落としやすいのが水温です。
ジェックスは金魚の突然死の原因の一つとして、「水温の急激な変化(プラスマイナス2度以上)や、33℃以上への水温上昇などもストレスを与え、突然死につながる場合があります」と説明しています。
夏祭りの帰りに袋を車内に置いたままにしたり、直射日光の当たる場所で持ち歩いたりすると、少ない水はすぐに温まってしまいます。
寄り道をせずにまっすぐ帰る、袋は日陰になるように持つ、車なら日の差さない場所に置く、といった小さな工夫が負担を減らしてくれます。
帰り道が長くなりそうな日は、金魚すくいをお祭りの最後に回すのも一つの方法です。
途中で袋の口を開けて別の水を足すのは、水温や水質を急に変えることになるので控えたほうがよいでしょう。
家に着いた後も、冷房の効いた部屋の水と、ぬるくなった袋の水とでは温度差が出ることがあります。
この差をいきなり埋めようとして、袋の金魚をすぐに新しい水へ移すのは避けたいところです。
家に着いたら、袋を開ける前に容器とカルキを抜いた水の準備を先に済ませておくと、そのあとの水合わせに落ち着いて取りかかれます。
「袋の中で元気に泳いでいるから、もう大丈夫」と感じる方もいるかもしれません。
ただ、ジェックスの突然死の解説でも、金魚は亡くなる前にサインを出していることが多いとしています。
見た目に元気があっても、袋の中で受けた負担が、数日たってから表に出てくることは考えておきたいポイントです。
袋の中で過ごす時間は、できるだけ短く穏やかに。
家に着いたら、次の章で紹介する「休ませる準備」に移りましょう。
金魚すくいの持ち帰り直後は餌より休養
家に着いたら、まず金魚を落ち着ける容器を用意し、静かに休ませます。
立派な水槽がなくても、その日はバケツや洗面器で十分に間に合います。
そして多くの方が迷う「餌はいつから?」という疑問には、メーカーの公開情報を並べて答えていきます。
結論を先にお伝えすると、持ち帰った当日は餌を与えず、数日は休養を優先するのが基本の考え方です。
焦らなくて大丈夫ですので、一つずつ確認していきましょう。
その日の容器はバケツや洗面器で足りる
持ち帰ったその日に金魚を休ませる容器は、清潔なバケツや洗面器で足ります。
観賞魚の餌のメーカーであるキョーリンは、塩水浴の手順のなかで「洗面器(約4ℓ)やバケツ(約10ℓ)を用意しよう。約3cmの金魚の場合、洗面器は2匹まで、バケツは3匹までが目安だよ」としています。
テトラも、「持ち帰った金魚は水槽飼育前に、大き目のバケツか専用の水槽(1匹の場合5~10リットルくらいの水が入る大きさ)でトリートメントを行います」と説明しています。
容器の大きさは、1匹ならテトラは5〜10リットル、キョーリンは約4リットルの洗面器で約3cmの金魚2匹まで、と両社で示し方が少し違います。
どちらの目安でも、特別な水槽でなく家にある容器で最初の休養場所はつくれる、と受け止めてよいでしょう。
2匹以上すくってきた場合は、キョーリンの目安(約3cmの金魚で洗面器2匹・バケツ3匹まで)を参考に、超えそうなら容器を分けると安心でしょう。
容器に入れる水は、水道水のカルキ(塩素)を抜いてから使います。
テトラは、金魚に有害なカルキ(塩素)・重金属などを取り除くため、水質調整剤を使って有害成分を中和しておくよう説明しています。
カルキ抜きが手元にない夜の対処は、記事後半のよくある質問でまとめました。
あわせて準備したいのが、フタ代わりのネットと、弱めの空気です。
キョーリンの手順には、金魚が飛び出さないようにネットをするよう書かれています。
テトラは、「金魚が酸欠になってしまわないよう、弱めにエアレーション(エアーポンプを使ったぶくぶく)を入れてあげます」としています。
置き場所は、直射日光が当たらず、人の出入りが少ない落ち着いた場所を選んであげてください。
ここで、「小さな容器ではかわいそうだから、すぐに大きな水槽へ」と考える方もいるかもしれません。
その気持ちはとてもよくわかります。
ただ、買ったばかりの水槽では、水をきれいにするバクテリアがまだ育っていません。
キョーリンは「バクテリアはろ材や砂利の中に、約1か月かけて自然に殖えて効果がでるんだ」と説明しています。
新しい水槽だからといって、疲れた金魚にとってすぐに安全な場所になるとは限らないのです。
最初の数日は、管理しやすい小さめの容器で体を休ませ、その間に本格的な水槽の準備を進める、という順番がおすすめです。
カルキ抜きを手元に置いておくなら、テトラの「金魚の水つくり」のような粘膜保護成分入りの水質調整剤があります。使う量は製品の表示に従い、内容量や価格は購入前に各ショップで確かめてくださいね。
金魚すくいの餌は何日後から?

餌を始める目安は、メーカーの公開情報によって「2日目からほんの少し」から「3〜4日たってからでも十分」まで幅があります。
理由として、キョーリンはよくある質問のなかで「買ったばかりの金魚は、移動のストレスと新しい環境に慣れていないことで、すぐにエサを与えると消化不良などの負担がかかって調子を崩すことがあります」と説明しています。
つまり、疲れている体に餌が入ると、消化することそのものが負担になるということです。
4つの情報元を並べると、次のようになります。
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| 情報元 | 餌を始める目安 | 書かれている条件・量 |
|---|---|---|
| キョーリン(塩水浴の手順) | 2日目からほんの少し | 1日目はエサを与えない。5分後に残っているエサは取り除く。量は多くても目安量の半分程度 |
| キョーリン(よくあるQ&A) | 3日ぐらい控え、その後少しずつ | 移動のストレスと新しい環境に慣れていないため、すぐに与えると消化不良などの負担がかかることがある |
| テトラ(トリートメントの記事) | 2〜3日様子を見てから少量 | 開始直後は与えない。毎日様子を見て少しずつ増やし、最終的に1回5分以内で食べきれる量に |
| ジェックス(キッズアクアリウム) | 慣れるまでは我慢。3〜4日たってからでも十分 | 家に来た魚はストレスでいっぱい。水槽に慣れるまでエサもガマンする |
表のとおり、4つの情報元はどれも、家に来たその日には餌を与えない点で共通しています。
違うのは始める日で、早いものが2日目、ゆっくりなものが「3〜4日たってからでも十分」という書き方です。
どれが正しいというより、金魚の状態や環境によって幅がある、と受け止めるのが自然でしょう。
そのうえで私の整理としては、迷ったら丸2〜3日は餌を控え、その後は食べる勢いを見ながらごく少量から始めるのがおすすめです。
始めた後は、ひとつまみより少ない量を入れて、食べ残しが出ないかを見ます。
キョーリンの手順にあるように、5分たっても残っている餌は取り除いてください。
食べきる時間の目安は、テトラとキョーリンが5分以内としているのに対し、ジェックスは「5cm程度の小さな金魚には1分以内に、大きい金魚には5分程度で食べきれる量」としています。
金魚すくいの金魚は小さいことが多いので、1分ほどで食べきれる量から始めると控えめにできます。
水に餌が残ると、それだけ水の汚れが早く進みます。
人の姿を見て水面に寄ってくると、「お腹が空いているのでは」と心配になりますよね。
実はキョーリンのよくある質問には、まさに「お腹が空いてるようなのでエサをあげていいですか?」という問いがあり、「新しい環境に慣れるまで(3日ぐらい)はエサを控え、その後少しずつ与えてください」と回答しています。
また別の質問への回答では、「金魚は、1週間ぐらいはエサを与えなくても大丈夫です」ともしています(旅行で留守にするときの質問への回答です)。
この回答は元気な金魚を前提にしたものですが、元気な金魚なら数日の餌止めですぐに飢えてしまうわけではない、と知っておくだけでも、気持ちが少し楽になるかもしれません。
一方で、やせて見える、まったく動かないなど弱りが強いときは、自己判断で様子を見続けず、観賞魚店に相談してください。
慣れてきた後の1回の量や1日の回数は、金魚の餌の量と回数の目安を参考にしてください。
餌は「早く始めること」より「少なく始めること」を大切に、あくまで一般的な目安として、金魚の様子に合わせて調整しましょう。
金魚すくいの水合わせと隔離の手順
休ませる容器が決まったら、金魚をその水に慣らしていきます。
ここで何より大切なのは、水温と水質を急に変えないことです。
ジェックスは、急激な水質変化によるショックを「pHショック」と呼び、「一度に大量に水換えを行ったり、水合わせが上手くできていないことが主な原因です」と説明しています。
この章では、水合わせ、0.5%の塩水浴、先にいる金魚との隔離の三つを、メーカーごとのやり方の違いも含めて整理しました。
手順は少し手間に見えますが、どれも金魚の負担を小さくするための工夫です。
水温を合わせてから水を少しずつ混ぜる

水合わせは、先に水温、次に水質の順番で、少しずつ進めます。
キョーリンは「金魚は水温変化が苦手だから、袋のまま20~30分容器に浮かべて、袋の中と容器の水温が同じになるまで待とう」としています。
前の章で触れたように、ジェックスもプラスマイナス2度以上の急な水温変化がストレスになると説明していますので、まず温度をそろえる理由はここにあります。
温度がそろっても、袋の水と容器の水では水質が違います。
そこで次に、水を少しずつ混ぜて慣らしていくわけです。
この混ぜ方は、メーカーによって手順が異なります。
キョーリンの手順では、水温を合わせた後、「袋の水を半分すてて、容器の水を同じ量袋に入れ10分位待つ。もう一度くり返してから、金魚だけを容器に移そう」としています。
浮かべる時間と合わせて計算すると、全体でおよそ40〜50分ほどの手順になります。
一方テトラは、塩水浴に入れる場合の手順として、「いきなり金魚を袋の水ごとバケツに入れずに、金魚の入っている袋に塩水を3回くらいに分けて金魚の様子を見ながら入れていきます」と説明しています。
そのペースは「1~2時間くらいの間隔で行い、金魚が水に慣れたらバケツに移します」とされており、こちらは数時間かけてじっくり慣らす方法です。
二つのやり方は時間のかけ方こそ違いますが、袋の水を一度に入れ替えず、段階を踏んで慣らす点は同じです。
どちらを選ぶかは、金魚の様子と、あなたがその日に使える時間で決めてかまいません。
「袋ごと浮かべて温度を合わせれば水合わせは終わり」と思われがちですが、ここには注意が必要です。
温度だけをそろえて、袋の水ごと容器にあけてしまうと、水質の差は残ったままになります。
袋の中の汚れた水を容器に持ち込まないためにも、最後は金魚だけを網などでやさしく移しましょう。
水合わせの細かなコツや、時間をかけて水をなじませる点滴法については、金魚の水合わせのやり方で詳しく解説しています。
水温を先に、水質はゆっくり、この順番を覚えておくだけで、最初の失敗はぐっと減らせるはずです。
塩水浴は0.5%で1週間を目安に

疲れた金魚を休ませる方法として、観賞魚メーカーが紹介しているのが0.5%の塩水浴で、期間は1週間が一つの目安です。
テトラは、「金魚の塩浴は体力の消耗を抑え、体力を回復させる効果が期待できると言われています」と説明しています。
キョーリンも、この手順を「7日間0.5%の塩水で旅の疲れを癒そう」という見出しで紹介しています。
つまり塩水浴は、金魚がふだんの水で過ごすよりも体力を使わずにすむ環境をつくり、休養を助ける方法と考えるとわかりやすいでしょう。
0.5%の塩水は、水1Lに塩5gの割合です。
キョーリンは「水1ℓに対して小さじ1杯(約5g)の天然塩を入れ」、あわせて水道水のカルキを抜く水質調整剤を入れるよう案内しています。
計算すると、約4Lの洗面器なら塩は約20g、約10Lのバケツなら約50gになります。
塩の種類について、テトラは「ごく普通の精製塩でも大丈夫ですが、できればミネラルが豊富な天然塩を使用することをお勧めします」としています。
キョーリンの手順をまとめると、塩水をつくって水温を合わせ、金魚を移したら1日目は餌を与えず、2日目からほんの少し与えます。
水は「2日に1回ほとんどの飼育水をすて、新しい塩水に交換しよう」とされ、7日後に水槽へ移し、もし元気がない場合は容器で元気になるまで塩水浴を続ける、という流れです。(出典:キョーリン「金魚の飼い方」)
新しい塩水も、元の水と温度をそろえてから入れ替えます。
キョーリンは、前日に別の容器で塩水をつくっておき、翌日に金魚だけを移す方法も紹介しています。
一方テトラは、トリートメント中の水換えを「2~3日おきに、半分くらいの量を換水します」としており、ここもメーカーで量に違いがあります。
塩水浴を終えるときにも注意が必要です。
テトラは、塩浴で元気になった金魚を「いきなり淡水水槽に入れると急激な水質変化でショック症状を起こしたり、体調を崩したりすることがあります」と説明しています。
そのため終了時は、容器の水の3分の1程度を、あらかじめカルキ抜き・温度合わせをしておいた水と交換し、「1日かけ、1回水換えをしてから1~3時間間隔で3回ほど水換えを行い、金魚の様子をみて飼育水槽へ移します」としています。
「塩を多めに入れたほうが早く元気になるのでは」と考えるのは、おすすめしません。
ここで紹介した0.5%はメーカーが示している濃度で、塩はスプーンやはかりで量って入れるのが確実です。
濃度の考え方や戻し方をもう少し詳しく知りたい方は、金魚の塩浴のやり方もあわせてご覧ください。
0.5%で1週間前後、終わりはゆっくり真水へ、という流れを、あくまで一般的な目安として覚えておきましょう。
バケツで塩水浴をするときに弱めのエアレーションを用意するなら、水作の「水心 SSPP-3S」のように空気の量をダイヤルで絞れる小型のエアーポンプが扱いやすいでしょう。エアーチューブやエアーストーンが付属するかは商品ごとに違うので、購入前に各ショップで確かめてください。
先にいる金魚とは別の容器で様子を見る
家にすでに金魚がいるなら、金魚すくいの金魚はすぐに同じ水槽へ入れず、別の容器で1〜2週間ほど様子を見るのがおすすめです。
テトラはその理由を、「持ち帰った金魚がすでに病原菌に感染していた・寄生虫を持っていた場合、そのまま水槽に入れると混泳相手にも感染してしまう可能性が高いため、水槽に入れる前に病気の治療や寄生虫の除去を行い感染予防する目的もあるのです」と説明しています。
隔離は、新しく来た金魚を休ませるためだけでなく、先にいる金魚を守るための手順でもあるのです。
テトラは、トリートメントをしなかった結果、同じ水槽にいた金魚まで病気になったり、寄生虫が発生して全滅してしまったりという話は「よくある話なのです」とも書いています。
期間について、テトラは「トリートメントの期間は、金魚の様子を見ながら1~2週間くらいを目安に行いますが、病気にかかっている・寄生虫がなかなか離れないといった場合は完治するまでになるので、1ヶ月かかることもあります」としています。
キョーリンの塩水浴の手順は7日で水槽へ移す流れですが、先住の金魚がいる場合は、テトラの目安に合わせて少し長めに見ておくと安心でしょう。
隔離の間にすることは、前の章の塩水浴とほとんど同じです。
フンを取り除き、水を定期的に換え、毎日決まった時間に金魚の様子を見ます。
何も問題がなさそうでも、白い点が出ていないか、ひれが傷んでいないかを、明るい場所で確かめてください。
隔離が終わって本水槽へ移すときにも、もう一度水合わせをします。
容器の水と水槽の水では水温も水質も違うため、ジェックスが説明している「pHショック」を避ける意味でも、ここで手を抜かないことが大切です。
また、キョーリンは水槽で飼い始めるときについて「始めは1・2匹で飼育し、2・3週間後に金魚を追加すると白ニゴリしにくいよ」としています。
水槽を新しく立ち上げる場合も、一度にたくさん入れず、様子を見ながら数を増やしていくのがよさそうです。
「先にいる金魚がいないなら、隔離は関係ない」と思うかもしれません。
ただ、テトラが挙げているトリートメントの目的には、弱った金魚の状態を整えることも含まれています。
先住の金魚がいなくても、最初の1週間ほどは小さな容器で落ち着かせる流れは変わりません。
金魚どうしを守るためにも、新しく来た金魚を別の容器で1〜2週間ほど見守る時間を、あらかじめ予定に入れておきましょう。
金魚すくいの金魚が弱ってるときのサイン
休ませている間は、毎日少しだけ時間をとって金魚を見てあげてください。
ジェックスは、金魚の突然死について「毎日しっかり観察し予兆を発見できれば、死を防げるかも知れません」と書いています。
この章では、最初の1週間に見ておきたいポイントと、白い点やひれの傷を見つけたときの考え方を整理しました。
早めに気づけば、それだけ打てる手は増えます。
見落としがあったとしても、自分を責める必要はありません。
最初の1週間に毎日見るところ

最初の1週間は、泳ぎ方・呼吸の様子・体の表面・食べる勢い・水の状態の5つを毎日見ます。
ジェックスは、金魚が弱っているときの予兆として、泳ぎ方が鈍い、または激しい、鼻上げをしたりいつもと違う泳ぎ方をしている、体形や体色が違う、群れから離れている、エサを食べていない、といった様子を挙げています。
つまり、「昨日と比べて何か違う」と感じたところが、いちばん大事な手がかりになるということです。
呼吸については、水面近くで口をパクパクさせていないかを見てください。
キョーリンはこの様子について、「飼育容器の水量に対して、金魚の飼育数が多く酸素が不足していると考えられます」と説明しています。
容器に対して金魚が多いなら分ける、エアレーションを確認する、といった対処が考えられます。
食べる勢いも、水の状態を知るサインになります。
キョーリンは「エサを与えたときに、食べる勢いが弱いなと感じたら、水が悪いサインだよ。1/2~2/3程度水替えをして、2・3日エサをストップしてみよう」としています。
この水替えも、温度をそろえた水で行ってください。
持ち帰った当日から2週間ほどの流れを、この記事で紹介した情報をもとに早見表にまとめました。
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| 時期 | やること | 餌 | 水換え |
|---|---|---|---|
| 当日 | 袋ごと20〜30分浮かべて水温を合わせ、水を少しずつ混ぜてから金魚だけを容器へ。ネットをして、弱めのエアレーション | 与えない | しない |
| 2日目 | 泳ぎ方・呼吸・体の表面を見る。フンを取り除く | 控える(キョーリンの手順では2日目からほんの少し) | フンを取り除く(水換えはテトラが2〜3日おきに半分、キョーリンの塩水浴の手順が2日に1回ほとんど) |
| 3〜4日目 | 同じ観察を続ける。食べる勢いも確認 | ごく少量から始める。5分以内(小さな金魚は1分以内の目安も)に食べきれない分は取り除く | 温度をそろえた新しい水へ換える(量はテトラが半分くらい、キョーリンの塩水浴の手順はほとんどの水) |
| 5〜7日目 | 元気が戻っているかを確認。キョーリンの手順では7日後に水槽へ | 様子を見ながら少しずつ増やす(キョーリンの塩水浴の手順では多くても目安量の半分程度) | 同じペースを続ける(テトラは2〜3日おきに半分、キョーリンの塩水浴の手順は2日に1回ほとんど) |
| 1〜2週間 | 先住の金魚がいる場合はテトラの目安に合わせて隔離を続け、塩水は数回の水換えで真水へ戻してから水槽へ | 最終的に1回5分以内(小さな金魚は1分以内の目安も)で食べきれる量まで | 終了時は3分の1程度を、1日かけて数回に分けて換える |
表の日数や量は、あくまで一般的な目安です。
元気がない場合は、キョーリンが説明しているように容器での塩水浴を続け、病気や寄生虫が疑われる場合はテトラが書いているとおり1か月かかることもあります。
ここで気をつけたいのは、一つのサインだけで慌てすぎないことです。
いくつかのサインが重なっていないか、前の日と比べてよくなっているのか悪くなっているのかを見るほうが、判断を誤りにくくなります。
毎日同じ時間、同じ明るさの場所で見るようにすると、小さな変化に気づきやすいでしょう。
気づいたことを、日付と一緒にスマートフォンのメモに一行ずつ残しておくのがおすすめです。観賞魚店に相談するときにも、そのまま見せられる記録になりますよ。
白い点やヒレの傷を見つけたら
白い点やひれの傷を見つけたら、まず隔離した状態を保ち、水をきれいにしながら、それが何なのかを見極めます。
キョーリンは、「体表に白い点々ができたは白点病、ヒレがボロボロになったは尾ぐされ病という病気の可能性が高いです」と説明しています。
そのうえで、「この病気は水が汚れている時によく発生すると言われています」ともしています。
病気のサインを見つけたら、まずは水の状態を見直すところから始めましょう。
白点病について、ジェックスは「感染力が強く、窒息死するケースもあるので、見つけ次第、隔離と治療が必要です」と書いています。
先にいる金魚と同じ水槽に入れていない今の段階で見つかったなら、それは隔離の意味がしっかり生きている、ということでもあります。
キョーリンも、金魚の病気は「早期発見、早期治療することで治る可能性が非常に高くなります」と説明しています。
ただし個体差があり、早く気づいたからといって、どの金魚も治るとは限りません。
見つけた日に、白い点の数や場所、ひれのどこが傷んでいるかをメモしておくと、翌日以降に増えているかどうかを比べやすくなります。
症状の見分け方や進み方は、金魚の白点病の症状と対処で詳しく整理しています。
一方で、ひれの裂けや鱗のはがれは、病気ではなく輸送や金魚すくいの最中についた傷の場合もあります。
テトラが説明しているように、持ち帰った金魚はひれが裂けたり鱗がはがれたりすることもあるからです。
テトラは、「最初は塩浴によるトリートメントを行い、じっくりと金魚の動きや体の状態を観察して、病気や寄生虫が見つかったら薬剤を使ったトリートメントを行うとよいですよ」としています。
市販の魚病薬を使う場合は、製品の表示どおりに使ってください。
なおテトラは、薬を使う間のろ材について、「活性炭やゼオライトといった吸着系のろ材の使用は避けましょう」としています。
ここで誤解しやすいのが、「塩水浴をしていれば、どんな病気でも治る」という考え方です。
塩水浴はあくまで休養を助ける方法で、症状によっては別の対処が必要になります。
白い点やひれの傷以外にも気になる症状があるときは、金魚の病気一覧で症状から当てはまるものを探してみてください。
病気かどうか判断がつかないときは、テトラも勧めているように、アクアショップの店員さんや、金魚を飼っている知人に相談するのが近道です。
見つけたら隔離を保って水を整え、迷ったら一人で抱え込まずに相談する、この二つを覚えておいてください。
落ち着いたら和金型が育つ水槽を選ぶ

1〜2週間ほどたって金魚が落ち着いてきたら、いよいよ本格的な住まいを考える段階です。
金魚すくいでよく見かけるのは、細長くすらっとした体形の和金型の金魚です。
和金型のほかに、体の丸い琉金型や背びれのないらんちゅう型まで含めた品種の違いは、体型で3つに分けた金魚の品種と飼いやすさの比較で確かめられます。
小さな姿からは想像しにくいのですが、和金型は大きく育つ前提で準備しておくと、あとで慌てずにすみます。
この章では、水槽の大きさと道具の考え方、そしてよく寄せられる質問をまとめました。
休養の期間に少しずつ準備を進めておけば、移す日を落ち着いて迎えられるでしょう。
金魚すくいの金魚を長く飼うなら、置ける範囲でなるべく大きな水槽を選ぶのがおすすめです。
テトラは、「細長くすらっとした体形の和金系の品種は、昔から国内で飼育されており、お祭りの屋台やイベントの金魚すくいによく使われている金魚です」と説明しています。
そのうえで、「和金はフナに近く金魚の原型ともいえる品種で、金魚飼育が初めてという人でも容易に育てることができます」とし、遊泳力があるため大き目の水槽での飼育を勧めています。
キョーリンは金魚の寿命を10~15年、大きさを約20cmとしています。
キョーリンはワキンについても、「とても丈夫で飼いやすいので初めて飼育する金魚におすすめです」と紹介しています。
いま数センチの金魚でも、上手に育てば長い付き合いになり、体も大きくなっていく可能性があります。
キョーリンが示している飼育匹数の目安(3〜5cmの金魚の場合)は、30〜40cm水槽(12〜25ℓ)で3〜5匹、45cm水槽(35ℓ)で6〜7匹、60cm水槽(60ℓ)で8〜12匹です。
この匹数は3〜5cmという今の大きさでの目安なので、金魚が育ってきたら、同じ水槽で飼う数を減らす必要が出てきます。
あわせて「成長するので、水槽が広いなと感じるくらいで始めよう」としています。
水槽の大きさごとの匹数をもっと詳しく知りたい方は、金魚の水槽サイズと飼える匹数の早見も参考になります。
道具は、キョーリンの説明では、水の汚れをきれいにするろ過装置(外掛け式や上部式フィルター)、こまかい砂利をうすく敷く底砂が挙げられています。
冬に暖房したリビングで飼う場合は、水温変化で体調を崩さないよう観賞魚用ヒーターの設置も案内されています。
これにカルキ抜きを加えたものが、飼い始めの基本の顔ぶれと考えるとよいでしょう。
そろえる順番や費用の目安は、金魚の飼育を始めるときに最低限そろえたい道具にまとめています。
「小さな水槽のほうが掃除も楽そう」と感じる方もいるでしょう。
キョーリンはこれに対して、「小さい水槽は水が汚れやすく、頻繁に水替えをする必要がありますので、大きな水槽の方がかえって水質管理は楽になります」と回答しています。
さらに、大きな水槽(60cm水槽以上)ほど水の量が多く、水が汚れにくく、飼育しやすい傾向があるとしています。
水槽を新しく立ち上げた直後はバクテリアが育っていないため、キョーリンが勧めるように、新しいろ材や砂利のときは餌を少なくしてこまめに水を換えてください。
大きく育つことを前提に、少し広すぎるくらいの水槽から始めること、それが金魚すくいの金魚と長く暮らすための土台になります。
水槽を選ぶときの考え方(キョーリンの目安より)
3〜5cmの金魚なら、30〜40cm水槽(12〜25ℓ)で3〜5匹が目安とされています。
成長するので、水槽が広いなと感じるくらいで始めるのがポイントです。
新しい水槽は、始めは1・2匹で飼育し、2・3週間後に追加すると白ニゴリしにくいとされています。
60cm水槽をろ過装置ごとそろえるなら、ジェックスの「グラステリアサイレント600ST」のようなフィルター付きのセットがあります。置き場所の幅と床の強さ、セット内容は現行品で変わることもあるので、購入前に各ショップで確かめてくださいね。
金魚すくいの金魚に関するよくある質問(FAQ)
カルキ抜きがない夜はどうする?
テトラは、カルキ抜きの方法の一つとして水道水を沸騰させる方法を紹介しており、「鍋ややかんで水道水を沸騰させる場合には、10分程度時間が必要です」としています。
ただし同じ記事で、完全に冷めて水槽に入れられるまで時間がかかる点をデメリットに挙げています。
また、「時間がかかりますが、バケツに水道水をため、一晩放置し、カルキの自然分解を待つ方法もあります」とも説明しています。
一方でテトラは、重金属は水質調整剤で中和無害化することが必須としています。
そのため沸騰や汲み置きは、翌日に水質調整剤(カルキ抜き)を用意するまでのつなぎと考えてください。
水が冷めるまでの間、袋は直射日光の当たらない静かな場所に置き、水温を確かめて袋の水とそろえてから移すのが私の整理です。
もらってすぐ餌をねだるのは大丈夫?
水面に寄ってくる姿を見ると、つい餌をあげたくなりますよね。
ただ、キョーリンは買ったばかりの金魚にすぐ餌を与えると、消化不良などの負担がかかって調子を崩すことがあると説明しています。
そのうえで、新しい環境に慣れるまで(3日ぐらい)は餌を控え、その後少しずつ与えるよう回答しています。
ねだる様子があっても、最初の数日は休養を優先してあげてください。
小さい金魚鉢で飼い続けてもいい?
休養の数日間を小さな容器で過ごすのは問題ありませんが、長く飼うなら大きめの水槽への引っ越しを考えたいところです。
キョーリンは、小さい水槽は水が汚れやすく頻繁に水替えが必要になるため、大きな水槽のほうがかえって水質管理は楽になると説明しています。
金魚は小さな熱帯魚に比べると何倍にも大きくなる魚だとも書かれています。
金魚鉢を使う場合は、匹数を少なくし、水の汚れにいつも以上に気を配りましょう。
塩水浴中にエアレーションは要る?
テトラは、トリートメント中に金魚が酸欠にならないよう、弱めにエアレーションを入れる方法を案内しています。
テトラが「弱めに」としているとおり、泡が静かに上がる程度の設定を目安にするとよいでしょう。
水面近くで口をパクパクさせている場合、キョーリンは酸素が不足していると考えられるとしています。
エアーポンプが手元にない場合は、容器に対して金魚の数を少なくし、早めに用意することをおすすめします。
死んでしまったらどうすればいい?
手を尽くしても、疲れが大きかった金魚を助けられないことはあります。
あなたのせいだと自分を責めすぎないでください。
同じ容器にほかの金魚がいる場合は、一般的な注意として、亡くなった金魚を早めに取り出し、温度をそろえた水で水を換えてください。
そのうえで、残った金魚の泳ぎ方や体の表面に変化がないかを、しばらく見守りましょう。
亡くなった金魚も、飼いきれなくなった金魚も、川や池に放すのはやめてください。もともとそこに暮らしている生き物に影響を与えるおそれがあります。
埋葬や処分の方法は、お住まいの自治体の案内を確認すると安心です。
まとめ|金魚すくいの金魚は最初の数日を休ませる
金魚すくいの金魚は、すくわれる前から袋で運ばれるまで、たくさんの負担を抱えて家にやってきます。
だからこそ、最初の数日は餌より休養を優先することが、元気に育つ見込みを高めるための大切な心がけです。
- 持ち帰った当日は餌を与えず、バケツや洗面器で静かに休ませる
- 水合わせは水温を先に、水質はゆっくり段階を踏んで合わせる
- 0.5%の塩水浴は1週間が一つの目安で、終わりは少しずつ真水へ戻す
- 餌はメーカーによって2日目から3〜4日後まで幅があり、迷ったら丸2〜3日控えて少量から
- 先にいる金魚とは1〜2週間ほど別の容器で様子を見る
- 落ち着いたら、大きく育つ前提でなるべく大きな水槽を選ぶ
この記事の日数や濃度は、メーカーの公開情報をもとにした、あくまで一般的な目安です。
最終的には水槽の状態と金魚の様子を見て判断し、不安なときは観賞魚店に相談してください。
製品の使い方は各メーカーの表示を確認してください。
金魚の体調や環境には個体差があり、ここに書いた方法で元気になるとは限らないことを踏まえて、ご自身の判断で取り入れてください。
お祭りの夜に出会った小さな金魚も、ゆっくり休ませてあげれば、長く一緒に過ごせる家族になってくれるかもしれません。焦らず、毎日の観察を楽しんでくださいね。





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