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グッピーの産卵箱おすすめ比較|隔離ケースの選び方と100均自作の手順

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グッピーの産卵箱おすすめ比較|隔離ケースの選び方と100均自作の手順の解説スライド(表紙)

グッピーの産卵箱おすすめ|隔離ケースと自作方法を比較

THE AQUA LAB 所長(イラスト)

こんにちは。THE AQUA LAB、運営者の所長です。

グッピーのメスのお腹が四角く張ってきて、そろそろ産まれそうだと気づいたとき。多くの方が最初に検索するのが「産卵箱」だと思います。ところが売り場に行くと、外掛けのボックス、水槽の中に吊るすネット、水面に浮かべるケースと形がばらばらで、値段も数百円から二千円台まで開きがあります。どれを選べばいいのか、正直わかりにくいですよね。

先に結論をお伝えすると、産卵箱は水槽に常設する設備ではありません。稚魚が親の口に入らない大きさになるまでの、ほんの一時期だけ使う道具です。ここを取り違えて「入れておけば安心」と考えると、母魚がストレスで消耗したり、狭い容器の水が急に悪くなったりします。選ぶときの基準も、性能より「必要な期間だけ無理なく使えるか」に置いたほうがうまくいきます。

この記事では、産卵箱が本当に必要になる場面から、外掛け・水中設置・浮かせるという3方式の違い、水量や構造で絞り込む選び方、そして100均やペットボトルで自作する手順までを順番に整理していきます。買うか作るかで迷っている方は、比較表のところまで読めば判断がつくはずです。

  • 産卵箱が必要な場面と、水草の茂みで足りる場面の分かれ目
  • 外掛け式・水中設置式・浮かせる式それぞれの向き不向き
  • 水量と構造から絞り込む製品選びの基準
  • 100均やペットボトルで自作するときの手順と限界
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産卵箱が必要な場面と入れる期間の考え方

産卵箱の役割は、ひとことで言えば「食べられない場所を作る」ことです。グッピーは自分が産んだ稚魚も口に入れば食べてしまうため、数を確実に残したいときには物理的な仕切りが効きます。ただし、その効果が必要なのは生まれてから数日から2週間ほどの短い期間だけです。

ここを押さえておくと、製品選びの見え方が変わります。長く快適に暮らせる容器を探すのではなく、短期間だけ稚魚を守り切れて、終わったらすぐ片付けられるものを探すという発想になるからです。実際、産卵箱まわりの失敗のほとんどは、性能不足ではなく使う期間が長すぎることから起きています。

この章では、産卵箱が守っているものの正体、水草の茂みで代用できるかどうかの判断、そして母魚を本水槽へ戻すタイミングという順に見ていきます。器具の話に入る前に、この3つを決めておくと迷いが減ります。

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産卵箱が守っているのは生後数日の稚魚

産卵箱は生後数日から2週間の避難所であることを示した図
産卵箱の本当の役割

グッピーは卵ではなく稚魚を産む卵胎生の魚です。生まれた時点で体長はおよそ5〜7mmあり、その場からすぐ泳ぎ出します。メダカの針子のように水面に張り付いたまま動けない、という状態ではありません。この「最初から泳げる」という性質が、産卵箱の使い方を決めています。

とはいえ、泳げることと逃げ切れることは別です。生まれた直後の稚魚は遊泳力が弱く、水槽の中で親魚に追われるとほとんど振り切れません。親魚にしてみれば、口に入るサイズの動くものが目の前にいるという状況で、悪意があるわけではないのですが結果は同じです。危険がいちばん高いのは、生まれた瞬間から最初の数日と考えてください。

もうひとつ見落とされやすいのが、ろ過器への吸い込みです。外掛けフィルターや上部フィルターのストレーナーは、生まれたての稚魚が通り抜けられる隙間が空いていることがあります。産卵箱で守ったつもりでも、本水槽へ戻した直後に吸い込まれてしまえば同じことです。稚魚を残す計画を立てるなら、器具側の対策も合わせて考えておく必要があります。フィルターの方式ごとの違いはグッピー用フィルターの選び方で整理しています。

逆に言えば、この2つの危険が過ぎてしまえば産卵箱の出番は終わりです。体長が1cmを超えて泳ぎがしっかりしてくると、親から逃げ切れるようになります。産卵箱を「稚魚が育つ場所」ではなく「危険な時期を越えるための避難所」と捉えると、必要な大きさも使う日数も自然に決まってきます。

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水草の茂みで足りるかどうかの分かれ目

産卵箱を使わず、水草の茂みに任せるという選び方もあります。ウィローモスやマツモ、アナカリスのように葉が細かく密になる水草を水面付近に多めに入れておくと、稚魚は自分でその中へ潜り込みます。アマゾンフロッグビットのような浮き草の根も、稚魚にとってはよい隠れ場所です。

この方法の長所は、母魚にも稚魚にもストレスがかからないことと、手間がほとんどかからないことです。短所は、残る数が読めないことと、思ったより多く生き残ってしまう場合があることです。実際、水草を厚く入れた水槽では半分近くが残ることもあり、「数匹だけ残ればいい」と考えていた方が数か月後に困るケースは珍しくありません。

判断の分かれ目はシンプルで、全部を確実に残したいなら産卵箱、増えすぎを避けたいなら水草の茂みです。どちらが正しいという話ではなく、水槽の余力と目的で決まります。稚魚の隠れ家になる水草の種類と入れる量はグッピー水槽におすすめの水草5種にまとめてあります。

決め方の目安:いま飼っている水槽が「あと何匹まで受け入れられるか」を先に数えてください。余力が10匹未満なら水草に任せる、20匹以上あるなら産卵箱で確保する、という順序で考えると失敗しにくくなります。

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入れっぱなしにしない母魚を戻す目安

産卵箱でいちばん多い失敗が、母魚を長く入れたままにしてしまうことです。産卵箱の水量は0.6〜2L程度しかなく、成魚のメスにとってはかなり狭い空間になります。狭い場所に閉じ込められた状態が続くと、ストレスで出産が遅れたり、産む数が減ったりすることがあると言われています。

移すタイミングは、出産の兆候が出てからで十分です。お腹が丸ではなく角張った四角い形に変わる、尻びれの付け根にある妊娠マーク(お腹の後方に出る黒ずみのこと)が濃くなる、底のほうでじっとして餌への反応が鈍くなる。こうしたサインが重なってきたら移します。お腹が大きいというだけの段階で移すのは早すぎで、何日も箱の中で待たせることになります。妊娠の見分け方はグッピーの妊娠期間は何日?で詳しく扱っています。

移してから1日ほど経っても産む気配がないときは、いったん本水槽へ戻すという判断もあります。産み終わったら、稚魚を箱に残したまま母魚だけをすぐ戻してください。出産直後のメスは消耗していて、他の魚に追われると回復が遅れます。本水槽へ戻すときも、隠れ場所のある側へそっと放すほうが落ち着きます。

入れっぱなしで起きること:①狭さによるストレスで出産が遅れる、または産む数が減る ②水量が少ないため糞や食べ残しで水質が急に悪化する ③本水槽と温度差が生じ、戻したときに負担がかかる。産卵箱は「常設しない」が基本です。稚魚のほうをいつまで箱に残すかは体長で決まります。合流できる大きさの見極め方と戻す手順を目安にしてください。

産卵箱は3方式|外掛け・水中設置・浮かせる

外掛け式・水中設置式・浮かせる式・自作を、エアーポンプの要否と水の入れ替わりで比べた表
産卵箱3方式の比較

市販の産卵箱は、設置の仕方でおおまかに3つに分かれます。水槽のフチに外向きに掛ける外掛け式、水槽の中に吊るしたり吸盤で留めたりする水中設置式、そして水面に浮かべる浮かせる式です。形が違うだけに見えますが、必要な別売品も水質の安定度も変わります。

選ぶときに効いてくるのは、本水槽の水がどれだけ入れ替わるかと、置き場所を確保できるかの2点です。水が入れ替わるほど水質は本水槽と同じに保たれ、稚魚には安全になります。一方で、水を循環させる仕組みを持つ方式は、たいていエアーポンプという別の機材を必要とします。

ここからは3方式それぞれについて、代表的な製品のメーカー公表値も交えながら、向いている場面と気をつけたい点を見ていきます。なお寸法や容量はメーカーが公表している数値をもとにしていますが、仕様は変更されることがあるので、購入前に販売ページで最新の情報を確認してください。

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外掛け式|本水槽の水を循環させるタイプ

外掛け式は、水槽のフチに引っ掛けて本体を外側に出す方式です。代表的なのがスドーのサテライトシリーズで、エアーポンプが送る空気の力で本水槽の水を吸い上げ、ボックスの中を通してまた水槽へ戻します。つまり中の水は本水槽の水そのもので、水質も水温もほぼ同じに保たれます。メーカー公式の製品情報でも仕様は「外掛式」・容積1.2Lと記載され、適応魚種にグッピーやプラティが挙げられています(出典:株式会社スドー サテライト)。

メーカーが公表している本体寸法と容積は、サテライトSが約95×130×125mmで0.7L、無印のサテライトが約165×130×125mmで1.2L、サテライトLが約260×145×125mmで2Lです。サテライトLは最大3室に仕切れるため、成長差のある稚魚を分けたり、隔離が必要な成魚と併用したりできます。薄型のサテライトスリムSという製品もあり、こちらは幅13cm・タンク部の厚さ6cmで0.6Lという設計です。

長所は、水質が安定しやすいことと、水槽の中のスペースを取らないことです。短所は、エアーポンプとエアチューブが別売で必要になること、水槽の外側に張り出すため設置場所を選ぶこと、そして水槽のフタと干渉する場合があることです。スリムSについては、販売店の製品説明でエアーポンプの吐出量が毎分1L以下と案内されています。強すぎる水流は稚魚を疲れさせるので、調整できる状態にしておいてください。

数をしっかり残したい方や、稚魚を分けて育てたい方には、外掛け式がいちばん扱いやすい方式だと思います。とくにサテライトLは容量に余裕があるので、20匹以上の稚魚を一時的に受け入れる場面でも窮屈になりにくいです。

本水槽の水を循環させながら3室まで使える、外掛け式の定番モデルです。エアーポンプとエアチューブは別売なので、手持ちがない場合は一緒に用意しておくと届いた日から使えます。

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水中設置式|ネットとボックスの違い

水中設置式は、水槽の中に容器を沈めて使う方式です。大きく分けると、柔らかいネットを枠に張ったネットタイプと、透明なプラスチックの箱を吸盤で留めるボックスタイプがあります。どちらもエアーポンプは不要で、価格も外掛け式より抑えめです。

ネットタイプの代表がスドーの新・産卵飼育ネットで、メーカー公表の組立寸法はSが約125×80×130mm、Lが約163×130×125mmです。仕様は水中式とされ、ふ化直後の仔魚や弱った魚を守るソフトな材質のネットが使われています。ネットは全面から水が通るので、狭くても水質は本水槽とほぼ同じに保たれます。素材が柔らかいため、暴れた魚が体をぶつけても傷つきにくいのも利点です。

ボックスタイプは透明度が高く、稚魚の様子を観察しやすいのが持ち味です。多くの製品には仕切り板が付いていて、母魚と稚魚を分ける使い方ができます。ただし水の通りはネットより悪く、スリットの部分だけで交換される構造のものもあります。中の水が汚れやすいので、稚魚だけを入れる場合でも様子を見て水を入れ替える必要があります。

共通の注意点は2つあります。ひとつは水槽内のスペースを占有すること、もうひとつは吸盤が外れて落下する製品があることです。水換えで水位を下げすぎると、水中設置式は容器の上端が水面から出てしまい、中の魚が取り残されることがあります。水換えの前に必ず中の様子を確認してください。

エアーポンプを持っていない方や、まずは低コストで試したい方に向いているのがネットタイプです。使わないときは畳んでしまえるので、保管場所にも困りません。

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浮かせる式|水位に合わせて上下する

浮かせる式は、その名のとおり水面に浮かべて使うタイプです。水作のフロートボックスSがこの方式で、メーカーの製品情報では「浮く産卵箱。稚魚や隔離した観賞魚を守る機能が満載」と紹介されており、希望小売価格は税込1,320円とされています。産卵ケースと隔離ケースの二重構造になっているのが特徴です。

最大の利点は、水位の変化に自動で追従することです。吸盤で固定する方式だと、水換えで水位が下がったときに容器だけが取り残されてしまいますが、浮かせる式なら容器も一緒に下がります。吸盤が外れて魚が逃げ出す、という事故も起きません。水換えの頻度が高い水槽や、こまめに管理する時間が取りにくい方には安心感があります。

気をつけたいのは、水面のスペースを占有することです。浮き草を浮かべていたり、照明の位置が低かったりすると干渉します。また外部フィルターの排水など、水面に強い流れがある水槽では容器が流されて壁に当たり続けることがあります。設置したあと数時間は、どこかに落ち着くかどうかを見ておいてください。

水位の上下を気にせず使えるのが浮かせる式の強みです。水換えのたびに位置を直す手間をなくしたい方は、この方式を候補に入れてみてください。

選び方の基準はサイズ・構造・設置条件

方式が3つあることを踏まえたうえで、実際に絞り込むときに見る基準は3つです。受け入れる稚魚の数に対して水量が足りているか、母魚と稚魚が自動で分かれる構造があるか、そしてエアーポンプを置けるかどうか。この順に確認していくと、候補は自然に1つか2つまで減ります。

逆に、あまり気にしなくてよいのがデザインや細かな付属品です。産卵箱は数日から2週間で役目を終える道具なので、長期使用を前提にした作り込みは判断材料になりにくいからです。それよりも、使い終わったあとに洗って乾かしてしまえる大きさかどうかのほうが、実際の使い勝手に効いてきます。

ここでは3つの基準を順に見たあと、方式ごとの比較を表にまとめます。自作を検討している方も、市販品がどこで手間を減らしているのかを知っておくと、自作の設計がしやすくなります。

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水量とサイズは稚魚の数から逆算する

稚魚1匹あたり30〜50mLという水量の目安と、母魚と稚魚を分ける仕切り構造の図
産卵箱のサイズと仕切り構造の選び方

グッピーのメスは一度の出産で20匹前後、多いときは50匹を超える稚魚を産むことがあります。この数を0.6〜0.7Lの容器に入れると、体積のうえでは入りますが、水質の変化はかなり早くなります。稚魚は餌を頻繁に食べ、そのぶん排泄もするからです。

厳密な基準があるわけではありませんが、産卵箱を選ぶときは1匹あたり30〜50mL程度の水量を目安に考えると見当がつきます。この計算だと0.7Lで14〜23匹、2Lで40〜67匹あたりが上限にあたりますが、水質の変化の速さを考えると少なめに見積もっておくほうが安全です。ただしこれはあくまで一般的な目安で、水換えの頻度や餌の量で実際の限界は変わります。数が多いときは、はじめから大きめを選ぶか、途中で別容器へ移す前提で使ってください。

もうひとつの考え方として、産卵箱を「一時避難所」と割り切る方法もあります。生後1週間だけ産卵箱で守り、その後は稚魚用の別水槽へ移す。この使い方なら容量は小さくても足ります。産卵箱と別水槽のどちらに投資するかは、残したい数と手間のかけ方で決めてください。

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方式 代表例と公表値 エアーポンプ 水の入れ替わり 置き場所 向いている場面
外掛け式 スドー サテライトL 約260×145×125mm/2L 必要(別売) 多い 水槽の外側 数を確実に残したい・稚魚を分けたい
外掛け式(小型) スドー サテライトS 約95×130×125mm/0.7L 必要(別売) 多い 水槽の外側 設置幅が取れない・少数だけ守りたい
水中設置式(ネット) スドー 新・産卵飼育ネットL 約163×130×125mm 不要 多い(全面通水) 水槽の中 低コストで試したい・魚を傷つけたくない
水中設置式(ボックス) 各社のプラケース型(仕切り板付き・仕様は製品ごとに幅あり) 不要 少なめ 水槽の中 観察したい・母魚と分けたい
浮かせる式 水作 フロートボックスS(税込1,320円) 不要 中程度 水面 水換えが多い・取り残しを避けたい
自作 ペットボトル・100均ケース+ネット 不要 作りしだい 中/水面 費用を抑えたい・急に必要になった
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稚魚が親から分かれる構造を確認する

母魚を入れて使う予定があるなら、必ず確認したいのが仕切りの構造です。多くの産卵箱には、母魚がいる上の部屋と稚魚が落ちる下の部屋を分ける板が付いています。板には細いスリットが入っていて、生まれた稚魚だけがそこを通って下へ落ちる仕組みです。

この構造がないと、狭い箱の中に母魚と稚魚が一緒にいることになります。本水槽よりも逃げ場がないぶん、状況としてはかえって危険です。母魚を入れるなら仕切りは必須と考えてください。逆に、生まれたあとの稚魚だけを入れる使い方なら、仕切りは不要です。

スリットの幅も見ておく価値があります。狭すぎると生まれたての稚魚が通れず、広すぎると母魚の口が届いてしまいます。実際には製品ごとに設計されているので大きな心配は要りませんが、複数の魚種で使い回せる汎用品を選ぶときは、グッピーの稚魚サイズに合っているかを商品説明で確認しておくと安心です。

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エアーポンプの要否で置き場所が決まる

外掛け式を選ぶ場合、エアーポンプとエアチューブが必要になります。すでに水槽でエアレーションをしている方なら、分岐コックを使って1台のポンプから枝分かれさせられます。持っていない場合は、産卵箱の価格に加えてポンプ代とチューブ代がかかることを見込んでおいてください。

ポンプの吐出量は、強ければよいというものではありません。サテライトスリムSについては、販売店の製品説明で毎分1L以下が推奨と案内されています(メーカーの製品ページには吐出量の記載がないため、購入時は取扱説明書でも確認してください)。水流が強すぎると、稚魚は流れに逆らって泳ぎ続けることになります。エアボリューム調整が付いている製品ならそこで絞れますが、付いていない場合はエアコックを間に入れて調整してください。

設置面では、水槽の外側にポンプを置くスペースと、コンセントの位置も確認が要ります。ポンプは水面より高い位置に置くのが基本で、低い位置に置くときは逆流防止弁を入れます。停電時に水が逆流してポンプ側へ流れ込むのを防ぐためです。この一手間を省くと、思わぬ水漏れにつながることがあります。

◆所長のワンポイントアドバイス

産卵箱を買う前に、エアーポンプの有無だけは確認しておいてください。外掛け式を選んだのにポンプがなくて使えなかった、という声は意外と多いです。手持ちがなく、すぐ使いたいという状況なら、ポンプの要らない水中設置式か浮かせる式のほうが確実です。

自作の産卵箱|100均とペットボトルで作る

産卵箱は自作もできます。市販品が1,000〜2,000円前後なのに対し、100円ショップの材料なら200〜300円ほどで用意できます。急に出産が近づいて手元に何もない、という場面でも当日中に作れるのが強みです。

ただし、自作は市販品の完全な代わりにはなりません。水通しの良さと、母魚と稚魚を自動で分ける仕組みの2点は、自作で再現するのがかなり難しいからです。この2つを理解したうえで、向いている使い方に絞ると自作は十分実用になります。

ここでは代表的な2つの作り方と、自作でどうしても越えられない線を整理します。作り方の細部は使う容器で変わるので、寸法をまねるのではなく考え方の部分を押さえてください。どの作り方でも共通するのは、水の通り道をできるだけ広く取ることと、魚が触れる縁を丸めておくことの2点です。

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ペットボトルで作る浮かせ式の手順

いちばん手軽なのがペットボトルを使う方法です。用意するのは2Lのペットボトル、はさみかカッター、穴あけ用のキリ、そして園芸用ネットか水切りネットです。すべて家にあるか100円ショップで揃います。

手順としては、まずペットボトルの上部を切り落として筒状にします。次に側面の下半分に、キリで3〜4mm程度の穴をできるだけ多く開けます。この穴が水の通り道になるので、数が少ないと中の水が澱みます。開けた穴から稚魚が抜け出さないよう、外側から水切りネットを被せて口の部分を輪ゴムか結束バンドで留めます。あとは水面に浮かべるか、フチに引っ掛けて固定すれば完成です。

作るときに必ずやってほしいのが、切断面の処理です。カッターで切ったプラスチックの縁は鋭く、魚がぶつかるとヒレや体表を傷つけます。紙やすりで軽く削るのがいちばん安全です。ライターの火で軽くあぶって丸める方法もありますが、換気のよい場所で、火傷とプラスチックの変形に注意しながら行ってください。切りっぱなしの縁は、自作でいちばん多いけがの原因です。

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100均のケースと水切りネットで作る

もう少し形の整ったものを作りたいなら、100円ショップのプラスチックケースやタッパーを使う方法があります。フタ付きの浅型ケースを選び、側面の広い面を大きく切り抜いて、そこに水切りネットを貼るという作りです。切り抜く面積が広いほど水が通り、中の水質が本水槽に近づきます。

ネットの固定は、内側と外側からケースの縁で挟むか、結束バンドで数か所留めるのが確実です。接着剤は水中で剥がれることがあるうえ、成分が溶け出す心配もあるため避けたほうが無難です。水槽への固定は吸盤か、フチに引っ掛けるフック状のパーツを別に用意します。

使う前には、洗剤を使わずに流水でしっかり洗って、よくすすいでください。食品用として売られている容器を選ぶと素材の心配が少なくなります。逆に、塗装されているもの、金属部品が付いているもの、においの強いものは避けてください。水に長時間浸けたときに何が溶け出すか分からないためです。

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自作では越えられない線と安全面

自作の産卵箱で再現が難しい通水性と落とし込み構造、自作が向く条件をまとめた図
自作で再現しにくい2点と向いている条件

自作の限界は2つあります。ひとつは水の入れ替わりです。市販のネットタイプは全面が通水するように設計されていますが、自作では強度を保つために穴の面積を大きく取りにくく、どうしても水が澱みやすくなります。中に稚魚を入れるなら、1日1回はスポイトで底のごみを取り、少量ずつ水を入れ替えるつもりでいてください。

もうひとつが、母魚と稚魚を自動で分ける落とし込み構造です。二重底を自作すること自体は不可能ではありませんが、スリットの幅を稚魚が通れて母魚が届かない範囲に収めるのは、手作業ではかなり難しくなります。自作の産卵箱は「生まれたあとの稚魚を入れる容器」として使い、母魚を入れる用途には市販品を使うという分け方が現実的です。

安全面では、素材選びと縁の処理の2点に尽きます。飲料や食品に使われていた容器を選び、切断面は必ず丸める。この2つを守れば、自作でも大きな問題は起きにくくなります。なお稚魚を守る方法は産卵箱だけではありません。親が稚魚を食べる仕組みと、隔離以外の対策はグッピーの共食いの原因と対策で扱っています。

自作が向いている条件:①生まれたあとの稚魚だけを入れる ②入れる期間が1週間程度と短い ③毎日様子を見て水を換えられる。この3つが揃うなら、自作で十分に役目を果たします。母魚を入れる、2週間以上使う、こまめに見られないという場合は市販品を選んでください。

なお、繁殖そのものの進め方や雌雄の構成についてはグッピーの繁殖方法で、増えたあとの受け入れ先についてはグッピーが増えすぎる原因と対処法で整理しています。産卵箱を用意する前に、増えた先まで見通しておくと安心です。

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グッピーの産卵箱に関するよくある質問(FAQ)

産卵箱はいつ入れて、いつ出せばいいですか?

母魚を入れるのは、出産の兆候が重なってからです。お腹が角張った四角い形になる、妊娠マークが濃くなる、底でじっとして餌への反応が鈍くなる。この3つが揃ったら移してください。お腹が大きいというだけの段階では早すぎます。

出すタイミングは、産み終わったらすぐです。稚魚は箱に残したまま、母魚だけを本水槽へ戻します。移してから1日ほど経っても産まないときも、いったん戻したほうが負担が小さくなります。稚魚のほうは、体長が1cmを超えて泳ぎがしっかりしてくるまでが目安ですが、これはあくまで一般的な基準です。実際には水槽にいる成魚の口の大きさを見て判断してください。

産卵箱に入れたのに産まないのはなぜですか?

いちばん多いのは、移すのが早すぎたケースです。グッピーの妊娠期間には幅があり、お腹が大きく見えても出産まで数日以上あることがあります。次に多いのが、狭さによるストレスで出産が遅れているケースです。

1日経っても変化がなければ、無理に待たせず本水槽へ戻してあげてください。戻したあとに落ち着いて産むこともよくあります。また、そもそも妊娠ではなく腹部が膨らむ体調不良という可能性もあります。うろこが逆立っている、糞が白く細い、餌を食べないといった症状があるときは、隔離して静かな環境で様子を見たうえで、必要に応じて魚を診られる専門家へ相談してください。

産卵箱の中の水換えは必要ですか?

方式によって変わります。外掛け式や全面が通水するネットタイプは、本水槽の水が入れ替わり続けるため、箱だけの水換えは基本的に必要ありません。本水槽の水換えをしていれば足ります。

一方で、水の通りが限られるボックスタイプや自作の容器では、中の水が独立に近い状態になります。この場合は毎日スポイトで底のごみを吸い出し、その分だけ本水槽の水を足してください。新しく作った水ではなく本水槽の水を使うのは、水質と水温の差を作らないためです。稚魚は水質の急変に弱いので、一度に多く換えないほうが安全です。

100均の材料だけで作っても大丈夫ですか?

生まれたあとの稚魚を短期間入れる用途なら、実用になります。ポイントは3つで、食品用として売られている容器を選ぶこと、水の通り道になる穴やネットの面積をできるだけ広く取ること、切断面を必ず丸めることです。

避けたほうがよいのは、塗装されている容器、金属部品が付いているもの、においの強いプラスチックです。水に長時間浸けたときに何が溶け出すか分からないためです。また、母魚を入れて出産させる使い方には向きません。母魚と稚魚を自動で分ける仕切りを自作するのは難しく、狭い容器に一緒に入れると本水槽より危険な状況になります。

産卵箱を使わずに増やすことはできますか?

できます。ウィローモスやマツモのように葉が細かい水草を水面付近に多めに入れておくと、生まれた稚魚は自分でその中へ潜り込みます。浮き草の根も隠れ場所になります。母魚にも稚魚にもストレスがかからないのが利点です。

ただし残る数は読めません。水草が厚い水槽では思ったより多く生き残ることがあり、逆に隠れ家が少なければほとんど残らないこともあります。「全部残したい」なら産卵箱、「増えすぎを避けたい」なら水草に任せる、という使い分けになります。どちらを選ぶ場合も、増えた稚魚を最終的にどうするかを先に決めておいてください。飼育している魚を川や池へ放すことは、どんな事情があっても行わないでください。

まとめ|産卵箱は必要な期間だけ使う

グッピーの産卵箱は、水槽に常設する設備ではなく、稚魚が親の口に入らない大きさになるまでの短い期間を乗り切るための道具です。この前提を押さえておくと、選び方も使い方もぶれなくなります。

方式は3つあり、水質の安定を優先するなら本水槽の水を循環させる外掛け式、コストとエアーポンプ不要を優先するなら水中設置式、水換えの手間を減らしたいなら浮かせる式が向いています。サイズは受け入れる稚魚の数から逆算し、母魚を入れる予定があるなら仕切りの有無を必ず確認してください。

自作は、生まれたあとの稚魚を短期間入れる用途なら十分に実用になります。ただし水通しと落とし込み構造という2点では市販品にかないません。母魚を入れる、長く使う、こまめに見られないという条件が付くなら市販品を選んだほうが結果的に楽です。

そして何より大切なのが、入れっぱなしにしないことです。狭い容器は母魚にとって負担になり、水質も急に変わります。出産の兆候が出てから移し、産み終わったらすぐ戻す。稚魚も泳ぎがしっかりしてきたら本水槽へ合流させる。この切り替えができれば、産卵箱は安く確実に働いてくれる道具です。増やしたあとの行き先まで見通したうえで、必要な期間だけ使ってあげてください。

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