10円玉でボウフラは防げる?メダカの容器に銅を入れてはいけない理由と代わりの対策
ボウフラ対策を調べていると、「10円玉を水に入れておくとボウフラがわかない」という話をよく見かけますよね。お金をかけずにできて、薬も使わない。メダカの容器にも入れておけば、蚊の心配がなくなるのでは。そう考えて、試してみようと思った方もいるかもしれません。
結論からお伝えすると、メダカの容器に10円玉を入れるのはおすすめしません。10円玉のボウフラ対策は、10円玉から溶け出す銅の働きを利用したものです。ところが、銅はボウフラだけでなく、メダカやエビなど水の中の生き物にとっても毒になります。ボウフラに効くほど銅が溶け出していれば、同じ水で暮らすメダカにも影響が出るおそれがある、ということです。
それに、10円玉のボウフラ対策は、効き目が出るまでに時間がかかることも分かっています。ボウフラが蚊になるスピードに追いつかない場面もあるので、10円玉だけに頼るのは現実的ではありません。メダカの容器なら、メダカにボウフラを食べてもらう、ネットで蚊に卵を産ませない、見つけたらすくう、といった方法のほうが確実で安全ですよ。
この記事では、10円玉がボウフラ対策に使われる理由と、研究で分かっている効き方、そしてメダカへの影響を整理します。後半では、メダカの容器でできる10円玉の代わりのボウフラ対策と、池や大きな容器での考え方までまとめました。
- 10円玉がボウフラ対策に使われる理由と効き方
- 銅がメダカやエビに与える影響
- 10円玉を使ってもよい場所と注意点
- メダカの容器でできる安全なボウフラ対策
ボウフラ対策の10円玉とメダカへの影響
この章では、ボウフラ対策に10円玉が使われる理由と、メダカへの影響を順番に見ていきます。「効くのか効かないのか」だけでなく、「メダカのいる水で使ってよいのか」という視点で整理するのがポイントです。
先に全体像を表にまとめておきます。10円玉の効き方と、メダカの容器で使うときの問題点を並べてみると、なぜおすすめしないのかが見えてくると思います。
表のあとで、しくみ、研究の結果、銅の毒性、使ってよい場所、ほかの銅製品の注意点を、1つずつ説明していきますね。
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| 見るところ | 分かっていること | メダカの容器で使うときの問題 |
|---|---|---|
| 効くしくみ | 10円玉から溶け出す銅がボウフラの育ちを妨げる | 銅はメダカやエビにも毒になる |
| 効くまでの時間 | 小さな容器でも、すべてのボウフラが死ぬまで2週間ほどかかった研究がある | その間にボウフラが蚊になるおそれがある |
| 効く量 | 水の量に対して一定以上の銅が必要 | 大きな容器ほど多くの10円玉が必要になり、銅の量を調整できない |
| 安全性 | 水の中の生き物にとって銅は高い濃度で毒になる | ボウフラに効く濃度はメダカにも影響しうる |
表の内容は、あくまで一般的な目安です。銅の溶け出し方は、水の性質や10円玉の表面の状態によっても変わります。数字は研究の条件での結果として読んでくださいね。
10円玉の銅がボウフラに効くしくみ

10円玉がボウフラ対策に使われる理由は、10円玉のほとんどが銅でできているからです。造幣局によると、10円玉は銅が950、亜鉛が40〜30、すずが10〜20の割合で作られていて、重さは4.5gとされています。つまり、重さのおよそ95%が銅ということですね。
銅は、水に触れていると少しずつ溶け出します。溶け出した銅は、水の中で銅イオンという形になり、ボウフラの育ちを妨げたり、死なせたりする働きがあることが知られています。10円玉を水に入れておくと、この銅イオンが少しずつ水に広がっていく、というのがボウフラ対策のしくみです。
ここで大切なのは、10円玉そのものではなく、溶け出した銅がボウフラに作用しているという点です。10円玉を入れた瞬間に効くわけではありません。水に銅が溶け出して、ある程度の濃さになるまでには時間がかかります。そして、その濃さは、水の量が多いほど薄くなります。
溶け出し方は、条件によっても変わります。水の酸性度、つまりpHが低い水ほど、銅は溶け出しやすいとされています。10円玉の表面がさびで覆われていたり、汚れていたりすると、溶け出し方も変わってきます。同じ10円玉を入れても、容器ごとに銅の濃さが違ってくる、ということです。
この「しくみ」を知っておくと、後で説明するメダカへの影響も理解しやすくなります。ボウフラに効くのは水に溶けた銅。そして、その水の中にはメダカも暮らしている。この2つをセットで考えるのが大切です。
研究で分かっている効き方と時間
銅がボウフラに効くかどうかは、海外で研究されています。結論から言うと、銅は確かにボウフラを死なせるものの、効き目が出るまでには時間がかかることが分かっています。
ドイツで行われた研究では、750mLの水を入れた墓地用の花立てに、ユーロの5セント硬貨(銅でめっきされた硬貨)を1枚入れて、蚊の幼虫の様子を調べています。その結果、硬貨1枚でも、2週間ほどで試したすべての種類の幼虫が死んだと報告されています。一方で、すぐに全滅するわけではありません。種類ごとに比べた試験では、3日目に死んでいた幼虫は種類によって1割強から5割ほどにとどまり、銅の濃さを測りながら行った試験では、3日目までは死んだ幼虫が見られず、7日目でおよそ2割、その後少しずつ増えていったとされています(出典:Becker ら 2015年 Parasites & Vectors 掲載論文)。
この結果から分かるのは、小さな容器なら硬貨でもボウフラは減らせるが、効くまでに1〜2週間かかるということです。一方、ボウフラは水の中で1週間ほど過ごしたあと、サナギを経て蚊になります。すでに育っているボウフラに対しては、銅が効く前に蚊になってしまうこともありえます。
効き目は水の量にも左右されます。同じ論文では、別の研究で、銅線を1Lあたり20g入れた屋外の試験で幼虫が9割減り、1Lあたり40gで発生を防げたことも紹介されています。つまり、ボウフラを確実に減らすには、水の量に見合った量の銅が必要になるということです。
メダカの容器に置き換えて計算してみると
この研究で使われた5セント硬貨は1枚3.9gで、鉄に銅をめっきした硬貨です。論文では、硬貨1枚を入れた花立ての条件を、水1Lあたり5.3gに相当すると説明しています。硬貨を入れた花立ての水に溶けていた銅は、日によって違いますが、1Lあたりおよそ18〜74μg(マイクログラム)だったと報告されています。
10円玉は1枚4.5gで、そのうちおよそ95%が銅です。仮に10Lの容器で、硬貨の重さが研究と同じくらいの割合になるようにしようとすると、単純計算で10円玉を12枚ほど入れることになります。20Lなら、その倍です。もちろん、これは研究の条件をそのまま当てはめた目安であって、実際の溶け出し方は水の性質や10円玉の状態で変わります。
同じ論文では、先行研究の結果として、水に溶けた銅が1Lあたり500μg未満ではボウフラの育ちへの影響はわずかで、1,000μgを超えると育ちが完全に止まった、という報告も紹介されています。硬貨の実験では、それより低い濃さでも2週間ほどかけて効いていたので、研究によって見え方に幅があるということです。いずれにしても、ボウフラに効かせるには、水に銅がしっかり溶け込んだ状態を、ある程度の期間続ける必要があると考えておくとよいでしょう。
750mLの花立てに硬貨1枚、というのは、水の量に対して銅がかなり多い条件です。メダカを飼うような10Lや20Lの容器で同じくらいの割合にしようとすると、10円玉を何枚も入れることになります。そして、それだけ銅を溶かし込んだ水に、メダカを泳がせることになるわけです。
銅はメダカやエビにも毒になる

10円玉のボウフラ対策をメダカの容器で使ってはいけない一番の理由は、銅がメダカやエビにとっても毒になるからです。ボウフラにだけ効いて、魚には効かない、という都合のいい性質ではありません。
アメリカ環境保護庁(EPA)は、銅は低い濃度では生き物に必要な栄養素である一方、濃度が高くなると水の中の生き物にとって有毒になると説明しています。さらに、長く銅にさらされると、生き残る力、成長、繁殖に悪い影響が出るほか、脳の働きや酵素の働き、血液の成分、代謝の変化にもつながるとされています(出典:US EPA Aquatic Life Criteria – Copper)。
特に注意したいのが、エビの仲間です。ミナミヌマエビなどのエビは、銅に弱いことで知られていて、アクアリウムでは、エビのいる水槽に銅を持ち込まないことが基本的な注意になっています。メダカとエビを一緒に飼っている容器では、なおさら10円玉を入れるべきではありません。
メダカの稚魚や卵も、大人のメダカより影響を受けやすいと考えるのが安全です。体が小さく、水の中の成分をより直接受けるからです。繁殖の時期にボウフラ対策のつもりで10円玉を入れると、ボウフラより先に、守りたかった稚魚に影響が出てしまうかもしれません。
観賞魚の病気の治療薬には、銅を有効成分にしたものがあります。これは、銅が小さな生き物にとって毒になる性質を、病気の原因になる寄生虫に向けて利用したものです。こうした薬は、決められた量と期間を守って使うことが前提になっていて、量を間違えると魚にも負担がかかります。銅は「効く量」と「魚に負担になる量」の差が大きくない成分だと考えておくと、10円玉を気軽に入れることの危うさが分かりやすいと思います。
銅の影響は、急に目に見える形で出るとは限りません。すぐにメダカが死ななくても、食欲が落ちる、元気がない、卵を産まなくなる、といった形でじわじわ出てくることもあります。原因が10円玉だと気づきにくいのも、やっかいなところです。
メダカの容器に10円玉を入れてはいけない理由
ここまでの話をまとめると、メダカの容器に10円玉を入れてはいけない理由は、「ボウフラに効くほど銅が溶けた水は、メダカにも影響しうる」という一点に集約されます。
ボウフラを減らすには、水の中にある程度の濃さの銅が必要です。でも、その濃さの水は、同じ水で暮らすメダカやエビにとっても安全とは言い切れません。ボウフラにだけ効く量に調整する、ということは、家庭ではまずできないからです。
量を調整できない理由はいくつかあります。水の量は、蒸発や雨で毎日変わります。水換えをすれば銅の濃さは下がり、足し水をすれば薄まります。10円玉の表面の状態や、水のpHによっても、溶け出し方は変わります。家庭で水の中の銅の濃さを測りながら管理するのは、現実的ではありません。
そもそも、メダカのいる容器では、10円玉に頼る必要がありません。成魚のメダカは、水面に上がってきたボウフラを食べてくれます。ボウフラ対策としては、メダカがいること自体が最も自然な方法なんです。メダカがボウフラを食べないときの原因と対策は、メダカがボウフラを食べないときの原因と湧かせない対策で詳しく書いています。
メダカやエビ、稚魚のいる容器に、10円玉や銅線などの銅製品を入れるのは避けてください。すでに入れてしまっている場合は、取り出したうえで、水の一部を入れ替えて様子を見るのが安心です。メダカの様子がおかしいときは、購入した販売店など詳しい方に相談してください。
10円玉を使ってもよい場所と使い方の注意
10円玉のボウフラ対策が意味を持つとすれば、魚やエビなどの生き物がいない、小さな水たまりです。墓地の花立てのように、水を捨てにくく、生き物を入れない容器が、研究で試された条件に近い場所です。
墓地の花立ては、水が長くたまったままになりやすく、日本でも蚊が発生しやすい場所としてよく挙げられます。研究がこうした容器を対象にしたのは、水を頻繁に捨てられず、魚などの生き物もいない場所だからです。メダカの容器とは、前提となる条件がまったく違うということですね。
ただ、家庭でボウフラがわく場所の多くは、植木鉢の受け皿、使っていないバケツ、雨水がたまったシートのくぼみなど、水そのものを捨てられる場所です。こうした場所では、10円玉を入れるより、水を捨てる、容器を伏せておく、受け皿の水をこまめに捨てる、といった方法のほうが、ずっと確実で早く効きます。
どうしても水を捨てられない容器に10円玉を使う場合も、いくつか注意があります。まず、効き目が出るまでに時間がかかるので、すでにボウフラがいるなら、先にすくって取り除いてください。次に、小さな子どもやペットが誤って口に入れないよう、手の届かない場所で使いましょう。
また、10円玉を入れた水を、うっかりメダカの容器や池に流し込まないようにしてください。銅が溶け出した水を捨てるときは、生き物のいる場所から離れた場所に捨てるのが基本です。花立ての水を入れ替えるときに、硬貨ごと捨ててしまう、ということも研究の中で起きていて、手間のわりに効果が続きにくい面もあります。
まとめると、10円玉は「水を捨てられず、生き物もいない、小さな容器」でだけ検討する方法です。メダカの容器や、メダカの容器の近くにある水には使わない、と線を引いておきましょう。
銅製品や銅を含むものにも注意
10円玉以外にも、銅を含むものがメダカの容器に入り込む場面があります。ボウフラ対策とは関係なくても、同じ理由で注意しておきたいポイントです。
たとえば、ボウフラ対策として「銅線を入れる」「銅のたわしを入れる」といった方法が紹介されていることがあります。しくみは10円玉と同じで、溶け出した銅を利用するものです。銅の量が多いぶん、メダカへの影響も大きくなりうるので、メダカの容器には使わないでください。
インテリアとして、銅製の置物や金属の飾りを容器に沈めるのも避けたほうが安心です。見た目がきれいでも、長く水につけていると、金属が溶け出すことがあります。メダカの容器に入れるレイアウト用品は、観賞魚用として売られているものを選ぶのが基本です。
魚の病気の治療薬の中には、銅を有効成分にしたものもあります。使う場合は、製品の注意書きに従い、エビや水草への影響、使う量と期間を必ず確認してください。自己判断で量を増やしたり、ほかの対策と組み合わせたりすると、思わぬ影響が出ることがあります。
屋外の容器では、雨どいや屋根から流れ込む雨水にも気を配りましょう。銅製の雨どいの下に容器を置くと、雨水と一緒に銅が流れ込むことがあります。容器の置き場所を決めるときは、上から何が流れてくるかも確かめておくと安心です。
メダカの容器でできる10円玉の代わりのボウフラ対策
ここからは、メダカの容器でできる10円玉の代わりのボウフラ対策です。メダカのいる容器は、実はボウフラ対策の条件がそろった場所です。メダカ自身がボウフラを食べてくれるので、あとは人が少し手を貸すだけで十分に防げます。
この章では、メダカにボウフラを食べてもらう工夫、ネットで蚊に卵を産ませない方法、水換えとすくい取り、そして池や大きな容器での考え方を順に紹介します。
どの方法も、銅や薬を使わないので、メダカへの影響を心配する必要がありません。10円玉の代わりに、これらを組み合わせてみてください。
考え方の軸は、「ボウフラを生ませない」「生まれたボウフラを減らす」「育つ前に見つける」の3段階です。1つの方法に頼るより、段階ごとに手を打っておくほうが、夏のあいだの手間はむしろ少なくなりますよ。
メダカにボウフラを食べてもらう

メダカの容器で一番自然なボウフラ対策は、メダカにボウフラを食べてもらうことです。メダカは水面近くを泳ぐ魚で、呼吸のために水面へ上がってくるボウフラを好んで食べます。
メダカにしっかり食べてもらうためのコツは、餌を与えすぎないことです。満腹のメダカは、わざわざボウフラを追いかけません。屋外の容器では、水中の微生物からも栄養をとっているので、餌は数分で食べきれる量を目安に、控えめにしてみてください。
水草や浮き草が茂りすぎていないかも見てください。水面が植物で覆われていると、メダカの届かない場所でボウフラが育ってしまいます。浮き草が水面の大半を覆っているようなら、半分ほどに減らすだけでも、メダカが水面を回りやすくなります。
メダカが食べやすいのは、生まれて間もない小さなボウフラです。大きく育ったボウフラは、成魚のメダカでも口に入りにくくなります。だからこそ、メダカに任せきりにせず、目に見えるほど育ったボウフラを見つけたら、次の項で紹介するすくい取りで早めに取り除くのが効果的です。
ただし、稚魚しかいない容器では、この方法は使えません。生まれたばかりの稚魚は口が小さく、ボウフラを食べられないからです。稚魚の容器では、次に紹介するネットと、すくい取りを中心に対策してください。
親メダカを稚魚の容器に入れてボウフラを食べさせる、という方法も避けましょう。親メダカは稚魚も食べてしまうことがあります。ボウフラが気になる稚魚の容器では、すくったボウフラを親メダカの容器に入れてあげる、という逆の発想のほうが安全です。
メダカのほかにも、金魚などボウフラを食べる魚はいます。家庭で飼える種類と、選ぶときの注意はボウフラを食べる魚をまとめた記事で整理しています。
ネットで蚊に卵を産ませない
ボウフラ対策で最も確実なのは、蚊に卵を産ませないことです。蚊は水面やそのすぐそばに卵を産むので、容器の上を目の細かいネットで覆えば、ボウフラは生まれてきません。
ネットは、家の網戸と同じくらいか、それより細かい網目のものを選ぶのが目安です。園芸用の防虫ネットなら、光や風を通しやすく、メダカの容器にも使いやすいです。容器より一回り大きく切り、ふちの外側まで垂らしてから、ゴムひもや洗濯ばさみですき間なく留めてください。
ネットがたるんで、くぼみに雨水がたまると、そこが新しいボウフラの発生場所になってしまいます。ネットはぴんと張り、雨のあとにネットの上に水が残っていないか、ときどき確かめましょう。
100円ショップで手に入るネットの網目の選び方と、容器のふちにすき間なく留める方法は、メダカのボウフラ対策に使う100均ネットの記事で紹介しています。
ネットは、10円玉と違って水の中に何も溶け出しません。メダカへの影響を心配せずに使えるのが、何よりの利点です。稚魚の容器や、水草だけを浸けている容器のように、ボウフラを食べてくれる存在がいない容器ほど、ネットの効果は大きくなります。
稚魚の容器にかけるなら、網目0.6mmの園芸用防虫ネットが使いやすいです。1.8×5mあれば、発泡スチロールの容器なら何個分も切り分けられます。
水換えとすくい取りで育つ前に取り除く
ネットをかけていても、すき間から入り込まれたり、ネットをかける前に卵が産まれていたりすることはあります。そんなときは、ボウフラが育つ前に、すくって取り除くのが確実です。
ボウフラは呼吸のために水面へ上がってくるので、目の細かい網やスポイトで水面近くをすくえば、取り除けます。驚くと底へ潜るので、容器の影から静かに近づき、水面に上がってきたところを狙うのがコツです。取ったボウフラは、排水口に流さず、ほかのメダカの容器の餌にするか、水気を切って処分してください。
水面のボウフラを1匹ずつ吸い取るなら、先の長いスポイトが便利です。水底のフン取りにも使えるので、1本あると見回りのついでに掃除まで済みます。
週に一度は、水面をじっくり見回る習慣をつけましょう。ボウフラが水の中で過ごす期間は1週間ほどなので、週に一度見回れば、サナギや蚊になる前に見つけられます。見回りのついでに、足し水や部分的な水換えをしておくと、水質の管理にもなって一石二鳥です。メダカの水換えの頻度と量の考え方は、メダカの水換え頻度と正しい手順で詳しく書いています。
容器のまわりの水たまりも、あわせて片づけておきましょう。使っていない予備の容器、植木鉢の受け皿、雨水がたまったバケツ。こうした場所は、メダカがいないぶん、ボウフラが育ちやすい場所です。10円玉を入れるより、水を捨ててしまうほうが、ずっと早く確実に効きます。
メダカの容器のボウフラ対策は、次の組み合わせが基本です。成魚のメダカにボウフラを食べてもらう。目の細かいネットで蚊に卵を産ませない。週に一度は水面を見回り、見つけたボウフラはすくう。容器のまわりの水たまりは捨てる。どれも銅や薬を使わずにできます。
池や大きな容器でのボウフラ対策の考え方
庭の池や大きなトロ舟のように、ネットで全体を覆うのが難しい場所では、考え方を少し変える必要があります。ここでも、10円玉や銅製品に頼るのはおすすめしません。水の量が多いほど、効かせるために必要な銅の量も増えてしまうからです。
広い場所では、メダカや金魚のようにボウフラを食べてくれる魚が、水面全体を回れる状態を作ることが中心になります。魚の数が水面の広さに対して少なすぎないか、浮き草や水草が茂りすぎて魚の届かない場所ができていないかを確かめてください。
池の中でも、ボウフラが育ちやすいのは、水が動かない隅や、落ち葉がたまった場所です。こうした場所をときどき網ですくい、落ち葉を取り除くだけでも、ボウフラの発生は減らせます。ポンプで水を循環させている池なら、水の流れが届かない場所がないかも見ておきましょう。
池では、魚に食べてもらうことに加えて、ポンプで水面を動かす、水草や落ち葉を手入れするといった方法を組み合わせます。具体的な手順は池のボウフラ対策をまとめた記事で整理しています。
池のまわりに置いた植木鉢や、池に水を足すためのバケツなど、池以外の水たまりも見落とさないでください。池そのものより、まわりの小さな水たまりのほうが、蚊の発生源になっていることも少なくありません。屋外の水辺に湧く虫全般については、ビオトープに虫が湧く原因と駆除の判断基準でも整理しています。
10円玉のような「入れておくだけ」の方法は魅力的に見えますが、生き物のいる水では、入れたものが生き物にどう影響するかを先に考えるのが大切です。迷ったら、水の中に何も足さない方法を選ぶ。これがメダカを守るいちばんの近道ですよ。
ボウフラ対策の10円玉とメダカについてよくある質問
10円玉を1枚だけなら、メダカの容器に入れても大丈夫ですか?
おすすめしません。1枚でも銅は溶け出しますし、水の量や性質によって濃さは変わるため、メダカにとって安全な量かどうかを家庭で判断するのは難しいからです。逆に、溶け出す量が少なければ、ボウフラ対策としての効果も期待しにくくなります。メダカの容器では、メダカ自身とネット、すくい取りで対策するほうが確実です。
すでに10円玉を入れてしまいました。どうすればいいですか?
まず10円玉を取り出してください。そのうえで、カルキを抜いた新しい水で、容器の水の一部を入れ替えると、溶け出した銅を薄められます。しばらくはメダカの泳ぎ方や食欲に変化がないかを観察しましょう。エビや稚魚がいる容器では、より早めに水を入れ替えるのが安心です。気になる変化が続くときは、購入した販売店など詳しい方に相談してください。
5円玉や100円玉でも同じ効果がありますか?
5円玉や100円玉も銅を含む合金ですが、銅以外の金属の割合が10円玉より多く、溶け出し方も違います。どの硬貨でも、ボウフラに効くほど金属が溶け出せば、メダカにも影響するおそれがある点は同じです。メダカのいる容器には、硬貨の種類に関わらず入れないのが基本と考えてください。
ボウフラがわいた植木鉢の受け皿にも10円玉を入れるべきですか?
受け皿のように水を捨てられる場所なら、10円玉を入れるより、水を捨てるほうが早く確実です。ボウフラは水がなければ育ちません。水やりのあとに受け皿の水を捨てる、受け皿を使わない置き方にする、といった方法を習慣にしてみてください。
10円玉を入れると水が腐りにくくなると聞きましたが、メダカの容器ではどうですか?
メダカの容器では、その考え方は当てはめないほうが安心です。メダカの水は、目に見えない微生物やバクテリアの働きで、フンや食べ残しが分解されて保たれています。銅は小さな生き物に作用する成分なので、こうした水をきれいにする働きにも影響するおそれがあります。水の汚れが気になるなら、餌の量を見直し、部分的な水換えで整えるのが基本です。
まとめ|ボウフラ対策は10円玉よりメダカとネットで
10円玉がボウフラ対策に使われるのは、10円玉のほとんどが銅でできていて、溶け出した銅がボウフラの育ちを妨げるからです。研究でも、小さな容器なら硬貨でボウフラを減らせることが報告されていますが、効き目が出るまでには1〜2週間ほどかかることも分かっています。
そして何より、銅はメダカやエビにとっても毒になります。ボウフラに効くほど銅が溶けた水は、同じ水で暮らすメダカにも影響しうるため、メダカの容器に10円玉や銅製品を入れるのは避けてください。10円玉を検討するなら、生き物がいない、水を捨てられない小さな容器に限られます。
メダカの容器では、メダカにボウフラを食べてもらう、ネットで蚊に卵を産ませない、週に一度見回ってすくい取る、容器のまわりの水たまりを捨てる、という組み合わせが確実で安全です。池や大きな容器でも、魚が水面を回れる状態を作り、水の動かない隅を手入れするのが基本になります。
この記事で紹介した研究の数値は、あくまで研究の条件での結果であり、一般的な目安です。銅の溶け出し方は水の性質や容器によって変わります。正確な情報は公式サイトや研究の原文をご確認ください。メダカの様子に不安があるときは、最終的な判断は購入した販売店などの専門家にご相談ください。
身近な10円玉でボウフラ対策ができたら手軽ですが、メダカのいる水では、何も足さない方法が一番の近道です。メダカの力とネットで、安全にボウフラを防いでいきましょう。


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