メダカはボウフラを食べる?食べないときの原因と湧かせない対策
夏場、屋外に置いたメダカの容器をのぞいたら、水面近くで細長いものがくねくね動いている。ボウフラです。蚊の幼虫だと分かった瞬間、ぎょっとする方も多いと思います。と同時に、こうも思うはずです。「メダカがいるのに、なぜ湧くんだろう」と。
先に結論をお伝えします。メダカはボウフラを食べます。これは飼育者の体感だけの話ではなく、自治体が蚊の発生源対策として魚を放すことを公式に挙げているほど確かなことです。ただし、食べきれる量と大きさには限界があります。だからこそ、メダカを飼っていても湧くときは湧きます。
この記事では、まず「食べるのか食べないのか」をはっきりさせたうえで、食べないことがある原因を整理します。そのうえで、そもそも湧かせないための対策と、すでに湧いてしまったときの対処をお伝えします。蚊の成長の速さを知ると、なぜ早めの対処が大事なのかも腑に落ちるはずですよ。
メダカはボウフラを食べるのかという疑問への答え
まず、この疑問をきれいに片づけておきましょう。答えははっきりしていて、メダカはボウフラを食べます。しかも好んで食べます。動くものに反応する魚なので、水面でくねくね動くボウフラは格好の獲物になります。
ただ、それでも湧くことがあるのは、蚊の増えるスピードが速いからです。この章の後半で日数を示しますが、卵から成虫までは驚くほど短い。メダカの食べるペースが追いつかない場面が出てきます。
この章では、食べるという事実の裏づけ、食べないことがある原因、そして「何匹いれば足りるのか」という実務的な話まで扱います。数を増やせば解決するのか、という疑問にも答えを出しておきます。
まず、蚊がどのくらいの速さで育つのかを押さえておきましょう。ここが分かると、あとの話がすべてつながります。
| 段階 | 目黒区の説明 | 大阪市淀川区の説明 | この時期の様子 |
|---|---|---|---|
| 卵→ふ化 | 1日から2日 | 2〜3日 | 水面に産み付けられる |
| ボウフラ→サナギ | 6日から7日 | 7〜10日ほど | 尾を水面に出して呼吸 |
| サナギ→羽化 | 2日から3日 | 2〜3日後 | オニボウフラと呼ばれる |
| 水中にいる期間 | 卵からサナギまで1週間から2週間 | この間だけが対処できる時間 | |
表は2つの自治体が公開している説明を並べたものです(出典:目黒区・下記の大阪市淀川区)。日数に少し幅があるのは、種類や気温によって変わるためです。いずれにしても、2週間前後で成虫になってしまうという点は共通しています。
結論としてメダカはボウフラを食べる
まず事実の確認から。メダカはボウフラを食べます。屋外でメダカを飼っている方なら、水面に浮いたボウフラにメダカが突進していく場面を見たことがあると思います。
理由は、ボウフラがメダカにとって理想的な獲物だからです。ボウフラは水中で過ごし、尾を水面に出して呼吸します。つまり、定期的に水面へ上がってこなければ生きていけない。メダカは水面近くを泳ぐ魚なので、ちょうど出会いやすい位置関係になります。
しかも動きが目立ちます。ボウフラは体をくねらせて上下に移動するので、動くものに反応するメダカの目にはっきり留まります。隠れようがない獲物なんですね。
栄養面でも悪くありません。生きた動物質の餌なので、人工餌だけの生活より食いつきがよく、繁殖期の栄養補給にもなります。ボウフラが湧いたこと自体は不快でも、メダカにとっては悪い話ではないということです。
実際、屋外でメダカを飼っている方の多くは、夏のあいだボウフラをほとんど見ないと思います。湧いていないのではなく、湧いたそばから食べられているから見えないんですね。目に見えるサイズまで育っているということは、その容器では食べきれていないというサインでもあります。
だから、ボウフラを見つけたときに確認してほしいのは「なぜ湧いたか」より「なぜ食べられていないか」です。原因が分かれば、次から湧いても勝手に片づいてくれる状態に戻せます。次の項で、その原因を整理します。
自治体も蚊の対策として魚を挙げている
これは体感だけの話ではありません。行政が公式に、蚊の発生源対策のひとつとして魚を放すことを挙げています。
目黒区は、蚊の発生源対策として、水が取り除けない場所である池や防火用水について、魚(メダカや金魚)を放すという方法を挙げています。大阪市淀川区も同様に、発生源対策として池や水槽に魚を飼うことを挙げています(出典:大阪市淀川区)。
つまり、メダカを飼うこと自体が蚊の対策になっているということです。ビオトープや睡蓮鉢を置くと蚊が増えるのでは、と心配される方がいますが、魚が入っていればむしろ逆に働きます。水をためたまま魚のいない容器を放置するほうが、はるかに危険です。
ただし、行政が挙げているのは「池や防火用水」のように水を抜けない場所への対処です。水を抜ける容器なら、抜いてしまうほうが確実という順番になっています。魚は万能の解決策ではなく、水を残さざるを得ない場所のための方法だと理解しておくといいと思います。
食べないことがある3つの理由

では、メダカがいるのに湧くのはなぜか。原因は大きく3つあります。
1つ目がメダカが小さすぎること。針子や稚魚の容器では、ボウフラを食べられません。口の大きさが足りないからです。むしろこの時期は、ボウフラと針子が同じような微生物を食べる関係になるので、餌を取り合うことにもなります。針子の容器は特に注意が必要です。
2つ目がボウフラが大きくなりすぎたこと。ボウフラは脱皮を繰り返して大きくなり、終齢では1cm近くまで育つものもいます。ここまで育つと、成魚のメダカでも口に入らないことがあります。小さいうちなら食べられたのに、気づくのが遅れて手遅れになるパターンです。
3つ目がメダカが満腹であること。人工餌を十分に与えていると、わざわざ追いかけません。特に屋内で管理が行き届いている環境ほど、この傾向が出ます。
この3つのうち、自分で変えられるのは1つ目と3つ目です。2つ目(ボウフラが育ちすぎた)は、育ってしまったあとでは手の打ちようがありません。だからこそ、早く見つけること自体が対策になるわけです。
順番としては、まず餌の量を見直してみてください。食べ残しが出ているなら明らかに多すぎます。屋外飼育では、青水や微生物からも栄養が取れるので、屋内と同じ感覚で与えると過剰になりがちです。餌を少し減らすだけで、メダカがボウフラを追うようになった、ということは普通に起こります。
ほかにもある見落としがちな原因
上の3つ以外にも、条件によって食べられないことがあります。ひとつは容器が広すぎる、あるいは深すぎる場合。メダカが泳いでいない場所でボウフラが育ってしまいます。大きなトロ舟や池では起こりやすい現象です。
もうひとつが、水草が茂りすぎている場合です。ボウフラにとっては隠れ場所になりますし、メダカが入っていけない隙間もできます。水草は産卵や隠れ家として重要ですが、増えすぎると別の問題を生むことがある、ということですね。
食べられる大きさには限界がある
ここを押さえておくと、対処のタイミングが分かります。ボウフラは日ごとに大きくなり、あるところで食べられなくなります。
孵化した直後のボウフラは、肉眼ではっきり見えないほど小さいものです。この段階なら、成魚のメダカはもちろん、ある程度育った稚魚でも食べられます。ところが数日たつと、目に見えてくねくね動くサイズになり、終齢では1cm近くまで伸びるものもいます。
魚が食べられるものの大きさは、口の幅でおおよそ決まります。メダカの成魚は全長3cm前後の小さな魚なので、口もそれほど大きくありません。自分の体長の3分の1近い獲物を丸呑みするのは、さすがに無理があります。見えるようになってから対処では遅いことがある、というのはこういう理由です。
そしてサナギ(オニボウフラ)になると、さらに厄介です。目黒区の説明では、サナギの間はエサはとりません、とされています。普段は水面近くでじっとしていますが、刺激を受けると跳ねるように動きます。この段階まで来ると、あとは2〜3日で羽化してしまう。目黒区の説明でも、サナギは2日から3日経つと羽化するとされています。見つけたその日に対処する必要がある、という意味がここにあります。
何匹のメダカで足りるのか
実務的な疑問にも答えておきます。「何匹入れればボウフラが湧かないのか」という質問です。
正直に言うと、匹数で決まる話ではありません。同じ数でも、容器の広さ、水深、水草の量、メダカの大きさ、そして餌の与え方でまったく違ってきます。10匹で問題ない容器もあれば、20匹いても湧く容器もあります。
目安として考えるなら、水面のどこにでもメダカが行き渡っているかを見てください。容器の隅や水草の陰に、メダカがほとんど来ていない場所があるなら、そこがボウフラの温床になります。匹数を増やすより、水草を減らしたり容器を変えたりするほうが効くことが多いです。
そしてもうひとつ、餌を与えすぎないことも効きます。満腹のメダカはボウフラを追いません。食べ残しが出ているようなら、まず量を見直してください。これは水質にも良い影響があるので、一石二鳥です。
餌の量を見直すなら、粒の大きさが成長段階に合っているかも一緒に確認してください。口に合わない餌は食べ残しになり、そのまま水を汚します。全長1cmを超えたメダカなら、この段階向けの粒に切り替える時期です。
餌の量の考え方は人工餌と生餌の使い分けをまとめた記事で整理しています。
メダカの容器にボウフラを湧かせないための対策
ここからは対策です。メダカが食べてくれるとはいえ、湧かないに越したことはありません。特に集合住宅のベランダや、隣家が近い庭では、蚊を出さないこと自体が大事になります。
対策の考え方はシンプルで、産ませない・育てない・羽化させないの3段階です。上流で止めるほど楽になります。
この章では、蚊が産卵する条件を断つ方法から、物理的に防ぐ方法、見落としやすい発生源の点検、そしてすでに湧いてしまったときの対処までを順番に扱います。最後に、薬剤を使う場合の注意にも触れておきます。
先に優先順位をお伝えしておくと、まず周りの水たまりを消す(次の2つの節がこれにあたります)、次にメダカの容器を守る、最後に湧いたものを取るという順番です。多くの方が3番目から始めてしまうのですが、それだと毎週すくい続けることになります。上流で止めるほど、夏のあいだの手間がはっきり減りますよ。
蚊が卵を産む条件を断つ

いちばん効くのが、そもそも産ませないことです。蚊が卵を産む場所には条件があります。
目黒区は、水が取り除ける発生源として、古いバケツなど水のたまった容器、ポイ捨てされた空き缶や空き瓶、園芸用の植木鉢の受け皿、雨よけシートの窪みに溜まった水、古タイヤ、竹やぶの竹の切り株を挙げています。共通しているのは、少量の水が動かずにたまっていることです。
逆に言えば、メダカの容器そのものより、その周りに置かれた小さな水たまりのほうが危険だということです。メダカの容器には魚がいるので食べてもらえますが、受け皿やバケツには誰もいません。そこで湧いた蚊が、家の周りを飛ぶことになります。
対策は単純で、水をためないこと。使っていないバケツは伏せる、植木鉢の受け皿は水を捨てる、空き容器は片づける。これだけで発生源の大半が消えます。メダカを飼っている方ほど、容器や道具が屋外に増えがちなので、意識して点検してみてください。
意外と効くのが、伏せるという動作です。バケツを立てたまま置いておくと、雨が降るたびに水がたまります。口を下にして伏せておけば、それだけで発生源になりません。片づける場所がなくても、向きを変えるだけなら今すぐできます。
もうひとつ、水温が高いほど幼虫の育ちが速くなります。同じ水たまりでも、日の当たる浅い水は水温が上がりやすく、そのぶん成虫になるまでが短くなります。夏のベランダや南向きの庭先に置いた小さな容器は、気づくのが数日遅れただけで間に合わなくなることがあるので、点検の頻度を上げておくと安心です。
蚊は刺されて不快というだけの虫ではありません。地域や種類によっては感染症を媒介することがあり、だからこそ自治体が発生源対策を呼びかけています。自宅で湧かせた蚊は、自分だけでなく近隣にも飛んでいきます。集合住宅のベランダや、隣家と近い庭でメダカを飼っている場合は、容器の管理を「趣味の問題」ではなく「近所への配慮」として考えてください。ネットをかける、周りの水たまりを消す、見つけたその日に取り除く。この3つを続けていれば、自宅から蚊を出してしまうリスクは大きく下げられます。
水を抜けない場所はどうするか
池や防火用水のように水を抜けない場所には、先ほどの魚を放すという方法が使われます。目黒区も、水が取り除けない発生源として排水マスや池、防火用水を挙げたうえで、池には魚を放す方法を示しています。
排水マスのように魚を入れられない場所には、昆虫成長制御剤を1か月に一回投入するという方法が挙げられています。これは自治体が管理する場所の話なので家庭とは前提が違いますが、「水を抜けない場所には別の手を打つ」という考え方は同じです。
ネットで物理的に防ぐ
メダカの容器そのものを守るなら、いちばん確実なのがネットをかけることです。蚊が水面にたどり着けなければ、卵は産まれません。
使うのは、目の細かいネットや防虫網です。園芸用の防虫ネット、洗濯ネット、100円ショップの水切りネットなどが使われます。大事なのは目の細かさより、隙間がないこと。蚊は小さな隙間から入るので、容器のフチをしっかり覆ってください。
取り付けは、容器のフチに沿ってかぶせて、洗濯ばさみやゴムひもで留めるだけで足ります。風で飛ばないように何か所か留めておくと安心です。給餌のたびに外す必要はあるので、開け閉めしやすい形にしておくのがコツです。
ただし、夏場は注意が要ります。ネットをかけると水温が上がりやすくなることがあります。密閉に近い状態にすると熱がこもりますし、日陰をつくるつもりが逆効果になることも。風が通る素材を選び、直射日光の当たる場所では特に水温を確認してください。
選ぶときは、目合い(網目の細かさ)がミリ単位で書かれているものを探してください。0.6mm前後の園芸用防虫ネットなら、蚊が通り抜けにくくなります。フリーカットのものを買って容器の大きさに切って使うと、丸型でも角型でも合わせられます。
発生源になりやすい場所の点検
対策の効果を左右するのが、点検の範囲です。メダカの容器だけ見ていても、周りから飛んできては意味がありません。
大阪市淀川区は、発生源として下水溝、雨水マス、空き缶、古タイヤ、竹の切株、墓地の花立など水が溜まる場所を挙げ、側溝や排水マス、ブロック穴にも触れています。庭やベランダを見渡して、これに当てはまるものがないか確認してみてください。
意外に見落とされるのが、ブルーシートやすだれの窪みです。雨のあと、シートのたるみに水がたまっていることがあります。ここは日当たりもよく水も動かないので、蚊にとって理想的な環境になります。
また、メダカ飼育に特有の落とし穴として、使っていない予備の容器があります。屋外に重ねて置いたバケツやプラ舟に雨水がたまり、そこで湧いている。魚がいないので誰も食べません。使わない容器は伏せておく、これだけは習慣にしてください。
1週間に一度の入れ替えという考え方
水を残さざるを得ない場合の目安として、目黒区は1週間で入れ置き水の入れ替えを挙げています。これは蚊の成長の速さから逆算した数字です。
卵からサナギになるまでは1週間から2週間。つまり、1週間ごとに水を入れ替えれば、成虫になる前にリセットできるという理屈になります。メダカの容器では水を全部替えるわけにいきませんが、使っていないバケツや予備の容器については、この頻度を意識しておくと確実です。
すでに湧いてしまったときの対処

見つけてしまったときの話です。あわてる必要はありませんが、その日のうちに動いてください。幼虫の段階ならサナギになるまで数日ありますが、すでにサナギ(オニボウフラ)まで進んでいれば、2〜3日で羽化してしまいます。どちらの段階かを見分けるより、見つけた日に取るほうが早いです。
いちばん簡単なのは、すくって取り除くことです。目の細かい網やコーヒーフィルター、茶こしなどで水面付近をすくいます。ボウフラは水面近くで呼吸しているので、表層をすくうだけでかなり取れます。取ったボウフラは、そのまま別のメダカ容器に入れれば餌になります。
次に、メダカを移す、あるいは増やすという手があります。針子の容器で湧いてしまった場合、針子は食べられないので、成魚を数匹入れるほうが早いです。ただし針子と成魚を同居させると針子が食べられてしまうので、針子側を別容器へ移してから成魚を入れる、という順番になります。
そして、水草を一時的に減らすのも有効です。隠れ場所がなくなれば、メダカが見つけやすくなります。産卵床として使っているものは残す必要がありますが、浮き草が水面を覆い尽くしているようなら、半分ほど取り除くだけで効果が出ます。
すくうときのコツ
ボウフラは驚くと水中へ潜るので、いきなり網を突っ込んでも逃げられます。容器の影から静かに近づいて、水面のすぐ下を一気にすくうのがコツです。1回で取りきろうとせず、数分おきに何度かすくうほうが結果的に多く取れます。
取り残しがあっても気にしすぎないでください。小さい個体はメダカが食べてくれますし、大きい個体だけを減らせば、羽化する数はぐっと減ります。完全に取りきることより、羽化させないことが目的だと考えると気が楽になります。
そして、すくった翌日にもう一度見てください。1日のあいだに、潜っていた個体が水面へ上がってきています。2日続けてすくえば、ほとんど残りません。1回で終わらせようとするより、この2日方式のほうが確実です。
すくうのに使うのは、目の細かいフィッシュネットが扱いやすいです。メダカを移すときにも使えますし、1本あると屋外飼育の作業がひととおり片づきます。
取り除いたボウフラを、そのまま排水口や側溝へ流すのはやめてください。水のある場所へ流せば、そこで羽化する可能性があります。目黒区も大阪市淀川区も、側溝や排水マスを蚊の発生源として挙げています。取ったボウフラは、他のメダカ容器の餌にするか、水気を切って可燃ごみとして処分してください。捕っても流していたら、場所を移しただけになってしまいます。
薬剤を使うときの注意

最後に薬剤の話です。結論から言うと、メダカのいる容器には使わないでください。
市販のボウフラ駆除剤や殺虫剤は、昆虫に効くように作られています。魚に対しても影響が出る可能性がありますし、そもそもメダカがいる容器なら、薬を使わずに魚に食べてもらうほうが理にかなっています。
自治体が挙げている昆虫成長制御剤は、排水マスのように魚を入れられず水も抜けない場所のための手段です。家庭のメダカ容器とは前提が違います。混同しないようにしてください。
もし庭やベランダの別の場所で使う場合は、製品の使用方法と使用場所を必ず確認してください。水槽や池に使えるかどうかは製品によって異なりますし、隣家や周辺環境への配慮も必要です。判断に迷う場合は、お住まいの自治体の衛生担当窓口に相談するのが確実です。
あわせて気をつけたいのが、薬剤の飛沫や残留がメダカの容器に入ることです。容器に直接使わなくても、近くでスプレーを噴けば風でかかりますし、地面に撒いたものが雨で流れ込むこともあります。ベランダのように距離が取れない場所では、これが現実的なリスクになります。
近くで薬剤を使うときは、先に容器にフタやネットをかけて覆い、風向きを見てから噴いてください。できれば容器をいったん別の場所へ動かすほうが確実です。蚊取り線香や電気式の蚊取り機をベランダで使う場合も、煙や薬剤が水面に落ちない位置を選んでおくと安心できます。
薬剤に頼る前にできること
薬剤を考える前に、もう一度だけ確認してほしいことがあります。その水は、本当に残さなければいけない水かということです。
使っていない予備の容器、雨水をためているバケツ、植木鉢の受け皿。これらは水を捨てればそれで終わります。薬を買うより早く、費用もかかりません。自治体が発生源対策の第一に「水が取り除ける場所は取り除く」を挙げているのも、それがいちばん確実だからです。
そのうえで、どうしても水を残す必要がある場所だけが、次の手段の対象になります。魚を入れられるなら魚を、入れられないなら別の方法を。順番を守れば、家庭で薬剤が必要になる場面はそれほど多くありません。
ボウフラが湧いたこと自体は、そこまで落ち込まなくていいと思っています。水に有機物があって、動かない水面があるという条件がそろっただけですから。むしろ、見つけたその日に手を打てるかどうかのほうが大事です。夏場は週に一度、容器の周りをぐるっと見回る習慣をつけておくと、羽化まで行くことはまずなくなりますよ。
ボウフラとメダカについてよくある質問
メダカがいるのにボウフラが湧きました。何が悪いのでしょうか?
悪いというより、条件が重なっただけのことが多いです。よくあるのは、メダカが小さい(針子や稚魚の容器)、水草が茂ってメダカの届かない場所ができている、容器が広くて水面全体に目が行き届いていない、餌を十分に与えていて満腹、のいずれかです。
まず、容器の中でメダカが泳いでいない場所がないかを見てください。隅や水草の陰に空白があるなら、そこが温床になっています。匹数を増やすより、水草を減らす、容器を小さくする、餌の量を見直すといった対処のほうが効くことが多いです。
ボウフラは針子に害がありますか?
直接襲われるというより、同じ容器で餌を取り合う関係になると考えてください。ボウフラは水中の有機物や微生物を食べるので、針子が食べるはずの微生物が減ることになります。針子は餓死しやすい時期なので、これは小さくない影響です。
また、針子の容器ではメダカ側がボウフラを食べられないため、そのまま育って羽化してしまいます。針子の容器で見つけたら、すくって取り除くのがいちばん確実です。針子の管理そのものについては、別の記事で詳しく扱っています。
ボウフラをわざと湧かせて餌にするのはどうですか?
おすすめしません。たしかにメダカにとっては良い餌ですが、管理を一歩間違えると成虫の蚊を周囲にまき散らすことになります。蚊は人を刺すだけでなく、地域によっては感染症を媒介することもあります。自治体が発生源対策を呼びかけているのは、そういう理由です。
結果としてメダカが食べてくれるのは良いことですが、意図して増やすのは近隣への迷惑にもなりかねません。生き餌が欲しいなら、ミジンコやゾウリムシのように安全に培養できるものを選ぶほうがいいと思います。
冬もボウフラの対策は必要ですか?
気温が下がると蚊の活動は落ちるので、真冬に新しく湧くことは少なくなります。ただし、暖かい地域や、日当たりのよい場所に置いた容器では、時期がずれることもあります。
むしろ冬にやっておきたいのは、来シーズンに向けた片づけです。使っていない容器を伏せる、受け皿の水を捨てる、シートのたるみを直す。春になってから慌てるより、動きの少ない時期にやっておくほうが楽ですし、確実です。
水面に浮いている白い膜のようなものもボウフラですか?
別のものです。ボウフラは細長い体をくねらせて上下に動くので、見ればすぐ分かります。水面の膜状のものは、油膜やバクテリアの膜であることが多く、蚊とは関係ありません。
屋外の容器では、ほかにもさまざまな生き物が入り込みます。動き方と大きさを見れば、たいていは区別できます。水面や水中で見かけるものの見分け方は、白い点や虫の正体をまとめた記事にも整理していますので、あわせてご覧ください。
まとめ|ボウフラとメダカの付き合い方
ここまで、メダカがボウフラを食べるのかという疑問から、湧かせないための対策までを整理してきました。最後にまとめます。
メダカはボウフラを食べます。これは飼育者の体感だけでなく、自治体が蚊の発生源対策として魚を放すことを挙げているほど確かなことです。ボウフラは尾を水面に出して呼吸するので、水面近くを泳ぐメダカとは出会いやすい関係にあります。
それでも湧くのは、食べきれる量と大きさに限界があるからです。メダカが小さい、ボウフラが育ちすぎた、メダカが満腹、水草が茂りすぎている、容器が広すぎる。このあたりが主な原因になります。匹数を増やすより、メダカの目が届かない場所をなくすほうが効きます。
そして何より、蚊は速いです。卵からサナギまで1週間から2週間、サナギは2〜3日で羽化します。見つけたその日に対処するという感覚を持っておいてください。すくって取り除くのがいちばん簡単で、取ったボウフラは別のメダカ容器の餌にできます。ただし排水口へ流すのは避けてください。
湧かせないための対策は、産ませないことが最優先です。使っていないバケツは伏せる、植木鉢の受け皿の水は捨てる、シートのたるみを直す。メダカの容器そのものより、その周りの小さな水たまりのほうが危険なことが多いんです。容器を守りたいなら、目の細かいネットをかけるのが確実ですが、夏場の水温には気をつけてください。
薬剤については、メダカのいる容器には使わないでください。自治体が挙げている薬剤は、魚を入れられず水も抜けない場所のための手段です。メダカがいるなら、魚に食べてもらうほうが理にかなっています。
なお、この記事で紹介した日数はいずれも自治体が公開している目安であり、蚊の種類や気温によって変わります。薬剤を使用する場合は、製品の使用方法と使用場所を必ずご確認ください。地域ごとの蚊の対策については、お住まいの自治体が情報を公開していますので、そちらもあわせてご確認いただければと思います。屋外飼育の管理全般については、産卵から針子育成までをまとめた記事や針子の育て方の記事もあわせてどうぞ。



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