上部フィルターは自作できる?材料と作り方・ポンプ選びで失敗しないコツ
市販の上部フィルターでは物足りない、90cmや120cmの水槽に合うものが見つからない、亀の水槽にもっと大きなろ過槽を載せたい。そんな理由で、上部フィルターの自作を考えている人は多いかなと思います。
わかります、その気持ち。ネットを探すと、コンテナや100均のケースを使ったもの、アクリル板を貼り合わせたもの、塩ビ管でシャワーパイプを組んだものなど、作り方はたくさん見つかりますよね。
ただ、自作の上部フィルターがうまく動くかどうかは、見た目の工作よりも“ポンプの流量と揚程”“ろ過槽から水槽へ戻る排水の太さ”“水漏れと感電への備え”の3つでほぼ決まります。ここを外すと、ろ過槽から水があふれたり、ポンプが止まって発熱したりと、魚より先に部屋や家電が危なくなるんです。
この記事では、自作上部フィルターの作り方を、材料選びから作り方の手順、水量から必要な流量を割り出す計算、市販品との比べ方まで順番に整理しました。ポンプの数値は、メーカーが公開している仕様の数字を使って説明しています。
読み終わるころには、自分の水槽で自作が向いているのか、市販品を選んだほうが早いのかを、数字で判断できるようになるはずですよ。
- 上部フィルターの自作が向く水槽と向かない水槽の見分け方
- 水中ポンプを流量と揚程で選ぶ考え方と必要流量の計算
- コンテナ式の作り方とシャワーパイプ・排水口の作り方
- 水漏れ・あふれ・感電を防ぐ設置と点検のポイント
上部フィルターを自作する前に知る仕組みと材料選び
先に結論を言うと、上部フィルターの自作は“水中ポンプで水を持ち上げ、ろ過槽に通し、重力で水槽へ戻す”という単純な仕組みなので、材料自体はそれほど特別なものは要りません。難しいのは、ポンプが持ち上げる水の量と、ろ過槽から落ちていく水の量を釣り合わせることです。
この章では、まず自作が向いている水槽と向いていない水槽を分けてから、必要な材料とろ過槽の素材を整理します。そのうえで、水中ポンプを「流量」と「揚程」の2つの数字で選ぶ考え方と、水槽の水量から必要な流量を計算する手順を説明します。
最後に、市販の上部フィルターの仕様と自作のポンプの仕様を並べて、自作でどれくらいの能力を狙うのかを比べられるようにしました。作り始める前にこの章を読んでおくと、材料の買い直しがぐっと減るかなと思います。
上部フィルターの自作が向く水槽と向かない水槽

上部フィルターの自作が向いているのは、市販品に合うサイズが少ない大型水槽や、水を大きく汚す生体を飼う水槽です。逆に、60cm規格水槽のように市販品の選択肢が多いサイズでは、自作の手間に見合わないことが多いですよ。
理由はシンプルで、60cm水槽向けの上部フィルターは各社から出ていて、交換ポンプや交換マットも手に入りやすいからです。自作すると、ポンプ・ケース・パイプを個別にそろえる手間と、水漏れのリスクを自分で引き受けることになります。
一方で、90cmや120cmの水槽、亀の水槽で自作を考える人もいます。たとえば120cm水槽で、ろ過槽をもっと長く・深くしたいケース。水棲ガメのように食べ残しやフンが多く、ろ材をたっぷり入れたいケース。こうした場面では、自作のメリットがはっきり出ます。
自作が向くケース
- 90cm・120cmなど、市販の上部フィルターの選択肢が少ない水槽
- 水棲ガメや大型魚など、ろ材を多く入れたい飼育
- 既製品のろ過槽の長さ・深さでは足りないと感じている
- ポンプや配管の仕組みを自分で点検・交換できる
自作が向かないケース
- 60cm規格水槽で、市販品に不満がはっきりない
- 水槽の近くにコンセントや家電があり、水漏れの影響が大きい
- フタのないフレームレス水槽で、ふちに重さを載せられるか分からない
- 留守が多く、ポンプの停止や水位の低下にすぐ気づけない
“自作のほうが安いから”という理由だけで始めるのは、少し慎重になってもいいかもしれません。ポンプ単体の価格は能力によって大きく変わりますし、ろ過槽を水槽に安定して載せるための台や配管の部品も積み重なります。材料費を比べるなら、同じ水槽サイズの市販品の実売価格と、自作の材料を全部合計した額を並べてから決めるのがおすすめです。
また、水槽のふちに載せる重さにも気をつけたいところ。水を含んだろ材とろ過槽の中の水は、思った以上に重くなります。水槽そのものや水槽台に掛かる重さの考え方は、水槽台の自作で必要な強度と総重量の計算で整理しているので、大型水槽で作る人は先に目を通しておくと安心です。
まとめると、自作が向くのは“市販品のサイズや容量では足りない”と具体的に言える水槽です。そう言い切れないなら、まず市販品で困っている点を書き出してみてください。それが自作で解決できる点かどうかが、判断の分かれ目になりますよ。
自作に必要な材料と100均・ホームセンターの選び方
自作の上部フィルターに最低限要るのは、ろ過槽になる容器、水中ポンプ、ポンプからろ過槽へ水を送るホースかパイプ、ろ過槽の中で水を広げるシャワーパイプ、ろ過槽から水槽へ戻す排水口、そしてろ材です。ほとんどが100均とホームセンター、アクアショップでそろいます。
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| 材料 | 役割 | 主な入手先 | 選ぶときの目安 |
|---|---|---|---|
| ろ過槽(容器) | ろ材を入れて水を通す箱 | 100均・ホームセンター(コンテナ、衣装ケース) | 水槽のふちに安定して載る幅。水を入れても大きくたわまない厚み |
| 水中ポンプ | 水槽の水をろ過槽まで持ち上げる | アクアショップ・通販 | 流量と最大揚程の両方を仕様で確かめる(次の見出しで説明) |
| ホース・パイプ | ポンプからろ過槽へ水を送る | ホームセンター(塩ビ管・ホース) | メーカーが示す適合ホース径(内径)に合わせる。曲がりは少なく |
| シャワーパイプ | ろ材の上に水を均一に落とす | 塩ビ管とキャップで自作 | 穴の位置をろ材の上に均等に。穴の合計が流量に足りる大きさ |
| 排水口 | ろ過槽の水を水槽へ戻す | 塩ビ管・バルクヘッド、または容器の穴 | ポンプの流量より余裕をもって流せる太さ・数 |
| ストレーナー・スポンジ | ポンプがゴミや生体を吸い込むのを防ぐ | アクアショップ | ポンプの吸い込み口に合うもの。目詰まりしたら掃除する |
| ろ材 | ゴミをこし取り、バクテリアのすみかになる | アクアショップ | 上にウールマット、下にリング状などの生物ろ材 |
ろ過槽はコンテナ・アクリル・塩ビのどれで作るか
ろ過槽の素材は、大きく分けてプラスチックのコンテナ(衣装ケースや100均の収納ケース)、アクリル板の貼り合わせ、塩ビ板・塩ビ管の組み合わせの3つです。それぞれ手軽さと仕上がりに違いがあります。
初めて作るなら、コンテナが一番手軽です。すでに箱の形になっているので水漏れの心配がある接着作業がいらず、穴をあけるだけで済みます。気をつけたいのは、薄いケースは水とろ材の重さで底や側面がたわむこと。水を入れた状態で、ふちに載せた部分がゆがまないかを確かめてから使ってください。
アクリル板の貼り合わせは、水槽の幅にぴったり合わせた長いろ過槽が作れるのが強みです。ただ、接着がうまくいかないと継ぎ目からじわじわ漏れるので、加工に慣れていない人にはハードルが高め。塩ビは、配管部品と組み合わせやすく、排水口やシャワーパイプまで同じ素材でそろえやすいのが良いところです。
どの素材でも共通して大事なのは、“水槽の水に溶け出すものがないか”です。もともと食品やアクアリウム以外の用途で売られている容器は、表面の塗装やシールが付いていることがあります。使う前によく洗い、においや油分が残っていないかを確かめてから使いましょう。不安な場合は、容器のメーカーや販売店に用途を伝えて相談するのが確実です。
100均の材料で使いやすいのは、水切りかごやメッシュの小物入れ(ろ材を分けて入れるかご)、プラスチックのケース、結束バンドあたり。植物を育てるためにろ過槽を広げる改造の例は、上部フィルターに植物を置く方法と100均の改造アイデアでも紹介しています。
材料選びの結論は、“初回はコンテナ、慣れたらアクリルや塩ビ”。そして、ポンプとろ材だけはアクアリウム用のものを選ぶことです。ここをホームセンターの汎用品で代えると、流量や耐久性が読めなくなります。
水中ポンプは流量と揚程の2つの数字で選ぶ
自作の上部フィルターで失敗しやすいところのひとつが、ポンプ選びです。結論から言うと、ポンプは“流量(1分間にどれだけ水を送れるか)”と“揚程(どの高さまで水を持ち上げられるか)”の2つの数字をセットで見て選びます。流量だけで選ぶと、実際に水槽の上まで持ち上げたときに思ったほど水が上がらない、ということが起きやすいんです。
揚程というのは、ポンプが水を押し上げられる高さのこと。一般に、仕様に書かれる「最大流出量」は持ち上げる高さがほとんどないときの値と考えられ、持ち上げる高さが増えるほど、実際に流れる量は少なくなっていきます。そして「最大揚程」の高さに近づくと、水はほとんど上がらなくなります。
具体的な数字を見てみましょう。神畑養魚(カミハタ)の水中ポンプRio+(リオプラス)は、機種ごとに最大流出量・最大揚程・消費電力を50Hzと60Hzに分けて公開しています(出典:神畑養魚「リオプラスパワーヘッド 50~3100」製品仕様)。
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| 機種 | 最大流出量(L/分)50Hz/60Hz | 最大揚程(cm)50Hz/60Hz | 消費電力(W)50Hz/60Hz | 流出口の外径(mm) |
|---|---|---|---|---|
| Rio+ 400 | 5.6/6.8 | 50/70 | 2.0/4.7 | 13 |
| Rio+ 600 | 6.8/10.0 | 75/110 | 3.6/7.0 | 13 |
| Rio+ 800 | 8.0/11.2 | 92/130 | 4.8/9.1 | 13 |
| Rio+ 1100 | 22.0/26.0 | 165/200 | 18.0/23.5 | 19 |
| Rio+ 1400 | 24.0/28.0 | 175/215 | 19.5/26.0 | 19 |
| Rio+ 2100 | 32.0/38.0 | 215/250 | 32.0/38.5 | 19 |
この表から分かるのは、同じポンプでも50Hz地域と60Hz地域で能力がかなり違うことです。たとえばRio+ 600は、最大揚程が50Hzで75cm、60Hzで110cm。東日本と西日本で同じ機種を使っても、持ち上げられる高さが変わります。Rio+のように50Hz用と60Hz用に分かれているポンプは、使う地域に合ったものを選ぶ必要があり、カミハタも「周波数が合っていないと、ポンプは正常に作動しません」と案内しています。50Hz/60Hz兼用のポンプもあるので、手持ちの機種の仕様で確かめてください。
もうひとつ大事なのが、揚程の範囲を超えて使わないことです。カミハタは点検のポイントとして、揚程の範囲を超えて水を押し上げる範囲が長くなると「水の流れがわるくなり、インペラーに負荷がかかり停止します」と説明しています。インペラーは、ポンプの中で回って水を送る羽根車のこと。止まったまま電気が流れ続けると、発熱の原因にもなります。
自作で使う高さの見積もり方
上部フィルターでポンプが持ち上げる高さは、おおよそ“水槽の水面から、ろ過槽のシャワーパイプの吐き出し口まで”です。水槽の水面からふちまでが数cm、その上にろ過槽の高さが乗るので、合計で20〜40cmくらいになる例が多いかなと思います。ただしこれは例で、水槽とろ過槽の形で大きく変わります。必ず自分の水槽で、水面からシャワーパイプの吐き出し口までの高さを実際に測ってから機種を選んでください。
さらに、ホースが長かったり曲がりが多かったりすると、その分だけ流れにくくなります。そこで記事としての目安ですが、最大揚程が実際に持ち上げる高さの2倍以上ある機種を選ぶと、流量の落ち込みが小さく済みやすいです(これは記事の整理で、メーカーが示している基準ではありません)。たとえば持ち上げる高さが40cmなら最大揚程80cm以上、50cmなら100cm以上の機種を候補にする、という考え方です。
ポンプの「最大流出量」は、ほぼ持ち上げない状態での値と考えておきましょう。実際に上部フィルターとして使うと、流量はこれより少なくなります。正確な性能は、各メーカーの公式サイトや取扱説明書をご確認ください。
まとめると、ポンプは“使う地域の周波数に対応しているか”“最大揚程に余裕があるか”“流量が水量に足りるか”の順で絞り込むと迷いにくいですよ。流量が足りるかどうかは、次の見出しの計算で確かめます。
Rio+のように50Hz用と60Hz用が分かれたポンプでは、たとえばRio+ 1100の50Hz用(東日本向け)が、この記事の90cm水槽の計算例で候補にした機種です。西日本(60Hz)の地域では60Hz用を選び、価格や在庫は購入前に各ショップで確認してください。
必要な流量を水量から計算する手順

ポンプの流量が足りているかどうかは、“1時間に水槽の水が何回ろ過槽を通るか(循環回数)”で考えると分かりやすいです。計算は、ポンプの流量(L/分)×60分÷水槽の水量(L)だけ。電卓ひとつでできますよ。
まず水槽の水量を出します。水量は“幅×奥行×高さ(cm)÷1000”で、おおよそのリットル数になります。ただしこれは水槽の外寸いっぱいに水が入った場合の値で、実際はガラスの厚み、底砂、水面の高さの分だけ少なくなります。ここでは比べやすいように外寸から出した値を使います。実際の水量はこれより少ないので、実際の循環回数は表の計算より多くなります。
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| 水槽サイズ(幅×奥行×高さ) | 外寸からの水量の概算 | 1時間に3回回すのに要る流量 | 1時間に5回回すのに要る流量 |
|---|---|---|---|
| 60×30×36cm | 約64.8L | 約3.2L/分 | 約5.4L/分 |
| 90×45×45cm | 約182.3L | 約9.1L/分 | 約15.2L/分 |
| 120×45×45cm | 約243.0L | 約12.2L/分 | 約20.3L/分 |
この表の“1時間に〇回”の流量は、計算の手順を見せるための例です。何回回せば十分かは、魚の数や大きさ、餌の量、ろ材の量で変わるので、決まった正解はありません。とはいえ、市販の上部フィルターが実際にどれくらい回しているかを見ると、自作で狙う数字の参考になります。
たとえばジェックスの「グランデ900」(90cm水槽用の上部フィルター)は、公式の仕様で流量が12L/分(50Hz)、13L/分(60Hz)です(出典:ジェックス株式会社 製品ページ)。1時間に直すと50Hzで720L。90×45×45cmの外寸から出した約182.3Lで割ると、1時間に約4.0回の計算になります。
同じく60cm水槽用の「グランデ600」は9.5L/分(50Hz)、10.5L/分(60Hz)。1時間で570Lなので、60×30×36cmの約64.8Lで割ると約8.8回です。市販品でも水槽サイズによって循環回数にはかなり幅があることが分かりますね。
60cm水槽用の市販の上部フィルターを流量・ろ過槽・電気代で並べて比べたいときは、60cm用の5機種を比べた解説も参考にしてみてください。
計算の手順(90cm水槽を例に)
- 水量を出す:90×45×45÷1000=約182.3L(外寸からの概算)
- 狙う循環回数を決める:市販品のグランデ900と同じくらいなら約4回
- 必要な流量を出す:182.3×4÷60=約12.2L/分
- 揚程で落ちる分を見込む:最大流出量がこの数字より十分大きい機種を選ぶ
4つ目の“落ちる分”がポイントです。前の見出しの表でいうと、Rio+ 800の最大流出量は50Hzで8.0L/分なので、90cm水槽で約12L/分を狙うには、そもそも最大値の時点で足りません。一方、Rio+ 1100は50Hzで22.0L/分・最大揚程165cmなので、30〜40cm持ち上げても目標の流量に届く見込みが高くなります。
逆に、流量を大きくしすぎるのも考えもの。流量が多いほど、ろ過槽から水槽へ戻す排水口も太くしなければならず、あふれのリスクが上がります。ポンプに付いている流量調節で絞る方法もありますが、カミハタは「流量を極端に抑えると部品の短寿命や製品の故障につながります」と注意しています。最初から水槽に合った能力の機種を選ぶのが、いちばん素直な方法です。
この計算はあくまで目安を出すためのものなので、実際に動かしたら、シャワーパイプから出る水の勢いと、ろ過槽の水位を見て調整してください。数字で当たりを付け、目で確かめる。この2段構えが、自作では一番確実ですよ。
市販の上部フィルターと自作の能力を比べる

自作に取りかかる前に、市販の上部フィルターと自作のポンプを同じ物差しで並べておくと、“自作で何を良くしたいのか”がはっきりします。ここでは、ろ過槽の容量・流量・消費電力を並べてみました。
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| 比べる項目 | グランデ600(ジェックス・60cm水槽用) | グランデ900(ジェックス・90cm水槽用) | 自作(例:Rio+ 1100+コンテナ) |
|---|---|---|---|
| ろ過槽容量 | 3.9L | 7.3L | 容器しだい(自分で決める) |
| 流量(50Hz/60Hz) | 9.5L/分/10.5L/分 | 12L/分/13L/分 | 最大22.0L/分/26.0L/分(持ち上げると減る) |
| 消費電力(50Hz/60Hz) | 11W/10W | 13W/12W | 18.0W/23.5W |
| 使用環境 | 淡水 | 淡水・海水 | ポンプと材料の仕様しだい |
| 交換部品 | 交換ポンプ GB-600P・専用マットあり | 交換ポンプ MB-900・専用ろ過材あり | ポンプはメーカーの部品、ほかは自分で用意 |
市販品の数値は、ジェックス株式会社の製品ページの仕様(ろ過槽容量・流量・消費電力・使用環境)です。自作の列のポンプの数値は、前の見出しで紹介したカミハタの仕様の最大値です。
この表を見ると、自作で市販品より大きく変えられるのは“ろ過槽の容量”です。グランデ900のろ過槽は7.3L。容器を大きくすれば、それ以上のろ材を入れられます。一方で、ポンプの能力を上げると消費電力も上がる点は押さえておきたいところ。表の例では、自作のポンプのほうが消費電力が大きくなっています。
電気代は、消費電力(W)×24時間×日数÷1000で月の電力量(kWh)を出し、契約している電力会社の単価を掛ければ計算できます。たとえば18.0Wなら、18.0×24×30÷1000=約13.0kWh/月。単価は契約によって違うので、ご自宅の明細で確かめてください。
もうひとつの違いは、部品の手に入れやすさです。市販品は交換ポンプや専用マットがメーカーから出ていて、壊れたときに同じ形の部品で戻せます。自作は、ポンプ以外の部品が壊れたときに自分で同じものを探して作り直す必要があります。
市販品で足りるかを確かめたい人は、比較表に入れたジェックスのグランデ900(90cm水槽用)の仕様と価格を、各ショップで見ておくと判断しやすいですよ。
比べた結論としては、“ろ材をもっと入れたい”“市販品にない長さが欲しい”が目的なら自作の意味が大きく、“流量を上げたいだけ”なら市販品の大型モデルや別方式のフィルターを足すほうが手堅い場合もあります。外部フィルターと組み合わせる考え方は、外部フィルターと上部フィルターの併用の注意点で詳しく書いています。
上部フィルターの自作手順と水漏れ・故障を防ぐ使い方
ここからは、実際に上部フィルターを自作する手順に入ります。結論を先に言うと、作業そのものは“容器に穴をあける”“パイプをつなぐ”“ろ材を入れる”の3つです。かかる時間は、慣れや加工の方法で大きく変わります。ただし、本当に大事なのは組み立てた後の試運転と、水漏れ・あふれ・感電への備えです。
この章では、コンテナを使った作り方を手順ごとに説明し、続いてシャワーパイプと排水口の作り方を詳しく見ていきます。排水口の太さは、あふれを防ぐうえでいちばん大切なところなので、少し丁寧に書きました。
そのあと、ろ材の入れ方と立ち上げ後の点検、そして電源まわりの安全対策をまとめています。メーカーの取扱説明書に書かれている注意点も引用しているので、作り終えた後のチェックリストとしても使ってみてください。
コンテナ式上部フィルターの作り方と手順

コンテナ式は、ろ過槽になる容器の底に排水口をあけ、その上にろ材を入れ、ポンプからの水をシャワーパイプで落とす作りです。作業の前に、水槽のふちに容器を置いてみて、ぐらつかないか、照明やフタと干渉しないかを確かめておきましょう。
手順1:容器の置き場所と向きを決める
容器は水槽のふち(フレーム)に渡すように置くのが基本です。片側だけに重さが掛からないよう、左右のバランスを見ながら位置を決めます。容器の底が水面より上にあり、排水が水槽の中に落ちる位置かどうかも確認してください。
手順2:排水口の穴をあける
容器の底の、水槽の内側に来る位置に排水口の穴をあけます。穴の数と大きさは次の次の見出しで詳しく説明しますが、迷ったら“少し大きめ・複数”にしておくのがおすすめ。穴のふちは、やすりでバリ(削りかす)を取っておくと、ゴミが引っかかりにくくなります。
手順3:ポンプとホースをつなぐ
水中ポンプの流出口にホースをつなぎます。ホースは、流出口の外径の数字ではなく、メーカーが示す適合ホース径(ホースの内径)に合わせて選びます。たとえばカミハタは水棲ガメ用のリオプラスタートル(180/800/1400)の仕様で、適合ホース径を内径12mm・内径19mm、アダプター使用時は内径16mmとしています。ゆるいと継ぎ目から水が漏れ、きついと差し込むときに部品を傷めるので、手持ちのポンプの仕様で確かめましょう。塩ビ管を使う場合も、流出口に直接差し込まず、メーカーのアダプターや配管部品を介してつなぎます。
ポンプを沈める高さにも気をつけます。ジェックスは上部フィルターの交換ポンプのよくある問い合わせで、細かな砂利を使っているとポンプが砂利を吸い込む可能性が高くなるとして、「ストレーナーは底砂から最低1~3㎝以上離した位置に設置くださいますよう、お願いいたします」と案内しています。ストレーナーは、ポンプの吸い込み口に付けるかご状の部品のこと。自作でも、吸い込み口は底砂から離して置いてください。
手順4:シャワーパイプを取り付ける
ホースの先にシャワーパイプをつなぎ、ろ過槽の上に渡します。パイプの穴が下を向き、ろ材の上に水が広く落ちる向きにするのがコツです。作り方は次の見出しで説明します。
手順5:ろ材を入れる前に水だけで試運転する
ろ材を入れる前に、ポンプを水槽に沈めて水だけを回してみます。シャワーパイプから水が出るか、ろ過槽の水位が上がり続けないか、排水口から水槽へきれいに落ちているか、継ぎ目から漏れていないかを見ます。ここで問題があれば、ろ材を入れる前に直せるので手戻りが少なくて済みます。
手順6:ろ材を入れて本運転に入る
試運転で問題がなければ、いったん電源プラグを抜いてからろ材を入れ、もう一度動かします。ろ材が入ると水の通り方が変わるので、水位とあふれの確認はもう一度やり直してください。
作り方の結論は、“水だけの試運転を必ずはさむ”こと。ここを飛ばしていきなりろ材と魚を入れると、あふれや漏れが起きたときに慌てて全部を取り出すことになります。
シャワーパイプを自作するときのコツ
シャワーパイプ(散水パイプ)は、ポンプから上がってきた水を、ろ材の上に広く均一に落とすための部品です。結論から言うと、穴を“ろ材の幅いっぱいに等間隔で”あけ、穴の合計の大きさが流量に見合っていることが大切です。
シャワーパイプがないと、水はホースの出口の真下にだけ落ち、ろ材のその部分ばかりに水が通ります。そうなるとろ材の他の部分はほとんど使われず、せっかく大きなろ過槽を作っても能力を生かせません。市販のグランデ600も、公式の説明で「独自のオーバーフロー式散水機採用」とうたっていて、水を広げる仕組みが重視されていることが分かります。
作り方の基本
- ろ過槽の長さに合わせて塩ビ管を切る
- 片方の端をキャップでふさぎ、もう片方をホースとつなぐ
- パイプの下側に、等間隔で小さな穴を一列にあける
- 水を流して、穴から出る水の量が端と端でそろうか確かめる
穴の大きさと数は、小さすぎるとパイプの中の圧力が上がって継ぎ目から水が噴き出し、大きすぎると手前の穴からばかり水が出て奥まで届きません。最初は小さめの穴を少なめにあけ、水を流しながら少しずつ増やしていくと失敗しにくいですよ。
穴を下向きにするか、少し斜め下にするかは好みが分かれるところ。真下に向けるとろ材の一点に強く当たりやすく、斜めにすると広がりやすくなります。ろ材の一番上にウールマットを敷いておくと、水の勢いが和らぎ、下のろ材に均一にしみ込みます。
シャワーパイプは、ろ過槽から簡単に取り外せるように載せておくのがおすすめです。穴はゴミや藻で少しずつ詰まるので、取り外して歯ブラシなどで掃除できる作りにしておくと、メンテナンスがぐっと楽になりますよ。
シャワーパイプの穴が詰まってくると、パイプの中の圧力が上がり、ポンプに負担が掛かります。カミハタは、流量調整付流出アダプターを絞り過ぎると「インペラーに過度の負荷がかからないように、絞りを緩めてください」と案内しています。穴の詰まりも、出口を絞るのと同じ状態を作るので、定期的な掃除を忘れないでください。
まとめると、シャワーパイプは“等間隔の穴”“取り外して掃除できる”“上にウールマット”の3点を押さえておくと、自作でもうまく動きやすくなります。
排水口とオーバーフロー対策であふれを防ぐ

自作の上部フィルターでいちばん怖いのが、ろ過槽から水があふれることです。結論から言うと、排水口は“ポンプの流量より余裕をもって流せる大きさ”にし、さらに“排水口が詰まったときの逃げ道(オーバーフロー)”を用意しておくのが基本です。
上部フィルターは、ポンプが水を上げる量と、排水口から水槽へ落ちる量が釣り合って初めて水位が安定します。ポンプの流量のほうが多いと、ろ過槽の水位はじわじわ上がり、最後には容器のふちから外へあふれます。水槽の外にこぼれた水は、床や家電、コンセントにまで届くおそれがあるので、ここは絶対に手を抜かないでください。
あふれが起きやすい原因
- 排水口の穴が小さい・数が少ない
- ウールマットやろ材が目詰まりして水が下に抜けない
- 排水口に落ち葉状のゴミや水草の切れ端が引っかかる
- ポンプの流量を後から上げた(周波数違いや機種変更を含む)
対策として効果的なのが、オーバーフロー用の逃げ道です。ろ過槽の側面の、容器のふちより低く、ふだんの水位より高い位置に穴をあけ、そこから水槽の中へ水が落ちるようにしておきます。この穴は、排水口がすべて詰まったときにポンプの最大の流量を一手に受けることになるので、排水口と同じくらい余裕のある大きさ・数にしてください。こうすると、排水口やろ材が詰まって水位が上がっても、水は容器のふちを越える前にこの穴から水槽へ戻ります。
オーバーフロー用の穴は、必ず水槽の内側に水が落ちる位置にあけてください。水槽の外側にあけると、詰まったときに水が床へ流れ出ます。また、試運転では排水口をわざとすべてふさぎ、それでも容器のふちを越えずにオーバーフローの穴から水槽へ戻ることを確かめておくと安心です。
ろ材の詰まりによる水位の上昇は、ろ材を詰め込みすぎたときにも起こります。ろ過槽にろ材を入れる量の目安と、詰めすぎで起きるトラブルについては、上部フィルターのろ材の入れすぎで起きる故障とサインで詳しく解説しています。
水槽の水位にも注意が必要です。コトブキ工芸の10L水槽セット「ビュース」の取扱説明書では、水漏れのように見える原因として「ガラスブタ受けから表面張力により水が伝っている」「最大水位の目安以上に水が入っている」が挙げられています。水槽セットについての案内ですが、自作のろ過槽を載せる水槽でも、水位を上げすぎない目安になります。
排水口の結論は、“余裕のある太さ”“詰まったときの逃げ道”“試運転でわざと詰まらせて確かめる”の3つ。ここまでやっておけば、あふれの心配はかなり減らせますよ。
ろ材の入れ方と立ち上げ後の点検ポイント
ろ過槽ができたら、いよいよろ材を入れます。結論として、上から“ウールマット(物理ろ過)”→“リング状などの生物ろ材”の順に重ね、ろ過槽の上のほうに水の通り道となる空間を残しておくのが基本です。
一番上のウールマットは、大きなゴミをこし取る役目です。ここで汚れを止めておくと、下の生物ろ材が汚れにくくなり、バクテリアのすみかとして長く働いてくれます。ウールマットは汚れたら洗うか交換し、生物ろ材は飼育水で軽くすすぐ程度にとどめるのが一般的です。ろ材の組み合わせと順番は、上部フィルターのろ材の最強の構成と順番でも整理しています。
ろ過槽の中に水がたまる量は、自作の大きな特徴です。この記事の作り方は容器の底に排水口をあける形なので、ろ過槽の中の水位は、ポンプの流量と排水口の数・大きさの釣り合いで決まります(ろ過槽の中に一定の水位を保ちたい場合は、立ち上げた排水管を使うなど別の作りになります)。ろ材が水に浸かる部分を増やすと、水の中で働くバクテリアの場所が増えます。逆にろ材の上の部分を空気に触れさせると、水が落ちるときに酸素が取り込まれやすくなります。どちらを優先するかは飼育する生き物で変わるので、排水口の数を少しずつ変えて様子を見るのがおすすめです。
自作のろ過槽は市販の専用マットと大きさが合わないことが多いので、容器に合わせて切って使えるウールマットがあると便利です。目の細かさや厚みは商品によって違うので、購入前に各ショップで確認してください。
立ち上げ後に見ること
- ポンプが止まらず、シャワーパイプから水が出続けているか
- ろ過槽の水位が日を追って上がっていないか
- ポンプから異音がしないか
- 水槽の水位が下がりすぎていないか(ポンプが水面から出ていないか)
この点検項目は、カミハタのRioポンプの「点検のワンポイントアドバイス」と重なります。カミハタは、ポンプが止まっていないか、異常音がしていないかを確かめるよう案内し、そのまま使うと「発熱、変形、感電、製品故障の恐れがあります」と注意しています。
とくに見落としやすいのが、ポンプの吸い込み口の詰まりです。カミハタはフィルターセットや底面フィルターについて、「フィルターが目詰まりを起こすとポンプが水を吸い込む際に負担がかかり、故障するおそれがあります」と説明しています。自作でポンプの吸い込み口にスポンジを付けた場合も同じなので、ろ材の掃除と一緒にスポンジも点検してください。
ポンプそのものも消耗品です。コトブキ工芸の「ビュース」の取扱説明書は「水中ポンプは1年間が交換の目安です。」としています。ジェックスはグランデ900の交換用ポンプ(MB-900)のよくある問い合わせで、ポンプの寿命を「おおよそ1年から1年半ほど」とし、長く使うと内部の電気部品が劣化して、流量の低下や、最終的にはポンプが停止するなどの症状が出る場合があると説明しています。ただしMB-900は、同社が「水中ポンプとは異なり」と書くとおり上部フィルター本体に組み込む型のポンプです。自作で水中ポンプを使うなら、短いほうの1年を目安に、流量が落ちてきたら掃除で戻るか、交換の時期かを見分けてください。なおジェックスは、グランデカスタム600のよくある問い合わせで、モーターからの音が気になって油をさしたいという質問に「手持ちの油は絶対に差さないでください。故障の原因になります。」と答えています。
立ち上げたばかりのろ材は、バクテリアが育つまで水をきれいにする力が十分ではありません。水が白く濁ったり、水質検査で亜硝酸が出続けたりする時期があるのはそのためです。対処の目安は、水槽の亜硝酸が下がらない原因と対処法で説明しているので、立ち上げ直後の水の変化が心配な人は参考にしてみてください。
点検の結論は、“水位・音・水の出方”を毎日ひと目見る習慣をつけることです。自作のフィルターは、ちょっとした変化に早く気づけるかどうかで、トラブルの大きさが変わりますよ。
電源と感電・発熱を防ぐ安全対策
自作の上部フィルターは、水と電気を同じ場所で扱う装置です。結論から言うと、“コンセントに水が伝わらない配線”“手を入れる前にプラグを抜く”“ポンプを水から出さない”の3つは、作り方より先に守ってほしいルールです。
コトブキ工芸の10L水槽セット「ビュース」の取扱説明書には、電源について次の注意があります。水槽セットについての案内ですが、自作のフィルターでも共通して役立つ内容です(出典:コトブキ工芸「ビュース」取扱説明書(PDF))。
- 電源コンセントは、水槽より高い位置で使う。やむを得ず低い位置で使う場合は、水滴だまりを設けて水滴がコンセントに流れ込まないようにする
- タコ足配線にしない
- 電源プラグを差し込むときは、ぬれた手で行わない
- 電源コードを無理に曲げたり、上に重いものを乗せたりしない
- メンテナンスなどで水槽内に手を入れるときは、必ず水中ポンプの電源プラグを抜いてから行う
水滴だまりとは、コードをコンセントより低い位置まで一度たるませておくことです。コードを伝ってきた水が、たるみの一番低いところから床へ落ち、コンセントまで届かなくなります。自作でポンプのコードを水槽の外へ出すときは、必ずこのたるみを作っておきましょう。海水で使う場合について、同じ説明書は「塩分は電気を通します」として、塩分の付着に注意し早めに清掃するよう案内しています。
ポンプの発熱を防ぐ
カミハタは、以前のRioポンプの一部製品でモーターの加熱から発煙事故が起きたことを公表しています。原因として考えられるのは、インペラーが何らかの理由で止まり、過負荷でモーターが加熱し、樹脂の変形や炭化から水が電源部に達してショートしたこと、と説明されています。2009年4月付のこの告知では、当時のRio+全機種にモーターの異常加熱を防ぐ仕様を施したとしつつ、定期的な点検を呼びかけています。
インペラーが止まる原因として、カミハタの点検項目には、ゴミの詰まり、インペラーの磨耗、揚程の範囲を超えた使用、流出アダプターの絞り過ぎ、ポンプが水中から出てしまうことが並んでいます。「水位の低下などでポンプが水中から出てしまうと本体が過熱し、インペラーが停止します」とあるように、自作で水槽の水位が下がりやすい環境では、とくに気をつけたいところです。
もうひとつ、カミハタはRioポンプの点検項目で「ON・OFFを繰り返すような装置は、使用できません」と案内しています。自作のフィルターにタイマーなどをつなぎたい場合は、使うポンプの取扱説明書で使えるかどうかを必ず確かめてください。正確な情報は各メーカーの公式サイトをご確認ください。
電気まわりは、作った本人しか中身を知らないのが自作の弱点です。少しでも不安があれば、使うポンプのメーカーや、アクアショップ、電気工事の専門家に相談してください。コンセントまわりや漏電を防ぐ設備のことも、電気の専門家に確かめてもらうと安心です。最終的な判断は専門家にご相談ください。安全を確保したうえで、自作ならではの大きなろ過槽を楽しんでいきましょう。
上部フィルターの自作についてよくある質問
亀の水槽に自作の上部フィルターは使えますか?
使えますが、亀ならではの注意点があります。カミハタは水棲ガメ用のポンプ「リオプラスタートル」の注意として、カメがコードなどにかみついたり傷つけたりしないよう対策すること、水量が少ないと水温が上昇すること、カメの種類やサイズによっては強い水流がストレスになる場合があることを挙げています。水位を低めにして飼う場合は、ポンプが水面から出ないかも合わせて確かめてください。
市販の上部フィルターのポンプだけを交換して能力を上げてもいいですか?
市販品のろ過槽と排水口は、付属ポンプの流量を前提に作られていると考えられます。流量の大きいポンプに替えると、排水が追いつかずにあふれるおそれがあります。交換するなら、まずはメーカーが指定している交換ポンプ(グランデ600ならGB-600P、グランデ900ならMB-900など)を使うのが安全です。
ポンプから水が上がる途中でボコボコと音がします。
空気をかんでいる可能性があります。ジェックスは、上部フィルターの吐出口からボコボコと音がする場合について、新しいろ材をセットした際はろ材に空気が含まれやすく、その空気が吐出口に流れ込んで音が出る場合があると説明しています。自作でも、立ち上げ直後はしばらく様子を見て、ホースの継ぎ目がゆるんでいないかも確かめてください。
フレームレス水槽にも自作の上部フィルターを載せられますか?
フレームレス水槽は、ふちのガラスに直接重さが掛かります。水とろ材の入った自作のろ過槽はかなり重くなるので、水槽のメーカーが上部フィルターを載せてよいとしているかを先に確かめてください。ジェックスも市販の上部フィルター(デュアルクリーン600)の案内で、枠なし水槽に設置する場合は水槽内に落下しないように注意すること、枠のない水槽は「構造上伝い漏れの恐れがありますのでご注意ください」と書いています。分からない場合は、水槽の上に載せず、水槽台の横などに置ける別の方式を考えるほうが安心です。
上部フィルターの自作のまとめと判断の目安
上部フィルターの自作は、コンテナなどの容器・水中ポンプ・シャワーパイプ・排水口・ろ材がそろえば形にできます。ただ、うまく動くかどうかを決めるのは工作の腕よりも、ポンプの流量と揚程、排水口の太さ、そして水と電気への備えです。
- 自作が向くのは90cm・120cm水槽や亀の水槽など、市販品の容量では足りない水槽
- ポンプは周波数・最大揚程の余裕・流量の順で選ぶ
- 流量は“流量×60÷水量”で1時間の循環回数を出して確かめる
- 排水口は余裕のある太さにし、詰まったときのオーバーフローを水槽の内側に用意する
- ろ材を入れる前に水だけで試運転し、あふれと漏れを確かめる
- 水滴だまり・手を入れる前のプラグ抜き・ポンプを水から出さないの3つを守る
迷ったときは、まず市販の上部フィルターの仕様と、自分の水槽で必要な流量を並べてみてください。市販品で足りるなら、交換部品が手に入りやすい市販品を選ぶのが堅実です。足りない理由が“ろ過槽の大きさ”や“長さ”なら、自作に挑戦する価値は十分にあります。
この記事の数値は、メーカーが公開している仕様をもとにした一般的な目安です。ポンプの能力や使い方の注意は機種ごとに違うので、正確な情報は各メーカーの公式サイトや取扱説明書をご確認ください。電気や設置の安全に不安があるときは、最終的な判断は専門家にご相談ください。
自分の水槽にぴったり合ったろ過槽が作れるのは、自作ならではの楽しさです。安全を一番に、無理のない範囲で取り組んでみてくださいね。


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