アオミドロに除去剤は効く?手で取ってから使う選び方と失敗を避ける注意点
水草に緑の糸がもじゃもじゃと絡みついて、取っても取ってもまた伸びてくる。そんなアオミドロに手を焼いて、除去剤や駆除の薬で一気に片づけたいと考えている方は多いと思います。でも、エビや水草がいる水槽に薬を入れて大丈夫なのか、どのコケ除去剤ならアオミドロに効くのか、メダカの容器にも使えるのか、迷うところですよね。
先に結論をお伝えすると、今回メーカーの資料を調べたアオミドロの除去剤は、どれも入れただけで糸の塊を溶かして消す薬ではありませんでした。メーカーが対象にアオミドロを挙げている淡水用の液体を選び、大きな塊を手で取り除いてから、水草やエビの条件と規定量を守って使う補助の手段です。アオミドロ対策の土台は、光と栄養を減らすことにあります。
この記事では、テトラのコケブロックとカミハタのアンチグリーンという、アオミドロの名前が商品の説明に出てくる2つのコケ除去剤を中心に、メーカーの商品ページと取扱説明書の内容を並べて比べました。水槽の水量から投与量を計算する方法、ウィローモスやエビがいる水槽で使えるかの判断、活性炭や殺菌灯との付き合い方、効かないときの考え方、オキシドールを使ってよいかまで、順番に整理しています。
- アオミドロ除去剤の種類と効き方の違い
- コケブロックとアンチグリーンの使い方と投与量の計算
- エビ・ウィローモス・メダカの容器で使えるかの判断
- 除去剤に頼りすぎない再発防止のコツ
アオミドロ除去剤の種類と選び方、効き方の違い
まずは、アオミドロ除去剤を選ぶ前に知っておきたいことを整理します。本当にアオミドロなのかの見分け方、除去剤がどこまで効くのか、液体タイプとろ材・底砂タイプの違い、そして代表的な2製品の使い方と、水量からの計算方法まで、順番に見ていきましょう。コケ除去剤は、製品ごとに得意なコケも、入れる量や日数も、使えない水草も違います。名前が似ていても中身は別物なので、ほかの製品の量や注意をそのまま当てはめないことが、ここでの大事なポイントです。迷ったときは、この章の比較表に戻ってきてくださいね。
除去剤を使う前にアオミドロかを見分ける

除去剤を選ぶ前に、水槽に生えているのが本当にアオミドロかを確かめておきましょう。コケの種類によって効きやすい除去剤が違うので、ここを取り違えると、効かない製品を使い続けることになりがちです。
アオミドロは、緑藻の仲間であるアオミドロ属の総称です。日本大百科全書(コトバンク)では、枝分かれしない毛髪のような細長い糸状の体をつくり、糸どうしがもつれ合って乱れ髪のように水中に茂ると説明されています。百科事典マイペディアには、さわるとぬるぬるすること、体がちぎれて増えることも書かれています。
水槽での見え方は、テトラのコケブロックの商品ページにあるコケの一覧が分かりやすいです。アオミドロの見た目は「付着した地点から長く密集して生える。密生してトロロ状になりやすい。」とされ、特徴として「除去は容易だが水草などに絡まっていると除去の際に巻き込んでしまう恐れがある。」と書かれています。同じ一覧では、別の行に糸状コケが分けられていて、こちらは緑色や黒色で、付着した地点から1本ずつ短く生え、密生すると除去が難しくなるという説明です。
| 見分けるポイント | アオミドロ | 糸状コケ | ひげ状コケ |
|---|---|---|---|
| 色 | 緑色 | 緑色や黒色 | 黒色 |
| 生え方 | 長く密集して生え、トロロ状になりやすい | 1本1本短く生える | 付着した地点を中心にフサ状に伸びる |
| 取りやすさ | 除去は容易。ただし水草に絡むと巻き込みやすい | 密生すると除去が困難 | しっかり付いていて除去が困難 |
| 原因とされるもの | 水の栄養過多 | 栄養過多や長時間の光 | 底床の汚れ、エサなどに含まれるリン |
※テトラ コケブロックの商品ページのコケの一覧をもとに整理しました。
指でつまむと、ぬるっとした緑の糸がずるずると長く取れるならアオミドロの可能性が高いです。反対に、葉や流木に短い毛がびっしり生えて取れにくいなら糸状コケ、黒っぽい房ならひげ状コケを疑ってみてください。アオミドロとよく似た見た目の藻には、ホシミドロやヒザオリといった仲間もいて、顕微鏡で葉緑体の形を見ないと区別できないとされています。家庭の水槽ではそこまで確かめる必要はないので、長い緑の糸が絡まっているかどうかを目安にすれば十分かなと思います。
除去剤を選ぶときは、ラベルや商品ページで、効果があるコケとしてアオミドロが挙がっているか、どのくらいの効き方だと書かれているかを確かめましょう。アオミドロの名前が出てきても、効きにくいとされるコケと一緒に並んでいることもあるので、書き方まで読むのがポイントです。
除去剤だけでは消えにくい理由と役割
アオミドロの除去剤に期待しすぎないことが、うまく付き合う第一歩です。大きく茂ったアオミドロを、薬だけで消すのはかなり難しいと考えておきましょう。
日本大百科全書には、養魚池や田んぼでのアオミドロについて、雑草に効く除草剤も藻にはあまり効かず、「いまのところ強力な除藻剤がみつかっていない」と書かれています。さらに、アオミドロが小さいうちに手当てをすればある程度は目的を果たせるものの、大きく茂ってからでは、一つひとつの細胞が独立して生きているために「再生力がきわめて強く」、思うように除去できないとも説明されています。これは池や水田についての記述ですが、水槽でも、糸の切れはしが残ればそこからまた増える、という点は同じように考えておくと安心です。
水槽用のコケ除去剤のメーカーも、使い方の中で同じ方向のことを書いています。テトラのコケブロックの注意事項には「コケが大量に発生している場合は、コケを除去してからご使用ください。」とあり、カミハタのアンチグリーンの取扱説明書でも、使用方法の1番目が、コケが多い場合はある程度取り除くことになっています。
つまり、アオミドロ除去剤の役割は、次の2つと考えるのが現実的です。
- 手で取りきれない細い糸や、生え始めの小さなアオミドロを抑える
- 取り除いたあとの再発を、光と栄養の見直しが効いてくるまで抑える
反対に、水槽いっぱいに広がった塊を、除去剤を入れて放っておくだけで消そうとするのは、うまくいかないことが多いです。枯れた藻が水の中に残ると、それ自体が水を汚す原因にもなりかねません。この点は、後半の手で取り除く手順の見出しで詳しくお話ししますね。
液体タイプとろ材・底砂タイプの違い

コケ対策の商品には、水に入れる液体タイプと、ろ材や底砂にコケを抑える成分を持たせたタイプがあります。今あるアオミドロに手を打ちたいなら、すでに生えたコケへの使い方が示された液体タイプが候補になります。ろ材・底砂タイプは、どちらかといえばこれから生えにくくするための予防寄りの商品です。
液体タイプの代表が、テトラのコケブロックとカミハタのアンチグリーンです。テトラは、コケブロックについて「有効成分がコケの光合成を抑制し、生長や増殖を抑えます」と説明していて、すでに生えたコケの対策と予防の両方に使えるとしています。カミハタのアンチグリーンは、水質を改善することで淡水水槽のコケを抑制・除去する製品で、商品ページでは、成分は水と酸素に分解されると紹介されています。
ろ材・底砂タイプは、予防が中心です。たとえばテトラのバイオバッグ コケブロックは、ワンタッチフィルターなどの交換ろ材で、ガラス面に付くコケや水中のアオコの発生を防ぐと説明されています。ただ、商品ページの説明にアオミドロの名前は出てきません。また、液体にも予防向けの商品があります。ジェックスは、底砂のベストサンドやベストロカ、液体のベストリキッドに遷移元素と呼ばれる防藻成分を採用していて、藻類に取り込まれると増殖の働きを止めるしくみだと解説しています。メーカーの解説はコケの発生を抑えるという書き方なので、こちらも予防寄りの使い方と考えておくとよさそうです。どのタイプでも、今売られている商品の顔ぶれや説明は変わることがあるので、買う前に商品の表示を確かめてくださいね。
| 比べる項目 | テトラ コケブロック | カミハタ アンチグリーン |
|---|---|---|
| 種類 | 液体(淡水用) | 液体(淡水用) |
| アオミドロの書かれ方 | 「淡水水槽のあらゆるコケに対応」の一覧にアオミドロが載る | 効果が得られるまでに多少時間がかかる |
| 効果があるとされるコケ | 緑ゴケ、藍藻、珪藻などに効果 | 特に付着性の藍藻(緑藻や珪藻にはゆっくり効く) |
| 入れ方 | 対策時の量を入れ、予防は4週間ごと | 4日間続けて増やし、以降は2日に1回(初日から最長2週間) |
| 使えない・影響が出やすい水草 | ウィローモスやリシアなど藻類に分類される水草 | ウィローモス類(南米・プレミアムなど)、リシア、ホソバミズゼニゴケ、ヒルムシロ科の水草、テラリウムで使うコケ類など |
| エビ | 銅などを含まず、甲殻類にも使えるとされる | 規定量であれば悪影響はないとされる |
| 活性炭など | 使用後6〜8時間は外す | 取り出す(有効成分を吸着するおそれ) |
| 殺菌灯 | 商品ページに記載なし | 電源を切り、投与終了後まる1日たってから入れる |
| ほかの薬 | 商品ページに記載なし | 併用は控える |
※テトラ コケブロックの商品ページ、カミハタ アンチグリーンの商品ページと取扱説明書をもとに整理しました。製品の内容は変わることがあるので、使う前にお手元の製品の表示を確認してください。(出典:スペクトラム ブランズ ジャパン「テトラ コケブロック」/カミハタ「アンチグリーン 取扱説明書」)
表を見ると、アオミドロへの効き方の書き方が2社でかなり違うのが分かります。どちらを選ぶ場合も、アオミドロをすぐに消す薬ではなく、手で取ったあとの残りを時間をかけて抑えるもの、と考えておくと期待とのずれが少なくなりますよ。
テトラ コケブロックの使い方と量の目安
テトラのコケブロックは、商品ページのコケの一覧にアオミドロがはっきり載っている、淡水用の液体のコケ除去剤です。すでに生えたコケには対策時の量、その後は予防時の量を4週間ごとに入れる、という分かりやすい使い方になっています。
商品ページの仕様表では、水槽のサイズと水量ごとに、次の量が示されています。
| 水槽サイズ/水量 | 対策時の使用量 | 予防時の使用量 |
|---|---|---|
| 30cm/約10L | 5mL | 3mL |
| 45cm/約30L | 15mL | 8mL |
| 60cm/約60L | 30mL | 15mL |
| 90cm/約150L | 75mL | 38mL |
※テトラ コケブロックの商品ページの仕様表より。量は一般的な目安です。
使い方の流れは、使う前によく振り、すでにアオミドロが生えている水槽には対策時の量を入れます。その後の予防は、予防時の量を4週間ごとに入れて、よくかき混ぜます。使ったあとの6〜8時間は、活性炭などの吸着ろ過材を外しておくのがポイントです。商品ページでは、ドイツのテトラ社が調べた緑藻の培養実験として、競合する2製品と並べた写真とあわせて、約2週間で大きな差をもたらすと紹介されています。ただ、これは他社製品と比べた緑藻の培養実験の結果で、水槽のアオミドロがいつ消えるかを約束するものではない点は覚えておきましょう。
注意したいのが水草です。商品ページの注意事項には「ウィローモスやリシアなど藻類に分類される水草には使用できません。」と書かれています。商品の説明では、水草には影響を与えない範囲で濃度を調整しているとされていますが、モスやリシアは例外として扱われているわけですね。エビについては、銅などの成分を含まないため、甲殻類やナマズ・アロワナなどの古代魚にも使えると説明されています。
ウィローモスを育てている水槽では、コケブロックは使わないのが原則です。モスを取り出してから使うといった方法は、メーカーの説明には書かれていません。モスのある水槽のアオミドロは、次の章で紹介する手で取る方法と、光と栄養の見直しを中心に考えましょう。モスの手入れが気になる方は、ウィローモスのトリミングと増やし方をまとめた記事も参考にしてみてください。
テトラのコケブロックを通販で探すときは、100mLと250mLの容量があるので、水槽の水量と、対策時と予防時に必要な量から選ぶと無駄がありません。ウィローモスやリシアのある水槽では使えないといった注意も、購入前に表示で確かめておいてくださいね。
アンチグリーンの4日間投与と2週間の上限
カミハタのアンチグリーンは、量を4日かけて少しずつ増やし、その後は2日に1回足していく、段階的な使い方が特徴の除去剤です。アオミドロには効くまでに時間がかかると、メーカー自身が書いている点も押さえておきましょう。
商品ページの製品の特徴では、淡水水槽のコケとして、茶色の珪藻、緑藻、長く糸状に伸びるアオミドロ、短く生える糸状類、黒髭類、藍藻、アオコが並べられたうえで、「本剤が特に有効に効くものは付着性の藍藻です。」と書かれています。緑藻や珪藻にはゆっくり効くとされ、アオミドロについては「アオミドロには効果が得られるまでに多少時間がかかります。」、さらに「その他、糸状類や黒髭類、特にアオコには効きにくい傾向があります。」と続きます。アオミドロ専用の薬ではない、というのが正直なところですね。
取扱説明書の使い方は、次の流れです。
- コケが多い場合は、ある程度取り除く
- 殺菌灯は電源を切り、活性炭などの吸着系ろ材は取り出す
- 付属の計量カップで、100Lの飼育水に対して初日6mL、2日目12mL、3日目18mL、4日目24mLを入れる
- 5日目以降は、コケの様子を見ながら2日に1回、100Lあたり24mLを入れ、コケが見られなくなったらやめる
- 入れるときは、あらかじめ1L程度の飼育水に混ぜてから、流れの強い場所に入れる
取扱説明書の注意には、水草や魚などの生き物に直接かけないよう書かれています。原液を魚や水草の上から垂らすのではなく、上の最後の項目のように飼育水で薄めてから、水の流れに乗せて全体に広げるようにしましょう。
大事なのが期間の上限です。取扱説明書には「2日に1回の添加は最長でも添加初日から計上して2週間までにしてください。」とあり、もう一度使いたいときは1週間以上あけて、初日の量からやり直すよう書かれています。使っている間は、「本剤を使用している間はライトの点灯時間を普段の7割程度に減らしてください。」という指示もあります。たとえば普段10時間つけているなら、7時間くらいに縮めるイメージです。
取扱説明書には、皮膚に付くとかゆくなることがあるので付いたらすぐに水かぬるま湯で洗い流すこと、子どもの手の届かない場所に保管すること、保存は冷暗所で行うことも書かれています。小分けにしたスポイトや計量カップも、使い終わったら手の届かない場所へしまっておきましょう。
予防として使う場合は、初日の量を1週間に1回とされていますが、「立ち上げたばかりの水槽には使用しないでください。」とも書かれています。テトラの解説記事でも、立ち上げのころに出るアオミドロは、バクテリアが増えて水質が安定すると自然に消えることもあるとされているので、立ち上げ直後は、除去剤より先に手で取って様子を見るほうが向いているかもしれません。
アンチグリーンを通販で探すときは、100mL・250mL・500mLの容量があるので、60cm水槽の4日間で30mLという取扱説明書の例も参考に、水量に合う容量を選んでください。開封後の使用期限は6か月とされている点も、選ぶときの目安になりますよ。
水槽の水量から投与量を計算する
除去剤は、水槽のサイズではなく、実際に入っている水の量で量を決めるのが基本です。同じ60cm水槽でも、テトラの仕様表は約60L、カミハタの取扱説明書は約55Lと、メーカーによって見積もりが違うくらいなので、自分の水槽で一度計算しておくと安心です。
カミハタの取扱説明書には、水量の計算式として、高さ(cm)×幅(cm)×奥行き(cm)÷1000=水槽の水量(リットル)が載っています。式に入れる高さは、水槽のふちまでではなく、水が入っている高さにすると実際の量に近づきます。底砂やレイアウトの石がある分も、水は少なくなりますね。取扱説明書には、ろ過槽が大きい場合はその分の水量も考えに入れるよう書かれています。同じ取扱説明書は、水槽別の水量は一般的なもので、特別なサイズの水槽もあるため、必ず水量を量ってから使用量を計算するよう案内しています。
計算の例として、幅45cm・奥行き24cmの水槽に、高さ27cmまで水が入っている場合を考えてみます。
45×24×27÷1000=29.16なので、水量はおよそ29Lです。
| 製品と段階 | メーカーの基準 | 29Lで計算した量の目安 |
|---|---|---|
| コケブロック 対策時 | 約30Lで15mL | 約14.5mL |
| コケブロック 予防時 | 約30Lで8mL | 約7.7mL |
| アンチグリーン 初日 | 100Lで6mL | 約1.7mL |
| アンチグリーン 2日目 | 100Lで12mL | 約3.5mL |
| アンチグリーン 3日目 | 100Lで18mL | 約5.2mL |
| アンチグリーン 4日目と以降の2日に1回 | 100Lで24mL | 約7.0mL |
※メーカーの量を水量の割合で計算した一般的な目安です。実際には付属の計量カップや表示に従ってください。
こうして並べると、アンチグリーンの初日は2mLに満たない、かなり少ない量だと分かります。小さな水槽ほど目分量では入れすぎやすいので、付属の計量カップや目盛りのあるスポイトで、きちんと量ってから入れるようにしましょう。
もう一つ気をつけたいのが、2つの製品の量を比べて、どちらが濃い・薄いと考えないことです。成分も使い方も違う製品なので、量の基準はそれぞれの表示だけを使い、片方の量をもう片方に当てはめないでくださいね。
アオミドロ除去剤で失敗しない使い方と再発防止
ここからは、アオミドロ除去剤を実際に使うときの判断と手順です。エビや水草がいる水槽で使えるか、使う前の下準備、ろ材や殺菌灯との付き合い方、効かないときの考え方を順番にまとめました。除去剤を使わずに済ませる方法にもつながる内容なので、ぜひ通して読んでみてください。除去剤で失敗しやすいのは、薬そのものよりも、使う水槽の条件や手順の見落としです。ウィローモスを入れたまま使ってしまう、活性炭を外し忘れる、効かないからと量を増やす、といったよくある失敗を、一つずつ防いでいきましょう。
エビや水草がいる水槽で使えるかの判断

除去剤を入れる前に、水槽の中にいる生き物と水草を一つずつ確認しましょう。アオミドロに困っている水槽ほど、エビやモスが一緒にいることが多いので、ここが一番の分かれ道になります。
まず水草です。テトラのコケブロックは、ウィローモスやリシアなど藻類に分類される水草には使えません。アンチグリーンは、取扱説明書で、リシアやホソバミズゼニゴケ、南米産ウイローモス、ヒルムシロ科の水草などは影響を受けやすいとしています。商品ページのよくある質問でも、ウィローモス類やリシアなどでは生長を妨げることがあると注意されています。
ここで一つ知っておきたいのが、アンチグリーンの商品ページには「生体にやさしく、魚やエビ類、水草などに影響を与えません。」と書かれている一方で、同じページの注意と取扱説明書には、水草の種類によっては光合成を止めたり変色したりすると書かれている点です。商品ページの紹介文だけを読んで判断せず、取扱説明書の水草の注意まで目を通しておくのがおすすめです。光合成を止めた水草は、使用をやめると再び光合成を行うようになるとも説明されています。
エビについては、テトラは銅などを含まないので甲殻類にも使えるとし、カミハタはビーシュリンプのいる水槽への質問に「規定量であればエビに悪影響はありませんが、」と答えたうえで、エビ水槽によく使われるウィローモスやリシアへの悪影響に注意をうながしています。カミハタの回答は規定量であればという条件つきなので、どちらの製品も、表示の量を守って使うことを前提に考えておきましょう。
そのうえで、次のような水槽では、除去剤を入れる前に立ち止まって考えてみてください。
除去剤を入れる前に立ち止まりたい水槽
- ウィローモスやリシアなど、藻類に分類される水草や影響を受けやすい水草がある
- 立ち上げたばかりで、水質がまだ安定していない
- ほかの薬を使っている途中、または使ったばかり
- 屋外のメダカ容器やビオトープなど、水槽以外の容器で使おうとしている
なお、食用にする生き物が入っている水槽には、アンチグリーンは使えません。取扱説明書に「食用とする生体が入っている水槽には使用しないでください。」とはっきり書かれているので、ここは迷わず避けてください。
一覧の最後の屋外の容器については、今回調べた2製品の説明は、どちらも淡水水槽での使い方が書かれたもので、屋外の容器やビオトープでの使い方には触れていませんでした。アンチグリーンの取扱説明書には、アクアリウム以外の用途には使わないようにという注意もあります。雨で水量が変わる容器では量の計算も難しくなるので、屋外のメダカ容器では、除去剤より手で取る方法や、日当たりと栄養の見直しを先に考えるのが無難かなと思います。使いたい場合は、購入前にメーカーのお客様窓口へ確認してみてください。
先に手で取り除き枯れたコケを回収する

除去剤を入れる前の下準備として、まず取り組みたいのが、目に見えるアオミドロを手で取り除くことです。メーカーの使い方でも、コケが多いときは先に取り除くよう書かれていました。
アオミドロは、テトラの説明にあったとおり取ること自体は簡単ですが、水草に絡まっていると一緒に巻き込みやすいコケです。次のような手順で進めると、水草を傷めにくくなりますよ。
- 水換えの前に作業する(ちぎれた糸を、そのまま水と一緒に外へ出せる)
- 指や水草用のピンセットで、糸の塊をくるくると巻き取るようにつまむ
- 水草に絡んだ部分は無理に引っぱらず、ひどい葉や茎はトリミングして一緒に取り除く
- 浮いた切れはしは網ですくい、底に沈んだものはホースで水と一緒に吸い出す
- 最後に水換えをして、ちぎれた糸を水槽の外へ出す
糸が残るとそこから増えるので、一度で完全に取りきろうとするより、数日おきに見回って、伸びてきたものをこまめに取るほうが片づけやすくなります。
除去剤を使ったあとの回収も大切です。カミハタは、アンチグリーンで死んだ藍藻が水質に悪い影響を与えるおそれがあるとして、藍藻が多い水槽ではあらかじめ取り除いてから使うよう案内しています。アオミドロも、枯れて茶色っぽくなった糸を水槽に残しておくと、分解されて水を汚すもとになりかねません。除去剤で弱ったアオミドロは、投与している間は見つけしだい手や網で取り出すだけにして、水換えは予定の期間が終わってからまとめて行うと、除去剤の量を崩さずに済みます。
取り除いたあとは、アオミドロを食べてくれる生き物に、取り残した細い糸を任せる方法もあります。ADAの記事では、ヤマトヌマエビが水槽を立ち上げたころの珪藻をはじめ、アオミドロなどの糸状の藻類も食べると紹介されています。コケを食べる生き物の選び方は、コケ取り生体をランキングで比べた記事にまとめているので、あわせて読んでみてください。
水草に絡んだアオミドロをつまむには、先の細い水草用のピンセットがあると作業がぐっと楽になります。通販で探すときは、水槽の深さに届く長さかどうかを確かめて選んでくださいね。
活性炭・殺菌灯・ほかの薬との併用に注意
除去剤を入れている間は、ろ過まわりの設定も一時的に見直す必要があります。せっかく入れた有効成分が、ろ材に吸い取られてしまっては意味がないからです。
活性炭などの吸着ろ材は、どちらの製品でも外すよう書かれています。テトラのコケブロックは、使ったあとの6〜8時間は外すという指示です。カミハタのアンチグリーンは、吸着系ろ材が有効成分を吸着してしまうおそれがあるとして、取り出すよう書かれています。アンチグリーンの取扱説明書には、取り出したろ材をいつ戻すかまでは書かれていないので、迷うときはメーカーに確かめてください。外している間はろ過の働きが少し変わるので、戻し忘れないよう作業のメモを残しておくと安心です。活性炭そのものの向き不向きは、水槽の活性炭のデメリットを整理した記事でも詳しく解説しています。
殺菌灯を使っている水槽では、アンチグリーンの取扱説明書が、電源を切り、入れ直すのは投与が終わってからまる1日たってから、としています。コケブロックの商品ページには殺菌灯についての記載はなかったので、使っている方は、念のためメーカーに確認しておくと安心です。
ほかの薬との組み合わせにも注意しましょう。アンチグリーンの取扱説明書には「他の薬品との併用はお控えください。」と書かれています。病気の治療中に魚病薬とコケの除去剤を同時に使うと、どちらの影響が出ているのか分からなくなりますし、生き物への負担も重なりかねません。治療が終わって水換えで薬を抜いてから、改めてコケの対策に移るのがおすすめです。
また、アンチグリーンの取扱説明書には、使っている間に生き物の様子がおかしいと気づいたら、すぐに使用をやめ、別の水槽へ移すか水を替えるよう書かれています。除去剤を入れた日は、いつもより魚やエビの様子をこまめに見ておくと、異変に早く気づけますよ。
薬を使わずに減らしたいときは、アオミドロを食べる生き物に手伝ってもらう方法もあります。どの魚やエビが食べるのかは、アオミドロに効く生き物を表で比べた解説で紹介しています。
効かないときに増量せず光と栄養を減らす
除去剤を入れてもアオミドロが減らないと、つい量を増やしたくなりますよね。でも、ここで増量するのはおすすめできません。効かないときは、量ではなく、アオミドロが増える原因の側を見直すタイミングです。
カミハタはアンチグリーンのよくある質問で、適量を入れ続けても効きが弱いときの増量について「成分自体は一定時間で無害なものに分解されますが、増量はおすすめできません。」と答えています。取扱説明書にも、使用方法に従って必ず適量を守るよう書かれています。規定量で効かない理由としては、その製品の得意なコケとアオミドロが違う、光や栄養が多くて増える勢いのほうが強い、といったことが考えられます。
アオミドロが増える原因として、メーカーが挙げているのは光と栄養です。テトラの一覧では、アオミドロは水の栄養過多で現れやすいとされ、ジェックスは、光の量が多すぎるときによく発生するほか、購入した水草に付いて持ち込まれることも多いと説明しています。そこで、次の3つを順番に見直してみてください。
- 光:照明の時間を決めて長くしすぎない。窓からの日光が当たる場所なら、置き場所や日よけを見直す
- 栄養:エサの量を見直し、食べ残しやフンがたまらないよう水換えと底の掃除を続ける。水草の肥料の入れすぎにも注意する
- 持ち込み:新しく買った水草は、水槽に入れる前によく水洗いし、糸が付いていないか確かめる
テトラの解説記事では、たくさんのコケが生えているときに、思い切って照明を使うのをやめる方法も紹介されています。コケの種類や水槽の状況によって違うとしたうえで、5日目くらいから弱りだし、10〜14日くらいで枯れて取り除けるとされています。ただし、水草も光がないと弱るので、水草水槽では照明を止めるより、点灯時間を短くするほうから試すのが無難かなと思います。
コケ全般の増える原因と、ライト・エサ・水換えの見直し方は、金魚水槽のコケ対策をまとめた記事でも詳しく解説しています。金魚水槽向けの記事ですが、光と栄養を減らす考え方はアオミドロ対策にもそのまま役立ちますよ。
アオミドロ除去剤についてよくある質問
オキシドールでアオミドロを駆除できますか?
オキシドールは、過酸化水素を2.5〜3.5w/v%含む医薬品で、医薬品医療機器総合機構(PMDA)が公開している添付文書では、外皮用殺菌消毒剤に分類され、効能は傷や潰瘍の殺菌・消毒などとされています。今回確認した範囲では、水槽のコケ対策として使う方法は、添付文書にもアクアリウムのメーカーの資料にも示されていませんでした。生き物や水草への影響を見積もる手がかりがないので、水槽には使わず、観賞魚用として作られたコケ除去剤を表示どおりに使うのが安心です。
アオミドロ除去剤はメダカの水槽にも使えますか?
今回調べたコケブロックとアンチグリーンは、どちらも淡水用で、メダカに使えないという記載はありませんでしたが、メダカで使えると確かめた記載もありませんでした。ただ、どちらの説明も淡水水槽での使い方を書いたもので、屋外の容器やビオトープでの使い方には触れていません。室内のメダカ水槽で使うなら、水量を計算して規定量を守り、ウィローモスなどの水草がないかを確かめてからにしてください。屋外の容器では、手で取る方法と日当たりの見直しを先に試すのがおすすめです。不安なときは、使う前にメーカーのお客様窓口に問い合わせてみてください。
除去剤を入れたら、いつ水換えをすればいいですか?
今回調べた2製品の説明には、投与中の水換えの時期についての決まりは見当たりませんでした。アンチグリーンは4日間と、その後の2日に1回を続ける使い方なので、途中で大きく水換えをすると成分の量が変わります。気になる場合は、使い始める前に手で取り除いて水換えを済ませておき、生き物の様子に異変があったときは、取扱説明書にあるとおり使用をやめて水を替えてください。予定の期間が終わったら、枯れたコケの回収とあわせて水換えをすると、水槽をすっきり戻しやすいです。
コケブロックとアンチグリーンを一緒に使ってもいいですか?
おすすめしません。アンチグリーンの取扱説明書には、ほかの薬品との併用は控えるよう書かれています。2つの除去剤を重ねると、生き物や水草に何かあったときに原因が分からなくなります。使うなら1つの製品に決めて、その表示どおりに使ってください。製品を切り替えるときは、前の製品の期間が終わってから、水換えをはさんで始めると安心です。
アオミドロ除去剤を上手に使うまとめ
最後に、この記事の要点をまとめます。
- 今回調べたアオミドロ除去剤は、どれも糸の塊を溶かして消す薬ではない。大きな塊は手で取り、残りと再発を抑える補助として使う
- テトラ コケブロックは一覧にアオミドロが載る液体。対策時は約30Lで15mLが目安で、ウィローモスやリシアには使えない
- カミハタ アンチグリーンは4日間で量を増やし、以降は2日に1回。初日から最長2週間までで、アオミドロには効くまで時間がかかる
- 量は水槽のサイズでなく実際の水量で計算し、2つの製品の量を流用しない
- 活性炭などは外し、ほかの薬とは併用しない。効かなくても増量しない
- 根本の対策は、光を減らす・栄養をためない・水草の持ち込みを防ぐこと
アオミドロは、取っても取っても伸びてくる、根気のいる相手です。でも、除去剤の役割を正しく知って、手で取る作業や光と栄養の見直しと組み合わせれば、水槽は落ち着きやすくなります。メーカーが示す規定量と期間(アンチグリーンは初日から最長2週間)は、そのまま守ってください。水量から計算した量は一般的な目安で、実際には付属の計量カップと製品の表示に従いましょう。製品の内容は変わることがあるので、正確な情報は公式サイトとお手元の製品の表示をご確認ください。生き物の様子が気になるときや、使ってよいか迷うときは、最終的な判断は専門家にご相談ください。購入したアクアリウムショップに水槽の写真を見せて相談すると、話が早いですよ。


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