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コリドラスの寿命は何年?飼育下の目安と短命になる原因・長生きのコツ

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水草の水槽で砂底にいるコリドラスと、寿命の目安と長生きのための環境づくりを示す表紙のスライド

コリドラスはあと何年一緒にいられる?寿命の目安と、長生きしてもらうための毎日の環境づくり

THE AQUA LAB 所長(イラスト)

こんにちは。THE AQUA LAB、運営者の所長です。

水槽の底をちょこちょこと動き回るコリドラスは、見ているだけで和みますよね。だからこそ、コリドラスの寿命は何年くらいなのか、うちの子はあと何年一緒にいられるのか、気になっている方も多いと思います。

調べてみると、平均寿命は5年くらいという話もあれば、最長で20年以上生きたという話まで出てきて、どれを信じればいいのか迷いがちです。パンダなど種類による違いはあるのか、寿命が近いサインや死ぬ前の様子はどんなものなのか、迎えたばかりなのにすぐ死ぬ原因は何なのか。大切に飼っているからこそ、こうした疑問が出てくるのは自然なことかなと思います。

この記事では、観賞魚用品メーカーの専門家の回答や、野生のコリドラスを調べた研究、魚類の国際データベースの数値をもとに、寿命の目安を整理しました。そのうえで、長生きさせる飼い方を水温・水質・底砂・餌・群れの順に、毎日の世話に落とし込める形でまとめています。

この記事でわかることは、次の4つです。

  • 飼育下で言われるコリドラスの寿命の目安と、その数字の読み方
  • 種類による大きさと適水温の違い
  • 寿命が近いサインと、病気や環境の不調との見分け方
  • 短命になりやすい原因と、長生きにつながる飼い方
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コリドラスの寿命は何年?飼育下の目安と種類の違い

まずは「何年くらい生きるのか」という、いちばん知りたいところからです。結論を先に言うと、飼育下ではおよそ5〜10年がよく言われる目安で、ドイツの観賞魚用品メーカー sera の専門家は、多くの種類で8〜10年と答えています。ただ、この年数は個体・種類・飼い方で大きく変わるので、保証される数字ではありません。この章では、数字の出どころと読み方、野生での研究、種類ごとの違い、年齢の数え方、そして寿命が近いサインの見分け方まで、順番に見ていきます。「うちの子はあと何年?」の答えは数字ひとつでは出せませんが、数字の背景を知っておくと、今の飼い方が合っているかを判断する材料になりますよ。

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飼育下の寿命はおよそ5〜10年が目安

日本や海外の飼育情報では、コリドラスの寿命は「5〜10年」という言い方がよく見られます。小型の熱帯魚としては長生きな部類で、環境がうまく合えば、思っていたよりずっと長く付き合える魚ですよ。

もう少し根拠のはっきりした数字としては、ドイツの観賞魚用品メーカー sera(ゼラ)のFAQがあります。同社の Dr. Bodo Schnell が、ほとんどのコリドラスの種類の寿命はおよそ8〜10年と答えています。ここでいう寿命は、原文では life expectancy、つまり「見込まれる寿命」のことで、どの個体もそこまで生きるという約束ではありません。同じ回答の中で、人と同じで、すべての個体がその年齢に届くわけではない、とも添えられています(出典:sera FAQ「Life expectancy of Corydoras catfish」)。

一方で、ネット上では「20年以上生きた」「27年生きた」という話を見かけることもあります。英語版のウィキペディアなどで語られている話ですが、出典の示されていない記述で、記録として確かめられる資料は見つかりませんでした。とても長く生きる個体がいる可能性まで否定するつもりはありませんが、飼い方の目安にするには根拠が弱いかなと思います。

では、5〜10年という幅をどう受け止めればいいのか。私は「環境が合っていれば、このくらいまで生きる見込みがある」という目安として読むのがいいと考えています。言い換えると、1〜2年で次々に死んでしまうことが続く場合は、寿命というより、飼い方や水槽の環境のどこかに原因がある可能性を先に疑ったほうがいい、ということです。

年数の数字だけを見ていると、「もう5年たったから、そろそろかな」と身構えてしまいがちです。でも、sera の回答にもあるとおり、届く年齢は個体ごとに違います。5年を過ぎても元気に底をつついている子もいれば、目安より早く弱ってしまう子もいます。数字はゴールではなく、今の飼い方を見直すときの物差しくらいに考えておくと、気持ちも少し楽になるはずです。

なお、ここで挙げた年数はあくまで一般的な目安です。年数そのものより、「今の環境で元気に過ごせているか」を毎日の観察で確かめていくほうが、結果的に長生きにつながりやすいですよ。

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野生のコリドラスの寿命を調べた研究

飼育下の目安とは別に、野生のコリドラスがどのくらい生きるのかを調べた研究もあります。1995年に西インド諸島大学(トリニダード)へ提出された修士論文、Elizabeth T. Mohammed「Studies on the biology of Corydoras aeneus」です。対象は、青コリや赤コリの仲間にあたるコリドラス・アエネウス(ブロンズコリドラス)。トリニダードの2つの水系、Valencia と Arima で毎月採集して、成長や繁殖のようすを調べています(出典:西インド諸島大学 リポジトリ「Studies on the biology of Corydoras aeneus」)。

年齢の手がかりにしたのは、エラぶた(鰓蓋)の骨です。木の年輪のように成長帯ができる部分があり、1年の調査期間のあいだに不透明な帯が3本できていたことから、野生での最大寿命は5年と推定されました。産卵の時期は水系によって違い、Valencia では主に6〜7月、Arima では12〜1月と6〜11月という長い期間にわたって続いていたそうです。

ここで気をつけたいのは、この5年はあくまで推定値だということ。それに、野生と水槽とでは条件がまるで違います。野生には外敵がいて、餌が足りない時期もあり、水質も季節によって変わります。水槽では外敵はいませんが、そのかわり狭い空間で水が汚れやすいという別の難しさがあります。なので、「野生のほうが短い」「飼育下のほうが長生き」と単純に比べることはできません。

それでも、野生での暮らしぶりを知っておくと、飼い方のヒントになります。同じ西インド諸島大学がまとめている動物ガイド「The Online Guide to the Animals of Trinidad and Tobago」によると、コリドラス・アエネウスは浅い水たまりや泥っぽい浅瀬、流れのある川にもすんでいて、生息地の水は pH 6〜8・水温25〜28℃とされています。

また、水面で空気を飲み込み、腸の壁にためて呼吸に使う(腸呼吸と呼ばれます)こと、20〜30匹の群れ、時には数百〜数千匹で暮らすこと、夜に活発になること、沈んだ餌を食べて水面近くの餌は気にかけないことが多いことも書かれています。

浅くて泥っぽい場所にもすめる丈夫さがある一方で、群れで暮らし、夜に底の餌を探して動き回る魚。この姿は、後半で紹介する底砂・餌の与え方・群れの数の話にそのままつながってきます。野生のコリドラスがどんな場所で、どんなふうに暮らしているのかをイメージしながら水槽を整えると、何を優先すればいいかが見えやすくなりますよ。

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種類別の大きさと適水温の違い

コリドラスと一口に言っても種類はとても多く、お店でよく見かけるものだけでも、大きさや好む水温に差があります。代表的な4種類について、魚類の国際データベース FishBase に載っている値をまとめました。体長はSL(口先から尾びれの付け根までの長さで、尾びれを含みません)です。

一般的な呼び名 FishBaseでの学名 最大体長(SL) 適水温(FishBase)
青コリ・赤コリ(ブロンズコリドラス) Osteogaster aenea 7.5cm 25〜28℃
パンダコリドラス Hoplisoma panda 3.8cm 20〜25℃
ステルバイ Hoplisoma sterbai 6.8cm 21〜25℃
パレアタス(ペッパードコリドラス) Hoplisoma paleatum オス等6.6cm・メス7.1cm 18〜23℃

表の数値はあくまで目安で、個体や産地によって変わります。お店で見かける個体が、この大きさまで育つとは限らない点も頭に入れておいてください。

表の学名を見て「あれ、コリドラスじゃない?」と思った方もいるかもしれません。近年の分類の見直しで、昔から「コリドラス属」と呼ばれてきた魚の一部が、Hoplisoma など別の属名で載るようになりました。お店では今も「コリドラス」の名前で売られているので、飼い方を調べるときは、これまでどおり一般的な呼び名で探して問題ないですよ。

気になる種類ごとの寿命ですが、種類ごとの年数を比べた信頼できる資料は見つかりませんでした。なので、「パンダは何年、ステルバイは何年」とは言い切れません。ネットで種類別の年数を見かけることもありますが、根拠がはっきりしないものが多いので、あまり気にしすぎなくていいと思います。

代わりに注目したいのが、適水温の違いです。表を見ると、パンダコリドラスは20〜25℃、パレアタスは18〜23℃と低めで、ブロンズコリドラスは25〜28℃と高め。同じ「コリドラス」でも、快適に過ごせる水温帯がかなりずれています。合わない水温で何年も飼い続けると、体に負担がかかり続けることになるので、長生きを考えるなら、まず種類の適水温に合わせるのが基本かなと思います。

ちょっと悩ましいのが、違う種類を一緒に飼う場合です。たとえばパレアタスとブロンズコリドラスでは、FishBase の適水温の範囲が重なりません。混泳させるなら、適水温の重なる範囲で管理できる組み合わせを選ぶのが無難です。パンダとステルバイなら21〜25℃あたりが重なるので、その範囲に合わせる、という考え方ですね。

また、赤コリ(アルビノ)については、先ほどの動物ガイドに、近親交配の影響で視力や繁殖力が弱いことがあると書かれています。赤コリだから短命、と決めつける話ではありませんが、餌になかなかたどり着けない個体がいないか、少し気にかけて見てあげるといいかもしれません。

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買った個体の年齢と大人になるまでの期間

寿命の年数を考えるときに、意外と見落としがちなのが「その子は何歳でうちに来たのか」という点です。ここを押さえておかないと、寿命の目安と比べるときにずれが出てしまいます。

大人になるまでの期間については、インドのコルカタでブロンズコリドラスを水槽とコンクリート槽で繁殖・育成した研究があります(Mahapatra・Dutta、Proceedings of the Zoological Society 68巻)。この研究では、メスは平均12.2か月、オスは平均24.0か月で、繁殖に加わる成熟に達しました。

同じ研究では、11〜3月の14〜22℃の時期に繁殖が続き、産卵基質を冷やすと産卵が強く促されたこと、1回の産卵数は175〜225個で約80%が受精したこと、好条件での産卵間隔は平均10.4日だったことも報告されています。

つまり、少なくともこの研究のブロンズコリドラスでは、繁殖できる大人になるまでに、メスで1年ほど、オスで2年ほどかかったということ。一方、先ほどの野生のブロンズコリドラスを調べた修士論文の要旨では、Valencia のメスの成熟は3〜5年とされていて、飼育下と野生とでは大きく違います。成長のペースは水温や餌などの条件でも変わるはずなので、ほかの種類にそのまま当てはめることはできませんが、「大人になるまでに年単位の時間がかかる魚」というイメージは持っておくといいと思います。

ここで問題になるのが、お店で買った個体の年齢です。店頭の個体は、生まれた時期が分からないことがほとんど。体の小さい個体はまだ若い可能性が高いですが、すでに大きく育った個体は、1歳なのか、それとも数年たっているのか、見た目だけでは判断しにくいです。

そのため、「飼い始めてからの年数」と「生まれてからの年数」は別物と考えておきましょう。大きな個体を迎えて3〜4年で弱ってきたとしても、実際にはそれよりずっと長く生きていたのかもしれません。逆に、小さな個体を迎えて1年もたたずに死んでしまったなら、寿命というより、環境の問題を疑ったほうがいいケースが多いかなと思います。

◆所長のワンポイントアドバイス

迎えた日と、そのときのおおよその大きさをメモしておくと便利ですよ。何年かたってから「この子は来たときから大きかったな」と振り返れるので、寿命の目安と比べるときの手がかりになります。スマホで水槽の写真を撮って、日付ごと残しておくだけでも十分です。

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寿命が近いサインと病気との見分け方

変化の速さ・体の見た目・水面に上がる回数・ほかの魚の様子の4項目で、寿命が近い場合と病気や環境不調を疑う場合を比べた表のスライド
寿命が近いサインと病気・環境不調の見分け方

何年も一緒に過ごしてきたコリドラスの様子が変わってくると、寿命なのか病気なのか、不安になりますよね。ただ、見た目だけで寿命と病気をはっきり分けるのは、正直むずかしいところです。ここでは、見分けるときの考え方を整理しておきます。

一般的に、年をとった魚には、動きがゆっくりになる、底でじっとしている時間が増える、食べる量が少しずつ減る、体が痩せてくる、体色がくすんでくる、といった変化が見られると言われます。ポイントは、こうした変化が何か月もかけて、少しずつ進んでいくことです。

反対に、数日のうちに急に様子が変わったときや、体に目に見える異常が出たときは、寿命よりも病気や水槽の環境を先に疑ったほうがいいです。体に白い点やモヤのようなものがつく、ヒレが裂けたり溶けたりする、体やヒレの付け根が赤くなる、といった症状がそうですね。また、同じ水槽のほかの魚にも同じ時期に不調が出ているなら、個体の寿命というより、水質の悪化など水槽全体の問題を考えたほうが自然です。

見比べるときの目安を、表にまとめておきます。あくまで考え方の整理なので、当てはまらないケースもある点はご了承ください。

見るところ 寿命が近い場合に多い様子 病気・環境の不調を疑う様子
変化の速さ 何か月もかけてゆっくり進む 数日のうちに急に変わる
体の見た目 痩せる・色がくすむ 白い点・ヒレの裂けや溶け・赤み
水面に上がる回数 これだけでは見分けにくい(寿命でも病気でも変わりうる) いつもより明らかに増える
ほかの魚の様子 ほかの魚は元気 同じ時期にほかの魚も不調
飼育年数・直前の出来事 迎えてから長い年月がたっている 迎えて間もない・水槽の環境を変えた直後

表の中でも「水面に上がる回数」は、特に分かりやすい手がかりです。コリドラスは水面に上がって空気を飲み、腸で酸素を取り込める魚なので、時々上がってくるのは普通の行動です。Pineda ほかの研究(2020年・Journal of Experimental Biology)では、ブロンズコリドラスを25℃と30℃で飼い、水中の酸素を空気飽和の100%・60%・20%で比べたところ、酸素が少ないほど、群れの中の個体ごとに数えても、群れ全体で数えても、空気呼吸の回数が増えました(出典:Pineda ほか 2020「Social dynamics obscure the effect of temperature on air breathing in Corydoras catfish」)。

ですから、いつもより明らかに回数が多い、何匹もがひっきりなしに上がってくる、という様子なら、年のせいだと決めつけずに、酸欠や高水温を疑ってみてください。エアレーションがきちんと動いているか、水温が上がりすぎていないかを確かめるきっかけになります。

病気を疑って薬を使う場合は注意が必要です。コリドラスは薬の影響を受けやすいと言われているので、使う前に添付文書をよく読み、ナマズ類についての注意書きがないかを確かめてください。使い方や対象の魚について、正確な情報は公式サイトをご確認ください。

寿命なのか病気なのか見分けがつかないときや、薬を使うかどうか迷うときは、一人で抱え込まないことも大切です。迷ったときの最終的な判断は専門家にご相談ください。たとえば、購入したショップのスタッフや、魚を診られる動物病院に、症状が出始めた時期や水槽の環境を伝えると、話が早く進みやすいですよ。

コリドラスの寿命を縮める原因と長生きさせる飼い方

ここからは、コリドラスの寿命を縮めてしまう原因と、その裏返しになる長生きのための飼い方です。コリドラスは丈夫な魚と言われる一方で、迎えて間もなく死んでしまった、というのもよくある悩みです。短命の多くは、水温・水質・酸欠・底砂といった環境が原因になりやすいところ。逆に言えば、そこを整えることが長生きへの近道になります。原因から順に、毎日の世話でできる具体的な対策まで見ていきましょう。水温と水換えの目安、底で食べる魚ならではの餌の与え方、群れの数や混泳相手の選び方も取り上げるので、これから迎える方も、今の水槽を見直したい方も、当てはまるところから確かめてみてください。

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短命になりやすい原因は水温・水質・酸欠

水温の不一致と急変、水質の悪化、酸素の不足の3つの円が重なり、原因が重なって魚を弱らせることを示すスライド
コリドラスの寿命を縮める3つの原因

コリドラスが早く死んでしまう原因として、まず疑いたいのが水温・水質・酸欠の3つです。どれも目に見えにくく、気づいたときには弱っていた、となりがちなところですね。

水温:種類に合わない温度と急な変化

前の章で見たとおり、コリドラスは種類によって適水温がかなり違います。低めを好むパレアタスを高めの水温で飼い続けたり、高めを好むブロンズコリドラスを冷えた水槽で飼ったりすると、体に負担がかかり続けます。また、水換えのたびに水温が大きく変わる、夏に水温が上がりっぱなしになる、といった急な変化や高水温も、弱る原因になりやすいです。

水質:アンモニアなどの汚れがたまる

魚のフンや食べ残しが分解されると、魚にとって有害なアンモニアが出ます。バクテリアが育った水槽ではこれが分解されていきますが、立ち上げたばかりの水槽や、魚の数に対してろ過が追いついていない水槽では、汚れがたまりやすくなります。コリドラスは底で餌を探して暮らすので、底にたまる汚れの影響を受けやすいと考えられます。アンモニアが分解されていく流れは、水槽のアンモニアが分解される仕組みと、かかる期間の解説で詳しく紹介しているので、立ち上げて間もない水槽で飼っている方は、一度目を通しておくと安心です。

酸欠:水面に上がる回数が増えたら要注意

先ほどの Pineda ほかの研究では、酸素が少ないほど空気呼吸の回数が増えたほか、群れでは30℃のときに空気呼吸の回数が増えていました。水温の影響は個体ごとの回数で見ると小さかったものの、群れでは高い水温で差が出た、という結果です。

コリドラスは、空気呼吸をしなくても、十分に酸素のある水なら生きられる「通性」の空気呼吸魚です。言い換えると、ひんぱんに水面へ上がるのは、水の中の酸素だけでは足りていないサインかもしれない、ということ。夏場は水温が上がるうえに酸素も不足しやすく、2つの問題が重なりやすいので、特に気をつけたい季節です。

酸欠対策の基本はエアレーションです。ただ、強ければ強いほどいいというものでもないので、エアレーションのやり過ぎで起こることと、酸素と水流のちょうどいい加減も参考にしながら、水槽に合った強さを探してみてください。

この3つは、どれか1つだけが原因というより、重なって魚を弱らせることが多いです。たとえば「夏に水温が上がる → 水の中の酸素が足りなくなる → 魚の食いが落ちて食べ残しが増える → 水が汚れる」という流れ。1つを見直すだけで、ほかの2つが楽になることもあるので、気になるところから手をつけてみてくださいね。

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ヒゲが短くなる原因と底砂の選び方

コリドラスの口元にあるヒゲ(口ひげ。バーベルとも呼ばれます)は、底の餌を探すための大切な器官です。底砂に鼻先をつっこんで、もぐもぐと餌を探す姿は、コリドラスらしさそのものですよね。ところが、飼い込むうちにこのヒゲが短くなった、溶けるように見える、というのはよくある悩みのひとつです。

原因については、飼育者の間でも説が分かれています。よく挙げられるのは、次の3つです。

  • 角のある粗い砂利で、ヒゲがこすれて傷つく
  • 汚れた底砂の中で、細菌に感染する
  • 水質の悪化や病気

どれが決定的な原因なのかを示した研究は、残念ながら見つかりませんでした。実際には、粗い砂利で小さな傷ができ、そこに汚れた底砂の細菌が入る、というように、いくつかの原因が重なっている場合もあるのかなと思います。いずれにしても、3つとも「底砂」と「水質」に関わる話なので、対策の方向ははっきりしています。

実用的な答えは、角の丸い細かい砂を選ぶことと、底砂を汚れたままにしないことの2つです。具体的には、田砂のように粒が細かくて角の丸い砂が向いています。大粒の砂利や角のある砂利は、ヒゲを守るという点では避けたほうが無難です。

田砂と大磯砂の違いや、それぞれの向き不向きについては、同じく底で暮らす魚の底砂を比べたドジョウ向けの底砂を田砂・大磯砂で比べた解説が参考になりますよ。底もの同士、底砂に求めるものは近いので、選ぶときのイメージがつかみやすいと思います。

水草水槽でよく使われるソイルは、使ううちに粒が崩れて泥のようになると、汚れがたまりやすくなります。ソイルを使ってはいけないわけではありませんが、コリドラスが長く暮らす水槽なら、粒の状態にときどき気を配っておきたいところです。

すでにヒゲが短くなっている場合も、まずは底砂と水質を見直すのが先決です。ヒゲの状態が急に悪くなった、体にも赤みなどの異常が出ている、といった場合は病気の可能性も考えられるので、前の章の見分け方も参考にしながら、ショップなどに相談してみてください。

底砂を選び直すときは、粒が細かく角の丸い田砂のような砂が候補になります。必要な量や粒の大きさ、価格や在庫は、購入前に各ショップでご確認ください。

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長生きにつながる水温と水換えの目安

種類ごとの適水温と週1回3分の1の水換えの目安、角の丸い細かい砂を清潔に保つ底砂の管理をまとめたスライド
水温と水換えの基本、ヒゲを守る底砂の選び方

環境づくりの中でも、毎日・毎週の世話で差が出やすいのが、水温と水換えです。どちらも特別な道具や技術がいるわけではないので、できるところから習慣にしていきましょう。

水温は種類の適水温を優先する

コリドラスは、一般的な熱帯魚水槽の24〜26℃前後で飼われることが多いです。ただ、これは多くの熱帯魚に合わせた温度なので、コリドラスの種類によっては、表の適水温とずれることがあります。たとえば FishBase の値では、パレアタスは18〜23℃と、24〜26℃より低め。こうした種類を飼うなら、一般的な設定よりも、種類の適水温を優先して考えたいところです。数値はあくまで一般的な目安なので、魚の様子を見ながら調整してくださいね。

冬はヒーターで水温を保ち、夏は水温が上がりすぎないようにするのが基本です。夏は、飼っている種類の適水温の上限を超えないようにしたいところ。パンダやパレアタスのように低めを好む種類は25℃前後でも上限に近く、高めに強いブロンズコリドラスでも28℃を超える状態は避けたいです。冷却ファンを使う、部屋のエアコンで室温を下げる、水槽を直射日光の当たらない場所に置く、といった方法があります。どの方法でどのくらい下がるのかは、水槽の水温を下げる6つの方法と、何℃下がるかの目安にまとめているので、夏が来る前に一度チェックしておくと安心です。

そしてもう一つ大事なのが、急な変化を避けること。水温計を見える位置に付けておき、朝と夜で大きくずれていないか、季節の変わり目に急に下がっていないかを、ときどき確かめる習慣をつけておきましょう。

水換えは週1回・3分の1程度が目安

水換えは、週1回・水槽の3分の1程度を目安にするのが一般的です。新しい水はカルキ抜きをして、水槽の水と温度をそろえてから入れましょう。温度のずれた水を一気に入れると、せっかく安定していた水温が急に変わってしまいます。

コリドラスの水槽では、水換えのときに、底にたまった汚れを一緒に吸い出すのがポイントです。底砂の表面や砂のすき間にはフンや食べ残しがたまりやすく、コリドラスはまさにその場所で餌を探して暮らしています。ヒゲを守るという意味でも、底砂をきれいに保つことは大切です。底砂掃除の手順や、どのくらいの頻度で行えばいいかは、失敗しない底砂掃除のやり方と、頻度・注意点の解説で詳しく紹介しています。

長生きのための水温・水換えの基本

  • 水温は、一般的な24〜26℃前後よりも種類の適水温を優先する
  • 夏は種類の適水温の上限を超えないように対策する(ブロンズコリドラスでも28℃超えは避ける)
  • 水換えは週1回・3分の1程度、カルキ抜きと水温合わせをしてから
  • 水換えのときに、底砂の汚れも一緒に吸い出す

水換えと底砂の掃除を一度に済ませるなら、砂を吸い込まずに汚れだけを吸い出せる底砂クリーナーがあると手早くなります。水槽の大きさに合うサイズかどうかは、購入前に各ショップでご確認ください。

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餌は沈むタイプを食べ残しなく与える

コリドラスは底で餌を食べる魚です。野生でも沈んだ餌を食べ、水面近くの餌は気にかけないことが多いとされています。そのため、水面に浮くタイプの餌だけを与えていると、コリドラスの口までなかなか届きません。

基本は、タブレットや沈下性の粒など、底まで沈むタイプの餌を選ぶことです。沈む餌にも粒の大きさにいろいろあり、コリドラスの口に合うサイズを選ぶと食べやすくなります。沈む餌の選び方や粒の大きさ(番手)の考え方は、沈む餌が向く魚種と、番手の選び方・与え方のコツでまとめています。

よくある失敗が、混泳魚に先に食べられてしまうパターンです。水面や中層を泳ぐ魚がいる水槽では、餌を入れた瞬間にほかの魚が群がり、底に届く前にほとんどなくなってしまうことがあります。コリドラスは底をあちこち探しながら食べるので、気づかないうちに餌が足りず、だんだん痩せていく、ということになりがちです。

対策としては、ほかの魚に餌をあげて気を引いているうちに、離れた場所へコリドラス用の沈む餌を落とす方法や、消灯前にコリドラス用の餌を与える方法があります。コリドラスは夜に活発になる魚なので、照明を消す前に沈む餌を入れておくと、ほかの魚に横取りされにくくなりますよ。

◆所長のワンポイントアドバイス

餌を入れたあと、コリドラスが実際に食べているかを数分だけでも見ておくと安心です。全員が餌のまわりに集まれているか、端のほうで出遅れている子がいないかを見ておくと、餌不足にも早めに気づけますよ。

一方で、与えすぎにも注意が必要です。食べ残しは底にたまって水を汚し、前の章で触れたアンモニアの原因になります。量の目安は、数分程度で食べ切れるくらい。消灯前に与える場合は、翌朝に食べ残しが残っていないかを確かめて、残っていたら取り除き、次からは量を少し減らしましょう。

「足りないのが心配だから多めに」という気持ちも分かりますが、底で暮らすコリドラスにとっては、食べ残しで汚れた底砂のほうが負担になりやすいです。少なめに与えて、食べ切れているかを見ながら量を調整していく。これが、餌まわりでいちばん大事な考え方かなと思います。

底で食べる魚向けの沈むタブレットには、次のようなものがあります。今の餌でよく食べているなら、無理に替える必要はありません。価格や内容量は、購入前に各ショップでご確認ください。

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群れで飼う数と混泳相手の選び方

砂底に並ぶ5匹のコリドラスの写真と、5匹以上の群れの目安や避けたい混泳相手をまとめたスライド
群れの数の目安と避けたい混泳相手

野生のコリドラスは、20〜30匹の群れ、時には数百〜数千匹で暮らしているとされています。水槽でも、同じ種類を数匹以上でまとめて飼うのが一般的によく勧められていて、FishBase のブロンズコリドラスの項にも、5匹以上の群れで、最低60cmの水槽で飼うように、という記載があります。

もともと群れで暮らす魚なので、仲間がいる状態のほうが、本来の暮らし方に近いと考えられます。何匹かで並んで底をつつきながら餌を探す姿は、見ている側にとってもコリドラスを飼う楽しみのひとつですよね。

数を考えるときは、群れの数と水槽の大きさのバランスも大事です。数を増やせばフンも増えて、水が汚れやすくなります。5匹以上の群れにするなら、水槽の大きさやろ過の力に余裕があるか、今の水換えのペースで汚れを抑えられるか、をあわせて考えておきましょう。

混泳相手を選ぶときに避けたいのは、次のような魚です。

  • 底を占領するような大型の魚
  • コリドラスが口に入るほど、大きさに差がある魚
  • ほかの魚のヒレをかじる魚

底を占領する魚がいると、コリドラスが落ち着いて餌を探せず、餌不足やストレスにつながりやすくなります。口に入るほど大きさの差がある魚とは、そもそも一緒にしないのが安心です。ヒレをかじる魚と一緒にすると、できた傷から体調を崩すきっかけになりかねません。

また、種類の違うコリドラス同士や、ほかの底ものと一緒に飼うときは、前の章で見た適水温が重なるかどうかも確認しておきたいところです。同じ底で暮らす魚同士の相性の考え方は、オトシンクルスのいじめ対策と、混泳のNG例・成功のコツも参考になりますよ。

コリドラスの寿命についてよくある質問

群れの仲間が減って1匹だけ残ってしまったら、どうすればいい?

もともと群れで暮らす魚なので、できれば同じ種類の仲間を迎えて、数匹以上の群れに戻してあげるのがおすすめです。新しく迎える前に、水槽の大きさや水換えのペースに無理がないかを確かめ、水温や水質の合わせ方にも気を配りましょう。

死んでしまった個体は、どうすればいい?

見つけたら、なるべく早く網で取り出しましょう。そのままにしておくと分解が進んで水質が悪くなり、ほかの魚にも影響が出るおそれがあります。ヒレには鋭いトゲがあり、素手で触って軽い痛みが出たという飼育者の報告もあるので、素手では触らないほうが安心です。

水槽を立ち上げた直後に入れても大丈夫?

立ち上げ直後は、アンモニアなどを分解するバクテリアがまだ十分に育っていないことが多く、底で暮らすコリドラスには負担になりやすい時期です。水質が落ち着くのを待ってから迎えるほうが無難で、迎えたあとも水換えでこまめに汚れを抜いてあげましょう。

ヒーターなしでも飼える?

種類の適水温と、部屋の温度しだいです。パレアタスのように低めの水温を好む種類もありますが、日本の冬は室温が大きく下がることも多く、適水温を下回るおそれがあります。冬場はヒーターで水温を保ち、急な変化を避けるのが基本と考えておくと安心です。

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コリドラスの寿命を延ばすために覚えておきたいこと

最後に、この記事のポイントをまとめておきます。

  • コリドラスの寿命は、飼育下でおよそ5〜10年がよく言われる目安で、sera の専門家は多くの種類で8〜10年と回答している
  • 野生では最大寿命5年という推定があるが、条件が違うので飼育下とは単純に比べられない
  • 種類ごとの寿命の年数より、種類ごとの適水温の違いに目を向ける
  • 急な変化や、水面に上がる回数の明らかな増加は、寿命より病気や酸欠・高水温を先に疑う
  • 角の丸い細かい底砂、週1回の水換え、沈む餌、同じ種類での群れ飼いが長生きの土台になる

コリドラスの寿命は、数字だけを見ると「あと何年」と気になってしまいますが、実際に生きる年数は個体や飼い方によって大きく変わります。だからこそ、目の前の子が今日も元気に底をつついているか、餌をしっかり食べられているか、水面に上がる回数がいつもと変わらないかを、毎日少しずつ見てあげることがいちばんの近道かなと思います。

水温を種類に合わせる、底砂をきれいに保つ、沈む餌を食べ残しなく与える、仲間と一緒に暮らせるようにする。どれも地味なことですが、積み重ねるほど、コリドラスにとって居心地のいい水槽になっていきます。あなたの水槽のコリドラスが、一日でも長く元気に過ごせますように。

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