コリドラスの混泳は誰となら大丈夫?相性のよい魚・避けたい魚と失敗を減らす水槽の条件
コリドラスを水槽に迎えたい、あるいはもう飼っているけれど、ほかの魚と一緒に入れても大丈夫かな、と迷っていませんか。ネオンテトラやグッピーとの相性はどうなのか、ベタやメダカ、金魚と一緒に飼えるのか、エビやオトシンクルス、プレコと底で取り合いにならないのか。気になることがたくさんありますよね。
先に結論をお伝えすると、コリドラスは性格がおだやかで、混泳に向いている魚です。ただ、「おとなしいから誰とでも大丈夫」というわけではありません。コリドラスを食べてしまう大きな魚や、ヒレをかじる魚、水温の好みが合わない魚と組み合わせると、追い回されたり、餌が回らずにやせたりしてしまいます。
それに、コリドラスの混泳でつまずきやすい点のひとつが、ケンカよりも目立ちにくい餌の問題です。底でゆっくり餌を探す魚なので、上の魚に先に食べられてしまい、気づかないうちにやせていく、ということが起こりえるんです。
この記事では、コリドラスと混泳できる魚・条件つきの魚・避けたい魚を、メーカーの飼育ガイドや海外の魚種データベースの情報をもとに整理しました。あわせて、何匹から飼うのがいいかという群れの数の目安、水槽サイズ、底砂と隠れ家の作り方、混泳水槽で餌をコリドラスまで届ける方法、迎える順番と失敗のサインまで、順番にまとめています。
読み終わるころには、今の水槽にコリドラスを足していいか、どんな魚となら一緒に飼えるかを、自分で判断できるようになるはずですよ。
- コリドラスが混泳向きといわれる理由と相性を決める条件
- 相性のよい魚・条件つきの魚・避けたい魚の見分け方
- 何匹から飼うかの目安と水槽サイズ・底砂の選び方
- 混泳水槽で餌を行き渡らせるコツと失敗のサイン
コリドラスの混泳に向く魚・向かない魚の見分け方
最初の章では、コリドラスがどんな魚となら一緒に暮らせるのかを、相性を決める条件から順番に見ていきます。
コリドラスは南米原産の小さなナマズの仲間で、水槽の底を歩くように泳ぎながら、口のまわりのヒゲで砂の中の餌を探して暮らしています。中層や上層を泳ぐ魚とは使う場所が分かれやすく、そのぶん混泳水槽の「底の担当」として選ばれることが多い魚です。
とはいえ、相手を選ばずに入れていいわけではありません。この章では、相性を判断するための4つの条件をおさえたうえで、相性のよい魚、条件つきで混泳できる魚、避けたい魚、そしてメダカや種類の違うコリドラス同士の扱いまで整理します。名前だけで「OK」「NG」を覚えるより、条件で考えられるようになると、表にない魚にも応用できますよ。
コリドラスが混泳向きといわれる理由

コリドラスが混泳向きといわれる理由は、大きく分けて3つあります。性格がおだやかなこと、底で暮らすので泳ぐ場所が分かれること、ほかの魚を追い回さないことです。
観賞魚用飼料メーカーのキョーリンは、コリドラスの飼い方のページで「温和な魚なので、コリドラス同士はもちろん、コリドラスを食べてしまうような魚以外ならたいていの魚種と混泳できます」と案内しています。All About の熱帯魚ガイド・長谷川秀樹さんの解説でも、底床を生活の場にしていて温和な性格なので、コリドラスを攻撃したり捕食したりする魚以外なら、大体どんな魚とでも飼える、とされています。
海外の魚種データベース Seriously Fish でも、パンダやステルバイの項に「とてもおだやかで、多くの混泳水槽に向く」と書かれていて、相性のよい相手として小型のカラシン、コイの仲間の小型魚、ドワーフシクリッド、ほかのおとなしいナマズの仲間などが挙げられています。
もうひとつ見逃せないのが、泳ぐ層の違いです。ネオンテトラやグッピーのような魚は、主に水槽の真ん中から上を泳ぎます。コリドラスは底にいる時間が長いので、同じ水槽にいても、お互いの居場所がぶつかりにくいんですね。混泳でトラブルが起きやすいのは「同じ場所」「同じ餌」を取り合うときなので、層が分かれていること自体が相性のよさにつながります。
ただし、2つの資料はどちらも、相手が〜以外なら、という条件を付けています。All About の解説では、コリドラスの一部の大型種には気の荒い種類もいるとされていますし、小型種や大人しい種類は単独か、同じような種類との混泳がよいとも書かれています。「コリドラスなら誰とでも平和」ではなく、相手と種類しだいで向き不向きが変わる、と考えておくと安心です。
混泳の相性を決める4つの条件

コリドラスと混泳できるかどうかは、相手の魚について次の4つを確かめると判断しやすくなります。表にない魚を迎えるときも、この4つに当てはめてみてくださいね。
1. コリドラスが相手の口に入らないか
いちばん大事なのが、体の大きさの差です。キョーリンも All About も、混泳できない相手として「コリドラスを食べてしまうような魚」を挙げています。今は小さくても、成長すると口が大きくなる魚もいるので、迎える時点の大きさではなく、大人になったときの大きさで考えるのがポイントです。とくに体長3cmほどにしかならないピグミーのような小型種は、ふつうの混泳水槽にいる魚にとっても口に入る大きさになりがちです。
2. ヒレをかじる・追い回す習性がないか
コリドラスはヒレが短めの種類が多い魚です。それでも、ヒレをかじる習性のある魚や、ほかの魚を追い回す気の強い魚と一緒にすると、落ち着いて底で餌を探せなくなります。ロングフィンのように長いヒレを持つ改良品種のコリドラスもいるので、その場合はヒレをかじる魚とはより相性が悪くなります。
3. 水温と水質の好みが重なるか
キョーリンのコリドラスの飼い方のページでは、水温は23-28℃が適温としたうえで、水質は中性~弱酸性、30℃を超えると危険と案内されています(同じページの別の欄では適水温を20~24℃としていて、資料の中でも目安に幅があります)。All About の解説では、弱酸性から中性付近を好む種類がほとんどで、水温は23~28℃の間であれば神経質になる必要はないが、あまり高温には強くない傾向がある、とされています。相手の魚の適水温がこの範囲と重ならない場合は、どちらかに無理をさせることになります。重なりを見るときは、広いほうの23~28℃だけでなく、低めの20~24℃とも比べて、コリドラスに無理のない側で重なるかを確かめると安心です。
4. 底の居場所と餌を取り合わないか
見落としがちなのが、底の取り合いです。同じく底で暮らす大きな魚や縄張りを持つ魚がいると、コリドラスが追い出されたり、沈めた餌を先に食べられたりします。ケンカが目立たなくても、少しずつやせてしまうことがあるので注意したいところです。
| 確かめること | OKの目安 | 注意が必要な例 |
|---|---|---|
| 体の大きさ | 大人になってもコリドラスが口に入らない | 成長すると口が大きくなる魚・肉食性の魚 |
| 性格 | おだやかで、ほかの魚を追い回さない | ヒレをかじる魚・縄張りの強い魚 |
| 水温・水質 | 適水温と中性~弱酸性の水が重なる | ヒーターを使わない低水温向きの魚 |
| 底の使い方 | 主に中層・上層を泳ぐ | 底を占領する大きな魚 |
この4つのうち1つでも大きく外れる相手なら、混泳は見送るか、十分な準備をしてからにするのが無難です。次のH3から、具体的な魚の名前をこの条件に当てはめていきます。
相性のよい魚|小型カラシン・ラスボラ・グッピー
コリドラスと相性がよいのは、体が小さめでおだやか、主に中層から上を泳ぐ魚です。代表的なのは、ネオンテトラやカージナルテトラのような小型カラシン、ラスボラの仲間、グッピーやプラティのような卵胎生の小型魚です。
Seriously Fish でも、パレアタスの項で理想的な混泳相手として「テトラのようなほかの小型魚やドワーフシクリッド」が挙げられていますし、ステルバイやパンダの項にも小型のカラシンやコイの仲間が並んでいます。
ネオンテトラ・カージナルテトラなどの小型カラシン
小型カラシンは、コリドラスと組み合わせる相手としてよく選ばれる魚です。キョーリンのカラシンの飼い方のページでは、カラシンの適水温は24~28℃、混泳は同じくらいのサイズならたいていはOKとされています。
水温は、コリドラスの23-28℃(キョーリンの適温)とは広く重なりますが、同じページの適水温20~24℃と比べると、重なるのは24℃前後だけです。コリドラスは高温に強くない傾向があるとされているので、混泳水槽では重なる範囲の低め寄りを意識し、夏に水温が上がりすぎないように気をつけてください。水質は、コリドラスの中性~弱酸性とカラシンの好みの方向が近く、水づくりはそろえやすい組み合わせです。
群れで中層を泳ぐカラシンと、底を探るコリドラスの組み合わせは、水槽の上下に動きが出て見ていても楽しいですよ。カージナルテトラ側から見た相性や水槽サイズ別の組み合わせは、カージナルテトラの混泳で避けたい魚と安心できる組み合わせでも紹介しています。
グッピー・プラティなどの卵胎生メダカ
グッピーも、コリドラスと一緒に飼われることの多い魚です。キョーリンのグッピーの飼い方のページでは、グッピーの適温は21〜28℃とされていて、コリドラスの適温(23-28℃)とも、低めの適水温(20~24℃)とも重なる範囲があります。グッピーは上から中層、コリドラスは底と、泳ぐ層もはっきり分かれます。
気をつけたいのは水質です。コリドラスは中性~弱酸性の水を好むとされているので、混泳水槽では酸性へ極端に寄せすぎず、中性付近で安定させるのが現実的です。グッピー側の水質の好みや混泳の考え方は、グッピーと混泳できる魚と避けたい魚の一覧にまとめています。
もうひとつ、グッピーやプラティは繁殖して数が増えやすい魚です。数が増えると餌の取り合いも激しくなり、底のコリドラスに回る餌が減ることがあります。増えすぎたら水槽を分けるなど、全体の数を見ながら管理してくださいね。
ラスボラなどのおとなしい小型魚
Seriously Fish が相性のよい相手に挙げるコイの仲間の小型魚(cyprinids)には、ラスボラの仲間のように、体が小さくておとなしく、群れで中層を泳ぐ魚が含まれます。考え方は小型カラシンと同じで、大人になったときの大きさ、適水温、水質の好みが重なるかを確かめてから迎えましょう。
条件つきで混泳できる魚|ベタ・エビ・オトシン・プレコ
ここで紹介する魚は、組み合わせ自体はよく見かけるものの、条件をそろえないとトラブルになりやすい相手です。「できる・できない」ではなく、「この条件を満たせば候補になる」と考えてください。
ベタ
ベタは、混泳の相手としては慎重に考えたい魚です。キョーリンのベタの飼い方のページでは、ベタはヒレの大きな魚を攻撃する習性があり、ベタ同士は一緒に飼えないとしたうえで、ヒレが小さなアカヒレなどとは混泳できる、とされています。Seriously Fish のベタの項では、一般的な混泳水槽には向かず、基本は単独で飼うのがよい、ほかの種類を受け入れる個体がいても例外と考えるべき、とさらに慎重な書き方です。
コリドラスとベタの組み合わせについて直接書いた資料は見つかりませんでした。ここからは推測になりますが、コリドラスはヒレが短めで主に底にいるので、ヒレの小さな相手なら混泳できるというキョーリンの考え方に照らすと、候補には入りうる相手です。ただし Seriously Fish のとおり、ほかの種類を受け入れるベタは例外と考えておくのが安全です。どうしても試すなら、ベタが底まで降りてきて突つくことも考えて、コリドラスが逃げ込める隠れ家を用意し、合わなければすぐ分けられる準備をしたうえで、最初の数日はよく様子を見てください。ベタ側から見た条件は、ベタと混泳できる魚と、失敗したときの戻し方で詳しく扱っています。
ミナミヌマエビなどの小型のエビ
小型のエビは、コリドラスと同じく底やガラス面で暮らす生き物です。Seriously Fish のピグミーの項では、体長3cmほどのピグミーをごく小さな種類だけで飼う場合の相手として、同じくらいの大きさのカラシンなどに並んで、小型の淡水エビ(small freshwater shrimp)も、もしかすると(perhaps)という控えめな形で挙げられています。ふつうの大きさのコリドラスとエビの組み合わせについて、はっきり書いた資料ではありません。
一方で、FishBase(魚類の国際データベース)では、ブロンズコリドラス(アエネウス)の成魚は虫や甲殻類、昆虫、植物を食べるとされています。Seriously Fish のステルバイの項にも、卵や稚魚のような一口サイズのものは食べる、と書かれています。大人のエビと一緒に暮らせることはあっても、生まれたばかりの稚エビは食べられる前提で考えておきましょう。エビを殖やしたい場合は、水草を茂らせて稚エビの隠れ場所を作るか、繁殖用の水槽を分けるほうが安心です。
オトシンクルス
オトシンクルスは、ガラス面や水草の葉についたコケを食べる小型のナマズの仲間です。おだやかで、コリドラスと同じように混泳水槽でよく見かける組み合わせです。気をつけたいのは、コケが少ない水槽では餌が足りなくなりやすいこと。コリドラス用の沈む餌とは別に、オトシンクルスが食べられる餌も用意してあげましょう。底で暮らす魚どうしの相性の考え方は、オトシンクルスのいじめ対策と混泳のNG例も参考になりますよ。
プレコ
プレコも底で暮らすナマズの仲間なので、コリドラスとは居場所が重なります。キョーリンのプレコの飼い方のページでは、プレコはほかの中・小型魚とはたいてい混泳OKとしつつ、プレコ同士の場合は流木などの隠れ家をたくさん作って縄張り争いをやわらげるよう案内されています。
プレコは種類によって大人の大きさがかなり違います。大きく育つ種類だと、底や隠れ家を占領してしまい、コリドラスが落ち着ける場所が減ることがあります。迎える前に、そのプレコが大人で何cmになるのかを確かめ、隠れ家を多めに用意しておきましょう。
避けたい魚|エンゼル・大型魚・スマトラ
反対に、コリドラスとの混泳を避けたいのは、コリドラスを食べてしまう大きさの魚、気の荒い魚、ヒレをかじる魚です。
エンゼルフィッシュや大型のシクリッド
エンゼルフィッシュは熱帯魚の定番ですが、成長すると大きくなります。Seriously Fish のエンゼルフィッシュの項では、標準体長150mm(ヒレを除いた長さ)まで育ち、混泳魚としてはよいものの、テトラのような小型魚は食べてしまうことがある、とされています。さらにピグミーの項では、エンゼルフィッシュやグラミー、大きめのナマズの仲間にとって、ピグミーは格好のおやつになってしまうと書かれています。
小型のコリドラスほど、エンゼルフィッシュとの組み合わせは避けたほうが安心です。中型以上のコリドラスとエンゼルフィッシュを一緒に飼う例もありますが、エンゼルフィッシュが十分に大きくなったあとで小さなコリドラスを追加するのは控えたいところです。気の荒い大型のシクリッドや、小魚を食べる肉食魚も同じ理由で避けましょう。
スマトラなどヒレをかじりやすい魚
スマトラ(タイガーバルブ)は、ヒレをかじる魚として知られています。Seriously Fish のスマトラの項では、ほかの魚のヒレをかじるという評判があり、この行動は数が少なすぎるときやスペースが狭いときに目立つとされています。そのうえで、臆病な魚や動きのゆっくりした魚、長いヒレの魚の相手には向かず、少なくとも8〜10匹の群れで飼うことが勧められています。
ロングフィンのコリドラスや、動きがおっとりした個体を飼っているなら、スマトラとの組み合わせは避けたほうが無難です。どうしても一緒にしたいなら、スマトラを十分な数の群れで飼い、水槽にも余裕を持たせることが前提になります。
金魚
金魚は、コリドラスと一緒に飼うのはおすすめしにくい相手です。キョーリンの金魚の飼い方のページでは、金魚の大きさは約20cmとされていて、コリドラスとは大人の大きさに大きな差があります。All About の金魚の混泳の解説でも、金魚は雑食性で、自分の口に入るものならなんでも口にしようとする、と書かれています。
さらに、金魚とコリドラスは飼い方の前提が違います。キョーリンのコリドラスの飼い方では、準備するものにヒーターとサーモスタットが入っていますが、金魚はヒーターなしで飼われることも多い魚です。水温の管理を一本にしにくいので、別々の水槽で飼うのがおすすめです。
避けたい魚に共通するのは「コリドラスが口に入る」「ヒレや体を狙う」「底を占領する」の3つです。今は小さくても、大人になった大きさで判断してくださいね。
メダカや種類の違うコリドラス同士は一緒に飼える?
最後に、相談の多い「メダカとの混泳」と「種類の違うコリドラス同士」を見ておきましょう。
メダカとコリドラス
メダカとコリドラスは、どちらもおだやかで、大きさの差もそれほどありません。性格だけで見れば、ぶつかりにくい組み合わせです。ただし、ネックになるのは飼い方の違いです。
キョーリンのメダカの飼い方のページでは、メダカの飼育容器としてスイレン鉢での屋外飼育もすすめられていて、準備するものの一覧にヒーターは入っていません。一方、コリドラスの飼い方では、ヒーターとサーモスタットが準備するものに含まれています。屋外の容器や、冬に冷え込む部屋のヒーターなしの水槽にコリドラスを入れるのは避けてください。
室内でヒーターを入れた水槽にメダカを入れる、という形なら、温度帯が重なる範囲で一緒に飼うことも考えられます。その場合も、メダカは水の流れが苦手とされているので、フィルターの水流が強すぎないかを確かめてください。メダカ側の考え方は、キョーリンのメダカの飼い方でも「ドジョウや巻貝、ヌマエビは混泳できるけど金魚やカメは混泳できないよ」と案内されていて、コリドラスについては触れられていません。迷うときは販売店で相談してみてくださいね。
種類の違うコリドラス同士
キョーリンは「コリドラス同士はもちろん」混泳できるとしています。種類の違うコリドラスを同じ水槽に入れることもできますが、気をつけたい点が3つあります。
1つ目は群れの作り方です。Seriously Fish のステルバイやパンダの項では、コリドラスは同じ種類の仲間がいるほうがずっと自信を持って活発になるので、いつも群れで飼うように、少なくとも6匹が望ましい、とされています。種類の違うコリドラスを1匹ずつ集めるより、同じ種類をある程度の数そろえるほうが、それぞれが落ち着きやすいということですね。
2つ目は適水温のずれです。Seriously Fish の各種の項を見ると、水温の目安はステルバイが24~28℃、アエネウスが21~27℃、ピグミーが22~26℃、パンダが22~25℃と、種類によって数℃違います。混ぜる前にそれぞれの適水温を調べ、全員の範囲が重なる温度に合わせられるかを確かめておきましょう。重ならない組み合わせは、水槽を分けるのが安全です。
3つ目は大きさと性格の差です。前に触れたとおり、All About の解説では、一部の大型種には気の荒い種類もいて、小型種や大人しい種類は単独か同じような種類との混泳がよいとされています。ピグミーのような小型種と、大きく育つ種類を同じ水槽に入れるときは、とくに注意してください。
コリドラスの混泳を成功させる水槽づくりと餌の与え方
相性のよい相手が決まったら、次はコリドラスが混泳水槽でも落ち着いて暮らせる環境を整えます。
コリドラスの混泳がうまくいくかどうかは、相手選びと同じくらい、水槽側の準備で決まります。群れの数と水槽の大きさ、底砂の種類と隠れ家、そして餌の届け方。この3つがそろっていないと、相性のよい魚と組み合わせても、コリドラスだけが調子を崩すということが起こりえます。
この章では、何匹から飼うかの目安、底砂と隠れ家の作り方、混泳水槽で餌をコリドラスまで届ける工夫、迎える順番と失敗のサインを、具体的に見ていきます。どれも、今の水槽にコリドラスを足す前に確かめておきたいことばかりです。準備が整っているかを1つずつ見比べながら読んでみてくださいね。
何匹から?群れの数と水槽サイズの目安
コリドラスは、同じ種類を数匹以上の群れで飼うのが基本です。目安は資料によって少しずつ違いますが、どれも「1〜2匹だけ」ではなく、ある程度の数をそろえることを勧めています。
| 資料と種類 | 群れの数の目安 | 水槽の目安 |
|---|---|---|
| FishBase(アエネウス) | 5匹以上 | 最低60cm |
| Seriously Fish(アエネウス) | 少なくとも4〜6匹 | 底面80×30cm程度・約72L |
| Seriously Fish(ステルバイ・パンダ) | 少なくとも6匹が望ましい | 45×30×30cm・約41Lで小さな群れ |
| Seriously Fish(ピグミー) | 少なくとも6匹、できれば10匹以上 | 45×30×30cm・約41Lでかなりの数 |
| All About(コリドラス全般) | ― | 60cm程度の水槽から |
※数値は各資料の記載をまとめた一般的な目安です。Seriously Fish の水槽の値は、その種類の群れだけを飼う場合のものです。ほかの魚と混泳させるなら、FishBase や All About の60cmを基準に考えてください。種類や個体、ほかの同居魚の数によって適した数は変わります。
All About の解説では、コリドラスは排せつ量が多いので水量も大切だが、底を生活の場にしているので底面積が重要、とされています。水槽を選ぶときは、高さよりも「底の広さ」を見るのがコツです。
混泳水槽では、コリドラス以外の魚の数も足し算になります。たとえば60cm水槽に小型カラシンの群れとコリドラスの群れを入れる場合、両方の数が増えるほど水は汚れやすくなります。キョーリンは、コリドラスはよく食べて水を汚しやすいので、1週間ごとに1/3程度の水替えをするよう案内しています。数を決めるときは、このペースで水換えを続けられるか、フィルターの力に余裕があるかもあわせて考えてください。
なお、キョーリンは、フィルターをセットしてから約1か月は、ろ過材にバクテリアが十分に定着していないので、魚の数は少なめにし、餌の量も抑えるよう案内しています。立ち上げたばかりの水槽に、いきなり予定の数を全部入れるのは避けましょう。
底砂と隠れ家で底層の居場所を確保する

コリドラスの混泳水槽では、底砂の種類と、逃げ込める隠れ家が欠かせません。混泳相手がいるとストレスを感じる場面が増えるので、底の環境を整えておくことが大事です。
底砂は細かく角のないものを選ぶ
キョーリンのコリドラスの飼い方では、コリドラスは砂の中に顔を突っ込むので細かな丸い砂を選ぶこと、底砂は細かく角のないものにしないと、餌をあさるときにデリケートなヒゲを痛めてしまうことが書かれています。All About の解説でも、角ばった砂利だと口元を傷つけてしまう、すぐ濁るような底砂も向いていない、角のない細かな砂がベストとされています。
Seriously Fish でも、アエネウスの項で理想は細かい砂、丸い砂利もよく掃除するなら使える、とされていて、何らかの隠れ場所を用意するよう書かれています(稚魚の育て方の項では、ベアタンク〈底砂なし〉より薄く砂を敷いたほうが病気になりにくいようだ、とも書かれています)。グッピーとの混泳を考えている場合は、グッピーの底砂の選び方(大磯とソイルの比較)で、田砂がコリドラスとの混泳に向く理由も紹介しています。
底砂の汚れに気をつける
All About の解説では、コリドラスは底床の汚れにも敏感で、沈殿物がたまった状態だと口元が腐ってしまうことがあるとされています。キョーリンも、砂の中にゴミがたまると体調を崩すので、こまめに掃除するよう案内しています。混泳水槽は魚の数が多いぶん、底にフンや食べ残しがたまりやすいので、水換えのたびに底砂の表面も軽く掃除してあげてください。
また、キョーリンは、コリドラスが暮らす底層は水がよどみやすいので、大きな水槽では特にエアレーションなどで水の流れが悪くならないようにするのがおすすめ、としています。
隠れ家と休める場所を作る
前に触れた Seriously Fish のアエネウスの項のとおり、隠れ場所は安心して過ごすために欠かせません。流木や石、水草の茂みなど、コリドラスが体を隠せる場所を底の何か所かに作っておくと、混泳相手に追われたときの逃げ場になります。
キョーリンは、水草を背面にかためて植え、前面に泳ぐスペースを作ると観察しやすいこと、上面が平らな石を置くと、上に乗って休むようなしぐさが見られることも紹介しています。隠れ家を作りつつ、前面の底は開けておくと、コリドラスが餌を探す姿も見やすくなりますよ。
コリドラス向けの細かく角のない底砂を探すときは、田砂のような粒の細かい砂がひとつの候補です。粒の形や大きさは商品によって違うので、購入前に商品の説明で確かめてください。価格や在庫は各ショップでご確認ください。
混泳水槽で餌をコリドラスまで届ける方法

コリドラスの混泳でとくに気をつけたいのが餌です。上の魚に先に食べられて、底のコリドラスまで餌が回らないと、混泳水槽で調子を崩すきっかけになりかねないからです。
キョーリンは、コリドラスは底のエサをゆっくり食べるので、フレークや顆粒タイプのエサはほかの魚に食べられて、十分に食べられないことがあると案内しています。さらに、やせていることが分かりにくい魚種なのでよく観察するように、とも書かれています。All About の解説でも、餌をとるのがそれほど上手ではないため、ほかの魚と一緒に餌をあげていたのでは餌が回らない可能性がある、とされています。
コリドラスは「残り物を片付ける掃除屋さん」ではありません。All About の解説では、専用に給餌せずに掃除屋さん扱いしていると遠からず餓死してしまうとされ、Seriously Fish も、ほかの魚の食べ残しだけで生きていけると考えてはいけないとしています。コリドラスにも、コリドラスのための餌を用意してあげましょう。
底まで届くコリドラス用の餌を使う
混泳水槽では、底まで届くタイプの餌を使うのが基本です。All About の解説では、コリドラスの泳いでいる底床まで餌が届くように開発された専用のコリドラスフードがあるので、混泳水槽ではそういった人工飼料を活用するとよい、とされています。
キョーリンの「ひかりクレストコリドラス」は、同社のページで、ゆっくり食べる性質に合わせて大きな粒にすることで、ほかの魚種に取られにくく、じっくり食べられる混泳水槽用のフードとして紹介されています。同じキョーリンの「コリビッツ」は、コリドラス単独の水槽向けとされているので、混泳水槽かどうかで選び分けるのがポイントです。沈むタイプかどうかや与え方は製品によって違うので、買う前にパッケージの表示を確かめてください。熱帯魚に使える沈む餌の選び方は、おとひめを熱帯魚に使うときの沈む餌が向く魚種の解説も参考にしてみてください。
与え方を工夫する
沈む餌を使っても、落とす場所や順番しだいで、上の魚に横取りされることがあります。次のような工夫を組み合わせてみてください。
- 先に上の魚へ浮く餌を与え、そちらに気を取られている間にコリドラス用の餌を沈める
- 餌を1か所にまとめず、コリドラスがいる場所の近くに分けて落とす
- 照明を消す前後など、上の魚の動きが落ち着いた時間にコリドラス用の餌を入れる
- 食べ終わるまでの様子を見て、底に届いているか、コリドラスが口にしているかを確かめる
FishBase では、ブロンズコリドラス(アエネウス)は夜行性とされています。暗くなってから活発に餌を探す個体もいるので、昼間に食べきれていないようなら、時間帯を変えてみるのもひとつの方法です。ただし、食べ残しは水を汚す原因になります。量は少なめから始め、残った分は取り除いてくださいね。
やせていないかを定期的に見る
キョーリンが書いているとおり、コリドラスはやせていても気づきにくい魚です。混泳水槽では、ときどき正面だけでなく上や横からも体つきを見て、お腹のあたりがへこんでいないかを確かめましょう。同じ水槽の中でも、餌を取るのが得意な個体と苦手な個体で差がつくことがあります。
混泳水槽用として案内されているコリドラスの餌を探すなら、次のような商品があります。沈み方や粒の大きさ、与える量はパッケージの表示を確かめ、価格や在庫は購入前に各ショップで確認してください。
迎える順番と失敗のサインを見分けるコツ

最後に、コリドラスを混泳水槽に迎えるときの順番と、うまくいっていないときのサインを見ておきましょう。混泳は、迎えたあとの最初の数週間がいちばん大事です。
迎える順番の考え方
まず、水槽の準備から始めます。前に触れたとおり、キョーリンは、フィルターをセットしてから約1か月はバクテリアが十分に定着していないので、魚の数を少なめにするよう案内しています。この期間に、コリドラスと相手の魚を一度に全部入れるのは避け、少しずつ数を増やしていくのが安全です。
気の強い魚と一緒にする場合は、相手が先に水槽に慣れて縄張りを作ってしまうと、あとから入るコリドラスが追われやすくなることがあります。ベタのように縄張り意識の強い魚と組み合わせるなら、コリドラスを先に落ち着かせてから相手を迎えるほうが、摩擦を小さくしやすいです。
新しい魚を入れるときは、水温と水質を合わせてから水槽に放すのが基本です。急な変化は魚の負担になるので、袋を浮かべて水温を合わせるなど、時間をかけて慣らしてあげてください。
うまくいっていないサイン
迎えたあとは、次のようなサインが出ていないかを観察しましょう。
- コリドラスが隠れ家から出てこず、餌の時間にも姿を見せない
- ほかの魚に追い回されたり、底まで降りてきた魚に突つかれたりしている
- ヒレや体に、かじられたような傷がある
- 口元のヒゲが欠けたり、短くなったりしている
- お腹のあたりがへこんで、体つきが細くなってきた
- 水面へ空気を吸いに上がる回数が、いつもより明らかに多い
ヒゲの傷みは、Seriously Fish のステルバイやパンダの項でも、汚れた底砂や手入れの行き届かない環境で飼うとヒゲを失うことがある、と書かれているサインです。混泳相手とのトラブルだけでなく、底砂の汚れも疑ってみてください。
コリドラスはもともと、ときどき水面へ空気を吸いに上がる魚です。キョーリンも All About も、腸で空気呼吸をする性質を紹介しています。上がること自体は普通の行動ですが、急に回数が増えたときは、水の汚れや酸素不足、水温の上がりすぎがないかを確かめましょう。
サインが出たときの分け方
追い回しやかじられた傷が続くなら、混泳を続けるより、早めに分けることを考えてください。予備の水槽や、水槽の中を仕切るセパレーターがあると、すぐに対応できます。やせが目立つ場合は、まず餌の与え方を見直し、それでも改善しなければ、コリドラスだけの水槽で落ち着いて食べさせるのもひとつの方法です。
傷や体調の変化が続く場合の判断は、魚を購入した販売店や、観賞魚にくわしい専門家に相談するのがおすすめです。
コリドラスの混泳についてよくある質問
コリドラスは1匹だけで混泳水槽に入れても大丈夫ですか?
1匹だけで入れるのはおすすめしません。資料はそろって群れでの飼育を勧めていて、FishBase はアエネウスを5匹以上、Seriously Fish はアエネウスを少なくとも4〜6匹、ステルバイやパンダを少なくとも6匹で飼うのが望ましいとしています。同じ種類の仲間がいるほうがずっと自信を持って活発になる、とも書かれています。群れで飼うのが基本と考え、その数を無理なく飼える大きさの水槽を用意してあげてください。
コリドラスとドジョウは一緒に飼えますか?
どちらも底で暮らす魚なので、底の居場所と沈む餌を取り合いやすい組み合わせです。また、日本のドジョウはヒーターなしで飼われることもあり、ヒーターを使うコリドラスとは水温の前提が違う場合があります。一緒に飼うなら、相手の大人の大きさと適水温を確かめ、底面積の広い水槽と隠れ家、両方に行き渡る量の沈む餌を用意してください。
コリドラスが産んだ卵は、混泳水槽のままで大丈夫ですか?
混泳水槽のままだと、卵や生まれた稚魚がほかの魚に食べられてしまうことがあります。Seriously Fish のアエネウスの項でも、産卵が終わったら親か卵のどちらかを移すよう書かれています。殖やしたい場合は、同じ水槽の水を入れた別の容器に卵を移すなど、ほかの魚から離して育てるのが安心です。
混泳水槽で病気が出たとき、コリドラスも一緒に薬浴して大丈夫ですか?
魚病薬には、使える魚の種類や使い方の注意が決められているものがあります。混泳水槽でそのまま薬を使う前に、薬の説明書でコリドラスのようなナマズの仲間に使えるか、水温を上げる治療が必要か(コリドラスは高温に強くない傾向があります)を確かめてください。迷うときは別の水槽で治療するか、販売店や薬のメーカーに相談するのがおすすめです。
コリドラスの混泳で押さえたいポイントのまとめ
最後に、コリドラスの混泳で押さえておきたいポイントを振り返っておきましょう。
- コリドラスはおだやかで底に暮らすので、混泳に向いている魚
- 相性は「口に入らないか」「ヒレをかじらないか」「水温と水質が重なるか」「底を取り合わないか」の4つで判断する
- 相性のよい相手は、小型カラシン・ラスボラ・グッピーなど、おだやかで中層から上を泳ぐ小型魚
- オトシンクルスとプレコは、隠れ家と餌をそろえれば候補になる
- エビは大人なら同居できることがあるが、稚エビは食べられる前提で考える
- ベタは基本は単独で飼う魚で、受け入れる個体は例外と考えて慎重に
- エンゼルフィッシュや大型のシクリッド、スマトラ、金魚は避けたほうが無難
- メダカは室内のヒーターつき水槽で、水流と常に加温になる点を確かめたうえでなら候補になるが、屋外やヒーターなしの容器にコリドラスは入れない
- 同じ種類を数匹以上の群れで、底面積の広い水槽で飼う
- 底砂は細かく角のないものを選び、汚れをためない
- 混泳水槽向けのコリドラス用の餌を使い、コリドラスまで届いているかを毎回確かめる
コリドラスの混泳は、相手選びさえ間違えなければ、それほど難しいものではありません。ただ、底でゆっくり餌を探す魚だからこそ、ちゃんと食べられているか、落ち着ける場所があるかを、飼い主が気にかけてあげることが大切です。
これから混泳を始めるなら、まずは相性のよい小型魚との組み合わせから、少ない数で始めてみてください。底を並んで探るコリドラスの群れと、中層を泳ぐ魚たちが一緒に見られる水槽は、きっと毎日眺めたくなるはずですよ。
なお、この記事で紹介した水温や群れの数、水槽の大きさなどの数値は、あくまで一般的な目安です。コリドラスや混泳相手の種類、個体の状態によって適した条件は変わります。餌や用品などの正確な情報は公式サイトをご確認ください(出典:キョーリン「コリドラスの飼い方」、Seriously Fish「Hoplisoma sterbai」)。混泳や体調についての最終的な判断は専門家にご相談ください。魚を購入した販売店やメーカーに相談するのもおすすめです。


COMMENTS
この記事へのご質問・コメント