グッピー水槽のレイアウト|隠れ家・水草・流木の選び方
水槽が立ち上がってグッピーが泳ぎ始めると、今度は「もう少し見栄えをよくしたいな」と思えてきますよね。流木を入れてみたい、水草を茂らせたい、でも入れすぎて泳ぐ場所がなくなるのも困る。そんなところで手が止まっていませんか。
グッピー水槽のレイアウトには、他の魚とは少し違う事情があります。上層から中層をひらひらと泳ぐ魚なので遊泳スペースが要る一方で、いつのまにか稚魚が生まれる魚でもあるため隠れ場所も要るのです。この2つは、そのままだと取り合いになります。
先に結論をお伝えすると、置き方の順番を決めれば両立できます。泳ぐ場所を先に確保し、余った空間に隠れ家を作る。この順序を守るだけで、見た目と機能のどちらも成り立つレイアウトになります。
この記事では、素材ごとの向き不向きと、避けたい配置、そして掃除まで含めた組み立て方を順に見ていきます。
- 遊泳スペースと隠れ家を両立させる配置の順番
- 底床・流木・石が水質と安全にどう影響するか
- 稚魚が逃げ込める茂みの作り方と量の目安
- ヒレを傷める配置や、水が回らなくなる詰め込み方
グッピー水槽のレイアウトで最初に決めること
レイアウトを考えるとき、多くの方は「何を入れるか」から始めます。しかしグッピー水槽では、何を入れるかより先に、どこを空けておくかを決めたほうがうまくいきます。空間の確保は後から取り戻すのが難しく、素材を足すのはいつでもできるからです。
その理由は、グッピーの泳ぎ方にあります。底に留まる魚ではなく、水槽の中層から上層を行き来しながら過ごす魚なので、横方向の移動距離が確保されていないと落ち着きません。オスは大きな尾ビレを広げて泳ぐぶん、必要な幅も大きくなります。
この章では、遊泳スペース・隠れ家・掃除という3つの視点から、置き方の順番を決めていきます。素材選びはそのあとの話です。順番を決めておくと、途中で気に入った流木を見つけたときにも「どこに置けるか」で判断できるようになりますよ。
泳ぐ場所を最優先で確保する
最初に決めるのは、何も置かない空間をどこに作るかです。目安として、水槽を上から見たときに、床面積の半分程度は素材を置かない場所として残しておくと、グッピーが落ち着いて泳げます。前面のガラスに沿った帯を空けておくと、観賞面でも見やすくなりますね。
配置の型として、水槽レイアウトには昔から3つの構図があります。片側に素材を寄せる三角構図、両端を高くして中央を空ける凹構図、中央を高くする凸構図です。このうちグッピー水槽と相性がよいのは、三角構図と凹構図の2つになります。
三角構図は、左右どちらかに流木や水草を寄せ、反対側を空けるやり方です。空いた側がそのまま遊泳スペースになり、掃除もしやすくなります。素材が片側にまとまるので、水の流れも作りやすいという利点があります。
凹構図は、両端に背の高いものを置いて中央を空ける形です。中央に奥行きが生まれて見た目が整い、真ん中がまるごと泳ぐ場所になります。左右の高さを揃えず、6対4くらいに崩すと自然に見えますよ。
避けたいのは、中央に大きな素材を置く凸構図です。見栄えは作りやすいのですが、水槽の中心が塞がるので左右の移動が分断されます。掃除のときにも手が入りにくく、グッピー水槽では扱いにくい形といえます。
隠れ家は誰のために必要か
隠れ家というと稚魚のためのものと思われがちですが、実際に使うのは3種類の個体です。生まれたばかりの稚魚、追いかけられているメス、そして体調を崩している個体。この3つを想定しておくと、必要な場所と数が見えてきます。
まず稚魚です。グッピーは卵ではなく稚魚を産むため、水槽内で自然に増えます。産まれた直後の稚魚は成魚に食べられてしまうので、体の入る隙間があるかどうかで、その後の数が変わってきます。細かい葉の茂みが水面近くにあると生存率が上がります。
次にメスです。オスが多い水槽では、メスが追いかけ回されて休めないことがあります。追尾から逃れられる場所がないと、食が細くなったり、体力を落としたりします。オスの視線が通らない、少し暗がりになる場所を作っておくと安心です。
3つめが不調の個体です。水槽内で立場の弱い個体は、開けた場所にいると突かれることがあります。落ち着ける場所があるかどうかは、回復の早さに関わってきます。
つまり隠れ家は「1か所あればいい」というものではありません。水面近く・中層・底の3層に、それぞれ身を隠せる場所があるのが理想です。とはいえ全部を素材で埋める必要はなく、水草の茂みが1つと、流木の陰が1つあれば足りることが多いですね。
掃除のしやすさも設計に入れる

見落とされがちなのが、掃除の動線です。底床の掃除ができない場所を作ってしまうと、そこに汚れがたまり続け、数か月後に水質の問題として返ってきます。レイアウトは飾りではなく、毎週触るものだと考えてください。
具体的には、プロホースなどの掃除道具が入る幅を、素材と素材のあいだに残しておきます。ぎっしり詰めた水草の下や、大きな石の真下は掃除できません。掃除できない場所を作るなら、そこは底床を敷かないという判断もあります。
ガラス面のコケ取りも考えておきたいところです。前面のガラスから素材までの距離が近すぎると、スポンジやスクレーパーが入りません。前面に5センチほどの余裕があると作業が楽になります。
水の通り道も同じ話です。水槽の隅に大きな石や流木を密着させると、その裏側は水が回らなくなります。壁から数センチ離すだけで裏側にも流れが届くので、設置の段階で少し浮かせておいてください。
掃除と水流の関係については、グッピー用フィルターの選び方|方式別比較と水槽サイズ別のおすすめ構成でも触れています。レイアウトとろ過は別々に考えず、セットで組み立てるほうが後が楽になりますよ。
置き方の順番:①遊泳スペースを決める(床面積の半分が目安)→②掃除の通り道を残す→③残った場所へ隠れ家と素材を配置する。この順で決めると、後から「泳ぐ場所がない」という事態を避けられます。
底床と流木・石の選び方

空間の配分が決まったら、素材を選びます。グッピー水槽で素材を選ぶときの判断軸は、見た目よりも水質への影響と、ヒレを傷つけないかどうかの2つです。同じ流木でも、種類と処理の有無で水の傾き方が変わります。
とくに気をつけたいのが、グッピーが好む水質と、レイアウト素材が水を引っ張る方向が食い違いやすいことです。グッピーは中性から弱アルカリ性の水を好むとされますが、流木やソイルは水を酸性側へ傾ける働きを持っています。
この章では、底床・流木・石とアクセサリーの順に、選ぶときに見るポイントを整理します。数値を完璧に合わせる必要はありませんが、どちらへ傾く素材なのかは知っておきたいところです。
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| 素材 | 水質への影響 | 隠れ家としての働き | 掃除のしやすさ | グッピー水槽での注意 |
|---|---|---|---|---|
| 大磯砂などの砂利 | やや硬度・pHが上がる傾向 | 低い | 高い | グッピーの好む水質と相性がよい |
| ソイル | 酸性側へ傾きやすい | 低い | 中(崩れる) | 水草は育つが水質は要確認 |
| 流木 | アクが出て酸性側へ | 中(陰ができる) | 中 | アク抜き済みかを確認する |
| 石 | 種類による(石灰質は上がる) | 中 | 中 | 角のあるものは避ける |
| 水草 | ほぼ影響なし | 高い | 低め(トリミング要) | 稚魚の隠れ家として最適 |
| 人工の装飾品 | なし | 中 | 高い | 塗装の劣化と角に注意 |
底床は水質への影響で選ぶ
底床は水槽の面積すべてを覆うので、素材の中でもっとも水質への影響が大きい部分です。グッピー水槽では、pHを下げにくい大磯砂などの砂利系が扱いやすく、水草を本格的に育てたい場合にソイルという選択になります。どちらが正解というより、優先順位の問題ですね。
大磯砂は、粒が硬く崩れにくいのが利点です。長く使えて掃除もしやすく、水質としては中性から弱アルカリ寄りに保たれやすい傾向があります。グッピーが好む範囲と方向が合っているので、迷ったらこちらから検討するとよいでしょう。
ソイルは水草の育成に向く一方、種類によっては水を酸性側へ傾けます。水草をしっかり茂らせたい場合には有力ですが、pHの推移は測って確認したいところです。数値の考え方はグッピーに適したpHは?6.5〜7.5の目安と急変を防ぐ水換えの手順にまとめました。
厚みは3センチ前後を目安にします。厚く敷きすぎると底床の奥に水が通らない層ができ、そこで汚れが分解されずに残ります。逆に薄すぎると水草が根を張れないので、水草を植える場所だけ厚くする、という敷き分けも有効です。
底床ごとの詳しい比較は大磯かソイルか?グッピーの底砂おすすめと相性抜群の選び方で扱っています。粒の大きさや掃除の手間まで含めて決めたい方はそちらもどうぞ。
底床を新しく入れるなら、粒が硬く長く使える大磯砂が扱いやすい選択肢です。水質を酸性側へ引っ張りにくいので、グッピーの好む範囲と方向が合っています。掃除のしやすさも砂利系の利点ですね。
流木はアクとpHの下がり方を見る
流木は隠れ家と見栄えの両方を担える素材ですが、グッピーとの相性という点では少し注意が要ります。水質への影響が最も分かりにくい素材だからです。木から溶け出すタンニンという成分によって水が茶色くなり、同時にpHが酸性側へ動くことがあります。この2つはセットで起きると考えてください。
対策の基本は、アク抜き処理済みの製品を選ぶことです。市販の流木には「アク抜き済み」と表示されたものがあり、そのまま使えます。未処理のものは、鍋で煮る、水に浸けて水を換え続ける、といった下処理をしてから入れます。
それでも完全には止まらないので、水が茶色くなってきたら活性炭を使うか、水換えの頻度を上げて対応します。見た目の問題だけなら急ぐ必要はありませんが、pHが下がり続けているなら量を減らすか取り出す判断もありえます。
大きさの目安は、水槽の横幅の3分の1程度までに収めると、遊泳スペースを圧迫しません。太い枝が水槽の対角線を横切るような配置は迫力が出ますが、グッピーの泳ぐ道を分断します。
形については、稚魚が入り込める隙間があるものが向いています。ただし、大人の魚が挟まってしまう幅の穴だけは避けてください。抜けられなくなると自力では戻れません。指1本が入るくらいの隙間なら安全です。
流木は、アク抜きの処理まで済ませてある製品を選ぶと、導入直後の水の濁りに悩まされにくくなります。小ぶりなものを複数組み合わせると、遊泳スペースを空けたまま陰を作れますよ。
石とアクセサリーは角と隙間を確認する
石は水質を大きく動かさないものが多く、扱いやすい素材です。ただし石灰質を含む石は硬度とpHを上げる働きがあり、種類によって性格が違うので、購入前に用途の表示を確認してください。グッピーの場合、多少上がる方向なら大きな問題にはなりにくいですね。
選ぶときに見るのは角です。割れた面が鋭い石は、泳いでいる魚がぶつかったときにヒレを裂くことがあります。グッピーのオスは尾ビレが大きいぶん、こうした事故が起きやすい体型です。手のひらで撫でて引っかかりを感じる面は、内側に向けないようにしましょう。
人工のアクセサリーも同じ基準で選びます。プラスチックの成形品はバリ(成形のときにできる細い出っ張り)が残っていることがあり、そこがヒレに当たります。素材の安全確認の考え方は金魚水槽のレイアウト|角と隙間を作らない安全な組み方と素材の選び方で詳しくまとめました。魚種は違いますが、確認すべき点は共通しています。
もうひとつ、水槽用として売られていない小物は入れないほうが無難です。塗装がはがれる、金属部品が錆びるといったことが起きると、水質に何が溶け出しているか分からなくなります。
積み上げる場合は、崩れないことを最優先にしてください。魚が下敷きになる事故のほか、ガラス面に落ちて割れる可能性もあります。高く積むより、底に置いて安定させるほうがグッピー水槽には合っています。
水草の置き方で隠れ家を作る
グッピー水槽で隠れ家を作るなら、主役は水草です。細かい葉が茂った一角があるだけで、稚魚の生存率は目に見えて変わりますし、追われているメスの逃げ場にもなります。しかも水質への影響が小さく、掃除の邪魔にもなりにくい素材です。
ただし、置き方には向き不向きがあります。前面に低い水草を並べても隠れ家にはならず、逆に水槽全体を茂らせると泳ぐ場所がなくなります。どこにどれだけ茂らせるかが、この章のテーマです。
あわせて、水草が育たない環境での代替案にも触れておきます。照明や底床の条件によっては、生きた水草を維持するのが難しい場合もあり、そのときに無理を続けると水槽の中に枯れた葉がたまって水質を落とすことになるからです。
稚魚が逃げ込める茂みの作り方

稚魚が身を守れる茂みには、条件があります。成魚が体を入れられない密度で、かつ稚魚が通り抜けられる細かさ。この2つを満たすのが、糸のように細い葉を持つ水草です。葉が大きい種類は、隠れ家としては働きません。
配置は、水槽の左右どちらかの奥に寄せるのが基本です。手前に置くと観賞の邪魔になり、中央に置くと泳ぐ道を塞ぎます。奥の角に密度の高い一角を作り、そこから前面へ向かって少しずつ低くしていくと、見た目も自然に収まります。
量は、水槽の床面積の4分の1から3分の1程度を一つの目安にしてください(水槽の形や飼育数で変わるので、あくまで出発点の数字です)。これ以上入れると掃除がしにくくなり、水の流れも滞ります。少なく感じるかもしれませんが、水草は成長するので、植えた直後がちょうどよく見える量だと数か月後には多すぎになります。
もうひとつ有効なのが、水面近くに浮かべるタイプの水草です。産まれた直後の稚魚は水面付近に集まる傾向があるので、そこに影と隙間があると逃げ込めます。根が長く伸びる種類なら、根そのものが稚魚の隠れ場所になります。
どの種類を選ぶかは、グッピー水槽におすすめの水草5種|稚魚の隠れ家になる種類と入れる量で丈夫さと入手性から絞り込んでいます。稚魚を守る目的では、育てやすさが何より大切ですね。
浮き草で上層に影を作る
浮き草は、レイアウトの中でも扱いが軽い素材です。植える必要がなく、増えたら間引くだけで量を調整でき、水面に影を作って魚を落ち着かせます。上層を泳ぐグッピーとは相性のよい組み合わせといえます。
効果は3つあります。ひとつは強い照明をやわらげること。もうひとつは根が稚魚の隠れ場所になること。そして水中の栄養を吸ってコケの発生を抑えることです。
注意点は増えすぎです。条件が合うと倍々で増えていくので、放っておくと水面が完全に覆われます。水面が全部ふさがるとガス交換が落ち、水中の酸素が不足しやすくなります。フィルターやエアレーションで水面が動いている水槽なら半分程度まで、水の動きが弱い容器では3分の1程度を上限の目安にして、定期的にすくって捨ててください。
もうひとつ、フィルターの吐出口の下に浮き草が集まると、水流で押し付けられて傷みます。水面に仕切りを浮かべて集まる範囲を区切るか、流れの弱い側へ寄せておくと管理しやすくなります。
照明が弱いと溶けるように枯れることもあるので、その場合は無理に維持せず、後述する代替の方法に切り替えてしまって構いません。
水草が育たないときの代わり
照明が暗い、底床が合わない、コケに負けるなど、水草がうまくいかない環境もあります。その場合は、人工水草やウィローモスを活着させた流木など、育成の手間がいらない選択肢に切り替えるのが現実的です。隠れ家としての役割は果たせます。
人工水草を使うときは、素材の柔らかさを確認してください。硬いプラスチック製の葉先はヒレに当たると傷の原因になります。布のような柔らかい素材のものを選び、指で触って引っかからないかを確かめてから入れましょう。
もうひとつ、産卵箱や隔離ケースに付属する水草状のパーツも役に立ちます。稚魚を隔離せずに育てたい場合は、こうしたパーツを水槽内に固定して、稚魚が逃げ込める場所を追加する方法もあります。
ただし、人工物だけで組む場合はコケの管理が必要になります。生きた水草は水中の栄養を吸ってくれますが、人工物にはその働きがありません。水換えの頻度を落とさないようにしてください。
稚魚を確実に育てたい場合は、レイアウトによる保護だけに頼らず、隔離という手段も併用できます。捕食を減らす具体策はグッピーの共食いの原因と対策|稚魚を守る隔離・水草・餌・混泳のコツにまとめています。
水草は植えた直後の見た目で量を決めないでください。数か月後の姿を見越して、最初は「少し寂しいかな」くらいがちょうどよい量になります。
やってはいけないレイアウトと見直し方

ここまでは何を入れるかの話でしたが、最後に避けたい配置をまとめます。レイアウトの失敗は、見た目の好みではなく、ヒレの損傷・水質の悪化・掃除の破綻という形で表面化します。どれも数週間から数か月遅れて出てくるので、原因が結びつきにくい種類のトラブルです。
逆にいえば、この3つを避ける基準さえ持っておけば、あとは好きに組んで構いません。おしゃれに見せる工夫も、安全と管理の土台があってこそ活きてきます。飾りを削るのではなく、削ってはいけない部分を先に決める、という順番だと考えてください。
この章では、避けたい配置を2つ挙げたうえで、見栄えを整えるための考え方を扱います。どれも組んでしまってから直すのは大がかりになるので、水槽をリセットする前に一度目を通しておくと手戻りが減ります。
尖った装飾と狭い隙間は避ける
グッピーの体で最も傷つきやすいのは尾ビレです。とくにオスは体長より長い尾を持つ品種もあり、鋭い角や硬い葉先に触れただけで裂けることがあります。裂けた部分から細菌に感染すると、そこから体調を崩す流れになりかねません。
確認の方法は単純で、水槽へ入れる前に手のひらや指の腹で表面をなぞることです。引っかかる、爪が当たる、という感触があれば、その面は魚の泳ぐ側へ向けないようにします。素焼きの鉢や割れた石は、断面がざらついていることが多いので要注意です。
もうひとつが隙間の幅です。稚魚が入れる隙間は隠れ家になりますが、成魚が頭から入って抜けられなくなる幅の穴は事故のもとになります。ちょうど魚の体が入るくらいの筒や穴は、片側が塞がっていないかを確認してください。
土管やシェルターのような製品を使う場合は、両端が開いているタイプを選ぶと、入って戻れないという事態を避けられます。ベタなど他の魚向けに作られた小さな穴の製品は、グッピーには合わないことがあります。
そして意外な落とし穴が、水槽の上部です。飛び出しはグッピーでも起こりうるので、水面と縁の距離を数センチ確保し、蓋を使ってください。レイアウトで水位を上げすぎると、この余裕が消えてしまいます。
詰め込みすぎると水が回らない
素材を増やしていくと、ある時点から水の流れが変わります。物が増えるほど水槽内の抵抗が増え、フィルターから出た水が届かない場所ができます。そこが淀みになり、汚れがたまる起点になります。見た目が完成した水槽ほど、この問題を抱えがちです。
兆候は分かりやすく出ます。底床の特定の場所にだけフンや食べ残しがたまる、水換えのときにその場所から黒っぽい汚れが出てくる、水面に膜が張る。こうした変化が出たら、素材の量か配置を見直す合図です。
対処は2つあります。ひとつは量を減らすこと。もうひとつは、壁と素材のあいだに数センチの隙間を作って、裏側へも水が回るようにすることです。特に水槽の四隅は流れが止まりやすいので、隅を素材で埋めないほうが管理しやすくなります。
水草を茂らせている場合は、トリミング(伸びすぎた水草を切って整えること)が水流の管理になります。伸びた水草が水面を覆うと、その下の層に水が入りにくくなるからです。月に1度は間引く前提で量を決めておくと、詰まりを防げます。
レイアウトを変えたあとは、数日かけて汚れのたまり方を観察してください。きれいに組めているかどうかは、見た目ではなく汚れの分布で分かります。
おしゃれに見せるための配置のコツ
安全と管理の条件を満たしたうえで、見栄えを整えるコツもいくつかあります。基本は、高さに差をつけることと、素材の数を絞ることの2点です。種類を増やすより、同じ素材でサイズを変えて並べるほうがまとまって見えます。
高さは、奥を高く手前を低くするのが定石です。奥に背の高い水草、中間に流木、手前は何も置かない、という3段構えにすると奥行きが生まれます。前面を空けることは、掃除のしやすさとも一致しますね。
左右のバランスは、あえて崩したほうが自然に見えます。中央できっちり対称にすると人工的な印象になるので、6対4くらいの比率で片側に寄せてみてください。空いた側がグッピーの泳ぐ舞台になります。
色数も絞ったほうがまとまります。グッピー自体が鮮やかな魚なので、背景や装飾に色を足すと主役がぼやけます。背面に暗い色のバックスクリーンを貼ると、体色が引き立って写真も撮りやすくなりますよ。
照明は、水草の要求に合わせつつ、点灯時間を8時間前後にそろえます。長く点けるほど水草が育つわけではなく、むしろコケが増えます。タイマーで固定してしまえば、毎日の管理から1つ減らせます。
入れる前に必ず確認:①手で触って引っかかる角がないか ②成魚が入って抜けられない穴がないか ③掃除道具が入る幅を残しているか ④壁との隙間が数センチあるか。この4点は、入れてしまうと直すのに水槽をやり直すことになります。
グッピー水槽のレイアウトに関するよくある質問(FAQ)
グッピー水槽に隠れ家は必要ですか?
あったほうがよい、というのが実際のところです。使うのは3種類の個体で、生まれたばかりの稚魚、オスに追いかけられているメス、そして体調を崩している個体です。どれも開けた場所では休めません。
特にグッピーは水槽内で自然に増える魚なので、稚魚が逃げ込める細かい葉の茂みがあるかどうかで、その後に残る数が変わります。全部を素材で埋める必要はなく、水草の茂みが1つと流木や石の陰が1つあれば足りることが多いですよ。
グッピー水槽に流木を入れても大丈夫ですか?
使えますが、2つ確認してください。ひとつはアク抜き処理済みかどうか。未処理の流木はタンニンが溶け出して水が茶色くなり、同時にpHが酸性側へ動くことがあります。グッピーは中性から弱アルカリ性の水を好むとされるので、傾く方向としては逆になります。
もうひとつは大きさと形です。水槽の横幅の3分の1程度までに収めると遊泳スペースを圧迫しません。稚魚が入れる隙間は隠れ家として役立ちますが、成魚が入って抜けられなくなる幅の穴だけは避けてください。
水草はどのくらいの量を入れればいいですか?
水槽の床面積の4分の1から3分の1程度が目安です。これ以上入れると掃除がしにくくなり、水の流れも滞ります。水草は成長するので、植えた直後に「少し寂しいかな」と感じるくらいがちょうどよい量になります。
配置は左右どちらかの奥に寄せ、密度の高い一角を作ります。手前に置くと観賞の邪魔になり、中央に置くと泳ぐ道を分断してしまいます。浮き草を使う場合、水面を覆う面積は、水の動きがある水槽で半分程度まで、動きの弱い容器では3分の1程度が目安です。水面がふさがるとガス交換が落ちます。
レイアウトを組んだら水が汚れやすくなりました
素材が増えて水の通り道がふさがり、淀みができている可能性があります。底床の特定の場所にだけ汚れがたまる、水換えでその場所から黒っぽい汚れが出る、水面に膜が張る、といった変化が出ていないか確認してください。
対処は、素材の量を減らすか、壁と素材のあいだに数センチの隙間を作って裏側にも水が回るようにすることです。水槽の四隅は特に流れが止まりやすいので、隅を素材で埋めないほうが管理しやすくなります。水草が伸びすぎている場合はトリミングも効果があります。
100円ショップの小物を水槽に入れてもいいですか?
水槽用として売られていないものは避けたほうが無難です。塗装がはがれる、金属部品が錆びるといったことが起きると、水中に何が溶け出しているか分からなくなります。観賞魚用として販売されている製品は、水中で使う前提で作られています。
水槽用の製品であっても、成形時のバリや鋭い角が残っていることがあります。入れる前に手のひらや指の腹でなぞり、引っかかる面がないかを確かめてください。グッピーのオスは尾ビレが大きく、こうした部分で傷を作りやすい体型です。
まとめ|グッピー水槽のレイアウトは順番で決まる
グッピー水槽のレイアウトは、素材選びから入るとうまくいきません。先に泳ぐ場所を決め、掃除の通り道を残し、余った空間へ隠れ家と装飾を置く。この順番さえ守れば、見た目と機能は両立します。
空けておく広さの目安は、上から見て床面積の半分程度。構図としては、片側に寄せる三角構図か、両端を高くして中央を空ける凹構図が扱いやすいですね。中央に大きな素材を置く形は、泳ぐ道を分断するので避けたいところです。
素材は、水質への影響と角の有無で選びます。底床は水を酸性側へ引っ張りにくいものが無難で、流木はアク抜き済みかどうかを確認する。石や装飾品は、手で触って引っかかる面を魚の側へ向けない。この3点で大きな失敗は防げます。
そして隠れ家の主役は水草です。細かい葉が茂った一角を奥に作り、水面には浮き草で影を添える。量は床面積の4分の1から3分の1にとどめ、伸びたら間引く。稚魚の生存率も、追われるメスの居場所も、この茂みが引き受けてくれます。
なお、ここで挙げた比率や目安はあくまで一般的なものです。水槽の大きさや飼育数によって適した配分は変わりますので、実際の判断はご自身の水槽の様子を見ながら行い、素材の水質への影響が気になるときは販売店へ相談してみてください。
組んだあとは、汚れがどこにたまるかを数日観察してみましょう。そこがうまくいっていない場所を教えてくれます。少しずつ手を入れながら、自分の水槽の形を見つけていってください。




