グッピーとエビは混泳できる?種類別の相性と稚エビの守り方
グッピーの水槽にエビを入れてみたいけれど、食べられてしまわないか心配、という方は多いと思います。
コケや残り餌を片付けてくれるエビは、水槽の頼もしい仲間です。
一方で、「エビがいつの間にか減っていた」「稚魚がいなくなった」という話を聞くと、一緒に入れてよいのか迷ってしまいますよね。
その不安は自然なものです。
先に結論をお伝えすると、グッピーとエビは、成体どうしなら同じ水槽で暮らしやすい組み合わせです。
ただし、生まれたばかりの稚エビやグッピーの稚魚は食べられることがある前提で、細かな水草と隠れ家を十分に用意するのが基本になります。
この記事では、メーカーや水族館などの公表情報をもとに、エビの種類別の相性と、稚エビ・稚魚を守る水槽づくりを整理しました。
この記事で理解できることは、次の4つです。
- グッピーとエビの混泳が成体どうしなら成り立ちやすい理由
- ミナミヌマエビ・ヤマトヌマエビ・ビーシュリンプの種類別の相性
- 稚エビと稚魚を守る水草・隠れ家・産卵箱の使い分け
- 魚の薬や水草の農薬など、混泳で気をつけたいこと
グッピーとエビの混泳は成体同士なら相性がよい
まずは、グッピーとエビを同じ水槽に入れたときに、どんな関係になりやすいのかを整理します。
グッピーはおとなしい性格の熱帯魚で、ほかの生き物を追い回して攻撃するタイプではありません。
エビの側も、ヤマトヌマエビやミナミヌマエビのように、魚を襲わずにコケや残り餌を食べて暮らす種類が多くいます。
そのため、大きく育った成体どうしであれば、お互いに干渉しにくい組み合わせです。
気をつけたいのは、体の小さい「子ども」の時期です。
グッピーは口に入る大きさのものなら餌として食べる魚で、自分の稚魚でさえ食べてしまう習性があります。
生まれたばかりの稚エビは、グッピーから見ると動く小さな餌に近い存在です。
つまり、この混泳は「成体どうしは共存しやすい」「子どもは守らないと減る」という2つの面をあわせて考える必要があります。
この章では、グッピーがエビの成体を襲いにくい理由と、稚エビや稚魚を守る前提で考えたい理由を順に見ていきます。
グッピーがエビ成体を襲いにくい理由
グッピーとエビの成体が共存しやすいのは、グッピーの性格と体の大きさによるものです。
観賞魚用品メーカーのテトラ(スペクトラム ブランズ ジャパン)は、グッピーについて、温和な魚で水槽内のほかの魚や、エビ・貝類を攻撃することはないため混泳向きだと説明しています。
体の大きさも関係します。
キョーリンによると、グッピーの体長はオスが3〜4cm、メスが4〜6cmほどです。
一方、ジェックス(GEX)の解説では、ミナミヌマエビはオスが2cm、メスでも3cm未満、ヤマトヌマエビはオスが3.5cm、メスが4.5cmほどとされています。
口の小さいグッピーにとって、殻をまとった同じくらいの大きさのエビは、丸ごと食べられる相手ではないということですね。
エビの側から見ても、グッピーを襲う心配は大きくありません。
GEXは、ヤマトヌマエビについて、魚やほかの生き物を攻撃することはないと紹介しています。
ただし、これは健康な成体どうしの話です。
エビは雑食なので、弱った魚や死んだ魚を食べることもあるといわれています。
エビが魚をつついているように見えたら、まず魚の体調が落ちていないかを確かめてみてください。
混泳相手の全体像や、グッピーと組み合わせにくい魚については、グッピーと混泳できる魚を相性別に一覧で比べた記事で整理しています。
稚エビと稚魚は食べられる前提で考える
成体どうしは共存しやすくても、子どもの時期は別に考える必要があります。
結論から言うと、グッピーの水槽で稚エビや稚魚を育てたいなら、「放っておくと数が減る」前提で準備するのが現実的です。
理由の1つは、グッピーの食性です。
魚類の学術データベースであるFishBaseでは、グッピーの食性を動物プランクトンや小型の昆虫、デトリタス(有機物のかけら)などとしています。
口に入る小さな生き物なら、選り好みせずに食べる魚だと言えます。
もう1つは、グッピーが自分の子どもでさえ食べる魚だという点です。
GEXは、グッピーの親魚は産んだ仔を食べる習性があるので注意が必要だとしています。
キョーリンも、生まれた稚魚は親に食べられてしまうことがあると案内しています。
自分の稚魚を食べる魚が、同じくらい小さな稚エビを見逃すとは考えにくいですよね。
グッピーは殖える力も強い魚です。
キョーリンによると、メスの出産のサイクルは約30日で、一度に30〜100匹の稚魚を産みます。
稚魚と稚エビが同じ水槽で次々に生まれる状態になると、隠れる場所の取り合いも起きやすくなります。
どちらを優先して育てたいのかも、あらかじめ考えておくと準備がしやすくなります。
では、エビがグッピーの稚魚を食べることはあるのでしょうか。
この点は、メーカーや研究機関の情報では確認できませんでした。
ただ、エビは水槽の底で弱ったものや死んだものを片付ける生き物なので、弱った稚魚が狙われる可能性まで否定はできません。
いずれにしても、稚エビも稚魚も「隠れる場所があるかどうか」で生き残る数が変わる、と考えておくと準備の方向が決まります。
グッピーとエビの混泳は、成体どうしなら組み合わせやすい一方で、稚エビとグッピーの稚魚は食べられることがあります。
数を増やしたいなら、細かい水草や隠れ家を多めに入れる、産卵箱や別水槽を使う、という子ども向けの対策をセットで考えましょう。
グッピーと混泳できるエビの種類別の相性

ひとくちにエビといっても、アクアリウムで飼われる淡水エビにはいくつかの種類があり、体の大きさや殖え方、好む水が違います。
グッピーとの組み合わせでは、とくに「水槽の中で殖えるかどうか」と「好む水質が近いかどうか」の2点が、相性を左右します。
水槽の中で殖える種類は、稚エビがグッピーに食べられる場面が必ず出てきます。
逆に、水槽の中では殖えない種類なら、稚エビの心配はほとんどありません。
また、グッピーは中性から弱アルカリ性の水を好む魚なので、弱酸性の軟水を好むエビとは、同じ水で両方の好みを満たすのが難しくなります。
主な淡水エビの特徴を、メーカーや水族館の公表情報をもとに表にまとめました。
数値はあくまで一般的な目安で、個体差や飼育環境によって変わります。
→ 横にスクロールできます
| エビの種類 | 体長の目安 | 水槽での繁殖 | 水の好み(公表情報) | グッピーとの組み合わせ |
|---|---|---|---|---|
| ミナミヌマエビ | オス約2cm・メス3cm未満 | できる(一生を淡水で過ごす) | メーカー情報では数値を確認できず | 成体は共存しやすい。稚エビは隠れ家が必要 |
| ヤマトヌマエビ | オス約3.5cm・メス約4.5cm | できない(幼生が海へ下る) | 適温20〜28℃ | 成体が大きく、掃除役として組み合わせやすい |
| レッドチェリーシュリンプ | 約3cm | できる(ミナミヌマエビに近い種類) | メーカー情報では数値を確認できず | ミナミヌマエビと同じく稚エビ対策が必要 |
| レッドビーシュリンプ | 最大2〜3cm | できる | 24℃前後・弱酸性の軟水 | 水質の好みがグッピーと違い、同じ水槽は難しい |
体長と繁殖の情報はGEXの解説、ヤマトヌマエビの幼生の生活は沖縄美ら海水族館の生き物図鑑、レッドビーシュリンプの水の好みはGEXの解説をもとにしています(出典:GEX 淡水エビの仲間の解説/沖縄美ら海水族館 ヤマトヌマエビ)。
表のとおり、グッピーとの組み合わせやすさは、種類によってかなり違います。
ここからは、代表的な種類ごとに、混泳のポイントを見ていきましょう。
ミナミヌマエビは繁殖も楽しめる
ミナミヌマエビは、グッピーの水槽で繁殖まで楽しみたい方に向いたエビです。
GEXによると、ミナミヌマエビは西日本に分布する日本の固有亜種で、一生を淡水で過ごすので、水槽でも繁殖が可能とされています。
国土交通省九州地方整備局の資料でも、ミナミヌマエビは体長30mmに達し、デトリタスや藻類、水草などを食べる雑食で、通年繁殖が可能と紹介されています。
親エビはお腹に卵を抱え、卵からは親と同じ形の稚エビが生まれます。
ここが、グッピーとの混泳で気をつけたいポイントです。
水槽の中で稚エビが生まれるということは、その稚エビがグッピーの目にとまる場面が必ずあるということです。
隠れる場所が少ない水槽では、稚エビが大きくなる前に数が減ってしまい、「エビが殖えない」「いつの間にかいなくなった」と感じる原因になります。
反対に、細かい水草が茂っている水槽なら、稚エビが隠れながら育つ余地が生まれます。
ミナミヌマエビに近い仲間として、赤い体色のレッドチェリーシュリンプもよく売られています。
GEXは、レッドチェリーシュリンプを台湾産で体長3cmほど、ミナミヌマエビに近い種類で水槽でも繁殖可能と紹介しています。
色を楽しめる一方で、稚エビへの対策はミナミヌマエビと同じように考えてください。
メダカとの組み合わせで同じ悩みを整理したメダカとミナミヌマエビの混泳の注意点をまとめた記事も、隠れ家づくりの参考になると思います。
ヤマトヌマエビは大きく掃除役向き
ヤマトヌマエビは、グッピーと組み合わせやすい掃除役のエビです。
GEXによると、ヤマトヌマエビは日本に分布するヌマエビ科の中では大型種で、成体の体長はオスが3.5cm、メスが4.5cmほどです。
同じくGEXは、水草につく細かい糸状のコケや、残飯、砂の周りのコケを食べてくれる存在として紹介していて、魚やほかの生き物を攻撃することもないとしています。
グッピーより少し小さいくらいの大きさがあるので、成体がグッピーに食べられる心配は小さいと考えられます。
もう1つの特徴は、水槽の中では殖えないことです。
沖縄美ら海水族館の生き物図鑑では、ヤマトヌマエビを含む多くのヌマエビの仲間は、卵から生まれた幼生が海へ下り、成長とともに川へ戻ってくる暮らしをしていると説明しています。
淡水だけの水槽では幼生が育たないため、GEXも飼育下での繁殖はできないとしています。
そのため、稚エビがグッピーに食べられる心配はほとんどなく、入れた数を保ちやすいエビです。
水温の好みも、グッピーと重なる部分があります。
GEXはヤマトヌマエビの適温を20〜28℃としていて、グッピーについてはキョーリンが適温を21〜28℃、GEXが最も活発に活動する水温を23〜26℃としています。
グッピーに合わせた水温で、ヤマトヌマエビも飼いやすい範囲に収まると考えられます。
コケ取りを重視したい方や、稚エビの対策まで手が回らない方には、ヤマトヌマエビのほうが扱いやすいでしょう。
ただし、体が大きいぶん、餌を探す力も強めです。
グッピーの餌が底に落ちると、ヤマトヌマエビが先に集まってくることもあるので、餌の量は魚が食べきれる分にとどめ、残りがエビに回る程度に調整してみてください。
導入のときは水質の変化に弱い面もあるため、ヤマトヌマエビの水合わせの手順と時間の目安をまとめた記事を参考に、時間をかけて水に慣らしてあげましょう。
ビーシュリンプは水質の好みが違う
ビーシュリンプ、とくに改良品種のレッドビーシュリンプは、グッピーとの混泳にはあまり向かないエビです。
理由は、好む水質がグッピーと大きく違うからです。
GEXは、グッピーについて中性から弱アルカリ性の水を好み、極端に酸性に傾く底砂利以外なら飼育が可能だとしています。
FishBaseでも、グッピーのpHの目安は7.0〜8.0とされています。
一方、レッドビーシュリンプについてGEXは、住みやすい温度は24℃前後で、底砂に弱酸性の軟水を作るソイルがよく使われると説明しています。
つまり、レッドビーシュリンプに合わせて弱酸性に寄せるとグッピーの好みから外れ、グッピーに合わせるとエビの好みから外れる、という関係になります。
GEXのコラムでは、レッドビーシュリンプは中国や香港産のビーシュリンプをもとに生まれた改良品種で、体長は最大でも2〜3cmほどとされています。
小さく、環境の変化にも弱いとされるエビなので、グッピーと同じ水槽で飼うより、専用の水槽で水質を合わせて飼うほうが無理がありません。
どうしても両方を楽しみたい場合は、水槽を分けるのが確実です。
グッピーの水槽には、一般に丈夫で飼いやすいとされるミナミヌマエビやヤマトヌマエビを選ぶと、組み合わせを考えやすくなります。
エビ選びで迷ったら、「稚エビを増やしたいか」を先に決めると答えが出やすくなります。
増やしたいならミナミヌマエビで隠れ家を厚めに、掃除役として数を保ちたいならヤマトヌマエビ、という選び方です。
レッドビーシュリンプは、グッピーとは別の水槽で水質を合わせて楽しむのがおすすめですよ。
稚エビと稚魚を守る水槽づくり
ここからは、グッピーとエビの混泳水槽で、稚エビや稚魚を守るための具体的な方法を見ていきます。
基本の考え方は、「隠れる場所を増やす」「必要なら分ける」「吸い込みと水流から守る」の3つです。
どれか1つだけでは足りないこともあるので、水槽の大きさや、どこまで数を増やしたいかに合わせて組み合わせてください。
たとえば、稚エビや稚魚が「多少は残ればよい」くらいなら、水草を増やすだけでも変わってきます。
一方、グッピーの稚魚をしっかり育てたい、エビをたくさん殖やしたい、という場合は、産卵箱や別の水槽まで考えたほうが確実です。
メーカーの飼育ガイドで案内されている方法を中心に、順番に整理します。
隔離用のケースの中には、グッピーの稚魚だけでなくエビの飼育にも使えると案内されているものもあるので、あわせて紹介します。
細かい水草と隠れ家を増やす

いちばん手軽で効果が期待できるのが、細かい水草を増やして隠れる場所を作ることです。
GEXは、グッピーの繁殖について、産卵箱を使わなくても水槽内に水草やウィローモスを多く入れておけば、産卵箱より生存率は低いものの自然に繁殖させることはできる、と説明しています。
葉が細かく密に茂る水草は、グッピーの口が届きにくいすき間をたくさん作ってくれます。
稚エビにとっても同じで、GEXは、生まれた稚エビは水流が苦手なため、水草または人工の隠れ家があると安心だとしています。
GEXはグッピーの飼育について、水草は酸素の補給と稚魚が隠れられる場所になり、水槽内の余分な栄養分の分解者としても活躍すると説明しています。
隠れ家としてだけでなく、水槽の環境づくりの面でも役立つということですね。
水草の代わりに、人工の水草を使う方法もあります。
テトラ(スペクトラム ブランズ ジャパン)は、水草に付いてくる病原菌やスネールが気になる場合は、水質に影響を与えない素材で作られた人工水草で隠れ場所を作る方法を紹介しています。
水草を入れるときは、量と置き方がポイントです。
水槽のすみに1株だけ置くより、底の一部や水面近くに、稚エビや稚魚が逃げ込める茂みを何か所か作るほうが、隠れる場所として機能しやすくなります。
グッピーの水槽に合う水草の種類や入れる量は、グッピー水槽におすすめの水草と入れる量をまとめた記事で詳しく整理しています。
稚エビや稚魚の隠れ家にするウィローモスは、無農薬と表示されたものを選ぶと、エビのいる水槽にも入れやすくなります。
価格や在庫、内容量は購入前に各ショップでご確認ください。
産卵箱と別水槽を使い分ける
水草だけでは守りきれないときは、産卵箱や隔離ケース、別の水槽を使います。
テトラは、生まれてきた稚魚は親の半分くらいの大きさになるまで別の水槽で飼育すると、生存率を上げやすいとしています。
水草の代わりに市販のグッピー用の産卵箱を使えば、親から食べられる危険を避けられる、とも紹介しています。
水槽の外側に取り付けるタイプの隔離ケースもあります。
スドーの「サテライト」は、外掛式の1.2Lのケースで、グッピーやプラティなど卵胎生魚の産卵や、仔魚や弱い魚の隔離、ビーシュリンプの飼育などに使えると案内されています。
本水槽の水を循環させながら隔離できるので、水質を大きく変えずに稚魚や稚エビを分けられるのが利点です。
使い分けの目安としては、次のように考えるとわかりやすいと思います。
→ 横にスクロールできます
| 方法 | 向いている場面 | 気をつけたいこと |
|---|---|---|
| 細かい水草・人工水草 | 多少は自然に残ればよいとき | 生存率は産卵箱より低い |
| 産卵箱(水槽内に設置) | 出産が近いメスを一時的に分けたいとき | 狭いので長期間の飼育には向かない |
| 外掛式の隔離ケース | 本水槽の水で稚魚や稚エビを育てたいとき | 水量が少ないので数を入れすぎない |
| 別の水槽 | 稚魚や稚エビをしっかり増やしたいとき | 水槽と器具がもう1セット必要 |
稚魚を本水槽に戻すタイミングは、体の大きさで判断するのが目安です。
詳しくはグッピーの稚魚の隔離期間と合流の手順をまとめた記事を参考にしてください。
産卵箱の種類や選び方は、グッピーの産卵箱の選び方を比較した記事でまとめています。
水槽の外側に掛けて使う産卵・隔離用のケースなら、本水槽の中を狭くせずに稚魚や稚エビを分けられます。
取り付けられる水槽の条件や価格は、購入前に商品の説明と各ショップでご確認ください。
吸い込みと水流から守る

稚エビと稚魚を守るうえで、見落としやすいのがフィルターの吸い込みです。
テトラは、稚魚がフィルターに吸い込まれたり、排出される水の流れに体力を奪われて弱ったりすることがあるとして、給水口にスポンジフィルターを付けるよう案内しています。
GEXも、稚エビがフィルターに吸い込まれてしまうことがあるので、スポンジフィルターがおすすめだとしています。
グッピーの繁殖についても、GEXは親魚の水槽で自然繁殖させたい場合は、フィルターの吸い込み口にスポンジ等を付けるか、エアーリフト式のフィルターを基本にするよう説明しています。
生まれたばかりの稚エビは、とても小さな体です。
給水口のすき間から吸い込まれると、フィルターの中で見つからなくなってしまいます。
水流の強さにも気を配りましょう。
吐出口の水流が強すぎると、稚エビや稚魚が流されて体力を消耗しやすくなります。
テトラは、排水の勢いが強い場合は弱める必要があり、水量を調整できない場合は水流が弱めのろ過器に変える方法も紹介しています。
スポンジを付けたら、目詰まりしていないかも時々確かめてください。
詰まったまま放っておくとろ過の流れが弱くなるので、飼育水で軽くすすぐなど、ろ過の働きを保つ手入れも欠かせません。
吸い込み口に付けるスポンジは、お使いのフィルターの吸い込み口の太さに合うものを選ぶ必要があります。
対応するフィルターや価格は、購入前に商品の説明と各ショップでご確認ください。
グッピーとエビの混泳で注意したいこと
最後に、グッピーとエビを一緒に飼うときに、とくに気をつけたい注意点を整理します。
エビは、魚よりも薬や農薬の影響を受けやすい生き物だと考えておくと安全です。
グッピーだけを飼っていたときと同じ感覚で薬を使ったり、水草を入れたりすると、エビだけが弱ってしまうことがあります。
また、エビを飼うときには、自然の川や池に放さないという約束もあります。
どれも、混泳を始めてから慌てないように、あらかじめ知っておきたいポイントです。
この章では、魚の薬と水草の農薬、エビを屋外に放さないことの2つを取り上げ、最後によくある質問にまとめて答えます。
エビの数が増えすぎたときにどう扱うかも、ここであわせて確認しておきましょう。
魚の薬と水草の農薬に気をつける
グッピーが病気になったとき、混泳水槽にそのまま薬を入れるのは慎重に考えてください。
観賞魚用の薬は、効能や使い方が観賞魚を前提に書かれていて、エビへの影響が確かめられているわけではありません。
たとえば、ウオジラミやイカリムシの駆除に使われる薬は、これらの寄生虫が甲殻類であることから、同じ甲殻類のエビにも影響が出るおそれがあると考えられます。
研究でも、薄い濃度の銅にさらしたヤマトヌマエビで、エサのにおいに気づく力が落ちたことが報告されています。
グッピーに薬を使う必要があるときは、エビを別の容器へ移すか、グッピーを別の水槽に移して治療するほうが安全です。
使える薬かどうか迷うときは、薬の説明書を確認し、販売店にも相談してください。
水草の農薬にも注意が必要です。
GEXは、水草は無農薬のものを選ぶよう呼びかけていて、農薬の付いた水草を水槽に入れてしまうとエビが全滅してしまうことがあると注意しています。
研究でも、殺虫剤の成分の一つであるイミダクロプリドによって、ミナミヌマエビの動きが大きく落ちたことが報告されています。
水草を買うときは「無農薬」と表示されたものを選び、表示がないときは販売店に確かめるのが安心です。
農薬が抜けるまでの期間の考え方は、水草の農薬が抜ける期間とエビに安全な入れ方をまとめた記事で詳しく解説しています。
エビがいる水槽に、魚の薬や農薬が付いた可能性のある水草をそのまま入れないでください。
薬を使うときはエビか魚のどちらかを別の容器へ移し、使える薬かどうかは説明書と販売店で確かめましょう。
判断に迷うときは、観賞魚を扱う専門店へ相談するのが確実です。
エビを屋外に放さない
飼っているエビが増えすぎたときや、飼えなくなったときでも、川や池に放すのはやめてください。
とくにミナミヌマエビの仲間は、見た目がよく似た外来の種類が各地で見つかっていて、在来のエビへの影響が心配されています。
京都大学などの研究グループは、琵琶湖やその周辺の川で、近縁の外来種であるシナヌマエビが広く定着していて、在来種のミナミヌマエビと交雑している可能性が高いことを報告しています。
観賞用として売られているエビの中には、産地が海外のものや、品種改良されたものも多くあります。
自治体によっては、条例で指定した外来種を野外に放すことを禁止しているところもあります。
たとえば滋賀県の条例では、指定外来種を野外に放すことが禁止されていて、違反した場合には1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられるとされています。
増えすぎたエビは、水槽を分ける、知人に譲る、販売店に相談するなど、屋外に出さない方法で調整しましょう。
最初から殖えすぎが心配なら、水槽の中では殖えないヤマトヌマエビを選ぶのも1つの方法です。
グッピーとエビの混泳に関するよくある質問(FAQ)
グッピーはミナミヌマエビを食べますか?
成体のミナミヌマエビが食べられることは少ないと考えられますが、生まれたばかりの稚エビは食べられることがあります。
グッピーは口に入る小さな生き物を食べる魚で、自分の稚魚でさえ食べる習性があるためです。
稚エビを残したいなら、ウィローモスのような細かい水草や隠れ家を多めに用意してください。
エビがグッピーの稚魚を食べることはありますか?
メーカーや研究機関の情報では、エビが健康なグッピーの稚魚を食べるという確かな記録は確認できませんでした。
ただし、エビは雑食で、弱ったものや死んだものを食べることもあるといわれるため、弱った稚魚が狙われる可能性は否定できません。
稚魚をしっかり育てたい場合は、産卵箱や別の水槽で分けて育てるのが確実です。
グッピーの水槽にはどのエビが向いていますか?
繁殖も楽しみたいならミナミヌマエビ、掃除役として数を保ちたいならヤマトヌマエビが組み合わせやすいエビです。
ヤマトヌマエビは幼生が海へ下るため、淡水の水槽では殖えません。
レッドビーシュリンプは弱酸性の軟水を好むので、中性から弱アルカリ性を好むグッピーとは別の水槽で飼うほうが無理がありません。
エビとグッピーは何匹くらい入れればよいですか?
決まった数はなく、水槽の大きさやろ過の力によって変わります。
GEXはグッピーの目安として水量1〜2リットルあたり1匹くらいを挙げているので、まずはグッピーの数をこの目安に収め、エビは少なめから始めて様子を見るのが無難です。
エビが殖えて数が増えたら、水槽を分けるなどして過密を避けてください。
グッピーが病気になったら混泳水槽に薬を入れてもよいですか?
そのまま入れるのは避けたほうが安全です。
観賞魚用の薬は観賞魚を前提にしたもので、エビへの影響が確かめられているわけではありません。
エビを別の容器へ移すか、グッピーを別の水槽に移して治療し、使える薬かどうかは説明書と販売店で確かめてください。
まとめ|グッピーとエビの混泳は隠れ家で稚エビを守る
グッピーとエビは、成体どうしなら同じ水槽で暮らしやすい組み合わせです。
グッピーは温和でエビを攻撃しにくく、ヤマトヌマエビのように魚を攻撃しないエビも多くいます。
一方で、グッピーは口に入る小さな生き物を食べ、自分の稚魚でさえ食べる習性があるため、稚エビや稚魚は食べられることがある前提で考えましょう。
- ミナミヌマエビ:水槽で殖えるので、稚エビの隠れ家を厚めに用意する
- ヤマトヌマエビ:水槽では殖えず、掃除役として数を保ちやすい
- レッドビーシュリンプ:弱酸性の軟水を好むので、グッピーとは別の水槽が無難
- 守り方:細かい水草・隠れ家、産卵箱や別水槽、給水口のスポンジを組み合わせる
混泳を始めたら、魚の薬や水草の農薬がエビに影響しないように気をつけ、増えすぎたエビは屋外に放さず、水槽を分けるなどして調整してください。
この記事で紹介した体長や水温などの数値は、メーカーや水族館などの公表情報にもとづく一般的な目安で、個体差や水槽の環境によって変わります。
正確な情報は各メーカーの公式サイトや商品の説明書をご確認ください。
生体の状態や薬の使い方に迷うときは、最終的な判断を販売店や専門店に相談するのが確実です。
エビの種類と隠れ家を上手に選べば、グッピーとエビがそれぞれの持ち味を生かして暮らす水槽を楽しめますよ。





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