フルレッドグッピーの値段と特徴|繁殖のコツと個体の選び方
ショップや通販で、全身が真っ赤に染まったフルレッドグッピーを見かけて、その鮮やかさに目を奪われた方も多いのではないでしょうか。
ところが調べてみると、ジャーマンフルレッドやRREAフルレッドなど似た名前の商品がいくつも並んでいて、どれを選べばよいのか迷ってしまいますよね。
RREAは弱いという話や、メスがどんな色になるのか分からないといった点も気になって、なかなか注文に踏み切れない方もいると思います。
先に結論をお伝えすると、フルレッドは赤の濃さだけでなく体調と系統情報を確認し、RREAとの違いも理解したうえで、目的に合う個体を選ぶのがおすすめです。
この記事では、観賞魚用品メーカーの解説や販売店の説明、グッピーの遺伝を扱った論文をもとに、フルレッドの特徴と値段の例、個体の選び方、繁殖の基本を整理しました。
学術的に確かめられていることと、販売店や愛好家の説明にとどまることは、できるだけ分けて紹介していきます。
この記事で理解できることは、次の4つです。
- フルレッドグッピーの特徴と、呼び名の違う系統がいくつもあること
- フルレッドとRREAフルレッドの違いと、アルビノが子に出にくいしくみ
- 2026年9月26日時点の通販価格の例と、通販で届く個体の注意点
- 体調を先に見る個体の選び方と、出産の周期や系統を保つための準備
フルレッドグッピーとはどんな品種か
まずは、フルレッドグッピーがどんな品種なのかを整理しておきましょう。
フルレッドは、その名前のとおり、体からヒレまで全身が赤く染まるのが特徴のグッピーです。
観賞魚の輸入・卸と用品を手がける神畑養魚は、フルレッドには系統がいくつかあり、どれも赤系の品種の中で飛び抜けた人気があると紹介しています。
一方で、同じフルレッドの名前がついていても、目が赤いRREAフルレッドや、リボンと名のつく商品など、性質の違うものが同じ売り場に並んでいます。
値段にも差があるため、名前だけを見て選ぶと、思っていたのとは違う個体を迎えてしまうかもしれません。
この章では、フルレッドの見た目と系統の呼び名、そしてオスとメスで赤の出方がどう違うのかを順に見ていきます。
ほかの人気品種と見比べながら検討したいときは、グッピーの人気品種を特徴や値段の目安とあわせて一覧にした記事も参考になると思います。
全身が赤い品種で系統が複数ある

フルレッドの特徴と系統の呼び名を、メーカーと販売店の資料から順に確かめていきます。
神畑養魚は、系統の1つであるゴールデンフルレッドを、全身が真っ赤になる品種だと説明しています。
観賞魚用品メーカーのスペクトラム ブランズ ジャパン(旧テトラ ジャパン)の解説でも、ジャーマンフルレッドは全身が真っ赤なグッピーとして登場します。
同社のこの解説は2008年に公開されたもので、当時ジャーマンフルレッドは最近になって見かけるようになった品種として紹介されていました。
メーカーや販売店の資料で確認できた呼び名には、「ジャーマンフルレッド」「ゴールデンフルレッド」「RREAフルレッド」などがあります。
観賞魚の通販ショップであるチャームのYahoo!ショッピング店でも、フルレッド、ジャーマンフルレッド、ゴールデンフルレッド、RREAフルレッドは、それぞれ別の商品として並んでいました。
国産グッピーの専門店である新城熱帯魚は、扱っている「RRE,Aフルレッド」について、ハイドーサルと台湾系統を掛け合わせた個体だと商品説明に書いています。
ただし、それぞれの系統がどのように作られ、見た目や性質のどこが違うのかを整理したメーカーや学術の資料は、今回の調べでは見つかりませんでした。
購入するときは系統名だけで判断せず、商品説明に書かれている産地や掛け合わせの情報まで読んでおくと安心です。
神畑養魚の国産グッピーの解説ページには、フルレッドやRREAフルレッドも載っています。
同社は国産グッピーを、長年日本国内で選別と淘汰をくり返して系統を維持してきたグッピーだと定義していて、遺伝形質のはっきりしたペアで販売されているとも説明しています。
一方で、通販ではタイ産と表示されたRREAフルレッドを1匹単位で売る店もあり、フルレッドがすべて国産というわけではありません。
国産と外国産で丈夫さや値段がどう違うのかは、国産グッピーと外国産グッピーの丈夫さや値段、混泳の注意点を比べた記事で詳しく解説しています。
オスとメスで赤の出方が違う
フルレッドを選ぶときに気になるのが、メスもオスと同じように赤くなるのかという点です。
結論からいうと、フルレッドのメスがどんな見た目になるのかを具体的に説明したメーカーや学術の資料は、今回の調べでは見つかりませんでした。
そのため、この記事ではメスの色を断定せず、グッピーの色の遺伝について学術的に分かっていることを紹介します。
グッピーの色柄を決める遺伝子は、そのほとんどが性染色体の上にあり、しかも多くはオスにしか現れないとされています(Khooらによる1999年の論文)。
文献を整理した研究でも、オスの魅力的な形質はおもにY染色体とX染色体に連鎖しているとまとめられました(LindholmとBredenによる2002年の論文)。
神畑養魚も、体の色彩と模様は性染色体の上にある遺伝子で決まり、ノーマルやアルビノといった体色は常染色体の上にある遺伝子で決まると説明しています。
一方で、性染色体の上にある赤の遺伝子が、メスにも弱く現れる例もあります。
Khooらの研究では、赤い尾をつくる遺伝子は優性でオスとメスの両方に現れ、メスでは不透明な灰白色の尾に、強さに幅のある赤みが出るとされています。
ただし、これはシンガポールで養殖されているタキシード系統の赤い尾を調べた研究で、フルレッドそのものを調べたものではありません。
フルレッドの赤がどの染色体の上にあるのかを直接調べた学術論文も、今回の調べでは見つかっていないのが現状です。
今回調べた通販では、フルレッドの多くがオスとメスを組み合わせたペアか、トリオの単位で売られていました。
また、販売店の注意書きには、メスは届いた時点ですでに交配している可能性があると書かれているものもあります。
メスだけを買い足したいときや系統を守りたいときは、どの親から生まれた個体なのかを販売店に確かめておくとよいでしょう。
オスとメスの見分け方そのものを詳しく知りたいときは、尻ビレの形でオスとメスを見分ける方法と、稚魚を判別できる時期をまとめた記事を読んでみてください。
フルレッドとRREAフルレッドの違い
フルレッドを探していると、多くの店でRREAフルレッドという商品名を目にします。
名前が似ているので同じ品種の呼び方違いのように見えますが、大手の通販ではフルレッドとRREAフルレッドは別の商品として売られていて、値段も違います。
見た目でいちばん大きな違いは、目の色と黒い色素の有無です。
この違いは遺伝のしかたにも関わるため、自分で殖やすことまで考えているなら、買う前に押さえておきたいところです。
さらに、アルビノの中にも種類があり、組み合わせを間違えると親とは違う体色の子が生まれることもあります。
RREAは弱いという話を耳にすることもありますが、その根拠がどこまで確かなのかも気になりますよね。
この章では、RREAとは何か、アルビノにはどんな種類があるのかを整理したうえで、アルビノが子に出にくい理由と、弱いといわれる話の根拠を資料の種類ごとに確かめます。
RREAは赤い目のアルビノ系統

RREAは、Real Red Eye Albino(リアルレッドアイアルビノ)の略です。
チャームが制作する情報サイトのAQUALASSICは、RREAを、黒を表現するメラニン色素が完全に欠けた表現型だと説明しています。
スペクトラム ブランズ ジャパンの解説によると、リアルレッドアイアルビノは体が白っぽく目が真っ赤になるタイプです。
同社の説明では、RREAフルレッドはフルレッドのグッピーがアルビノになったものとされます。
神畑養魚も、RREAフルレッドをフルレッドのRREA版とし、RREAになることで赤がいっそう鮮やかになる品種だと紹介しています。
ここで知っておきたいのが、グッピーのアルビノには種類があるという点です。
AQUALASSICの説明によると、アルビノにはRREAのほかに、ブドウ目とも呼ばれる赤黒い目が特徴の「ルチノー」があります。
同じ説明では、全身が赤く染まるフルレッド系の品種とは相性が良いため、フルレッドにはルチノーも積極的に使われているとされています。
アルビノのフルレッドとして売られている個体を選ぶときは、RREAなのかルチノーなのかを商品説明で確かめておくのがおすすめです。
3つのタイプの違いを、今回の資料で確認できた範囲で表にまとめました。
価格の例は、2026年9月26日時点でチャームのYahoo!ショッピング店に表示されていた1ペアの税込価格です。
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| タイプ | 目の色 | 黒い色素 | 価格の例 | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| フルレッド(アルビノではないもの) | アルビノでなければ野生型と同じ黒い目と考えられる | 完全には欠けていない | 1,970円(在庫なし) | 系統名が複数あり、同じ名前でも作られ方が違うことがある |
| RREAフルレッド | 赤い目 | メラニン色素が欠けている | 2,760円 | ノーマル体色と交配するとF1はすべてノーマル体色/販売店は尾ビレの小さい機敏な品種との混泳を控えるよう案内 |
| ルチノー系 | 赤黒い目(ブドウ目) | 今回の資料では確認できず | 今回調べた範囲では見当たらず | RREAと混ぜるとF1にノーマル体色が生まれる(販売店の説明) |
表の価格はあくまで一例で、在庫の有無や時期によって変わります。
購入するときは、商品名にRREAと入っているかどうかと、写真の目の色をあわせて確かめておくと安心です。
チャームのRREAフルレッドの商品説明には、RREAやリボン、スワロー系の品種は、尾ビレの小さい機敏な品種との混泳を控えるよう書かれています。
これは弱いという説明ではなく混泳についての注意ですが、ほかの魚と同じ水槽で飼う予定があるなら覚えておきたい点です。
アルビノは劣性で子に出にくい
RREAのようなアルビノの性質は、遺伝のしかたにも特徴があります。
1948年にHaskinsらが発表した研究では、グッピーのアルビノは常染色体の上にある劣性(潜性)の形質で、記号aで表すことが提案されました(出典:Haskins & Haskins(1948)Heredity)。
2025年に発表されたChangらの研究でも、スカイブルー系統のグッピーについて、赤い目は1つの遺伝子による劣性の形質で、黒い目が赤い目に対して優性だと報告されています。
この2025年の研究では、孫の世代にあたるF2で黒い目と赤い目の比が3:1に合う結果となっています。
赤い目にかかわる遺伝子の候補としては、2024年に発表されたChangらの研究でOCA2が挙げられています。
ただし、この研究が対象にしたのは観賞用グッピーの赤目の4つの系統で、RREAという呼び名は使われていません。
販売店の説明も、こうした学術の知見と矛盾しない内容です。
チャームの遺伝の基礎講座では、RREAとノーマル体色を交配すると子の世代(F1)はすべてノーマル体色になり、その子どうしを交配したF2の25%がRREAになると説明されています。
つまり、RREAの親とノーマルの親から生まれた子は、見た目がノーマルでもRREAの遺伝子を隠し持っているということです。
さらにAQUALASSICは、ルチノーとRREAを混ぜるとF1にノーマル体色が生まれるので注意が必要だとしています。
RREAの系統を保ちたいなら、アルビノの種類をそろえた個体どうしで組み合わせるのが基本になりそうですね。
アルビノのような劣性とは別に、不完全優性という伝わり方で説明される品種もあり、販売店はブルーグラスどうしの子にレッドグラス、ブルーグラス、ブラオが生まれると説明しています。
その比率が販売店の説明にとどまる点も含めて、ブルーグラスの子の色が分かれるしくみを解説した記事で整理しています。
話をRREAに戻すと、遺伝のしかたと並んでよく聞かれるのが、体の丈夫さについての話です。
では、RREAは弱いという話には、どのくらいの根拠があるのでしょうか。
スペクトラム ブランズ ジャパン、神畑養魚、キョーリン、ジェックスの解説ページでは、RREAが弱い理由を説明した記述は、今回の調べでは見つかりませんでした。
学術の資料で確認できたのは、先ほどのHaskinsらによる1948年の研究だけです。
この研究では、アルビノのグッピーは半致死性で、成魚も雌雄とも半不妊で平均寿命がかなり短く、病気や水温・酸性度の変化に弱かったと報告されています。
ただしこれは、1948年に米国で見つかった、近親交配を重ねた系統から出たアルビノの記録です。
今の国産のRREAが同じ遺伝子によるものなのか、同じ程度に弱いのかは確認できていないため、RREAは弱いと言い切ることはできません。
体質には個体差や系統差もあるので、気になるときは販売店にその系統の様子を尋ねてみるのがおすすめです。
劣性の遺伝やF1・F2の考え方をもう少し詳しく知りたいときは、グッピーの色柄が伝わるしくみと固定の進め方を解説した記事で整理しています。
フルレッドグッピーの値段と通販
フルレッドの購入を考えるとき、やはり気になるのが値段です。
同じフルレッドの名前がついた商品でも、ジャーマンやゴールデンといった系統名、RREAかどうか、リボンかどうかによって、値段にははっきり差があります。
水槽のレンタル・メンテナンス業者のコラムでも、フルレッドは赤の面積が多いものほど高品質とみなされて値段が高くなり、RREAやリボンなどの形質が加わるとさらに高くなると紹介されています。
また、今回調べたときも在庫のない商品や入荷未定の商品がいくつもあり、欲しい系統がいつでも手に入るとは限りません。
通販で買う場合は、商品の値段に加えて、送料や届く個体の年齢も確かめておきたいところです。
この章では、通販での販売価格の例と、通販で届く個体について知っておきたい点を順に紹介します。
通販での販売価格の例

ここでは、フルレッドを扱う通販ショップの価格を一例として紹介します。
比べたのは、チャームが出店しているYahoo!ショッピング店と、国産グッピー専門店の新城熱帯魚です。
次の表は、2026年9月26日時点で各ショップのページに表示されていた税込価格の一例で、価格や在庫は店や時期によって変わります。
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| ショップ | 商品 | 数量 | 価格(税込) | 在庫・備考 |
|---|---|---|---|---|
| チャーム Yahoo!ショッピング店 | フルレッド | 1ペア | 1,970円 | 在庫なし |
| チャーム Yahoo!ショッピング店 | ジャーマンフルレッド | 1ペア | 2,200円 | 在庫なし/商品名に入荷未定の表示 |
| チャーム Yahoo!ショッピング店 | ゴールデンフルレッド | 1ペア | 2,150円 | 在庫なし/商品名に入荷未定の表示 |
| チャーム Yahoo!ショッピング店 | RREAフルレッド | 1ペア | 2,760円 | 在庫あり |
| チャーム Yahoo!ショッピング店 | フルレッドリボン | 1トリオ | 3,820円 | 在庫あり |
| チャーム Yahoo!ショッピング店 | RREAフルレッドリボン | 1トリオ | 5,090円 | 在庫あり |
| 新城熱帯魚 | RRE,Aフルレッド | ページに記載なし | 3,300円(税別3,000円) | 在庫なし |
チャームは楽天市場店でも同じ商品を扱っていて、価格はYahoo!ショッピング店より30〜100円ほど高くなっていました。
表を見ると、ペアどうし、トリオどうしで比べたときに、RREAの形質が加わった商品のほうが高くなっていることが分かります。
リボンの商品がトリオで売られているのには理由があります。
チャームの遺伝の基礎講座によると、リボンタイプのオスは交接器が伸びて繁殖に使いにくいため、ノーマルタイプのオスと組み合わせたトリオで販売されています。
神畑養魚も、リボンタイプのオスは繁殖に使いにくいと説明しています。
新城熱帯魚の「RRE,Aフルレッド」は、商品ページに数量の単位が見当たらなかったので、ペアかどうかは注文前に店へ確かめてください。
値段だけで比べず、送料やペアかトリオかといった単位もそろえてから比べるのがおすすめですよ。
通販で届く個体は若魚が多い
通販でフルレッドを買うときに知っておきたいのが、届く個体が成魚とは限らないという点です。
チャームの商品説明では、入荷の時点で生後2〜5か月の個体になるため、発色やサイズが画像のイメージと違う場合があるとされています。
写真で見た真っ赤な個体と比べて、届いた個体の赤が薄く見えたり、体が小さく感じられたりすることもあると考えておきましょう。
一方で、商品名にアダルトと表記した成魚のペアを扱う店もあるので、成長した姿を確かめてから迎えたい場合は、商品説明で年齢やサイズの表記を見ておくと安心です。
送料についても、店舗ごとに条件が決められています。
チャームのYahoo!ショッピング店の商品ページでは、東京都あての送料が730円と表示されていました。
楽天市場店の会社概要に載っている基本送料は、本州(中国地方を除く)が730円、中国地方が830円、四国が970円、九州が1,010円、北海道が1,130円、沖縄が3,250円(生体を含む場合)です。
Yahoo!ショッピング店は商品総額が税込5,980円以上なら沖縄県を除いて基本送料無料、楽天市場店も通常商品代金の総額が税込5,980円以上なら基本送料無料と案内しています。
ただし楽天市場店の案内では、北海道と九州へ生体を送る場合はタイム便の手数料がかかり、保温が必要なときは3,600円(沖縄は5,400円)で、送料無料の条件を満たしていてもこの手数料はかかるとされています。
送料無料の条件や地域ごとの手数料は変わることもあるので、注文前に各店舗の最新の案内を確認してください。
系統を守りたい方にとって大切なのが、メスの交配の状況です。
RREAフルレッドを扱う販売店の中には、メスは届いた時点ですでに交配している可能性があると、商品説明で断っている店もあります。
キョーリンによると、グッピーのオスの精子は2〜3回の出産分がメスの体に蓄えられます。
そのため、届いたメスが別のオスとすでに交配していた場合、しばらくはそのオスの子が生まれてくる可能性があります。
これはメーカーが示している方法ではなく、この記事としての考え方ですが、系統をそろえたいときは届いてから数回の出産は様子を見るか、未交配の若いメスかどうかを販売店に確かめておくとよいでしょう。
通販ショップの選び方や死着保証の比べ方は、グッピー通販のおすすめショップと価格の相場、健康な個体の見分け方を整理した記事で紹介しています。
フルレッドグッピーの選び方と繁殖
ここからは、実際にフルレッドを選ぶときのポイントと、迎えた後に殖やしていくための基本を見ていきます。
フルレッドは赤の美しさが魅力の品種なので、どうしても赤の濃さに目が行きがちです。
ですが、この記事でおすすめしたいのは、赤の濃さだけでなく体調と系統情報を確認し、RREAとの違いも理解したうえで、目的に合う個体を選ぶことです。
たとえば、観賞を楽しみたいのか、自分の水槽で系統を保って殖やしたいのかによって、確かめておくことは変わってきます。
殖やすつもりなら、ノーマルかRREAか、ルチノーが入っていないか、どの親から生まれたのかといった系統の情報が、赤の濃さと同じくらい大切になるでしょう。
一方で観賞が中心なら、まずは健康な個体を迎えて、餌や水温などの基本を整えることが先になります。
この章では、健康な個体の見分け方、餌と赤の発色の関係、出産の周期と系統を保つための水槽、よくある質問の順に整理します。
赤の濃さより体調を先に見る
店頭でフルレッドを選ぶときは、赤の濃さより先に、体の状態を見るのがおすすめです。
スペクトラム ブランズ ジャパンは、ショップでグッピーを購入するときに注意すべき点として、6つの状態を挙げています。
避けたいのは、体やヒレに白い点がある個体と、ヒレが白く濁ったり溶けたりしている個体です。
体の表面に血がにじんでいる個体や、極端に痩せている個体も選ばないほうが安心です。
体がむくんだように見える個体や、泳がずに一か所でぐったりしている個体も、同じく避けたい状態に入ります。
ジェックスも、尾ビレがちぎれていたり、くすんでいたりする個体は避けるよう説明しています。
フルレッドの場合は全身の赤に目を奪われやすいので、尾ビレの縁が欠けていないか、ヒレに濁りがないかも意識して確かめたいところです。
迎えた後についても、スペクトラム ブランズ ジャパンは、水槽に入れる前に塩浴や薬浴などのトリートメントを行うと、病気や寄生虫を持ち込むのを防ぐことにもつながると紹介しています。
国産か外国産かも、選ぶときの手がかりの1つです。
ジェックスは、国産グッピーは日本国内で繁殖・育成されるため、輸送や水質から起きる問題も少なく、比較的丈夫だと説明しています。
赤の入り方については、愛好家の間では、鼻先までしっかり染まり、お腹のあたりまで赤い個体を選ぶのがよいとされています。
同じく愛好家の間では、背ビレの付け根にシミが入りやすいことや、フルレッドは尾ビレの形を整えにくい品種であることも選別のポイントに挙げられていますが、いずれもメーカーが示した基準ではない点は知っておきましょう。
餌と赤の発色の関係
フルレッドの赤をきれいに保ちたいと考えたとき、気になるのが餌との関係です。
学術的には、動物はカロテノイドという色素を自分の体で作ることができず、最終的には餌に頼っていると説明されています(Gretherらによる2001年の論文)。
野生のグッピーでは、手に入るカロテノイドの量が、オスの婚姻色の出方を制限しているという報告もあります(Gretherらによる1999年の論文)。
その一方で、グッピーのオレンジの斑紋には、カロテノイドに加えて、動物が体内で作るドロソプテリンという赤い色素も含まれていると報告されています。
ドロソプテリンの量の地域による差は、大部分が遺伝によるものだとする研究もあります(Gretherらによる2005年の論文)。
つまり、グッピーの赤系の色には、餌から取り入れる色素と体の中で作る色素の両方が関わるとされていて、餌だけで決まるわけではありません。
しかも、これらは野生のグッピーを調べた研究で、フルレッドの全身の赤がどの色素によるものかを調べた研究は、今回の調べでは見つかりませんでした。
メーカーの商品では、キョーリンがグッピーなど小型熱帯魚向けの「クレストフリーク バイオバイツ」について、カロチノイド色素を適正に配合して自然な体色へ色揚げすると説明しています。
同じキョーリンの「ひかりクレストグッピー」も使用原料にカロチノイドが入っていますが、商品説明の主な目的は健全な成長と繁殖とされています。
ただし、色揚げをうたう餌で赤が濃くなるかどうかをフルレッドで確かめた研究は見つかっていないので、どの程度変わるかは分かっていないと考えておくのが無難です。
与え方の目安として、キョーリンは1日1・2回、数分で食べきる量を与えるよう勧めています。
キョーリンのよくある質問では、餌を高温や直射日光の当たる場所に置くと、ビタミンや色揚げ成分などが壊れやすくなると説明されています。
餌の粒の大きさや主原料、色揚げ成分の見方については、グッピーの餌を粒サイズや主原料、色揚げ成分で比べた記事で詳しく比べています。
キョーリンのひかりクレストグッピーは、グッピー向けに作られた餌で、原料にカロチノイドが使われています。
与え方や内容量、価格は、購入前に商品の説明と各ショップでご確認ください。
出産の周期と系統を保つ水槽

グッピーはメスが稚魚を産む卵胎生の魚で、キョーリンの解説でも比較的かんたんに繁殖できるとされています。
キョーリンによると、メスの1回の出産サイクルは約30日で、一度に30〜100匹の稚魚を産みます(出典:キョーリンのグッピー解説ページ)。
通販の章でも触れたように、オスの精子は2〜3回の出産分がメスに蓄えられるので、オスと分けた後もしばらく出産が続くことがあります。
ジェックスは、生後3〜4か月ほどたち、水質が安定してくると産仔しやすくなると説明しています。
チャームのRREAフルレッドの商品説明でも、生まれて1か月程度でオスとメスが判別でき、3か月ほどで交配できるようになるとされています。
繁殖させるときの水温について、スペクトラム ブランズ ジャパンは、グッピーの動きが活発になる25〜26℃に保つよう勧めていて、水質はpH6.5〜8.0の中性〜弱アルカリ性で問題ないとしています。
数値はあくまで一般的な目安なので、水槽の様子を見ながら調整してください。
生まれた稚魚は親などに食べられてしまうことがあるため、キョーリンは親と分けて育てるよう勧めています。
フルレッドの系統を代々保っていくには、それなりの準備が必要です。
神畑養魚は、1品種あたり、親の掛け合わせ用、稚魚育成用、オスとメスを分けた若魚育成用、次の親候補用など、4〜5本の水槽が必要になるだろうとしています。
また、少ない親だけで代を重ねると、近親交配による弱り(近交弱勢)が出ることが研究で報告されています。
ShikanoとTaniguchiによる2003年の研究では、同じ両親から生まれた兄妹どうしを交配したグッピーで生存率と塩分への耐性が下がった一方、成長や高い水温への耐性には影響が見られませんでした。
同じ研究で4つの系統をかけ合わせたところ雑種強勢が見られ、その大きさは系統どうしの遺伝的な距離と関係していました。
van Oosterhoutらによる2003年の研究でも、近親交配によってオスの色斑と求愛行動の頻度がはっきり減ったとされています。
ただし、この研究はトリニダード由来の野生型のグッピーを調べたもので、フルレッドで同じことを確かめた研究ではありません。
愛好家の間では、RREAの系統を維持するときに、体質を強くする目的でノーマル体色の個体を交える考え方もあります。
その場合は、F1がすべてノーマル体色になり、F2でRREAが戻ってくるという遺伝のしくみを理解しておく必要があります。
この方法を勧めているメーカーや学術の資料は見つからなかったので、取り入れるかどうかは販売店や専門店に相談しながら決めると安心です。
系統を保って殖やすときは、水槽を用途ごとに分けること、親の数を少なくしすぎないこと、アルビノの種類をそろえることの3つを意識しておくと、やることを整理しやすくなります。
系統を守りたいときは、どの親の組み合わせからいつ生まれた稚魚なのかを水槽ごとにメモしておくと、次の親を選ぶときに組み合わせを見直しやすくなりますよ。
交尾のしくみやオスとメスの比率、稚魚が生まれるまでの流れは、グッピーの繁殖の進め方を交尾から稚魚の誕生まで順に解説した記事にまとめています。
出産が近いメスを分けたり、生まれた稚魚を本水槽の水で育てたりするなら、水槽の外側に掛ける隔離用のケースが使いやすいかもしれません。
取り付けられる水槽の条件や価格は、購入前に商品の説明と各ショップでご確認ください。
フルレッドグッピーに関するよくある質問(FAQ)
フルレッドの値段はどのくらい?
2026年9月26日時点の一例では、チャームのYahoo!ショッピング店でフルレッドが1ペア1,970円(税込・在庫なし)、RREAフルレッドが1ペア2,760円(税込)でした。
系統名やRREAかどうか、リボンかどうかで値段が変わり、送料も別にかかることがあるので、購入前に各ショップで最新の価格を確認してください。
フルレッドとRREAフルレッドは何が違う?
RREAフルレッドはフルレッドにアルビノの性質が加わった品種で、目が赤く、メラニン色素が欠けているのが特徴です。
神畑養魚は、RREAになることで赤がいっそう鮮やかになると紹介しています。
RREAは劣性の性質なので、ノーマル体色と交配すると子の世代はすべてノーマル体色になると販売店は説明しています。
RREAは弱いって本当?
弱いと言い切れる根拠は、今回の調べでは見つかりませんでした。
1948年に別の系統を調べた研究では、アルビノのグッピーが短命で、病気や水温の変化に弱かったと報告されていますが、今の国産のRREAに当てはまるかは確認できていません。
気になるときは、販売店にその系統の状態を尋ねてみるのがおすすめです。
フルレッドのメスも赤い?
フルレッドのメスの見た目を具体的に説明したメーカーや学術の資料は、今回の調べでは見つかりませんでした。
学術的には、グッピーの色柄の遺伝子の多くは性染色体の上にあってオスに現れる一方、フルレッドとは別のタキシード系統では、赤い尾の遺伝子がメスに赤みとして出る例も報告されています。
メスの品種は見た目だけで判断せず、ペアやトリオで買うか、販売店に系統を確かめるのが安心です。
色揚げの餌で赤は濃くなる?
動物はカロテノイドを体内で作れず餌から取り入れていて、メーカーはカロチノイドを配合して色揚げをうたう餌を出しています。
ただしグッピーの赤系の色には体内で作るドロソプテリンも使われていて、色揚げの餌でフルレッドの赤が濃くなるかを確かめた研究は見つかっていません。
与える量は1日1・2回、数分で食べきる量を目安にして、餌は高温や直射日光を避けて保管しておきましょう。
まとめ|フルレッドは体調・系統・目の色で選ぶ
フルレッドグッピーは全身が赤く染まる品種で、ジャーマンフルレッドやゴールデンフルレッド、RREAフルレッドなど、呼び名の違う系統がいくつもあります。
赤の鮮やかさに目が行きがちですが、体調と系統の情報を確かめ、RREAとの違いを知っておくと、目的に合う個体を選びやすくなります。
- 特徴:全身が赤く染まる品種で系統が複数あり、メスの見た目を具体的に示した資料は見つからなかった
- RREAとの違い:RREAフルレッドは目が赤くメラニン色素が欠けたアルビノの系統で、劣性のためノーマル体色との子はすべてノーマル体色になる
- 弱さの話:学術の根拠は1948年の別の系統の研究だけで、今のRREAに当てはまるかは確認できていない
- 値段:2026年9月26日時点の一例では、チャームのYahoo!ショッピング店で1ペア1,970円〜2,760円、リボンは1トリオ3,820円〜5,090円(いずれも税込・在庫なしの商品を含む)
- 選び方:赤の濃さより先に、白い点やヒレの溶け、痩せやむくみがないかを確かめる
- 繁殖:出産サイクルは約30日で、系統を保つには1品種あたり4〜5本の水槽が目安とされる
通販で届く個体は若魚のことがあり、メスはすでに交配している場合もあるので、系統を守りたいときは販売店に確かめておきましょう。
この記事で紹介した水温や出産の周期などの数値は、メーカーや販売店の情報にもとづくあくまで一般的な目安で、個体差・系統差・飼育環境によって変わります。
価格も2026年9月26日時点の一例で、店や時期によって変わります。
正確な情報は公式情報や販売店にご確認ください。
個体の状態や系統の見極めに迷うときは、最終判断は販売店・専門店へご相談ください。
体の状態と系統のことを知ったうえで選べば、フルレッドの深い赤を、じっくり楽しめると思いますよ。





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